JPH0913080A - 精密洗浄方法 - Google Patents
精密洗浄方法Info
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Abstract
洗浄を行う。 【構成】 95%留出温度が初留点から5℃以内でかつ
99%留出温度が初留点から10℃以内である炭素数8
以上12以下の飽和炭化水素からなる洗浄剤を用いて被
洗浄物から汚れを除去する。蒸留の温度範囲を狭いた
め、高沸点分が減少し、主成分の純度が高くなり、飽和
炭化水素や芳香族炭化水素の含有を防止できるため、臭
気、安定性および人体安全性を向上させることができ
る。
Description
を除去するための洗浄方法に関し、さらに詳しくは、機
械部品、電気電子部品、光学素子、半導体部品およびそ
れらを加工する際に用いられる治工具類などの精密部品
から、加工油、加工屑、グリース、ワックス、フラック
ス、ピッチあるいは手脂などの汚れ成分を除去して、高
品質に洗浄する精密洗浄方法に関する。
タン、トリクロロエチレン、エチレンクロライドなどの
塩素系溶剤、あるいはケロシン、ベンゼン、キシレンな
どの炭化水素系溶剤を用いて浸漬、超音波振動、バレル
などの方法で汚れ成分を除去してきた。一方、電気電子
部品および光学素子は主にトリクロロエタン、フロン1
13などの塩素系溶剤あるいはフロン系溶剤を用いて汚
れを除去してきた。
塩素系およびフロン系溶剤は、オゾン層破壊の問題から
モンオトリオール議定書締結により1996年以降の使
用ができなくなる問題点がある。また、トリクロロエチ
レン、エチレンクロライド等の塩素系溶剤は地下水を汚
染する問題があり、環境汚染の点からその使用を継続す
ることは好ましくない。ケロシン、ベンゼンなどの炭化
水素系溶剤は、洗浄性が優れ、乾燥性にも優れている
が、有機則で規制の対象となるものがあると共に、発癌
性が大きいことが明らかになっており、人体安全性上そ
の使用は好ましくなく、しかも、発臭性があって使用
上、臭いに問題がある。
向の点で、これらの洗浄剤の代替品が種々開発されてい
る。例えば機械部品用としては水系洗浄剤やグリコール
エーテル類を主成分とする洗浄剤が提案されている。ま
た、電気電子部品、特に電気実装基板用としては、上記
グリコールエーテル類やリモネンなどのテルペン類を主
成分とする洗浄剤が提案されている。
浄性および仕上がり性に優れ、短時間で乾燥可能な機械
部品の洗浄方法として、沸点が100°C〜350°C
の炭化水素を主成分とする洗浄剤で汚れを除去した後、
沸点が80°C〜200°Cの完全フッ素化化合物で仕
上げる洗浄方法が提案されている。また、特開平5−4
3893号公報には、ナフタリン、ビフェニルを実質的
に含まない沸点150〜240°Cの炭化水素留分を主
成分とする洗浄剤組成物を用いて洗浄することが記載さ
れている。これにより環境汚染がなく、安全性および汚
れの除去性に優れ、しかも安価な洗浄を可能としてい
る。
分とする洗浄剤は、洗浄性に優れるが臭いが強く、しか
も乾燥性が劣るものが多いという問題点を有し、リモネ
ンなどのテルペン類を主成分とする洗浄剤は安全性およ
び洗浄性に優れるが、同様に臭いが強い問題を有してい
る。しかもテルペン類は天然物由来であるため、品質安
定性に欠けると共に、量的に安定供給できない不便さを
有している。
いう点で優れているが、水系洗浄剤を用いる洗浄では、
洗浄剤を置換するリンス水の処理方法、乾燥方法および
金属に対する錆の発生を考慮する必要があり、設備的
に、しかも被洗浄物に大きな制約があることが問題点と
なっている。
に、炭化水素を主成分とする洗浄剤で汚れを除去した
後、完全フッ素化化合物で仕上げる方法は、洗浄性およ
び仕上がり性に優れ、短時間で乾燥可能であり、さらに
水を用いていないため排水処理および錆の問題もない
が、仕上げに用いられる完全フッ素化化合物が非常に高
価であるという問題を有している。このため、高度の密
閉性の洗浄装置を用いたり、この洗浄装置の蒸気回収装
置を取り付けて、完全フッ素化化合物の消費量を抑制す
る等の特別な工夫が必要となり、装置が複雑化し、制御
も面倒となる新たな問題が生じている。
剤組成物は環境汚染がなく、汚れの除去性に優れ、安価
であるという利点を有しているが、多くの種類の炭化水
素の混合物であるため、乾燥工程後に被洗浄物表面にシ
ミが発生しやすく、精密洗浄の用途に用いることが困難
である。また、発癌性の疑いのある芳香族炭化水素分を
100%除去できないため、人体安全性に問題があると
共に、臭いが強いという問題点がある。
たものであり、精密部品に付着している汚れ成分を、環
境汚染がなく、洗浄性および乾燥性に優れ、安価にそし
て高品質に除去することが可能な精密洗浄方法を提供す
ることを目的とする。
成する本発明の洗浄方法は、95%留出温度が初留点か
ら5℃以内で、かつ99%留出温度が初留点から10℃
以内である炭素数8以上12以下の飽和炭化水素からな
る洗浄剤を用いて被洗浄物から汚れを除去することを特
徴とする。この洗浄において、前記飽和炭化水素からな
る洗浄剤として、イソパラフィンを用いることができ、
また、この飽和炭化水素からなる洗浄剤の主成分として
炭素数9のイソノナンとすることができる。
水素を用いるものである。炭化水素類としては、石油を
精製した際に分溜される留分を金属触媒などを用いて水
素添加したり、分離吸着や蒸留などを用いて精製したも
のが従来より洗浄剤として用いられてきた。これら洗浄
剤は、オゾン層を破壊したり、地下水を汚染するという
環境汚染の恐れがない、他の種類の洗浄剤と比較して非
常に安価で、安定した量を確保でき、しかも金属に対し
て錆を発生させることがないなど多くの優れた点を有し
ている。しかし、非常に純度が悪く、沸点が広範囲に分
布したり、人体に悪影響を与えると考えられる不飽和炭
化水素や芳香族炭化水素を含有しており、仕上がり性及
び人体安全性が問題となることもあった。
は、プロピレンやブテンガスからの重合反応によって製
造した数種類の炭化水素系溶剤を蒸留装置で蒸留選別
し、95%留出温度が初留点から5℃以内で、かつ99
%留出温度が初留点から10℃以内である炭素数8以上
12以下の炭化水素である。このようなプロピレンやブ
テンガスからの重合反応による製造工程では、複数の沸
点ピークを有した数種類の限定された炭化水素系溶剤が
生成し、その後の蒸留工程で容易に高純度の飽和炭化水
素を分離することができる。
に好ましくは95%留出温度が初留点から3℃以内で、
かつ99%留出温度が初留点から10℃以内である炭素
数8以上12以下の飽和炭化水素であり、最も良好なも
のは、99.5%留出温度が初留点から3℃以内である
炭素数8以上12以下の飽和炭化水素である。
することにより、高沸点分が減少して主成分の純度が向
上し、不飽和炭化水素や芳香族炭化水素の含有を防止で
きるため、臭気、安定性および人体安全性を向上させる
ことができる。また、洗浄に使用することで汚れた洗浄
剤を蒸留再生して循環使用する場合においても、蒸留さ
れる温度領域が狭いため、汚れ成分との分離性が良く、
高い再生率で洗浄剤を再生することが可能である。
より小さい場合、引火性が極端に増加して取扱いの安全
性が低下するので好ましくない。逆に炭素数が12より
大きい場合、その沸点が加工油などの多くの汚れ成分の
沸点に接近するため、洗浄剤を蒸留再生して循環使用す
る際に、汚れ成分との分離性が悪くなる。
に用いる洗浄剤は、表面張力が約18〜22dyen/
cmと極めて低く、被洗浄物の細かい隙間やネジ部等の
非貫通穴に対して、洗浄剤が容易に出入りできるため、
凹凸の激しい複雑形状を有した被洗浄物から汚れを除去
することが可能で、洗浄性に優れている。なお、本発明
に用いる洗浄剤は、従来から用いられている炭化水素系
溶剤の環境汚染の恐れがない、安定供給が可能である、
非常に安価である。錆の発生がないなどの優れたメリッ
トをそのまま有している。
なる洗浄剤を用いて汚れ成分を除去するものである。こ
の洗浄としては、例えば切削油などの加工油と切削屑が
付着した機械加工部品を上記飽和炭化水素系の洗浄剤に
浸漬し、超音波振動、バブリング、液中噴流あるいは液
流などの物理力を作用させて、切削油と切削屑を除去す
ることができる。またフラックスが付着した電気基板、
研磨剤あるいはピッチが付着したレンズ等の光学素子な
ど様々な精密部品から汚れ成分を精密に除去することが
できる。
としては、イソパラフィンを選択することができる。飽
和炭化水素にはノルマルパラフィン類、イソパラフィン
類およびナフテン類がある。この内、ノルマルパラフィ
ン類は洗浄性あるいは臭いに劣り、ナフテン類は臭いあ
るいは人体安全性に劣っているが、イソパラフィンは洗
浄性、臭いおよび人体安全性に優れており、このイソパ
ラフィンを選択的に用いるものである。
を主成分とした飽和炭化水素を用いることができる。炭
素数8以上12以下のイソパラフィンには、イソオクタ
ン、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン及びイソ
ドデカンがある。この内、イソノナンは洗浄性および消
防法規制の点で他の化合物に優れる。消防法規則の保有
量ではイソオクタンは第1石油類に属しているため、2
00リットルに制限されているが、イソノナンは第2石
油類に属しているため、1000リットルまで保有でき
る優位さがある。一方、イソデカン、イソウンデカン及
びイソドデカンは洗浄性が劣る難点がある。
している汚れ成分を洗浄剤によって除去した後、被洗浄
物に付着している前記洗浄剤を置換し、その後、乾燥す
る方法において、前記乾燥工程の直前に用いられる洗浄
剤として、95%留出温度が初留点から5℃以内で、か
つ99%留出温度が初留点から10℃以内である炭素数
8以上12以下の飽和炭化水素を用いることを特徴とし
ている。この方法において、乾燥工程の直前に用いられ
る飽和炭化水素としてイソパラフィンを用いることがで
き、あるいはその主成分が炭素数9のイソノナンを用い
ることができる。
いる洗浄剤として、95%留出温度が初留点から5℃以
内で、かつ99%留出温度が初留点から10℃以内であ
る炭素数8以上12以下に限定した飽和炭化水素を採択
使用するものである。かかる飽和炭化水素としては、9
5%留出温度が初留点から3℃以内で、かつ99%留出
温度が初留点から5℃以内である炭素数8以上12以下
の飽和炭化水素が好ましく、さらには、99.5%留出
温度が初留点から3℃以内である炭素数8以上12以下
の飽和炭化水素が良好である。
「仕上げ液」、「乾燥液」あるいは「リンス液」と呼ば
れている。このような洗浄剤は前工程で用いられた他の
洗浄剤を置換(=リンス)して表面を正常に仕上げた
後、乾燥させるために使用される。本発明では、かかる
洗浄剤が蒸留される温度領域を狭く限定することによ
り、含まれる高沸点分が減少するため、主成分の純度が
向上する。これにより乾燥シミの発生を抑制することが
でき、部品を高品質に仕上げることができる。蒸留され
る温度範囲が上述した範囲より広い場合、乾燥した際に
含まれる高沸点分を核として物品表面に乾燥シミが発生
する。本発明に用いる飽和炭化水素の炭素数が8より小
さい場合、引火性が極端に増加して、取扱いの安全性が
低下するので好ましくない。逆に炭素数が12より大き
い場合、乾燥速度が極端に小さくなって、乾燥性に劣る
ので好ましくない。
いる例としては、高沸点有機溶剤で汚れ成分をほとんど
除去した後、本発明の飽和炭化水素に浸漬して、十分に
前槽の洗浄剤を置換(リンス)し、その後、低速で飽和
炭化水素から引き上げ、乾燥工程に移行する手順があ
る。この方法において、汚れを除去する際あるいは置換
リンスする際には様々な物理力を加えると効果的であ
る。高沸点有機溶剤は飽和炭化水素と相溶することが好
ましいが、完全に溶解するものでなくても、置換リンス
することは可能である。この方法では高沸点有機溶剤を
直接乾燥するのが難しい場合に有効であり、しかも、乾
燥シミの発生および乾燥時間の長時間化を防ぐことがで
きる。本発明ではかかる高沸点有機溶剤を上述した飽和
炭化水素に変えても良い。この方法の場合、1種類の飽
和炭化水素のみで簡単に精密洗浄できる。乾燥工程とし
ては、温風、回転、赤外線加熱あるいは真空乾燥など様
々な方法を用いることができる。
ィンを選択することができる。飽和炭化水素にはノルマ
ルパラフィン、イソパラフィンおよびナフテンがある
が、ノルマルパラフィン類は臭いに劣り、ナフテン類は
臭いあるいは人体安全性に劣っている。これに対して、
イソパラフィンは乾燥性、臭いおよび人体安全性に優れ
ている。特に乾燥工程においては、洗浄剤が揮発するの
で臭いが小さいということは重要な点である。
のイソノナンを主成分とした化合物を選択することがで
きる。炭素数8以上12以下のイソパラフィンには、イ
ソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン
およびイソドデカンがあるが、特にイソノナンは乾燥性
および消防法規制に優れる。例えば、消防法規則の保有
量ではイソオクタンは第1石油類に属しているため、2
00リットルに制限されるが、イソノナンは第2石油類
に属しているため、1000リットルまで保有できる優
位さがある。一方イソデカン、イソウンデカンおよびイ
ソドデカンは洗浄性が劣る難点がある。
る金属製平板に、商品名「ユニカットGH−35(日本
石油(株)製)」の切削油1.0gを均一に塗布して被
洗浄物Aとし、直径5mm:深さ6mmの止まり穴の開
いたSUS304からなる金属製ブロックの止まり穴
に、商品名「ダフニーカットHS−1(出光興産(株)
製)」の切削油0.5gを注入したものを被洗浄物Bと
した。
槽で汚れを除去し、第2槽で仕上げるものであり、第2
槽は乾燥工程の直前に配置される。これらの槽における
洗浄は、常温の洗浄液に1分浸漬すると共に、100
W、40KHzの出力で超音波振動を作用させることで
行った。また、乾燥工程は80℃の温風を3分吹きつけ
ることで行った。
有無を外観目視で観察すると共に、被洗浄物に残留して
いる油分をトリクレンで抽出し、吸光度測定によって油
分の除去率を算出することで行った。表1はこの評価を
示す。同表における「除去性」欄の「○」は90%以
上、「△」は90〜50%、「×」は50%以下の油分
の除去率であり、「シミ」欄の「○」は表面にシミがな
く、「×」は表面にシミがあったものを示す。なお、同
表における「PGM−AC」は第3石油類に属する
(株)クラレ製のプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート(沸点143℃)であり、「ナフテゾー
ルM」は第3石油類に属する日本石油(株)製のナフテ
ン系炭化水素(沸点210〜235℃)、「ダフニーア
ルファクリーナーH」は第3石油類に属する出光興産
(株)製のイソパラフィン系炭化水素(沸点213〜2
63℃)である。表2は上記実施例1〜5に用いた飽和
炭化水素の95%留出温度および99%留出温度の温度
範囲を示す。
2槽のいずれも、飽和炭化水素を用いたもので、油分の
除去性、外観及び乾燥性が「○」となっている。表1に
おける実施例6〜8は第1槽に上述した高沸点溶剤を用
い、第2槽に飽和炭化水素を用いたものである。いずれ
の実施例6〜8も表1に示されるように、油分の除去
率、外観および乾燥性が「○」であり、高品質に仕上げ
ることができることが明らかである。
水素溶剤で炭素数=14が主成分であるダフニールアル
ファクリーナーH(出光興産(株) 沸点166〜20
2℃第3石油類)を用いた例である。表1に示されるよ
うに、油分の除去性は「○」で問題がないが、外観の観
察では表面にシミが発生した。さらに液残りもあった。
これにより炭素数が12以上では特に乾燥性および仕上
がり性に問題となることがわかる。比較例2は、従来か
ら用いられている炭化水素洗浄剤のケロシン(沸点17
5〜320℃ 第2石油類)を用いた例である。表1に
示されるように、油分の除去性は「○」で問題がない
が、外観の観察では表面にシミが発生した。これにより
蒸留される温度範囲が広くなると仕上がり性に劣ること
がわかる。さらに、不飽和炭化水素や芳香族炭化水素が
含まれるので人体安全性、安定性および臭いに問題があ
る。比較例3ではナフテゾールMを、比較例4ではエチ
ルカルビトールを用いた例である。いずれも油分の除去
性は「○」で問題がないが、表面にシミが発生したり、
液残りがあり、しかも乾燥性および仕上がり性に劣って
いる。さらにこれらは臭いが強い問題もある。
浄手順を示す。この洗浄では、凸面の曲率R=46.9
mm、凹面の曲率R=9.6mmの凹凸面を有する直径
16mmの硝材BK7からなるガラスレンズ20枚を被
洗浄物とした。第1槽では、常温の純水に浸漬して、1
分間、揺動させ、第2槽では、常温のIPA(イソポロ
ピールアルコール)に浸漬して、1分間、揺動させた。
第3槽では、洗浄剤を交代させ、常温で浸漬し、その
後、低速で引き上げた。乾燥工程では、80℃の温風を
3分間、吹きつけた。
ンズ表面に呼気をかけて目視で評価する呼気評価と、レ
ンズ表面にフッ化マグネシウム(MgF2 )のコーティ
ングを施して、蛍光灯の反射光下で目視で評価するコー
ティング評価とを行った。シミなどの異物が表面に確認
されたものは全て不良品と判断し、不良品の発生率を求
めた。評価の結果を表3に示す。
精密部品の仕上がり性に対する評価とすることができ
る。表3に示すように、シミなどの異物が表面に確認さ
れたものは全くなく、不良率0%であった。実施例9〜
11の洗浄剤は、高沸点成分が含まれておらず、シミ発
生の核とならないため、清浄に仕上げることができたも
のである。これにより実施例9〜11に用いた飽和炭化
水素は仕上がり性に優れることがわかる。
用いた例である。比較例5はイソパラフィン系炭化水素
洗浄剤で炭素数=14が主成分であるダフニーアルファ
クリーナーHを用いた例である。表3に示すように、呼
気評価およびコーティング評価のいずれも、不良率が高
い。これにより炭素数が12より大きくなると、乾燥性
が著しく低下して、仕上がり性に劣ることがわかる。比
較例6は炭素数=9〜12であるケロシン(沸点175
〜320℃、第2石油類)を用いた例である。表3に示
すように、呼気評価およびコーティング評価のいずれ
も、不良率が高く、95%留出温度および99%留出温
度と初留点との温度範囲が広くなると仕上がり性に劣る
ことがわかる。このような高沸点成分も含む洗浄剤で仕
上げると、この高沸点成分のみが遅く乾燥するため、そ
の部分がシミなどの異物として残るものである。以上の
ことから、超精密部品を高品質に仕上げるには炭素数と
95%留出温度および99%留出温度と初留点との温度
範囲の規定が必要であることがわかる。なお、炭素数が
7以下の飽和炭化水素洗浄剤の場合、高品質に仕上げる
ことは可能であるが、引火点が20℃以下になり、引火
の危険性が増し、安全性が低下するとともに、消防法の
規制が厳しくなるため好ましくない。
てきた炭化水素洗浄剤の人体安全性、臭気性、あるいは
仕上がり性の低さなどの問題点を解決するとともに、非
塩素系であるため、オゾン層を破壊することなく、また
地下水への混入による環境破壊の心配もなく、フロン1
13などの塩素系の洗浄剤と同等の性能を有し、被洗浄
物から汚れを高品質に除去できる。
である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 95%留出温度が初留点から5℃以内
で、かつ99%留出温度が初留点から10℃以内である
炭素数8以上12以下の飽和炭化水素からなる洗浄剤を
用いて被洗浄物から汚れを除去することを特徴とする精
密洗浄方法。 - 【請求項2】 前記飽和炭化水素からなる洗浄剤がイソ
パラフィンであることを特徴とする請求項1記載の精密
洗浄方法。 - 【請求項3】 前記飽和炭化水素からなる洗浄剤の主成
分が炭素数9のイソノナンであることを特徴とする請求
項1記載の精密洗浄方法。 - 【請求項4】 被洗浄物に付着している汚れ成分を洗浄
剤によって除去した後、被洗浄物に付着している前記洗
浄剤を置換し、その後、乾燥する方法において、前記乾
燥工程の直前に用いられる洗浄剤として、95℃留出温
度が初留点から5℃以内で、かつ99%留出温度が初留
点から10℃以内である炭素数8以上12以下の飽和炭
化水素を用いることを特徴とする精密洗浄方法。 - 【請求項5】 前記乾燥工程の直前に用いられる飽和炭
化水素がイソパラフィンであることを特徴とする請求項
4記載の精密洗浄方法。 - 【請求項6】 前記乾燥工程の直前に用いられる飽和炭
化水素の主成分が炭素数9のイソノナンであることを特
徴とする請求項4記載の精密洗浄方法。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP16585595A JP3670715B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 精密洗浄方法 |
MYPI9602688 MY121584A (en) | 1995-06-30 | 1996-06-29 | Cleaning agent composition and precision cleaning method |
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SG1996010187A SG55209A1 (en) | 1995-06-30 | 1996-06-29 | Cleaning agent composition and precision cleaning method |
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---|---|---|---|
JP16585595A JP3670715B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 精密洗浄方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0913080A true JPH0913080A (ja) | 1997-01-14 |
JP3670715B2 JP3670715B2 (ja) | 2005-07-13 |
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ID=15820283
Family Applications (1)
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JP16585595A Expired - Fee Related JP3670715B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 精密洗浄方法 |
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JP (1) | JP3670715B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177555A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-09-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 剥離用組成物及び剥離用組成物の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16585595A patent/JP3670715B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177555A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-09-09 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 剥離用組成物及び剥離用組成物の製造方法 |
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---|---|
JP3670715B2 (ja) | 2005-07-13 |
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