JP4876609B2 - 有機電子デバイス用の捕捉剤及び有機電子デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、水や酸素の痕跡量の存在によってその性能が鋭敏にしかも著しく悪影響を受ける有機電子デバイス(例えば、有機EL(Eletroluminescence)、有機薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))、有機太陽電池等)に対する水及び酸素の捕捉剤及びそれを用いた有機電子デバイスに関する。
従来から、有機EL、有機TFT、有機太陽電池等の有機化合物を用いた電子デバイス(素子)である有機電子デバイスが開発されている。これらの有機電子デバイス、例えば、有機ELデバイス、有機TFTデバイス、有機太陽電池、電子ペーパーなどは、有機化合物を使用しているため、痕跡量の酸素及び/又は水の影響を受けて性能が劣化する。
有機電子デバイスは有機材料を用いて、これに電子及び正孔の注入又は取り出しを繰り返すことによって種々の機能を発現するデバイスである。すなわち、その有機材料を繰り返して酸化還元反応を行わせることをデバイス作動機構としている。
有機材料及びその酸化体又は還元体は、本質的に、酸素及び/又は水との化学的反応性が無機材料に対して高く、これが有機材料を劣化させ本来の電子デバイスとしての機能を損ね、性能が劣化することになる。
そこで有機電子デバイスを配置するには通常密封容器が用いられ、これには極力、酸素及び/又は水分を痕跡量以下に保つことが必要である。従って、有機電子デバイスの作製は、超高真空下及び/又は不活性雰囲気下で製造操作を行っている。
さらに有機電子デバイスの構成として、材料由来のアウトガス及び/又は密封容器の封止部分から侵入する劣化因子を捕捉する捕捉剤をデバイス内に配することによってこれらの影響を出来るだけ小さくするように配慮している。
しかしながら、現在までに知られているこれらの捕捉剤は系内の酸素及び/又は水を除去しうる捕捉剤は、その能力が十分なものは少ない。また同一の物質によって、水及び酸素を共に捕捉しうる捕捉材は極めて少ない。
特許文献1には、水及び酸素に非常に高い反応性を持つアルカリ(土類)金属類を捕捉剤として用いる発明が開示されているが、アルカリ(土類)金属はその取り扱いが著しく危険を伴う煩雑なものであり、デバイス内に配する場合もその方法が限定されている。さらに、これらを配したデバイスが廃棄処分や事故などで破壊され、通常の大気雰囲気中の高濃度な水及び/又は酸素に晒された場合、自然発火の可能性があり、危険なものであり、一般的な捕捉材として使用するには適当ではない。
特許文献2には、有機EL層を構成する材料を捕捉剤として用いることを特徴とする発明が開示されている。しかし水及び/又は酸素との反応速度は電子ないし正孔を授受している、すなわち励起状態にある有機材料の方が著しく速い。そのため捕捉剤として提案されている有機材料が本質的にその機能を高く保持しているか疑問であり、さらに透明性に関してもヘテロ元素(酸素、窒素、硫黄など)を含む有機材料が劣化した場合に着色してしまうことは一般的に知られており、捕捉剤層が薄いとしても問題となる可能性がある。
このように、従来の捕捉剤は、酸素及び水素の双方を捕捉できるものはあまりなく、あったとしても取扱いが危険なものである。
特開2002−008852号公報 特開2006−004721号公報
本発明は、取扱いが容易で水及び酸素の捕捉能が高い捕捉剤を提供することを課題としている。
また、本発明は、取扱いが容易で、水や酸素の影響が小さく長寿命な有機電子デバイスを提供することを課題としている。
本発明によれば、一般式AlRで表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物と、水、二硫化炭素、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第1級ホスフィン化合物及び第2級ホスフィン化合物からなる群より選ばれた1種のものとの反応によって得られた生成物から成る有機電子デバイス用の捕捉剤が提供される。ただし、Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基、分枝アルキル基又は脂環式アルキル基である。
ここで、前掲の捕捉剤と他の捕捉剤を混合して成るように構成してもよい。
また、前記他の捕捉剤が、請求項1の捕捉剤と反応しない有機溶媒に溶解するように構成してもよい。
また、前掲の捕捉剤と、該捕捉剤と反応しないバインダーとを混合して成るように構成してもよい。
また、前掲の有機電子デバイスが有機ELデバイス、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池又は有機CMOSセンサであるように構成してもよい。
また、本発明によれば、前掲の捕捉剤を使用して成ることを特徴とする有機電子デバイスが提供される。
本発明の有機電子デバイス用の捕捉剤は、取り扱いが容易で、水分捕捉能及び酸素捕捉能ともに極めて優れている。したがって、有機電子デバイスに使用することにより、有機電子デバイスに悪影響を与える水分や酸素を低減することが可能になる。
また、本発明の有機電子デバイス用の捕捉剤は、捕捉剤溶液を均一な溶液とすることができるため、塗布法によって有機電子デバイスの様々な位置に配することが可能になる。
また、本発明の有機電子デバイスによれば、水や酸素による寿命低下を抑制することができるため、長寿命化を図ることが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用の捕捉剤及び有機電子デバイスについて説明する。尚、有機電子デバイスは、その主要な機能を発揮するために必要な部分に有機材料を用いており、前記有機材料に電子的な働きを行わせることによって機能を発揮するように構成された電子素子である。
本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用の捕捉剤は、水、二硫化炭素、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第1級ホスフィン化合物及び第2級ホスフィン化合物からなる群より選ばれた極性基を有する1種のものと、一般式AlRで表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物との反応によって得られた生成物から成る。ただし、Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基、分枝アルキル基又は脂環式アルキル基である。
AlRで表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物と、これらの極性基を有する化合物との反応条件は次の如くである。
反応組成比は、AlRと極性化合物とのモル比で、1:0.01から1:2.5の範囲であり、好ましくは、1:0.1から1:2である。反応温度は、常温で十分であるが、50℃程度まで加温することにより、反応はより短時間で完結する。溶媒は無くともよいが、炭化水素系溶媒を用いてもよい。反応方法に特に制限はないが、通常は、AlRに極性化合物をゆっくり添加して反応する方法が好ましい。
このように、反応に必要な最低限の条件として、AlRと極性化合物とを反応させる際の組成比を前記の如く選定することにより、水及び酸素の捕捉剤として利用可能な反応生成物を得ることができる。
前記反応生成物より溶媒を除去した後、そのまま、捕捉剤として用いてもよいし、適当な溶媒で希釈して用いてもよいし、バインダーと混合して用いてもよい。
本発明者らは、この反応生成物が水及び酸素の捕捉剤として優れた性能を持つことを見出した。この化合物は出発原料であるAlRと比較すると、水及び酸素との反応が遅いため取り扱いが容易である。
不活性雰囲気下、この捕捉剤の溶液を所望の位置に塗布し、溶剤などの揮発分を除去することにより捕捉剤の膜を形成できる。例えば、有機ELデバイスの各画素に配されているブラックマトリックス及びその近傍に本捕捉剤膜を形成することにより、各画素による発光寿命のばらつきをなくす事ができ、優れた表示性能を持続させることができる。
本発明の実施の形態に係る捕捉剤は、前述した化合物に他の水分及び/又は酸素捕捉剤を混合できる。他の水の捕捉剤としては、化学的に水分子と反応するもの、物理的に水分子を吸着するもの、その他いずれの物でもよい。
化学的に水分子と反応するものとしては、金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、有機金属化合物などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。硫酸塩としては、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウムなどが挙げられる。有機金属化合物としては、トリアシルシクロボロキシン、アルミニウムオキサイドオクチレートなどが挙げられる。
物理的に吸着するものとしては、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナなどが挙げられる。
本発明の実施の形態に係る化合物と混合する他の捕捉剤は、化合物をトルエン、キシレン、パラフィン、流動パラフィン、デカリン、ジグライムなど非水溶媒である芳香族有機溶媒、脂肪族溶媒、エーテル系溶媒などに溶解した溶液中に均一に溶解、分散でき、少なくとも沈殿しないものが好ましい。また、塗布乾燥したときに均一透明になることが好ましい。特に好ましいのはボロンオキサイドオクチレート、アルミニウムオキサイドオクチレートなどである。
本発明の実施の形態に用いられる捕捉剤のバインダーの種類としては無機系でも良く、有機系の材料でも良い。
無機系バインダーとしてはアルコキシシランのポリマーが挙げられる。アルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシランなどが挙げられる。また、塗膜強度を向上させるために、少量のアルコキシジルコニウムを添加することもできる。
アルコキシシランのポリマーはアルコキシシランに水を0.1mol%以上添加し、さらに触媒として酸あるいはアルカリをごく微量添加させ反応を起こさせる。触媒を添加せずに加熱することにより重合反応を起こさせることも可能である。反応溶液を高温で濃縮乾燥することにより重合体を得ることができるが、溶媒に再溶解して保存することが好ましい。
有機系バインダーとしては捕捉剤と反応しない透明な樹脂を用いることが出来る。例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂等である。また有機バインダーとして液状ポリマー、石油樹脂を用いることが出来る。液状ポリマーとしては、液状ポリブテン、液状ポリブタジエンなどが挙げられる。石油樹脂としては、日石ネオポリマーなどが挙げられる。
さらに、有機バインダーとして、各種のゴムを用いることができる。例えば、スチレンーブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、などが用いることもできる。
また有機系バインダーと無機系バインダーを混合してもよく、あらかじめ反応させたハイブリットタイプの樹脂でも良い。ハイブリットタイプの樹脂としてはカネカゼムラック等アクリルシリコーン系が挙げられる。これらの透明樹脂を有機溶媒に溶解することにより塗膜形成用溶液を作製できる。樹脂溶液の濃度は10wt%以上、好ましくは20〜80wt%用いる。
捕捉剤塗膜の作製はバインダー溶液に本発明化合物を含む捕捉剤をバインダーの固形分に対し10wt%以上、好ましくは20〜80wt%添加し十分に攪拌し均一溶液を得る。不活性雰囲気下、この捕捉剤溶液を有機電子デバイスの封止基板、例えばキャップガラス基板、あるいは有機電子デバイスの所望の位置に塗布した後、揮発成分を留去する。塗布方法はスピンコーター、ロールコーター、スプレーコーター、液滴吐出法、ディスペンサーなどによる方法で良く、特に限定するものではない。成膜温度は50℃以上であり、好ましくは100〜200℃であり、塗布溶液の溶剤等の揮発成分を除去できればよく、特に限定するものではない。
本発明に用いられるデバイス、特に有機ELデバイスの構造について以下に述べる。素子の構造自体は公知の構造をとることが出来る。例えば陽極/正孔輸送剤/発光層/陰極、あるいは陽極/導電性高分子/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極等が挙げられる。ここで、記号「/」は、層を積層したことを示す記号である。
以下、有機ELデバイスの作製について陽極/発光層/陰極の構造のものを例にとって以下に述べる。
TFT及び配線をあらかじめ作製した基板の所定の位置に形成する。この電極は電子注入陰極となる。この材料としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、Mg―Ag合金などが用いられる。該陰極の作成方法としては公知の真空蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。次いで発光層を設けるが発光層の材料は公知のものが使用できる。低分子タイプ、高分子タイプのいずれでも良く、発光層の作製方法は真空蒸着法、スピンコート法、液滴吐出法等の材料に適した方法が用いられる。
次いで発光層の上に可視光領域で透明な電極を形成する。電極の材料としては導電性の金属酸化物膜、金属薄膜等が用いられる。具体的にはITO(インジウムスズオキサイド、In:Sn)、ATO(アンチモンスズオキサイド、SnO:Sb)、IZO(インジウムジンクオキサイド、ZnO:In)、アルミニウム、金、白金、銀、銅等が用いられる。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、インクジェット法等が用いられる。上記のようにして本発明の有機ELデバイスを作成することができるが、別の構造のものについても同様の方法で作製が可能である。
また、有機薄膜トランジスタや有機太陽電池等も公知の方法で、本発明の捕捉剤を配したデバイスを作製することが可能である。
本発明の捕捉剤を用いた有機ELデバイスは、上記のようにして作製された有機ELデバイス付き基板を本発明の捕捉剤付きキャップガラスで封止することにより作製することができる。あるいはインクジェットにより有機EL素子付き基板の任意の位置に捕捉剤を配置後、キャップガラスまたはプラスチック基板で封止して作製することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用の捕捉剤は、一般式AlR(Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基、分枝アルキル基又は脂環式アルキル基である。)で表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物と、水、二硫化炭素、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第1級ホスフィン化合物及び第2級ホスフィン化合物からなる群より選ばれた1種のものとの化学反応によって得られた生成物から成っている。
したがって、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用の捕捉剤は、水分捕捉能及び酸素捕捉能ともに極めて優れている。また、前述したアルカリ(土類)金属のような危険性はないため、取り扱いが容易である。したがって、有機電子デバイスに容易に使用することが可能になり又、有機電子デバイスに悪影響を与える水分や酸素を低減することが可能になるため、有機電子デバイスの寿命の低下を大幅に改善することが可能になる。
また、本発明の有機電子デバイス用の捕捉剤は、捕捉剤溶液を均一な溶液とすることができるため、塗布法によって有機電子デバイスの様々な位置に配することが可能になる。
塗布法にも特に制限は無く、例えば液滴吐出法のような精密に塗布することができる方法をとることも可能となる。
尚、液滴吐出法とは、液滴を所望の領域に吐出することにより、被吐出物からなる所望パターンを形成する方法であり、インクジェット法と呼ぶ場合もある。この場合、吐出する液滴は、本実施の形態においては水及び酸素の捕捉剤を含む組成物である。さらに液滴吐出とは、吐出時に噴霧されるものに限らず、液状体の1滴1滴が連続するように吐出される場合も含むものである。また、塗布法としては、液滴吐出法以外にも、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法等の各種の塗布法を用いることができる。
また、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイスによれば、水や酸素による寿命低下を抑制することができるため、長寿命化を図ることが可能になるという効果を奏する。
前記有機電子デバイスとして、例えば、有機薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))、有機太陽電池、有機光電変換膜を用いたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ(有機CMOSセンサ)、有機電子ペーパーがある。
また、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用の捕捉剤の製造方法によれば、一般式AlR(Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基、分枝アルキル基又は脂環式アルキル基である。)で表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物と、水、二硫化炭素、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第1級ホスフィン化合物及び第2級ホスフィン化合物からなる群より選ばれた1種のものとを化学反応させることによって、捕捉剤としての生成物が製造される。尚、反応条件は前記の通りである。
次に、本発明の実施例について説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
トリオクチルアルミニウム50gをトルエンに溶解し、激しく攪拌しながらトリオクチルアルミニウムに対して1当量分の水を含む含水トルエンを−10℃で一気に加え、この溶液を50℃で1時間攪拌した。溶媒を50℃(10−2Torr)で留去して、目的とする生成物からなる水及び酸素の捕捉剤を得た。
前記の如くして得られた生成物(捕捉剤)の脱水性能を測定した。ガラス製シャーレに乾燥固化した生成物1.5gをのせて密閉した内容積640cmの容器に入れ、容器内に静置した湿度センサーで容器内の湿度の経時変化を測定した結果を図1に示す。比較対照として酸化カルシウム、およびホープ製薬製オリーブAOOと比較した。本実施例1に係る生成物(図1のグラフA)は対照の2つの水分捕捉剤に対して優れた吸湿能力をしめした。
前記の如くして得られた生成物(捕捉剤)の脱酸素性能を測定した。十分に乾燥した流動パラフィン50gに、実施例1に係る生成物(捕捉剤)2.0gを添加し、均一に混合溶解した。500μm厚の透明ガラス基板にサンドブラスト加工を施し、さらにフッ酸によるエッチング処理を施して深さ300μmの凹部を形成したキャップガラス基板に、上記混合溶液を塗布し、140℃のホットプレートで20分間加熱成膜した。
得られたキャップガラスを、パッシブ型ドライバを配した透明電極(ITO)にPEDOT−PSS(スピンコート法)/低分子タイプRGB発光材料(蒸着法)/LiF(バッファ層、蒸着法)/Al(陰極、蒸着法)画素を積層した有機ELデバイスに貼りあわせた。酸素センサーで容器内の酸素濃度の経時変化を測定した結果を図2に示す。実施例1(図2のグラフA)に係る高分子量生成物は、酸化カルシウムやホープ製薬製オリーブAOOに比べて優れた脱酸素能力を示した。
(実施例2)
トリデシルアルミニウム50gの50重量%トルエン溶液を、トリデシルアルミニウムに対して1当量の二硫化炭素の10重量%トルエン溶液に、−10℃で一気に加えた。この反応混合物をさらに80℃で2時間攪拌した。溶媒であるトルエンを含む揮発成分を50℃(10−2Torr)で留去した。残った白色固体を目的とする反応性生物とし、水及び酸素の捕捉剤として得た。
(実施例3)
十分に乾燥した流動パラフィン50gに、実施例1の生成物(捕捉剤)50gを添加し、均一に混合溶解した。500μm厚の透明ガラス基板にサンドブラスト加工を施し、さらにフッ酸によるエッチング処理を施して深さ300μmの凹部を形成したキャップガラス基板に、上記混合溶液を塗布し、140℃のホットプレートで20分間加熱成膜した。得られたキャップガラスを、パッシブ型ドライバを配した透明電極(ITO)にPEDOT−PSS(スピンコート法)/低分子タイプRGB発光材料(蒸着法)/LiF(バッファ層、蒸着法)/Al(陰極、蒸着法)画素を積層した有機ELデバイスに貼りあわせた。この有機ELデバイスは優れた発光輝度を示し、発光寿命も良好な値を示した。
(実施例4)
十分に乾燥した液状ポリマー(日石ポリブテン、HV−1900)の50wt%トルエン溶液100gに実施例1の生成物(捕捉剤)50gとトリアシルシクロトリボロキシン25gを均一に溶解した。500μm厚の透明ガラス基板にサンドブラスト加工を施し、さらにフッ酸によるエッチング処理を施して深さ0.3mmの凹部を形成したキャップガラス基板に上記生成物溶液を塗布した後、140℃で20分間加熱成膜した。得られたキャップガラスを、実施例3と同様の有機ELデバイスに貼りあわせた。この有機ELデバイスは優れた発光輝度を示し、発光寿命も良好な値を示した。
(実施例5)
ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成製FA−513M)をAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)で重合した50wt%ジグライム溶液50グラムに実施例1の生成物(捕捉剤)25g、アルミニウムオキサイドオクチレート5gを添加して均一に混合溶解した。実施例1で用いたと同様の処理を施したガラス基板に上記生成物溶液を塗布し140℃で20分間加熱成膜した。実施例4と同様の有機ELデバイス基板と得られたキャップガラスを貼り合わせた。得られた有機ELデバイスは良好な発光輝度を示し、発光寿命も良好であった。
(実施例6)
十分に乾燥した流動パラフィン50gに、実施例2に係る生成物(捕捉剤)50gを添加し、均一に混合溶解した。500μm厚の透明ガラス基板にサンドブラスト加工を施し、さらにフッ酸によるエッチング処理を施して深さ300μmの凹部を形成したキャップガラス基板に、上記混合溶液を塗布し、140℃のホットプレートで20分間加熱成膜した。得られたキャップガラスを、実施例3と同様の有機ELデバイスに貼りあわせた。この有機ELデバイスは優れた発光輝度を示し、発光寿命も良好な値を示した。
本発明の実施の形態に係る有機電子デバイス用捕捉剤は、有機ELパネル、有機TFT、有機太陽電池、有機CMOSセンサ等の有機材料を用いた各種の有機電子デバイスに利用可能である。
また、本発明の実施の形態に係る有機電子デバイスは、有機ELパネル、有機TFT、有機太陽電池、有機CMOSセンサ等、有機材料を用いた各種の有機電子デバイスに適用可能である。
本発明の実施例に係る有機電子デバイス用捕捉剤の捕水性能特性を示す図である。 本発明の実施例に係る有機電子デバイス用捕捉剤の脱酸素能特性を示す図である。

Claims (6)

  1. 一般式AlRで表されるトリ長鎖アルキルアルミニウム化合物と、水、二硫化炭素、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第1級ホスフィン化合物及び第2級ホスフィン化合物からなる群より選ばれた1種のものとの反応によって得られた生成物から成る有機電子デバイス用の捕捉剤。ただし、Rは炭素数6〜18の直鎖アルキル基、分枝アルキル基又は脂環式アルキル基である。
  2. 請求項1記載の捕捉剤と他の捕捉剤を混合して成ることを特徴とする有機電子デバイス用の捕捉剤。
  3. 前記他の捕捉剤が、請求項1の捕捉剤と反応しない有機溶媒に溶解することを特徴とする請求項2記載の有機電子デバイス用の捕捉剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一に記載の捕捉剤と、該捕捉剤と反応しないバインダーとを混合して成ることを特徴とする有機電子デバイス用の捕捉剤。
  5. 請求項1〜4に記載の有機電子デバイスが有機ELデバイス、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池又は有機CMOSセンサであることを特徴とする有機電子デバイス用の捕捉剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一に記載の捕捉剤を使用して成ることを特徴とする有機電子デバイス。
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