JPH11217560A - 防曇性膜 - Google Patents

防曇性膜

Info

Publication number
JPH11217560A
JPH11217560A JP10022362A JP2236298A JPH11217560A JP H11217560 A JPH11217560 A JP H11217560A JP 10022362 A JP10022362 A JP 10022362A JP 2236298 A JP2236298 A JP 2236298A JP H11217560 A JPH11217560 A JP H11217560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
fogging
hydrolyzate
silicon alkoxide
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10022362A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Takahashi
賢次 高橋
Hirotsugu Katou
博貢 加藤
Toru Motoki
徹 元木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP10022362A priority Critical patent/JPH11217560A/ja
Publication of JPH11217560A publication Critical patent/JPH11217560A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に、生産性良く、低コストで、透明基
材表面の親水性を向上させ、基材表面における水滴の生
成を防止できる防曇性膜を提供できるようにすることを
課題とする。 【解決手段】 膜表面に高さ 0.01 〜0.1 μmの微細
な凹凸面が一様に形成されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基材表面で空
気中の水分が細かな水滴となって付着し、光を乱反射す
る曇り現象の防止を必要としている透明基材表面の防曇
性膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、窓ガラス、ショーウインド用ガ
ラス、計器のカバーガラス、時計のカバーガラス、眼鏡
用レンズ、カメラ用レンズ、自動車用ミラー、浴室の鏡
等のような透明基材表面は、親水性を有する表面を持つ
ものがほとんどであるが、これは透明基材表面が汚染さ
れていない状態で得られるものであり、通常は、表面に
環境からくる汚染物質、例えば、土、埃、油等の付着に
より親水性が損なわれ、疎水性表面となる。このため、
表面の親水性が損なわれて疎水性表面となった透明基材
では、空気中の水分が細かな水滴となって付着すること
により光を乱反射する曇り現象が生じ、透明性が低下す
る。
【0003】従来における透明基材表面の曇り防止は、
表面に親水性を付与し、水滴の接触角を小さくすること
により、水の連続層が生じ、曇りを防止することが行わ
れており、実際には、以下に示す4つの方法がとられて
いる。
【0004】 界面活性剤を添加した曇止めスプレー
を吹きつけ、透明基材表面の水に対する濡れ性を向上さ
せて微細な水滴を生じさせない方法 疎水性化合物を塗布し、透明基材表面に撥水性を付
与し、水滴をはじくようにして流下させて微細な水滴を
付着させない方法 水に対して親和性の高い樹脂を用いて被覆し、透明
基材表面に付着した水滴を吸収する方法 透明基材の背面から発熱体を取り付けて加熱するこ
とにより、透明基材表面を常に露点以上の温度に保ち、
曇り現象を防ぐ方法
【0005】〔問題点〕このような従来の技術において
は、の曇り止めスプレーによる方法では、手軽に表面
を親水性に変えることが可能であるが、効力の持続性に
欠ける。の透明基材表面に撥水性化合物を塗布する方
法では、かえって細かな水滴がつき曇りを助長すること
がある。の親水性を付与する方法では、水に対する親
和性が高いとその耐水性に劣るという相反する性質があ
り、その耐水性を向上させるために、熱処理を行って結
晶化度を上げると、水に対する親水性が失われて曇りの
防止効果が低減する。また、の加熱する方法では、初
期投資が大きくかつ電力消費も高く、特殊用途にしか利
用することができない。等々、それぞれに特有の問題点
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その解決のため具体的に
設定した課題は、容易に、生産性良く、低コストで、透
明基材表面の親水性を向上させ、基材表面における水滴
の生成を防止できる防曇性膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
に係る防曇性膜は、膜表面に高さ 0.01 〜0.1 μmの微
細な凹凸面が一様に形成されていることを特徴とするも
のである。
【0008】請求項2に係る防曇性膜は、シリコンアル
コキシドおよび/またはその加水分解物と、二酸化ケイ
素微粉末を含有してなる分散液より形成された被膜から
なることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る防曇性膜は、前記被膜の表
面から二酸化ケイ素微粉末の一部が露出していることを
特徴とする。
【0010】請求項4に係る防曇性膜は、前記二酸化ケ
イ素微粉末の平均粒径が 0.05 〜 0.5μmであることを
特徴とする。
【0011】請求項5に係る防曇性膜は、前記シリコン
アルコキシド加水分解物が、該シリコンアルコキシド加
水分解物のみで成膜した膜の水の接触角が 45 °以下と
なるように調整されたシリコンアルコキシド加水分解物
であることを特徴とする。
【0012】請求項6に係る防曇性膜は、前記シリコン
アルコキシド加水分解物が、反応温度 30 〜 70 ℃で加
水分解して得られるシリコンアルコキシド加水分解物で
あることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明をよ
り良く理解させるため具体的に説明するものであり、特
に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0014】この実施の形態における防曇性膜は、膜表
面に高さ 0.01 〜 0.1μmの微細な凹凸面が一様に形成
されていれば良く、防曇膜の形成材料、および防曇膜の
形成方法については適宜選択することができる。膜表面
の微細な凹凸の高さは 0.01 〜 0.1μmが必要である。
膜表面に高さ 0.01 〜 0.1μmの微細な凹凸を形成する
ことにより、被膜の表面積が増大し、親水性を発現し
て、膜表面に空気中の水分が細かな水滴となって付着す
ることを防止するため、十分な防曇性を有する膜を得る
ことができる。
【0015】この高さが 0.1μmを越える場合は透明性
が不十分な防曇性膜となり、また、0.01 μm未満の場
合は防曇性が不十分な防曇性膜となる。ここで、膜表面
の高さとは、 JIS− B−061 の「表面粗さの定義と表
示」に規定されている山頂と谷底との高低差を意味し、
最大粗さ(Rmax )に相当するものである。
【0016】膜表面に高さ 0.01 〜 0.1μmの微細な凹
凸を有する防曇性膜を形成するために無機系粉末を添加
することが好ましい。この場合における防曇性膜中の無
機系微粉末の含有率は、形成される被膜の表面から無機
系微粉末の一部が露出し、膜表面に高さ 0.01 〜 0.1μ
mの微細な凹凸が形成されることが可能な配合であれば
良く、含有率は無機系微粉末の粒径および形成される防
曇性膜の膜厚に応じて適宜選択することができる。
【0017】この防曇性膜の膜厚については、膜表面に
高さ 0.01 〜 0.1μmの微細な凹凸を最適に形成できる
膜厚であることが好ましい。一方、形成する膜が、最外
層を形成するものとなるので、ある程度の硬度を有する
ことが必須である。これを達成するためには厚さが厚い
ほうが望ましい。このような観点から 0.05 〜 0.5μm
の厚さを有することが好ましい。ここで、膜厚とは、微
細な凹凸の平均粗さにおける被膜の厚さをいう。
【0018】防曇性膜が形成される基材としては、透明
基材であれば良く、アクリル、ウレタン等のプラスチッ
ク基板、または無アルカリガラス、アルミナケイ酸ガラ
ス、鉛ガラス、その他のガラス基板等、透明基材であれ
ば材質が限定されるものではない。特に、無アルカリガ
ラス、アルミナケイ酸ガラス、鉛ガラス、その他のガラ
スが、基材として好ましく使用できる。
【0019】防曇膜の形成材料は、特に限定されず、一
般の透明被膜形成に使用されている有機バインダ、無機
バインダを使用することができ、例えば、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、
シリコーン樹脂、アリカリシリケート、無機コロイド、
アルキシリケート、金属アルコキシド、有機金属化合物
等を挙げることができる。
【0020】また、親水性の点で、シリコンアルコキシ
ドおよび/またはその加水分解物を用いることが好まし
く、このシリコンアルコキシドは加水分解して得られる
シリカゾルからなるものを用いることが望ましい。シリ
コンアルコキシドは、テトラアルコキシシラン系化合
物、アルキルアルコキシシラン系化合物、ジアルキルア
ルコキシシラン系化合物等から選ぶことができる。
【0021】シリコンアルコキシドおよび/またはその
加水分解物を防曇性膜のマトリックス成分として用いた
場合には、防曇性膜表面のアルコキシ基の残存量が少な
くなり、ほとんどが水酸基となっているため、防曇性膜
の水に対する親和性が高くなる。
【0022】また、溶媒は、アルコール系化合物、エス
テル系化合物、グリコールエーテル系化合物、およびケ
トン系化合物等から選ぶことができる。これらは、単一
種で用いても良く、2種類以上の混合物としても良い。
【0023】添加する無機系微粉末としては、シリカ、
チタン、ジルコニア等を用いることができ、特に、親水
性を示す材料である二酸化ケイ素微粉末が望ましい。使
用する無機系微粉末の平均粒子径を、膜厚に応じて 0.0
5 〜 0.5μm、好ましくは 0.07 〜 0.15 μmの範囲で
適宜選択することにより、形成された被膜の表面から無
機系微粉末の一部が露出し、被膜の表面が高さ 0.01 〜
0.1μmの微細な凹凸状となり、これにより膜表面の面
積が著しく増大し、平坦な膜で得られる親水性よりも、
さらに優れた親水性が得られる。
【0024】この平均粒子径が 0.5μmを越えると、得
られる膜において、レイリー散乱による光の乱反射が強
すぎて、膜の曇り度が高くなり過ぎるため、白っぽく見
え、その透明性が低下する。また、平均粒子径が 0.05
μm未満であると、無機系微粉末が表面から露出する構
造が得られないため、十分な曇り防止の効果が得られな
い。
【0025】二酸化ケイ素微粉末は、公知の製造方法で
得られたものを使用することができ、例えば、シリコン
のアルコキシドをアルカリの存在下において、加水分解
させたり、シリコンのアルコキシドを高分子、例えば、
ポリビニルアルコール、セルロースの存在下において加
水分解させること等により製造することができる。
【0026】また、二酸化ケイ素微粉末は粉末状で使用
しても良く、分散されたゾル状で使用しても良い。二酸
化ケイ素微粉末を粉末状で使用するときの形状は、球
状、針状、板状、および鎖状等のいずれであっても良
い。
【0027】防曇膜の形成方法は、特に限定されず、物
理的あるいは化学的な方法で形成することができる。特
に、防曇膜形成用分散液中に 0.05 〜 0.5μmの無機系
微粉末を含有させた後、基材表面に塗布して、防曇膜を
形成させることが、製造コスト、所定の高さ0.01 〜 0.
1μmの微細な凹凸面を形成する容易さの点で好まし
い。
【0028】この場合、マトリックス成分として、加水
分解させて水の接触角を 45 °好ましくは 35 °以下に
調製したシリコンアルコキシド加水分解物を用い、無機
系微粉末として二酸化ケイ素微粉末を含有してなる分散
液から防曇性膜が形成されることが好ましい。
【0029】この基材表面に形成される防曇性膜は、シ
リコンアルコキシドおよび/またはその加水分解物に、
二酸化ケイ素微粉末を含有してなる分散液を、透明基材
の表面に通常のスピンコート法、ディッピング法等の塗
工法を利用して塗布し、乾燥した後、焼付け処理を施し
て形成することにより製造され、耐久性のある防曇性膜
となる。
【0030】そして、マトリックス成分として、シリコ
ンアルコキシドの加水分解物を用いた場合には、防曇性
膜を塗布・乾燥した後、焼付け処理を施すと、シリコン
アルコキシド加水分解生成物はシリカとなる。このシリ
カの膜強度は、エンピツ硬度で9Hが得られるため、形
成された膜の耐久性は良好である。
【0031】このシリコンアルコキシドの加水分解物を
得るためには、シリコンアルコキシドの加水分解を促進
させればよい。その方法としては、水分量、触媒種、触
媒濃度、反応温度、反応時間等を調整することで可能で
あるが、この場合、特に反応温度を 30 ℃〜 70 ℃、好
ましくは 40 ℃〜 60 ℃で1時間加水分解することで得
ることができる。
【0032】この場合、反応温度が 30 ℃以下では反応
時間が長時間必要となり、 70 ℃以上では、反応溶媒あ
るいは加水分解により発生する溶媒が蒸発するため、反
応装置に還流装置を設置する必要があり、設備コストが
嵩むようになる。
【0033】これにより、例えば、シリコンアルコキシ
ドおよび/またはその加水分解物と平均粒子径が 0.05
〜 0.5μm、好ましくは 0.07 〜 0.15 μmを有する二
酸化ケイ素微粉末とを含有してなる分散液より形成され
た防曇性膜では、使用する二酸化ケイ素微粉末の平均粒
子径を膜厚に応じて適宜選択することによって、形成さ
れる被膜の表面から二酸化ケイ素微粉末の一部が高さ
0.01 〜 0.1μm露出し、微細な凹凸面が形成されるよ
うになる。
【0034】このため、シリコンアルコキシドおよび/
またはその加水分解物と二酸化ケイ素からなる防曇性膜
は、水に対する親和性、すなわち親水性を示し、更に被
膜表面の面積が著しく大きくなるため、通常の表面の親
水性よりも優れた親水性表面が形成され、曇りの原因を
なす水滴の生成を防止することができる。
【0035】防曇性膜を透明基材表面に形成するために
は、分散液を用い、これを透明基材表面に塗布して、乾
燥し、焼付け処理を施せば良いので、製造が容易で、生
産性が高く、低コストで実現できる。
【0036】従って、この防曇性膜は、窓ガラス、ショ
ーウインドー用ガラス、計器のカバーガラス、時計のカ
バーガラス、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ、自動車用
ミラー、鏡、およびコップ等のような、透明基材表面に
おける空気中の水分が細かな水滴となって付着すること
により生ずる曇り現象の防止を必要としている透明基
材、特にガラス基材表面の塗装に好適に用いられる。
【0037】〔実施例1〕 (1) 透明基材 厚さ 2mmの板状のソーダガラス板を用いた。
【0038】(2) シリコンアルコキシドの加水分解液
(a)を下記のように調製した。40 gのテトラエトキ
シシランを 35 gの 0.1N塩酸と 181gのエタノールを
温度 35 ℃で1時間混合し、均一溶液とした。なお、ス
ピンコート法にて成膜し、温度 120℃で 30 分間加熱し
て硬化させた膜の水の接触角は、 33 °であった。
【0039】(3) 防曇性膜形成用の分散液(A)を下記
のように調製した。0.2gの平均粒子径が 0.1μmの二
酸化ケイ素微粉末(住友大阪セメント社製)と 12.2 g
のシリコンアルコキシド加水分解液(a)に、メチルセ
ロソルブ20 gとエタノール 67.6 gを添加し、超音波
ホモジナイザー(セントラル科学貿易社製:ソニファイ
ヤー 450)で 10 分間分散させ、均一溶液とし、防曇性
膜形成用の分散液(A)とした。
【0040】(4) 防曇性膜の製造法 上記ソーダガラスの表面に分散液(A)をスピンコート
法により塗布し、温度 120℃で 30 分間加熱して硬化さ
せた。 0.1μmの膜厚を有し、さらに被膜表面に高さ
0.03 μmの微細な凹凸を有する防曇性膜が形成され
た。得られた防曇性膜について下記の方法で防曇性と耐
水性、および透明性の評価を行い、評価結果を表1に示
す。
【0041】 防曇性: 200ccのビーカーに 80 ℃
の温水を入れ、その中に得られた膜付きガラスを立て掛
け、曇り状態を次の基準で評価した。 防曇効果が認められるもの : ○ 防曇効果が認められないもの: ×
【0042】 耐水性: 200ccのビーカー中に 20
〜 30 ℃の室温水を入れ、その中に膜付きガラスを 24
時間浸漬し、次の基準で評価した。 外観に変化が認められないもの : ○ 外観に変化が一部認められるもの: ×
【0043】 透明性:外観から濁り度を評価した。 濁りがほとんど認められないもの: ○ 濁りが著しいもの : ×
【0044】〔実施例2〕 (1) 透明基材 実施例1と同様のソーダガラスを用いた。
【0045】(2) 防曇性膜形成用の分散液(B)を下記
のように調製した。 0.3 gの平均粒子径が 0.12 μmの二酸化ケイ素微粉末
(住友大阪セメント社製)と 8.2gのシリコンアルコキ
シド加水分解液(a)にメチルセロソルブ20 gとエタ
ノール 71.5 gを添加し、超音波ホモジナイザー(セン
トラル科学貿易社製:ソニファイヤー 450)で 10 分間
分散させ、均一溶液とし、防曇性膜形成用の分散液
(B)とした。
【0046】(3) 防曇性膜の製造法 上記ソーダガラスの表面に分散液(B)をスピンコート
法により塗布し、温度 120℃で 30 分間加熱して硬化さ
せた。 0.16 μmの膜厚を有し、さらに被膜表面に高さ
0.04 μmの微細な凹凸を有する防曇性膜が形成され
た。この防曇性膜の評価結果を表1に示す。
【0047】〔実施例3〕 (1) 透明基材 実施例1と同様のソーダガラスを用いた。
【0048】(2) 防曇性膜形成用の分散液(C)を下記
のように調製した。 0.13gの平均粒子径が 0.07 μmの二酸化ケイ素微粉末
(住友大阪セメント社製)と 13.0 gのシリコンアルコ
キシド加水分解液(a)にメチルセロソルブ 20 gとエ
タノール 66.9 gを添加し、超音波ホモジナイザー(セ
ントラル科学貿易社製:ソニファイヤー 450)で 10 分
間分散させ、均一溶液とし、防曇性膜形成用の分散液
(C)とした。
【0049】(3) 防曇性膜の製造法 上記ソーダガラスの表面に分散液(C)をスピンコート
法により塗布し、温度 120℃で 30 分間加熱して硬化さ
せた。 0.12 μmの膜厚を有し、さらに被膜表面が高さ
0.02 μmの微細な凹凸を有する防曇性膜が形成され
た。この防曇性膜の評価結果を表1に示す。
【0050】〔比較例1〕 (1) 透明基材 実施例1と同様のソーダガラスを用いた。
【0051】(2) 防曇性膜形成用の分散液(D)を下記
のように調製した。 22.2gのシリコンアルコキシド加水分解液(a)にメチ
ルセロソルブ 20 gとエタノール 57.8 gを添加し、均
一溶液とし、防曇性膜形成用の分散液(D)とした。
【0052】(3) 防曇性膜の製造法 上記ソーダガラスの表面に分散液(D)をスピンコート
法により塗布し、温度 120℃で 30 分間加熱して硬化さ
せた。 0.1μmの膜厚を有した平滑な被膜が形成され
た。この被膜の評価結果を表1に示す。
【0053】〔比較例2〕 (1) 透明基材 実施例1と同様のソーダガラスを用いた。
【0054】(2) 防曇性膜形成用の分散液(E)を下記
のように調製した。 0.2 gの平均粒子径が 0.6μmの二酸化ケイ素微粉末
(住友大阪セメント社製)と 12.2 gのシリコンアルコ
キシド加水分解液(a)にメチルセロソルブ20 gとエ
タノール 67.6 gを添加し、超音波ホモジナイザー(セ
ントラル科学貿易社製:ソニファイヤー 450)で 10 分
間分散させ、均一溶液とし、防曇性膜形成用の分散液
(E)とした。
【0055】(3) 防曇性膜の製造法 上記ソーダガラスの表面に分散液(E)をスピンコート
法により塗布し、温度 120℃で 30 分間加熱して硬化さ
せた。 0.85 μmの膜厚を有し、さらに被膜表面が高さ
0.2μmの微細な凹凸を有する防曇性膜が形成された。
この防曇性膜の評価結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
る防曇性膜では、膜表面に高さ 0.01〜0.1 μmの微細
な凹凸面が一様に形成されていることによって、形成さ
れた膜表面の面積が著しく増大し、親水性が向上して、
膜表面における微細な水滴の付着あるいは生成によって
生じる曇りを防止できる。これにより、透明基材表面に
おける水滴の生成による曇りの防止を必要としている透
明基材の表面処理に好適に用いることができる。
【0058】請求項2に係る防曇性膜では、シリコンア
ルコキシドおよび/またはその加水分解物と、二酸化ケ
イ素微粉末を含有してなる分散液より形成された被膜か
らなることから、親水性が良く、膜表面における微細な
水滴の付着あるいは生成を抑止して、曇りを防止でき
る。
【0059】請求項3に係る防曇性膜では、膜表面から
二酸化ケイ素微粉末の一部が露出していることから、膜
表面に微細な凹凸面を一様に形成して表面積を増大さ
せ、親水性を向上させて、膜表面における微細な水滴の
付着あるいは生成を抑止し、曇りを防止することができ
る。
【0060】請求項4に係る防曇性膜では、二酸化ケイ
素微粉末の平均粒径が 0.05 〜 0.5μmであることによ
って、膜表面に高さ 0.01 〜0.1 μmの微細な凹凸状構
造を一様に形成させることができ、膜表面における微細
な水滴の付着あるいは生成を抑止し、曇りを防止するこ
とができる。
【0061】請求項5に係る防曇性膜では、シリコンア
ルコキシド加水分解物が、該シリコンアルコキシド加水
分解物のみで成膜した膜の水の接触角が 45 °以下とな
るように調整されたシリコンアルコキシド加水分解物で
あることによって、良好な親水性を示し、膜表面におけ
る微細な水滴の付着あるいは生成を抑止して、曇りを防
止することができる。
【0062】請求項6に係る防曇性膜では、シリコンア
ルコキシド加水分解物が、反応温度30 〜 70 ℃で加水
分解して得られるシリコンアルコキシド加水分解物であ
ることから、膜表面が水酸基となって、水に対する親和
性が向上し、膜表面における微細な水滴の付着あるいは
生成を抑止して、曇りを防止することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜表面に高さ 0.01 〜0.1 μmの微細な凹
    凸面が一様に形成されていることを特徴とする防曇性
    膜。
  2. 【請求項2】シリコンアルコキシドおよび/またはその
    加水分解物と、二酸化ケイ素微粉末を含有してなる分散
    液より形成された被膜からなることを特徴とする請求項
    1記載の防曇性膜。
  3. 【請求項3】前記膜表面から二酸化ケイ素微粉末の一部
    が露出していることを特徴とする請求項1記載の防曇性
    膜。
  4. 【請求項4】前記二酸化ケイ素微粉末の平均粒径が 0.0
    5 〜 0.5μmであることを特徴とする請求項1記載の防
    曇性膜。
  5. 【請求項5】前記シリコンアルコキシド加水分解物が、
    該シリコンアルコキシド加水分解物のみで成膜した膜の
    水の接触角が 45 °以下となるように調整されたシリコ
    ンアルコキシド加水分解物であることを特徴とする請求
    項1記載の防曇性膜。
  6. 【請求項6】前記シリコンアルコキシド加水分解物が、
    反応温度 30 〜 70 ℃で加水分解して得られるシリコン
    アルコキシド加水分解物であることを特徴とする請求項
    1記載の防曇性膜。
JP10022362A 1998-02-03 1998-02-03 防曇性膜 Pending JPH11217560A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10022362A JPH11217560A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 防曇性膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10022362A JPH11217560A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 防曇性膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11217560A true JPH11217560A (ja) 1999-08-10

Family

ID=12080526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10022362A Pending JPH11217560A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 防曇性膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11217560A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6716513B1 (en) 1999-03-09 2004-04-06 Toto Ltd. Hydrophilic member, method for preparation thereof, and coating agent and apparatus for preparation thereof
WO2008096872A1 (ja) 2007-02-09 2008-08-14 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 透明成形体およびこれを用いた反射防止物品
US7465763B2 (en) 2003-10-21 2008-12-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Curable composition and resin molded article with hydrophilic film of the composition
WO2013187506A1 (ja) 2012-06-15 2013-12-19 三菱レイヨン株式会社 積層体
US9348063B1 (en) 2014-12-03 2016-05-24 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece
US9581732B2 (en) 2014-12-03 2017-02-28 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece
US9639059B2 (en) 2014-12-03 2017-05-02 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece
US10252302B2 (en) 2013-01-23 2019-04-09 Dexerials Corporation Hydrophilic laminate and method for manufacturing the same, antifouling laminate, product and method for manufacturing the same, and antifouling method

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6716513B1 (en) 1999-03-09 2004-04-06 Toto Ltd. Hydrophilic member, method for preparation thereof, and coating agent and apparatus for preparation thereof
US7465763B2 (en) 2003-10-21 2008-12-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Curable composition and resin molded article with hydrophilic film of the composition
WO2008096872A1 (ja) 2007-02-09 2008-08-14 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 透明成形体およびこれを用いた反射防止物品
US8034434B2 (en) 2007-02-09 2011-10-11 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Transparent molded body and antireflective member using the same
WO2013187506A1 (ja) 2012-06-15 2013-12-19 三菱レイヨン株式会社 積層体
US10252302B2 (en) 2013-01-23 2019-04-09 Dexerials Corporation Hydrophilic laminate and method for manufacturing the same, antifouling laminate, product and method for manufacturing the same, and antifouling method
US9348063B1 (en) 2014-12-03 2016-05-24 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece
US9581732B2 (en) 2014-12-03 2017-02-28 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece
US9639059B2 (en) 2014-12-03 2017-05-02 Seiko Epson Corporation Optical component and timepiece

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5674625A (en) Multilayered water-repellent film and method of forming same on glass substrate
US10400130B2 (en) Anti-fogging coated transparent article
JP4801234B2 (ja) 不規則性を有する改善された親水性または疎水性の支持体
JP5183066B2 (ja) シリカ膜およびその製造方法
JP6118012B2 (ja) 防曇性膜被覆物品
CN101384925A (zh) 经抗反射涂覆的玻璃板
JP4048912B2 (ja) 表面防汚性複合樹脂フィルム、表面防汚性物品、化粧板
JP2001278637A (ja) 低反射ガラス物品
WO2006011605A1 (ja) 防曇性物品およびその製造方法
JP2004168057A (ja) フッ素系複合樹脂フィルム及び太陽電池
JPH11217560A (ja) 防曇性膜
JP3413286B2 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法
JP2716315B2 (ja) 低反射ガラス
WO2011090156A1 (ja) 防曇性物品
JP4481676B2 (ja) 防曇性眼鏡レンズおよびその製造方法
JPH09202651A (ja) 親水性被膜及びその形成法
JP3426284B2 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法
JPH0913018A (ja) 撥水被膜用組成物および撥水ガラス
JP2002127310A (ja) 水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板
JP5942140B2 (ja) 被覆部材
JP2003082284A (ja) 光触媒性被膜、光触媒性積層体、光触媒性被膜の製造方法
JP2001233638A (ja) 防曇性被膜形成基材およびその製造方法
JP2000319543A (ja) 親水性部材
JP3410542B2 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法
JP4438594B2 (ja) コーティング材組成物及び塗装品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070306