JPH07164971A - 親水性ミラーおよびその製造方法 - Google Patents

親水性ミラーおよびその製造方法

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JPH07164971A
JPH07164971A JP5315261A JP31526193A JPH07164971A JP H07164971 A JPH07164971 A JP H07164971A JP 5315261 A JP5315261 A JP 5315261A JP 31526193 A JP31526193 A JP 31526193A JP H07164971 A JPH07164971 A JP H07164971A
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JP
Japan
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water
glass substrate
reflective coating
mirror
metal oxide
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JP5315261A
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English (en)
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Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Ichiro Nakamura
一郎 中村
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速な水滴除去効果を有し、かつ十分耐擦傷
性と持続性を持った親水性ミラーを得る。 【構成】 ガラス基板1の一面に反射性のコーティグ面
4を備え、このコーティング面と反対側の表面上に金属
酸化物からなる表面が微細凹凸とした下地層2と、吸水
性高分子層3が順次形成されている。下地層の金属酸化
物としては、SiO2単独またはSiO2とZrO2,TiO2 およびAl
2O3のうち少なくとも1種とを含む多成分金属酸化物が
用いられ、また、反射性コーティング面にヒータ5が接
触して配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面に水滴が付着し、光
の乱反射によって視認性が低下することを防止する親水
性ミラーおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】降雨時に自動車のドアミラーに水滴が付
着し、光の乱反射によって後方視認性が著しく低下する
場合がある。これを防止するため、たとえば界面活性剤
や親水性官能基を持つ有機高分子をミラーに塗布して表
面を親水性にする方法がとられてきた。またミラーの裏
面に組み込んだヒータによってミラーを加熱して表面の
水滴を蒸発させたり、ミラー表面の撥水処理と裏面の圧
電振動子、ヒータによって水滴の飛散効果と蒸発効果を
組み合わせたものなども実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では種々の問題が生じていた。界面活性剤をスプレ
ーなどにより塗布するいわゆる曇り止め処理は、界面活
性剤が水溶性であるので容易に脱離してしまい、比較的
短時間にその効果が失われてしまうという欠点があっ
た。
【0004】親水性高分子をミラーに塗布して表面を親
水性にする方法では、表面硬度と水滴付着防止効果との
両立が困難であり、十分な水滴防止効果のあるものでは
耐擦傷性が不十分であった。親水性有機高分子として吸
水性高分子を用いる方法もあるが、吸水能力を高めるた
めには架橋度を低くする必要があり、また耐擦傷性を高
めるためには架橋度を高めねばならないという問題点が
あった。またこの場合は、吸水性が飽和すると水滴防止
効果が小さくなるという問題点もあった。ミラーを裏面
のヒータが加熱する方法は、ミラー表面での水の接触角
が比較的大きく、水滴となるため伝熱が悪く、水滴を除
去するのに時間がかかるという問題点があった。
【0005】また、ミラー表面の撥水処理と裏面のヒー
タ、圧電振動子と組み合わせる方法においては、テフロ
ン処理した表面の撥水性が水の接触角 120°程度である
ため、圧電振動子で完全に水滴を除去することは困難で
あり、残存する水分は小さな水滴となってミラー面との
接触面積が小さくなるため、ヒータの熱の伝導が悪く、
なかなか除去できないという問題点を有していた。さら
に、この方法は圧電振動子が高価な上、駆動回路を必要
とするなど全体のシステムが複雑になり、コスト的にか
なり高いものとなってしまうという問題点もあった。
【0006】本発明の目的は上記従来技術における問題
点を解決し、迅速な水滴除去効果を有し、かつ十分な耐
擦傷性と持続性を持った親水性ミラーおよびその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の親水性ミラーの
構成を図1に示す。図示するように、ミラーはガラス基
板1の上に、表面に微細凹凸を有する金属酸化物の下地
層2、吸水性高分子層3を順次形成した構成であり、さ
らに好ましくは裏面の反射性コーティング面(ミラー
面)4に接するようにヒータ5を設置する。
【0008】ガラス基板としては現在用いられているソ
ーダライムガラスが使用できる。ガラス基板の表面に凹
凸を設ける手段としては、表面をフッ酸処理またはプラ
ズマエッチング処理するなどがあるが、吸水性高分子を
保持させ、使用中の脱離を防止するにはピット状の微細
凹凸とすることが好ましい。また耐擦傷性を確保するた
め、十分な硬度を持った表面とすることが必要である。
【0009】このような特性を持った表面は、少なくと
もフッ素樹脂微粒子の懸濁液と水とからなる混合溶液に
金属酸化物のゾル溶液を混合してなる溶液をガラス基板
上に塗布し、フッ素樹脂の熱分解温度以上の温度で焼き
付けることによって得られる。
【0010】フッ素樹脂とは、主に炭素とフッ素とから
なる重合体であり、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
クロロフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオ
ロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの
共重合体、クロロトリフルオロエチレンとエチレンとの
共重合体などがあげられる。フッ素樹脂は、水あるいは
有機溶媒に分散した懸濁液として金属酸化物のゾル溶液
と混合するのがよい。
【0011】ポリテトラフルオロエチレン粉末との懸濁
液としては、例えば商品名ポリフロン(D-1, D-2, D2-2
C) 、商品名ルブロン(LDW ,ダイキン工業(株)製、A
D1, AD2, AD660, AD639(旭アイシーアイフロロポリマ
ーズ(株)製)などがあり、テトラフルオロエチレンと
ヘキサフルフロピレンの共重合体粉末の懸濁液として
は、例えば商品名ネオフロン(AD-1, AD-2, ダイキン工
業(株)製)などがあげられる。
【0012】金属酸化物のゾル溶液としてはシリカゾル
溶液があり、商品名スーパーセラ(大八化学工業所
製)、商品名セラミカ(日板研究所製)、商品名 HAS
(コルコート社製)、商品名アトロン(日本曹達(株)
製)、商品名 CGS-D1-0600(チッソ(株)製)などの市
販品を利用することができる。またシリカゾル溶液にT
i, ZrおよびAlなどのアルコキシド、アセチルアセトネ
ート塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩またはそれらの縮重合
物を含有させることにより、下地層の硬度を更に向上さ
せることができる。市販されているゾル溶液を例示する
ならば、TA-10, TA-15(日産化学工業(株)製)などの
チタニアゾル、NZS-30A, NZS-30B(日産化学工業(株)
製)やAZS-A, AZS-NB, AZS-B(日本触媒化学工業(株)
製)などのジルコニアゾルなどがある。
【0013】必要に応じて各種界面活性剤を添加するこ
とにより、フッ素樹脂微粒子の分散性、液中安定性をさ
らに向上させることができる。界面活性剤としてはシリ
コン系、フッ素系などのものが市販されているが、本発
明においてはフッ素系の界面活性剤を添加するのが望ま
しい。フッ素系界面活性剤としてはパーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニ
ウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロ
アルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキ
ルオリゴマ、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物
などが使用できる。市販品としては、例えば、商品名ユ
ニダイン(DS101, DS102, DS202, DS301, DS401, DS40
3, DS451, DS406、ダイキン工業(株)製)などがあ
る。
【0014】下地層用コーティング液のガラス基板上へ
の塗布方法としては、浸漬引き上げ法(ディッピング
法)、スプレー法、フローコート法、スピンコート法な
ど既知の塗布手段が適宜採用できる。但し、コーティン
グ膜厚は、焼成後の膜厚が0.5μm より大になると、焼
き付けの際に膜にクラックが発生し、0.01μm より小に
なるとピットの深さが十分にとれないため、吸水性高分
子の保持性能が低下するので、焼成後の膜厚は0.01〜0.
5 μm とすることが必要である。
【0015】下地層用コーティング液をガラス基材上へ
塗布した後、フッ素樹脂の分解温度以上で加熱すると、
金属酸化物の下地層の表面にフッ素樹脂の抜けた小孔が
多数発生し、ピット状の微細凹凸を表面に形成する。こ
れは塗布膜中でフッ素微粒子がまず溶解し、金属酸化物
との相溶性がないため球状となって表面の方へ拡散して
いき、表面で分解して空気中へ散逸していくために生じ
るものである。ピットの大きさはあまり大きいと光が散
乱して白濁が生じるこめ、可視光線の波長(0.38 〜0.8
μm ) 以下とすることが望ましい。ピット径は可視光線
の波長の下限0.38μm 以下とすれば光の散乱が小さくな
るため、できるだけ小さいことが望ましい。しかし0.01
μm 以下程度に小さくなると、粘性抵抗のためピットに
吸水性高分子用原液を充填するのが困難となる。
【0016】下地層の上に吸水性高分子を塗布する方法
は、下地層のコーティング同様、ディッピンク法、スプ
レー法、フローコート法、スピンコート法など既知の塗
布手段が適宜採用できる。吸水性高分子としては特に吸
水性能に優れた高吸水性ポリマー(Super Absorbent Po
lymer)を用いると、ミラー表面の水は急速に吸水される
ため水滴による光の散乱がなく、吸水飽和後も乾燥させ
れば吸水性能が回復し、繰り返し利用できるので好まし
い。
【0017】高吸水性ポリマーとしてはデンプン系、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC) 系などの半合成品と、
ポリアクリル酸塩系、酢ビ・アクリル酸エステル共重合
体ケン化物、酢ビ・マレイン酸エステル共重合体ケン化
物、ポリビニルアルコール・無水マレイン酸反応物、イ
ソブチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリアクリロニ
トリル系ケン化物、ポリエチレンオキサイド架橋物など
の合成品がある。これらには粉末状、顆粒状、ビーズ
状、繊維状、液状などがあるが、 0.4〜0.8 μm程度の
微細凹凸に十分に埋め込むには、液状のものを用いるの
が好ましい。液状のものは水溶性のモノマーやプレポリ
マーを重合開始剤とともに水に分散させたもので、塗布
後に加熱したり、紫外線を照射したりすることにより架
橋して水に不溶化するものである。液状の市販品として
はアクリル酸・ビニルアルコール共重合体の商品名スミ
カゲルL-5H(住友化学工業(株)製)、イソブチレ・無
水マレイン酸共重合体の商品名KIゲル(クラレ(株)
製)などがある。このように吸水性高分子を硬い金属酸
化物下地層の微細凹凸中に埋め込んだ構造とすることに
よって、摺動耐久性に優れた親水性ミラーとすることが
できるのである。
【0018】吸水性高分子の吸水性が飽和すると、水滴
付着防止効果が小さくなる。しかし、ヒータをミラーの
裏面の反射性コーティング面に接触するように配置し
て、水滴が付着し出したらミラーを加熱して、吸水した
水を蒸発させることによって吸水性能を回復させ、維持
させることができる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例および参考例により説明
する。 実施例1 大きさ 100mm×100mm 、厚さ 1.9mmのクリアフロートガ
ラス基板を中性洗剤、水、エタノールで順次洗浄し、乾
燥した後、アセトンで払拭して被膜用基板とした。3−
アミノプロピルトリエトキシシラン50g とメタノール78
g の混合液に0.15モル/Lの塩酸水溶液20g を添加し、
ウォータバスで80℃で2時間反応させた。冷却後、pH調
整のために蒸留水78g を添加攪拌することにより、固形
分濃度6重量%のシリカゾル溶液を得た。
【0020】フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネオフロ
ンND-1、ダイキン工業(株)製)4.8g(固形分濃度50重
量%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリカゾル溶液50
g を添加し、室温で10時間攪拌した。その後、孔径1μ
m のメンブランフィルタでろ過し、下地層用コーティン
グ液とした。このコーティング液をガラス基板表面にフ
ローコート法により塗布、乾燥させた後、550 ℃で30分
間焼成を行い、膜厚約0.1μm の下地層を形成した。
【0021】次いで真空蒸着槽中で下地層と反対側の面
にクロム蒸着を行った後、下地層の上に液状の高吸水性
ポリマー用原液(商品名スミカゲルL-5H、住友化学工業
(株)製)10mLを滴下した後、ゴム製スクレイパにて全
面に均一に延ばして表面に余分な液が残存せず、微細な
凹部にのみ液が残存するように塗布した。これを120℃
で1時間加熱して、原液をポストキュアさせることによ
り水に不溶な高吸水性ポリマーの層を形成した。
【0022】このようにして得た親水性ミラーの裏面の
反射性コーティング面に接触するようにヒータを配置し
た。次いでこの親水性ミラーの表面に水を噴霧し、表面
を照明した状態でビデオ撮影を行い、それを画像処理に
より2値化することにより付着した水滴量を定量化し
た。このときの水滴付着量は全体に対して、面積比で3.
5 %と極めてわずかであった。この状態から、ミラー面
に接するように配置した100 Wのヒータに通電し加熱し
た。1分後の水滴の面積比を先と同様にして求めると1.
0 %減少していた。
【0023】またトラバース試験機を用いて、酸化クロ
ム粉末をフランネルに付け、19.6KPa(0.2kgf/cm2) の荷
重をかけて1回/秒の速度、ストローク 100mmで60回試
験を行ったが、表面の傷つきは認められなかった。更に
トラバース試験実施後、水滴付着量を測定したが、4.5
%とその増加はわずかであった。
【0024】実施例2 シリカ/ビルコニア=80/20(モル%)となるように、
3−アミノプロピルトリエトキシシランを出発原料とし
て調整したpH9、固形分濃度6重量%のシリカゾルの
水、メタノール混合溶液33g とオキシ塩化ジルコニウム
を出発原料として調整したpH3、固形分濃度6重量%の
ジルコニアゾルの水溶液17g を混合し、pH4のシリカ−
ジルコニア溶液を得た。
【0025】フッ素樹脂の懸濁液(商品名ネオフロンND
-1、ダイキン工業(株)製)4.8g(固形分濃度50重量
%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリカ−ジルコニア
溶液50g を添加し、室温で10時間攪拌した。その後、孔
径1μm のメンブランフィルタでろ過し、下地層用コー
ティング液とした。このコーティング液を実施例1同様
にフローコート法でガラス基板上に塗布し、550 ℃で30
分間焼成を行い、膜厚約0.1μm の下地層を形成した。
【0026】その後実施例1と同一の条件でクロム蒸
着、吸水性樹脂塗布、ポストキュアを行い、ヒータを配
置し、付着水の評価試験を行った。その結果、初期水滴
付着量は 5.2%であり、ヒータ通電後1分後の水滴付着
量は 1.6%であった。また、実施例1同様のトラバース
試験を実施したが、表面の傷つきは認められなかった。
またトラバース試験実施後の水滴付着量は 6.0%とその
増加量はわずかであった。
【0027】実施例3 3−アミノプロピルトリエトキシシランを出発原料とし
て調整した固形分濃度6重量%のシリカゾルの水・メタ
ノール混合溶液25g に水49g 、チタニアゾル〔商品名TA
-10 、日産化学工業(株)製〕5g、フッ素樹脂FEP の
懸濁液(商品名ネオフロンND-1、ダイキン工業(株)
製)3.2g(固形分濃度50重量%)を30分間攪拌、ろ過し
てシリカ/チタニア=80/20(モル%)のコーティング
液を得た。このコーティク液を実施例1と同様にしてフ
ローコート法でガラス基板上に塗布し、550 ℃で30分間
焼成を行い、膜厚約0.1 μm の下地層を形成した。
【0028】その後実施例1と同一の条件でクロム蒸
着、吸水性樹脂塗布、ポストキュアおよびヒータの配置
を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期水
滴付着量は 6.0%であり、ヒータ通電後1分後の水滴付
着量は 1.8%であった。また、実施例1同様のトラバー
ス試験を実施したが、表面の傷つきは認められなかっ
た。またトラバース試験実施後の水滴付着量は 6.5%と
その増加量はわずかであった。
【0029】実施例4 水44g に塩化アルミニウム(6水和物)〔関東化学
(株)製〕 0.4g 、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを出発原料として調整した固形分濃度6重量%のシ
リカゾルの水・メタノール混合溶液15g 、フッ素系界面
活性剤 商品名ユニダインDS401 、ダイキン工業(株)
製)1.1g、フッ素樹脂PTFEの懸濁液(商品名フルオンAD
-660、旭アイシーアイフロロポリマーズ (株) 製)1.3g
(固形分濃度60重量%)を30分間攪拌、ろ過してシリカ
/アルミナ=95/5 (モル%)のコーティング液を得
た。このコーティク液を実施例1と同様にしてフローコ
ート法でガラス基板上に塗布し、550 ℃で30分間焼成を
行い、膜厚約0.1 μm の下地層を形成した。
【0030】その後実施例1と同一の条件でクロム蒸
着、吸水性樹脂塗布、ポストキュアおよびヒータの配置
を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期水
滴付着量は 5.8%であり、ヒータ通電後1分後の水滴付
着量は 1.6%であった。また、実施例1同様のトラバー
ス試験を実施したが、表面の傷つきは認められなかっ
た。またトラバース試験実施後の水滴付着量は 6.2%と
その増加量はわずかであった。
【0031】参考例1 大きさ 100mm×100mm 、厚さ1.9mm のガラス基板を中性
洗剤、水、エタノールで順次洗浄し、乾燥した後、アセ
トンで払拭して被膜用基板とした。このガラスの一面に
真空槽中でクロム蒸着処理を行った後、他方の面上に液
状高吸水性ポリマー用原液(商品名スミカゲルL-5H、住
友化学工業(株)製)10mLを滴下し、スピンコータ上で
1000rpm 、20秒回転させて塗布した。これを100 ℃で1
時間加熱して、原液をポストキュアさせることにより水
に不溶な高吸水性ポリマーの層を形成した。このように
して得た親水性ミラーの初期水滴付着量は 0.8%、ヒー
タ通電後1分後の水滴付着量は 0.3%であった。しか
し、この親水性ミラーは表面を実施例1と同様のトラバ
ース試験を実施したところ、クモの糸状の傷が容易に発
生し、耐擦傷性の極めて乏しいものであった。
【0032】参考例2 大きさ 100mm×100mm 、厚さ1.9mm のガラス基板を中性
洗剤、水、エタノールで順次洗浄し、乾燥した後、アセ
トンで払拭して被膜用基板とした。このガラスの一面に
真空槽中でクロム蒸着処理を行った後、他方の面上に市
販の撥水剤 (商品名レインX、米国ユネルコ社製)を塗
布した後、実施例1同様の評価試験を実施した。初期水
滴付着量は75.1%であり、ヒータ通電1分後の水滴付着
量は72.2%で、ほとんどヒータの効果が認められなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば硬い金属酸化物の微細凹
凸内に吸水性高分子を保持できるため、優れた水滴付着
防止効果を発揮できると同時に、高い摺動耐久性も具備
することが可能となった。また、圧電振動子を設けるこ
とも不用となり、そのための制御回路も不用となるた
め、システムが簡素化されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の親水性ミラーの断面構造図であ
る。 1 ガラス基板 2 金属酸化物の下地層 3 吸水性高分子 4 反射性コーティク 5 ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の一面に反射性のコーティン
    グを施したミラーにおいて、該ガラス基板の反射性のコ
    ーティング面と反対側の表面上に、金属酸化物からなる
    表面が微細凹凸をした下地層、吸水性高分子層が順次形
    成されていることを特徴とする親水性ミラー。
  2. 【請求項2】 下地層の金属酸化物がSiO2単独またはSi
    O2と、ZrO2, TiO2およびAl2O3 のうち少なくとも1種と
    を含む多成分金属酸化物であることを特徴とする請求項
    1記載の親水性ミラー。
  3. 【請求項3】 反射性コーティング面にヒータが接触し
    て配置されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の親水性ミラー。
  4. 【請求項4】 少なくともフッ素樹脂微粒子の懸濁液と
    水とからなる混合液に金属酸化物のゾル溶液を混合して
    なる溶液をガラス基板上に塗布し、フッ素樹脂の熱分解
    温度以上の温度で焼き付けて微細凹凸状の金属酸化物か
    らなる下地層を形成した後、ガラス基板の下地層を形成
    したのと反対側の面上に反射性のコーティングを施し、
    その後、下地層の上に水溶性樹脂溶液を塗布し、熱、紫
    外線などにより該水溶性樹脂を架橋させて水に不溶化さ
    せることを特徴とする親水性ミラーの製造方法。
JP5315261A 1993-12-15 1993-12-15 親水性ミラーおよびその製造方法 Pending JPH07164971A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6312131B1 (en) * 1999-04-02 2001-11-06 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Hydrophilic mirror and method of producing the same
US6350397B1 (en) 1999-03-10 2002-02-26 Aspen Research Corporation Optical member with layer having a coating geometry and composition that enhance cleaning properties
WO2007018269A1 (ja) * 2005-08-10 2007-02-15 Nippon Sheet Glass Company, Limited 防曇性物品およびその製造方法
WO2007018270A1 (ja) * 2005-08-10 2007-02-15 Nippon Sheet Glass Company, Limited 防曇性物品およびその製造方法

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