JPH09132433A - ゾルゲル膜及び該膜を用いた撥水性ガラス - Google Patents

ゾルゲル膜及び該膜を用いた撥水性ガラス

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JPH09132433A
JPH09132433A JP29410695A JP29410695A JPH09132433A JP H09132433 A JPH09132433 A JP H09132433A JP 29410695 A JP29410695 A JP 29410695A JP 29410695 A JP29410695 A JP 29410695A JP H09132433 A JPH09132433 A JP H09132433A
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sol
gel film
film
water
repellent
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JP29410695A
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Yoshinori Akamatsu
佳則 赤松
Yoshihiro Nishida
佳弘 西田
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポットライフが長く性能と安定性が優れるコ
−ティング溶液を簡便にうることができ、特定した微細
な凹凸状表面表層でかつ高硬度で機械的強度、耐光性等
耐久性に格段に安定かつ優れ、より比表面に富むゾルゲ
ル膜、及び撥水性ガラスを得る。 【解決手段】 ガラス基板表面に形成するゾルゲル膜で
あって、3次元測定によって該ゾルゲル膜の中心線平均
粗さを面拡張した平均面粗さRaが1nm以上20nm以下であ
る微細な凹凸状表層を有する金属酸化物薄膜でなるゾル
ゲル膜。ならびに該膜を用いた撥水性ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば凹凸状表層
の形状および大きさ等を適宜種々にコントロールするこ
とができ、しかもより簡便に得ることができる優れたコ
─ティング溶液で表面形状とその発現をより安定せしめ
て比表面積を増大できるなかで、コントロ−ルされた凹
凸の程度を特定したものとしたことにより、高硬度で高
機械的強度、かつ耐久性に優れた酸化物被膜となる微細
な凹凸状表層を有するゾルゲル膜となり、さらにガラス
基板上に被膜積層する多層膜において、例えば撥水性ガ
ラスの下地層膜として用いた際に、当該特異なゾルゲル
膜上に被覆する各種機能性膜の付着効率と密着性を高
め、耐光性能を向上し、しかも格段にその性能を発揮
し、光学特性を損なうことなく高透視性であって、長期
的に頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等を優れた
ものとすることができ、建築用もしくは自動車用等の窓
材、各種膜付きガラス物品において有用なゾルゲル膜及
び該膜を用いた撥水性ガラスを提供するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】一般に金属酸化物被膜の表面
に凹凸状を形成する方法としては、例えば金属酸化物被
膜をフッ酸やフッ硝酸等でエッチングする方法、あるい
は加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属アルコ
キシド溶液中に添加する方法等が知られている。また簡
単な工程で凹凸状等を形成する方法としては、本出願人
は出発原料の異なる金属アルコキシドを加水分解ならび
に脱水縮合させたゾル溶液を混合することによる方法を
見い出している。
【0003】ところが金属酸化物被膜をフッ酸やフッ硝
酸等でエッチングする方法では、エッチング用溶液であ
るフッ酸やフッ硝酸等が人体に対し極端に危険な物質で
あってその取り扱いが厄介で作業性が劣るとともに、エ
ッチング工程を付加することでの生産性の低下等があ
り、また加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属
アルコキシド溶液中に添加する方法では、例えば一度形
成されたマイクロピット状表面が400 ℃以上の加熱焼成
により、被膜の緻密化が起こるため、その加熱処理条件
を種々制御する必要があるという制約があり、この制約
により頑固な被膜を得ることが困難であって、必ずしも
容易にとは言い難いものである。
【0004】そこで、本出願人が既に出願している例え
ば特開平5-147976号公報に記載のマイクロピット状表層
を有する酸化物薄膜および該薄膜を用いた多層膜、なら
びにその形成法、また例えば特開平6-298545号公報に記
載のゾルゲル膜およびその形成法、さらに例えば特開平
7-138050号に記載の撥水性酸化物被膜およびその形成法
等が上記の点を解決するに際し有用であることを提案
し、さらにまた例えば特願平7-132268号に記載のゾルゲ
ル膜およびその形成法によって、調合方法が複雑でなく
より簡便で長時間を要せず、またポットライフも優れた
コ−ティング溶液で、表面形状の発現がより安定かつよ
り優れしかも長期間の過酷な条件下でも機械的膜強度あ
るいは耐薬品性等耐久性に優れるゾルゲル膜を提案して
いる。
【0005】自動車用窓ガラス等において各種機能性膜
が実用されるようになってきている最近では、本出願人
が既に出願している例えば特願平6-180295号に記載の撥
水性ガラスおよびその製造方法において、下地層の表面
表層形状を3次元的に把握し、例えば Rmax (最大高
さ)=5 〜60nm、 Ra (中心線平均粗さ)=2 〜20nm、
Rz (10点平均粗さ)=5 〜55nm、 Sm (凹凸の平均間
隔)=5 〜700nm でなるように凹凸の程度を定量的に規
定し特定することで従来に比しその機能を数段高め安定
せしめることができたものの、これらのフアクタ−、特
にJIS B 0601における Ra (中心線平均粗さ)で特定し
たとしても、ことに大面積でかつ複雑な形状基板に施し
た上層の機能性膜を含む積層成膜での耐光性能等に対
し、より過酷な厳しい環境においてはバラツキを減じよ
りさらに充分にその機能を向上しより安定したものにな
るまでには到っていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、ゾルゲル膜の表面表
層形状を3次元的に把握し、凹凸の程度を平均面で定量
的に規定し特定することにより、例えば該ゾルゲル膜を
下地層とした撥水性ガラス等における耐光性能を向上
し、かつそのバラツキ幅をよりコントロ−ルよく低減す
ることができたものとなり、ことに例えば特定の金属ア
ルコキシドを添加したテトラアルコキシシランと、特定
のアルキルトリアルコキシシランとをそれぞれ加水分解
ならびに脱水縮合させたそれぞれのゾルゲル溶液を混合
するとともに、特定の溶剤と混合して調製することでコ
ーティング溶液とし、ガラス基板に被膜し薄膜を成膜す
ることで、その性能が優れるコーティング溶液を簡便に
得ることができるとともに、得られたゾルゲル膜が高硬
度かつ高密着性であって耐久性や耐摩耗性とを併せ持
ち、例えば独立してしっかりした特異な微細な凹凸状表
面表層をより安定して発現し、比表面積の増大による被
覆膜の付着効率と密着性の向上をもたらし、格段に優れ
た下地層となり、しかも高安全で厄介な工程なく、安価
に効率よく機械的膜強度および耐久性ならびに各種機能
を発揮する酸化物薄膜を得ることができる有用なゾルゲ
ル膜及び該膜を用いた撥水性ガラスを提供するものであ
る。
【0007】すなわち、本発明は、ガラス基板表面に形
成するゾルゲル膜であって、3次元測定によって該ゾル
ゲル膜の中心線平均粗さを面拡張した平均面粗さRaが1
nm以上20nm以下である微細な凹凸状表層を有する金属酸
化物薄膜でなることを特徴とするゾルゲル膜。
【0008】ならびに、前記平均面粗さRaが、4nm以上
16nm以下である微細な凹凸状表層を有する金属酸化物薄
膜でなることを特徴とする上述したゾルゲル膜。また、
前記金属酸化物薄膜が、アセチルアセトンで安定化した
金属アルコキシドを添加したテトラアルコキシシランを
加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液Aと、1つの
官能基をアルキル基化したアルキルトリアルコキシシラ
ンを加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶液Bとを混合
した混合物と、イソプロピルアルコ−ルを主成分とする
溶媒とからなるコ−ティング溶液を被膜し、加熱焼成す
ることで得る微細な凹凸状表層を有する金属酸化物薄膜
で成ることを特徴とする上述したゾルゲル膜。
【0009】さらに、前記金属アルコキシドの金属が、
Ti、Al、Zrまたはこれらの複合金属であることを特徴と
する上述したゾルゲル膜。さらにまた、前記テトラアル
コキシシランに対するアルキルトリアルコキシシランの
混合割合が、酸化物換算で2〜6倍であることを特徴と
する上述したゾルゲル膜。
【0010】さらにまた、前記イソプロピルアルコ−ル
を主成分とする溶媒が、イソプロピルアルコ−ルにブタ
ノ−ルを添加した溶媒であることを特徴とする上述した
ゾルゲル膜。
【0011】さらにまた、前記コ−ティング溶液におけ
る固形分濃度が、酸化物換算で0.2〜3wt%であること
を特徴とする上述したゾルゲル膜。さらにまた、前記被
膜時における湿度が、25℃の温度雰囲気下で45〜70%RH
であることを特徴とする上述したゾルゲル膜。
【0012】また、ガラス基板表面に形成した、3次元
測定によって該ゾルゲル膜の中心線平均粗さを面拡張し
た平均面粗さRaが1nm以上20nm以下である微細な凹凸状
表層を有する金属酸化物薄膜でなる該ゾルゲル膜の表面
上に、撥水性能を有する薄膜を被覆形成して成ることを
特徴とする撥水性ガラス。
【0013】またさらに、前記ゾルゲル膜が、請求項2
乃至8記載のゾルゲル膜で成ることを特徴とする上述し
た撥水性ガラス。また、前記撥水性能を有する薄膜が、
フルオロアルキルシラン系化合物で成ることを特徴とす
る上述した撥水性ガラスをそれぞれ提供するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】ここで、上述したように、ガラス
基板表面に形成するゾルゲル膜であって、3次元測定に
よって該ゾルゲル膜の中心線平均粗さを面拡張した平均
面粗さRaが1nm以上20nm以下である微細な凹凸状表層を
有する金属酸化物薄膜でなるゾルゲル膜を形成する方法
としては次のようにする。
【0015】先ず、前記ガラス基板としては、建築用窓
ガラスや自動車用窓ガラス等に使用されているフロ−ト
ガラス等各種無機質の透明性がある板ガラスであって、
無色または着色、ならびにその種類あるいは色調、形状
等に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガラス
としてはもちろん、各種強化ガラスや強度アップガラ
ス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスある
いは合せガラスとしても使用できる。
【0016】また、ゾルゲル膜としては、ガラス基板の
表面上に、アセチルアセトンで安定化した金属アルコキ
シドを添加したテトラアルコキシシランを加水分解なら
びに脱水縮合させたゾル溶液Aと、1つの官能基をアル
キル基化したアルキルトリアルコキシシランを加水分解
ならびに脱水縮合したゾル溶液Bとを混合し、30℃の保
持温度で3〜24時間乃至50℃の保持温度で1〜12時間攪
拌した混合物を作製し、該混合物をイソプロピルアルコ
−ルを主成分とする溶媒で希釈調製してなるコ−ティン
グ溶液を25℃の温度雰囲気下で45〜70%RHである湿度環
境において被膜し、乾燥加熱焼成し微細な凹凸状表層を
有する酸化物薄膜で成るようにすることでゾルゲル膜を
形成する。
【0017】なお、コ−ティングする際の雰囲気温度
(ガラス基板温度)が変化すれば、当然にして前記相対
湿度の範囲も変化することは言うまでもない。
【0018】さらにまた、前記テトラアルコキシシラン
に対するアルキルトリアルコキシシランの混合割合が、
酸化物換算で2〜6倍になるようにし、前記コーティン
グ溶液は1〜10cP、あるいは1〜5cP程度になるよう粘
度調製することで得る。
【0019】ここで、前記したように、アセチルアセト
ンで安定化した金属アルコキシドを添加したテトラアル
コキシシランを加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶
液Aと、1つの官能基がアルキル基化したアルキルトリ
アルコキシシランを加水分解ならびに脱水縮合したゾル
溶液Bとを混合した混合物を用いることとしたのは、容
易に溶液調製することができかつポットライフを長くで
き、成膜した前記微細な凹凸状表層の表面形状を有する
ものとなり、かつ機械的膜強度、耐薬品性に優れ、酸化
物薄膜の透明性や硬度が高く、耐久性にも優れたものと
なり、比較的安価で入手し易いものであるので該二つの
ゾル溶液を用いることとした。
【0020】また、二つのゾル溶液の一つが、アセチル
アセトンで安定化した金属アルコキシドを添加したテト
ラアルコキシシランである金属アルコキシド系化合物を
用い、加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶液Aと、ゾ
ル溶液のもう一つが1つの官能基をアルキル基化したア
ルキルトリアルコキシシランである金属アルコキシド系
化合物を用い、加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶液
Bとしたのは、ゾル溶液Aでは例えばーSiーO ーSiー
(但し、Siの上下方向の線は省略する)三次元構造が発
達しやすいものと該骨格が生成しにくいものを共存させ
る。一方、ゾル溶液Bでは、加水分解および脱水縮合反
応が起こらないアルキル基が存在するため、三次元構造
のSiーO ーSi結合等の骨格が生成しにくい。よってゾル
溶液Aとゾル溶液Bとを混合することにより被膜した際
に種々の表層が発現するようになり、数%程度の異種金
属元素が加わることにより、同一金属元素からなる薄膜
を緻密化させる働きが生じ、機械的膜強度および耐薬品
性等耐久性に優れる、しかも制御されかつ再現性よく安
定した形状と性能の微細な凹凸状表層薄膜となる。
【0021】さらに、前記金属アルコキシドの金属金属
としては、格別特定するものではないが、Ti、Al、Zrま
たはこれらの複合金属を選択するのが好ましく、具体的
なものとしては、例えばチタンテトラノルマルブトキシ
ド〔Ti(O-n-Bu)4 Bu:C4H9 〕、アルミニウムトリノルマ
ルブトキシド〔Al(0-n-Bu)3 〕、ジルコニウムテトラノ
ルマルブトキシド〔Zr(O-n-Bu)4 〕、またはTi、Al、Zr
のアセチルアセトネ−ト塩等が好適である。
【0022】またさらに、前記1つの官能基をアルキル
基化したアルキルトリアルコキシシランとしては、具体
的には例えば、メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OE
t)3〕、メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3〕等が
好適である。
【0023】また、微細な凹凸状表層における形状なら
びにその制御については、先ず前記ゾル溶液Aおよびゾ
ル溶液Bの官能基ならびに分子量であり、特に前記した
ような現象を発現する異種官能基、ことに4と3の官能
基のものが主であり、また例えば分子量としてはその範
囲が100 〜100,000 であり、100 未満では原料の加水分
解が不充分なため被膜時に膜ハジキが生じやすく、成膜
性が悪く、また100,000 を超えるとゾル溶液がゲル化を
生じ、ゾル溶液の安定性が悪くなる。好ましくは1,000
〜50,000程度のものがよい。
【0024】もしくはならびに前記ゾル溶液を調製する
際の溶剤の種類であり、イソプロピルアルコ−ル、ブタ
ノ−ル、エタノ−ルのアルコ−ル溶媒、アセチルアセト
ン等であり、ことにイソプロピルアルコールを主成分と
してなるアルコールであって、なかでもコ−ティング溶
液の調製における希釈溶媒としては、イソプロピルアル
コールにブタノ−ルを添加した溶媒、ことに約10wt%程
度添加した希釈溶媒がよく、得られる薄膜の微細な凹凸
状表層の表面形状の発現の安定性に役立つこととなる。
【0025】もしくはならびにゾル溶液における酸化物
換算での固形分の混合比であり、例えばゾル溶液Aの固
形分1gに対してゾル溶液Bの固形分は2〜6g程度で
あり、2g未満では得られた薄膜の表層が平坦状にな
り、また6gを超えると得られる薄膜の表層は粗大化す
ることとなり、所期のめざすものとはならない。好まし
くはゾル溶液Aの固形分1gに対してゾル溶液Bの固形
分は2.5 〜5.5 g程度である。
【0026】さらに、被膜する際の環境、とくに温度と
相対湿度、例えばことに45〜70%程度にコントロールす
ることによっても、種々の表層形状ならびにその径を再
現性よく安定制御し得ることもある。
【0027】さらに、前記コーテイング溶液の粘度を1
〜10cPあるいは1〜5cP程度に調製するのは、1cP未満
では粘性が低すぎて膜となり難く、また10cPを超えると
被膜した際に過剰に塗膜され加熱乾燥過程で膜中にクラ
ツク等が生じてしまうためである。
【0028】またさらに、前記コーテイング溶液の酸化
物換算固形分濃度は0.2 〜3.0 wt%が好ましく、0.2 wt
%未満では希薄すぎるため膜の形態となり難く、また3.
0 wt%を超えると濃度が濃くなるようになって高すぎる
ため膜厚が厚くなり、前記平均面粗さRa値をうることが
次第に難しく、さらに膜中にクラツクの発生を生じたり
あるいは成膜時に白濁を生じたりして良質な薄膜が得ら
れないこととなるものである。
【0029】さらにまた、ガラス基板への膜付け法とし
ては、ノズルフロ−コ−ト法、ディッピング法、スプレ
ー法、リバ−スコ−ト法、フレキソ法、印刷法、フロー
コート法あるいはスピンコート法、ならびにそれらの併
用等既知の塗布手段が適宜採用し得るものである。
【0030】また、前記下地層であるゾルゲル膜の成膜
する際における風乾等の乾燥後の加熱温度については、
100 ℃以上700 ℃以下程度、好ましくは約500 ℃程度以
上680 ℃以下程度、さらに薄膜をより強固にするため、
例えば600 ℃程度あるいは以上の温度による焼成であっ
て、具体的にはガラス板の曲げあるいは/および強化工
程における温度であり、該温度でも消失することもな
く、種々の前記表面形状表層とすることができるもので
ある。
【0031】さらに、前記した3次元測定によって該ゾ
ルゲル膜の中心線平均粗さを面拡張した平均面粗さRaが
1nm以上20nm以下である微細な凹凸状表層を有する金属
酸化物薄膜でなるゾルゲル膜としたのは、走査型プロ−
ブ顕微鏡のAFM (原子間力顕微鏡)モ−ド(セイコ−電
子製、SPI3700 、5μm四方スキャンあるいはオリンパ
ス製、NV2000、5μm四方スキャン)で観察し、JIS B
0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対
し適用し三次元に拡張したもので、「基準面から指定面
までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、次式で
与えられる。
【0032】
【数1】
【0033】これにより、平均面粗さRaが1nm未満では
例えば撥水性ガラスにおける撥水機能の耐光性能が充分
ではなく劣化が大きく所期のめざす撥水性〔例えば、接
触角θ(°):初期接触角θ0 約80°以上、好ましくは
約100 °以上〕とはなり難くなり、平均面粗さRaが20nm
を超えると所期のめざす透明性〔例えば、初期ヘイズH
0 (%):約0.6 %程度以下、好ましくは約0.3 %以
下〕とはなり難いためである。好ましい平均面粗さRaと
しては約4nm以上16nm以下程度であって、上述した初期
接触角θ0 ならびに透明性が例えば自動車用窓ガラス等
よりシビアな厳しい環境に対しても好適な微細な凹凸状
表層を有する金属酸化物薄膜でなるゾルゲル膜となる。
さらにより好ましくは平均面粗さRaが約4nm以上15nm以
下程度であって、Super-UV照射時間を約 500時間程度行
った後の接触角が約90°程度以上、かつ初期ヘイズH0
が約0.3 %程度以下を満足するものとなる。
【0034】さらに、本発明の撥水性ガラスにおいて、
下地層であるゾルゲル膜表面に被膜した撥水層について
光劣化による存在形態を推測すると図7に示すようにな
り、図中(a)は下地層(B)に直接化学的結合をした
極薄い(例えば単分子レベル)撥水層(F1)を示し、図
中(b)は前記撥水層(F1)と凹部に入り込んだ撥水剤
の重合体からなる撥水層(F2)との2層構造を示し、さ
らに図中(c)は前記撥水層(F1)までの光劣化状態を
示すものである。
【0035】このように、撥水層は異なる2つの撥水層
F1とF2が積層した2層構造と考えられ、F1層は下地膜表
面の例えばシリカと直接化学的結合し、極薄い単分子層
に近い膜が下地膜全体を覆っており、F2層は撥水剤であ
る例えばフルオロアルキルシランがある程度重合した多
くの重合体がF1層に化学結合し、特に凹部に多く入り込
んだ状態で存在し、F2層は撥水剤量(重合体の大きさと
数)に比例した「みかけの厚み」を持ち、該F2層の厚み
が耐光性に大きく影響を及ぼすものである。
【0036】また、下地層と直接反応しない例えばPTFE
のような撥水剤においてもF2層として凹部に入り込んだ
状態で存在するので、同様に上記したような耐光性の向
上に有効な働きをするものである。
【0037】平均面粗さRaが大きいほど撥水剤の含有量
が増えるため、撥水層の「みかけの厚み」も増加して耐
光性が向上することとなり、下地膜と直接化学的結合を
していない凹部に蓄積された撥水層は、撥水剤(例えば
フルオロアルキルシラン)の重合体の塊状物であり、初
期の光照射でこの撥水層が先に劣化し、ついで下地膜と
化学的結合した強固な下地の撥水層が光劣化することと
なる。
【0038】前述したとおり、本発明のゾルゲル膜及び
該膜を用いた撥水性ガラスにより、特定した2種類のゾ
ル溶液を、特定の希釈溶媒で希釈して特定選択し組み合
わせて調製し用いることによってコーテイング溶液を
得、さらによりよくは特定環境のなかで成膜すること
で、コーテイング溶液として簡便に調合調製ができしか
も優れた安定性とその性能を有するものとでき、被膜で
特異な挙動を発現せしめて特異な形状構造をもたらし、
加熱乾燥または焼成および高温焼成等を行うことによ
り、緻密化して平坦化することなく、従来より独立性等
があって深見のある、明確でしっかりし安定した、3次
元測定によって該ゾルゲル膜の中心線平均粗さを面拡張
した平均面粗さRaが1nm以上20nm以下である微細な凹凸
状表層となるものとし、膜強度の高い酸化物薄膜とな
り、しかも表面表層を制御でき、付着性も向上し強固な
薄膜とすることができ、ガラス基板との界面はもちろ
ん、多層膜での被覆膜との膜と膜の界面においても密着
性を格段に向上せしめ、被覆含浸した撥水性薄膜等機能
性薄膜を含め、より均質化し安定性がある優れた耐光性
ならびに機械的強度、耐候性、耐久性を有するものとな
り、従来より格段に長期的に及ぶ優れた耐久性を有する
ものとなり、透明で硬度が高い、しかも光学特性等も充
分に満足できるものとでき、屋外でも使用できることは
もちろんであり、高安全で厄介な工程なく、例えば前記
Ra値を耐光性能のパラメ−タ−として採用することも可
能であって、安価に効率よく得られることとなるもので
あり、建築用はもちろん、ことに自動車用等の車輌用の
窓材として格段に有用である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0040】実施例1 大きさ約600mm x900mm 、厚さ約5mmのクリア・フロ−
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコ−ルで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス基
板とした。
【0041】テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4 :TE
0S)の重合ゾル(平均分子量 Mv=約1000〜3000)とアセ
チルアセトンで安定化したテトラブトキシチタン(Ti(O
-Bu) 4 )との混合ゾル(アセチルアセトンで安定化した
テトラブトキシチタンの含有量は酸化物換算でSiO2に対
してモル比で約 20mol%である)を、イソプロピルアル
コ−ル(iPA )、ブタノ−ル、エタノ−ルのアルコ−ル
溶媒を加え、固形分濃度として酸化物換算で約5wt%に
なるまで希釈したものをゾル溶液Aとした。〔例えば、
大八化学工業(株)製、CG19-Ti-1 〕 メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3:MTMS)の重
合ゾル(平均分子量 Mv=約1,000 )にイソプロピルアル
コ−ル(iPA )を加え、固形分濃度として酸化物換算で
約20wt%になるまで希釈したものをゾル溶液Bとした。
〔例えば、大八化学工業(株)製、MTS-2 〕 上記ゾル溶液A20gとゾル溶液B20gと、加水分解およ
び脱水縮合反応の反応速度を調整するため調合用ブタノ
−ル(BuOH、水分量2000ppm 、例えば150 〜3500ppm の
範囲、あるいは3500ppm 以上、5000ppm 、8000ppm 等で
あってもよい)約50gを約50℃で約3 時間密栓状態で混
合攪拌し、さらに90wt%iPA /10wt%BuOHの混合系溶媒
で希釈してコ−テイング溶液を得た。この際の固形分濃
度は酸化物換算で約0.5 〜1.5w%程度であった。
【0042】なお上述したなかで、ゾル溶液Aとゾル溶
液Bとの比は固形分の重量比で約1:4程度、より好ま
しい当該比は約1:3.5 〜5.5 程度である。またなお混
合後の攪拌時間は、例えば好ましい当該攪拌時間は約50
℃の温度であれば1〜6時間(蜜栓)程度乃至約30℃の
温度であれば3〜12時間(蜜栓)程度である。
【0043】ついで、該コーテイング溶液をスピンコ−
ト法により、前記ガラス基板表面に、約25℃、相対湿度
約45〜70%RH程度の環境で塗布被膜し、約5分間放置し
風乾し、微細な凹凸状表層を発現形成しているゲル膜を
成膜性よく得た。続いて約250 ℃で約30分間加熱仮焼成
した後、さらに約680 ℃で約4分間以内程度(実際には
10秒前後と考えられる) に加熱本焼成し、膜厚約120nm
の SiO2-TiO2薄膜を有する薄膜を得た。なお当該仮焼成
段階で溶媒や有機物が蒸発または分解し膜の硬さが増大
し、さらに本焼成で有機物、アルキル基、アルコキシル
基等の分解が進み、膜硬度は飛躍的に増大する。
【0044】得られたそれぞれのゾルゲル膜(下地層)
の評価を下記のように行った。 〔表層表面形状の観察〕成膜時の湿度を温度25℃で約45
%〜約70%RH程度と変化せしめそれぞれについて、前述
した原子力間電子顕微鏡による表面形状状態を観察し、
前記したように平均面粗さRa(nm)を求めた。 〔初期ヘイズ(曇価)値H0 (%)〕ヘイズメ−タ−に
よって測定した。なおガラス基板としては初期ヘイズ値
0が約0.1 %程度である。 〔耐摩耗性〕テ−バ−摩耗試験において、摩耗輪CS-10F
で20回転後のヘイズ値の増加分△Hを求めた。なおガラ
ス基板としては約0.1 〜0.2 %程度である。
【0045】その結果、 SiO2-TiO2薄膜は例えば温度25
℃で湿度約48%RH、約53%RH、約59%RH、約65%RHの場
合を図1乃至図4によって例示したようになり、また例
えば該各々の湿度における平均面粗さRaは約3nm、約5
nm、約8nm、約15nmと夫々なり、初期ヘイズ値H0 もガ
ラス基板並で良好であり、耐摩耗性もガラス基板並の膜
強度を示しきわめて良好であって、明らかに所期のめざ
す微細な凹凸状表層となっていた。
【0046】さらに次いで該 SiO2-TiO2薄膜を下地層と
した際について確認するため、当該薄膜上に、例えば予
めヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン〔CF
3(CF2) 7CH2CH2Si(OCH3)3〕1gとiPA 約5g、60%硝酸
1gをビーカーに入れ、常温で充分に混合攪拌し、フル
オロアルキルトリメトキシシランの部分加水分解溶液を
調製したものを塗布し、約140 ℃ならびに約250 ℃に設
定された電気炉に約30分間入れ焼成し、撥水処理を行
い、撥水性酸化物被膜を得た。
【0047】得られた撥水処理ガラスの評価を下記のよ
うに行った。 〔撥水性試験〕該被膜の大気中(約25℃)での水に対す
る接触角θ(°)を、協和界面科学製CA-A型を用いて測
定した。それぞれの初期接触角θ0 (°)を求めた。
【0048】さらに初期転落角は45μl の水滴で求め
た。その結果、初期接触角θ0 は約110 〜115 °程度、
初期転落角は約30°程度と良好であった。 〔上水を用いた耐摺動試験〕該被膜を自動車用ワイパー
ブレードによる摺動耐久性により評価した。
【0049】条件:上水を流しながら約15g/cmの荷重
をかけて約18万回(往復を1回とする)摺動を行い、接
触角の低下量と、摺動後のサンプルのキズの発生の有無
を目視により評価した。
【0050】その結果、例えば初期接触角が約112 °の
もので、約18万回摺動後の接触角は上記約250 ℃焼成の
際約83°程度、上記約140 ℃焼成の際約80°程度であ
り、耐久性の高いものであった。また摺動後のサンプル
にはキズの発生はなかった。 〔耐光性試験〕該被膜をスーパーUV(SUV )耐光促進試
験により評価した。
【0051】条件:約75mW/cm2 、ランプとサンプル間
距離約25mm、温度約35℃、湿度約50%RHで、SUV 照射時
間約 150時間、約450 時間、約800 時間の耐久性試験を
行った。
【0052】その結果、下地層であるゾルゲル膜の平均
面粗さRa(nm)と撥水性ガラス膜面の接触角θ(°)
〔耐光性〕との関係を上記SUV 照射時間について求めた
ところ図5に示すようになり、例えば平均面粗さRaが8
nmの初期接触角が約112 °程度のものが、約800 時間経
過後でも接触角θが約90°程度に留まり、例えば75°±
5 °程度を合格基準とすれば、これは約3年間程度高い
撥水性を保持することに相当する等耐光性の高いもので
あり、例えば約500 時間照射後において、平均面粗さRa
が約4nm以上で接触角θが約90°程度以上となって自動
車用フロント、ドアならびにバックの窓ガラスに対して
充分な耐光性能を有する撥水性薄膜であった。
【0053】なお本発明のゾルゲル膜でなる下地層を施
すことなく、直接ガラス面に上記撥水処理を行ったとこ
ろ、初期接触角が約105 °程度が、約230 時間経過後約
60°程度に低下した。
【0054】さらに、ヘイズメ−タ−の測定によって、
下地層であるゾルゲル膜の平均面粗さRa(nm)と撥水性
ガラス膜面の初期ヘイズ値H0 (%)との関係を求めた
ところ、図6に示すようになり、平均面粗さRaが約20nm
以下であれば、初期ヘイズ値H0 が約0.6 %程度以下と
なってめざす所期のものとなり、さらに平均面粗さRaが
約16nm以下であれば、初期ヘイズ値H0 が約0.4 %程度
以下となって好ましいものとなり、さらにまた平均面粗
さRaが約14nm以下であれば、初期ヘイズ値H0が約0.3
%程度以下となってより好ましいものとなるものであっ
た。
【0055】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
コ−ティング溶液としてより簡単に調合調製ができかつ
飛躍的な安定性および性能を発揮し、より簡便に容易な
膜形成手段でもって特異な薄膜を安価に効率よく得ら
れ、特定の二つを選択したゾル溶液ならびに希釈溶液を
巧みに組み合わせることによって、特定できた特異な形
状を有する強固な微細な凹凸状表層となすものとなって
多層膜の下地層薄膜として格段にその性能を発揮し、そ
の表面に優れた撥水性能薄膜等各種機能性薄膜を被膜し
て、品質の均質化を向上し、前記Ra値で耐光性を管理で
き、光学特性を損なうことなく、撥水性能等各種性能が
優れることはもとより、密着性、ことに機械的強度、耐
光性能等の耐久性に優れるものとなり、建築用はもとよ
り自動車用窓材に格段に安定した品質で供給でき、各種
ガラス物品等、種々の被覆膜に広く採用できる利用価値
の高い、有用な微細な凹凸状表層を有するゾルゲル膜及
び該膜を用いた撥水性ガラスを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、湿度48%RHで成膜した本発
明のゾルゲル膜の表層面を、原子力間電子顕微鏡により
観察した写真であって、微細な凹凸状表層の状態を示す
図である。
【図2】実施例1における、湿度53%RHで成膜した本発
明のゾルゲル膜の表層面を、原子力間電子顕微鏡により
観察した写真であって、微細な凹凸状表層の状態を示す
図である。
【図3】実施例1における、湿度59%RHで成膜した本発
明のゾルゲル膜の表層面を、原子力間電子顕微鏡により
観察した写真であって、微細な凹凸状表層の状態を示す
図である。
【図4】実施例1における、湿度65%RHで成膜した本発
明のゾルゲル膜の表層面を、原子力間電子顕微鏡により
観察した写真であって、微細な凹凸状表層の状態を示す
図である。
【図5】実施例1において、ス−パ−UV耐光促進試験で
SUV (Super-UV)照射時間による、下地層であるゾルゲ
ル膜の平均面粗さRa(nm)と撥水性ガラス膜面の接触角
θ(°)〔耐光性〕との関係を示す図である。
【図6】実施例1において、ヘイズメ−タ−の測定によ
る、下地層であるゾルゲル膜の平均面粗さRa(nm)と撥
水性ガラス膜面の初期ヘイズ値H0 (%) との関係を
示す図である。
【図7】本発明の撥水性ガラスにおいて、下地層である
ゾルゲル膜表面に被膜した撥水層について光劣化による
存在形態の変化を推測した説明図である。図中(a)は
ゾルゲル膜である下地膜に直接化学的結合した極薄い撥
水層(F1)を示し、図中(b)はF1層と凹部に入り込ん
だ撥水層の重合体からなる撥水層(F2)との2層構造を
示し、図中(c)はF1層の光劣化状態を示すものであ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板表面に形成するゾルゲル膜で
    あって、3次元測定によって該ゾルゲル膜の中心線平均
    粗さを面拡張した平均面粗さRaが1nm以上20nm以下であ
    る微細な凹凸状表層を有する金属酸化物薄膜でなること
    を特徴とするゾルゲル膜。
  2. 【請求項2】 前記平均面粗さRaが、4nm以上16nm以下
    である微細な凹凸状表層を有する金属酸化物薄膜でなる
    ことを特徴とする請求項1記載のゾルゲル膜。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物薄膜が、アセチルアセト
    ンで安定化した金属アルコキシドを添加したテトラアル
    コキシシランを加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶
    液Aと、1つの官能基をアルキル基化したアルキルトリ
    アルコキシシランを加水分解ならびに脱水縮合したゾル
    溶液Bとを混合した混合物と、イソプロピルアルコ−ル
    を主成分とする溶媒とからなるコ−ティング溶液を被膜
    し、加熱焼成することで得る微細な凹凸状表層を有する
    金属酸化物薄膜で成ることを特徴とする請求項1乃至2
    記載のゾルゲル膜。
  4. 【請求項4】 前記金属アルコキシドの金属が、Ti、A
    l、Zrまたはこれらの複合金属であることを特徴とする
    請求項1乃至3記載のゾルゲル膜。
  5. 【請求項5】 前記テトラアルコキシシランに対するア
    ルキルトリアルコキシシランの混合割合が、酸化物換算
    で2〜6倍であることを特徴とする請求項1乃至4記載
    のゾルゲル膜。
  6. 【請求項6】 前記イソプロピルアルコ−ルを主成分と
    する溶媒が、イソプロピルアルコ−ルにブタノ−ルを添
    加した溶媒であることを特徴とする請求項1乃至5記載
    のゾルゲル膜。
  7. 【請求項7】 前記コ−ティング溶液における固形分濃
    度が、酸化物換算で0.2 〜3wt%であることを特徴とす
    る請求項1乃至6記載のゾルゲル膜。
  8. 【請求項8】 前記被膜時における湿度が、25℃の温度
    雰囲気下で45〜70%RHであることを特徴とする請求項1
    乃至7記載のゾルゲル膜。
  9. 【請求項9】 ガラス基板表面に形成した、3次元測定
    によって該ゾルゲル膜の中心線平均粗さを面拡張した平
    均面粗さRaが1nm以上20nm以下である微細な凹凸状表層
    を有する金属酸化物薄膜でなる該ゾルゲル膜の表面上
    に、撥水性能を有する薄膜を被覆形成して成ることを特
    徴とする撥水性ガラス。
  10. 【請求項10】 前記ゾルゲル膜が、請求項2乃至8記載
    のゾルゲル膜で成ることを特徴とする請求項9記載の撥
    水性ガラス。
  11. 【請求項11】 前記撥水性能を有する薄膜が、フルオロ
    アルキルシラン系化合物で成ることを特徴とする請求項
    9乃至10記載の撥水性ガラス。
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