JP3483041B2 - 撥水性ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

撥水性ガラスおよびその製造方法

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JP3483041B2 JP26698993A JP26698993A JP3483041B2 JP 3483041 B2 JP3483041 B2 JP 3483041B2 JP 26698993 A JP26698993 A JP 26698993A JP 26698993 A JP26698993 A JP 26698993A JP 3483041 B2 JP3483041 B2 JP 3483041B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/006Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character
    • C03C17/008Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character comprising a mixture of materials covered by two or more of the groups C03C17/02, C03C17/06, C03C17/22 and C03C17/28
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性能はもとより、
耐候性に優れた撥水性ガラスおよびその製造方法に関
し、車両用、船舶用、航空機用あるいは建築用等のウィ
ンドウガラスやミラーなどに有用である。
【0002】
【従来技術】ガラスの撥水性を向上させるために、フル
オロアルキル基含有化合物やジメチルシロキサン等の化
合物をガラス表面に塗布する試みがなされている。しか
しこれらの化合物を単に塗布しただけではガラス表面と
の結合力が弱く、耐候性や耐摩耗性を充分にもたせるこ
とはできず、撥水性を長期に亘り維持することは困難で
ある。
【0003】これまでは、ガラスなどの素材上に、撥水
性を付与するためにポリフルオロアルキル基(Rf基)含
有シラン化合物が各種出願されている。(特開昭58−
122979)、(特開昭58−129082)、(特
開昭58−142958)、(特開昭58−14748
3)、(特開昭58−172242)、(特開昭58−
172243)、(特開昭58−172244)、(特
開昭58−172245)、(特開昭58−17224
6)、(特開昭58−190840)、(特開昭58−
223634)。
【0004】さらに例えば特開昭58−167448号
公報には低反射率ガラスが記載されており、ポリフルオ
ロアルキル基含有シラン化合物叉は該化合物の部分加水
分解縮合物からなる厚さ1μm 以下の薄膜をガラス表面
に形成することにより、透視性等を損なうことなく、低
反射率及び撥水撥油性とするというものが開示されてい
る。
【0005】しかしながら、このような従来の撥水処理
方法にあっては、耐久性、耐候性試験において、比較的
短時間で撥水性が劣化するという問題点があった。さら
に耐候性に優れたものとして、テフロンを被覆したガラ
スがあるが、膜が柔らかいため傷つき易くすぐに透明性
が損なわれるという問題点があった。
【0006】また特開昭60−231442号公報に
は、ガラス基板上に接着成分としてシロキサン結合を有
する有機ケイ素化合物の重合物、および撥水成分として
フッ素化合物の重合物の双方よりなる撥水性被膜を形成
した撥水処理硝子が記載されているが、表面が撥水成分
の重合物が全てまたは相対的に多く含有された構成にな
っているため傷つき易いという問題点や、フッ素化合物
の重合物をフッ素化合物のモノマーを出発原料としてプ
ラズマ重合で合成しているため、最表面の撥水面がプラ
ズマの影響を受け、耐候性が劣化し易いという問題点が
あった。
【0007】また特開平3−153859号公報には、
プラスチック基板上に金属酸化物層が形成され、その上
に金属酸化物層およびフッ素樹脂の複合層を積層した表
面改質プラスチックが記載されているが、基板がプラス
チックであるため密着性が必ずしも満足できるものでは
ない等の問題がある。
【0008】また、特開平5−51238号公報には、
ガラス基板上に金属酸化物相と該金属酸化物相中に分散
された撥水性微粒子とからなる撥水層をもつ撥水性ガラ
スが記載されているが、微粒子が均等に膜中に分散した
構成では傷つき易いという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐
候性に優れしかも硬い撥水性ガラスを提供することにあ
る。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなされたものであって、少なくともS
iO2 とフッ素樹脂とからなり、該フッ素樹脂がガラス
側より外部側にかけて、連続的に増大する構成となり、
さらに該撥水層中の該フッ素樹脂が該SiO2 に対して
30〜300重量%である撥水層をガラス表面に形成し
てなる撥水性ガラスとすることにより、上記目的が達成
される。
【0011】本発明は、さらに該SiO2 がアミノ基を
有するシランカップリング剤を原料とするシリカゾルか
らなることにより、透明性も一段と改善されたものとな
る。
【0012】ガラス基板としては、車両用、船舶用、航
空機用あるいは建築用等に用いられる市販のソーダライ
ムガラスを採用することができる。また、強化ガラス、
合わせガラス、ミラー用ガラスであってもよい。ガラス
基板表面は、フラット状でもよいが、撥水層との密着性
を高めるため、フッ酸処理またはプラズマエッチングを
行うことにより表面が微細な凹凸形状をしている方がよ
り好ましい。
【0013】撥水層は、少なくともフッ素樹脂粒子の懸
濁液と水からなる混合溶液にアミノ基を有するシランカ
ップリング剤と水、有機溶媒、触媒の共存下で加水分解
および重縮合して得られたシリカゾル溶液を混合してな
る溶液をガラスに塗布して焼き付けることにより形成さ
れる。アミノ基を有するシランカップリング剤を出発原
料としたシリカゾル溶液を用いることにより、フッ素樹
脂粒子の懸濁液との混和性がよい、すなわち、フッ素樹
脂粒子の分散性がよく、これを用いて形成した撥水層の
膜質も良好なものとなる。
【0014】アミノ基を有するシランカップリング剤と
しては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシランを出発とし、加水分解、縮重
合した溶液をシリカゾル溶液として用いる。この溶液に
は、他種金属、例えばAl,Zr,Tiなどのアルコキ
シド、モノメチルアルコキシドまたはアセチルアセトネ
ート塩およびそれらの縮重合物、さらには塩化物、硝酸
塩、硫酸塩等の水溶液を含有していてもよい。アルコキ
シドまたはモノメチルアルコキシドとして、好ましいも
のをあげれば、(モノメチル)メトキシド、(モノメチ
ル)エトキシド、(モノメチル)イソプロポキシド、
(モノメチル)n-ブトキシドなどであり、また、アセチ
ルアセトネート塩として好ましいものをあげれば、アセ
チルジルコニウム、アセチルアセトネートチタンなどで
ある。塩化物としては、オキシ塩化ジルコニウム、塩化
アルミニウムなどであり、硝酸塩としては、オキシ硝酸
ジルコニウム、硝酸アルミニウム、硫酸塩としては、硫
酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0015】その他、これらの他種金属酸化物の市販ゾ
ル溶液が、シリカゾル溶液中に含有してもよい。市販ゾ
ル溶液としては、例えばチタニアゾルであればTA−1
0,TA−15(日産化学工業(株))、ジルコニアゾ
ルであればNZS−30A,NZS−30B(日産化学
工業(株))あるいはAZS−A,AZS−NB,AZ
S−B(日本触媒化学工業(株))がある。
【0016】触媒は、シランカップリング剤の加水分解
を促進するために添加され、例えば、塩酸、硝酸などの
無機酸や酢酸、ギ酸などの有機酸が挙げられる。有機溶
媒は、加水分解、重縮合したシランカップリング剤が均
一に分散、溶解できるものであればよく、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ルなどでよく、アルコール以外にトルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素を使用することもできる。この内メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低
級アルコールが好適に用いられる。
【0017】フッ素樹脂粒子あるいはフッ素樹脂粒子の
懸濁液と水からなる混合溶液中には、フッ素系界面活性
剤が添加されていた方が、フッ素樹脂粒子の分散性がよ
り良く好ましい。
【0018】フッ素樹脂とは、主に炭素とフッ素からな
る重合体であり、ポリテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエ
チレンとエチレン共重合体、テトラフルオロエチレンと
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、クロロ
トリフルオロエチレンとエチレンの共重合体などがあげ
られる。フッ素樹脂は、水あるいは有機溶媒に分散した
懸濁液としてシリカゾル溶液と混合するのが良い。
【0019】ポリテトラフルオロエチレン粉末の懸濁液
としては、例えば商品名ポリフロン(D−1,D−2,
D−2C)、ルブロン(LDW)(ダイキン工業社
製)、フルオン ディスパージョン(AD1,AD63
9,AD2,AD660)(旭アイシーアイフロロポリ
マーズ(株)社製)、テトラフルオロエチレンとヘキサ
フルオロプロピレンの共重合体粉末の懸濁液としては、
例えば商品名ネオフロン(ND−1,2,4)(ダイキ
ン工業社製)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体粉末の懸濁液として
は、例えば商品名ネオフロン(AD−1,AD−2)
(ダイキン工業社製)などがあげられる。
【0020】フッ素樹脂粉末の粒径としては、0.6μ
m 以下、好ましくは0.1〜0.6μm とする。フッ素
系界面活性剤としては、例えば商品名ユニダイン(DS
101,DS102,DS202,DS301,DS4
01,DS403,DS451,DS406)(ダイキ
ン工業社製)などがあげられる。
【0021】シリカに対するフッ素樹脂の混合割合とし
ては、5重量%未満であれば撥水性の効果が発揮され
ず、450重量%を超えると膜が柔らかくなるため5〜
450重量%の範囲にすることが好ましい。より好まし
くは30〜300重量%である。
【0022】本発明における撥水層の厚みは、0.01
μm 以上、好ましくは0.02〜1μm とする。撥水層
の焼付け温度は、100℃未満であれば膜の硬さが充分
でなく、また500℃を越えると充分な撥水性が発揮さ
れなくなるため100〜500℃の範囲にすることが好
ましい。より好ましくは、100℃以上、フッ素樹脂の
融点以下の温度で予備焼成し、その後フッ素樹脂の融点
以上、分解温度以下で本焼成するのがよい。これによ
り、フッ素樹脂がガラス側より外部にかけて、連続的に
増大する構成となる。ガラスへの塗布方法としては、浸
せき引き上げ法、スプレー法、フローコート法あるいは
スピンコート法等既知の塗布手段が適宜採用し得るもの
である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 実施例1の撥水性ガラスは、図1に示すように、ガラス
基板1と、このガラス基板1の表面に積層され膜厚が約
0.1μm からなる撥水層2とから構成されている。
【0025】この撥水性ガラスは、次のようにして形成
したものである。まず、ガラス基板1(表1中ではAと
する)として大きさ約100mm×100mm、厚さ約2mm
のクリア・フロートガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、
アルコールで順次洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭
し被膜用基板とした。
【0026】3−アミノプロピルトリエトキシシラン5
0gとメタノール78gの混合溶液に0.15mol/
lの塩酸水溶液20gを添加し、ウォーターバスで約8
0℃で約2時間反応させた。冷却後、pH調整のために
蒸留水を78g添加攪拌することにより、固形分濃度6
wt%のシリカゾル溶液を得た。
【0027】フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネオフロ
ンND−1(ダイキン工業(株))4.8g(固形分濃
度50wt%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリ
カゾル溶液50gを添加し、室温で約10時間攪拌す
る。その後、孔径1μm のメンブランフィルターでろ過
し、撥水用コーティング組成物とし、この溶液をガラス
基板表面に塗布し、約250℃で約30分間予備焼成を
行い、次いで約380℃で約30分間本焼成し、膜厚約
0.1μm の撥水層2を形成した。撥水層2中のフッ素
樹脂は、シリカに対し80重量%となる。なお、表1中
の撥水層組成とは、撥水層全体の組成を示す。
【0028】得られた撥水性ガラスについて、下記の分
析および試験を行なった。 〔二次イオン質量分析(SIMS)〕最表面からガラス
との界面に至るまでのSi,Fの分布を分析 〔撥水性試験〕 大気中(約25℃)での水に対する接
触角を測定 〔鉛筆硬度〕 JIS K 5400に準じて測定 〔耐候性試験〕 スーパーUVにより評価 条件:60mW/cm2 〔ヒートサイクルテスト〕80℃×4H.→−40℃×
1.5H. 10サイクル(表1中で○印は剥離なし、×
印は剥離ありをそれぞれ示す) 撥水層中のSiとFの分布の分析結果を図2(横軸が撥
水層の最表面からガラス基板に向かった深さ、縦軸が2
次イオン強度(SiとFの相対的な濃度)を示す)に、
また上記の評価結果を表1にそれぞれ示す。この結果よ
り、得られた撥水性ガラスは、Siを基準として、Fが
最表面からガラス基板との界面に向けて連続的に減少し
ていて充分な撥水性であり、、撥水性を示す接触角が試
験後においても変化せず硬くて耐候性に優れ、しかも密
着性に優れているためヒートサイクルテストによる膜の
剥離もないものとなっていることがわかる。
【0029】実施例2 実施例1において、撥水処理前にガラス基板を0.1%
フッ酸で10分間処理してガラス表面に微細な凹凸を形
成した(表1中ではBとする)こと以外は実施例1と同
様である。
【0030】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水ガラスは、硬くて耐候性に優れ、
しかも密着性に優れているためヒートサイクルテストに
よる膜の剥離もないものとなっていることがわかる。
【0031】実施例3 実施例1において、撥水層中のフッ素樹脂がシリカに対
し50重量%となるように、フッ素樹脂粒子の懸濁液
(商品名ネオフロンND−1(ダイキン工業(株))
4.8gと蒸留水220gの混合溶液に上記シリカゾル
溶液80gを添加したこと以外は実施例1と同様であ
る。
【0032】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、硬くて耐候性に優
れ、しかも密着性に優れているためヒートサイクルテス
トによる膜の剥離もないものとなっていることがわか
る。
【0033】実施例4 実施例1において、フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネ
オフロンND−1(ダイキン工業(株))4.8g(固
形分濃度50wt%)と蒸留水220gの混合溶液に5
wt%のフッ素系界面活性剤(商品名ユニダインDS4
01(ダイキン工業(株))のイソプロピルアルコール
溶液3、2gを混合したこと以外は、実施例1と同様で
ある。
【0034】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、硬くて耐候性に優
れ、しかも密着性に優れているためヒートサイクルテス
トによる膜の剥離もないものとなっていることがわか
る。
【0035】実施例5 実施例1において、フッ素樹脂粒子の懸濁液を(商品名
ネオフロンND−1(ダイキン工業(株))4.8g
(固形分濃度50wt%)から(商品名フルオンディス
パージョンAD660)4.0g(固形分濃度60wt
%)とすることと、本焼成温度を約380℃から約42
0℃としたこと以外は、実施例1と同様である。
【0036】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、硬くて耐候性に優
れ、しかも密着性に優れているためヒートサイクルテス
トによる膜の剥離もないものとなっていることがわか
る。
【0037】実施例6 3−アミノプロピルトリエトキシシラン50gとメタノ
ール78gの混合溶液に0.15mol/lの塩酸水溶
液20gを添加し、ウォーターバスで80℃で2時間反
応させた。冷却後、pH調整のために蒸留水を78g添
加攪拌することにより、固形分濃度6wt%のシリカゾ
ル溶液を得た。
【0038】オキシ塩化ジルコニウム(ZrCl2O・
8H2O)15.7gと蒸留水84.3gとからなる固
形分濃度6wt%のジルコニアゾルを得る。SiO2
ZrO2 =80/20(モル比)となるように、シリカ
ゾル33gとジルコニアゾル17gを混合し、シリカ−
ジルコニアゾル溶液を得る。
【0039】フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネオフロ
ンND−1(ダイキン工業(株))4.8g(固形分濃
度50wt%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリ
カ−ジルコニアゾル溶液50gを添加し、室温で約10
時間攪拌する。その後、孔径1μm のメンブランフィル
ターでろ過し、撥水用コーティング組成物とし、この溶
液をガラス基板表面に塗布し、約250℃で約30分間
予備焼成を行い、次いで約380℃で約30分間本焼成
し、膜厚約0.1μm の撥水層2を形成した。撥水層2
中のフッ素樹脂は、シリカとジルコニアの全酸化物(表
1中で1)で示す)に対し80重量%となる。
【0040】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、実施例1と同様のも
のであることがわかる。
【0041】実施例7 3−アミノプロピルトリエトキシシラン50gとメタノ
ール78gの混合溶液に0.15mol/lの塩酸水溶
液20gを添加し、ウォーターバスで80℃で2時間反
応させた。冷却後、pH調整のために蒸留水を78g添
加攪拌することにより、固形分濃度6wt%のシリカゾ
ル溶液を得た。
【0042】塩化アルミニウム(6水和物)28.6g
と蒸留水71.4gとからなる固形分濃度6wt%のア
ルミナゾルを得る。SiO2 /Al2 3 =80/20
(モル比)となるように、シリカゾル35.1gとアル
ミナゾル14.9gを混合し、シリカ−アルミナゾル溶
液を得る。
【0043】フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネオフロ
ンND−1(ダイキン工業(株))4.8g(固形分濃
度50wt%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリ
カ−ジルコニアゾル溶液50gを添加し、室温で約10
時間攪拌する。その後、孔径1μm のメンブランフィル
ターでろ過し、撥水用コーティング組成物とし、この溶
液をガラス基板表面に塗布し、約250℃で約30分間
予備焼成を行い、次いで約380℃で約30分間本焼成
し、膜厚約0.1μm の撥水層2を形成した。撥水層2
中のフッ素樹脂は、シリカとアルミナの全酸化物(表1
中で2)で示す)に対し80重量%となる。
【0044】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、実施例1と同様のも
のであることがわかる。
【0045】実施例8 3−アミノプロピルトリエトキシシラン50gとメタノ
ール78gの混合溶液に0.15mol/lの塩酸水溶
液20gを添加し、ウォーターバスで80℃で2時間反
応させた。冷却後、pH調整のために蒸留水を78g添
加攪拌することにより、固形分濃度6wt%のシリカゾ
ル溶液を得た。
【0046】SiO2 /TiO2 =80/20(モル
比)となるように、シリカゾル41.7gとチタニアゾ
ル(TA−10(日産化学工業(株))8.3g(固形
分濃度10wt%)を混合し、シリカ−チタニアゾル溶
液を得る。
【0047】フッ素樹脂粒子の懸濁液(商品名ネオフロ
ンND−1(ダイキン工業(株))4.8g(固形分濃
度50wt%)と蒸留水220gの混合溶液に上記シリ
カ−チタニアゾル溶液50gを添加し、室温で約10時
間攪拌する。その後、孔径1μm のメンブランフィルタ
ーでろ過し、撥水用コーティング組成物とし、この溶液
をガラス基板表面に塗布し、約250℃で約30分間予
備焼成を行い、次いで約380℃で約30分間本焼成
し、膜厚約0.1μm の撥水層2を形成した。撥水層2
中のフッ素樹脂は、シリカとチタニアの全酸化物(表1
中で3)で示す)に対し72重量%となる。
【0048】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水性ガラスは、実施例1と同様のも
のであることがわかる。
【0049】比較例1 実施例1において、撥水層が全てフッ素樹脂からなるこ
と以外は実施例1と同様である。
【0050】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。分析結果を図3に、評価結果を
表1に示す。この結果より、得られた撥水性ガラスは、
最表面から界面まで均一にFが分布し、耐候性に優れて
いるが柔らかく、また密着性が悪いことがわかる。
【0051】比較例2 実施例1において、撥水層にフッ素樹脂が含まれておら
ず全てシリカからなること以外は実施例1と同様であ
る。
【0052】また、得られたガラスの評価も実施例1と
同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結果よ
り、得られたガラスは、単にシリカを被覆したガラスで
あるため撥水性は示さない。
【0053】比較例3 実施例1において、撥水層中のフッ素樹脂がシリカに対
し600重量%とすること以外は実施例1と同様であ
る。
【0054】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。分析結果を図4に、評価結果を
表1に示す。この結果より、得られた撥水性ガラスは、
最表面から約0.05μm 程度までFが均一に分布し、
約0.05μmから界面に向けては連続的に減少し、耐
候性に優れているが柔らかく、また密着性が悪いことが
わかる。
【0055】比較例4 実施例1において、洗浄したガラス基板への撥水処理と
してヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン(CF
3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3)1gとイソプロピルアルコー
ル48g、60%硝酸1gをビーカーに入れ、常温で充
分に混合攪拌し、フルオロアルキルシランの部分加水分
解溶液を調製したものを塗布し、約250℃で約30分
間焼付け撥水ガラスとしたこと以外は実施例1と同様で
ある。
【0056】また、得られた撥水性ガラスの評価も実施
例1と同様に行なった。評価結果を表1に示す。この結
果より、得られた撥水ガラスは、硬いが耐候性が悪いも
のとなっていることがわかる。
【0057】
【表1】
【0058】A:ガラス基板 B:0.1%フッ酸で
10分間処理したガラス基板 注)○:剥離なし ×:剥離有り 1):SiO2 とZrO2 の全酸化物量とする 2):SiO2 とAl2 3の全酸化物量とする 3):SiO2 とTiO2 の全酸化物量とする 撥水層組成とは、撥水層全体の組成を意味する。
【0059】
【発明の効果】以上記述したように、本発明の撥水性ガ
ラスおよびその形成方法によれば、手軽に容易な膜形成
手段でもって被膜を安価に効率よく得られ、光学特性を
損なうことなく、撥水性、膜質、密着性、硬さ、耐候性
等に優れるものとなる等、建築用もしくは自動車用窓材
をはじめ、各種ガラス物品等に好適に採用できる、有用
な撥水性ガラスおよびその形成法を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水性ガラスの構成を示す説明図であ
る。
【図2】実施例1での本発明の撥水性ガラスの撥水層中
におけるSiとFの分布を示す図である。
【図3】比較例1での撥水性ガラスの撥水層中における
SiとFの分布を示す図である。
【図4】比較例3での撥水性ガラスの撥水層中における
SiとFの分布を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 聡子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2 日産自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−231442(JP,A) 特開 平7−48146(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平滑もしくは微細凹凸状のガラス表面上に
    溶液を塗布して焼き付けることで撥水層を形成してなる
    撥水性ガラスにおいて、該撥水層が少なくともSiO
    とフッ素樹脂とからなり、該フッ素樹脂がガラス側より
    外部側にかけて、連続的に増大する構成となり、さらに
    該撥水層中の該フッ素樹脂が該SiOに対して30〜
    300重量%であり、前記SiOがアミノ基を有する
    シランカップリング剤を原料とするシリカゾルからなる
    ことを特徴とする撥水性ガラス。
  2. 【請求項2】前記シリカゾル溶液にアルミナゾル、チタ
    ニアゾル、ジルコニアゾルの少なくとも1種を含有させ
    ることを特徴とする請求項1記載の撥水性ガラス。
  3. 【請求項3】前記フッ素樹脂が、主に炭素とフッ素から
    なる重合体であり、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
    クロロフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
    ド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン
    とヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオ
    ロエチレンとエチレンの共重合体、テトラフルオロエチ
    レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合
    体、クロロトリフルオロエチレンとエチレンの共重合体
    であることを特徴とする請求項1記載の撥水性ガラス。
  4. 【請求項4】少なくともフッ素樹脂粒子の懸濁液と水か
    らなる混合溶液にアミノ基を有するシランカップリング
    剤と水、有機溶媒、触媒の共存下で加水分解および重縮
    合して得られたシリカゾル溶液を混合してなる溶液をガ
    ラスに塗布して焼き付けることを特徴とする撥水性ガラ
    スの製造方法。
  5. 【請求項5】前記フッ素樹脂が、主に炭素とフッ素から
    なる重合体であり、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
    クロロフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
    ド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン
    とヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオ
    ロエチレンとエチレンの共重合体、テトラフルオロエチ
    レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合
    体、クロロトリフルオロエチレンとエチレンの共重合体
    であることを特徴とする請求項4記載の撥水性ガラスの
    製造方法。
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