JP2000044880A - 吸水性を有するコーティング組成物および 吸水性を有する複合材料 - Google Patents

吸水性を有するコーティング組成物および 吸水性を有する複合材料

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JP2000044880A
JP2000044880A JP10178162A JP17816298A JP2000044880A JP 2000044880 A JP2000044880 A JP 2000044880A JP 10178162 A JP10178162 A JP 10178162A JP 17816298 A JP17816298 A JP 17816298A JP 2000044880 A JP2000044880 A JP 2000044880A
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absorbing
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mirror
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JP10178162A
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Kazuya Kokubu
和也 國分
Keisuke Hisada
啓介 久田
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湯気のような微小な水滴が付着しにくい吸水
性表面を有する複合材料を提供する。 【解決手段】 基材表面が、吸水性コーティング組成物
で被覆して成り、無機質骨格に有機分子が架橋した複合
ポリマーから成る透明な吸水性コーティング組成物で被
覆されている吸水性を有する複合材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として水周りで
使用される吸水性を有する複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】水廻り空間で使われる鏡に関して、例え
ば、洗面所に置かれる鏡は、給湯の湯気が表面に付着し
て曇り易く、反射像の可視性を失うことはしばしば経験
されることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに鏡が反射像の可視性を失ってしまっては本来の目的
機能を果さない。そこで、本発明では、湯気のような微
小な水滴が付着しにくい吸水性表面を有する複合材料を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面が、吸水性コーティング組成物で
被覆して成り、無機質骨格に有機分子が架橋した複合ポ
リマーから成る透明な吸水性コーティング組成物で被覆
されていることを特徴とする吸水性を有する複合材料を
提供する。表面層を形成する吸水性コーティング組成物
は、無機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造を
成し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取り込
んで、骨格の持つ接着力で固定される。吸水性コーティ
ング組成物の三次元骨格に内包される吸水性有機ポリマ
ーは高い吸水性を有し、湯気のような微小な水滴が鏡の
表面に接すると、水分を表面で結露させることなく、表
面層を形成する吸水性コーティング組成物中の吸水性有
機ポリマーに到達して吸収されるため、曇りを防ぎ、反
射像の可視性を保持することができる。また、該吸水性
コーティング組成物は、無機ポリマーと有機ポリマーと
が互いに架橋して結合されて成り、鏡の表面層は水及び
有機溶剤に不溶の高耐久性膜で被覆されることとなる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、基材表面が、無機質
骨格に有機分子が架橋した複合ポリマーから成る透明な
吸水性コーティング組成物で被覆されている。吸水性複
合材料の基材には、裏面に反射コートを設けたガラス基
材からなる鏡、裏面に反射コートを設けた透明プラスチ
ックからなる鏡、プラスチック、ガラス、金属等の基材
表面に反射コートを設けた鏡、プラスチック、ガラス、
金属等の基材表面に反射コートを設け、さらにその上に
透明なハードコートを設けた鏡、鏡面研磨した金属基材
からなる鏡、鏡面研磨した金属基材からなる鏡の表面に
透明なハードコートを設けた鏡、裏面に反射コートを設
けた透明プラスチック基材の上に透明なハードコートを
設けた鏡、等が好適に利用できる。基材と表面層との間
には、基材との密着性向上等の目的で透明な中間層を設
けてもよい。また、表面層は、さらに多孔質のハードコ
ート膜で被覆してもよく、これによって耐摩耗性、耐候
性を向上すると共に、反射光を低減することもできる。
【0006】本発明の吸水性コーティング組成物は、無
機アルコキシドおよび該アルコキシドが、加水分解・重
縮合して形成されるOH基を有するポリマーのうちの少
なくとも1種と、吸水性有機ポリマーと、触媒と、およ
び水含有有機溶媒を含有する、吸水性コーティング組成
物である。本発明に用いられる無機アルコキシドは、例
えば、次式(1)で示される化合物の少なくとも1種で
ある。 M(OR)n(X)a-n (1) ここで、Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、
V、Sn、Li、Be、B、およびPからなる群から選
択される無機原子であり、Rは、アルキル基であり、X
は、アルキル基、官能基を有するアルキル基、またはハ
ロゲンであり、aは、Mの原子価であり、またnは、1
からaまでの整数である。
【0007】式(1)の化合物のうち、n=a、つまり
Mにアルコキシ基のみが結合した化合物が汎用される。
【0008】上記MがSiの場合は、アルコキシドは、
Si(OR14で表される。ここでR1は、好ましくは
炭素数1〜4の低級アルキル基である。このようなアル
コキシシランとしては、Si(OCH34、Si(OC
254などが挙げられる。
【0009】上記MがAlの場合は、アルコキシドは、
Al(OR23で表される。ここでR2は、好ましくは
低級アルキル基である。このようなアルミニウムアルコ
キシドとしては、Al(OCH33、Al(OC25
3、Al(O−n−C373、Al(O−iso−C
373、Al(OC493などが挙げられる。上記ア
ルミニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなアルミニウムアルコキシドは、通
常、上記アルコキシシランと混合して用いられ、アルミ
ニウムアルコキシドを用いることによって、得られるコ
ーティング膜の透光性や耐熱性が向上する。アルミニウ
ムアルコキシドの使用量は、好ましくは上記アルコキシ
シラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であ
り、さらに好ましくは約5重量部である。10重量部を
上回ると、形成されるポリマーがゲル化しやすくなり、
得られるコーティング膜に亀裂が生じる場合がある。
【0010】上記MがTiの場合には、アルコキシド
は、Ti(OR34で表される。ここでR3は好ましく
は低級アルキル基である。このようなチタニウムアルコ
キシドとしては、Ti(O−CH34、Ti(O−C2
54、Ti(O−n−C374、Ti(O−iso−C
374、Ti(O−C494などが挙げられる。上記
チタニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなチタニウムアルコキシドは、通常、
上記アルコキシシランと混合して用いられ、チタニウム
アルコキシドを用いることによって、得られるコーティ
ング膜の耐紫外線性は向上し、基材の耐熱性も著しく向
上する。チタニウムアルコキシドの使用量は、上記アル
コキシシラン100重量部に対して3重量部以下の範囲
であり、好ましくは約1重量部である。3重量部を上回
ると、形成されるポリマーが脆化し、基材を被覆した際
にコーティング膜が剥離しやすくなる。
【0011】上記MがZrの場合には、アルコキシド
は、Zr(OR44で表される。ここでR4は、好まし
くは低級アルキル基である。このようなジルコニウムア
ルコキシドとしては、Zr (OCH34、Zr(OC
254、Zr(O−iso−C374、Zr(O−t−
494、Zr(O−n−C494などが挙げられ
る。上記ジルコニウムアルコキシドは、2種類以上を混
合して用いてもよい。このようなジルコニウムアルコキ
シドは、通常、上記アルコキシシランと混合して用いら
れ、ジルコニウムアルコキシドを用いることによって、
得られるコーティング膜の靭性や耐熱性が向上する。ジ
ルコニウムアルコキシドの使用量は、上記アルコキシシ
ラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、
好ましくは約3重量部である。5重量部を上回ると、形
成されるポリマーがゲル化しやすくなり、ポリマーの脆
性が大きくなり、基材を被覆した際にコーティング膜が
剥離しやすくなる。
【0012】上記以外のアルコキシドとしては、例え
ば、Ca(OC252、Fe(OC253、V(O−
iso−C374、Sn(O−t−C494、Li(O
25)、Be(OC352、B(OC253、P
(OC252、P(OCH33などが挙げられる。
【0013】式(1)で示される無機アルコキシドのう
ちn=a−1以下の場合、つまりMにアルコキシ以外の
基Xが結合している化合物としては、例えば、XがC
l、Brのようなハロゲンである化合物がある。Xがハ
ロゲンである化合物には、アルコキシ基と同様に加水分
解されてOH基を生じ重縮合反応が起こる。Xはまた、
アルキル基や官能基を有するアルキル基であり得、この
アルキル基の炭素数は通常1〜15である。このような
基は、加水分解されずに得られるポリマー中に有機部分
として残留する。上記官能基としては、カルボキシル
基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基な
どがある。
【0014】Xを有する式(1)の化合物としては、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシシランなど
が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる吸水性有機ポリマーと
しては、ポリアクリル酸類またはポリアルキレンオキサ
イドが好適に利用できる。前記ポリアクリル酸類として
は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの
塩類から選択される少なくとも1種である。また、前記
ポリアルキレノキサイドとしては、ポリエチレンオキサ
イド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオキ
サイドなどが挙げられ、ポリエチレンオキサイドが特に
好ましい。通常、重量平均分子量30,000〜1,5
00,000、好ましくは500,000〜750,0
00のポリアルキレンオキサイドが用いられる。また、
その他の吸水性有機ポリマーとして、ポリ2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリ
オキサゾリン、ポリビニルアルコール系、エチレンビニ
ルアルコール共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共
重合体系、ポリアクリル酸アミド系、ポリオキシエチレ
ン系、多糖類などが好適に利用できる。前記多糖類とし
ては、セルロース系では、ビスコース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースなどが挙げられる。また、前記多糖類としては、
デンプン系では、可溶性デンプン、カルボキシメチルデ
ンプン、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。ま
た、前記吸水性有機ポリマーの他に、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートのモノマー、セピオライト、シリカ
ゲル、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウ
ム、カラジーナン、アガロース、カオリンなども利用で
きる。
【0016】本発明に用いられる触媒としては、加水分
解触媒および硬化触媒がある。前記加水分解触媒は、無
機アルコキシドの加水分解反応に用いられる。従って、
予め無機アルコキシドがある程度加水分解されて、重縮
合し、OH基を有するポリマー(比較的低分子量のオリ
ゴマーであり得る)を使用する場合には、加水分解触媒
は不要となり得る。
【0017】上記加水分解触媒としては、塩酸、硫酸、
硝酸などの鉱酸などが用いられる。鉱酸の無水物、例え
ば、塩化水素ガスも用いられ得る。この他に有機酸やそ
の無水物も利用され得る。それには例えば、酒石酸、フ
タル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレ
ンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ド
デシルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロ
レンディック酸などが挙げられる。これらの加水分解触
媒は、アルコキシド100重量部に対して0.01〜
0.5重量部、好ましくは0.015〜0.3重量部で
ある。0.01重量部未満の場合には加水分解が不充分
となるおそれがあり、0.5重量部を越える場合には重
縮合反応が進行し、粘度が増大するおそれがある。
【0018】上記硬化触媒は、主としてアルコキシドの
加水分解物の重縮合反応の触媒として、且つ吸水性有機
ポリマーの架橋反応の触媒として、且つ該加水分解物、
上記OH基を有するポリマーおよび吸水性有機ポリマー
相互間の重縮合反応および/または架橋反応の触媒とし
て用いられる。このような硬化触媒としては、1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、第4級
ホスホニウム塩、有機アミン、アミノ酸、金属アセチル
アセトネート、有機酸金属塩、ルイス酸、過酸化物の中
の少なくとも1種を好適に利用できる。上記第4級ホス
ホニウム塩としては、テトラキス(ヒドロキシメチル)
ホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドなどが挙げられる。上記有機アミンとしては、エ
チルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リペンチルアミン、トリプロパルギルアミン、N,N,
N−トリメチルエチレンジアミン、n−ヘキシルアミン
などが挙げられる。上記アミノ酸としては、グリシンな
どがある。上記金属アセチルアセトネートとしては、ア
ルミニウムアセチルアセトネート、インジウムアセチル
アセトネート、クロムアセチルアセトネート、チタニウ
ムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネー
トなどが挙げられる。前記金属アセチルアセトネートで
は、好ましくは、アルミニウムアセチルアセトネートが
用いられる。上記有機酸金属塩としては、酢酸ナトリウ
ム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸
亜鉛、オクチル酸錫などが挙げられる。上記ルイス酸と
しては、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、
塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンチモンなどが挙げられ
る。上記過酸化物としては、過酸化水素があげられる。
上記硬化触媒の使用量は、好ましくは、吸水性コーティ
ング組成物中の、アルコキシド、OH基を有するポリマ
ー、および吸水性有機ポリマーの合計量100重量部に
対して、0.01〜2重量部、さらに好ましくは、0.
05重量部である。2重量部を上回る量を用いる場合に
は、重縮合が急速に進行するため、下記有機溶媒に溶け
にくくなり、得られる被膜が不均一となるため、強度が
低下するおそれがある。
【0019】本発明に用いられる有機溶媒としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなどの水と相溶性のある溶媒
が用いられる。この有機溶媒は水と共に用いられる。上
記有機溶媒の使用量は、好ましくは、アルコキシド、上
記OH基を有するポリマー、吸水性有機ポリマーおよび
硬化触媒の合計100重量部に対して100〜5000
重量部であり、さらに好ましくは約3000重量部であ
る。
【0020】上記吸水性コーティング組成物には、さら
に、少なくとも1種の吸水性無機組成物を含有させても
よい。前記吸水性無機組成物としては、セピオライト、
シリカゲルなどが挙げられる。また、上記吸水性コーテ
ィング組成物には、さらに、少なくとも1種のポリアク
リル酸類を含有させてもよい。前記ポリアクリル酸類と
しては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、これらの
塩類などが挙げられる。上記ポリアクリル酸類の使用量
は、好ましくは、吸水性コーティング組成物100重量
部に対して、0.1〜10重量部である。0.1重量部
未満の場合には、得られる組成物は吸水スピードが遅く
なるおそれがあり、10重量部を越える場合には、得ら
れる組成物のタックが生じるおそれがある。特に得られ
る組成物を硬度を有する部材に適用する場合には、上記
ポリアクリル酸類は、吸水性コーティング組成物100
重量部に対して、0.1〜0.5重量部の範囲の割合で
使用することが好ましい。0.5重量部を越える場合に
は、得られる組成物により形成される膜の硬度が低くな
るおそれがある。
【0021】本発明においては、親水性基を含有するフ
ッ素系界面活性剤を含有してもよく、複合材料の表面
は、前記フッ素系界面活性剤に由来する撥水・撥油部分
と、吸水性コーティング組成物に由来する親水性部分と
が微視的に分散する。これによって、複合材料表面にお
いては、親油性、疎水性あるいは親水性の汚染物質がい
ずれも付着しにくく、付着してもその付着は不安定であ
り、容易に脱落すため、表面を清浄に保ち、長期間に渡
って、良好な吸水性を保持することができる。前記フッ
素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモニウム
塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基
含有オリゴマー、トリフルオロプロピルトリクロルシラ
ン、トリフルオロプロピルブロムシラン、トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルト
リエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメ
トキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキ
シシラン等を好適に利用できる。
【0022】また、本発明においては、さらに、上記吸
水性コーティング組成物中に、熱線吸収材を含有させて
も良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、太陽光など
の輻射による室内温度の上昇を抑制できると共に、ガラ
ス表面の温度を高めて水滴が付着し難くくすることがで
きる。前記熱線吸収材としては、銀イオンを好適に利用
できる。
【0023】また、本発明においては、さらに、上記吸
水性コーティング組成物中に、蓄熱材を含有させても良
く、太陽光などの輻射熱を蓄積して、ガラス表面の温度
を高く維持し水滴が付着し難くくすることができる。前
記蓄熱材としては、高密度ポリエチレン、パラフィンな
どを好適に利用できる。
【0024】また、本発明においては、上記吸水性コー
ティング組成物中に、紫外線吸収剤を含有させても良
く、ガラスなどの透明材に利用すれば、人体に有害な短
波長太陽光線などを遮断できる。上記紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリ
シレート系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、
Ceなどが挙げられる。
【0025】また、本発明においては、上記吸水性コー
ティング組成物中に、抗カビ剤、抗菌剤、あるいは防虫
剤を含有させてもよく、カビ、細菌類の繁殖を発生、繁
殖を防止できる。抗菌防カビ剤としては、スルホン酸ナ
トリウム、イソチアゾリン系、安息香酸系、10,10
−オキシビスフェノキシアルシン、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタールイミド、2−メチルカルボニール
アミノベンツイミダゾール、銀、銅、ゼオライト、銀リ
ン酸ジルコニウム、銀ハイドロアパタイト、銀リン酸塩
ガラス、銀リン酸塩セラミックなどが挙げられる。
【0026】また、本発明においては、上記吸水性コー
ティング組成物中に、香料を含有させてもよく、乗り物
や建物内に利用すれば、より快適に過ごすことができ
る。前記香料としては、アニス油、アビエス油、イラン
イラン油、イリス油、ウイキョウ油、オークモス、オレ
ンジ油、カシヤ油、キャラウェ油、カユブテ油、シンナ
モン油、ジャスミン花精油、レモングラス油、ローズ
油、ローズマリー油などが挙げられる。
【0027】本発明によれば、高吸水性複合組成物は、
例えば、以下のようにして形成される。まず上記吸水性
コーティング組成物の各成分を混合して透明から半透明
の塗工液を得る。次いで、この塗工液を上記基材の少な
くとも片面に塗工し、これを80℃以上の温度、好まし
くは120℃〜200℃の範囲内で加熱乾燥させること
により、本発明の被覆基材が得られる。必要に応じて、
上記塗工液を数回重ねて塗工した後、上記加熱処理を行
ってもよい。
【0028】本発明の吸水性コーティング組成物におい
ては、無機アルコキシドが加水分解触媒の作用により加
水分解し、アルコキシ基およびハロゲン(X)がOH基
に変化する。さらに硬化触媒の作用により、OH基の脱
プロトン化が起こり、その結果、加水分解物が重縮合を
開始し、分子内にOH基を有するポリマーあるいはオリ
ゴマーを形成する。これと同時に硬化触媒により、組成
物中に存在する吸水性有機ポリマーのOH基部分が、上
記加水分解アルコキシドやOH基を有するポリマーある
いはオリゴマーと反応し、(1)式のMで示されるSi
などの無機部分と、吸水性有機ポリマー由来の有機部分
とを有する複合ポリマーが形成される。組成物の各成分
を混合すると、上記のように加水分解反応および重縮合
反応が部分的に進行するため、無機アルコキシド、その
加水分解物、該加水分解物の重縮合オリゴマーまたはポ
リマー、吸水性有機ポリマー、上記アルコキシド由来の
加水分解物と吸水性有機ポリマーとの重縮合あるいは架
橋反応物が混合した、コロイド状ゾルの状態となる。
(1)式のXが特定の官能基を有する場合には、さら
に、この官能基が反応を行う場合もある。例えば、Xが
エポキシ基を有する基である場合には、このエポキシ基
が塩基触媒により開環して、OH基を生じ、さらにアル
コキシドや吸水性有機ポリマーとの反応が進行する。X
がビニル基を有する基である場合には、このビニル基の
部分に反応性のモノマーを結合させることも可能であ
る。
【0029】このようなコーティング組成物を基材に塗
工し、乾燥後、80℃以上で熱処理を行うと、上記中縮
合反応および架橋反応が進行し、三次元構造を有する複
合ポリマーが形成される。このポリマーは無機部分と有
機部分とを有するポリマーである。すなわち、このポリ
マーは、無機部分である不溶性骨格を有しているため、
このポリマーにより形成される被膜は、水および有機溶
剤に不溶であり、高い表面硬度を有する。さらに、この
ポリマーは、有機部分である吸水性有機ポリマーを有し
ているため、形成された被膜表面部分に吸水性有機ポリ
マーに由来する親水部分が存在し、その部分に水分が吸
着する。さらに、上記(1)式X基の末端にカルボニル
基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、アミノ基、
エポキシ基などを有する場合には、さらにその基にも水
分が吸着する。
【0030】上記コーティング組成物に、さらに、セピ
オライトまたはポリアクリル酸類を含有させる場合に
は、得られるコーティング組成物の吸水性が向上する。
【0031】基材には、裏面に反射コートを設けたガラ
ス基材からなる鏡、裏面に反射コートを設けた透明プラ
スチックからなる鏡、プラスチック、ガラス、金属等の
基材表面に反射コートを設けた鏡、プラスチック、ガラ
ス、金属等の基材表面に反射コートを設け、さらにその
上に透明なハードコートを設けた鏡、鏡面研磨した金属
基材からなる鏡、鏡面研磨した金属基材からなる鏡の表
面に透明なハードコートを設けた鏡、裏面に反射コート
を設けた透明プラスチック基材の上に透明なハードコー
トを設けた鏡、等が好適に利用できる。基材と表面層と
の間には、基材との密着性向上等の目的で透明な中間層
を設けてもよい。
【0032】本発明による吸水性鏡の表面は、鉛筆硬度
でH〜4H程度か、それ以上の固い膜を有する。
【0033】請求項13記載の発明によれば、高吸水性
複合材料が、ヒーター、送風機を含む乾燥機を併設して
なる。本発明によると、上記高吸水性複合材料近傍に乾
燥機を併設することで、吸水性コーティング組成物の吸
水能力を飛躍的に向上させ、より高い防露、防曇効果が
得られる。 また、これにより、吸水性コーティング組
成物の吸水速度制御すれば、雰囲気の調湿を行うことが
できる。
【0034】本発明による吸水性鏡は、自動車用サイド
ミラー、自動車用ルームミラー、浴室や洗面所に設置す
る鏡などに利用され得る。特に、本発明の防曇性鏡の吸
水容量を勘案すると、あまり大粒の水滴は付着しない
が、給湯の湯気が表面に付着して曇り易い、洗面所にお
いて好適に使用され得る。
【0035】
【実施例】(実施例1)エチルシリケート40(コルコ
ート社製);6gに2%硝酸水溶液;1gとメタノール
54gを加えて12時間撹拌し、加水分解を行った。
(エチルシリケート加水分解液)この溶液に30%過酸
化水素(和光純薬製);0.007gを加え、常温(2
5℃)で5分撹拌した。一方、ポリエチレングリコール
500,000(和光純薬製);0.33gにメタノー
ル;5.6gを加え、60℃の条件下で1時間撹拌し、
ポリエチレングリコールを溶解させた。そして、この2
つの溶液を混合し、30分間常温(25℃)で30分撹
拌し、塗工液が得られた。この塗工液を鏡の片面に2回
重ねて塗工し、150℃で10分間加熱・乾燥したとこ
ろ、透明な塗工膜(膜厚;1.0μm)が得られた。上記
塗工鏡を冷蔵庫(約0℃)に5分間収納し、その後、2
5℃、湿度80%の雰囲気下に放置したところ、鏡の塗
工表面に曇りは、全く発生しなかった。
【0036】(実施例2)エチルシリケート加水分解液
に過酸化水素の替わりに10%N,N-ジメチルベンジルア
ミン/メタノール溶液(和光純薬製)を使うこと以外、
実施例1と同様に塗工液を調製し、鏡に塗工し、試験を
行ったところ鏡の塗工表面に曇りは、全く発生しなかっ
た。
【0037】(実施例3)エチルシリケート加水分解液
に過酸化水素の替わりに10%ジメチルアミン/メタノ
ール溶液(和光純薬製)を使うこと以外、実施例1と同
様に塗工液を調製し、鏡に塗工し、試験を行ったところ
鏡の塗工表面に曇りは、全く発生しなかった。
【0038】(実施例4)エチルシリケート加水分解液
に過酸化水素の替わりに10%エチルアミン/メタノー
ル溶液(和光純薬製)を使うこと以外、実施例1と同様
に塗工液を調製し、鏡に塗工し、試験を行ったところ鏡
の塗工表面に曇りは、全く発生しなかった。
【0039】(比較例1)鏡表面に塗工処理を行ってい
ないこと以外、実施例1と同様に塗工液を調製し、鏡に
塗工し、試験を行ったところ鏡の表面に曇りが発生し
た。
【0040】(実施例5) (1)本発明の吸水性を有する鏡の製作 表1に示す成分(各々重量部)に従って、吸水性コーテ
ィング組成物1を調製した。最初に、ポリアクリル酸2
5wt%水溶液とメタノールを混合し、常温で10分間
撹拌溶解して、高分子溶液1を調整した。次に、バイン
ダー溶液1を調製した。まず、2N塩酸水溶液とアルミ
ニウムイソプロポキシド、エタノールを混合し、常温に
おいて1昼夜撹拌した。次いで、テトラエトキシシラン
4量体(商品名エチルシリケート40、コルコート社
製)、シランカップリング剤(製品名KBM403、メ
ーカー信越シリコーン、化学名γ-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン)を混合し、常温において10分
間撹拌した。その後、テトラエトキシシランを十分に加
水分解後にN,N−ジメチルベンジルアミン を添加
し、常温において10分間撹拌してバインダー組成物1
を調整した。上記高分子溶液1とバインダー組成物1と
を混合し、常温において10分間撹拌して吸水性コーテ
ィング液1を調製した。得られた液は透明で粘性のある
溶液であった。
【0041】
【表1】
【0042】次いで、表2に示す成分(各々重量部)に
従って、吸水性コーティング組成物2を調製した。ま
ず、ポリアクリル酸とポリ(2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート)(分子量300,000)、メタノール、
水を混合し常温で10分間撹拌溶解して、高分子溶液2
を調整した。次に、高分子溶液2とバインダー溶液2と
を混合し、常温において10分間撹拌して吸水性コーテ
ィング組成液2を得た。得られた液は透明で粘性のある
溶液であった。そして、上記吸水性コーティング組成液
1と2を10cm角の一枚の鏡表面の1部分に、それぞ
れの液を1回フローコーティングして、10分間自然乾
燥後に150℃30分間加熱乾燥した。高分子を含むコ
ーティング面はいずれも透明であった。ここで、上記吸
水性鏡の防曇評価を行った。該吸水性鏡をマイナス5℃
の冷凍庫で2分間冷却後に、室温下に出してもコーティ
ング組成液1と2のいずれの高分子を含むコーティング
面も曇らなかったのに対し、コーティングしなかった鏡
面はただちに曇った。
【0043】
【表2】
【0044】(2)膜強度 吸水性コーティング組成液1の鉛筆硬度はHであったの
に対して、吸水性コーティング組成液2の鉛筆硬度は2
Hであった。表2の成分中、ポリ(2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)をポリアクリル酸に置き換えること
によって膜の鉛筆硬度を向上させることができた。ポリ
(メタクリル酸2ヒドロキシエチル)を添加することで
防曇性能は劣化しなかった。また、吸水性コーティング
組成液2の鏡へのコーティングにより、水やノルマルプ
ロパノールのようなアルコールに溶解せず、透明で防曇
性を有する鉛筆硬度2Hの硬い膜を有する防曇鏡ができ
た。
【0045】(実施例6) (1) 本発明の吸水性を有する鏡の製作 表3に示す成分(各々重量部)に従って、上記実施例5
と同様にして、高分子溶液3とバインダー組成物3との
混合液、吸水性コーティング組成物3を得た。表4に示
す成分(各々重量部)は、表3中のN,N−ジメチルベ
ンジルアミンを1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)
ウンデセン−7に置き換えた成分である。表4の成分で
吸水性コーティング組成物4を調整した。吸水性コーテ
ィング組成物3と4は、いずれも得られた液は透明で粘
性のある溶液であった。この液を10cm角の1枚の鏡
面の一部分に1回フローコーティングして、10分間自
然乾燥後に150℃30分間加熱乾燥した。高分子を含
むコーティング面は透明であった。上記吸水性鏡の防曇
評価を行った。該吸水性鏡をマイナス5℃の冷凍庫で2
分間冷却後に、室温下に出しても高分子を含むコーティ
ング面はコーティング組成物3と4のいずれも曇らなか
ったのに対し、コーティングしなかった鏡面はただちに
曇った。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】(2)膜強度 吸水性コーティング組成物3の膜の鉛筆硬度は5Bであ
ったが、吸水性コーティング組成物4の膜の鉛筆硬度は
2Hであった。硬化触媒をN,N−ジメチルベンジルア
ミン から1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウン
デセン−7に換えることにより、コーティング膜の鉛筆
硬度が著しく大きくなった。吸水性コーティング組成物
4のコーティング膜は、水またはノルマルプロパノール
のようなアルコールに溶解せず、鉛筆硬度が2Hと硬い
上に透明で吸水性を有する膜ができた。また、高分子と
してポリアクリル酸を用いた上記実施例5の表1の成分
によるコーティング液1の膜と同等以上の防曇性能、耐
水性、耐溶剤性、鉛筆硬度、透明性を有する防曇鏡が実
現できた。また、表3、表4の成分である2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートモノマーを添加しない場合は鉛
筆硬度は5Bであり、爪で容易に傷が付くが、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートモノマーを添加することに
より鉛筆硬度を2Hに上げることができた。よって触媒
である1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ
ン−7と2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマー
の両方の効果で鉛筆硬度を向上させることができた。
【0049】(実施例7) (1)本発明の吸水性を有する鏡の製作 表3に示す成分(各々重量部)に従って、ポリビニルア
ルコール(重合度1500〜1800)(和光純薬製)
を水に投入し、常温で1昼夜撹拌して高分子溶液を調整
した。次に、実施例5と同様に、表2の成分でバインダ
ー液を調整した。そして、上記と同様に高分子溶液とバ
インダー溶液とを混合し、常温において10分間撹拌し
た。得られた液は透明で粘性のある溶液であった。この
液を10cm角の鏡の鏡面の縦半分に1回フローコーテ
ィングして、10分間自然乾燥後に150℃30分間加
熱乾燥した。上記吸水性鏡の防曇評価を行った。該吸水
性鏡をマイナス5℃の冷凍庫で2分間冷却後に、室温に
出しても高分子を含むコーティング面は曇らなかったの
に対し、コーティングしなかった鏡面はただちに曇っ
た。
【0050】
【表5】
【0051】(2)膜の強度 この膜の鉛筆硬度はHであり、水またはノルマルプロパ
ノールのようなアルコールに溶解せず吸水性を有する膜
ができた。コートした面に5%水酸化ナトリウム水溶液
を1時間接触させても、防曇膜の溶解、剥離は確認でき
なかった。
【0052】(3)比較例 表6に示す成分(各々重量部)に従って、ポリビニルア
ルコール(重合度1500〜1800)(和光純薬製)
を水に投入し、常温で1昼夜撹拌して高分子溶液を調整
した。実施例1と同様に表2の成分でバインダー液を調
整した。上記と同様に高分子溶液とバインダー溶液を混
合し、常温において10分間撹拌した。得られた液は透
明で粘性のある溶液であった。この液を10cm角の鏡
の鏡面の縦半分に1回フローコーティングして、10分
間自然乾燥後に150℃30分間加熱乾燥した。上記吸
水性鏡をマイナス5℃の冷凍庫で2分間冷却後に、室温
下に出しても高分子を含むコーティング面は曇らなかっ
たのに対し、コーティングしなかった鏡面はただちに曇
った。この膜の鉛筆硬度はHであった。ただし、この吸
水性を有する膜は水に接触すると直ちに溶解してしま
う。また、同様に5%水酸化ナトリウム水溶液に接触す
ると10分後には溶解してしまう。これにより、1,8
−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7 は
N,N−ジメチルベンジルアミンと比較して、吸水性膜
に水への不溶性を付与することが確認できた。
【0053】
【表6】
【0054】(実施例8)表7に示す成分(各々重量
部)に従って、ポリビニルアルコール(重合度1500
〜1800)を水に投入し、常温で1昼夜撹拌して高分
子溶液を調整した。実施例1と同様に表2の成分でバイ
ンダー液を調整した。上記と同様に高分子溶液とバイン
ダー溶液を混合し、常温において10分間撹拌した。得
られた液は透明で粘性のある溶液であった。この液を1
0cm角の鏡の鏡面の縦半分に1回フローコーティング
して、10分間自然乾燥後に150℃30分間加熱乾燥
した。室温まで冷却後にマイナス5℃の冷凍庫で2分間
冷却後に、室温に出しても高分子を含むコーティング面
は曇らなかったのに対し、コーティングしなかった鏡面
はただちに曇った。この膜の鉛筆硬度はHであり、水ま
たはノルマルプロパノールのようなアルコールに溶解せ
ず防曇性を有する膜ができた。コートした面に5%水酸
化ナトリウム水溶液を1時間接触させても、防曇膜の溶
解、剥離はなかった。
【0055】
【表7】
【0056】(実施例9)表8に示す成分(各々重量
部)に従って、エチレンビニルアルコール共重合体(ク
ラレ製;エバール)をメタノールに投入し、常温で1昼
夜撹拌して高分子溶液を調整した。実施例1と同様に表
2の成分でバインダー液を調整した。上記と同様に高分
子溶液とバインダー溶液を混合し、常温において10分
間撹拌した。得られた液は透明で粘性のある溶液であっ
た。この液を10cm角の鏡の鏡面の縦半分に1回フロ
ーコーティングして、10分間自然乾燥後に150℃3
0分間加熱乾燥した。室温まで冷却後にマイナス5℃の
冷凍庫で2分間冷却後に、室温に出しても高分子を含む
コーティング面は曇らなかったのに対し、コーティング
しなかった鏡面はただちに曇った。この膜の鉛筆硬度は
Hであり、水またはノルマルプロパノールのようなアル
コールに溶解せず吸水性を有する膜ができた。コートし
た面に5%水酸化ナトリウム水溶液を1時間接触させて
も、防曇膜の溶解、剥離はなかった。
【0057】
【表8】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、本発明の吸水性鏡の表
面は、微小の水滴が付着しにくくなるので、給湯の湯気
が表面に付着して曇らず、反射像の可視性を失いにく
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、基材表面に吸水性コーティング組成
物層を形成した吸水性を有する鏡を示す。
【符号の説明】
1: 吸水性コーティング組成物層 2:基材 3:無機質骨格に有機分子が架橋した複合ポリマー 4:吸水性有機ポリマー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 129/04 C09D 129/04 B 133/14 133/14 183/02 183/02 185/00 185/00 Fターム(参考) 4D075 CA32 CA37 CA45 CB05 CB06 DA06 DB01 DB13 DB31 DC02 DC05 DC13 DC24 EC35 EC37 4J038 BA011 CE031 CG031 CG071 CG141 CG142 CG171 CH121 CH172 CK021 CK031 DF021 DL022 DL112 DL122 DM022 GA03 HA066 HA096 HA106 HA336 HA376 JA19 JA22 JA37 JA39 JA41 JA45 JA47 JA75 JB03 JB04 JB33 JC29 JC31 JC34 JC35 JC38 KA02 KA03 KA04 KA06 KA09 KA12 NA06 PB02 PB05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性コーティング組成物が、無機アル
    コキシドおよび該アルコキシドが、加水分解・重縮合し
    て形成されるOH基を有するポリマーのうちの少なくと
    も1種と、吸水性有機ポリマーと、触媒と、および水含
    有有機溶媒を含有することを特徴とする吸水性コーティ
    ング組成物。
  2. 【請求項2】 上記吸水性有機ポリマーが、少なくとも
    エチレンビニルアルコール共重合体を含有して成る事を
    特徴とする請求項1に記載の吸水性コーティング組成
    物。
  3. 【請求項3】 上記吸水性有機ポリマーが、少なくとも
    2−ヒドロキシエチルメタクリレートのポリマーあるい
    はモノマーを含有して成る事を特徴とする請求項1に記
    載の吸水性コーティング組成物。
  4. 【請求項4】 上記触媒が、加水分解触媒および硬化触
    媒であることを特徴とする請求項1記載の吸水性コーテ
    ィング組成物。
  5. 【請求項5】 上記硬化触媒が、1,8−ジアザビシク
    ロ〔5.4.0〕ウンデセン−7であることを特徴とす
    る請求項1に記載の吸水性コーティング組成物。
  6. 【請求項6】 上記硬化触媒が、第4級ホスホニウム塩
    であることを特徴とする請求項1に記載の吸水性コーテ
    ィング組成物。
  7. 【請求項7】 上記吸水性コーティング組成物が、さら
    に、親水性基を含有するフッ素系界面活性剤を含有させ
    てなることを特徴とする請求項1〜6に記載の吸水性コ
    ーティング組成物。
  8. 【請求項8】 上記吸水性コーティング組成物が、さら
    に、熱線吸収材を含有することを特徴とする請求項1〜
    6に記載の吸水性コーティング組成物。
  9. 【請求項9】 上記吸水性コーティング組成物が、苦熱
    材を含有することを特徴とする請求項1〜6に記載の吸
    水性コーティング組成物。
  10. 【請求項10】 上記吸水性コーティング組成物が、紫
    外線吸収材を含有することを特徴とする請求項1〜6に
    記載の吸水性コーティング組成物。
  11. 【請求項11】 上記吸水性コーティング組成物が、抗
    カビ剤、抗菌剤、あるいは防虫剤を含有することを特徴
    とする請求項1〜6に記載の吸水性コーティング組成
    物。
  12. 【請求項12】 基材表面が請求項1〜6に記載の吸水
    性コーティング組成物で被覆されて成ることを特徴とす
    る吸水性を有する複合材料。
  13. 【請求項13】 上記吸水性複合材料が、ヒーター、送
    風機を含む乾燥機を併設してなることを特徴とする請求
    項12に記載の吸水性複合材料。
  14. 【請求項14】 上記吸水性複合材料は、浴室用鏡、浴
    室用窓、浴室照明器具、洗面所用鏡のいずれかである請
    求項12または13に記載の吸水性複合材料。
  15. 【請求項15】 上記吸水性複合材料は、乗り物用ガラ
    ス、建造物用窓ガラス、車両用ミラー、道路鏡、計器盤
    カバー、眼鏡レンズ、ヘルメットシールド、ゴーグル、
    保温ショーケースのいずれかである請求項12または1
    3に記載の吸水性複合材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083664A1 (ja) * 2006-01-17 2007-07-26 Nippon Soda Co., Ltd. 吸液性基材
JP2009024047A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Nippon Soda Co Ltd 吸液性基材の製造方法

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