JP2018077260A - 親水レンズ - Google Patents

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千春 前田
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亨 難波
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Akinobu Miyazaki
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Abstract

【課題】反射率が低く、かつ、高い親水性と高い硬度とを同時に有する親水コートが表面に形成された親水レンズを提供する。
【解決手段】シリケート材料のネットワークに光触媒活性を有する微粒子を分散させて形成された親水層120がガラス基材110の表面に形成された親水レンズ100であって、光触媒の微粒子の平均粒径を30nm以下とし、親水層120の膜厚が10〜30nm、その表面の算術平均粗さ(Ra)が0.7〜1.9nmの範囲に制御されている。
【選択図】図5

Description

ここに開示する技術は、主に屋外で使用するカメラおよびビデオ等の撮影機器用の親水レンズに関する。
近年、より安心に、安全に駐車を行えるように、リアビューやサイドビューをモニターするカメラが自動車の外部に搭載されている(図1)。また、防犯対策として監視カメラが市街地のみならず個人宅にも多く設置されている。
このようなカメラおよびビデオ等の撮影機器は屋外に設置されるため、風雨や排気ガスに曝され、レンズに雨滴や汚れが付着する。レンズに付着した雨滴や汚れを除去するためにレンズのガラス基材の上に紫外線の暴露により親水性を発揮する光触媒を含有する親水コートを形成して自浄作用を付与する技術が開発されている。
特許文献1には、時計用カバーガラスの内面に防曇性を付与するために、ガラス基材表面に酸化チタンをスパッタリングして親水の防曇層を形成する技術が記載されている。視感反射率を小さくするために、防曇層の厚みを5nm以下としている。また、カバーガラスの内面には高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜の反射防止層が形成され、その上に前記防曇層が形成されている。
特許文献2には、タイル等の基材表面に、チタニア等の光触媒と、水酸基の吸着が可能なシリカ等の化合物を含有する表面層を形成する技術が記載されている。物理的な接触角低減効果を奏するために、表面粗さ(Ra)を0.15〜1μmとしている。
特許文献3には、パターンの露光によって光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を含有する光触媒含有層を基材上に有するパターン形成体が記載されている。光触媒としてアナターゼ型酸化チタンなどが用いられ、光触媒反応が効率的に起きるので、平均粒径が50nm以下のものが好ましいとしている。
特開2011−149712号公報 特開平10−237416号公報 特開2002−274077号公報
シリケート材料のネットワークに酸化チタンなどの光触媒活性を有する微粒子を分散させたシリケート系組成物(図2)を用いたコートは一般的であり、レンズに付着した雨滴や汚れを除去するためにレンズのガラス基材の表面に形成する親水コートとしても応用されている。
親水コートに分散させる光触媒活性を有する微粒子は、光を照射することにより触媒作用を発揮する光触媒である。光触媒としてよく用いられる酸化チタンは紫外線の吸収により表面にOHラジカルを発生し、空気中の水分と反応してさらに表面にOH基を生成する。このため、光照射により親水コート表面に超親水性を付与し、自浄作用を発揮する。
その一方、酸化チタンなどの光触媒は本質的に高屈折材料であるため、親水コートの反射率を高めてしまう。反射率が高くなると、レンズ表面での入射光の反射によりゴーストが発生し、視認性が悪くなる。反射率を低減するために、光触媒の含有量を少なくすると、親水性付与の効果が得られなくなる。
レンズ基材上に、高屈折率層と低屈折率層が交互に形成された多層の反射防止層を形成し、その上に親水コートを形成すれば全体の反射率を低減することができるが、最表面の親水コートの反射率が高すぎると、十分に反射を防止することができなくなる。したがって、親水コート自体の反射率を低減する必要がある。
屋外に設置されるカメラおよびビデオ等の撮影機器、特に、自動車の外部に搭載されるリアビューやサイドビューをモニターできるカメラのレンズは、走行中の砂塵の擦過により擦り傷が生じ易い。親水コートに擦り傷が生じて表面が粗くなると親水性が低下し、視認性が悪くなる。
例えば、市販品Aは親水性が高いが硬度が低く、使用初期の視認性はいいが、擦り傷により親水性が低下してしまう問題点がある。一方、市販品Bのように耐久性を向上するために硬度を高くすると親水性が低下してしまう問題点もある。また、親水性と耐久性とのバランスをとった市販品Cについては、親水性および耐久性の双方とも満足のいくレベルではない(図3)。
このように、従来の技術では、高い親水性と高い耐久性とを同時に付与することができないため、高い親水性と高い耐久性を同時に有する親水コートの開発が必要である。
すなわち、反射率が低く、かつ、高い親水性と高い耐久性とを同時に有する親水コートが強く求められている。
シリケート材料のネットワークに光触媒活性を有する微粒子を分散させて形成された親水層(親水コート)がガラス基材の表面に形成された親水レンズにおいて、親水層の膜厚を制御することによって反射率を低減できることが見出された。さらに、親水層に分散させる光触媒活性を有する微粒子の平均粒径ならびに、親水層の膜厚およびその表面粗さを同時に制御することによって親水性および硬度を同時に高められることが見出された。
ここに開示する技術による親水コート用のシリケート材料は、ケイ素(Si)と酸素(O)の結合(シロキサン結合)を含む三次元のネットワーク構造を有する組成物であり、メチルシリケート、エチルシリケート、メチルエチルシリケートのポリマーなどが例示される。一般的に、シリケート材料は加水分解によりシラノールを形成した後、加熱してシラノールを脱水縮重合することにより、シロキサン結合を含む三次元のネットワーク構造のコーティングが形成される。
ここに開示する技術による親水コートに分散させる光触媒活性を有する微粒子は、酸化チタンなどの微粒子が例示される。
ここに開示する技術は、ガラス基材および前記ガラス基材上に形成された親水層を備えた親水レンズであって、前記親水層は光触媒活性を有する微粒子が分散したシリケート材料を含み、前記親水層の膜厚は30nm以下であり、光触媒の微粒子の平均粒径が30nm以下であり、かつ、前記親水層の膜厚が10〜30nm、その表面の算術平均粗さ(Ra)が0.7〜1.9nmである親水レンズを提供する。
ここに開示する技術によれば、親水層の膜厚を30nm以下まで、好ましくは、10〜30nmに薄膜化することによって、反射率をガラス基材自体の反射率と同程度まで低減することができる。ガラス基材に反射防止層を形成し、その上に前記親水層を形成すれば、ガラス基材自体の反射率よりも十分に低い反射率を達成することができる。
また、光触媒の微粒子の平均粒径を30nm以下とし、かつ、前記親水層の膜厚を10〜30nm、その表面の算術平均粗さ(Ra)を0.7〜1.9nmの範囲に制御することによって親水層の親水性と硬度とを高いレベルで両立することができる。
ここに開示する技術によれば、反射率が低く、また、高い親水性と高い硬度とを同時に有する親水レンズを提供することができる。
車載用リアビューおよびサイドビューカメラの設置例。 シリケート材料のネットワークに光触媒活性を有する微粒子を分散させた親水コート用シリケート樹脂組成物。 親水性および耐久性に関する市販品と開発品とを比較する概念図。 接触角を説明する概略図。 ガラス基材上に直接親水層が形成された親水レンズの概略断面図。 ガラス基材上に形成された反射防止層の上に親水層が形成された親水レンズの概略断面図。 親水層の膜厚と反射率の関係を示すグラフ。 親水層の膜厚と反射率の関係を示すグラフ。 低反射率表面を有するレンズ(a)および高反射率表面を有するレンズ(b)を装着したカメラで撮影した写真。 親水コート処理後(a)および処理前(b)のレンズ表面への霧滴の付着状況を示す写真。 実施例(a)および比較例(b)の擦り試験後の表面の顕微鏡写真。
[親水コート用シリケート樹脂組成物の調製]
調製例1
メチルシリケート、平均粒径4nmの酸化チタンゾルおよびシリケートの硬化触媒である有機金属化合物を添加し、さらに、溶媒として水とメタノールを加えて、親水性コート用シリケート系組成物Aを得た。
メチルシリケートおよび酸化チタンゾルは、加水分解・脱水縮重合反応後のシリカ換算重量および酸化チタン換算重量の総重量に対して、酸化チタン換算重量が60から80%になるように添加した。また、その際、溶液中の固形分濃度が1.0重量%から10.0重量%になるように濃度を調整した。
そして、調製した親水性コート用シリケート系組成物Aを、直径30.0mmのガラス円板に2000〜5000rpmでスピンコートし、300℃で焼成することにより、所望の親水層を形成した。
調製例2
メチルシリケート、平均粒径30nmの酸化チタンゾルおよびシリケートの硬化触媒である有機金属化合物を添加し、さらに、溶媒として水とメタノールを加えて、親水性コート用シリケート系組成物Bを得た。
メチルシリケートおよび酸化チタンゾルは、加水分解・脱水縮重合反応後のシリカ換算重量および酸化チタン換算重量の総重量に対して酸化チタン換算重量が60から80%になるように添加した。また、その際、溶液中の固形分濃度が1.0重量%から10.0重量%になるように濃度を調整した。
そして、調製した親水性コート用シリケート系組成物Bを、直径30.0mmのガラス円板に2000〜5000rpmでスピンコートし、300℃で焼成することにより、所望の親水層を形成した。
調製例3
メチルシリケート、平均粒径43nmの酸化チタンゾルおよびシリケートの硬化触媒である有機金属化合物を添加し、さらに、溶媒として水とメタノールを加えて、親水性コート用シリケート系組成物Cを得た。
メチルシリケートおよび酸化チタンゾルは、加水分解・脱水縮重合反応後のシリカ換算重量および酸化チタン換算重量の総重量に対して酸化チタン換算重量が60%になるように添加した。また、その際、溶液中の固形分濃度が10.0重量%になるように調整した。
そして、調製した親水性コート用シリケート系組成物Cを、直径30.0mmのガラス円板に2000〜5000rpmでスピンコートし、300℃で焼成することにより、所望の親水層を形成した。
なお、調製例としては上記3つを例に挙げたが、酸化チタンゾルの代わりに酸化亜鉛ゾル、酸化スズゾル、酸化タングステンゾルを用いて親水性コート用シリケート系組成物を得てもよく、酸化チタンゾル、酸化亜鉛ゾル、酸化スズゾル、酸化タングステンゾルの2つ以上を混合したものを用いて親水性コート用シリケート系組成物を得てもよい。
つまり、光触媒活性を有する微粒子であれば、酸化チタンの代わりに酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン等でもよく、親水層に複数種類の微粒子が存在してもよい。
次に、調製例で得られた組成物を用いた親水層(親水コート)の特性を測定した。
[測定手段]
1.膜厚測定
(1)分光エリプソメータ
分光エリプソメトメータ(UVISEL: 株式会社堀場製作所製)を用いて、親水層の膜厚を測定する。Xeランプを用いて210〜880nmのスペクトル域の光を測定対象の親水層に入射し、入射光と反射光の偏光の変化を測定して膜厚を求める。
(2)段差計
段差計(DEKTAK 6M STYLUS PROFILER: Veeco社製)を用いて、親水層の膜厚を測定する。触針により測定対象の親水層と基材との段差を測定して膜厚を求める。
2.粒径測定
(1)粒度分布計
粒度分布計(Nanotrac wave UT151: Microtrac社製)を用いて、光触媒微粒子の粒度分布を測定する。
(2)電子顕微鏡
電子顕微鏡(S−4800 Scanning Electron Microscope: 株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定対象の光触媒微粒子を撮像し、得られた画像を画像処理して粒径を算出する。
3.表面粗さ測定
表面粗さ計(New View 6K: ZYGO社製)を用いて、測定対象の親水層表面の粗さ曲線を記録し、その算術平均粗さ(Ra)を測定する。
4.反射率
反射計(USPM−RU III: オリンパス株式会社製)を用いて、親水層の反射率を測定する。波長550nmの光を照射して反射率を求める。
ここに開示する技術においては、反射率は10%以下であることが好ましい。
5.接触角測定
親水層表面の親水性は、自動接触角計(MD300: 協和界面化学製)を用いて、測定対象の親水層の表面上の水滴が形成する静的な接触角により評価する。接触角θとは、試料表面と水滴が試料表面と接する箇所の接線とのなす角度を意味する(図4)。図中、γは親水層の表面張力、γは水の表面張力、γSLは親水層と水の界面張力を意味する。
ここに開示する技術においては、接触角θが30°以下であればその試料は親水性であり、10°以下であれば超親水性であると定義する。実用上、5°以下であることが好ましい。
6.硬度測定
親水層表面の耐久性は、鉛筆硬度試験法(JIS K5600−5−4)により求めた鉛筆硬度で評価する。鉛筆硬度とは、異なる鉛筆濃度の芯で表面を引っ掻き、傷が生じない最も硬い鉛筆濃度を意味する。鉛筆濃度は、柔らかい側から硬い側に向かって、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hである。鉛筆の芯を5〜6mm露出させ、円柱状になるように研磨紙で先端を平らにする。表面が水平になるように測定対象を設置し、表面に対して鉛筆の角度を45±1°とし、750±10gの荷重をかけて測定する。
ここに開示する技術においては、実用上、十分な耐久性を示すためには、鉛筆硬度が5Hまたはそれ以上であることが好ましい。
7.耐擦傷性測定
親水層表面の耐久性は、擦り試験により観察された耐擦傷性でも評価する。パーム(やしの繊維)製のたわしに500gの荷重を負荷して親水層表面を100往復こすったあと、擦り傷の発生を顕微鏡で観察する。
以下、ここに開示する技術を実施例および比較例に基づき説明するが、これらの実施例は例示であり、ここに開示する技術を限定するものではない。
1.親水層の反射率に対する膜厚の影響
ガラス基材110上に直接シリケート系組成物Aを塗布し、種々の膜厚で親水層120を形成した(図5)。また、ガラス基材210上にまず高屈折率(TaO)層と低屈折率層(SiO)が交互に積層された反射防止層(AR層)230を形成し、その上にシリケート系組成物Aを塗布し、種々の膜厚で親水層220を形成した(図6)。30nm未満の膜厚は分光エリプソメトリーにより測定し、30nm以上の膜厚は段差計により測定した。
各親水層表面の算術平均粗さ(Ra)、水滴の接触角および反射率を測定した。測定結果を表1に示す。
ガラス基材110上に親水層120を直接形成した親水レンズ100の場合、親水層の膜厚を30nm以下まで薄膜化すると、ガラス基材自体の反射率(4%)と同程度まで反射率を低減できた(図7)。
さらに、ガラス基材210上に反射防止層230を形成し、その上に親水層220を形成した親水レンズ200の場合、親水層の膜厚を30nm以下まで薄膜化すると、基材自体の反射率(4%)よりも低い反射率を達成することができた(図8)。
親水層の膜厚が30nm以下であれば、波長550nmの入射光に対する反射率が低く、実写したときにレンズ表面で入射光が反射して光の輪のようなゴーストが発生せず(図9a)、十分に良好な視認性を得ることができたが、親水層の膜厚が70nmのとき、反射防止層によっても反射率を低減させることはできず、ゴーストが発生した(図9b)。
組成物Aを用いて親水層を形成する親水コート処理後(a)および処理前(b)で、レンズ表面に霧吹きで水を噴霧して、霧滴の付着状況を確認した。
親水コート処理後のレンズには霧滴の付着はなく、視認性は良好であった。親水コート処理前のレンズには霧滴が付着して、視認性が非常に悪かった。
2.親水層の親水性および硬度に対する光触媒微粒子の粒径および親水層の表面粗さの影響
ガラス基材上にまず高屈折率(TaO)層と低屈折率層(SiO)が交互に積層された反射防止層(AR層)を形成し、その上にシリケート系組成物A、B、Cをそれぞれ塗布し、種々の膜厚で親水層を形成した。30nm未満の膜厚は分光エリプソメトリーにより測定し、30nm以上の膜厚は段差計により測定した。
各親水層表面の算術平均粗さ(Ra)、鉛筆硬度および擦り試験前後での水滴の接触角を測定した。測定結果を表2に示す。
前記微粒子の平均粒径が30nm以下であり、前記親水層の膜厚が10〜30nmであり、かつ、前記親水層表面の算術平均表面粗さRaが0.7〜1.7nmである場合、高い鉛筆硬度(5H以上)および擦り試験後でも低い接触角(30°以下)を示した。擦り試験後、実施例3〜5の親水層の表面には擦傷がなく(図11a)、比較例3および4の親水層の表面には擦傷が確認された(図11b)。
ここに開示する技術の親水レンズは、反射率が低く、また、高い親水性と高い硬度とを同時に有するので、屋外に設置されるカメラおよびビデオ等の撮影機器、特に、自動車の外部に搭載されるリアビューやサイドビューをモニターするカメラに使用するのに有用である。
1 リアビューカメラ
2 サイドビューカメラ
3 シリケート材料のネットワーク
4 光触媒微粒子
100 親水レンズ
110 ガラス基材
120 親水層
200 親水レンズ
210 ガラス基材
220 親水層
230 反射防止層

Claims (4)

  1. ガラス基材および前記ガラス基材上に形成された親水層を備えた親水レンズであって、前記親水層は光触媒活性を有する微粒子が分散したシリケート材料を含み、前記親水層の膜厚は30nm以下であり、前記微粒子の平均粒径が30nm以下であり、かつ、前記親水層表面の算術平均粗さRaが0.7〜1.9nmである親水レンズ。
  2. 前記親水層の膜厚が10〜30nmである、請求項1に記載の親水レンズ。
  3. 前記微粒子に酸化チタンを含む、請求項1または2に記載の親水レンズ。
  4. 前記ガラス基材と前記親水層との間に、さらに、反射防止層が形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の親水レンズ。
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