JP4628210B2 - 透明性乾燥剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子用として有用な透明性乾燥剤に関する。
近年、ブラウン管表示装置、液晶表示装置等に代わる表示装置として、有機EL素子を用いた表示装置が注目を浴びている。
有機EL素子は、少なくとも1つの有機層と1対の薄膜電極とから構成される。例えば、ガラスからなる基板上に陽極、正孔輸送層、発光層(有機発光層)、電子輸送層、陰極が順に積層された構造が知られている(図1参照)。
該陽極としては、酸化錫、酸化インジウム等の仕事関数の大きな金属、それらの合金、化合物などが使用されるが、一般にITO透明電極層が多用されている。該陰極としては、電子注入に有効な材料であって、仕事関数の小さな金属材料が好ましく、例えば、アルミニウム、マグネシウム、それらの合金等が用いられている。
有機EL素子の発光のメカニズムは次の通りである。即ち、有機EL素子の陽極と陰極との間に電圧を印加することにより、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが発光層の内部で結合し、有機発光材料の種類に応じた色の発光が得られる。
このような有機EL素子を用いた表示装置には、既存のブラウン管表示装置、液晶表示装置等と比べて、例えば、以下のような利点がある:
(1)自発光型であるためバックライトが不要であり薄型化が可能、
(2)10V程度の電圧で極めて高い発光輝度が得られるため、低電力での駆動が可能、(3)応答時間が数μ秒と極めて短いため動画表示適性に優れる、及び
(4)視野角が広い。
他方、有機EL素子を用いた表示装置には、一定期間駆動することにより発光輝度又は発光の均一性といった発光特性が低下するという欠点がある。特に、水分の存在下では発光特性は非常に劣化し易く、電極の酸化、剥離又は有機物の変性が起こることにより、ダークスポットと称される非発光部分が成長し、素子の寿命が短くなる。
かかる欠点の改善策として、例えば、新規有機発光材料の開発、封止材の改良又は保護膜の開発による密閉性の向上等の試みがなされている。また、有機EL素子内に乾燥剤粉末又は吸湿シートを配置し、素子内部を低湿度環境に保つことにより、有機EL素子の劣化を防止する試みもなされている。例えば、特許文献1には、素子内部にBaO粉末を配置することにより、素子内部の乾燥雰囲気を保つことが開示されている。
有機EL素子のさらなる長寿命化の試みとして、従来のボトムエミッション型の素子構造ではなく、トップエミッション型の素子構造を用いる検討も行われている。有機EL素子の構造としては、例えば、図2に示すように、基板がガラス等の透明基板であり、基板側の電極層が透明であり、封止部材が不透明なものがある。この構造はボトムエミッション型と称されており、有機EL素子による発光は基板側に得られる。他方、基板側の電極が不透明であり、封止部材側の電極層が透明なものはトップエミッション型と呼ばれ、有機EL素子による発光は封止部材側に得られる(図3参照)。
ボトムエミッション型有機EL素子では、発光光を基板側から取り出すため、駆動部が設置されることにより開口率が制限される。また、外部発光効率が低下するため、所定の輝度を得るためには高電圧による素子の駆動を要する。そのため、有機発光材料の劣化が著しく、素子の寿命が比較的短いという問題がある。
トップエミッション型有機EL素子では、上部電極側から光を取り出すため、駆動部の設置による開口率の低下が少なく、高い外部発光効率が得られる。そのため、低電圧での素子駆動が可能であり、その結果、有機発光材料の劣化を抑えられるため、素子の寿命を延ばすことができる。
このように、有機EL素子の高寿命化の観点からは、トップエミッション型が望ましい。しかしながら、トップエミッション型有機EL素子に乾燥剤を使用する場合、現行の粉末タイプ又はシートタイプの乾燥剤では透明性がなく、また殆どの乾燥剤は封止キャップ側に配置されるため、トップエミッション型有機EL素子には適用が困難である。
この問題の改善策として、例えば、特許文献2には、透明な捕水剤膜をトップエミッション型の有機EL素子に用いることが開示されている。しかしながら、この捕水剤膜は、長時間の使用を考慮した場合に吸湿容量が不十分であり、実用性を高めるためにはさらに改善する余地がある。
また、特許文献3には、金属蒸着による透明乾燥剤膜が示されている。しかしながら、形成される乾燥剤膜は数10〜数100nmであるため、長時間使用するためには吸湿容量が不十分である。また、薄膜形成のために真空蒸着法を用いる場合には、高温加熱が必要であり、保護膜又は封止板として透明な樹脂、フィルム等を用いることができない。
特開平9−148066号公報 特開2003−142256号公報 特開2003−338366号公報
本発明は、有機EL素子(特にトップエミッション方式の有機EL素子)用乾燥剤として好適な吸湿容量の高い透明性乾燥剤を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属アルコキシドとポリオールとを反応させることにより得られる特定の有機金属化合物が上記目的の達成に寄与することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の透明性乾燥剤に係る。
1. 金属アルコキシドとポリオールとを反応させることにより得られる有機金属化合物を含有することを特徴とする透明性乾燥剤であって、
前記有機金属化合物が
下記一般式(3)
(R O) M(OZOH) (3)
〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。R は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。bは0〜2の整数であり、cは1〜4の整数であり、b+cは、Mが第II族元素の場合は2、Mが第III族元素の場合は3、Mが第IV族元素の場合は4を示す。〕で表される有機金属化合物、
下記一般式(4)
Figure 0004628210
〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を表す。R は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;又は−ZOM(OZO)基(Z、Mは前記と同じである)を示す。dは0〜2の整数であり、eは1又は2の整数であり、d+eは、Mが第II族元素の場合は1、Mが第III族元素の場合は2、Mが第IV族元素の場合は2又は3を示す。〕で表される有機金属化合物、及び
下記一般式(5)
Figure 0004628210
〔式中、M 及びM は、互いに同一又は相異なって、第II族、第III族又は第IV族元素を示す。R 及びR は、互いに同一又は相異なって、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。f及びgは互いに独立に、M 又はM が第II族元素の場合は0を表し、M 又はM が第III族元素の場合は1を表し、M 又はM が第IV族元素の場合は2を示す。〕で表される有機金属化合物
からなる群から選択される少なくとも1種の有機金属化合物を含有することを特徴とする透明性乾燥剤。
2. 第II族元素がMg及びCaからなる群から選択された少なくとも1種であり、第III族元素がB、Al及びGaからなる群から選択された少なくとも1種であり、第IV族元素がSi、Sn、Ti及びZrからなる群から選択された少なくとも1種である上記項1に記載の透明性乾燥剤。
3. 上記項1又は2に記載の有機金属化合物をさらに熱処理により縮合させてなる縮合体を含有することを特徴とする透明性乾燥剤。
4. 有機EL素子用である上記項1〜3のいずれかに記載の透明性乾燥剤。
以下、本発明の透明性乾燥剤について詳細に説明する。
透明性乾燥剤
本発明の透明性乾燥剤は、金属アルコキシドとポリオールとを反応させることにより得られる有機金属化合物を含有することを特徴とする。
金属アルコキシド及びポリオールの種類は、該有機金属化合物が十分に透明性乾燥剤として吸湿性及び透明性を発揮し得る限り特に限定されない。
金属アルコキシドとしては、例えば、下記一般式(1)
M(OR(1)
〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。Rは置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。aは、Mが第II族元素の場合は整数2、第III族元素の場合は整数3、第IV族元素の場合は整数4を示す。〕
で表される化合物が好ましい。
Mは第II族、第III族又は第IV族元素であればよい。第II族元素としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。この中でも、特にMg及びCaの少なくとも1種が好ましい。
第III族元素としては、例えば、B、Al、Ga、In等が挙げられる。この中でも、B、Al及びGaの少なくとも1種が好ましい。
第IV族元素としては、例えば、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Pb、Hf等が挙げられる。この中でも、Si、Sn、Ti及びZrの少なくとも1種が好ましい。
は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。
1価の鎖式炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、オクタデシル、ビニル、アリル、9−オクタデセニル基等が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
1価の単環若しくは多環の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、2−メチルフェニル、1−ナフチル、ビフェニル、4−ピリジル、6−キノリニル、2−カルバゾリル基等が挙げられる。
aは、Mが第II族元素の場合は整数2、第III族元素の場合は整数3、第IV族元素の場合は整数4を示す。
一般式(1)で表される金属アルコキシドの中でも、特に炭素数1〜8の鎖式炭化水素基が好ましく、具体的に、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ(n−ブトキシ)アルミニウム、トリ(sec−ブトキシ)アルミニウム、トリメトキシホウ素、トリエトキシホウ素、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム、トリエトキシガリウム、トリイソプロポキシガリウム、トリ(n−ブトキシ)ガリウム、トリ(sec−ブトキシ)ガリウム、テトラエトキシ錫、テトラ(イソプロポキシ)錫、テトラ(n−ブトキシ)錫、テトラ(sec−ブトキシ)錫等が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、下記一般式(2)
HO−Z−OH (2)
〔式中、Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。〕
で表される化合物が好ましい。
Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。
2価の鎖式炭化水素基としては、例えば、エチレン、1,2−プロパンジイル、1,3−プロパンジイル、1,3−ブタンジイル、2,3−ブタンジイル、1,4−ブタンジイル、1,6−ヘキサンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジイル、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジイル、2−メチル−2,4−ペンタンジイル、2−メチル−1,3−ヘキサンジイル、1,2−ジフェニル−1,2−エタンジイル、2−ブテン−1,4−ジイル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジイル、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジイル、2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジイル等が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル等が挙げられる。
単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基としては、例えば、1,2−フェニレン、1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,3−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4,4‘−ジイル、2,3−ピリジル等が挙げられる。
オキシアルキレン基としては、例えば、−CHCHOCHCH−、−CHCHOCHCHOCHCH−、−CH(CH)CHOCH(CH)CH−、−CH(CH)CHOCH(CH)CHOCH(CH)CH−等が挙げられる。
イミノアルキレン基としては、例えば、−CHCHNHCHCH−、−CHCHN(CH)CHCH−、−CHCHN(CHCHOH)CHCH−等が挙げられる。
Zに含まれていてもよい置換基の種類は特に限定されないが、水酸基(−OH)であることが好ましい。
一般式(2)で表されるポリオールの中でも、特に鎖式ポリオール、脂環式ポリオール、芳香族若しくはヘテロ芳香族ポリオール、ポリオキシアルキレングリコール及びポリアルカノールアミンの少なくとも1種が好ましく、具体例は次の通りである。
鎖式ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−ジフェニル−1,2−エタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂環式ポリオールとしては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
芳香族若しくはヘテロ芳香族ポリオールとしては、例えば、カテコール、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,3−ジヒドロキシピリジン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリアルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
有機金属化合物を得るために前記した金属アルコキシドとポリオールとを反応させる方法は特に限定されない。例えば、次のような反応形態が挙げられる:
(1)1種類の金属アルコキシドとポリオール(ポリオールは2種類以上を混合してもよい、以下同じ)とを反応させる形態、
(2)2種類以上の金属アルコキシドの混合物とポリオールとを反応させる形態、
(3)上記(1)の反応により得られた有機金属化合物に、さらに(1)の反応で用いた金属アルコキシドを反応させる形態、及び
(4)上記(1)の反応により得られた有機金属化合物に、さらに(1)の反応で用いた金属アルコキシドとは異なる金属アルコキシドを反応させる形態。
なお、上記(1)〜(4)において、反応は適当な反応溶媒(例えば、トルエン等)の中で行ってもよい。原料混合物の周囲の雰囲気は特に限定的ではないが、一般に不活性雰囲気が好ましく、例えば、反応容器内を窒素雰囲気とすることが好ましい。金属アルコキシドとポリオールとを混合するだけでは反応が容易に進行しない場合には、適宜加熱することにより反応を促進してもよい。金属アルコキシドとポリオールとの混合割合は特に限定されず、目的とする有機金属化合物の種類に応じて、適宜調整できる。
金属アルコキシドとポリオールとの反応により得られる本発明の有機金属化合物としては、具体的には、次のようなものが挙げられる。
例えば、下記一般式(3)
(RO)M(OZOH) (3)
〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。Rは置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。bは0〜2の整数であり、cは1〜4の整数であり、b+cは、Mが第II族元素の場合は2、Mが第III族元素の場合は3、Mが第IV族元素の場合は4を示す。〕
で表される有機金属化合物である。
式中、R、M及びZについては、前記と同じである。bは0〜2の整数であり、cは1〜4の整数であり、b+cは、Mが第II族元素の場合は2、Mが第III族元素の場合は3、Mが第IV族元素の場合は4を示す。
一般式(3)で表される有機金属化合物の具体例としては、例えば、次の推定構造で示されるものが挙げられる。
Figure 0004628210
この推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例3に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラエトキシシラン(金属アルコキシド)とジエタノールアミン(ポリオール)とを上記反応形態(1)に従って反応させることにより合成することができる。
また、本発明の有機金属化合物としては、例えば、下記一般式(4)
Figure 0004628210
〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を表す。Rは置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;又は−ZOM(OZO)基(Z、Mは前記と同じである)を示す。dは0〜2の整数であり、eは1又は2の整数であり、d+eは、Mが第II族元素の場合は1、Mが第III族元素の場合は2、Mが第IV族元素の場合は2又は3を示す。〕
で表される有機金属化合物も挙げられる。
式中、M及びZについては、前記と同じである。Rは置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;又は−ZOM(OZO)基(Z、Mは前記と同じである)を示す。Rにおける各基の説明は、前記と同じである。dは0〜2の整数であり、eは1又は2の整数であり、d+eは、Mが第II族元素の場合は1、Mが第III族元素の場合は2、Mが第IV族元素の場合は2又は3を示す。
一般式(4)で表される有機金属化合物の具体例としては、例えば、次の2種類の推定構造で示されるものが挙げられる。
Figure 0004628210
Figure 0004628210
前者の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例1に示す方法により合成することができる。具体的には、トリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)と2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ポリオール)とを上記反応形態(1)に従って反応させることにより合成することができる。
他方、後者の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例2に示す方法により合成することができる。具体的には、2−メチル−2,4−ペンタンジオールとトリエタノールアミンとの混合物(ポリオール)とトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)とを上記反応形態(1)に従って反応させることにより合成することができる。
また、本発明の有機金属化合物としては、例えば、下記一般式(5)
Figure 0004628210
〔式中、M及びMは、互いに同一又は相異なって、第II族、第III族又は第IV族元素を示す。R及びRは、互いに同一又は相異なって、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。f及びgは互いに独立に、M又はMが第II族元素の場合は0を表し、M又はMが第III族元素の場合は1を表し、M又はMが第IV族元素の場合は2を示す。〕
で表される有機金属化合物も挙げられる。
式中、M及びMは、互いに同一又は相異なって、第II族、第III族又は第IV族元素を示す。第II族、第III族及び第IV族元素の説明としては、前記と同じである。R及びRは、互いに同一又は相異なって、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。R及びRにおいて、各基の説明は、前記と同じである。Zについては、前記と同じである。f及びgは互いに独立に、M又はMが第II族元素の場合は0を表し、M又はMが第III族元素の場合は1を表し、M又はMが第IV族元素の場合は2を示す。
一般式(5)で表される有機金属化合物の具体例としては、例えば、次の6種類の推定構造で示されるものが挙げられる。
Figure 0004628210
Figure 0004628210
Figure 0004628210
Figure 0004628210
Figure 0004628210
Figure 0004628210
上記6種類の有機金属化合物のうち、第1番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例4に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラエトキシシランとジエタノールアミンとを反応させて得られる反応生成物(即ち、合成例3で得られた有機金属化合物)にさらにトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)を上記反応形態(4)に従って反応させることにより合成することができる。
第2番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例5に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラエトキシシランとジエチレングリコールとを反応させて得られる反応生成物にさらにトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)を上記反応形態(4)に従って反応させることにより合成することができる。
第3番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例6に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラエトキシシランとジエタノールアミンとを反応させて得られる反応生成物にさらにテトラエトキシシラン(金属アルコキシド)を上記反応形態(3)に従って反応させることにより合成することができる。
第4番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例7に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラ(n−ブトキシ)チタンとジエタノールアミンとを反応させて得られる反応生成物にさらにトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)を上記反応形態(4)に従って反応させることにより合成することができる。
第5番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例8に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラ(n−ブトキシ)チタンとジエチレングリコールとを反応させて得られる反応生成物にさらにトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)を上記反応形態(4)に従って反応させることにより合成することができる。
第6番目の推定構造で示される有機金属化合物は、例えば、後記の合成例9に示す方法により合成することができる。具体的には、テトラ(n−ブトキシ)チタンとエチレングリコールとを反応させて得られる反応生成物にさらにトリイソプロポキシアルミニウム(金属アルコキシド)を上記反応形態(4)に従って反応させることにより合成することができる。
また、本発明の有機金属化合物としては、例えば、下記一般式(6)
Figure 0004628210
〔式中、M、R、Z、fは前記と同様の元素、基、整数を表し、mは1〜100の整数を表す。〕
で表される繰返し単位がブロック状又はランダム状に結合したものも挙げられる。
ブロック状又はランダム状に結合した有機金属化合物中、2種以上のM、R、f及びZは同一又は異なっていてもよい。
ブロック状又はランダム状に結合してなる有機金属化合物としては、次の2種の推定構造で示されるものが挙げられる。
Figure 0004628210
Figure 0004628210
その他、本発明の有機金属化合物としては、下記一般式(I)及び(III)〜(VIII)からなる群から選択された少なくとも1種も挙げられる。
Figure 0004628210
〔式中、Mは第III族元素を示す。Rは置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基、又は下記一般式(II)で表される基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基、オキシアルキレン基、又はイミノアルキレン基を示す。〕
Figure 0004628210
〔式中、Mは前記と同じである。一般式(I)及び(II)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。Zは前記と同じである。一般式(I)及び(II)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。Rは、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。一般式(II)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよく、さらにRどうしは結合してZで表される基を形成してもよい。〕
Figure 0004628210
〔式中、Mは第IV族元素を示す。Rは、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。一般式(III)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。Zは前記と同じである。〕
Figure 0004628210
〔式中、Mは前記と同じである。Mは第II族元素を示す。Zは前記と同じである。一般式(IV)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。Rは前記と同じである。一般式(IV)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。〕
Figure 0004628210
〔式中、M、M、Z及びRは前記と同じである。一般式(V)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。〕
Figure 0004628210
〔式中、M、Z、R及びRは前記と同じである。一般式(VI)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VI)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。〕
Figure 0004628210
〔式中、M、M、Z、R及びRは前記と同じである。一般式(VII)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。〕
Figure 0004628210
〔式中、M、Z、R及びRは前記と同じである。一般式(VIII)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。〕
一般式(I)において、Mは第III族元素を示す。第III族元素としては、例えば、B、Al、Ga、In等が挙げられる。この中でも、B、Al及びGaの少なくとも1種が好ましい。
は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基、又は一般式(II)で表される基を示す。
1価の鎖式炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、オクタデシル、ビニル、アリル、9−オクタデセニル基等が挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
1価の単環若しくは多環の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、2−メチルフェニル、1−ナフチル、ビフェニル、4−ピリジル、6−キノリニル、2−カルバゾリル基等が挙げられる。
一般式(II)で表される基については、後記する。
は置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基、オキシアルキレン基、又はイミノアルキレン基を示す。
2価の鎖式炭化水素基としては、例えば、エチレン、1,2−プロパンジイル、1,3−プロパンジイル、1,3−ブタンジイル、2,3−ブタンジイル、1,4−ブタンジイル、1,6−ヘキサンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジイル、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジイル、2−メチル−2,4−ペンタンジイル、2−メチル−1,3−ヘキサンジイル、1,2−ジフェニル−1,2−エタンジイル、2−ブテン−1,4−ジイル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジイル、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジイル、2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジイル等が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル等が挙げられる。
単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基としては、例えば、1,2−フェニレン、1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,3−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4,4‘−ジイル、2,3−ピリジル等が挙げられる。
オキシアルキレン基としては、例えば、−CHCHOCHCH−、−CHCHOCHCHOCHCH−、−CH(CH)CHOCH(CH)CH−、−CH(CH)CHOCH(CH)CHOCH(CH)CH−等が挙げられる。
イミノアルキレン基としては、例えば、−CHCHNHCHCH−、−CHCHN(CH)CHCH−、−CHCHN(CHCHOH)CHCH−等が挙げられる。
に含まれていてもよい置換基の種類は特に限定されないが、水酸基(−OH)であることが好ましい。
一般式(I)で表される有機金属化合物において、Rは下記一般式(II):
Figure 0004628210
で表される基であってもよい。
一般式(II)において、Mは前記と同じである。一般式(I)及び(II)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。
は前記と同じである。一般式(I)及び(II)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。
は、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基については、前記と同じである。
一般式(II)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよく、さらにRどうしは結合してZで表される基を形成してもよい。Zは前記と同じである。
一般式(III)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(III)において、Mは第IV族元素を示す。第IV族元素としては、例えば、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Pb、Hf等が挙げられる。この中でも、Si、Sn、Ti及びZrの少なくとも1種が好ましい。
は、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基、又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基については、前記と同じである。一般式(III)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。
は前記と同じである。
一般式(IV)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(IV)において、Mは前記と同じである。
は第II族元素を示す。第II族元素としては、例えばBe、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。この中でも、特にMg及びCaの少なくとも1種が好ましい。
は前記と同じである。一般式(IV)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。
は前記と同じである。一般式(IV)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。
一般式(V)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(V)において、M、M、Z及びRは前記と同じである。Rには、一般式(II)で表される基が含まれる。一般式(V)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。
一般式(VI)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(VI)において、M、Z、R及びRは前記と同じである。Rには、一般式(II)で表される基が含まれる。一般式(VI)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VI)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。
一般式(VII)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(VII)において、M、M、Z、R及びRは前記と同じである。Rには、一般式(II)で表される基が含まれる。一般式(VII)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。
一般式(VIII)で表される有機金属化合物は、次式
Figure 0004628210
で表される。
一般式(VIII)において、M、Z、R及びRは前記と同じである。一般式(VIII)に含まれるMは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるZは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。一般式(VIII)に含まれるRは、同一又は異なっていてもよい。
一般式(VIII)におけるRどうしは、結合してZで表される基を形成してもよい。Zは前記と同じである。
上記説明した本発明の有機金属化合物は、特に有機EL素子用透明性乾燥剤として好適に使用できる。
例えば、有機金属化合物を各種溶媒に溶解してなる液状物を所定の有機EL素子用基板に塗布・乾燥することにより有機EL素子用透明性乾燥剤層を形成できる。
溶媒としては、乾燥剤層の透明性に悪影響を与えず、有機金属化合物の溶解性が高いものであれば特に限定されず、有機金属化合物の種類に応じて適宜選択できる。例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、石油系溶剤等の溶媒が使用できる。具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン等が挙げられる。
該液状物の粘度は、塗布が容易な範囲であれば特に限定されない。有機金属化合物の濃度(液中における重量%)は5〜95重量%の中から、適宜好ましい数値を選択できる。
該液状物を所定の基板に塗布する方法は特に限定されず、例えば、刷毛塗り、スピンコーター法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、スプレー法等の方法が挙げられる。塗布膜の厚みは特に限定されず、通常1〜300μm、好ましくは5〜100μm程度(乾燥時)となるように塗布すればよい。塗布時及び乾燥時は、低湿度環境(例えば、不活性雰囲気である乾燥N雰囲気)であることが好ましい。
塗布後の乾燥条件は特に限定されないが、十分に水分含有量を低減できることが好ましい。例えば、塗布後の透明性乾燥剤層を50〜300℃で数分〜数時間、好ましくは100〜200℃で5分〜30分間程度乾燥すればよい。乾燥処理において、有機金属化合物の水分含有量を十分に低下できるだけでなく、有機金属化合物の縮合体を形成できる場合には、有機金属化合物の吸湿性能をより高めることができる。縮合体が生じる場合には、特に有機金属化合物に含まれているアルコキシ基及びポリヒドロキシ基を残して縮合することが好ましい。
乾燥後の乾燥剤膜の色調は、透明性であるが、無色透明に限定されない。例えば、淡黄色透明、薄褐色透明、薄茶色透明、薄青色透明等が挙げられる。透明性の程度は、例えば、JIS K 7105に準拠した透明性規格により判断できる。透明性としては、透過率90%以上が好ましい。
このようにして得られた透明乾燥剤層は、吸湿性に優れており、長期にわたり安定して吸湿性能を発揮できる。透明性乾燥剤層は、透明であるため透光性に優れており、トップエミッション方式の有機EL素子用の乾燥剤としても、好適に使用できる。特に吸湿性が高いため、有機EL素子の性能劣化要因となるダークスポットの発生等を十分に防止することができる。
本発明の透明性乾燥剤は、吸湿性に優れており、長期にわたり安定して吸湿性能を発揮できる。透明性乾燥剤層は、透明であるため透光性に優れており、トップエミッション方式の有機EL素子用の乾燥剤としても、好適に使用できる。有機金属化合物としては、特に実施例2〜6で示される有機金属化合物が好適である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
合成例1:有機金属化合物1の合成
容量500mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム128.24g(0.63mol)およびトルエン110.63gを入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら室温にて溶解させた。この溶液に、2−メチル−2,4−ペンタンジオール111.32g(0.94mol)を滴下して85〜95℃で1時間加熱還流した後、常圧下、85〜105℃で反応溶液からイソプロピルアルコールおよびトルエンを留去した。更に減圧下69.9kPa、85〜90℃でほとんど留出が無くなるまで脱溶媒した。その後、50℃以下まで冷却した後、トルエンを加えて50.3%溶液とした。溶液の粘度は、5mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:6.75%(理論値 6.75%)
IRスペクトル(cm−1
・2969、2905(アルキル基C−H伸縮振動)
・647、541(Al−Oの吸収)
合成例2:有機金属化合物2の合成
容量500mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム101.15g(0.50mol)およびトルエン80.18gを入れて窒素置換を行った後、室温にて溶解させた。その後、攪拌しながら20〜52℃にて2−メチル−2,4−ペンタンジオール58.53g(0.50mol)とトリエタノールアミン73.90g(0.50mol)の混合液を滴下した。85〜90℃で1時間還流させた後、常圧下、90〜125℃で反応溶液からイソプロピルアルコールを留去した。更に減圧下1.3kPa、30〜61℃でほとんど留出が無くなるまで脱溶媒した。
その後、50℃以下まで冷却した後、トルエンを加えて56.1%溶液とした。溶液の粘度は、11mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:5.20%(理論値 5.20%)
IRスペクトル(cm−1
・3350(O−H伸縮振動)
・2968、2878(アルキル基C−H伸縮振動)
・674、640、608、547(Al−Oの吸収)
合成例3:有機金属化合物3の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラエトキシシラン76.55g(0.37mol)、ジエタノールアミン77.27g(0.73mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら減圧下、70〜80℃でエタノール33.9g(0.74mol)を留出させ、無色液体119.05g(0.36mol)を得た。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するために、赤外吸収スペクトルの測定を行った。結果を以下に示す。
IRスペクトル(cm−1
・3287(N−H伸縮振動及びO−H伸縮振動重なり)
・2929、2884(アルキル基C−H伸縮振動)
・1455(アルキル基C−H変角振動)
・1077(C−O伸縮振動)
・792(Si−O伸縮振動)
合成例4:有機金属化合物4の合成
容量200mLのガラス製反応容器にテトラエトキシシラン44.29g(0.21mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら室温にてジエタノールアミン44.71g(0.43mol)を滴下した。その後、64〜77℃で1時間、反応させた後、常圧95〜112℃でエタノール19.6g(0.43mol)を留出させ、中間体67.58g(0.21mol)を得た。
容量200mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム39.02g(0.19mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体62.39g(0.19mol)を30〜47℃で滴下した。90〜100℃で2時間還流後、イソプロピルアルコールを減圧下6.8kPa、60〜80℃でほとんど留出が無くなるまで脱溶媒した。その後、50℃以下まで冷却した後、トルエンを加えて56.3%溶液とした。溶液の粘度は、26mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:3.70%(理論値 3.70%)
IRスペクトル(cm−1
・3391(N−H伸縮振動)
・2972、2933、2886(アルキル基C−H伸縮振動)
・1461(アルキル基C−H変角振動)
・605(Al−Oの吸収)
合成例5:有機金属化合物5の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラエトキシシラン60.00g(0.29mol)、ジエチレングリコール61.13g(0.58mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら70℃で30分反応させ、中間体エタノール溶液121.28g(濃度78.0%、0.29mol)を得た。
次に別の容量300mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム48.30g(0.24mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体エタノール溶液99.58g(濃度78.0%、0.24mol)を50〜60℃で滴下した。80℃で1時間反応後、イソプロピルアルコールを減圧下、70〜80℃でほとんど留出が無くなるまで留去した。その後、トルエンを加えて54.4%溶液とした。溶液の粘度は、5mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:3.56%(理論値 3.56%)
IRスペクトル(cm−1
・2972、2929、2883(アルキル基C−H伸縮振動)
・1456(アルキル基C−H変角振動)
・1150〜1100(C−O−C伸縮振動)
・1081(C−O伸縮振動)
・789(Si−O伸縮振動)
・644、596、555(Al−O吸収帯)
合成例6:有機金属化合物6の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラエトキシシラン76.55g(0.37mol)、ジエタノールアミン77.27g(0.73mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら減圧下、70〜80℃でエタノール33.9g(0.74mol)を留出させ、中間体119.05g(0.36mol)を得た。
次に別の容量300mLのガラス製反応容器にテトラエトキシシラン45.40g(0.22mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体71.15g(0.22mol)を室温で滴下した。70℃で30分間反応後、エタノールを減圧下、70℃でほとんど留出が無くなるまで留去した。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するために、赤外吸収スペクトルの測定を行った。結果を以下に示す。
IRスペクトル(cm−1
・3304(N−H伸縮振動)
・2974、2930、2886(アルキル基C−H伸縮振動)
・1457(アルキル基C−H変角振動)
・1166(C−N伸縮振動)
・1078(C−O伸縮振動)
・791(Si−O伸縮振動)
・630、599(Al−O吸収帯)
合成例7:有機金属化合物7の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラ(n−ブトキシ)チタン74.98g(0.22mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら25〜50℃でジエタノールアミン46.33g(0.44mol)を滴下した。その後、30℃で15分間反応させ、中間体ブタノール溶液121.14g(濃度73.2%、0.22mol)を得た。
次に別の容量300mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム38.23g(0.19mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体ブタノール溶液102.89g(濃度73.2%、0.19mol)を50〜60℃で滴下した。85℃で30分間反応後、副生アルコールを減圧下、70〜85℃でほとんど留出が無くなるまで留去した。その後、トルエンを加えて46.7%溶液とした。溶液の粘度は、5mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:2.59%(理論値 2.59%)
IRスペクトル(cm−1
・3203(N−H伸縮振動)
・2957、2927、2867(アルキル基C−H伸縮振動)
・1459(アルキル基C−H変角振動)
・1117(C−N伸縮振動)
・1066(C−O伸縮振動)
・680、606、514(Al−O及びTi−O吸収帯)
合成例8:有機金属化合物8の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラ(n−ブトキシ)チタン80.48g(0.24mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら室温にてジエチレングリコール50.19g(0.47mol)を滴下した。
その後、80℃に加熱し、減圧下、65〜80℃でブタノール14.1gを留出、濃縮して、中間体ブタノール溶液116.40g(濃度82.1%、0.24mol)を得た。次に別の容量300mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム41.91g(0.21mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体ブタノール溶液101.06g(濃度82.1%、0.21mol)を55〜65℃で滴下した。80℃で30分間反応後、副生アルコールを減圧下、60〜75℃でほとんど留出が無くなるまで留去した。その後、トルエンを加えて49.1%溶液とした。溶液の粘度は、4mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:2.71%(理論値 2.71%)
IRスペクトル(cm−1
・2958、2926、2862(アルキル基C−H伸縮振動)
・1462(アルキル基C−H変角振動)
・1144(C−O−C伸縮振動)
・1068(C−O伸縮振動)
・680、634、652(Al−O及びTi−O吸収帯)
合成例9:有機金属化合物9の合成
容量300mLのガラス製反応容器にテトラ(n−ブトキシ)チタン93.16g(0.27mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら25〜45℃でエチレングリコール32.89g(0.55mol)を滴下した。その後、35℃で20分間反応させ、中間体ブタノール溶液126.05g(濃度67.8%、0.27mol)を得た。
次に別の容量300mLのガラス製反応容器にトリイソプロポキシアルミニウム47.44g(0.23mol)を入れて窒素置換を行った後、攪拌しながら先に調製した中間体ブタノール溶液106.97g(濃度67.8%、0.23mol)を45〜55℃で滴下した。85℃で30分間反応後、副生アルコールを減圧下、70〜85℃でほとんど留出が無くなるまで留去した。その後、トルエンを加えて44.5%溶液とした。溶液の粘度は、10mPa・sであった。
合成した有機金属化合物の推定構造は、次の通りである。
Figure 0004628210
当該化合物の生成を確認するためにアルミニウム含量、赤外吸収スペクトルの測定を行った。各結果を以下に示す。
アルミニウム含量:3.03%(理論値 3.03%)
IRスペクトル(cm−1
・2958、2931、2870(アルキル基C−H伸縮振動)
・1463(アルキル基C−H変角振動)
・1085(C−O伸縮振動)
・645、601(Al−O及びTi−O吸収帯)
実施例1〜9及び比較例1
実施例1〜9及び比較例1で用いた有機金属化合物を下記表1に示す。
Figure 0004628210
溶液の濃度、粘度、外観を下記表2に示す。
Figure 0004628210
上記の溶液を、乾燥N環境下でスピンコーターを用いて5cm角ガラスの表面に塗布した。
その後、同環境下において、200℃で10分間ホットプレートにより加熱し乾燥させて、膜厚10μm程度の透明な乾燥剤薄膜を得た。
次に、得られたサンプルについて吸湿性評価を行った。測定環境は20℃、湿度65%の条件とした。
サンプルの重量増加を図4に示す。図4からは、実施例2〜6のサンプルの重量増加が大きいことが分かる。
また、密閉容器(容積 約500ml)内に放置したときの時間経過に伴う湿度の低下を図5に示す。図5からは、実施例2及び3のサンプルの吸湿能力が高いことが分かる。
各サンプルの吸湿前後(吸湿条件は26.9℃、湿度59.7%で1時間放置)した場合の乾燥剤層透明性(平行線透過率)を表3に示す。
表3からは、実施例1〜9全てのサンプルが十分な透明性を維持できることが分かる。
Figure 0004628210
実験例1〜3
実施例3、4で用いた乾燥剤溶液から形成した透明性乾燥剤薄膜の吸湿性を、有機ELデバイスでの実使用において確認した。
≪有機ELデバイスの作製≫
先ず、ガラス基板上にITO透明電極(陽極)層を形成したものを用意した。次いで、陽極層の上に有機EL層を蒸着した。有機EL層は、陽極層側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子注入層の4層とした。次いで、電子注入層上にAlからなる陰極層を蒸着した。これにより、有機ELデバイスの基本構造を作製した。
図2及び図3に示す封止部材(封止キャップ)及びシール材を用意した。封止キャップは、中央に凹部を有しており、この凹部内面に乾燥剤膜を設けることにより、凹部内側に乾燥手段を有する封止キャップとなる。乾燥剤膜は次の手順に従って形成した。即ち、乾燥剤溶液約0.15mlをキャップの凹部内面に均一に塗布し、200℃で10分間加熱及び乾燥することにより形成した。この作業は、全てN環境下(HO濃度:1.2ppm、O濃度:5.6ppm)で行った。実験例と乾燥剤の種類との関係を下記表4に示す。
Figure 0004628210
前記同様のN環境下において、前記封止キャップを有機ELデバイスに装着した。前記シール材としては、紫外線硬化樹脂からなるシール材を用意した。具体的には、シール材を介して封止キャップの端部をガラス基板の表面に当接し、シール材にUV照射及び1時間加熱(80℃)によるエージングを施すことにより樹脂を硬化させて封止した。
≪吸湿性の確認≫
前記3種類の有機ELデバイスを、温度60℃、湿度90%の環境下で保存した。吸湿性は、発光層に経時的に発生する非発光部分(ダークスポット)の成長を肉眼で観察することにより確認した。ダークスポットの成長が確認できない(又は遅い)場合には、吸湿性は良好である。ダークスポットの成長については、保存初期、133時間経過後、301時間経過後に行った。ダークスポットの経時的観察結果を図6に示す。
有機EL素子の構造の一例を示す模式図である。 ボトムエミッション型有機EL素子の構造の一例を示す模式図である。 トップエミッション型有機EL素子の構造の一例を示す模式図である。 実施例及び比較例において調製した透明性乾燥剤の特性(時間と乾燥剤の重量増加との関係)を示す図である。 実施例及び比較例において調製した透明性乾燥剤の吸湿能力(時間と密閉容器内の湿度との関係)を示す図である。 実験例1〜3の結果を示す図である。
符号の説明
(1)ガラス基板
(2)陽極
(3)正孔輸送層
(4)発光層
(5)電子輸送層
(6)有機層
(7)陰極
1 ガラス基板
2 陽極(透明電極)
3 有機層
4 陰極(不透明電極)
5 封止部材
6 シール材
1’ガラス基板
2’陽極(反射電極)
3’有機層
4’陰極(透明電極)
5’封止部材
6’シール材

Claims (4)

  1. 金属アルコキシドとポリオールとを反応させることにより得られる有機金属化合物を含有することを特徴とする透明性乾燥剤であって、
    前記有機金属化合物が
    下記一般式(3)
    (R O) M(OZOH) (3)
    〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。R は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。bは0〜2の整数であり、cは1〜4の整数であり、b+cは、Mが第II族元素の場合は2、Mが第III族元素の場合は3、Mが第IV族元素の場合は4を示す。〕で表される有機金属化合物、
    下記一般式(4)
    Figure 0004628210
    〔式中、Mは第II族、第III族又は第IV族元素を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を表す。R は置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;又は−ZOM(OZO)基(Z、Mは前記と同じである)を示す。dは0〜2の整数であり、eは1又は2の整数であり、d+eは、Mが第II族元素の場合は1、Mが第III族元素の場合は2、Mが第IV族元素の場合は2又は3を示す。〕で表される有機金属化合物、及び
    下記一般式(5)
    Figure 0004628210
    〔式中、M 及びM は、互いに同一又は相異なって、第II族、第III族又は第IV族元素を示す。R 及びR は、互いに同一又は相異なって、置換基を有していてもよい1価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい1価の脂環式炭化水素基;又は置換基を有していてもよい単環若しくは多環の1価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基を示す。Zは置換基を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基;置換基を有していてもよい単環若しくは多環の2価の芳香族若しくはヘテロ芳香族炭化水素基;オキシアルキレン基;又はイミノアルキレン基を示す。f及びgは互いに独立に、M 又はM が第II族元素の場合は0を表し、M 又はM が第III族元素の場合は1を表し、M 又はM が第IV族元素の場合は2を示す。〕で表される有機金属化合物
    からなる群から選択される少なくとも1種の有機金属化合物を含有することを特徴とする透明性乾燥剤。
  2. 第II族元素がMg及びCaからなる群から選択された少なくとも1種であり、第III族元素がB、Al及びGaからなる群から選択された少なくとも1種であり、第IV族元素がSi、Sn、Ti及びZrからなる群から選択された少なくとも1種である請求項に記載の透明性乾燥剤。
  3. 請求項1又は2に記載の有機金属化合物をさらに熱処理により縮合させてなる縮合体を含有することを特徴とする透明性乾燥剤。
  4. 有機EL素子用である請求項1〜のいずれかに記載の透明性乾燥剤。
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