JP3439007B2 - 装飾ガラス - Google Patents

装飾ガラス

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JP3439007B2 JP30150095A JP30150095A JP3439007B2 JP 3439007 B2 JP3439007 B2 JP 3439007B2 JP 30150095 A JP30150095 A JP 30150095A JP 30150095 A JP30150095 A JP 30150095A JP 3439007 B2 JP3439007 B2 JP 3439007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に雨天時等にお
いて、ガラス表面に雨滴、水滴、結露水滴等によって適
度の透視性とシャンデリア現象(光散乱強度の増加現
象)を種々に発現せしめることで適宜意匠性と光学的機
能性をもたらす、ことに建築用、各種インテリヤ、ショ
ウウインドウ等として有用な装飾ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】各種基材表面に撥水性能をも
たらすことが行われており、なかでも半導体等電子基材
において必要とし採用されていた。また最近ことに、撥
水性ガラスが建築用窓ガラスあるいは自動車用窓ガラス
等に採用されるようになってきている。
【0003】ところが、撥水性能を機能的目的のみに採
用されることがほとんどであり、意匠性や装飾性を目的
とするものは見当たり難い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、撥水性能を保持して
その機能を活かしつつ、撥水性を付与した部分にシャン
デリア現象を発現せしめることで、雨天時等において意
匠性と装飾性を発揮せしめるようにする装飾ガラスを提
供するものである。
【0005】すなわち、本発明は、ガラス基板表面に、
文字、模様、及び図柄のうち、少なくとも1種をパタ−
ニングして透明な撥水性能を付与した部分を付与し、ガ
ラス面上の該撥水性能の有無によって、水滴や雨滴等の
水分付着時の光散乱強度の差を発現せしめ、前記した文
字、模様、及び図柄のうち、少なくとも1種を浮き上が
らせるようにしたことを特徴とする装飾ガラス。
【0006】ならびに、前記撥水性能が、接触角θが70
°以上で、かつ転落性δが10μl以上であることを特徴
とする上述した装飾ガラス。また、前記接触角θが、70
〜120 °であることを特徴とする上述した装飾ガラス。
【0007】さらに、前記ガラス基板表面に少なくとも
透明な撥水性能を付与した部分において、SiO2系、SiO2
-TiO2 系、SiO2-Al2O3系またはSiO2-ZrO2 系の透明なゾ
ルゲル膜をアンダ−コ−トしたことを特徴とする上述し
た装飾ガラス。
【0008】さらにまた、前記透明ゾルゲル膜を着色し
たことを特徴とする上述した装飾ガラスをそれぞれ提供
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】ここで、前記したように、ガラス
基板表面に、文字、模様あるいは/ならびに図柄のう
ち、少なくとも1種をパタ−ニングして透明な撥水性能
を付与し、ガラス面上の該撥水性能の有無によって、水
滴や雨滴等の水分付着時の光散乱強度の差を発現せし
め、前記した文字、模様あるいは/ならびに図柄のう
ち、少なくとも1種を浮き上がらせるようにした本発明
の装飾ガラスは下記のようにして製造した。
【0010】先ず、前記ガラス基板としては、フロ−ト
ガラス等市販の各種無機質の透明板ガラスであって、無
色または着色、ならびにその種類あるいは色調、形状等
に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガラスと
してはもちろん、各種強化ガラスや強度アップガラス、
平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスあるいは
合せガラスとしても使用できることは言うまでもない。
【0011】次に、撥水性膜については、通常の撥水性
剤であればよいが、なかでもシャンデリア現象を発現す
るためには、適当な接触角θ(°)と転落性δ(μl)
を兼ね備えることが肝心であり、例えば一般に接触角が
大きくなると、転落性は小さくなる傾向があり、シャン
デリア現象を発現するためには、光の散乱中心となるだ
けの水滴の球状が必要であるので、接触角は大きいほど
その効果は大きい。しかし接触角が大きくなるほど水滴
の転落性はよくなり(δは小さくなり)、形成した球状
水滴は転落しシャンデリア現象の発現が抑制されるよう
になる。そこで、その撥水性能が接触角θが70°以上程
度で、かつ転落性δが10μl以上程度であることが好ま
しいものである。さらに接触角θが70°以上120 °以下
程度がより好ましい。
【0012】また、前記した文字、模様あるいは/なら
びに図柄等のパタ−ニングの方法については、例えばカ
ッテイングプロッタ−、レ−ザ−光等によって切り抜く
方法、あるいはパタ−ニングしたマスキング材を張り付
ける方法等が用いられる。また既存の各種パタ−ニング
法を用いてもよいことは言うまでもないがあくまでもガ
ラス面や下地層面に例えばカッタ−傷等が生じないよう
にすることが重要である。
【0013】さらに、前記ガラス基板表面に少なくとも
透明な撥水性能を付与した部分において、SiO2系、SiO2
-TiO2 系、SiO2-Al2O3系またはSiO2-ZrO2 系の透明なゾ
ルゲル膜をアンダ−コ−トすることとしたのは、上層の
撥水性膜に対し、例えば撥水性膜の保持力を増大し、優
れた耐摩耗性等になるなど耐久性を向上するためであ
る。また例えば前記透明なゾルゲル膜に着色を施しても
よりカラフルとなってシャンデリア現象の効果を高める
ものである。
【0014】また、上記ゾルゲル膜としては、例えばア
セチルアセトンで安定化した金属アルコキシドを添加し
たテトラアルコキシシランを加水分解ならびに脱水縮合
させたゾル溶液Aと、1つの官能基がアルキル基化した
アルキルトリアルコキシシランを加水分解ならびに脱水
縮合したゾル溶液Bとを混合した混合物を用い、機械的
膜強度および耐薬品性等耐久性に優れる、しかも制御さ
れかつ再現性よく安定した形状と性能の微細な凹凸状表
層薄膜とした。
【0015】またさらに前記金属としては、格別特定す
るものではないが、Ti、AlまたはZrを選択するのが好ま
しく、具体的なものとしては、例えばチタンテトラノル
マルブトキシド〔Ti(O-n-Bu)4 Bu:C4H9 〕、アルミニウ
ムトリノルマルブトキシド〔Al(O-n-Bu)3 〕、ジルコニ
ウムテトラノルマルブトキシド〔Zr(O-n-Bu)4 〕、また
はTi、AlまたはZrのアセチルアセトネ−ト塩等が好適で
ある。
【0016】またさらに、前記1つの官能基をアルキル
基化したアルキルトリアルコキシシランとしては、具体
的には例えば、メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OE
t)3〕、メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3〕等が
好適である。
【0017】また、微細な凹凸状表層における形状なら
びにその制御については、先ず前記ゾル溶液Aおよびゾ
ル溶液Bの官能基ならびに分子量であり、特に前記した
ような凹凸状表層を発現する異種官能基、ことに4と3
の官能基のものが主であり、また例えば分子量としては
その範囲が100 〜100,000 であり、100 未満では原料の
加水分解が不充分なため被膜時に膜ハジキが生じやす
く、成膜性が悪く、また100,000 を超えるとゾル溶液が
ゲル化を生じ、ゾル溶液の安定性が悪くなる。好ましく
は1,000 〜50,000程度のものがよい。
【0018】もしくはならびに前記ゾル溶液を調製する
際の溶剤の種類であり、イソプロピルアルコ−ル、ブタ
ノ−ル、エタノ−ルのアルコ−ル溶媒、アセチルアセト
ン等であり、ことにイソプロピルアルコールを主成分と
してなるアルコールであって、なかでもコ−ティング溶
液の調製における希釈溶媒としては、イソプロピルアル
コールにブタノ−ルを約10wt%添加した希釈溶媒がよ
く、得られる薄膜の微細な凹凸状表層の表面形状の発現
の安定性に役立つこととなる。
【0019】もしくはならびにゾル溶液における酸化物
換算での固形分の混合比であり、例えばゾル溶液Aの固
形分1gに対してゾル溶液Bの固形分は2〜6g程度で
あり、2g未満では得られた薄膜の表層が平坦状にな
り、また6gを超えると得られる薄膜の表層は粗大化す
ることとなり、所期のめざすものとはならない。好まし
くはゾル溶液Aの固形分1gに対してゾル溶液Bの固形
分は2.5 〜5.5 g程度である。
【0020】さらに、被膜する際の環境、とくに温度と
相対湿度、例えばことに45〜70%程度にコントロールす
ることによっても、種々の表層形状ならびにその径を再
現性よく安定制御し得るものである。
【0021】さらに、前記コーテイング溶液の粘度は1
〜10cPに調製する。1cP未満では粘性が低すぎて膜とな
り難く、また10cPを超えると被膜した際に過剰に塗膜さ
れ加熱乾燥過程で膜中にクラツク等が生じてしまうため
である。
【0022】またさらに、前記コーテイング溶液の酸化
物換算固形分濃度は0.2 〜5.0 wt%とする。0.2 wt%未
満では希薄すぎるため膜の形態となり難く、また5.0 wt
%を超えると濃度が高すぎるため膜厚が厚くなり、膜中
にクラツクの発生を生じたりあるいは成膜時に白濁を生
じたりして良質な薄膜が得られないこととなるものであ
る。
【0023】さらにまた、前記した膜の膜付け法として
は、ノズルフロ−コ−ト法、ディッピング法、スプレー
法、フローコート法あるいはスピンコート法、ロ−ルコ
−ト法、印刷法ならびにそれらの併用等既知の塗布手段
が適宜採用し得るものである。
【0024】また前記下地層であるゾルゲル膜を成膜す
る際における風乾等の乾燥後の加熱温度については、10
0 ℃以上700 ℃以下程度、好ましくは約500 ℃程度以上
670℃以下程度、さらに薄膜をより強固にするため、例
えば600 ℃程度あるいはそれ以上、650℃程度の温度に
よる焼成であって、具体的にはガラス板の曲げあるいは
/および強化工程における温度であり、該温度でも消失
することもなく、種々の前記表面形状表層とすることが
できるものである。また撥水性膜の成膜における加熱温
度は常温乃至約250 ℃程度である。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 製造工程としては、(1) 下地層の作製、(2) マスキング
材の張り付け、(3) パタ−ニング〔例えば図1の(b)
に示す図柄(図示してないが他に文字等でもよい)の切
り抜き〕、(4) 撥水処理(熱処理温度:室温〜約170 ℃
程度)、(5) 余剰撥水剤除去処理、(6) マスキング材除
去、(7) 仕上げ処理を順次行い、本装飾ガラス製品を得
た。以下、具体的に記述する。
【0027】(1) 下地層の作製。 大きさ約300mm x400mm 、厚さ約2mmのクリア・フロ−
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコ−ルで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス基
板とした。
【0028】テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4 :TE
0S)の重合ゾル(平均分子量 Mv=約2000〜3000)とアセ
チルアセトンで安定化したテトラブトキシチタン(Ti(O
-Bu) 4 )との混合ゾル(アセチルアセトンで安定化した
テトラブトキシチタンの含有量は酸化物換算でSiO2に対
して、モル比で約 20mol%である)を、イソプロピルア
ルコ−ル(iPA )、ブタノ−ル、エタノ−ルのアルコ−
ル溶媒を加え、固形分濃度として酸化物換算で約5wt%
になるまで希釈したものをゾル溶液Aとした。〔例え
ば、大八化学工業(株)製、CG19-Ti-1 〕 メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3:MTMS)の重
合ゾル(平均分子量 Mv=約1,000 )にイソプロピルアル
コ−ル(iPA )を加え、固形分濃度として酸化物換算で
約20wt%になるまで希釈したものをゾル溶液Bとした。
〔例えば、大八化学工業(株)製、MTS-2 〕 上記ゾル溶液A20gとゾル溶液B20gと、加水分解およ
び脱水縮合反応の反応速度を調整するため調合用ブタノ
−ル(BuOH、水分量2000ppm 、例えば150 〜3500ppm の
範囲であればよい)約50gを約50℃で約3 時間密栓状態
で混合攪拌し、さらに90wt%iPA /10wt%BuOHの混合系
溶媒で希釈してコ−テイング溶液を得た。この際の固形
分濃度は酸化物換算で約0.5 〜1.2 wt%程度であった。
【0029】なお上述したなかで、ゾル溶液Aとゾル溶
液Bとの比は固形分の重量比で約1:4程度、より好ま
しい当該比は約1:3.5 〜5.5 程度である。またなお混
合後の攪拌時間は、例えば好ましい当該攪拌時間は約50
℃の温度であれば1〜6時間(蜜栓)程度乃至約30℃の
温度であれば3〜12時間(蜜栓)程度である。
【0030】ついで、該コーテイング溶液をノズルフロ
−コ−ト法により、前記ガラス基板表面に、約25℃、相
対湿度約55%RHの環境で塗布被膜し、約5分間放置し風
乾し、微細な凹凸状表層を発現形成しているゲル膜を成
膜性よく成膜した。続いて約250 ℃で約30分間加熱仮焼
成した後、さらに約600 ℃で約3分間加熱本焼成し、膜
厚約60nm〜120nm の SiO2-TiO2薄膜を有する薄膜を得
た。なお当該仮焼成段階で溶媒や有機物が蒸発または分
解し膜の硬さが増大し、さらに本焼成で有機物、アルキ
ル基、アルコキシル基等の分解が進み、膜硬度は飛躍的
に増大する。
【0031】(2) マスキング材の張り付け。 マスキングテ−プ〔日東電工社製、362x-2(クリア
−)〕を前記下地層の撥水処理面部に気泡が噛み込まな
いように全面に張り付ける。
【0032】(3) パタ−ニング〔図1の(b)に示す図
柄(図示してないが他に文字等でもよい)の切り抜
き〕。 カッティングプロッタ−を用いて図1の(b)に示す図
柄(任意の図柄や文字でもよい)の部分を切り抜く。
【0033】(4) 撥水処理(熱処理温度:室温〜約140
℃程度)。 該 SiO2-TiO2薄膜を下地層とし、当該薄膜上に、例えば
予めヘプタデカトリデシルフルオロアルキルシラン〔CF
3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3〕1gとiPA 約5g、60%硝酸
1gをビーカーに入れ、常温で充分に混合攪拌し、フル
オロアルキルトリメトキシシランの部分加水分解溶液を
調製したものを塗布し、室温から約170℃に設定された
電気炉に約30分間入れ焼成し、撥水処理を行い、撥水性
酸化物被膜を得た。
【0034】なお、マスキング材の耐熱性の関係から室
温〜約140 ℃を選択した。 (5) 余剰撥水剤除去処理。 前記熱処理後、i-PA/布などを用いて表面を充分払拭し
て余剰の撥水剤を完全に除去する。
【0035】(6) マスキング材除去。 (7) 仕上げ処理 マスキング材を取り去った後、i-PAで軽く全面を洗浄す
る。
【0036】得られた装飾ガラスの撥水性能の測定、評
価を下記のように行った。 〔撥水性試験〕該被膜の大気中(約25℃)での水に対す
る接触角θ(°)を、協和界面科学製CA-A型を用いて測
定した。約70°≦θを適正とした。 〔転落性試験〕装飾ガラスの傾斜角45°で水滴を付けた
時、水滴が転落しはじめる最低の水滴量δ(容積:μ
l)を測定した。δ≧約10μlを適正とした。
【0037】その結果、接触角θは約112 °と良好であ
り、また転落性δも16μlと良好であって、晴天時には
図1の(a)に示すように、装飾ガラスは図柄を気付
かない通常の透明なガラスであり、雨天時等水滴で濡れ
た際には図1の(b)に示すように、装飾ガラスは雨
水や結露等の水滴によって散乱強度の差によるシャンデ
リア現象を発現し、未撥水性部分3に対し撥水性部分2
の図柄模様が浮き上がって優れた意匠性を示し、本発明
がめざす所期の装飾ガラスであった。
【0038】さらに、照明(カラ−でもよい)でライト
アップすることによって格段に鮮やかなシャンデリア現
象を発現した。さらにまた、夜間における明暗によって
も鮮やかなシャンデリア現象を発現した。
【0039】実施例2 製造工程としては、(1) 下地層の作製、(2) 撥水処理
(熱処理温度:室温〜約250 ℃程度)、(3) 余剰撥水剤
除去処理、(4) マスキング材の張り付け、(5) パタ−ニ
ング〔図1の(b)に示す図柄(図示してないが他に文
字等でもよい)のみ残す〕、 (6)撥水性除去処理、(7)
マスキング材除去、(8) 仕上げ処理を順次行い、本装飾
ガラス製品を得た。以下、具体的に記述する。
【0040】(1) 下地層の作製。 前記実施例1と同様に行った。 (2) 撥水処理(熱処理温度:室温〜約250 ℃程度)。
【0041】前記実施例1と同様にして撥水処理をし
た。なお、熱処理温度のみ室温〜約250 ℃に変更した。 (3) 余剰撥水剤除去処理。
【0042】前記熱処理後、i-PA/布などを用いて表面
を充分払拭して余剰の撥水剤を完全に除去する。 (4) マスキング材の張り付け。
【0043】マスキングテ−プ〔日東電工社製、362x-2
(クリア−)〕を前記撥水処理面部に気泡が噛み込まな
いように全面に張り付ける。 (5) パタ−ニング〔図1の(b)に示す図柄(図示して
ないが他に文字等でもよい)のみ残す〕。
【0044】カッティングプロッタ−を用いて図1の
(b)に示す図柄(任意の図柄や文字でもよい)の部分
を残すようにして他の部分を切り取る。 (6) 撥水性除去処理。
【0045】撥水性除去剤(一種の研磨剤)を含ませた
布などでマスキング部分以外の撥水性表面を擦って撥水
性を除去する。なお、撥水性除去剤:三井金属工業製ミ
レ−クA(酸化セリウム)約50gを約100 〜200 gの水
に分散させたもの。
【0046】(7) マスキング材除去。 (8) 仕上げ処理 前記実施例1と同様に行った。
【0047】得られた装飾ガラスの撥水性能の測定、評
価を実施例1と同様に行った。その結果、接触角θおよ
び転落性δとも実施例1と同様の値であって良好であ
り、実施例1と同様に、晴天時には通常の透明ガラスで
あり、雨天時等においては雨水や結露等の水滴によって
散乱強度の差によるシャンデリア現象を発現し、図柄模
様が浮き上がり意匠性に優れ、前記実施例1より図柄の
境界が鮮明となり、より好ましいパタ−ニング方法でも
あり、本発明がめざす所期の装飾ガラスであった。
【0048】さらに、照明(カラ−でもよい)でライト
アップ、ならびに夜間における明暗によっても実施例1
と同様に鮮やかなシャンデリア現象を発現した。実施例3〜4 本実施例3および4は、それぞれ実施例1および実施例
2における下地層を作製することなく直接ガラス基板表
面に撥水性処理を行い、他はそれぞれ同様の製造工程で
行った。
【0049】その結果、前記各実施例1および2よりは
耐摩耗性等膜強度がやや劣り耐久性が多少悪いものの、
例えば建築用窓ガラスとして使用することができる程度
であり、シャンデリア現象もあり、優れた意匠性を発揮
し、本発明がめざす所期の装飾ガラスであった。
【0050】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
撥水性膜を適宜パタ−ニングして成膜し、その撥水性付
与の有無によって、晴天時には通常の透明ガラスであっ
てパタ−ニングに気が付くこともなく、雨天等時には雨
滴等水滴の付着によって光散乱強度の差を生じ、かつシ
ャンデリア現象を発現し、適宜任意の文字、模様、図柄
等を浮き上がらせることができ、装飾性、意匠性、機能
性を発揮するものとなり、ライトアップあるいはそれに
よるカラ−化等での格段の鮮やかさ等、ショウウインド
ウ等の外装用ガラス等に有用で特異な装飾ガラスを簡便
に効率よく提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1等各実施例における装飾ガラスを示す
図であり、図中の(a)は晴天時の状態、(b)は雨天
時で雨滴が付着した状態を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−104782(JP,A) 特開 昭59−26587(JP,A) 特開 平7−267684(JP,A) 特開 平6−340451(JP,A) 特開 平6−16455(JP,A) 特開 平9−30117(JP,A) 実開 昭59−80495(JP,U) 実公 昭35−27245(JP,Y1) 実公 昭30−10483(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00 C09K 3/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板表面に、文字、模様、及び
    柄のうち、少なくとも1種をパタ−ニングして、接触角
    θが70°以上で、かつ転落性δが10μl以上の撥水性能
    を付与した透明な部分を付与し、ガラス面上の該撥水性
    能の有無によって、水滴や雨滴等の水分付着時の光散乱
    強度の差を発現せしめ、前記した文字、模様、及び図柄
    のうち、少なくとも1種を浮き上がらせるようにしたこ
    とを特徴とする装飾ガラス。
  2. 【請求項2】 前記接触角θが、70〜120 °であること
    を特徴とする請求項1記載の装飾ガラス。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板表面に少なくとも透明な
    撥水性能を付与した部分において、SiO2系、SiO2-TiO2
    系、SiO2-Al2O3系またはSiO2-ZrO2 系の透明なゾルゲル
    膜をアンダ−コ−トしたことを特徴とする請求項1又は
    記載の装飾ガラス。
  4. 【請求項4】 前記透明ゾルゲル膜を着色したことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装飾ガラ
    ス。
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