JP2000044886A - 吸湿性を有する吸湿性コーティング組成物および吸湿性を有する複合材料 - Google Patents
吸湿性を有する吸湿性コーティング組成物および吸湿性を有する複合材料Info
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- JP2000044886A JP2000044886A JP17816398A JP17816398A JP2000044886A JP 2000044886 A JP2000044886 A JP 2000044886A JP 17816398 A JP17816398 A JP 17816398A JP 17816398 A JP17816398 A JP 17816398A JP 2000044886 A JP2000044886 A JP 2000044886A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 防曇性に優れた塗膜を形成することの可能な
吸湿性コーティング組成物で被覆される複合材料と、耐
久性に優れた防曇性塗膜を形成することの可能な吸湿性
コーティング組成物で被覆される複合材料を提供するこ
とにある。 【解決手段】 基材表面が、吸湿性コーティング組成物
で被覆して成り、無機質骨格、または無機質骨格に有機
分子が架橋したハイブリッド物質から成る、透明な吸湿
性コーティング組成物で被覆されている吸湿性を有する
複合材料。
吸湿性コーティング組成物で被覆される複合材料と、耐
久性に優れた防曇性塗膜を形成することの可能な吸湿性
コーティング組成物で被覆される複合材料を提供するこ
とにある。 【解決手段】 基材表面が、吸湿性コーティング組成物
で被覆して成り、無機質骨格、または無機質骨格に有機
分子が架橋したハイブリッド物質から成る、透明な吸湿
性コーティング組成物で被覆されている吸湿性を有する
複合材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として水周りで
使用される吸湿性を有する複合材料に関する。
使用される吸湿性を有する複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラ
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、 およ
び各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るのはしば
しば経験されることである。また、浴室や洗面所の鏡や
眼鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。物品
の表面に曇りが生じるのは、表面が雰囲気に露点以下の
温度に置かれると雰囲気中の湿分が凝縮して表面に結露
するからである。凝縮水滴が充分に細かく、それらの直
径が可視光の波長の1/2程度であれば、水滴は光を散
乱し、ガラスや鏡は見かけ上不透明となり、可視性が失
われる。湿分の凝縮が更に進行し、細かい凝縮水滴が互
いに融合してより大きな離散した水滴に成長すれば、水
滴と表面との界面並びに水滴と空気との界面における光
の屈折により、表面は翳り、ぼやけ、或いは曇る。その
結果、ガラスのような透明物品では透視像が歪んで透視
性が低下し、鏡では反射像が乱される。更に、車両の風
防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両のバックミ
ラー、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシールドが
降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付
着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、或いは曇り、
やはり可視性が失われる。ここで用いる“防曇”の用語
は、このような曇りや凝縮水滴の成長や水滴の付着によ
る光学的障害を防止する技術を広く意味する。
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、 およ
び各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るのはしば
しば経験されることである。また、浴室や洗面所の鏡や
眼鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。物品
の表面に曇りが生じるのは、表面が雰囲気に露点以下の
温度に置かれると雰囲気中の湿分が凝縮して表面に結露
するからである。凝縮水滴が充分に細かく、それらの直
径が可視光の波長の1/2程度であれば、水滴は光を散
乱し、ガラスや鏡は見かけ上不透明となり、可視性が失
われる。湿分の凝縮が更に進行し、細かい凝縮水滴が互
いに融合してより大きな離散した水滴に成長すれば、水
滴と表面との界面並びに水滴と空気との界面における光
の屈折により、表面は翳り、ぼやけ、或いは曇る。その
結果、ガラスのような透明物品では透視像が歪んで透視
性が低下し、鏡では反射像が乱される。更に、車両の風
防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両のバックミ
ラー、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシールドが
降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付
着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、或いは曇り、
やはり可視性が失われる。ここで用いる“防曇”の用語
は、このような曇りや凝縮水滴の成長や水滴の付着によ
る光学的障害を防止する技術を広く意味する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】防曇技術は安全性や種
々の作業の能率に深い影響を与える。例えば、車両の風
防ガラスや窓ガラスやバックミラーが曇り或いは翳ると
車両や交通の安全性が損なわれる。内視鏡レンズや歯科
用歯鏡が曇ると、的確な診断、手術、処置の障害とな
る。計器盤のカバーガラスが曇るとデータの読みが困難
となる。従来用いられている防曇性組成物は、ポリエチ
レングリコールのような親水性化合物からなる。しか
し、この種の防曇性組成物はあくまで一時的なもので、
水や接触によって容易に取り除かれ、早期に効果を失う
という難点がある。
々の作業の能率に深い影響を与える。例えば、車両の風
防ガラスや窓ガラスやバックミラーが曇り或いは翳ると
車両や交通の安全性が損なわれる。内視鏡レンズや歯科
用歯鏡が曇ると、的確な診断、手術、処置の障害とな
る。計器盤のカバーガラスが曇るとデータの読みが困難
となる。従来用いられている防曇性組成物は、ポリエチ
レングリコールのような親水性化合物からなる。しか
し、この種の防曇性組成物はあくまで一時的なもので、
水や接触によって容易に取り除かれ、早期に効果を失う
という難点がある。
【0004】本発明の目的は、防曇性に優れた塗膜を形
成することの可能な吸湿性コーティング組成物で被覆さ
れる複合材料を提供することにある。本発明の他の目的
は、耐久性に優れた防曇性塗膜を形成することの可能な
吸湿性コーティング組成物で被覆される複合材料を提供
することにある。本発明の他の目的は、半恒久的な防曇
性塗膜を形成することの可能な吸湿性コーティング組成
物で被覆される複合材料を提供することにある。本発明
の他の目的は、防曇性と耐摩耗性に優れた塗膜を形成す
ることの可能な吸湿性コーティング組成物で被覆される
複合材料を提供することにある。
成することの可能な吸湿性コーティング組成物で被覆さ
れる複合材料を提供することにある。本発明の他の目的
は、耐久性に優れた防曇性塗膜を形成することの可能な
吸湿性コーティング組成物で被覆される複合材料を提供
することにある。本発明の他の目的は、半恒久的な防曇
性塗膜を形成することの可能な吸湿性コーティング組成
物で被覆される複合材料を提供することにある。本発明
の他の目的は、防曇性と耐摩耗性に優れた塗膜を形成す
ることの可能な吸湿性コーティング組成物で被覆される
複合材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面が、吸湿性コーティング組成物で
被覆して成り、無機質骨格、または無機質骨格に機分子
が架橋したハイブリッド物質から成る、透明な吸湿性コ
ーティング組成物で被覆されていることを特徴とする吸
湿性を有する複合材料を提供する。本発明の複合材料の
表面は、高い親水性と吸湿性を有し、湯気のような微小
な水滴が複合材料の表面に接すると、水分を表面で結露
させることがなく、曇りを防ぐことができる。
解決すべく、基材表面が、吸湿性コーティング組成物で
被覆して成り、無機質骨格、または無機質骨格に機分子
が架橋したハイブリッド物質から成る、透明な吸湿性コ
ーティング組成物で被覆されていることを特徴とする吸
湿性を有する複合材料を提供する。本発明の複合材料の
表面は、高い親水性と吸湿性を有し、湯気のような微小
な水滴が複合材料の表面に接すると、水分を表面で結露
させることがなく、曇りを防ぐことができる。
【0006】本発明の第一の態様においては、複合材料
の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物は、無機
質骨格を形成するシリコーンまたはシリカと光触媒性酸
化物とが分散されて成る。光触媒を光励起すると、シリ
コーンまたはシリカの表面が高度に親水化され、複合材
料の表面に空気中の水分が水酸基の形で化学吸着され
る。このように付着した凝縮水や水滴は速やかに水膜化
され、表面に一様に広がるので、表面は高度の防曇性を
発揮する。
の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物は、無機
質骨格を形成するシリコーンまたはシリカと光触媒性酸
化物とが分散されて成る。光触媒を光励起すると、シリ
コーンまたはシリカの表面が高度に親水化され、複合材
料の表面に空気中の水分が水酸基の形で化学吸着され
る。このように付着した凝縮水や水滴は速やかに水膜化
され、表面に一様に広がるので、表面は高度の防曇性を
発揮する。
【0007】また、本発明の第二の態様においては、複
合材料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物
は、無機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造を
成し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取り込
んで、骨格の持つ接着力で固定される。吸湿性コーティ
ング組成物の三次元骨格に内包される吸水性有機ポリマ
ーは高い吸水性を有し、湯気のような微小な水滴が鏡の
表面に接すると、水分を表面で結露させることなく、表
面層を形成する吸湿性コーティング組成物中の吸水性有
機ポリマーに到達して吸収されるため、曇りを防ぎ、反
射像の可視性を保持することができる。また、該吸水性
コーティング組成物は、無機ポリマーと有機ポリマーと
が互いに架橋して結合されて成り、複合材料の表面層は
水及び有機溶剤に不溶の高耐久性膜で被覆されることと
なる。
合材料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物
は、無機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造を
成し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取り込
んで、骨格の持つ接着力で固定される。吸湿性コーティ
ング組成物の三次元骨格に内包される吸水性有機ポリマ
ーは高い吸水性を有し、湯気のような微小な水滴が鏡の
表面に接すると、水分を表面で結露させることなく、表
面層を形成する吸湿性コーティング組成物中の吸水性有
機ポリマーに到達して吸収されるため、曇りを防ぎ、反
射像の可視性を保持することができる。また、該吸水性
コーティング組成物は、無機ポリマーと有機ポリマーと
が互いに架橋して結合されて成り、複合材料の表面層は
水及び有機溶剤に不溶の高耐久性膜で被覆されることと
なる。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の複合材料は、発
明の吸湿性コーティング組成物は、無機アルコキシドお
よび該アルコキシドが、加水分解・重縮合して形成され
るOH基を有するポリマーのうちの少なくとも1種と、
吸水性有機ポリマーと、触媒と、および水含有有機溶媒
を含有する、吸湿性コーティング組成物である。本発明
に用いられる無機アルコキシドは、例えば、次式(1)
で示される化合物の少なくとも1種である。 M(OR)n(X)a-n (1) ここで、Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、
V、Sn、Li、Be、B、およびPからなる群から選
択される無機原子であり、Rは、アルキル基であり、X
は、アルキル基、官能基を有するアルキル基、またはハ
ロゲンであり、aは、Mの原子価であり、またnは、1
からaまでの整数である。式(1)の化合物のうち、n
=a、つまりMにアルコキシ基のみが結合した化合物が
汎用される。
明の吸湿性コーティング組成物は、無機アルコキシドお
よび該アルコキシドが、加水分解・重縮合して形成され
るOH基を有するポリマーのうちの少なくとも1種と、
吸水性有機ポリマーと、触媒と、および水含有有機溶媒
を含有する、吸湿性コーティング組成物である。本発明
に用いられる無機アルコキシドは、例えば、次式(1)
で示される化合物の少なくとも1種である。 M(OR)n(X)a-n (1) ここで、Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、
V、Sn、Li、Be、B、およびPからなる群から選
択される無機原子であり、Rは、アルキル基であり、X
は、アルキル基、官能基を有するアルキル基、またはハ
ロゲンであり、aは、Mの原子価であり、またnは、1
からaまでの整数である。式(1)の化合物のうち、n
=a、つまりMにアルコキシ基のみが結合した化合物が
汎用される。
【0009】上記MがSiの場合は、アルコキシドは、
Si(OR1)4で表される。ここでR1は、好ましくは
炭素数1〜4の低級アルキル基である。このようなアル
コキシシランとしては、Si(OCH3)4、Si(OC
2H5)4などが挙げられる。
Si(OR1)4で表される。ここでR1は、好ましくは
炭素数1〜4の低級アルキル基である。このようなアル
コキシシランとしては、Si(OCH3)4、Si(OC
2H5)4などが挙げられる。
【0010】上記MがAlの場合は、アルコキシドは、
Al(OR2)3で表される。ここでR2は、好ましくは
低級アルキル基である。このようなアルミニウムアルコ
キシドとしては、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)
3、Al(O−n−C3H7)3、Al(O−iso−C
3H7)3、Al(OC4H9)3などが挙げられる。上記ア
ルミニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなアルミニウムアルコキシドは、通
常、上記アルコキシシランと混合して用いられ、アルミ
ニウムアルコキシドを用いることによって、得られるコ
ーティング膜の透光性や耐熱性が向上する。アルミニウ
ムアルコキシドの使用量は、好ましくは上記アルコキシ
シラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であ
り、さらに好ましくは約5重量部である。10重量部を
上回ると、形成されるポリマーがゲル化しやすくなり、
得られるコーティング膜に亀裂が生じる場合がある。
Al(OR2)3で表される。ここでR2は、好ましくは
低級アルキル基である。このようなアルミニウムアルコ
キシドとしては、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)
3、Al(O−n−C3H7)3、Al(O−iso−C
3H7)3、Al(OC4H9)3などが挙げられる。上記ア
ルミニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなアルミニウムアルコキシドは、通
常、上記アルコキシシランと混合して用いられ、アルミ
ニウムアルコキシドを用いることによって、得られるコ
ーティング膜の透光性や耐熱性が向上する。アルミニウ
ムアルコキシドの使用量は、好ましくは上記アルコキシ
シラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であ
り、さらに好ましくは約5重量部である。10重量部を
上回ると、形成されるポリマーがゲル化しやすくなり、
得られるコーティング膜に亀裂が生じる場合がある。
【0011】上記MがTiの場合には、アルコキシド
は、Ti(OR3)4で表される。ここでR3は好ましく
は低級アルキル基である。このようなチタニウムアルコ
キシドとしては、Ti(O−CH3)4、Ti(O−C2
H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−iso−C
3H7)4、Ti(O−C4H9)4などが挙げられる。上記
チタニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなチタニウムアルコキシドは、通常、
上記アルコキシシランと混合して用いられ、チタニウム
アルコキシドを用いることによって、得られるコーティ
ング膜の耐紫外線性は向上し、基材の耐熱性も著しく向
上する。チタニウムアルコキシドの使用量は、上記アル
コキシシラン100重量部に対して3重量部以下の範囲
であり、好ましくは約1重量部である。3重量部を上回
ると、形成されるポリマーが脆化し、基材を被覆した際
にコーティング膜が剥離しやすくなる。
は、Ti(OR3)4で表される。ここでR3は好ましく
は低級アルキル基である。このようなチタニウムアルコ
キシドとしては、Ti(O−CH3)4、Ti(O−C2
H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−iso−C
3H7)4、Ti(O−C4H9)4などが挙げられる。上記
チタニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなチタニウムアルコキシドは、通常、
上記アルコキシシランと混合して用いられ、チタニウム
アルコキシドを用いることによって、得られるコーティ
ング膜の耐紫外線性は向上し、基材の耐熱性も著しく向
上する。チタニウムアルコキシドの使用量は、上記アル
コキシシラン100重量部に対して3重量部以下の範囲
であり、好ましくは約1重量部である。3重量部を上回
ると、形成されるポリマーが脆化し、基材を被覆した際
にコーティング膜が剥離しやすくなる。
【0012】上記MがZrの場合には、アルコキシド
は、Zr(OR4)4で表される。ここでR4は、好まし
くは低級アルキル基である。このようなジルコニウムア
ルコキシドとしては、Zr (OCH3)4、Zr(OC
2H5)4、Zr(O−iso−C3H7)4、Zr(O−t−
C4H9)4、Zr(O−n−C4H9)4などが挙げられ
る。上記ジルコニウムアルコキシドは、2種類以上を混
合して用いてもよい。このようなジルコニウムアルコキ
シドは、通常、上記アルコキシシランと混合して用いら
れ、ジルコニウムアルコキシドを用いることによって、
得られるコーティング膜の靭性や耐熱性が向上する。ジ
ルコニウムアルコキシドの使用量は、上記アルコキシシ
ラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、
好ましくは約3重量部である。5重量部を上回ると、形
成されるポリマーがゲル化しやすくなり、ポリマーの脆
性が大きくなり、基材を被覆した際にコーティング膜が
剥離しやすくなる。
は、Zr(OR4)4で表される。ここでR4は、好まし
くは低級アルキル基である。このようなジルコニウムア
ルコキシドとしては、Zr (OCH3)4、Zr(OC
2H5)4、Zr(O−iso−C3H7)4、Zr(O−t−
C4H9)4、Zr(O−n−C4H9)4などが挙げられ
る。上記ジルコニウムアルコキシドは、2種類以上を混
合して用いてもよい。このようなジルコニウムアルコキ
シドは、通常、上記アルコキシシランと混合して用いら
れ、ジルコニウムアルコキシドを用いることによって、
得られるコーティング膜の靭性や耐熱性が向上する。ジ
ルコニウムアルコキシドの使用量は、上記アルコキシシ
ラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、
好ましくは約3重量部である。5重量部を上回ると、形
成されるポリマーがゲル化しやすくなり、ポリマーの脆
性が大きくなり、基材を被覆した際にコーティング膜が
剥離しやすくなる。
【0013】上記以外のアルコキシドとしては、例え
ば、Ca(OC2H5)2、Fe(OC2H5)3、V(O−
iso−C3H7)4、Sn(O−t−C4H9)4、Li(O
C2H5)、Be(OC3H5)2、B(OC2H5)3、P
(OC2H5)2、P(OCH3)3などが挙げられる。
ば、Ca(OC2H5)2、Fe(OC2H5)3、V(O−
iso−C3H7)4、Sn(O−t−C4H9)4、Li(O
C2H5)、Be(OC3H5)2、B(OC2H5)3、P
(OC2H5)2、P(OCH3)3などが挙げられる。
【0014】式(1)で示される無機アルコキシドのう
ちn=a−1以下の場合、つまりMにアルコキシ以外の
基Xが結合している化合物としては、例えば、XがC
l、Brのようなハロゲンである化合物がある。Xがハ
ロゲンである化合物には、アルコキシ基と同様に加水分
解されてOH基を生じ重縮合反応が起こる。Xはまた、
アルキル基や官能基を有するアルキル基であり得、この
アルキル基の炭素数は通常1〜15である。このような
基は、加水分解されずに得られるポリマー中に有機部分
として残留する。上記官能基としては、カルボキシル
基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基な
どがある。
ちn=a−1以下の場合、つまりMにアルコキシ以外の
基Xが結合している化合物としては、例えば、XがC
l、Brのようなハロゲンである化合物がある。Xがハ
ロゲンである化合物には、アルコキシ基と同様に加水分
解されてOH基を生じ重縮合反応が起こる。Xはまた、
アルキル基や官能基を有するアルキル基であり得、この
アルキル基の炭素数は通常1〜15である。このような
基は、加水分解されずに得られるポリマー中に有機部分
として残留する。上記官能基としては、カルボキシル
基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基な
どがある。
【0015】Xを有する式(1)の化合物としては、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシシランなど
が挙げられる。
ニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシシランなど
が挙げられる。
【0016】本発明に用いられる吸水性有機ポリマーと
しては、ポリアクリル酸類またはポリアルキレンオキサ
イドが好適に利用できる。前記ポリアクリル酸類として
は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの
塩類から選択される少なくとも1種である。また、前記
ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオ
キサイドなどが挙げられ、ポリエチレンオキサイドが特
に好ましい。通常、重量平均分子量30,000〜1,
500,000、好ましくは500,000〜750,
000のポリアルキレンオキサイドが用いられる。ま
た、その他の吸水性有機ポリマーとして、ポリ2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、
ポリオキサゾリン、ポリビニルアルコール系、エチレン
ビニルアルコール共重合体、イソブチレン無水マレイン
酸共重合体系、ポリアクリル酸アミド系、ポリオキシエ
チレン系、多糖類などが好適に利用できる。前記多糖類
としては、セルロース系では、ビスコース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロースなどが挙げられる。また、前記多糖類として
は、デンプン系では、可溶性デンプン、カルボキシメチ
ルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。
また、前記吸水性有機ポリマーの他に、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートのモノマー、セピオライト、シリ
カゲル、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、カラジーナン、アガロース、カオリンなども利用
できる。
しては、ポリアクリル酸類またはポリアルキレンオキサ
イドが好適に利用できる。前記ポリアクリル酸類として
は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの
塩類から選択される少なくとも1種である。また、前記
ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオ
キサイドなどが挙げられ、ポリエチレンオキサイドが特
に好ましい。通常、重量平均分子量30,000〜1,
500,000、好ましくは500,000〜750,
000のポリアルキレンオキサイドが用いられる。ま
た、その他の吸水性有機ポリマーとして、ポリ2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、
ポリオキサゾリン、ポリビニルアルコール系、エチレン
ビニルアルコール共重合体、イソブチレン無水マレイン
酸共重合体系、ポリアクリル酸アミド系、ポリオキシエ
チレン系、多糖類などが好適に利用できる。前記多糖類
としては、セルロース系では、ビスコース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロースなどが挙げられる。また、前記多糖類として
は、デンプン系では、可溶性デンプン、カルボキシメチ
ルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。
また、前記吸水性有機ポリマーの他に、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートのモノマー、セピオライト、シリ
カゲル、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、カラジーナン、アガロース、カオリンなども利用
できる。
【0017】本発明に用いられ得る触媒としては、加水
分解触媒および硬化触媒が挙げられる。加水分解触媒は
無機アルコキシドの加水分解反応に用いられる。従っ
て、予め無機アルコキシドがある程度加水分解されて、
重縮合し、OH基を有するポリマー(比較的低分子量の
オリゴマーであり得る)を使用する場合には、加水分解
触媒は不要となり得る。
分解触媒および硬化触媒が挙げられる。加水分解触媒は
無機アルコキシドの加水分解反応に用いられる。従っ
て、予め無機アルコキシドがある程度加水分解されて、
重縮合し、OH基を有するポリマー(比較的低分子量の
オリゴマーであり得る)を使用する場合には、加水分解
触媒は不要となり得る。
【0018】上記加水分解触媒としては、塩酸、硫酸、
硝酸などの鉱酸などが用いられる。鉱酸の無水物、例え
ば、塩化水素ガスも用いられ得る。この他に有機酸やそ
の無水物も利用され得る。それには例えば、酒石酸、フ
タル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレ
ンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ド
デシルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロ
レンディック酸などが挙げられる。これらの酸触媒は、
アルコキシド100重量部に対して0.01〜0.5重
量部、好ましくは0.015〜0.3重量部である。
0.01重量部未満の場合には加水分解が不充分となる
おそれがあり、0.5重量部を越える場合には重縮合反
応が進行し、粘度が増大するおそれがある。
硝酸などの鉱酸などが用いられる。鉱酸の無水物、例え
ば、塩化水素ガスも用いられ得る。この他に有機酸やそ
の無水物も利用され得る。それには例えば、酒石酸、フ
タル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレ
ンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ド
デシルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロ
レンディック酸などが挙げられる。これらの酸触媒は、
アルコキシド100重量部に対して0.01〜0.5重
量部、好ましくは0.015〜0.3重量部である。
0.01重量部未満の場合には加水分解が不充分となる
おそれがあり、0.5重量部を越える場合には重縮合反
応が進行し、粘度が増大するおそれがある。
【0019】上記硬化触媒は、主としてアルコキシドの
加水分解物の重縮合反応の触媒として、且つ吸水性有機
ポリマーの架橋反応の触媒として、且つ該加水分解物、
上記OH基を有するポリマーおよび吸水性有機ポリマー
相互間の重縮合反応および/または架橋反応の触媒とし
て用いられる。このような硬化触媒としては、1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、第4級
ホスホニウム塩、有機アミン、アミノ酸、金属アセチル
アセトネート、有機酸金属塩、ルイス酸、過酸化物の中
の少なくとも1種を好適に利用できる。上記第4級ホス
ホニウム塩としては、テトラキス(ヒドロキシメチル)
ホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドなどが挙げられる。上記有機アミンとしては、エ
チルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リペンチルアミン、トリプロパルギルアミン、N,N,
N−トリメチルエチレンジアミン、n−ヘキシルアミン
などが挙げられる。上記アミノ酸としては、グリシンな
どがある。上記金属アセチルアセトネートとしては、ア
ルミニウムアセチルアセトネート、インジウムアセチル
アセトネート、クロムアセチルアセトネート、チタニウ
ムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネー
トなどが挙げられる。前記金属アセチルアセトネートで
は、好ましくは、アルミニウムアセチルアセトネートが
用いられる。上記有機酸金属塩としては、酢酸ナトリウ
ム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸
亜鉛、オクチル酸錫などが挙げられる。上記ルイス酸と
しては、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、
塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンチモンなどが挙げられ
る。上記過酸化物としては、過酸化水素があげられる。
上記硬化触媒の使用量は、好ましくは、吸湿性コーティ
ング組成物中の、アルコキシド、OH基を有するポリマ
ー、および吸水性有機ポリマーの合計量100重量部に
対して、0.01〜2重量部、さらに好ましくは、0.
05重量部である。2重量部を上回る量を用いる場合に
は、重縮合が急速に進行するため、下記有機溶媒に溶け
にくくなり、得られる被膜が不均一となるため、強度が
低下するおそれがある。
加水分解物の重縮合反応の触媒として、且つ吸水性有機
ポリマーの架橋反応の触媒として、且つ該加水分解物、
上記OH基を有するポリマーおよび吸水性有機ポリマー
相互間の重縮合反応および/または架橋反応の触媒とし
て用いられる。このような硬化触媒としては、1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、第4級
ホスホニウム塩、有機アミン、アミノ酸、金属アセチル
アセトネート、有機酸金属塩、ルイス酸、過酸化物の中
の少なくとも1種を好適に利用できる。上記第4級ホス
ホニウム塩としては、テトラキス(ヒドロキシメチル)
ホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドなどが挙げられる。上記有機アミンとしては、エ
チルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リペンチルアミン、トリプロパルギルアミン、N,N,
N−トリメチルエチレンジアミン、n−ヘキシルアミン
などが挙げられる。上記アミノ酸としては、グリシンな
どがある。上記金属アセチルアセトネートとしては、ア
ルミニウムアセチルアセトネート、インジウムアセチル
アセトネート、クロムアセチルアセトネート、チタニウ
ムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネー
トなどが挙げられる。前記金属アセチルアセトネートで
は、好ましくは、アルミニウムアセチルアセトネートが
用いられる。上記有機酸金属塩としては、酢酸ナトリウ
ム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸
亜鉛、オクチル酸錫などが挙げられる。上記ルイス酸と
しては、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、
塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンチモンなどが挙げられ
る。上記過酸化物としては、過酸化水素があげられる。
上記硬化触媒の使用量は、好ましくは、吸湿性コーティ
ング組成物中の、アルコキシド、OH基を有するポリマ
ー、および吸水性有機ポリマーの合計量100重量部に
対して、0.01〜2重量部、さらに好ましくは、0.
05重量部である。2重量部を上回る量を用いる場合に
は、重縮合が急速に進行するため、下記有機溶媒に溶け
にくくなり、得られる被膜が不均一となるため、強度が
低下するおそれがある。
【0020】本発明に用いられる有機溶媒としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなどの水と相溶性のある溶媒
が用いられる。この有機溶媒は水と共に用いられる。上
記有機溶媒の使用量は、好ましくは、アルコキシド、上
記OH基を有するポリマー、吸水性有機ポリマーおよび
塩基性触媒の合計100重量部に対して100〜500
0重量部であり、さらに好ましくは約3000重量部で
ある。
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなどの水と相溶性のある溶媒
が用いられる。この有機溶媒は水と共に用いられる。上
記有機溶媒の使用量は、好ましくは、アルコキシド、上
記OH基を有するポリマー、吸水性有機ポリマーおよび
塩基性触媒の合計100重量部に対して100〜500
0重量部であり、さらに好ましくは約3000重量部で
ある。
【0021】上記吸湿性コーティング組成物には、さら
に、少なくとも1種の吸水性無機組成物を含有させても
よい。前記吸水性無機組成物としては、セピオライト、
シリカゲルなどが挙げられる。また、上記吸湿性コーテ
ィング組成物には、さらに、少なくとも1種のポリアク
リル酸類を含有させてもよい。前記ポリアクリル酸類と
しては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、これらの
塩類などが挙げられる。上記ポリアクリル酸類の使用量
は、好ましくは、吸湿性コーティング組成物100重量
部に対して、0.1〜10重量部である。0.1重量部
未満の場合には、得られる組成物は吸水スピードが遅く
なるおそれがあり、10重量部を越える場合には、得ら
れる組成物のタックが生じるおそれがある。特に得られ
る組成物を硬度を有する部材に適用する場合には、上記
ポリアクリル酸類は、吸湿性コーティング組成物100
重量部に対して、0.1〜0.5重量部の範囲の割合で
使用することが好ましい。0.5重量部を越える場合に
は、得られる組成物により形成される膜の硬度が低くな
るおそれがある。
に、少なくとも1種の吸水性無機組成物を含有させても
よい。前記吸水性無機組成物としては、セピオライト、
シリカゲルなどが挙げられる。また、上記吸湿性コーテ
ィング組成物には、さらに、少なくとも1種のポリアク
リル酸類を含有させてもよい。前記ポリアクリル酸類と
しては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、これらの
塩類などが挙げられる。上記ポリアクリル酸類の使用量
は、好ましくは、吸湿性コーティング組成物100重量
部に対して、0.1〜10重量部である。0.1重量部
未満の場合には、得られる組成物は吸水スピードが遅く
なるおそれがあり、10重量部を越える場合には、得ら
れる組成物のタックが生じるおそれがある。特に得られ
る組成物を硬度を有する部材に適用する場合には、上記
ポリアクリル酸類は、吸湿性コーティング組成物100
重量部に対して、0.1〜0.5重量部の範囲の割合で
使用することが好ましい。0.5重量部を越える場合に
は、得られる組成物により形成される膜の硬度が低くな
るおそれがある。
【0022】本発明においては、親水性基を含有するフ
ッ素系界面活性剤を含有してもよく、複合材料の表面
は、前記フッ素系界面活性剤に由来する撥水・撥油部分
と、吸湿性コーティング組成物に由来する親水性部分と
が微視的に分散する。これによって、複合材料表面にお
いては、親油性、疎水性あるいは親水性の汚染物質がい
ずれも付着しにくく、付着してもその付着は不安定であ
り、容易に脱落すため、表面を清浄に保ち、長期間に渡
って、良好な吸水性を保持することができる。前記フッ
素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基
含有オリゴマー、トリフルオロプロピルトリクロルシラ
ン、トリフルオロプロピルブロムシラン、トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルト
リエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメ
トキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキ
シシラン等を好適に利用できる。
ッ素系界面活性剤を含有してもよく、複合材料の表面
は、前記フッ素系界面活性剤に由来する撥水・撥油部分
と、吸湿性コーティング組成物に由来する親水性部分と
が微視的に分散する。これによって、複合材料表面にお
いては、親油性、疎水性あるいは親水性の汚染物質がい
ずれも付着しにくく、付着してもその付着は不安定であ
り、容易に脱落すため、表面を清浄に保ち、長期間に渡
って、良好な吸水性を保持することができる。前記フッ
素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基
含有オリゴマー、トリフルオロプロピルトリクロルシラ
ン、トリフルオロプロピルブロムシラン、トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルト
リエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメ
トキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキ
シシラン等を好適に利用できる。
【0023】本発明においては、さらに、上記吸湿性コ
ーティング組成物中に、熱線吸収性を有する銀イオンを
含有させても良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、
太陽光などの輻射による室内温度の上昇を抑制すること
ができる。
ーティング組成物中に、熱線吸収性を有する銀イオンを
含有させても良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、
太陽光などの輻射による室内温度の上昇を抑制すること
ができる。
【0024】また、本発明においては、さらに、上記吸
湿性コーティング組成物中に、熱線吸収材を含有させて
も良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、太陽光など
の輻射による室内温度の上昇を抑制できると共に、ガラ
ス表面の温度を高めて水滴が付着し難くくすることがで
きる。前記熱線吸収材としては、銀イオンを好適に利用
できる。
湿性コーティング組成物中に、熱線吸収材を含有させて
も良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、太陽光など
の輻射による室内温度の上昇を抑制できると共に、ガラ
ス表面の温度を高めて水滴が付着し難くくすることがで
きる。前記熱線吸収材としては、銀イオンを好適に利用
できる。
【0025】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、紫外線吸収剤を含有させても良
く、ガラスなどの透明材に利用すれば、人体に有害な短
波長太陽光線などを遮断できる。上記紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリ
シレート系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、
Ceなどが挙げられる。
ティング組成物中に、紫外線吸収剤を含有させても良
く、ガラスなどの透明材に利用すれば、人体に有害な短
波長太陽光線などを遮断できる。上記紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリ
シレート系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、
Ceなどが挙げられる。
【0026】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、抗カビ剤、抗菌剤、あるいは防虫
剤を含有させてもよく、カビ、細菌類の繁殖を発生、繁
殖を防止できる。抗菌防カビ剤としては、スルホン酸ナ
トリウム、イソチアゾリン系、安息香酸系、10,10
−オキシビスフェノキシアルシン、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタールイミド、2−メチルカルボニール
アミノベンツイミダゾール、銀、銅、ゼオライト、銀リ
ン酸ジルコニウム、銀ハイドロアパタイト、銀リン酸塩
ガラス、銀リン酸塩セラミックなどが挙げられる。
ティング組成物中に、抗カビ剤、抗菌剤、あるいは防虫
剤を含有させてもよく、カビ、細菌類の繁殖を発生、繁
殖を防止できる。抗菌防カビ剤としては、スルホン酸ナ
トリウム、イソチアゾリン系、安息香酸系、10,10
−オキシビスフェノキシアルシン、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタールイミド、2−メチルカルボニール
アミノベンツイミダゾール、銀、銅、ゼオライト、銀リ
ン酸ジルコニウム、銀ハイドロアパタイト、銀リン酸塩
ガラス、銀リン酸塩セラミックなどが挙げられる。
【0027】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、香料を含有させてもよく、乗り物
や建物内に利用すれば、より快適に過ごすことができ
る。前記香料としては、アニス油、アビエス油、イラン
イラン油、イリス油、ウイキョウ油、オークモス、オレ
ンジ油、カシヤ油、キャラウェ油、カユブテ油、シンナ
モン油、ジャスミン花精油、レモングラス油、ローズ
油、ローズマリー油などが挙げられる。
ティング組成物中に、香料を含有させてもよく、乗り物
や建物内に利用すれば、より快適に過ごすことができ
る。前記香料としては、アニス油、アビエス油、イラン
イラン油、イリス油、ウイキョウ油、オークモス、オレ
ンジ油、カシヤ油、キャラウェ油、カユブテ油、シンナ
モン油、ジャスミン花精油、レモングラス油、ローズ
油、ローズマリー油などが挙げられる。
【0028】本発明によれば、高吸水性複合組成物は、
例えば、以下のようにして形成される。まず上記吸湿性
コーティング組成物の各成分を混合して透明から半透明
の塗工液を得る。次いで、この塗工液を上記基材の少な
くとも片面に塗工し、これを80℃以上の温度、好まし
くは120℃〜200℃の範囲内で加熱乾燥させること
により、本発明の被覆基材が得られる。必要に応じて、
上記塗工液を数回重ねて塗工した後、上記加熱処理を行
ってもよい。
例えば、以下のようにして形成される。まず上記吸湿性
コーティング組成物の各成分を混合して透明から半透明
の塗工液を得る。次いで、この塗工液を上記基材の少な
くとも片面に塗工し、これを80℃以上の温度、好まし
くは120℃〜200℃の範囲内で加熱乾燥させること
により、本発明の被覆基材が得られる。必要に応じて、
上記塗工液を数回重ねて塗工した後、上記加熱処理を行
ってもよい。
【0029】本発明の吸湿性コーティング組成物におい
ては、無機アルコキシドが加水分解触媒の作用により加
水分解し、アルコキシ基およびハロゲン(X)がOH基
に変化する。さらに硬化触媒の作用により、OH基の脱
プロトン化が起こり、その結果、加水分解物が重縮合を
開始し、分子内にOH基を有するポリマーあるいはオリ
ゴマーを形成する。これと同時に硬化触媒により、組成
物中に存在する吸水性有機ポリマーのOH基部分が、上
記加水分解アルコキシドやOH基を有するポリマーある
いはオリゴマーと反応し、(1)式のMで示されるSi
などの無機部分と、吸水性有機ポリマー由来の有機部分
とを有する複合ポリマーが形成される。組成物の各成分
を混合すると、上記のように加水分解反応および重縮合
反応が部分的に進行するため、無機アルコキシド、その
加水分解物、該加水分解物の重縮合オリゴマーまたはポ
リマー、吸水性有機ポリマー、上記アルコキシド由来の
加水分解物と吸水性有機ポリマーとの重縮合あるいは架
橋反応物が混合した、コロイド状ゾルの状態となる。
(1)式のXが特定の官能基を有する場合には、さら
に、この官能基が反応を行う場合もある。例えば、Xが
エポキシ基を有する基である場合には、このエポキシ基
が塩基触媒により開環して、OH基を生じ、さらにアル
コキシドや吸水性有機ポリマーとの反応が進行する。X
がビニル基を有する基である場合には、このビニル基の
部分に反応性のモノマーを結合させることも可能であ
る。
ては、無機アルコキシドが加水分解触媒の作用により加
水分解し、アルコキシ基およびハロゲン(X)がOH基
に変化する。さらに硬化触媒の作用により、OH基の脱
プロトン化が起こり、その結果、加水分解物が重縮合を
開始し、分子内にOH基を有するポリマーあるいはオリ
ゴマーを形成する。これと同時に硬化触媒により、組成
物中に存在する吸水性有機ポリマーのOH基部分が、上
記加水分解アルコキシドやOH基を有するポリマーある
いはオリゴマーと反応し、(1)式のMで示されるSi
などの無機部分と、吸水性有機ポリマー由来の有機部分
とを有する複合ポリマーが形成される。組成物の各成分
を混合すると、上記のように加水分解反応および重縮合
反応が部分的に進行するため、無機アルコキシド、その
加水分解物、該加水分解物の重縮合オリゴマーまたはポ
リマー、吸水性有機ポリマー、上記アルコキシド由来の
加水分解物と吸水性有機ポリマーとの重縮合あるいは架
橋反応物が混合した、コロイド状ゾルの状態となる。
(1)式のXが特定の官能基を有する場合には、さら
に、この官能基が反応を行う場合もある。例えば、Xが
エポキシ基を有する基である場合には、このエポキシ基
が塩基触媒により開環して、OH基を生じ、さらにアル
コキシドや吸水性有機ポリマーとの反応が進行する。X
がビニル基を有する基である場合には、このビニル基の
部分に反応性のモノマーを結合させることも可能であ
る。
【0030】このようなコーティング組成物を基材に塗
工し、乾燥後、80℃以上で熱処理を行うと、上記中縮
合反応および架橋反応が進行し、三次元構造を有する複
合ポリマーが形成される。このポリマーは無機部分と有
機部分とを有するポリマーである。すなわち、このポリ
マーは、無機部分である不溶性骨格を有しているため、
このポリマーにより形成される被膜は、水および有機溶
剤に不溶であり、高い表面硬度を有する。さらに、この
ポリマーは、有機部分である吸水性有機ポリマーを有し
ているため、形成された被膜表面部分に吸水性有機ポリ
マーに由来する親水部分が存在し、その部分に水分が吸
着する。さらに、上記(1)式X基の末端にカルボニル
基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、アミノ基、
エポキシ基などを有する場合には、さらにその基にも水
分が吸着する。
工し、乾燥後、80℃以上で熱処理を行うと、上記中縮
合反応および架橋反応が進行し、三次元構造を有する複
合ポリマーが形成される。このポリマーは無機部分と有
機部分とを有するポリマーである。すなわち、このポリ
マーは、無機部分である不溶性骨格を有しているため、
このポリマーにより形成される被膜は、水および有機溶
剤に不溶であり、高い表面硬度を有する。さらに、この
ポリマーは、有機部分である吸水性有機ポリマーを有し
ているため、形成された被膜表面部分に吸水性有機ポリ
マーに由来する親水部分が存在し、その部分に水分が吸
着する。さらに、上記(1)式X基の末端にカルボニル
基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、アミノ基、
エポキシ基などを有する場合には、さらにその基にも水
分が吸着する。
【0031】上記コーティング組成物にさらにポリアク
リル酸類を含有させる場合には、得られる吸湿性コーテ
ィング組成物の吸湿性が向上する。
リル酸類を含有させる場合には、得られる吸湿性コーテ
ィング組成物の吸湿性が向上する。
【0032】請求項2に記載の複合材料は、発明の吸湿
性コーティング組成物は、無機アルコキシドおよび該ア
ルコキシドが、加水分解・重縮合して形成されるOH基
を有するポリマーのうちの少なくとも1種と、塩基性吸
水性ポリマーと、加水分解触媒と、および水含有有機溶
媒を含有する、吸湿性コーティング組成物である。
性コーティング組成物は、無機アルコキシドおよび該ア
ルコキシドが、加水分解・重縮合して形成されるOH基
を有するポリマーのうちの少なくとも1種と、塩基性吸
水性ポリマーと、加水分解触媒と、および水含有有機溶
媒を含有する、吸湿性コーティング組成物である。
【0033】上記塩基性吸水性ポリマーは、アルコキシ
ドの加水分解物の重縮合反応の触媒として働くと同時
に、OH基を有するポリマーと重縮合反応及び/または
架橋反応する。上記塩基性吸水性ポリマーとしては、メ
チレンビスアクリルアミド(MBAA)、ポリ(オキシ
エチレン)ジプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)
ラウリルアミンなどが好適に利用できる。
ドの加水分解物の重縮合反応の触媒として働くと同時
に、OH基を有するポリマーと重縮合反応及び/または
架橋反応する。上記塩基性吸水性ポリマーとしては、メ
チレンビスアクリルアミド(MBAA)、ポリ(オキシ
エチレン)ジプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)
ラウリルアミンなどが好適に利用できる。
【0034】上記吸水性複合材料の基材は、特に限定さ
れず、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、
それらの組合わせ、それらの積層体が好適に利用でき
る。基材は部材の用途を勘案して決定されてよい。
れず、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、
それらの組合わせ、それらの積層体が好適に利用でき
る。基材は部材の用途を勘案して決定されてよい。
【0035】特に、鏡用基材には、裏面に反射コートを
設けたガラス基材からなる鏡、裏面に反射コートを設け
た透明プラスチックからなる鏡、プラスチック、ガラ
ス、金属等の基材表面に反射コートを設けた鏡、プラス
チック、ガラス、金属等の基材表面に反射コートを設
け、さらにその上に透明なハードコートを設けた鏡、鏡
面研磨した金属基材からなる鏡、鏡面研磨した金属基材
からなる鏡の表面に透明なハードコートを設けた鏡、裏
面に反射コートを設けた透明プラスチック基材の上に透
明なハードコートを設けた鏡、等が好適に利用できる。
基材と表面層との間には、基材との密着性向上等の目的
で透明な中間層を設けてもよい。
設けたガラス基材からなる鏡、裏面に反射コートを設け
た透明プラスチックからなる鏡、プラスチック、ガラ
ス、金属等の基材表面に反射コートを設けた鏡、プラス
チック、ガラス、金属等の基材表面に反射コートを設
け、さらにその上に透明なハードコートを設けた鏡、鏡
面研磨した金属基材からなる鏡、鏡面研磨した金属基材
からなる鏡の表面に透明なハードコートを設けた鏡、裏
面に反射コートを設けた透明プラスチック基材の上に透
明なハードコートを設けた鏡、等が好適に利用できる。
基材と表面層との間には、基材との密着性向上等の目的
で透明な中間層を設けてもよい。
【0036】本発明の第一の態様を図1に示す。複合材
料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物1は、
無機質骨格を形成するシリコーンまたはシリカ3と光触
媒性酸化物4とが分散されて成る。光触媒を光励起する
と、シリコーンまたはシリカの表面が高度に親水化さ
れ、複合材料の表面に空気中の水分が水酸基の形で化学
吸着される。このように付着した凝縮水や水滴は速やか
に水膜化され、表面に一様に広がるので、表面は高度の
防曇性を発揮する。また、複合材料の表面は、疎水性の
汚染物などが付着しにくく、また付着してもその付着は
不安定であり、さらに、光触媒の酸化分解作用が加わる
結果、容易にその付着物は分解、脱離し、部材表面は清
浄な状態に維持される。
料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物1は、
無機質骨格を形成するシリコーンまたはシリカ3と光触
媒性酸化物4とが分散されて成る。光触媒を光励起する
と、シリコーンまたはシリカの表面が高度に親水化さ
れ、複合材料の表面に空気中の水分が水酸基の形で化学
吸着される。このように付着した凝縮水や水滴は速やか
に水膜化され、表面に一様に広がるので、表面は高度の
防曇性を発揮する。また、複合材料の表面は、疎水性の
汚染物などが付着しにくく、また付着してもその付着は
不安定であり、さらに、光触媒の酸化分解作用が加わる
結果、容易にその付着物は分解、脱離し、部材表面は清
浄な状態に維持される。
【0037】光触媒性酸化物4は下記のものを用いるこ
とができる。照射される光としては、光触媒性酸化物
が、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸
化亜鉛、チタン酸ストロンチウムの場合には、太陽光、
室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電灯、キセノンラン
プ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、B
LBランプによる光が好ましい。また、光触媒性酸化物
4が酸化錫の場合には、太陽光殺菌灯、BLBランプ等
による光が好ましい。さらに照射される光の照度は、部
材の組成、その用途などを勘案して適宜決定されてよい
が、基材表面の親水性部分が高度に親水化されかつその
状態が維持されるためには、励起光の照度は0.001
mW/cm2 以上であることが好ましく、より好ましく
は0.01mW/cm2 以上であり、最も好ましくは
0.1mW/cm2 以上である。
とができる。照射される光としては、光触媒性酸化物
が、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸
化亜鉛、チタン酸ストロンチウムの場合には、太陽光、
室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電灯、キセノンラン
プ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、B
LBランプによる光が好ましい。また、光触媒性酸化物
4が酸化錫の場合には、太陽光殺菌灯、BLBランプ等
による光が好ましい。さらに照射される光の照度は、部
材の組成、その用途などを勘案して適宜決定されてよい
が、基材表面の親水性部分が高度に親水化されかつその
状態が維持されるためには、励起光の照度は0.001
mW/cm2 以上であることが好ましく、より好ましく
は0.01mW/cm2 以上であり、最も好ましくは
0.1mW/cm2 以上である。
【0038】本態様において、シリコーン樹脂とは、好
ましくは下記の平均組成式(2)で表されるものであ
る: RpSiX(4-p)/2 (2) (式中、Rは、水素原子および有機基の一種または二種
以上の基からなる群から選択される基であり、Xはアル
コキシ基またはハロゲン原子であり、pは0<p<2を
満足する数である)。ここで、Rが表す有機基とは、ア
ルキル(より好ましくは炭素数1〜18の非置換アルキ
ル、最も好ましくは炭素数3〜18のアルキルである)
またはアリール(好ましくは、フェニルである)を意味
する。シリコーン樹脂の好ましい具体例としては、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチ
ルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロム
シラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ
t−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−
プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリ
t−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルト
リクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−
ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリ
t−ブトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、
n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリクロル
シラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリ
イソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシ
ラン、n−オクタトリメトキシシラン、n−オクタトリ
エトキシシラン、n−オクタトリクロルシラン、n−オ
クタトリブロムシラン、n−オクタトリイソプロポキシ
シラン、n−オクタトリt−ブトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、
フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルt−ブト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフ
ルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキ
シシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メ
タアクリロキプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メチル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプ
ロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブト
キシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリエトキシシランの加水分解、
脱水縮重合物が挙げられる。また、本態様において、シ
リカは無定型シリカが好ましい。
ましくは下記の平均組成式(2)で表されるものであ
る: RpSiX(4-p)/2 (2) (式中、Rは、水素原子および有機基の一種または二種
以上の基からなる群から選択される基であり、Xはアル
コキシ基またはハロゲン原子であり、pは0<p<2を
満足する数である)。ここで、Rが表す有機基とは、ア
ルキル(より好ましくは炭素数1〜18の非置換アルキ
ル、最も好ましくは炭素数3〜18のアルキルである)
またはアリール(好ましくは、フェニルである)を意味
する。シリコーン樹脂の好ましい具体例としては、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチ
ルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロム
シラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ
t−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−
プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリ
t−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルト
リクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−
ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリ
t−ブトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、
n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリクロル
シラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリ
イソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシ
ラン、n−オクタトリメトキシシラン、n−オクタトリ
エトキシシラン、n−オクタトリクロルシラン、n−オ
クタトリブロムシラン、n−オクタトリイソプロポキシ
シラン、n−オクタトリt−ブトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、
フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルt−ブト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフ
ルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキ
シシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メ
タアクリロキプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メチル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプ
ロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブト
キシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリエトキシシランの加水分解、
脱水縮重合物が挙げられる。また、本態様において、シ
リカは無定型シリカが好ましい。
【0039】さらに本発明の好ましい態様によれば、光
触媒性コーティング組成物層に、Ag、Cu、Znのよ
うな金属を添加することが好ましい。このような金属が
添加された表面層は、表面に付着した細菌や黴を暗所で
も死滅させることができ、よって防汚性をより向上させ
ることができる。また別の本発明の好ましい態様によれ
ば、光触媒性コーティング組成物層に、Pt、Pd、R
u、Rh、Ir、Osのような白金族金属を添加するこ
とができる。このような金属が添加された表面層は、光
触媒の酸化還元活性を増強でき、有機物汚れの分解性、
有害気体や悪臭の分解性を向上させることができる。
触媒性コーティング組成物層に、Ag、Cu、Znのよ
うな金属を添加することが好ましい。このような金属が
添加された表面層は、表面に付着した細菌や黴を暗所で
も死滅させることができ、よって防汚性をより向上させ
ることができる。また別の本発明の好ましい態様によれ
ば、光触媒性コーティング組成物層に、Pt、Pd、R
u、Rh、Ir、Osのような白金族金属を添加するこ
とができる。このような金属が添加された表面層は、光
触媒の酸化還元活性を増強でき、有機物汚れの分解性、
有害気体や悪臭の分解性を向上させることができる。
【0040】また、本発明の第二の態様を図2に示す。
複合材料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物
5は、無機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造
7を成し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取
り込んで、骨格の持つ接着力で固定される。吸湿性コー
ティング組成物5の三次元骨格7に内包される吸水性有
機ポリマー8は高い吸水性を有し、湯気のような微小な
水滴が鏡の表面に接すると、水分を表面で結露させるこ
となく、表面層を形成する吸湿性コーティング組成物5
中の吸水性有機ポリマー8に到達して吸収されるため、
曇りを防ぎ、反射像の可視性を保持することができる。
また、該吸湿性コーティング組成物5は、無機ポリマー
と有機ポリマーとが互いに架橋して結合されて成り、複
合材料の表面層は水及び有機溶剤に不溶の高耐久性膜で
被覆されることとなる。基材と表面層との間には、基材
との密着性向上等の目的で透明な中間層を設けてもよ
い。また、表面層は、さらに多孔質のハードコート膜で
被覆してもよく、これによって耐摩耗性、耐候性を向上
すると共に、反射光を低減することもできる。
複合材料の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物
5は、無機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造
7を成し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取
り込んで、骨格の持つ接着力で固定される。吸湿性コー
ティング組成物5の三次元骨格7に内包される吸水性有
機ポリマー8は高い吸水性を有し、湯気のような微小な
水滴が鏡の表面に接すると、水分を表面で結露させるこ
となく、表面層を形成する吸湿性コーティング組成物5
中の吸水性有機ポリマー8に到達して吸収されるため、
曇りを防ぎ、反射像の可視性を保持することができる。
また、該吸湿性コーティング組成物5は、無機ポリマー
と有機ポリマーとが互いに架橋して結合されて成り、複
合材料の表面層は水及び有機溶剤に不溶の高耐久性膜で
被覆されることとなる。基材と表面層との間には、基材
との密着性向上等の目的で透明な中間層を設けてもよ
い。また、表面層は、さらに多孔質のハードコート膜で
被覆してもよく、これによって耐摩耗性、耐候性を向上
すると共に、反射光を低減することもできる。
【0041】請求項4記載の発明によれば、吸水性複合
材料が、ヒーター、送風機を含む乾燥機を併設してな
る。本発明によると、上記高吸水性複合材料近傍に乾燥
機を併設することで、吸湿性コーティング組成物の吸水
能力を飛躍的に向上させ、より高い防露、防曇効果が得
られる。また、これにより、吸湿性コーティング組成物
の吸水速度制御すれば、雰囲気の調湿を行うことができ
る。
材料が、ヒーター、送風機を含む乾燥機を併設してな
る。本発明によると、上記高吸水性複合材料近傍に乾燥
機を併設することで、吸湿性コーティング組成物の吸水
能力を飛躍的に向上させ、より高い防露、防曇効果が得
られる。また、これにより、吸湿性コーティング組成物
の吸水速度制御すれば、雰囲気の調湿を行うことができ
る。
【0042】請求項5に記載の吸湿性複合材料は、表面
の硬度が、鉛筆硬度でHB〜6Hを有することを特徴と
する。本発明における複合材料の表面硬度は、耐傷つき
性を有するHB以上の高い鉛筆硬度を有する物が好適で
ある。尚、該複合材料表面の吸湿性コーティング組成物
被膜は、気孔率が高いほど吸湿性が向上し、防曇性能に
強く寄与するが、反面、膜の耐久性は低下する。また、
固い膜は、耐久性に優れるが、防曇性能が低くなる。該
複合材料の用途分野を勘案すると、適度の硬度をHB〜
6Hに設定することが好ましい。
の硬度が、鉛筆硬度でHB〜6Hを有することを特徴と
する。本発明における複合材料の表面硬度は、耐傷つき
性を有するHB以上の高い鉛筆硬度を有する物が好適で
ある。尚、該複合材料表面の吸湿性コーティング組成物
被膜は、気孔率が高いほど吸湿性が向上し、防曇性能に
強く寄与するが、反面、膜の耐久性は低下する。また、
固い膜は、耐久性に優れるが、防曇性能が低くなる。該
複合材料の用途分野を勘案すると、適度の硬度をHB〜
6Hに設定することが好ましい。
【0043】請求項6に記載の吸湿性複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜の膜厚が、0.5〜4μmで
あることを特徴とする。本発明による複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜の防曇能力が膜厚に依存す
る。より具体的には、吸湿性コーティング組成物が上記
の第一の態様である場合、該複合材料の防曇能力は、光
触媒の光活性により表面が高度に親水化されることによ
る。前記光触媒の光活性は、吸湿性コーティング組成物
被膜の膜厚に依存して高くなることが分かっている。ま
た、吸湿性コーティング組成物が上記の第二の態様であ
る場合、該複合材料の防曇能力は、吸湿性コーティング
組成物被膜の水の吸着容量によるところが大きく、膜厚
を大きくすることが望ましい。そして、上記いずれの態
様においても、膜の強度は膜厚を大きくすると低下する
ため、吸湿性コーティング組成物被膜の膜厚を0.5〜
4μmに設定することが好ましい。
性コーティング組成物被膜の膜厚が、0.5〜4μmで
あることを特徴とする。本発明による複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜の防曇能力が膜厚に依存す
る。より具体的には、吸湿性コーティング組成物が上記
の第一の態様である場合、該複合材料の防曇能力は、光
触媒の光活性により表面が高度に親水化されることによ
る。前記光触媒の光活性は、吸湿性コーティング組成物
被膜の膜厚に依存して高くなることが分かっている。ま
た、吸湿性コーティング組成物が上記の第二の態様であ
る場合、該複合材料の防曇能力は、吸湿性コーティング
組成物被膜の水の吸着容量によるところが大きく、膜厚
を大きくすることが望ましい。そして、上記いずれの態
様においても、膜の強度は膜厚を大きくすると低下する
ため、吸湿性コーティング組成物被膜の膜厚を0.5〜
4μmに設定することが好ましい。
【0044】請求項7に記載の吸湿性複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜の見かけの水の接触角が、3
0度以下であることを特徴とする。本発明の複合材料
が、良好な防曇性を発現するには、表面の親水性が有効
に寄与する。この親水性の程度は、水滴の見かけの接触
角で30°以下であることが好ましく、この時、該複合
材料の表面は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露さ
せることなく水膜を形成して曇りを防ぐ。
性コーティング組成物被膜の見かけの水の接触角が、3
0度以下であることを特徴とする。本発明の複合材料
が、良好な防曇性を発現するには、表面の親水性が有効
に寄与する。この親水性の程度は、水滴の見かけの接触
角で30°以下であることが好ましく、この時、該複合
材料の表面は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露さ
せることなく水膜を形成して曇りを防ぐ。
【0045】請求項8に記載の吸湿性複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜の固/気界面における見かけ
の表面エネルギの水素結合成分(γsh)が、25dyn
/cm以上であることを特徴とする。本発明の複合材料
が、良好な防曇性を発現するには、表面の親水性が有効
に寄与する。この親水性の程度は、表面エネルギの水素
結合成分で25dyn/cm以上であることが好まし
く、この時、該複合材料の表面は、雰囲気中の水分に触
れると水滴を結露させることなく水膜を形成して曇りを
防ぐ。
性コーティング組成物被膜の固/気界面における見かけ
の表面エネルギの水素結合成分(γsh)が、25dyn
/cm以上であることを特徴とする。本発明の複合材料
が、良好な防曇性を発現するには、表面の親水性が有効
に寄与する。この親水性の程度は、表面エネルギの水素
結合成分で25dyn/cm以上であることが好まし
く、この時、該複合材料の表面は、雰囲気中の水分に触
れると水滴を結露させることなく水膜を形成して曇りを
防ぐ。
【0046】請求項9に記載の吸湿性複合材料は、吸湿
性コーティング組成物被膜のヘイズが、1%以下である
ことを特徴とする。本発明による複合材料は、その用途
分野を勘案すると、透明性を有するものがよく、前記吸
湿性コーティング組成物被膜のヘイズが1%以下である
ものが好ましい。
性コーティング組成物被膜のヘイズが、1%以下である
ことを特徴とする。本発明による複合材料は、その用途
分野を勘案すると、透明性を有するものがよく、前記吸
湿性コーティング組成物被膜のヘイズが1%以下である
ものが好ましい。
【0047】請求項10に記載の吸湿性複合材料は、吸
湿性コーティング組成物被膜の比表面積が500〜50
00m2/gであることを特徴とする。本発明の吸湿性
複合材料が、良好な防曇性を発現するには、前記被膜の
比表面積が大きいものが好ましく、また、適度の膜強度
を担保するためには、比表面積の程度は、500〜50
00m2/gが好ましい。この時、該複合材料の表面
は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露させることな
く水膜を形成して曇りを防ぐ。
湿性コーティング組成物被膜の比表面積が500〜50
00m2/gであることを特徴とする。本発明の吸湿性
複合材料が、良好な防曇性を発現するには、前記被膜の
比表面積が大きいものが好ましく、また、適度の膜強度
を担保するためには、比表面積の程度は、500〜50
00m2/gが好ましい。この時、該複合材料の表面
は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露させることな
く水膜を形成して曇りを防ぐ。
【0048】請求項11に記載の吸湿性複合材料は、吸
湿性コーティング組成物被膜の水の吸着速度が、100
〜500g/g・minであることを特徴とする。吸湿
性を有する本発明の複合材料は、水の吸着速度が100
〜500g/g・minであり、この時、該複合材料の
表面は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露させるこ
となく水膜を形成して曇りを防ぐ。
湿性コーティング組成物被膜の水の吸着速度が、100
〜500g/g・minであることを特徴とする。吸湿
性を有する本発明の複合材料は、水の吸着速度が100
〜500g/g・minであり、この時、該複合材料の
表面は、雰囲気中の水分に触れると水滴を結露させるこ
となく水膜を形成して曇りを防ぐ。
【0049】請求項12に記載の吸湿性複合材料は、吸
湿性コーティング組成物被膜の水の吸着容量が、10〜
50kg/gであることを特徴とする。吸湿性を有する
本発明の複合材料は、水の吸着容量が10〜50kg/
gであり、この時、該複合材料の表面は、雰囲気中の水
分に触れると水滴を結露させることなく水膜を形成して
曇りを防ぐ。
湿性コーティング組成物被膜の水の吸着容量が、10〜
50kg/gであることを特徴とする。吸湿性を有する
本発明の複合材料は、水の吸着容量が10〜50kg/
gであり、この時、該複合材料の表面は、雰囲気中の水
分に触れると水滴を結露させることなく水膜を形成して
曇りを防ぐ。
【0050】建物の窓ガラス、レンズ、鏡、透明フィル
ム、計器盤のカバーガラス、その他防曇処理を要する基
材の表面は、無機質骨格、または無機質骨格に有機分子
が架橋したハイブリッド物質から成る透明な吸湿性コー
ティング組成物によって被覆される。
ム、計器盤のカバーガラス、その他防曇処理を要する基
材の表面は、無機質骨格、または無機質骨格に有機分子
が架橋したハイブリッド物質から成る透明な吸湿性コー
ティング組成物によって被覆される。
【0051】
【実施例】実施例1 エチルシリケート加水分解液(メタノール中エチルシリ
ケートを酸触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;90g)に、N,N−ジメチルベンジルアミン
(重量;0.01g)を加え常温(25℃)で5分間撹
拌する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子
量500,000) 5%濃度をメタノールに溶解した
液を9.09g加え、常温(25℃)で30分間撹拌
し、塗工液を調製した。塗工液は、淡く白濁している
が、これをガラス板の片面に塗工し、150℃で10分
間加熱乾燥したところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約
0.5μm)が得られた。同じ方法でさらに1回重ねて
(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を施したところ、透明
な塗工膜(塗工膜厚み:約1μm)が得られた。該試料
を試料1とする。上記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)
に5分間収納し、その後、25℃、湿度81%の雰囲気
下に放置したところ、ガラス板の塗工表面には、曇りは
全く発生しなかった。
ケートを酸触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;90g)に、N,N−ジメチルベンジルアミン
(重量;0.01g)を加え常温(25℃)で5分間撹
拌する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子
量500,000) 5%濃度をメタノールに溶解した
液を9.09g加え、常温(25℃)で30分間撹拌
し、塗工液を調製した。塗工液は、淡く白濁している
が、これをガラス板の片面に塗工し、150℃で10分
間加熱乾燥したところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約
0.5μm)が得られた。同じ方法でさらに1回重ねて
(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を施したところ、透明
な塗工膜(塗工膜厚み:約1μm)が得られた。該試料
を試料1とする。上記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)
に5分間収納し、その後、25℃、湿度81%の雰囲気
下に放置したところ、ガラス板の塗工表面には、曇りは
全く発生しなかった。
【0052】実施例2 実施例1と同様な方法で1回目の塗膜を行い、同じ方法
でさらに7回重ねて(合計8回)塗工し、加熱・乾燥を
施した。ところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約4μ
m)が得られた。該試料を試料2とする。上記塗工ガラ
ス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、25
℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラス板
の塗工表面には、曇りは全く発生しなかった。
でさらに7回重ねて(合計8回)塗工し、加熱・乾燥を
施した。ところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約4μ
m)が得られた。該試料を試料2とする。上記塗工ガラ
ス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、25
℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラス板
の塗工表面には、曇りは全く発生しなかった。
【0053】実施例3 エチルシリケート加水分解液(メタノール中エチルシリ
ケートを硬化触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;90g)に、メチレンビスアクリルアミド、
(重量;10g)を加え、常温(25℃)で5分間撹拌
する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量
500,000) を5%濃度にメタノールに溶解した
液を29.09g加え、常温(25℃)で30分間撹拌
し、塗工液を調製した。塗工液は、淡く白濁している
が、これをガラス板の片面に塗工し、150℃で10分
間加熱乾燥したところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約
0.5μm)が得られた。同じ方法でさらに1回重ねて
(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を施したところ、透明
な塗工膜(塗工膜厚み:約1μm)が得られた。該試料
を試料3とする。上記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)
に5分間収納し、その後、25℃、湿度81%の雰囲気
下に放置したところ、ガラス板の塗工表面には、曇りは
全く発生しなかった。
ケートを硬化触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;90g)に、メチレンビスアクリルアミド、
(重量;10g)を加え、常温(25℃)で5分間撹拌
する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量
500,000) を5%濃度にメタノールに溶解した
液を29.09g加え、常温(25℃)で30分間撹拌
し、塗工液を調製した。塗工液は、淡く白濁している
が、これをガラス板の片面に塗工し、150℃で10分
間加熱乾燥したところ、透明な塗工膜(塗工膜厚み:約
0.5μm)が得られた。同じ方法でさらに1回重ねて
(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を施したところ、透明
な塗工膜(塗工膜厚み:約1μm)が得られた。該試料
を試料3とする。上記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)
に5分間収納し、その後、25℃、湿度81%の雰囲気
下に放置したところ、ガラス板の塗工表面には、曇りは
全く発生しなかった。
【0054】比較例1 実施例1と同様な方法で1回目の塗膜を行ったところ、
透明な塗工膜(塗工膜厚み:約0.5μm)が得られ
た。該試料を比較試料1とする。上記塗工ガラス板を冷
蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、25℃、湿度
81%の雰囲気下に放置したところ、ガラス板の塗工表
面には、曇りが発生した。
透明な塗工膜(塗工膜厚み:約0.5μm)が得られ
た。該試料を比較試料1とする。上記塗工ガラス板を冷
蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、25℃、湿度
81%の雰囲気下に放置したところ、ガラス板の塗工表
面には、曇りが発生した。
【0055】比較例2 実施例1と同様な方法で1回目の塗膜を行い、同じ方法
でさらに9回重ねて(合計10回)塗工し、加熱・乾燥
を施した。ところ、少し不透明な塗工膜(塗工膜厚み:
約5μm)が得られた。該試料を比較試料2とする。上
記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、そ
の後、25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したとこ
ろ、ガラス板の塗工表面には、曇りは全く発生しなかっ
た。
でさらに9回重ねて(合計10回)塗工し、加熱・乾燥
を施した。ところ、少し不透明な塗工膜(塗工膜厚み:
約5μm)が得られた。該試料を比較試料2とする。上
記塗工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、そ
の後、25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したとこ
ろ、ガラス板の塗工表面には、曇りは全く発生しなかっ
た。
【0056】比較例3 エチルシリケート加水分解液(メタノール中エチルシリ
ケートを酸触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;70g)に、N,N−ジメチルベンジルアミン
(重量;0.01g)を加え、常温(25℃)で5分間
撹拌する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分
子量500,000) を5%濃度にメタノールに溶解
した液を29.09g加え、常温(25℃)で30分間
撹拌し、塗工液を調製した。塗工液は白濁して、これを
ガラス板の片面に塗工し、150℃で10分間加熱乾燥
したところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約0.5μ
m)が得られた。該試料を比較試料3とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
ケートを酸触媒により加水分解して得られる;3%濃
度)(末端基に、―OH基を有するオリゴマーを含有)
(重量;70g)に、N,N−ジメチルベンジルアミン
(重量;0.01g)を加え、常温(25℃)で5分間
撹拌する。一方、ポリエチレンオキサイド(重量平均分
子量500,000) を5%濃度にメタノールに溶解
した液を29.09g加え、常温(25℃)で30分間
撹拌し、塗工液を調製した。塗工液は白濁して、これを
ガラス板の片面に塗工し、150℃で10分間加熱乾燥
したところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約0.5μ
m)が得られた。該試料を比較試料3とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
【0057】比較例4 比較例3と同様な方法で1回目の塗膜を行い、同じ方法
でさらに1回重ねて(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を
施したところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約1μ
m)が得られた。該試料を比較試料4とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
でさらに1回重ねて(合計2回)塗工し、加熱・乾燥を
施したところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約1μ
m)が得られた。該試料を比較試料4とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
【0058】比較例5 比較例3と同様な方法で1回目の塗膜を行い、同じ方法
でさらに7回重ねて(合計8回)塗工し、加熱・乾燥を
施した。ところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約4μ
m)が得られた。該試料を比較試料5とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
でさらに7回重ねて(合計8回)塗工し、加熱・乾燥を
施した。ところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約4μ
m)が得られた。該試料を比較試料5とする。上記塗工
ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、
25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、ガラ
ス板の塗工表面には、曇りが発生した。
【0059】比較例6 比較例3と同様な方法で1回目の塗膜を行い、同じ方法
でさらに9回重ねて(合計10回)塗工し、加熱・乾燥
を施した。ところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約5
μm)が得られた。該試料を比較試料6とする。上記塗
工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その
後、25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、
ガラス板の塗工表面には、曇りが発生した。
でさらに9回重ねて(合計10回)塗工し、加熱・乾燥
を施した。ところ、不透明な塗工膜(塗工膜厚み:約5
μm)が得られた。該試料を比較試料6とする。上記塗
工ガラス板を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その
後、25℃、湿度81%の雰囲気下に放置したところ、
ガラス板の塗工表面には、曇りが発生した。
【0060】上記実施例、比較例で用いた評価方法は、
次の通りである。また、評価結果を表1に示す。
次の通りである。また、評価結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】 鉛筆硬度;鉛筆硬度は、鉛筆硬度計
(東洋精機製)のP型を使用し、評価の判定要領は、J
IS K5400に準ずる。 膜厚;膜厚(nm)の測定は、基材に塗装直後の被膜
にカッターナイフで基材に傷をつけないように溝を彫
り、乾燥後触針式表面形状測定器(Dektak303
0、アルバック東日本社製)でその溝の深さを測定する
ことで膜厚を測っている。 見かけの水の接触角;見かけの水の接触角(゜)
は、画像処理式接触角計CA−X 150型(協和界面
科学株式会社製)で測定した。 見かけの表面エネルギー水素結合成分(γsc);見
かけの表面エネルギー水素結合成分(dyn/cm)の
測定方法は、表面張力の分散力成分(γa),表面張力
の極性力成分(γb),表面張力の水素結合成分(γc)
が既知である液体の接触角(θ)から、Youngの式
(3)を利用して算出できる。 γs=γsL+γLCOSθ γsL=γs+γL−2√(γsaγLa)−2√(γsbγLb)−2√(γscγLc) (3) 水、エチレングリコール、フォルムアミドで被膜の各々
の接触角(θ)を測定し、表面張力の水素結合成分(γ
sc)を求めた。(γs;固体の表面張力、γL;液体の表
面張力、γsL;液体/固体の界面張力) ヘイズ;被膜のヘイズ(%)の測定は、色差計SZS
−Σ80(日本電色工業株式会社製)で行った。 比表面積;被膜の比表面積(m2/g)は、ある一定
量の基材付被膜と基材のみの比表面積を測定し、各々の
測定値の差から求めた。この時、基材付被膜と基材のみ
は、各々破砕して測定用セルに入れて測定する。測定機
は、流動式比表面積自動測定装置(マイクロメリティッ
クス フローソーブII2300型(島津製作所製))を
使用した。 吸水速度;被膜の吸水速度は、重量を測定した1c
m角の被膜を作成し、それをティーバックのような不織
布に入れ、1分間ごと純水中に浸して重量を測定する操
作を繰り返し、その重量の経時変化から吸水速度(g/
g・min)を求めた。 吸着容量;被膜の吸着容量(kg/g)の測定は、
吸水速度を測定するのと同じ方法で行い、被膜の重量変
化が平衡に達した時の重量を初期の重量で割って求め
た。 耐薬品性:20重量%のNaCO3水溶液に48時
間浸漬後、膜の外観の変化を肉眼で観察した。耐薬品性
評価において、○:膜が完全に付いている状態、△:膜
はあるが、喫水線がかなり薄く見える状態、×:膜が完
全に剥がれている状態とした。
(東洋精機製)のP型を使用し、評価の判定要領は、J
IS K5400に準ずる。 膜厚;膜厚(nm)の測定は、基材に塗装直後の被膜
にカッターナイフで基材に傷をつけないように溝を彫
り、乾燥後触針式表面形状測定器(Dektak303
0、アルバック東日本社製)でその溝の深さを測定する
ことで膜厚を測っている。 見かけの水の接触角;見かけの水の接触角(゜)
は、画像処理式接触角計CA−X 150型(協和界面
科学株式会社製)で測定した。 見かけの表面エネルギー水素結合成分(γsc);見
かけの表面エネルギー水素結合成分(dyn/cm)の
測定方法は、表面張力の分散力成分(γa),表面張力
の極性力成分(γb),表面張力の水素結合成分(γc)
が既知である液体の接触角(θ)から、Youngの式
(3)を利用して算出できる。 γs=γsL+γLCOSθ γsL=γs+γL−2√(γsaγLa)−2√(γsbγLb)−2√(γscγLc) (3) 水、エチレングリコール、フォルムアミドで被膜の各々
の接触角(θ)を測定し、表面張力の水素結合成分(γ
sc)を求めた。(γs;固体の表面張力、γL;液体の表
面張力、γsL;液体/固体の界面張力) ヘイズ;被膜のヘイズ(%)の測定は、色差計SZS
−Σ80(日本電色工業株式会社製)で行った。 比表面積;被膜の比表面積(m2/g)は、ある一定
量の基材付被膜と基材のみの比表面積を測定し、各々の
測定値の差から求めた。この時、基材付被膜と基材のみ
は、各々破砕して測定用セルに入れて測定する。測定機
は、流動式比表面積自動測定装置(マイクロメリティッ
クス フローソーブII2300型(島津製作所製))を
使用した。 吸水速度;被膜の吸水速度は、重量を測定した1c
m角の被膜を作成し、それをティーバックのような不織
布に入れ、1分間ごと純水中に浸して重量を測定する操
作を繰り返し、その重量の経時変化から吸水速度(g/
g・min)を求めた。 吸着容量;被膜の吸着容量(kg/g)の測定は、
吸水速度を測定するのと同じ方法で行い、被膜の重量変
化が平衡に達した時の重量を初期の重量で割って求め
た。 耐薬品性:20重量%のNaCO3水溶液に48時
間浸漬後、膜の外観の変化を肉眼で観察した。耐薬品性
評価において、○:膜が完全に付いている状態、△:膜
はあるが、喫水線がかなり薄く見える状態、×:膜が完
全に剥がれている状態とした。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、本発明の複合材料の表
面は、微小の水滴が付着しにくくなるので、雰囲気中の
水分に触れても水滴を結露せず、曇りを発生させない。
面は、微小の水滴が付着しにくくなるので、雰囲気中の
水分に触れても水滴を結露せず、曇りを発生させない。
【図1】本発明の第一の態様である、基材表面に吸湿性
コーティング組成物層を形成した吸湿性を有する複合材
料を示す。
コーティング組成物層を形成した吸湿性を有する複合材
料を示す。
【図2】本発明の第二の態様である、基材表面に吸湿性
コーティング組成物層を形成した吸湿性を有する複合材
料を示す。
コーティング組成物層を形成した吸湿性を有する複合材
料を示す。
1: 吸湿性コーティング組成物層 2: 基材 3:シリコーンまたはシリカの骨格 4:光触媒性酸化物 7:無機部分と有機部分とを有する三次元骨格 8:吸水性有機ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/10 C09D 201/10 Fターム(参考) 4F100 AH03H AK01A AK52A AK54 AL05 AT00B BA01 BA02 BA03 CA30A GB07 GB08 GB32 GB51 GB71 JA20A JB04A JB05A JD14A JD15A JK12A JL07 JL08A JL08H JN01A YY00A 4J038 BA091 BA121 BA131 CB131 CE021 CG031 CG141 CG171 CH121 CK031 DF021 DJ001 DL022 DM012 DM022 GA03 HA096 HA126 HA156 HA336 HA376 JA23 JA39 JA41 JA42 JA45 JA47 JA51 JB03 JB04 JB10 JB33 JC29 JC38 KA04 KA06 MA07 MA09 NA01 NA03 NA06 NA07 NA11 PB02 PB05 PB07 PB08
Claims (14)
- 【請求項1】 吸湿性コーティング組成物が、無機アル
コキシドおよび該アルコキシドが、加水分解・重縮合し
て形成されるOH基を有するポリマーのうちの少なくと
も1種と、吸水性有機ポリマーと、触媒と、および水含
有有機溶媒を含有することを特徴とする吸湿性コーティ
ング組成物。 - 【請求項2】 吸湿性コーティング組成物が、無機ア
ルコキシドおよび該アルコキシドが、加水分解・重縮合
して形成されるOH基を有するポリマーのうちの少なく
とも1種と、塩基性吸水性ポリマーと、加水分解触媒
と、および水含有有機溶媒を含有することを特徴とする
吸湿性コーティング組成物。 - 【請求項3】 基材が、請求項1または2記載の吸湿
性コーティング組成物で被覆されてなることを特徴とす
る吸湿性複合材料。 - 【請求項4】 上記複合材料が、ヒーター、送風機を含
む乾燥機を併設してなることを特徴とする請求項3に記
載の吸湿性複合材料。 - 【請求項5】 上記複合材料において、表面の硬度が、
鉛筆硬度でHB〜6Hを有することを特徴とする請求項
3または4に記載の吸湿性複合材料。 - 【請求項6】 上記吸湿性複合材料において、吸湿性コ
ーティング組成物被膜の膜厚が、0.5〜4μmである
ことを特徴とする請求項3または4に記載の吸湿性複合
材料。 - 【請求項7】 上記複合材料において、吸湿性コーティ
ング組成物被膜の水との接触角が、30度以下であるこ
とを特徴とする請求項3または4に記載の吸湿性複合材
料。 - 【請求項8】 上記複合材料において、吸湿性コーティ
ング組成物被膜の固/気界面における見かけの表面エネ
ルギの水素結合成分(γsh)が、25dyn/cm以上
であることを特徴とする請求項3または4に記載の吸湿
性複合材料。 - 【請求項9】 上記複合材料において、吸湿性コーティ
ング組成物被膜のヘイズが、1%以下であることを特徴
とする請求項3または4に記載の吸湿性複合材料。 - 【請求項10】 上記複合材料において、吸湿性コーテ
ィング組成物被膜の比表面積が500〜5000m2/
gであることを特徴とする請求項3または4に記載の吸
湿性複合材料。 - 【請求項11】 上記複合材料において、吸湿性コーテ
ィング組成物被膜の水の吸着速度が、100〜500g
/g・minであることを特徴とする請求項3または4
に記載の吸湿性複合材料。 - 【請求項12】 上記複合材料において、吸湿性コーテ
ィング組成物被膜の水の吸着容量が、10〜50kg/
gであることを特徴とする請求項3または4に記載の吸
湿性複合材料。 - 【請求項13】 上記複合材料は、浴室用鏡、浴室用
窓、浴室照明器具、洗面所用鏡のいずれかであることを
特徴とするで請求項3〜12に記載の吸湿性複合材料。 - 【請求項14】 上記複合材料は、乗り物用ガラス、建
造物用窓ガラス、車両用ミラー、道路鏡、計器盤カバ
ー、眼鏡レンズ、ヘルメットシールド、ゴーグル、保温
ショーケースのいずれかであることを特徴とする請求項
3〜12に記載の吸湿性複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17816398A JP2000044886A (ja) | 1998-05-27 | 1998-06-10 | 吸湿性を有する吸湿性コーティング組成物および吸湿性を有する複合材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-163013 | 1998-05-27 | ||
JP16301398 | 1998-05-27 | ||
JP17816398A JP2000044886A (ja) | 1998-05-27 | 1998-06-10 | 吸湿性を有する吸湿性コーティング組成物および吸湿性を有する複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000044886A true JP2000044886A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=26488603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17816398A Pending JP2000044886A (ja) | 1998-05-27 | 1998-06-10 | 吸湿性を有する吸湿性コーティング組成物および吸湿性を有する複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000044886A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003003068A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 抗菌、防かび性を有する硬化性組成物及びその硬化物 |
WO2006013785A1 (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-09 | Dynic Corporation | 透明性乾燥剤 |
JP2006068729A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-03-16 | Dynic Corp | 透明性乾燥剤 |
KR101250884B1 (ko) * | 2011-05-04 | 2013-04-04 | 수산고분자 주식회사 | 수분흡수용 코팅제 |
JP2014037326A (ja) * | 2012-08-14 | 2014-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 窓ガラスおよびその製造方法 |
-
1998
- 1998-06-10 JP JP17816398A patent/JP2000044886A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003003068A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 抗菌、防かび性を有する硬化性組成物及びその硬化物 |
WO2006013785A1 (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-09 | Dynic Corporation | 透明性乾燥剤 |
JP2006068729A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-03-16 | Dynic Corp | 透明性乾燥剤 |
JP4628210B2 (ja) * | 2004-08-02 | 2011-02-09 | ダイニック株式会社 | 透明性乾燥剤 |
KR101250884B1 (ko) * | 2011-05-04 | 2013-04-04 | 수산고분자 주식회사 | 수분흡수용 코팅제 |
JP2014037326A (ja) * | 2012-08-14 | 2014-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 窓ガラスおよびその製造方法 |
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