JP2006143524A - 耐熱防汚基板およびこれを用いた加熱調理機器 - Google Patents

耐熱防汚基板およびこれを用いた加熱調理機器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性と耐磨耗性に優れた撥水撥油性を有しかつ容易に製造できる、有機フッソ化合物を形成した耐熱防汚基板と、これを応用した加熱調理機器を提供する。
【解決手段】耐熱防汚基板1は、珪酸系酸化物2が表面に存在する耐熱基板3と、珪酸系酸化物2の表面に形成した少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4とで構成されている。一方、珪酸系酸化物2の元素組成は、珪素が50〜100wt%で、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%を超えない材質である。このため、耐熱性と耐磨耗性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法で得られるというメリットがある。
【選択図】図1

Description

本発明は、とりわけ耐熱性や耐磨耗性に優れた撥水撥油性を有する耐熱防汚基板およびこれを用いた加熱調理機器に関する。
従来、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜(以下、フッソ系化学吸着単分子膜と称す)を表面に形成したガラスは、撥水撥油性被膜を有するガラスとして知られている(例えば、特許文献1参照)。同様に、セラミックコ−トやホーロー処理さらに硬質アルマイト処理した母材の表面に、フッソ系化学吸着単分子膜を形成した基板は、撥水撥油性被膜を有する基体として知られている(例えば、特許文献2参照)。一方、耐熱性と撥水撥油性を向上させるために、ガラスの表面にアルミナ薄膜を形成し、このアルミナ薄膜の表面にフッソ系化学吸着単分子膜を形成したガラス基板と、このガラス基板を使用した調理器が知られている(例えば、特許文献3参照)。また同様の発想でアルミナ以外の材料としてシリカなどの金属酸化物系薄膜を使用し、この金属酸化物系薄膜を中間材料として介在させて、シロキサン結合を有するフッソ系化学吸着単分子膜を最上面に形成したガラス基板と、これを使用した調理器もある。
特許第2577204号公報 特許第2921197号公報 特許第3064808号公報
しかしながら、従来のフッソ系化学吸着単分子膜をガラスやホーロー処理した母材に直接形成した構成は、撥水撥油性を有する利点があるがその耐熱性に関しては、これを形成する基板の材質組成との相性がある。そのため、この従来構成は、この基板材質組成との相性が不明確であるため、母材材質によっては200℃以上の耐熱性が確保できない課題があった。このため、ただ単にガラスやセラミックコ−トやホーロー処理さらに硬質アルマイト処理した母材に、フッソ系化学吸着単分子膜を形成した防汚基板は、200℃以下の比較的緩やかな環境で使用せざるを得なかった。この原因は、フッソ系化学吸着単分子膜の原料である、有機フッソ化合物を含むシラン系界面活性剤が、基板材質を構成する金属酸化物と相性が有り、ただ単に金属酸化物に水酸基が有れば化学反応して強固なシロキサン結合を生成するものではない性質に起因する。そのため、金属酸化物の種別によっては強固なシロキサン結合を生成したり、逆に結合が少し弱いシロキサン結合を生成したりする。
この課題を解決し200℃以上の温度で安心して使用するために、アルミナなどの金属酸化物系薄膜を介在させ、その上に化学吸着単分子膜を形成して密着性を向上させていた。しかしながら、この金属酸化物系薄膜を介在させる技術は、その上に形成するフッソ系化学吸着単分子膜の耐磨耗性を確保するために、金属酸化物系薄膜を母材に強固に固着させる必要が有り、このため、複雑な製法と厳密な品質管理を用いて金属酸化物系薄膜を基板を形成していた。この様に従来の技術は、基板の材質組成との相性が不明確であり、耐熱性を向上させ耐磨耗性を確保するために、アルミナなどの薄膜を介在させるなどの複雑な製法と厳密な品質管理で基板を処理してその表面に水酸基を多く露出させてから、化学吸着単分子膜を形成する必要がある課題があった。
前記従来の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、耐熱性や耐磨耗性に優れた撥水撥油性を有し、かつ容易に製造できる耐熱防汚基板とこれを応用した加熱調理機器を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の耐熱防汚基板は、珪酸系酸化物を表面に有する耐熱基板と、珪酸系酸化物の表面に形成したシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜とで少なくとも構成され、珪酸系酸化物の元素組成が、珪素が50〜100wt%であり、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%以下とした。
本発明の耐熱基板は、耐熱基板を構成する珪酸系酸化物の組成を、有機フッソ化合物の撥水撥油性およびその耐熱性の観点で化学的に解明して、適正量の珪素酸化物とアルカリ系酸化物が混合された珪酸系酸化物を使用する様にしている。このため、珪酸系酸化物の表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、充分に反応して強固なシロキサン結合が得られて、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜が耐熱基板に良好に形成され、耐熱性や耐磨耗性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が容易に得られる。
本発明は、撥水撥油性と耐熱性さらに耐磨耗性をともに有するシロキサン結合を有するフッソ系化学吸着単分子膜の耐熱防汚基板が容易に得られる。また、この耐熱防汚基板を加熱調理機器に応用することで、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離し、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。
第1の発明の耐熱防汚基板は、珪酸系酸化物からなる耐熱基板と、珪酸系酸化物の表面に形成したシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜とで少なくとも構成され、珪酸系酸化物の元素組成が、珪素が50〜100wt%で、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%以下とした。
有機フッソ化合物を含むシラン系界面活性剤は、金属酸化物と接触させるとその表面に存在する水酸基と化学反応してシロキサン結合を生成して、金属酸化物の表面に撥水撥油性の防汚薄膜を付与する性質がある。金属酸化物として、適正量の珪素酸化物やアルカリ系酸化物が混合された珪酸系酸化物を使用すると、その表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、充分に反応して強固なシロキサン結合が得られる。このため、この組成の耐熱基板の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、耐熱性や耐磨耗性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。
第2の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1の発明で用いる珪酸系酸化物が、アルミニウムが1〜25wt%である元素組成とした。適正量の酸化アルミニウムが混合された珪酸系酸化物を使用すると、その表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、さらに効果的に反応して一層強固なシロキサン結合が得られる。このため、この組成の耐熱基板の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の耐熱性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第3の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1または第2の発明で用いる珪酸系酸化物が、少なくともジルコニウムが1〜18wt%さらに含有されている元素組成であるとした。適正量の酸化ジルコニウムが混合された珪酸系酸化物を使用すると、その表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、充分に反応して強固なシロキサン結合が得られる。このため、この組成の耐熱基板の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の耐熱性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第4の発明の耐熱防汚基板は、特に第1、第2または第3の発明で用いる珪酸系酸化物が、少なくともチタンが1〜19wt%がさらに含有されている元素組成であるとした。適正量の酸化チタンが混合された珪酸系酸化物を使用すると、その表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、充分に反応して強固なシロキサン結合が得られる。このため、この組成の耐熱基板の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の耐熱性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第5の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1〜第4のいずれかの発明で用いる珪酸系酸化物が、その十点表面粗さが0.01〜0.5μmであるとした。適正値の十点表面粗さの珪酸系酸化物を使用すると、その表面に存在する水酸基と、有機フッソ化合物に含まれるシラン基が、充分に反応して強固なシロキサン結合が得られる。このため、この組成の耐熱基板の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の耐熱性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、この十点表面粗さにすると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第6の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1〜5のいずれかの発明で用いる珪酸系酸化物を表面に有する耐熱基板は、その主構成材料が結晶化ガラスもしくは強化ガラスであるとした。結晶化ガラスは、ジルコニウム成分やチタン成分が結晶化した酸化物として存在するため、水酸基を多く持っている。強化ガラスは、ガラスを軟化温度近くまで加熱した状態で空気を吹き付けて表面を一様に急冷して強度を高めたガラスであり、このことで水酸基を多く持っている。このため、これらガラスにシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の耐熱性に優れた撥水撥油性の耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第7の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1の発明で用いる防汚薄膜が少なくともアルキル基もしくはフルオロアルキル基を有するものである。防汚薄膜は、少なくともアルキル基もしくはフルオロアルキル基を有する材料組成であると、撥水と撥油性と耐熱性に優れた防汚薄膜が簡単に得られる。また、この材料を用いた防汚薄膜は、単分子膜となるため、膜厚が数ナノメートルの光の干渉が起こらない透明で一層耐熱性に優れた膜が形成され、基体の色感を損なわない防汚薄膜が形成される。さらに、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第8の発明の耐熱防汚基板は、特に、第1または第7の発明で用いる防汚薄膜が、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランのいずれかを原料としているものである。ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランのいずれかを原料とした防汚薄膜であると、一層耐熱性に優れた撥水撥油性の防汚薄膜が簡単に得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第9の発明の耐熱防汚基板は、特に、第8の発明で用いるハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランの原料が有機シリコーンで希釈されるものである。希釈溶媒がシリコーンであると、有機シリコーンによりシラン化合物は溶媒和されるので、外部からの水の影響を受けにくくなり、一層耐熱性に優れた撥水撥油性の防汚薄膜が簡単に得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第10の発明の耐熱防汚基板は、特に、第8または第9の発明で用いるハロゲン化シランがクロロシランであるとした。ハロゲン化シランがクロロシランであると、一層耐熱性に優れた撥水撥油性の防汚薄膜が簡単に得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
第11の発明の加熱調理機器は、特に、第1の発明から第10の発明のいずれかで用いる耐熱防汚基板と、耐熱防汚基板の下部に配置してこれを保持固定する筐体と、筐体と耐熱防汚基板との間に設けられた内部空間に収納した調理加熱用部品とを少なくとも有し、耐熱防汚基板は、その下面に耐熱金属を主成分とする焼成被膜が形成されているものである。
焼成被膜は、耐熱金属を主成分とするため色の付いた金属色となる。そのため、耐熱基板として透明なガラスを用いて、焼成被膜の金属色が、透明な防汚薄膜の表面に付着した調理残さ物を見えにくくして、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。また、焼成被膜は親水性であり、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物膜が廻りこんでも、主成分である耐熱金属の親水性効果で、親水性を有する様になる。焼成被膜が親水性を有するため水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。このため、加熱調理機器を業務用調理場などの高温多湿環境で長期間使用しても、耐熱防汚基板から落下する結露水分が減少し、調理用鍋を加熱する調理加熱用部品は、防湿対策で充分対応できる。
第12の発明の加熱調理機器は、特に、第11の発明の焼成被膜に含有される耐熱金属は、少なくとも白金または金またはパラジウムのいずれかである。耐熱金属が、これら金属であると、その表面は水玉が一層できにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。このため、調理加熱用部品は、一層簡単な防湿対策で対応できる。
第13の発明の加熱調理機器は、特に、第1の発明から第10の発明のいずれかで用いる耐熱防汚基板と、耐熱防汚基板の下部に配置してこれを保持固定する筐体と、筐体と耐熱防汚基板との間に設けられた内部空間に収納した調理加熱用部品とを少なくとも有しており、耐熱防汚基板は、その下面に形成した酸化ビスマスと耐熱材料が含有する焼成被膜が形成されているものである。
酸化ビスマスは、焼成により溶融すると体積膨張して多孔質な親水性の着色膜が生成するとともに、その多孔質膜が偏析して散在する性質がある。そのため、着色する酸化ビスマスを混合すると、耐熱材料との相乗効果で綺麗な焼成被膜が形成できる。従って、防汚薄膜を形成する耐熱基板として透明なガラスを用いても、その裏側に存在する色付き焼成被膜が、透明な防汚薄膜の表面に付着した調理残さ物を見えにくくして、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。また、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物は、廻りこんでも多孔質な多孔質な焼成被膜の内部にもぐり込んでしまう。そのため、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。さらに、この多孔質な親水性の焼成被膜は、筐体と耐熱防汚基板の接合への妨害を低減させる。そのため、筐体は、簡単に耐熱防汚基板に良好に接合できる。
第14の発明の加熱調理機器は、特に、第13の発明で用いる酸化ビスマスが1〜30wt%含有する焼成被膜である。酸化ビスマスが1〜30wt%含有する焼成被膜であると、多孔質な焼成被膜が得られて筐体と耐熱防汚基板の接合への妨害を低減し、筐体が耐熱防汚基板に一層簡単に良好に接合する。
第15の発明の加熱調理機器は、特に、第11の発明から第14の発明のいずれかで用いる耐熱防汚基板は、その下面に形成した焼成被膜のさらに下面に有機シリコーン膜を形成しているものである。焼成被膜のさらに下面に有機シリコーン膜が形成されている耐熱基板を使用すると、有機シリコーン膜を形成している際中に、有機シリコーン樹脂の気相蒸発焼成膜がその裏側の面に自然と形成される。本発明は、この気相蒸発焼成膜の表面に防汚薄膜を形成しているため、耐熱性が向上する利点が生じる。また、有機シリコーン膜が親水性であるため、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物は、廻りこんでも多孔質な有機シリコーン膜の内部にもぐり込んでしまう。そのため、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。さらに、この多孔質な焼成被膜は、筐体と耐熱防汚基板の接合への妨害を低減させる。そのため、筐体は、簡単で耐熱防汚基板に極めて良好に接合できる。
第16の発明の加熱調理機器は、第11の発明から第15の発明のいずれかで用いる耐熱防汚基板は、有機シリコーン接着剤を用いて筐体と接合しているものである。有機シリコーン接着剤は、耐熱性に優れた接着剤であり、耐熱防汚基板との親和力があるため馴染みが良くなり、簡単に長期間優れた接合力を保持できる。
第17の発明の加熱調理機器は、第1の発明から第10の発明のいずれか1項に記載された耐熱防汚基板と、耐熱防汚基板がその側面に配置された調理室と、調理室の内部もしくは外面に配置した調理加熱用部品と、調理室および調理加熱用部品を収納する筐体とを少なくとも有し、耐熱防汚基板は、防汚薄膜を前記調理室の内面側に、錫薄膜を調理室の外面側にして、透明ガラス製の耐熱基板の表面に各々形成しているとしたものである。
錫薄膜は、調理時に発生する赤外線を反射する効果がある。そのため、耐熱基板として透明ガラスを用い調理室の外面側に錫薄膜を形成すると、調理物から発生した赤外線が錫薄膜で反射されて調理物に再び照射され、調理時間が短縮される効果が生じる。また、調理室の内面側に形成した防汚薄膜により、その表面に付着した調理残さ物を簡単に拭き取ることが出来、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。
本発明の目的は、第1の発明から第17の発明の要部を実施の形態とすることにより達成できるので、以下、各請求項に対応する実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における耐熱防汚基板の構成図である。本実施の形態の耐熱防汚基板1は、珪酸系酸化物2が表面に存在する耐熱基板3と、珪酸系酸化物2の表面に形成した少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4とで構成されている。一方、珪酸系酸化物2は、その元素組成が、珪素が50wt〜100%で、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%以下とした。
有機フッソ化合物を含むシラン系界面活性剤は、金属酸化物と接触させるとその表面に存在する水酸基と化学反応してシロキサン結合を生成して、金属酸化物の表面に撥水撥油性の防汚薄膜を付与する性質がある。そこで、金属酸化物としてどの材料が、その表面に水酸基を多く保有して、有機フッソ化合物を含むシラン系界面活性剤と化学反応して強固なシロキサン結合を生成し、しかも高温においてもその結合を長期間維持して優れた耐熱性を有するかの選定を行った。この材料選定は、まず、粉末を成型し焼結した塊を研磨して金属酸化物の板材を得た。次に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の原料として、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランを準備し、ヘキサメチルシロキサンで希釈した有機溶液を調合した。そして、金属酸化物の板材を、この有機溶液に窒素雰囲気下で浸漬し、その後に大気中に放置することで、金属酸化物の表面に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物からなる防汚薄膜を得た。この防汚薄膜を形成した金属酸化物系板材を、300℃の電気炉に所定時間放置した際の、防汚薄膜の撥水性で耐熱性の評価を行った。その結果、防汚薄膜を形成する金属酸化物は、珪酸にすると耐熱性が向上し、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物にすると耐熱性が低下し、アルミニウムやジルコニウムさらにチタンの酸化物は耐熱性に与える影響がやや小さいことが判明した。
そこで次に、このシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に対して、撥水性に関しての優れた耐熱性を長時間維持できる珪酸系酸化物の組成最適化検討を行った。耐熱防汚基板1の製法について説明する。まず、珪酸系酸化物2からなる耐熱基板3の試作を行った。この耐熱基板3は、珪酸と、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物と、硼酸と酸化鉄と酸化マンガンと酸化コバルトを任意の割合で混合した粉末を用い、これら混合粉末を成型し焼結した塊を研磨して、その組成を異ならせた珪酸系酸化物2とした物である。この耐熱基板3を洗浄して表面に付着している汚れを除去した後、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の原料として、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランを準備し、ヘキサメチルシロキサンで希釈した有機溶液を調合した。そして、この有機溶液に耐熱基板3を窒素雰囲気下で浸漬し、その後に大気中に放置することで、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4が形成された耐熱防汚基板1を得た。この耐熱防汚基板1は、製膜直後において水の接触角(室温測定値)が110〜115°の撥水性材料である。
耐熱性は、300℃雰囲気下に耐熱防汚基板1を所定時間放置した際の撥水性を、水の接触角で表現した。この値は、室温測定値であり、所定時間経過すると300℃炉から耐熱防汚基板1を取り出して室温まで冷やし、その表面に水滴を滴下した測定した結果である。検討に用いた珪酸系酸化物2の化学組成と耐熱性の関係を、図1(b)と(c)に示す。図1(b)は、珪酸系酸化物における珪素の含有量と、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温値)の関係である。図1(c)は、珪酸系酸化物におけるアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量の含有量と、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温測定値)の関係である。珪酸系酸化物における各元素の含有量は、X線マイクロアナライザで組成分析して得た結果であり、説明を簡単にするため金属元素で表現しているが、本来、これら元素は酸化物となっている。また、珪酸系酸化物は、珪酸やアルカリ分の酸化物の他に、硼素、鉄、マンガン、コバルトの酸化物を含有している。
図1(b)の結果より、珪素の含有量が50wt%を境にして耐久後の接触角が変化し、50〜100wt%であると接触角が大きく撥水性が長時間維持して優れた耐熱性を有しているが、50wt%未満であると接触角が小さく撥水性がすぐに低下して耐熱性のないことがわかる。これは、珪素の含有量が多いほど、水酸基を多く持つ珪酸が多く含有されるため、この水酸基と有機フッソ化合物に含まれるシラン基が充分に反応して強固なシロキサン結合が得られるためと思われる。逆に、珪素の含有量が少ないほど、水酸基の量が減少するため強固なシロキサン結合が得られなくなると思われる。
また、図1(c)の結果より、アルカリ分合計量の含有量が30wt%を境にして耐久後の接触角が変化し、30wt%以下であると接触角が大きく撥水性が長時間維持して優れた耐熱性を有しているが、30wt%を超えると接触角が小さく撥水性がすぐに低下して耐熱性のないことがわかる。これは、アルカリ分合計量の含有量が多いほど、珪酸系酸化物はアルカリ性を帯びるため、フッソ系化学吸着単分子膜の原料である有機フッソ化合物を含むシラン系界面活性剤が分解して、シロキサン結合が得られなくなるためと思われる。逆に、アルカリ分合計量の含有量が少ないほど、珪酸系酸化物は中性に帯び易いため強固なシロキサン結合が得られると思われる。
図2は、耐熱防汚基板1の表面に約2kgの加重をかけた濡れ布巾を置き、1分間に60回のサイクルで所定回数往復運動を行なわせて、その磨耗性を評価した特性図である。図2(a)は、珪酸系酸化物における珪素の含有量と、所定回数の往復運動を行った際の接触角(水、室温値)の関係である。図2(b)は、珪酸系酸化物におけるアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量の含有量と、所定回数の往復運動を行った際の接触角(水、室温測定値)の関係である。珪酸系酸化物における各元素の含有量は、前述に記載したように、X線マイクロアナライザで組成分析して得た結果であり、説明を簡単にするため金属元素で表現しているが、本来、これら元素は酸化物となっている。また、珪酸系酸化物は、珪酸やアルカリ分の酸化物の他に、硼素、鉄、マンガン、コバルトの酸化物を含有している。
図2(a)の結果より、珪素の含有量が50wt%を境にして耐久後の接触角が変化し、50〜100wt%であると接触角が大きく撥水性が長時間維持して優れた耐磨耗性を有しているが、50wt%未満であると接触角が小さく撥水性がすぐに低下して耐磨耗性のないことがわかる。また、図2(b)の結果より、アルカリ分合計量の含有量が30wt%を境にして耐久後の接触角が変化し、30wt%以下であると接触角が大きく撥水性が長時間維持して優れた耐磨耗性を有しているが、30wt%を超えると接触角が小さく撥水性がすぐに低下して耐磨耗性のないことがわかる。
各種の材料を用いて行った本発明の詳細な結果例を(表1)に示す。効果は、前述の300℃耐熱試験と耐磨耗性試験を行い、その際の接触角(水、室温測定値)で、判定した。本発明品は、珪素が50〜100wt%でアルカリ分の合計量が30wt以下の珪酸系酸化物からなるガラス製の耐熱基板に、直接にシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成した耐熱防汚基板である。比較例は、珪素が50wt%未満でアルカリ分の合計量が任意の珪酸系酸化物からなるガラス製の耐熱基板に、直接にシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成した耐熱防汚基板である。従来例は、珪素が任意でアルカリ分の合計量が30wt%以下の珪酸系酸化物からなるガラス製の耐熱基板に、珪酸もしくはアルミナのゾルゲルからなる薄膜を形成し、この薄膜の上にシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成した耐熱防汚基板である。
Figure 2006143524
本発明品は、300℃耐熱試験および耐磨耗性試験を行っても、接触角が大きく耐久性に優れており、しかも、耐熱基板に直接に防汚薄膜を塗布するだけで耐熱防汚基板が簡単に得られる利点があった。一方、比較例は、300℃耐熱試験および耐磨耗性試験を行なうと、接触角が小さく耐久性が劣る問題があった。また、従来例は、300℃耐熱試験および耐磨耗性試験を行うと、接触角が程度に大きく耐久性は良好であるが、耐熱基板に、珪酸もしくはアルミナのゾルゲルからなる薄膜を形成するのに複雑な製法と厳密な品質管理で基板を処理する必要があった。
なお、本発明の効果は、撥水性で評価したが、これが撥油性で有っても同様な効果があり、砂糖や醤油さらにミリンの混合液を多数回数焼き付けても、簡単に剥離できた。また、効果の判定は、耐熱基板として、珪酸系酸化物を主成分とするガラス基板を用いておこなっているが、この組成の珪酸系酸化物系ガラスを表面に形成した琺瑯基板や、この組成の珪酸系酸化物のガラスをいずれも用いておりその印刷焼成膜を部分的に形成したガラス基板、セラミックでも、同様な効果がある。そのため、鍋やカップなどの調理容器や、これらを載せる調理皿や調理板に応用できる。さらに、珪酸系酸化物における各元素の含有量は、X線マイクロアナライザで組成分析して得た結果であり、説明を簡単にするため金属元素で表現しているが、本来、これら元素は酸化物となっている。この結果や実施例さらに組成分析法は、以下に記載する各種の実施の形態でも同様である。
さらに、検討した珪酸系酸化物2の化学組成を、さらに詳細に検討すると特に、アルカリ分合計量の含有量が13wt%以下であると接触角がさらに大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性および耐磨耗性を有していることがわかる。この理由は、アルカリ分合計量の含有量が13wt%以下であると、珪酸系酸化物は中性を帯びるため強固なシロキサン結合が一層得られることと、高温下や加湿下において溶出するアルカリ成分が微小であり、防汚薄膜4を結合させているシロキサン結合の劣化が防止されて強固な結合になっていることためと思われる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果も生じた。
(実施の形態2)
実施の形態2は、前述の実施の形態1において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性や耐磨耗性に与える影響が大きいアルミニウムの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本としており、アルミニウム酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
図3は、この珪酸系酸化物におけるアルミニウムの含有量と、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温値)の関係である。図3において、アルミニウムの含有量が1〜25wt%であると接触角がさらに大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性を有していることがわかる。
この理由は、下記のためと思われる。1点目は、アルミニウム酸化物は水酸化基を多くも持っておりその量が多いほど、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が多数生成して強固な結合になっていること。逆に、アルミニウム酸化物の量が少ないほど、水酸化基の量が少ないため防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が僅かしか生成せず弱い結合になっていること。2点目は、アルミニウム酸化物は珪酸に対して熱膨張が大きため、その量が多いほど耐熱基板の熱膨張を増大させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離が大きくなり弱い結合にしていること。逆に、アルミニウム酸化物の量が少ないと耐熱基板の熱膨張を低減させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離を防止して強固な結合にしていること。3点目は、アルミニウム成分の含有量が適正化されているため、水酸化基による強力結合現象と熱膨張による剥離現象がバランスして、強固な結合にしていること。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果も生じた。
(実施の形態3)
実施の形態3は、前述の実施の形態1または2において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性に与える影響がやや大きいジルコニウムの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本とし、ジルコニウムの酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
図4は、この珪酸系酸化物におけるジルコニウムの含有量と、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温値)の関係である。図4において、ジルコニウムの含有量が1〜18wt%であると接触角がさらに大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性を有していることがわかる。
この理由は、下記のためと思われる。1点目は、ジルコニウム酸化物は再結晶し易いため水酸化基を多くも持っておりその量が多いほど、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が多数生成して強固な結合になっていること。逆に、ジルコニウム酸化物の量が少ないほど、水酸化基の量が少ないため防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が僅かしか生成せず弱い結合になっていること。2点目は、ジルコニウム酸化物は珪酸に対して熱膨張が大きため、その量が多いほど耐熱基板の熱膨張を増大させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離が大きくなり弱い結合にしていること。逆に、ジルコニウム酸化物の量が少ないと耐熱基板の熱膨張を低減させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離を防止して強固な結合にしていること。3点目は、ジルコニウム成分の含有量が適正化されているため、水酸化基による強力結合現象と熱膨張による剥離現象がバランスして、強固な結合にしていること。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
また、前述の実施の形態2のように、1〜25wt%のアルミニウムを酸化物としてさらに含有させた組成物で、検討しても同様な効果が生じた。
(実施の形態4)
実施の形態4は、前述の実施の形態1または2または3において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性に与える影響がやや大きいチタンの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本としており、チタンの酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
図5は、この珪酸系酸化物におけるチタンの含有量と、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温値)の関係である。図5において、チタンの含有量が1〜19wt%であると接触角がさらに大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性を有していることがわかる。
この理由は、下記のためと思われる。1点目は、チタン酸化物は再結晶し易いため水酸化基を多くも持っておりチタン酸化物の量が多いほど、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が多数生成して強固な結合になっていること。逆に、チタン酸化物の量が少ないほど、水酸化基の量が少ないため防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が僅かしか生成せず弱い結合になっていること。2点目は、チタン酸化物は珪酸に対して熱膨張が大きため、その量が多いほど耐熱基板の熱膨張を増大させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離が大きくなり弱い結合にしていること。逆に、その量が少ないと耐熱基板の熱膨張を低減させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離を防止して強固な結合にしていること。3点目は、チタン成分の含有量が適正化されているため、水酸化基による強力結合現象と熱膨張による剥離現象がバランスして、強固な結合にしていること。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
また、前述の実施の形態2のように1〜25wt%のアルミニウムを酸化物としてさらに含有させた組成物、前述の実施の形態3のように1〜18wt%のチタンを酸化物としてさらに含有させた組成物、前述の実施の形態2および3のように1〜25wt%のアルミニウムと1〜18wt%のチタンの両方を酸化物としてさらに含有させた組成物で、検討しても同様な効果が生じた。
(実施の形態5)
実施の形態5は、前述の実施の形態1〜4において検討した珪酸系酸化物2の表面粗さを詳細に検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が13wtの酸化物であり、10wt%ずつのジルコニウムやチタンの酸化物の他に、概略同量ずつ混合したアルミニウムと硼素と鉄とマンガンとコバルトの酸化物が含有されている。
図6は、珪酸系酸化物における十点表面粗さと、300℃に所定時間放置した際の接触角(水、室温値)の関係である。十点表面粗さは、以下の方法で得た値である。まず、測定した粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ2mmを抜き取った。そして、この抜き取り部分の粗さ曲線において、その平均線から縦倍率の方向に測定した多数の山頂および谷底の内、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値を求めた。最後に、前述の最高から5番目までの山頂標高絶対値の平均値と、前述の最低から5番目までの谷底標高絶対値の平均値との、和を求めこれを十点表面粗さと表現した。また、測定した粗さ曲線においてその平均線が、うねっているため凹や凸が観察された場合、凹凸の観察されない平坦線が得られるまで再測定した。これは、うねりによる凹凸のため真値とは大きく異なる偽値が算出されることを防止するためである。また、測定した粗さ曲線においてその平均線が、凹凸は観察されない平坦線であるがその平坦線が上側や下側に傾いている場合、傾いている平坦線を平均線として扱い、この平坦線からの山頂標高絶対値と谷底標高絶対値を求めて、十点表面粗さを算出した。
図6において、十点表面粗さが0.01〜0.5μmであると、接触角が大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性を有していることがわかる。この理由は、下記のためと思われる。この理由は、下記のためと思われる。1点目は、十点表面粗さが大きな値であるほど、珪酸系酸化物は表面積が大きくなって水酸化基を多く持ち、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が多数生成して強固な結合になっていること。逆に、十点表面粗さが小さな値であるほど、珪酸系酸化物は表面積が小さくなって水酸化基を少ししか持たず、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が僅かしか生成せず弱い結合になっていること。2点目は、十点表面粗さの値が大きいほど表面積が大きいため耐熱基板の熱膨張を増大させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離が大きくなり弱い結合にしている。逆に、十点表面粗さの値が小さいほど表面積が小さいため耐熱基板の熱膨張を低減させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離を防止して強固な結合にしている。3点目は、十点表面粗さの値が適正化されているため、水酸化基による強力結合現象と熱膨張による剥離現象がバランスして、強固な結合にしていること。また、この十点表面粗さにすると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態6)
実施の形態6は、前述の実施の形態1〜5のいずれかで検討した珪酸系酸化物2が表面に存在する耐熱基板3の物性について検討した。
結晶化ガラスは、ジルコニウム成分やチタン成分が結晶化した酸化物として9〜4wt%程度混合されているため水酸基を多く持っており、しかも熱膨張係数が1×10−6/℃と他のガラスと比較して極めて小さいので、急熱急冷に強く割れることがない。強化ガラスは、ガラスを軟化温度近くまで加熱した状態で空気を吹き付けて表面を一様に急冷して強度を高めたガラスであり、このことで水酸基を多く持っている。また、一箇所が破壊すると全面にわたって多数の細片に粉砕される性質を有する。一般ガラスは、結晶化ガラスや強化ガラスと言われていないガラスである。これらガラスの耐熱基板に、直接にシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成して耐熱防汚基板とし、本発明の効果を評価した結果を(表2)に示す。効果は、前述の300℃耐熱試験と、前述の耐磨耗性試験で判定した。
Figure 2006143524
珪酸系酸化物を表面に有する耐熱基板は、その主構成材料が結晶化ガラスもしくは強化ガラスであると、接触角が大きくなり、撥水性が長時間維持して一層優れた耐熱性を有している。このため、これらガラスにシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜を形成すると、一層の撥水撥油性と耐熱性を同時に有する耐熱防汚基板が、簡単な製法と品質管理によって得られる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態7)
実施の形態7は、実施の形態1である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる材料組成について検討した。
シロキサン結合を有する防汚薄膜は、少なくともアルキル基もしくはフルオロアルキル基を有する材料組成であると、撥水と撥油性と耐熱性に優れた防汚薄膜が簡単に提供できる。また、この材料を用いた防汚薄膜は、単分子膜となるため、膜厚が数ナノメートルの光の干渉が起こらない透明で耐熱性に優れた膜が形成され、基体の色感を損なわない防汚薄膜が形成される。
本発明のシラン化合物としては、次のものが有効である。
(1)SiX (n=0に相当)
(2)SiX−O−SiX (n=1に相当)
(3)Si(OC
(4)Si(OCH−O−Si(OCH
(5)Si(OC−O−Si(OCH
(6)Si(OC−O−Si(OC
(7)Si(NCO)
(8)Si(NCO)−O−Si(NCO)
(9)SiCl
(10)SiCl−O−SiCl
(11)SiYpCl4−p
(12)CH(CHO(CHSiYqCl3−q
(13)CH(CH−Si(CH(CH−SiYCl3−q
(14)CFCOO(CHSiYCl3−q
但し、pは1〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である。
(15)CHCHO(CH15SiCl
(16)CH(CHSi(CH(CH15SiCl
(17)CH(CHSi(CH(CHSiCl
(18)CHCOO(CH15SiCl
(19)CF(CF−(CH−SiCl
(20)CF(CF−(CH−SiCl
(21)CF(CF−C−SiCl
また、上記クロロシラン系化合物の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き換えたイソシアネート系化合物、例えば下記に示す(22)−(26)を用いてもよい。
(22)SiY(NCO)4−p
(23)CH−(CHSiY(NCO)3−p
(24)CH(CHO(CHSiY(NCO)q−P
(25)CH(CH−Si(CH(CH−SiY(NCO)3−q
(26)CFCOO(CHSiY(NCO)3−q
但し、p、q、r、s、t、u、v、wおよびXは、前記と同様である。
また、前記のシラン系化合物に変えて、下記(27)−(33)に具体的に例示するシラン系化合物を用いてもよい。
(27)CHCHO(CH15Si(NCO)
(28)CH(CHSi(CH(CH2)15Si(NCO)
(29)CH(CHSi(CH(CH2)Si(NCO)
(30)CHCOO(CH15Si(NCO)
(31)CF(CF−(CH−Si(NCO)
(32)CF(CF−(CH−Si(NCO)
(33)CF(CF−C−Si(NCO)
また、シラン系化合物として、一般に、SiY(OA)4−k(Yは、前記と同様、Aはアルキル基、kは0、1、2または3)で表される物質を用いることが可能である。中でも、CF−(CF−(R)−SiY(OA)3−q(nは1以上の整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、アリール基、シリコンもしくは酸素原子を含む置換基、lは0または1、Y、Aおよびqは前記と同様)で表される物質を用いると、よりすぐれた防汚性の被膜を形成できるが、これに限定されるものではなく、これ以外にも、 CH−(CH−SiY(OA)3−qおよびCH−(CH−0−(CH−SiY(OA)3−q、CH−(CH2)−Si(CH−(CH−SiY(OA)3−q、CFCOO−(CH−SiY(OA)3−q(但し、q、r、s、t、u、v、w、YおよびAは、前記と同様)などが使用可能である。
さらに、より具体的なシラン系化合物としては、下記に示す(34)〜(57)を挙げることができる。
(34)CHCHO(CH15Si(OCH
(35)CFCHO(CH15Si(OCH
(36)CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH
(37)CH(CHSi(CH(CHSi(OCH3)
(38)CHCOO(CH15Si(OCH
(39)CF(CF(CHSi(OCH
(40)CF(CF−C−Si(OCH
(41)CHCHO(CH15Si(OC
(42)CH(CHSi(CH(CH15Si(OC
(43)CH(CHSi(CH(CHSi(OC
(44)CF(CHSi(CH(CHSi(OC
(45)CHCOO(CH15Si(OC
(46)CFCOO(CH15Si(OC
(47)CFCOO(CH15Si(OCH
(48)CF(CF(CHSi(OC
(49)CF(CF2)(CH2)Si(OC
(50)CF(CF2)(CH2)Si(OC
(5l)CF(CFSi(OC
(52)CF(CF(CH)2Si(OCH
(53)CF(CF(CHSi(OCH
(54)CF(CF(CHSiCH(OC
(55)CF(CF(CHSiCH(OCH
(56)CF(CF(CHSi(CHOC
(57)CF(CF(CHSi(CHOCH
なお、(22)〜(57)の化合物を用いた場合には、塩酸が発生しないため、装置保全および作業上のメリットもある。
シラン化合物を含む原材料溶液を希釈する溶媒は、シラン化合物が水と反応することを防止するため非水溶媒を使用する。特に、非水溶媒がシリコーンであると、シリコーンによりシラン化合物は溶媒和されるので、外部からの水の影響を受けにくく、優れた非水溶媒となる。溶媒としては、活性水素を含まない非水系溶媒を用いるのが好ましく、水を含まない炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒などを用いることが可能である。
なお、石油系の溶剤の他に具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン、ジメチルミリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエステルシリコーンなどを挙げることができる。また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)などがある。なお、これらは1種単独で用いてもよいし、よく混合するものなら2種以上を組み合わせてもよい。
次に、シラン化合物を含む溶液を塗布する工程について説明する。シラン化合物を含む溶液の塗布が、湿度35%以下の無水雰囲気下であると、シラン化合物が外気からの水と反応することがないので、表面上にこれらのシラン化合物同士が結合してできるシロキサン結合を有する防汚薄膜が形成される。また、シラン化合物を含む溶液を塗布する工程の後工程に、溶媒を除去する乾燥工程を設けると、乾燥工程においてシラン化合物が濃縮されるため、高密度のシロキサン結合を有する防汚薄膜が形成されて、耐熱性が大幅に向上できる。この乾燥工程が湿度35%以下の無水雰囲気下であり、さらに、この後工程として過剰な未反応のシラン化合物を洗浄する工程を設けると、一層高密度のシロキサン結合を有する防汚薄膜が形成されて、耐熱性が一層大幅に向上できる。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態8)
実施の形態8は、前述の実施の形態1または実施の形態7である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる材料の原料についての検討内容である。防汚薄膜4に用いる原材料は、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランのいずれかである。これら原材料を使用すると、表面上にこれらのシラン化合物同士が結合してできるシロキサン結合を有する、耐熱性の防汚薄膜が簡単に形成される。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態9)
実施の形態9は、前述の実施の形態8である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる原料を希釈する溶媒についての検討内容である。溶媒が有機シリコーンであると、有機シリコーンによりシラン化合物は溶媒和されるので、外部からの水の影響を受けにくくなり、耐熱性の防汚薄膜が簡単に形成されることが判明した。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態10)
実施の形態10は、前述の実施の形態8〜9のいずれかである、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる原料で、特に耐熱性を有する原料についての検討内容である。ハロゲン化シラン化合物が最適であり、特にクロロシランであると、クロロシラン化合物同士が結合してできるシロキサン結合が耐熱基板と強固に化学結合した、耐熱性の防汚薄膜が簡単に形成されることが判明した。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
(実施の形態11)
実施の形態11は、前述の実施の形態1〜10のいずれかである耐熱防汚基板1を、加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図7に示す。加熱調理機器は、防汚薄膜4を上面に形成したガラス製の耐熱基板3からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1を搭載するためにその下部に配置した筐体5と、筐体5の内部空間に収納した電磁誘導加熱器やガスバーナおよびその制御器などの調理加熱用部品6とを少なくとも有している。
一方、耐熱防汚基板1には、その下面に耐熱金属を主成分とする焼成被膜7が予め形成されており、その上面に防汚薄膜4を後工程で形成している。そして、焼成被膜7を介在させて筐体5と耐熱防汚基板1を接合している。食材などを収納した調理用鍋は、耐熱防汚基板1の上面に形成された防汚薄膜4の上部に配置し、調理加熱用部品6により加熱される。焼成被膜7は、結合材として酸化ビスマスもしくはガラスが少量含有しており、残部は金や白金さらにパラジウム、ニッケル、銅、銀から選択した少なくとも1種の耐熱金属とした。焼成被膜7は、耐熱金属を主成分とするため色の付いた金属色となる。そのため、耐熱基板3として透明なガラスを用いて、焼成被膜7の金属色が、透明な防汚薄膜4の表面に付着した調理残さ物を見えにくくして、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。なお、必要によっては美観をさらに良くするために、耐熱基板3の下側にマイカを接着剤で固着させ、その上にさらに焼成被膜7を形成する構成としてもよい。
防汚薄膜4は、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の液体を原料としており、耐熱基板3の上面に塗布され乾燥工程を経て防汚薄膜となる。この塗布と乾燥の工程において蒸発した有機フッソ化合物は、その下面に予め形成した焼成被膜7まで廻りこみ、極めて微薄の有機フッソ化合物膜が形成される。一方、焼成被膜7は、耐熱金属が主成分であり焼成されているので親水性を有するので、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物膜が焼成被膜7の表面に付着しても、いぜん親水性を有する様になる。耐熱防汚基板1の下面に形成される焼成被膜7が親水性を有すると、水玉ができにくくなったその表面に付着する水分が落下しにくくなり、このことは、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなる効果が得られる。
このため、加熱調理機器を業務用調理場などの高温多湿環境で長期間使用しても、調理用鍋を加熱する調理加熱用部品6は、その上部に配置した耐熱防汚基板1から落下する結露水分が減少し、落下結露水分によるトラブルが無い効果が得られる。また、このことで調理加熱用部品6は、簡単な防湿対策で充分対応できる利点が生じる。一方、焼成被膜7が存在しない耐熱防汚基板1であると、その下面は耐熱基板3として用いたガラス面だけとなる。この耐熱基板3の下面ガラス面に、極めて微薄の有機フッソ化合物膜が廻りこんで付着すると結合して撥水性を有し、その表面に付着する水分が落下し易くなる。従って、加熱調理機器を高温多湿環境で長期間使用する際は、落下結露水分を考慮して調理加熱用部品6は複雑な防湿対策が必要である。
なお、調理加熱用部品6は、電磁誘導加熱器やガスバーナさらに電気ヒータなどの熱発生手段とその制御器であり、耐熱防汚基板1は、これらの熱発生手段の構成に応じた構成とすることは言うまでもない。例えば、調理加熱用部品6が電磁誘導加熱器や電気ヒータの熱発生手段とその制御器の場合、耐熱防汚基板1は平板とし、調理加熱用部品6がガスバーナとその制御器の場合、耐熱防汚基板1はガスバーナからの燃焼排気ガスを逃がすための空洞を有する平板とする。また、これら平板は、その上に調理用鍋を載せるため鍋が落ちない様に、部分的に印刷膜を形成するなどしてその表面に小さな凹凸を付ける構成としても良い。
(実施の形態12)
実施の形態12は、前述の実施の形態11における焼成被膜に含有される耐熱金属の材質について検討した結果を、図7を利用して説明する。耐熱金属が少なくとも白金または金またはパラジウムのいずれかであると、その表面は水玉が一層できにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなった。このため、調理加熱用部品6は、一層簡単な製法と品質管理で得られる防湿対策で対応できる。
(実施の形態13)
実施の形態13は、前述の実施の形態1〜10のいずれかである耐熱防汚基板1を、加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図7を利用して説明する。加熱調理機器は、防汚薄膜4を上面に形成した耐熱基板3からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1を搭載するためにその下部に配置した筐体5と、筐体5の内部空間に収納した電磁誘導加熱器やガスバーナおよびその制御器などの調理加熱用部品6とを少なくとも有している。
一方、耐熱防汚基板1は、その下面には、酸化ビスマスと耐熱材料が含有する焼成被膜7が予め形成されており、その上面には、防汚薄膜4を後工程で形成している。そして、焼成被膜7を介在させて筐体5と耐熱防汚基板1を接着剤8で接合している。食材などを収納した調理用鍋は、耐熱防汚基板1の上面に形成された防汚薄膜4の上部に配置し、調理加熱用部品6により加熱される。
酸化ビスマスは、焼成により溶融すると体積膨張して多孔質な親水性の着色膜を生成するとともにその多孔質膜が偏析して散在する性質がある。また、着色する酸化ビスマスを使用すると耐熱材料との相乗効果で、焼成被膜7は色付きの綺麗な被膜が形成できる。従って、防汚薄膜4を形成する耐熱基板3として透明なガラスを用いても、その裏側に存在するこの色付き焼成被膜7が、透明な防汚薄膜4の表面に付着した調理残さ物を見えにくくして、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。そこで、焼成被膜7は、酸化ビスマスが含有しており、残部は金や白金さらにパラジウムそしてニッケルや銅から選択した少なくとも1種の耐熱金属、もしくは残部がマイカやカーボンとした。
一方、防汚薄膜4は、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の液体を原料としており、耐熱基板3の上面に塗布され乾燥工程を経て防汚性の薄膜となる。この塗布と乾燥の工程において蒸発した有機フッソ化合物は、その下面に予め形成した酸化ビスマスが含有する焼成被膜7まで廻りこみ、極めて微薄の膜が形成される。さて、酸化ビスマスは、焼成により溶融すると体積膨張して多孔質な親水性の膜が生成するとともに、その多孔質膜が偏析して散在する性質がある。そのため、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜は、多孔質な焼成被膜7の内部にもぐり込んでしまい、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害を低減させる。これらのことにより、筐体5は、耐熱防汚基板1と良好に接合できる。また、この多孔質な親水性の焼成被膜7は、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなった。
一方、これら材料組成の焼成被膜7が存在しない耐熱防汚基板1であると、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜が、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害をして良好な接合が得られにくくなった。さらに、この耐熱基板3の下面ガラス面に、極めて微薄の有機フッソ化合物膜が廻りこんで付着すると結合して撥水性を有し、その表面に付着する水分が落下し易くなる。従って、加熱調理機器を高温多湿環境で長期間使用する際は、落下結露水分を考慮して調理加熱用部品6は複雑な防湿対策が必要である。
(実施の形態14)
実施の形態14は、前述の実施の形態13における加熱調理機器に用いる焼成被膜7に混合する酸化ビスマスの量を検討した。その結果、酸化ビスマスの混合量は、1〜30wt%が最適であった。それは、1wt%未満であると多孔質度が不足して、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜が、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害をして良好な接合が得られにくくなるためである。一方、30wt%を超えると、多孔質膜が大き過ぎて極めて脆い膜となり、強固な膜が得られなくなるとともに多孔質度が過ぎてやや平滑的になり、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜が、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害をして良好な接合が得られにくくなるためである。これらのことより、焼成被膜7は、酸化ビスマスが1〜30wt%含有しており、残部は金や白金さらにパラジウム、銀、銅、ニッケル等から選択した少なくとも1種の耐熱金属、もしくは残部がマイカやカーボンとした。耐熱金属は、薄黒色をしているため、耐熱基板3に透明なガラスを使用した際に、防汚薄膜4に付着した調理残さ物を見えにくくする効果があるため、使用した。これらのことより以後の検討は、酸化ビスマスが5wt%、残部が白金や金を主成分とする焼成被膜7で行なった。
(実施の形態15)
実施の形態15は、前述の実施の形態11〜14のいずれかの加熱調理機器をさらに詳細に実施する方法を検討したものである。その結果、図8に示す様に、焼成被膜7のさらに下面に有機シリコーン膜9が予め形成されている耐熱基板3を使用すると、極めて微薄な有機シリコーン樹脂の気相蒸発膜が簡単に耐熱基板3の上面に形成でき、後工程で防汚薄膜4をその上面に形成すれば、耐熱性の優れた防汚薄膜4が得られることを見出した。
具体的製法を説明する。まず、焼成被膜7が予め形成されている耐熱基板3を準備し、焼成被膜7の面に有機シリコーン樹脂の液体塗料を塗布して、乾燥焼成した。これによって、有機シリコーン膜9が焼成被膜7の面に形成されるが、これと同時に、耐熱基板3の焼成被膜7の反対面である未形成面にも、極めて微薄な有機シリコーン樹脂の気相蒸発膜が形成される。次に、これら膜が形成された耐熱基板3を洗浄して表面に付着している汚れを除去した。次に、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の原料として、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランを準備し、ヘキサメチルシロキサンで希釈した有機溶液を調合した。そして、この有機溶液に前述の耐熱基板3を窒素雰囲気下で浸漬し、その後に大気中に放置することで、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4が形成された耐熱防汚基板1を得た。その後、この基板で加熱調理機器を組み立てて完成である。
焼成被膜7のさらに下面に有機シリコーン膜9が予め形成されている耐熱基板3を使用すると、有機シリコーン樹脂の気相蒸発膜が形成され、この膜に防汚薄膜4が形成されるためその耐熱性が向上する利点と、有機シリコーン膜13が親水性であるため筐体5と耐熱防汚基板1の接着剤8による接合を良好にする利点が得られた。また、有機シリコーン膜9が親水性であるため、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物は、廻りこんでも多孔質な有機シリコーン膜9の内部にもぐり込んでしまう。そのため、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなる利点がある。
(実施の形態16)
実施の形態16は、図7および図8における筐体5と耐熱防汚基板1を接合する接着剤8の材質を検討した内容である。その結果、有機シリコーン樹脂が最適であることが判明した。これは、接着剤8として用いた有機シリコーン樹脂が耐熱性であること、耐熱防汚基板1の上面に形成された有機フッソ化合物膜またはその改質膜、もしくはその下面に形成された焼成皮膜7さらには有機シリコーン膜9との親和力があるため馴染みが良く、長期間優れた接合力を保持できるためである。なお、耐熱防汚基板1は、その上面もしくは下面の端部で筐体5と接合されており、接合が良好になるように筐体5に冶具などが設けられている。
(実施の形態17)
実施の形態17は、前述の実施の形態1〜10のいずれかにおける耐熱防汚基板1を、他構成の加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図9に示す。加熱調理機器は、防汚薄膜4を形成した透明ガラス製の耐熱基板2からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1がその側面に配置された調理室10と、調理室10の内部もしくは外面に配置した調理加熱用部品11と、調理室10および調理加熱用部品11を収納する筐体12とを少なくとも有し、耐熱防汚基板1は、防汚薄膜4を調理室10の内面側に、錫薄膜13を調理室10の外面側に形成しているとしたものである。
錫薄膜13は、調理時に発生する赤外線を反射する効果がある。そのため、耐熱基板3として透明または半透明なガラスを用い、調理室10の外面側に錫薄膜13を形成すると、調理物から発生した赤外線が錫薄膜13で反射されて調理物に再び照射され、調理時間が短縮される効果が生じる。また、調理室10の内面側に形成した防汚薄膜4により、その表面に付着した調理残さ物を簡単に拭き取ることが出来、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。
以上のように、本発明の耐熱防汚基板およびこれを使用した加熱調理機器は、その優れた撥水撥油性や耐熱性さらに耐磨耗性により、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離し、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できるため、IH調理機器やホットプレート、グリル鍋、フライパン、電子レンジ、電気オーブンなどに応用ができる。
(a)本発明の実施の形態1における耐熱防汚基板の構成図(b)同耐熱防汚基板の珪素成分含有率と耐熱性の関係を示す特性図(c)同耐熱防汚基板のアルカリ成分含有率と耐熱性の関係を示す特性図 (a)同耐熱防汚基板の珪素成分含有率と耐磨耗性の関係を示す特性図(b)同耐熱防汚基板のアルカリ成分含有率と耐磨耗性の関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における耐熱防汚基板におけるアルミニウム成分含有率と耐久性の関係を示す特性図 本発明の実施の形態3における耐熱防汚基板におけるジルコニウム成分含有率と耐久性の関係を示す特性図 本発明の実施の形態4における耐熱防汚基板におけるチタン成分含有率と耐久性の関係を示す特性図 本発明の実施の形態5における耐熱防汚基板における十点表面粗さと耐久性の関係を示す特性図 本発明の実施の形態11〜14および16における加熱調理機器を示す構成図 本発明の実施の形態15における加熱調理機器を示す構成図 本発明の実施の形態17における加熱調理機器を示す構成図
符号の説明
1 耐熱防汚基板
2 珪酸系酸化物
3 耐熱基板
4 防汚薄膜
5、12 筐体
6、11 調理加熱用部品
7 焼成被膜
8 接着剤
9 有機シリコーン膜
10 調理室
13 錫薄膜

Claims (17)

  1. 珪酸系酸化物を表面に有する耐熱基板と、前記珪酸系酸化物の表面に形成したシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜とで少なくとも構成され、前記珪酸系酸化物の元素組成が、珪素が100〜50wt%で、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%以下である耐熱防汚基板。
  2. 珪酸系酸化物は、少なくともアルミニウムが1〜25wt%含有された元素組成である請求項1に記載の耐熱防汚基板。
  3. 珪酸系酸化物は、少なくともジルコニウムが1〜18wt%含有された元素組成である請求項1または2に記載の耐熱防汚基板。
  4. 珪酸系酸化物は、少なくともチタンが1〜19wt%含有された元素組成である請求項1、2または3に記載の耐熱防汚基板。
  5. 珪酸系酸化物は、その十点表面粗さが0.01〜0.5μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱防汚基板。
  6. 珪酸系酸化物を表面に有する耐熱基板は、その主構成材料が結晶化ガラスもしくは強化ガラスである請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱防汚基板。
  7. 防汚薄膜は、少なくともアルキル基もしくはフルオロアルキル基を有する請求項1に記載の耐熱防汚基板。
  8. 防汚薄膜は、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランのいずれかを原料としている請求項1または7に記載の耐熱防汚基板。
  9. ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランの原料は、有機シリコーンで希釈されている請求項8に記載の耐熱防汚基板。
  10. ハロゲン化シランは、クロロシランである請求項8または9に記載の耐熱防汚基板。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された耐熱防汚基板と、前記耐熱防汚基板の下部に配置してこれを保持固定する筐体と、前記筐体と前記耐熱防汚基板との間に設けられた内部空間に収納した調理加熱用部品とを少なくとも有し、前記耐熱防汚基板は、その下面に耐熱金属を主成分とする焼成被膜が形成されている加熱調理機器。
  12. 焼成被膜に含有される耐熱金属は、少なくとも白金または金またはパラジウムのいずれかである請求項11に記載の加熱調理機器。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された耐熱防汚基板と、前記耐熱防汚基板の下部に配置してこれを保持固定する筐体と、前記筐体と前記耐熱防汚基板との間に設けられた内部空間に収納した調理加熱用部品とを少なくとも有し、前記耐熱防汚基板は、その下面に形成した酸化ビスマスと耐熱材料が含有された焼成被膜が形成されている加熱調理機器。
  14. 酸化ビスマスが1〜30wt%含有する焼成被膜である請求項13に記載の加熱調理機器。
  15. 耐熱防汚基板は、その下面に形成した焼成被膜のさらに下面に有機シリコーン膜を形成している請求項11〜14のいずれか1項に記載の加熱調理機器。
  16. 耐熱防汚基板は、有機シリコーン接着剤を用いて筐体と接合している請求項11〜15のいずれか1項に記載の加熱調理機器。
  17. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された耐熱防汚基板と、前記耐熱防汚基板がその側面に配置された調理室と、前記調理室の内部もしくは外面に配置した調理加熱用部品と、前記調理室および調理加熱用部品を収納する筐体とを少なくとも有し、前記耐熱防汚基板は、防汚薄膜を前記調理室の内面側に、錫薄膜を前記調理室の外面側にして、透明ガラス製の耐熱基板の表面に各々形成している加熱調理機器。
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