JP2006022167A - 洗浄剤組成物及びそれを用いた洗浄システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 油性汚れ、水性汚れ及びそれらの複合した汚れが付着した被洗浄物に対して、その形状によらず良好に洗浄でき、水等のリンス剤が不要で洗浄後にそのまま乾燥ができ、洗浄剤から汚れを分離して再使用できる低毒性で安全性の高い洗浄剤を提供する。
【解決手段】 プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.001〜0.1重量部、及び任意にジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールから選ばれる1種以上の溶剤30重量部以下からなる洗浄剤組成物を用いる。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、自動車、機械、精密機器、電気、電子等の各種工業分野における加工部品や製品(以下、部品等と表す)について、付着した油性及び水溶性加工油や水等の各種汚れを除去する洗浄剤に係わり、より詳しくは、油性加工油、水性加工油や水等の複合した汚れを部品等の形状によらず、大気圧下における引火点未満の低温度での洗浄や減圧下における高温度での洗浄ができ、洗浄後は水等のリンス剤が不要で、そのまま乾燥ができ、再生しながら繰り返し使用できる低毒性で、安全性かつ安定性の高い洗浄剤及びそれを用いた洗浄システムに関する。
自動車、機械、精密機器、電気、電子等の各種工業分野において扱われる部品等は、その加工の際に、鉱物油等を主体とする油性加工油、鉱物油等に界面活性剤を加えて水に乳化させた水性加工油、水等が使用され、これらを除去するため、洗浄する必要がある。通常、部品等の加工は複数の工程から構成され、工程毎に使用される加工油も異なる場合が多い。従って、加工後の部品等には、様々な加工油等が複合して付着しており、従来、これら汚れの除去には、塩素系溶剤による洗浄、イソプロパノール(IPA)による洗浄、アルカリ、酸、界面活性剤等と水を配合した水系洗浄剤による洗浄が行なわれてきた。しかし、環境保護や毒性問題のため、塩素系溶剤は使用が困難になっており、IPAは引火点が低いために火災危険性が高く、また洗浄性も不十分である。水系洗浄剤は、揮発しない成分が含まれるため、洗浄後に純水でリンスする必要があり、そのため、洗浄後にシミや錆が発生しやすく、洗浄設備が大型になり、純水製造設備や廃水処理設備等の付帯設備も必要であるなど問題が多い。
これらの問題に対し、グリコールエーテル等の溶剤と水を配合した準水系洗浄剤(例えば、特許文献1,2参照)、炭化水素系洗浄剤、アルコール系洗浄剤(例えば、特許文献3参照)や、蒸留再生することが可能な洗浄剤(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特開平11−199896号公報(請求項1) 特開2004−107561号公報(請求項1) 特開平9−25496号公報(請求項1,2,3) 特開平9−49000号公報(請求項1,5,6)
しかし、このような洗浄剤には以下の問題がある。特許文献1,2の準水系洗浄剤の場合、汚れは溶解せず、被洗浄物から剥離(落下、浮上、乳化)させて除去する。従って、袋穴を有するものや微細な被洗浄物では、汚れを十分除去できず被洗浄物に残ってしまう状況となり、洗浄性が不十分となる。また、洗浄力を強化するため、準水系洗浄剤に界面活性剤を配合した場合は、洗浄後に純水でリンスする必要が有り、純水製造設備や廃水処理設備等、管理が煩わしい。炭化水素系洗浄剤の場合は、油性加工油等の油性汚れは溶解させて除去可能であり洗浄性も高いが、水性加工油や水等の水性汚れは溶解できないため、洗浄性が悪い。炭化水素系洗浄剤で水性汚れを除去する場合は、水切り剤を配合した炭化水素系洗浄剤を使用する。この場合、水性汚れを剥離させて除去するため、前記と同様に被洗浄物の形状によっては洗浄性が不十分であるし、洗浄後にリンスする必要もある。特許文献3のアルコール系洗浄剤では、いずれの汚れも洗浄性が不十分であり、さらに洗浄剤の再使用等について問題がある。特許文献4では、アルコール系有機溶剤とクレゾールやキシレノール等を含む洗浄剤が提案され、洗浄剤を蒸留する際にアルコール系有機溶剤とともにクレゾール等が留出するため、蒸留再生することができるとしている。しかし、これらの組成物は熱安定性が悪く、減圧下における高温度での洗浄や蒸留再生により洗浄剤が劣化するため、繰り返し使用することができないという問題がある。
本発明は、油性汚れ、水性汚れ及びそれらの複合した汚れが付着した被洗浄物に対して、その形状によらず、大気圧下における引火点未満の低温度での洗浄(例えば0〜40℃)や減圧下における高温度での洗浄(例えば50〜100℃)が良好にでき、水等のリンス剤が不要で洗浄後にそのまま乾燥ができ、洗浄剤から汚れを分離して再使用できる低毒性で、安全性かつ安定性の高い洗浄剤を提供することにある。
かかる事情をふまえ、本発明者らは前述の問題点を解決すべく種々の検討を重ねた結果、目的の洗浄剤を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部、及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.001〜0.1重量部からなることを特徴とする洗浄剤組成物である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の洗浄剤に使用されるプロピレングリコールモノn−プロピルエーテルは、低毒性で、引火点が40℃以上であるため、安全に取扱うことが可能であり、また、水と任意の割合で相溶し、且つ油溶性を兼ね備えており、油性汚れ、水性汚れ及びそれらの複合した汚れを同時に溶解できるため、被洗浄物の形状にかかわらず、大気圧下における引火点未満の低温度での洗浄や減圧下における高温度での洗浄を良好に行なうことができる。さらに、沸点が約150℃であり、界面活性剤やアルカリ剤等の揮発しない成分を含まないため、洗浄後にそのまま被洗浄物を温風乾燥や真空乾燥等によって乾燥することができる。さらに、沸点が汚れの成分である水や油分等の沸点と大きく離れているため、蒸留等による汚れ成分との分離が容易であり、その蒸留条件下においても安定であるため、蒸留再生しながら繰り返し使用することが可能である。
水と任意の割合で相溶し、油溶性のある比較的安全性の高い溶剤として、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルの他に、アルコール類としてテトラヒドロフルフリルアルコール、エステル類として乳酸エチル、多価アルコール類として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールが例示されるが、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルは、粘度が低く水溶性がより強いため、水の洗浄性は良好であるが、水性汚れに含まれる界面活性剤等の溶解性が不十分である。また、乳酸エチル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールは、汚れの溶解性はあるものの溶解速度が遅いため、洗浄性が悪いという問題があり、プロピレングリコールモノエチルエーテルは、沸点が水の沸点と近いため、水との分離性が悪く、再生して使用することが難しいという問題がある。
プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルに、前記溶剤の内、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールから選ばれる1種以上の溶剤を30重量部以下配合させると、洗浄剤の機能を悪化させることなく、さらに洗浄性を向上させることができる。例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルを配合することで水の溶解速度が増し、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを配合することで、水性汚れに含まれる油分や界面活性剤等の溶解性が向上するため、洗浄性が向上する。これらの成分は、汚れの種類、状態等に応じて選択することができる。これらの成分を30重量部を超えて含有させても、洗浄性は向上せず、逆に洗浄剤の洗浄性や乾燥性等が悪化するので好ましくない。
なお、水と任意の割合で相溶しない溶剤は、水性汚れを剥離するため、洗浄性(剥離性)の良いものであっても、被洗浄物によっては洗浄性が不十分となる。
本発明の洗浄剤に含まれる2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールは、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部に対して、0.001〜0.1重量部を配合する。これにより、洗浄剤の機能を低下させることなく安定性を強化することができ、加温洗浄や洗浄剤を再生して繰り返し使用することができる。洗浄剤の再生は、設備コスト等の点で有利な蒸留による再生が可能である。プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部に対し、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの配合量が0.001重量部未満である場合、蒸留等の際に洗浄剤の酸化劣化が起こりやすく、酸分が生成することにより金属部品等に変色等の影響があるため、洗浄剤を繰り返し使用することができない。また、0.1重量部を越える場合、被洗浄物を乾燥する際に、被洗浄物に不揮発分として残存することとなり好ましくない。
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの代わりにフェノール系、アミン系、リン系、イオウ系の酸化防止剤を使用しても、本発明の効果は得られない。例えば、ピロカテキン、4−メトキシフェノール、没食子酸n−プロピル等のフェノール系酸化防止剤を使用した場合は、加熱による洗浄剤の酸分生成を十分防止することができない。また、ヒドロキノンを使用した場合は、加熱による洗浄剤の酸分生成は抑止できるが、洗浄剤の着色が顕著であり好ましくない。また、アミン系、リン系、イオウ系の酸化防止剤は、沸点が著しく高く揮発しないため、被洗浄物を乾燥する際に、被洗浄物に不揮発分として残存したり、洗浄剤を蒸留して再生する際に、ほぼ全量失われる等の問題がある。
本発明の洗浄剤による洗浄方法及び乾燥方法は、特に限定されるものではなく、例えば洗浄方式については、大気圧下もしくは減圧下における浸漬洗浄、揺動洗浄、回転洗浄、超音波洗浄、シャワー洗浄及び減圧ベーパー洗浄などが使用できる。また、乾燥方式については、温風乾燥、吸引乾燥、回転乾燥、真空乾燥及び不燃性低沸点溶剤による置換乾燥等を実施することができる。これらの洗浄方法及び乾燥方法は、要求される清浄度や所要時間等を考慮して、単独もしくは数種類の方式を組み合わせて使用することができる。これらに、洗浄に伴い増加する洗浄剤の汚れや水分濃度を低減させる蒸留機能や脱水機能を備えれば、本発明の洗浄剤の性能をより十分発揮させることができる。蒸留機能及び脱水機能を備えた真空洗浄乾燥システムでは、さらに効率よく洗浄剤を再生することができ、また、蒸留機能及び脱水機能を備えた洗浄機で洗浄し、不燃性低沸点溶剤による置換乾燥する洗浄システムでは、洗浄乾燥を短時間で行なうことができるため、いずれも好適に使用することができる。
油性汚れ、水性汚れが複合して付着している被洗浄物の洗浄を繰り返し行なうと、次第に洗浄剤の水分濃度が上昇し、油性汚れの溶解性が次第に悪化することになるため、洗浄剤の水分濃度は25重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下に抑える必要があり、洗浄システムに脱水機能を備えることにより、洗浄剤の水分濃度を一定範囲に抑えることができ、良好な洗浄性を維持することができる。
本発明の洗浄剤を脱水する方法として、加熱した洗浄剤を減圧雰囲気に晒して水分をフラッシュさせる方法、洗浄剤と空気または窒素とを接触させ、水分を放散させる方法、洗浄剤を多段蒸留する方法、洗浄剤をゼオライトまたはシリカゲルと接触させ、水分を吸着させる方法、炭化水素などの疎水性溶剤と洗浄剤を混合して2層分離させ、水分を分離する方法、パーベーパレーション膜により分離する方法等が可能であるが、設備コスト、操作性等を考慮すると、水分をフラッシュさせる方法、水分を放散させる方法、水分をゼオライト等に吸着させる方法が好ましい。
本発明の洗浄剤は、低毒性で安全性かつ安定性の高い溶媒系からなり、油性汚れ、水性汚れ及びそれらの複合した汚れが付着した被洗浄物に対して、その形状によらず、大気圧下における引火点未満の低温度での洗浄や減圧下における高温度での洗浄を良好に行なうことができるため、水等のリンス剤が不要で洗浄後にそのまま乾燥ができ、洗浄剤から汚れを分離しながら繰り返し再使用することができる。
実施例1〜7、比較例1〜15
下記A、Bの汚れについて、洗浄試験を行なった。ボルトに汚れAまたはBを付着させ、重量を測定後、温度を40℃に保った洗浄剤100mlに静かに浸漬して洗浄を行ない、下記洗浄時間後に洗浄剤より引き上げて、ボルトに残存する汚れ量を測定した。洗浄前の汚れ量と試験後の汚れ量から除去率を算出し、下記評価基準で洗浄性の評価を行なった。実施例6と7の組成物は、実施例1及び4に記載の組成物をエバポレーターを使用して下記条件で蒸留回収したものである。
除去率=(1−(洗浄後の汚れ量/洗浄前の汚れ量))×100(%)
汚れ A:ブラソカット2000U(ブラザー・スイスルーブ社製切削油)
B:ブラソカット2000Uの乳化液
(ブラソカット2000U/水=10/90重量%)
洗浄時間 汚れA:2分、汚れB:1分
洗浄性の評価 ◎:汚れの除去率95%以上
○:汚れの除去率85%以上〜95%未満
△:汚れの除去率75%以上〜85%未満
×:汚れの除去率75%未満
蒸留回収条件 圧力:50mmHg、回収率:95重量%
これらの試験結果を表1に示す。本発明の洗浄剤組成物は、汚れA(鉱油及び界面活性剤を主とする汚れ)及び汚れB(鉱油、界面活性剤、水を主とする汚れ)に対し、優れた洗浄性を示した。
Figure 2006022167
実施例8〜16、比較例16〜19
表2に示した組成物30mlを100ml試験管に入れ、試験管上部に還流冷却器を取り付けて、100℃のオイルバスに浸漬して加熱した。24時間後、組成物の酸分を適定法により測定し、下記評価基準で安定性を評価した。実施例15と16の組成物は、実施例9及び13に記載の組成物をエバポレーターを使用して下記条件で蒸留回収したものである。
安定性の評価 ◎:生成酸分10ppm(酢酸として)未満
○:生成酸分(酢酸として)10ppm以上〜50ppm未満
△:生成酸分(酢酸として)50ppm以上〜100ppm未満
×:生成酸分(酢酸として)100ppm以上
蒸留回収条件 圧力:50mmHg、回収率:95重量%
これらの試験結果を表2に示す。本発明の洗浄剤は、比較例と比べて酸分の上昇がなく、優れた安定性を示した。
Figure 2006022167
実施例17
図1に示す真空洗浄システムで、本発明の洗浄剤(プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール=100重量部:0.05重量部)を使用して汚れBが付着したボルトを繰り返し洗浄した。
図1の洗浄システムは、洗浄剤2を収納した洗浄剤タンク1と、被洗浄物を洗浄及び乾燥する洗浄乾燥槽4と、洗浄剤2を洗浄乾燥槽4から洗浄剤タンク1に移動させるポンプ6と、洗浄剤タンク1と洗浄乾燥槽4に連結し、それらを減圧する真空ポンプ7と、真空ポンプ7と連結し、洗浄剤2を収納した回収槽8と、回収槽8及び真空ポンプ11と連結した脱水槽10と、脱水槽10と連結し、脱水後の洗浄剤を蒸留する真空蒸留機12から構成されている。
洗浄剤タンク1に収納した本発明の洗浄剤2は、加熱器3により70℃に加熱し、同時に真空ポンプ7により洗浄剤タンク1を50mmHgに減圧している。また、洗浄剤タンク1の洗浄剤は、配管を通して連続的に真空蒸留機12に送り、高沸点汚れ成分を除去した後、配管を通して洗浄剤タンク1に戻している。図示しない被洗浄物を、大気圧状態にした洗浄乾燥槽4の蓋を開けて搬入し、洗浄乾燥槽4の蓋を閉めて、真空ポンプ7で50mmHgに減圧した後、洗浄剤タンク1より配管を通して洗浄剤2を受け入れて被洗浄物を浸漬し、洗浄乾燥槽4に取り付けてある超音波発振器5により超音波洗浄を行なう。1分間超音波洗浄した後、洗浄乾燥槽4を200mmHgに圧力を戻し、ポンプ6により洗浄剤を洗浄剤タンク1に移動させる。その後、真空ポンプ7によりさらに洗浄乾燥槽4を1mmHg以下まで減圧して乾燥する。乾燥後、洗浄乾燥槽4に大気を導入して大気圧に戻し、洗浄乾燥槽4の蓋を開けて被洗浄物を取り出す。
洗浄タンク1及び洗浄乾燥槽4の減圧に伴って蒸発する水分及び洗浄剤蒸気は、真空ポンプ7を通って回収槽8に吹き込まれ、回収槽8に取り付けた冷却器9で25℃に冷却した洗浄剤2によって凝縮し回収する。回収槽8の洗浄剤2は、液面の上昇に応じて脱水槽10に送り、脱水槽10で加熱器3により50℃に加熱しながら真空ポンプ11によって100mmHgに減圧し、水分を蒸発させる。脱水槽10の洗浄剤は、液面の上昇に応じて真空蒸留機12に送り、高沸点汚れ成分を分離して洗浄剤タンク1に戻して再利用する。
上記の真空洗浄システムで、汚れBが付着したボルトを繰り返し洗浄した結果、洗浄タンク1の洗浄剤2の水分濃度は1〜2重量%、回収槽8の洗浄剤2の水分濃度は20〜25重量%、脱水槽10の洗浄剤2の水分濃度は15〜20重量%でほぼ平衡状態となり、洗浄剤を再生及び再使用しながら、繰り返し良好な洗浄を行なうことができた。
実施例18
図2に示す真空洗浄システムで、本発明の洗浄剤(プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール=100重量部:0.05重量部)を使用して汚れBが付着したボルトを繰り返し洗浄した。
図2の洗浄システムは、上部に空間があり、下部には洗浄剤2を収納し、それを加熱する加熱器3を備え、中間に備えたゲート弁19により仕切ることができる洗浄乾燥槽4と、洗浄乾燥槽4を減圧する真空ポンプ7と、真空ポンプ7と連結し、洗浄剤2を収納した回収槽8と、回収槽8及び真空ポンプ11と連結した脱水槽10と、脱水槽10と連結し、脱水後の洗浄剤を蒸留する真空蒸留機12から構成されている。
洗浄乾燥槽4に収納した洗浄剤2は、加熱器3により70℃に加熱し、同時に真空ポンプ7により100mmHgに減圧している。また、洗浄乾燥槽4の洗浄剤2は、配管を通して連続的に真空蒸留機12に送られ、高沸点汚れ成分を除去した後、配管を通して洗浄乾燥槽4に戻している。図示しない被洗浄物を、ゲート弁19を閉じて上部空間を大気圧状態にした洗浄乾燥槽4の蓋を開けて搬入し、洗浄乾燥槽4の蓋を閉めて真空ポンプ7で100mmHgに減圧した後、ゲート弁19を開け、被洗浄物を下部に移動して洗浄剤2に浸漬して洗浄を行なう。洗浄乾燥槽4には、超音波発振器5が取り付けてあり、超音波洗浄を行なう。被洗浄物を1分間超音波洗浄した後、被洗浄物を上部空間に移動し、ゲート弁19を閉じ、真空ポンプ7により洗浄乾燥槽4上部空間をさらに1mmHg以下に減圧して乾燥する。乾燥後、洗浄乾燥槽4上部空間に大気を導入して大気圧に戻し、洗浄乾燥槽4上部空間の蓋を開けて被洗浄物を取り出す。
洗浄時及び乾燥時に洗浄乾燥槽4で蒸発する水分及び洗浄剤蒸気は、真空ポンプ7を通って回収槽8に吹き込まれ、回収槽8で冷却器9で25℃に冷却した洗浄剤2で凝縮させ回収する。回収槽8の洗浄剤2は、液面の上昇に応じて脱水槽10に送り、脱水槽10で加熱器3により45℃に加熱し、真空ポンプ11によって50mmHgに減圧して水分を蒸発させる。脱水槽10の洗浄剤2は、液面の上昇に応じて真空蒸留機12に送り、高沸点汚れ成分を分離して洗浄乾燥槽4に戻して再利用する。
上記の真空洗浄システムで、汚れBが付着したボルトを繰り返し洗浄した結果、洗浄乾燥槽4の洗浄剤2の水分濃度は3〜4重量%、回収槽8の洗浄剤2の水分濃度は15〜20重量%、脱水槽10の洗浄剤2の水分濃度は10〜15重量%でほぼ平衡状態となり、洗浄剤を再生及び再使用しながら、繰り返し良好な洗浄を行なうことができた。
実施例19
図3に示す洗浄システムで、汚れBが付着したボルトを本発明の洗浄剤(プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール=100重量部:0.05重量部)を使用して洗浄し、フッ素系不活性溶剤を使用して置換乾燥を繰り返し行なった。
図3の洗浄システムは、洗浄部とベーパー乾燥部からなり、洗浄部は、洗浄剤2を収納した2槽式洗浄機13と、2槽式洗浄機13及び真空ポンプ11と連結した脱水槽10と、脱水槽10と連結し、脱水後の洗浄剤を蒸留する真空蒸留機12から構成し、ベーパー乾燥部は、下部にフッ素系不活性溶剤15を収納し、上部に冷却器9を備えたベーパー乾燥槽14と、冷却器9により凝縮したフッ素系不活性溶剤及び水を分離する水分離器16と、フッ素系不活性溶剤ベーパーを発生させるベーパー発生器17と、ベーパー発生器のフッ素系不活性溶剤を蒸留する蒸留機18から構成されている。
2槽式洗浄槽13に収納した洗浄剤2は、配管を通して連続的に脱水機10を通して真空蒸留機12に送られ、水分及び高沸点汚れ成分を除去した後、2槽式洗浄槽13に戻している。脱水槽10では、加熱器3及び真空ポンプ11により洗浄剤2を40℃、50mmHgに保っている。ベーパー乾燥槽14のフッ素系不活性溶剤15は、ベーパー発生器17に送られ、加熱器3により常時沸点まで加熱する。発生したベーパーは、ベーパー乾燥槽14の中段に送る。ベーパー発生器17のフッ素系不活性溶剤は、洗浄を始める前の沸点と比べて5℃上昇した時点で蒸留機18に抜き出し、蒸留機18により回収されたフッ素系不活性溶剤はベーパー発生器17に戻す。
図示しない被洗浄物を、2槽式洗浄槽13の1槽目に浸漬して洗浄を行なう。2槽式洗浄槽13の1槽目には、超音波発振器5が取り付けてあり、超音波洗浄を行なう。被洗浄物を1分間超音波洗浄した後、被洗浄物を2槽式洗浄槽13の2槽目に移動し、1分間浸漬洗浄を行なう。次に、被洗浄物をベーパー乾燥槽14の下部に移動してフッ素系不活性溶剤15に浸漬し、超音波発振器5により1分間超音波をあててフッ素系不活性溶剤と置換する。その後、被洗浄物をフッ素系不活性溶剤15の液面上に移動し、ベーパー発生器17から導入されるベーパーにより1分間加熱した後、被洗浄物を冷却器9の位置まで引き上げて1分間保持し、乾燥する。
上記の洗浄システムで、汚れBが付着したボルトを繰り返し洗浄及びバーパー乾燥した結果、洗浄剤を再生及び再使用しながら、良好な洗浄を行なうことができた。
実施例17の洗浄システムの構成図 実施例18の洗浄システムの構成図 実施例19の洗浄システムの構成図
符号の説明
1 洗浄剤タンク
2 洗浄剤
3 加熱器
4 洗浄乾燥槽
5 超音波発振器
6 ポンプ
7 真空ポンプ
8 回収槽
9 冷却器
10 脱水槽
11 真空ポンプ
12 真空蒸留機
13 2槽式洗浄機
14 ベーパー乾燥槽
15 フッ素系不活性溶剤
16 水分離器
17 ベーパー発生器
18 蒸留機
19 ゲート弁

Claims (3)

  1. プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部、及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.001〜0.1重量部からなることを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル100重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.001〜0.1重量部、及びジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールから選ばれる1種以上の溶剤30重量部以下からなることを特徴とする洗浄剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の洗浄剤組成物を用いた被洗浄物の洗浄工程及び乾燥工程、洗浄剤の回収工程及び脱水工程から構成されることを特徴とする洗浄システム。
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