JP2003089515A - 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途 - Google Patents

多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途

Info

Publication number
JP2003089515A
JP2003089515A JP2001276515A JP2001276515A JP2003089515A JP 2003089515 A JP2003089515 A JP 2003089515A JP 2001276515 A JP2001276515 A JP 2001276515A JP 2001276515 A JP2001276515 A JP 2001276515A JP 2003089515 A JP2003089515 A JP 2003089515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous silica
water
coating liquid
relative humidity
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001276515A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Murakami
上 雅 美 村
Kazuo Takamura
村 一 夫 高
Takeshi Kubota
田 武 司 窪
Yoshito Kurano
野 義 人 蔵
Shunsuke Oike
池 俊 輔 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001276515A priority Critical patent/JP2003089515A/ja
Publication of JP2003089515A publication Critical patent/JP2003089515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency
    • Y02P20/129Energy recovery, e.g. by cogeneration, H2recovery or pressure recovery turbines

Landscapes

  • Drying Of Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明に係る多孔質シリカは、BET法に
より測定した比表面積が800m2/g以上であり、X
線回折測定によって規則的構造を表すピークが存在しな
いことを特徴とする。 【効果】本発明によれば、比表面積が大きく、かつ細孔
分布が狭い多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗
布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、
並びに多孔質シリカの用途を提供することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、センサーや吸着材などに
応用できる多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗
布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、
並びに多孔質シリカの用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、大気中の水分を吸着、また
は脱離する吸着材としてはシリカゲル、活性炭などが知
られている。しかしながら、これらの吸着材は、空隙が
不均一であり、また細孔容積はあまり大きくないため、
吸着脱離は比較的容易であるが、単位重量あたりの吸着
量を多くすることができなかった。一方、ゼオライトは
均一な細孔を持つ材料であるが、細孔が小さく、また細
孔表面に酸点があるため、水の吸着熱が大きく、したが
って、吸着した水分を脱離させるためには、高温、高熱
量が必要であった。
【0003】ところで、近年、有機化合物と無機化合物
との自己組織化を利用することで合成される均一なメソ
細孔を持つ多孔質材料が、従来のシリカゲルやゼオライ
ト等の多孔質材料物に比べ、細孔容積が大きく、表面積
も大きいため注目されている。有機化合物と無機化合物
との自己組織化を利用した均一なメソ細孔を持つ多孔質
材料の製造方法としては、例えば、WO−91/113
90には、シリカゲルと界面活性剤などを密封した耐熱
性容器内で、水熱合成することにより製造する方法が記
載され、Bull.Chem.Soc.Jp.誌199
0年63巻988頁には、層状ケイ酸塩の一種であるカ
ネマイトと界面活性剤とのイオン交換により製造する方
法が記載されている。
【0004】この多孔質材料は、一般にはメソポーラス
シリカと呼ばれ、ラメラ、ヘキサゴナル、キュービック
などの規則的配列の均一なメソ細孔を持つことが特徴で
あり、大きな細孔容積を持っており、さらに、細孔壁表
面に水酸基を多く持つため、水の吸着量が多く、水の吸
着材としての用途展開や、分離吸着剤、センサー、触媒
担体や、燃料電池への応用が検討されている。このメソ
ポーラスシリカの規則的配列がなくなると高い比表面積
を維持できなくなる。
【0005】また、シリカゲルには規則的配列はなく、
このように高い比表面積、大きい細孔容積を持つものは
知られていない。このメソ細孔を持つ多孔質材料の吸着
剤への用途展開についてはいくつか知られている。たと
えば、特開平09−178292号公報、特開平09−
227249号公報、特開平09−264633号公報
には、吸着ヒートポンプ用,湿度調整用,溶剤回収用の
各種吸着材への適用が記載されている。これらの公報の
実施例を確認すると、得られた粉体の嵩密度は大きいも
のの規則性がないためか、細孔容積は0.4ml/gを
越えるものではなく、特に水吸着量が大きいと言えるも
のではない。また、特開平11−114410号公報で
は、このようなメソ多孔体に液体の蒸気圧を降下させる
降圧剤を添着して液体の飽和蒸気圧を下げ、吸着性能を
上げる試みがなされている。
【0006】水系の吸着式ヒートポンプへの適用を考え
ると、情報誌「あすの経営」(GRC発行 No.21
1)98年度4号にも記載されているように、水の総吸
着量が大きいことはもちろん必要であるが、相対湿度が
10〜30%の間での吸水量が多いことが必須条件とな
る。一般的に規則的配列の均一なメソ細孔を持つMCM
―41に代表されるメソポーラスシリカは、吸着等温線
で、相対湿度が50%以下では吸着はほとんど起こら
ず、また吸脱着でヒステリシスが大きい。
【0007】現在のところ、吸着材として最も適してい
るのは、化学工学論文集、第19巻第6号(1993)
1165にも記載されているようにシリカゲル(Aタイ
プ)である。シリカゲルは相対湿度が10〜50%の低
い場合でも水の吸着は全吸着量に対して大きいが、全細
孔容積はあまり大きくない。また、シリカゲルを吸着剤
として用いる場合、シリカゲルは粉体でしか得られない
ため、ヒートポンプへ適用するには、特定の形状にする
必要があり、例えば、バインダーを入れて固化させなけ
ればならない。通常、バインダーは、シリカゲルに対
し、20〜50%の量で入れなければならないが、バイ
ンダー自体への吸着は小さいため、結果として吸着剤の
性能を下げる一因となっている。
【0008】したがって、従来のシリカゲルより水の吸
着量が多く、特に相対湿度10%〜30%において水の
吸着量が大きい吸着材で、かつフィルムの形状に製造で
きる吸着材が、吸着式ヒートポンプの材料として非常に
望まれている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、センサーや吸
着材など、特に吸着式ヒートポンプの吸着材に応用でき
る比表面積が大きく、かつ細孔分布が狭い多孔質シリ
カ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカま
たは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの
用途を提供することにある。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る多孔質シリカは、BET法
により測定した比表面積が800m2/g以上であり、
X線回折測定によって規則的構造を表すピークが存在し
ないことを特徴としている。また、本発明の多孔質シリ
カは、窒素吸着による細孔分布測定において、最大ピー
クを示す細孔直径が100Å以下であり、大気圧下、2
5℃、相対湿度90%における水の吸着量が、シリカ1
gあたり0.4g以上であり、相対湿度90%における
水の吸着量に対する、相対湿度50%における吸着量が
0.5倍以上であり、かつ、相対湿度50%における水
の吸着量と、相対湿度10%における水吸着量との差
が、シリカ1gあたり0.2g以上であることが好まし
い。
【0011】本発明に係る前記多孔質シリカの形成用の
塗布液は、 一般式:(ZO)4-nSiRn (式中、RおよびZはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基を示し、RはZと同一
でも異なっていても良く、n=0〜3である。)で表さ
れるアルコキシシラン類を、IV族遷移金属のキレート化
合物の存在下、水を添加して部分的に加水分解、脱水縮
合して得られた反応溶液に、アルコール類、および水を
添加混合し、次いで、加圧下、100℃以上で熱処理を
して得られることを特徴としている。
【0012】また、上記反応溶液に、アルコール類、ポ
リアルキレンオキシド類、および水を添加混合し、次い
で、加圧下、100℃以上で熱処理をして得られること
が好ましい。反応溶液に、アルコール類、および水を添
加混合する場合において、アルコール類の体積が、反応
溶液の体積の2倍以上であることも好ましい。
【0013】反応溶液に、アルコール類、ポリアルキレ
ンオキシド類、および水を添加混合する場合において、
アルコール類とポリアルキレンオキシド類との合計体積
が、反応溶液の体積の2倍以上であることが望ましい。
上記IV族遷移金属の含有率が、ケイ素の0.005〜
0.2倍モルの範囲であることも望ましい。
【0014】上記IV族遷移金属が、チタンであることも
望ましい。上記アルコキシシラン類がテトラエトキシシ
ランであることも望ましい。さらに、アルコキシシラン
類の部分的な加水分解、脱水縮合が、IV族遷移金属のキ
レート化合物の存在下で、水を、アルコキシシラン類の
アルコキシ基1モルに対して0.25モル以下添加し、
さらに、50〜70℃で2〜36時間攪拌して行われる
ことも望ましい。
【0015】本発明に係る多孔質シリカの製造方法は、
上記の塗布液を用いることを特徴としている。本発明に
係る多孔質シリカ膜の製造方法は、上記塗布液を基板上
に塗布後、乾燥し、フィルム状に形成することを特徴と
している。本発明に係る吸着式ヒートポンプの吸着材
は、上記多孔質シリカからなることを特徴としている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る多孔質シリ
カ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカま
たは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの
用途ついて具体的に説明する。〔多孔質シリカ〕 本発明に係る多孔質シリカは、BET
法により測定した比表面積が800m2/g以上、好ま
しくは800〜1500m2/g、さらに好ましくは8
50〜1500m2/gであり、X線回折測定によって
規則的構造を表すピークが存在しない多孔質シリカであ
る。上記規則的構造を表すピークが存在しないとは、X
線回折図にハローパターンが存在し、ハローパターンの
2倍以上の強度であり、かつ半価幅が2°(2θ)以下
のピークが存在しないことを意味する。
【0017】さらに好ましい態様において、本発明の多
孔質シリカは、窒素吸着による細孔分布測定において最
大ピークを示す細孔直径が、100Å以下、好ましくは
10〜70Å、さらに好ましくは10〜50Åであり、
大気圧下、25℃、相対湿度90%における水の吸着量
が、シリカ1gあたり0.4g以上であり、相対湿度9
0%における水の吸着量に対する、相対湿度50%にお
ける吸着量が0.5倍以上であり、かつ、相対湿度50
%における水の吸着量と、相対湿度10%における水の
吸着量の差が、シリカ1gあたり0.2g以上である。
【0018】本発明の多孔質シリカが、上記物理性の数
値範囲を有することにより、水の吸着量が多く、特に低
い相対湿度における吸着割合が大きくなる。このような
多孔質シリカは、本発明に係る多孔質シリカの製造方法
によって製造されるが、まず、該製造方法に用いられる
塗布液について以下に説明する。〔その多孔質シリカ形成用の塗布液〕 本発明に係る上記
多孔質シリカ形成用の塗布液は、 一般式:(ZO)4-nSiRn (式中、RおよびZはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基を示し、RはZと同一
でも異なっていても良く、n=0〜3である。)で表さ
れるアルコキシシラン類を、IV族遷移金属のキレート化
合物の存在下、水を添加して部分的に加水分解、脱水縮
合し、上記反応溶液に、アルコール類、および水を添加
混合し、次いで、熱処理温度での溶液の蒸気圧以上の加
圧下であれば特に限定されないが、好ましくは、下記熱
処理温度での溶液の蒸気圧〜該蒸気圧+10MPa、の
圧力下において、100℃以上、好ましくは100〜2
00℃、さらに好ましくは110〜150℃で熱処理を
して得るか、または、上記反応溶液に、アルコール類、
ポリアルキレンオキシド類、および水を添加混合し、次
いで、上記と同様の条件で熱処理をして得られる。
【0019】本発明の塗布液を調製するには、上記加圧
下、上記温度条件で熱処理を行うが、その処理時間は5
時間以上あれば特に限定されないが、好ましくは24時
間以上、さらに好ましくは24〜72時間行なうことが
望ましい。また、上記反応溶液に、アルコール類、およ
び水を添加混合する場合には、アルコール類の体積は、
反応溶液の体積の2倍以上あればよいが、好ましくは2
〜8倍であることが望ましい。
【0020】またさらに、上記反応溶液に、アルコール
類、ポリアルキレンオキシド類、および水を添加混合す
る場合には、アルコール類とポリアルキレンオキシド類
との合計体積は、反応溶液の体積の2倍以上あればよい
が、好ましくは2〜8倍であることが望ましい。上記体
積比にあることにより、生成した塗布液は固化すること
がなく、均一な流動性の流体で得られる。
【0021】このアルコキシシラン類の部分的な加水分
解、脱水縮合は、IV族遷移金属のキレート化合物の存在
下、水をアルコキシ基1モルに対して0.25モル以
下、好ましくは0.01〜0.25モル、さらに好まし
くは0.1〜0.25モルとなるようにあらかじめ添加
し、反応温度を、用いるアルコール類の沸点−5℃程度
(アルコール類の沸点が75℃以上の場合は70℃)、
好ましくは50〜70℃とし、2〜36時間、好ましく
は5〜30時間、さらに好ましくは5〜24時間攪拌し
て調製する。添加する水の量が、上記範囲内にあること
によりアルコキシシラン類が部分的に加水分解、脱水縮
合することとなり、さらに水を添加しても白濁しない安
定な溶液を得ることができる。この添加する水の量は
0.25モルを越えなければ、この混合液は白濁するこ
とはなく、均一な溶液として得られる。反応溶液のpH
は中性領域であれば特に問題はない。pHが中性付近に
あることにより、加圧下の熱処理後に沈殿が析出するこ
となく、均一な流動性の塗布液が得られる。
【0022】このアルコキシシラン類を、IV族遷移金属
のキレート化合物の存在下で部分的に加水分解、脱水縮
合する操作をしないで水と混合した場合、上記条件で熱
処理を行うと均一な流動性を有する塗布液は得られず、
ゲルが析出する。また、水を入れないで、同様の条件で
熱処理を行っても、加水分解、脱水縮合が進行していな
いため、固体はほとんど得られない上記アルコキシシラ
ン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチルシ
ラン等が挙げられる。本発明においては、特に、テトラ
エトキシシランを使用することが好ましい。
【0023】上記IV族遷移金属のキレート化合物のIV族
遷移金属としては、Ti、Zr、Hfを挙げることがで
き、好ましくはTiを用いることが望ましい。Tiを用
いることにより、より安定性の高い、均一な流動性を有
する塗布液が得られる。そのようなIV族遷移金属の塗布
液中の含有率は、ケイ素に対してモル比で0.005〜
0.2、好ましくは0.01〜0.2、さらに好ましく
は0.01〜0.15の範囲であることが望ましい。IV
族遷移金属の含有率が上記範囲にあることにより、混合
溶液は白濁せず、均一な流動性を有する塗布液が得ら
れ、さらに乾燥、焼成することにより本発明の多孔質シ
リカを生成することができる。
【0024】また、IV族遷移金属のキレート化合物を得
るためのキレート剤としては、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチルなどが挙げられる。本発明に用いられるIV
族遷移金属のキレート化合物は、具体的な構造として
は、(C25O)4-nM(CH3COCH2COC
3n、(C25O)4-nM(CH 3COCH2COC2
5n、(C37O)4-nM(CH3COCH2COCH3
n、(C37O)4-nM(CH3COCH2COC
25n、(CH3(CH3)HCO) 4-nM(CH3CO
CH2COCH3n、(CH3(CH3)HCO)4-n
(CH3COCH2COC25n、(C49O)4-n
(CH3COCH2COCH3n、(C49O)4-n
(CH3COCH2COC25n、(C25(CH3)H
CO)4-nM(CH3COCH2COCH3n、(C25
(CH3)HCO)4-nM(CH3COCH2COC25
n、((CH33CO)4-nM(CH3COCH2COCH
3n、((CH33CO)4-nM(CH3COCH2CO
25nであり、式中のMはTi、Zr、Hfを、n
は1〜4の整数を表す。これらのIV族遷移金属化合物は
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0025】さらに、アルコキシシラン類を、部分的に
加水分解、脱水縮合する際には、必要に応じて溶媒を添
加することもできる。使用可能な溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール等の一級アルコー
ル;2−プロパノール、2−ブタノール等の二級アルコ
ール;ターシャリーブチルアルコール等の三級アルコー
ル;アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。好まし
くは、メタノール、またはエタノールを用いることが望
ましい。溶媒は、これらのうちから1種または2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0026】本発明においては、上記反応溶液にさらに
アルコール類、および水を添加混合するが、この時に添
加する水の量は、アルコキシシラン類のアルコキシ基1
モルに対して3モル以上あれば充分であるが、好ましく
は3〜20モル、さらに好ましくは3〜15モルである
ことが望ましい。添加する水の量が、上記範囲にあるこ
とにより、比表面積が高く、低い相対湿度において水の
吸着割合が高い多孔質シリカを得ることができる。
【0027】また、本発明においては、反応溶液にさら
に添加混合する上記アルコール類としては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアル
コール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル
−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert
−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、
ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチ
ル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノー
ル、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、
2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノー
ル、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノー
ル、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘ
キサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1
−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1
−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサ
ノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシ
クロヘキサノール、α−テルピネオール、アビエチオー
ル、フーゼル油、1,2−エタンジオール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メ
チル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、グリセリン、2−エチル−2−
(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられる。好まし
くは、メタノール、またはエタノールを用いることが望
ましい。アルコール類は、これらのうちから1種または
2種以上組み合わせて用いることができる。
【0028】さらに、本発明の好ましい態様において
は、上記反応溶液にさらにアルコール類、ポリアルキレ
ンオキシド類、および水を添加するが、そのようなポリ
アルキレンオキシド類としては、ポリエチレンオキシド
構造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリテトラメチレ
ンオキシド構造、ポリブチレンオキシド構造を有する化
合物が挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシ
エチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル
などのエーテルエステル型化合物などを挙げることがで
きる。好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックコポリマーを用いることが望ましい。ポ
リアルキレンオキシド類は、これらのうちから1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】〔多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製
造方法〕本発明に係る多孔質シリカの製造方法は、上記
のようにして得られた塗布液を用いるものである。加圧
下で100℃以上の温度で熱処理をしない塗布液を、大
気中、あるいは減圧下において乾燥(焼成)することに
よって多孔質シリカを得ることは可能であるが、このよ
うにして得られた多孔質シリカは、通常のシリカゲル
(Aタイプ)と比較して、比表面積は同等である。
【0030】本発明の多孔質シリカの製造方法は、加圧
下で100℃以上の温度で熱処理して得られた塗布液
を、大気中、あるいは減圧下において乾燥し、場合によ
っては焼成、あるいは溶媒抽出を行って多孔質シリカを
製造するものである。このような製造方法によって得ら
れた多孔質シリカは、非常に大きな比表面積と水の吸着
量とを有する。この塗布液の乾燥方法としては、噴霧乾
燥、フリーズドライなどが挙げられ、噴霧乾燥は、通常
120〜250℃で行われる。また、残留しているアル
コール類やポリアルキレンオキシド類を除去するために
焼成、あるいは溶媒抽出も行われる。特に、焼成は、多
孔質シリカを強固にするためにも行われ、通常、300
〜600℃の温度範囲で、1〜5時間行われる。
【0031】このようにして得られた多孔質シリカは、
上述のような性質を有する。また、本発明に係る多孔質
シリカ膜の製造方法は、塗布液を基板上に塗布後、乾燥
し、フィルム状に形成するものである。多孔質シリカの
原料(上記塗布液)が液状で得られるため、基板などに
塗布後、乾燥することによって多孔質シリカがフィルム
状で得られる。
【0032】従って、熱交換効率を向上させるため、フ
ィンなどがついた基板にも多孔質シリカ膜を形成するこ
とは可能であり、さらに、塗布液にバインダーを入れる
必要がなく、吸着剤として装填する場合、100%吸着
剤とすることが可能であり、用途に応じて組成を変える
必要がなく、有用である。多孔質シリカ膜を形成する場
合は、塗布液を基材に塗布して、乾燥すればよく、場合
によっては、溶媒で希釈してから基材に塗布することも
可能である。
【0033】このときの基材としては、一般的に用いら
れるものであれば何れのものも使用できる。例えば、ガ
ラス、石英、シリコンウエハー、ステンレス等が挙げら
れる。また、ハニカム状、円筒状、板状、皿状、あるい
はフィンのついた複雑な形状等の何れの形状であっても
よい。また、基材に塗布する方法としては、例えば、ス
ピンコート法、キャスティング法、ディップコート法等
の一般的な方法が挙げられる。さらに、乾燥は、乾熱機
内で、通常80〜200℃の温度範囲で、1〜10時間
行われる。
【0034】残留しているアルコール類やポリアルキレ
ンオキシド類を除去するために焼成、あるいは溶媒抽出
も行われる。特に、焼成は、多孔質シリカを強固にする
ためにも行われ、通常、300〜600℃の温度範囲
で、1〜5時間行われる。この乾燥によって形成された
形状は焼成後も維持される。得られた多孔質シリカ膜
は、基材に固着した状態はもちろんのこと、自立した状
態でも使用できる。
【0035】このようにして得られた多孔質シリカ膜
は、上述の多孔質シリカと同様な性質を有する。〔多孔質シリカの用途〕 上述の多孔質シリカの用途とし
ては、センサーや吸着材などの材料、特に、吸着式ヒー
トポンプの吸着材への応用としては有望である。
【0036】吸着式ヒートポンプへの適用を考慮する
と、比表面積が大きいことはもちろんであるが、規則的
配列の細孔ではなく、X線回折で規則的配列が見られな
い、できればくさび状に近い細孔が有利であると考えら
れる。このような細孔では水の吸脱着でヒステリシスは
小さくなると考えられる。従って、本発明による多孔質
シリカは大きな比表面積を持ち、X線回折測定によって
規則的配列を表すピークが存在しない直径が100Å以
下の細孔を持ち、特に低い相対湿度での水の吸着割合が
多く、センサーや吸着材などの材料、特に、吸着式ヒー
トポンプの吸着材への応用としては有望である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、比表面積が大きく、か
つ細孔分布が狭い多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成
用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造
方法、並びに多孔質シリカの用途を提供することが可能
となる。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0039】
【実施例1】テトラエトキシシラン(和光純薬(株)
製)10.0g、ジイソプロポキシビス(エチルアセト
アセテート)チタン〔商品名:チタニウムビス(エチル
アセトアセテート)ジイソプロポキサイド(アルドリッ
チ社製)〕1.0gおよびエタノール50mLを混合攪
拌し、水0.87mL(アルコキシ基1モルに対して
0.245モル)を添加し、18時間攪拌し、テトラエ
トキシシランの部分的に加水分解、脱水縮合物を調製し
た。次いで、エタノール50mLに溶解したポリ(アル
キレンオキサイド)ブロックコポリマー(BASF社製
PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(C
2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H)2.7gお
よび水10.0mLを添加し、1時間攪拌した後、10
0mLをオートクレーブ中に入れ0.4MPa、130
℃、4日間撹拌した。
【0040】冷却後、均一な流動性の塗布液が得られ
た。この塗布液を180℃で噴霧乾燥することにより溶
媒を蒸発させて粉体とし、400℃、180分間焼成を
行った。焼成後の粉体はX線回折法により規則的構造を
表すピークが存在しないことがわかった。この粉体の細
孔分布を窒素吸着法により測定した結果、37Åにピー
クが存在した。また、BET法により比表面積を測定し
た結果1000m2/gであった。この粉体の水吸着等
温線を大気圧下、25℃で測定した結果、相対湿度90
%における水の吸着量が、シリカ1gあたり0.7gで
あり、相対湿度90%における水の吸着量に対する、相
対湿度50%における水の吸着量が0.53倍であり、
かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、相対湿度
10%における水吸着量との差は、シリカ1gあたり
0.26gであった。
【0041】
【実施例2】実施例1において得られた塗布液を、ディ
ップコート法によってステンレス基板上に塗布し、その
後、100℃、60分間乾燥した以外は実施例1と同様
の操作で行った。焼成後の膜はX線回折法により規則的
構造を表すピークが存在しないことがわかった。
【0042】得られた膜を基板からはぎ取り、膜の細孔
分布を窒素吸着法により測定した結果、37Åにピーク
が存在した。また、BET法により比表面積を測定した
結果970m2/gであった。この膜の水吸着等温線を
大気圧下、25℃で測定した結果、相対湿度90%にお
ける水の吸着量が、シリカ1gあたり0.7gであり、
相対湿度90%における水の吸着量に対する、相対湿度
50%における吸着量が0.52倍であり、かつ、相対
湿度50%における水の吸着量と、相対湿度10%にお
ける水吸着量との差が、シリカ1gあたり0.24gで
あった。
【0043】
【実施例3】実施例1と同様の操作でポリ(アルキレン
オキサイド)ブロックコポリマーを添加せずに粉体を調
製した。乾燥後の粉体はX線回折法により規則的構造を
表すピークが存在しないことが確認された。この粉体の
窒素吸着法により細孔分布を測定した結果、37Åにピ
ークが存在した。また、比表面積を測定した結果100
0mm2/gであった。この粉体の水吸着等温線を大気
圧下、25℃で測定した結果、相対湿度90%における
水の吸着量がシリカ1gあたり0.77gであり、相対
湿度90%での水の吸着量に対する、相対湿度50%で
の水の吸着量が0.50倍であり、かつ、相対湿度50
%における水の吸着量と、相対湿度10%における水吸
着量との差が、シリカ1gあたり0.24gであった。
【0044】
【比較例1】実施例1においてジイソプロポキシビス
(エチルアセトアセテート)チタンを混合せず、水0.
87mLを、0.85mLに変更した(アルコキシ基1
モルに対して0.45モル)以外は同様の操作で塗布液
を調製したところ、ゲルが析出し均一な流動性のある塗
布液が得られなかった。このゲルを100℃、60分間
乾燥後、400℃、180分間焼成し粉体を調製した。
【0045】焼成後の粉体はX線回折法により規則的構
造を表すピークが存在しないことがわかった。この粉体
の比表面積を測定した結果220m2/gであった。ま
た、この粉体の水吸着等温線を大気圧下、25℃で測定
した結果、相対湿度90%における水の吸着量がシリカ
1gあたり0.11gであり、相対湿度90%での水の
吸着量に対する相対湿度50%での吸着量が0.30倍
であり、かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、
相対湿度10%における水吸着量との差が、シリカ1g
あたり0.06gであった。
【0046】
【比較例2】実施例1の100mLオートクレーブ中、
0.4MPa、130℃、4日間撹拌の処理を行わなか
った以外は同様の操作で塗布液を調製した。この塗布液
を180℃で噴霧乾燥し、溶媒を蒸発させて粉体とし、
さらに400℃、180分間焼成を行った。焼成後の粉
体はX線回折法により規則的構造を表すピークが存在し
ないことがわかった。
【0047】この粉体の比表面積を測定した結果350
2/gであった。また、この粉体の水吸着等温線を大
気圧下、25℃で測定した結果、相対湿度90%におけ
る水の吸着量がシリカ1gあたり0.17gであり、相
対湿度90%での水の吸着量に対する相対湿度50%で
の吸着量が0.30倍であり、かつ、相対湿度50%に
おける水の吸着量と、相対湿度10%における水吸着量
との差が、シリカ1gあたり0.09gであった。
【0048】
【比較例3】実施例1においてジイソプロポキシビス
(エチルアセトアセテート)チタンの代わりに塩化水素
0.1gを用いた以外は同様の操作で塗布液を調製した
ところ、オートクレーブ中での処理後にゲルが析出し、
均一な流動性のある塗布液が得られなかった。このゲル
を100℃、60分間乾燥し、さらに、400℃、18
0分間焼成し粉体を調製した。
【0049】焼成後の粉体はX線回折法により規則的構
造を表すピークが存在しないことがわかった。この粉体
の比表面積を測定した結果760m2/gであった。ま
た、この粉体の水吸着等温線を大気圧下、25℃で測定
した結果、相対湿度90%における水の吸着量がシリカ
1gあたり0.35gであり、相対湿度90%での水の
吸着量に対する相対湿度50%での吸着量が0.4倍で
あり、かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、相
対湿度10%における水吸着量との差が、シリカ1gあ
たり0.18gであった。
【0050】
【比較例4】臭化セチルトリメチルアンモニウム(和光
純薬(株)製)7.6g、水332gおよび36%塩化
水素150gを1L三つ口フラスコに入れ撹拌した。こ
の中にテトラエトキシシラン35gを滴下して混合し
た。6.1MPa、80℃に加温し18時間撹拌する
と、白色固体が析出した。ろ過、洗浄後室温で減圧乾燥
(1.33×103Pa(10mmHg))し白色固体
を得た。この白色固体を650℃で3時間焼成後、多孔
質シリカ(MCM―41)を得た。焼成後の粉体はX線
回折法によりヘキサゴナル構造を表すピークが存在し
た。この多孔質シリカの比表面積および細孔分布を窒素
吸着法により測定した結果、比表面積が1050m2
gであり24Åにピークが存在した。水吸着等温線を大
気圧下、25℃で測定した結果、相対湿度90%におけ
る水の吸着量がシリカ1gあたり0.64gであり、相
対湿度90%での水の吸着量に対する相対湿度50%で
の吸着量が0.048倍であり、かつ、相対湿度50%
における水の吸着量と、相対湿度10%における水吸着
量との差が、シリカ1gあたり0.03gであった。
【0051】
【比較例5】臭化セチルトリメチルアンモニウム1.5
g、水66.4gおよび36%塩化水素29.5gを2
00mL、オートクレーブに入れ、さらに、この中にテ
トラエトキシシラン35gを滴下して混合した。130
℃まで昇温し、オートクレーブ中で0.27MPa、1
8時間処理した。冷却後、白色沈殿物を得た。ろ過、洗
浄後室温で減圧乾燥し白色固体を得た。この白色固体を
650℃で3時間焼成後、多孔質シリカ(MCM―4
1)を得た。焼成後の粉体はX線回折法によりヘキサゴ
ナル構造を表すピークが存在した。この多孔質シリカの
比表面積および細孔分布を窒素吸着法により測定した結
果、比表面積が1025m2/gであり29Åにピーク
が存在した。水吸着等温線を大気圧下、25℃で測定し
た結果、相対湿度90%における水の吸着量がシリカ1
gあたり0.67gであり、相対湿度90%での水の吸
着量に対する相対湿度50%での吸着量が0.045倍
であり、かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、
相対湿度10%における水吸着量との差が、シリカ1g
あたり0.03gであった。
【0052】
【比較例6】水40gおよびケイ酸ソーダ18.7g硫
酸1.2gにケイ素に対してモル比で0.5となるよう
に臭化セチルトリメチルアンモニウムを添加後、さらに
水20gを添加し、オートクレーブ中、0.27MP
a、100℃、144時間処理を行った。冷却後、白色
沈殿物を得た。ろ過、洗浄後室温で減圧乾燥(1.33
×103Pa(10mmHg))し白色固体を得た。こ
の白色固体を650℃で3時間焼成後、多孔質シリカ
(MCM―41)を得た。
【0053】焼成後の粉体はX線回折法によりヘキサゴ
ナル構造を表すピークが存在した。この多孔質シリカの
比表面積および細孔分布を窒素吸着法により測定した結
果、比表面積が1040m2/gであり40Åにピーク
が存在した。水吸着等温線を大気圧下、25℃で測定し
た結果、相対湿度90%における水の吸着量がシリカ1
gあたり0.70gであり、相対湿度90%での水の吸
着量に対する相対湿度50%での吸着量が0.04倍で
あり、かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、相
対湿度10%における水吸着量との差が、シリカ1gあ
たり0.02gであった。
【0054】
【比較例7】市販のシリカゲル(Aタイプ)の比表面積
を測定した結果760m2/gであった。また、この粉
体の水吸着等温線を大気圧下、25℃で測定した結果、
相対湿度90%における水の吸着量がシリカ1gあたり
0.43gであり、相対湿度90%での水の吸着量に対
する相対湿度50%での吸着量が0.70倍であり、か
つ、相対湿度50%における水の吸着量と、相対湿度1
0%における水吸着量との差が、シリカ1gあたり0.
23gであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/30 B01J 20/30 C09D 1/00 C09D 1/00 183/02 183/02 183/04 183/04 (72)発明者 窪 田 武 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 蔵 野 義 人 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 大 池 俊 輔 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4D052 GB12 GB14 GB17 GB18 HA01 HA49 HB02 HB05 4G066 AA22B AA23D AB06A AB18A AB24A AC21A BA03 BA22 BA23 BA25 BA26 BA33 BA36 BA41 CA43 DA03 FA21 FA22 FA33 FA34 FA35 FA37 4G072 AA25 AA38 BB09 BB15 GG01 GG03 HH30 JJ11 JJ34 JJ38 LL06 LL11 NN21 RR05 TT05 TT08 UU11 4J038 AA011 DL021 DL031 HA441

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BET法により測定した比表面積が800
    2/g以上であり、X線回折測定によって規則的構造
    を表すピークが存在しないことを特徴とする多孔質シリ
    カ。
  2. 【請求項2】窒素吸着による細孔分布測定において、最
    大ピークを示す細孔直径が100Å以下であり、 大気圧下、25℃、相対湿度90%における水の吸着量
    が、シリカ1gあたり0.4g以上であり、 相対湿度90%における水の吸着量に対する、相対湿度
    50%における吸着量が0.5倍以上であり、 かつ、相対湿度50%における水の吸着量と、相対湿度
    10%における水吸着量との差が、シリカ1gあたり
    0.2g以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    多孔質シリカ。
  3. 【請求項3】一般式:(ZO)4-nSiRn (式中、RおよびZはメチル基、エチル基、n−プロピ
    ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
    i−ブチル基、sec−ブチル基を示し、RはZと同一
    でも異なっていても良く、n=0〜3である。)で表さ
    れるアルコキシシラン類を、IV族遷移金属のキレート化
    合物の存在下、水を添加して部分的に加水分解、脱水縮
    合して得られた反応溶液に、アルコール類、および水を
    添加混合し、 次いで、加圧下、100℃以上で熱処理をして得られる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質シリ
    カの形成用の塗布液。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の反応溶液に、アルコール
    類、ポリアルキレンオキシド類、および水を添加混合す
    ることを特徴とする請求項3に記載の多孔質シリカの形
    成用の塗布液。
  5. 【請求項5】請求項3に記載のアルコール類の体積が、
    反応溶液の体積の2倍以上であることを特徴とする請求
    項3に記載の多孔質シリカ形成用の塗布液。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のアルコール類とポリアル
    キレンオキシド類との合計体積が、反応溶液の体積の2
    倍以上であることを特徴とする請求項4に記載の多孔質
    シリカ形成用の塗布液。
  7. 【請求項7】上記IV族遷移金属の含有率が、ケイ素の
    0.005〜0.2倍モルの範囲であることを特徴とす
    る請求項3〜6のいずれかに記載の多孔質シリカ形成用
    の塗布液。
  8. 【請求項8】上記IV族遷移金属が、チタンであることを
    特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の多孔質シリ
    カ形成用の塗布液。
  9. 【請求項9】アルコキシシラン類がテトラエトキシシラ
    ンであることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記
    載の多孔質シリカ形成用の塗布液。
  10. 【請求項10】アルコキシシラン類の部分的な加水分
    解、脱水縮合が、IV族遷移金属のキレート化合物の存在
    下で、水を、アルコキシシラン類のアルコキシ基1モル
    に対して0.25モル以下添加し、さらに、50〜70
    ℃で2〜36時間攪拌して行われることを特徴とする請
    求項3〜9のいずれかに記載の多孔質シリカ形成用の塗
    布液。
  11. 【請求項11】請求項3〜10のいずれかに記載の塗布
    液を用いることを特徴とする多孔質シリカの製造方法。
  12. 【請求項12】請求項3〜10のいずれかに記載の塗布
    液を基板上に塗布後、乾燥し、フィルム状に形成するこ
    とを特徴とする多孔質シリカ膜の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1または2に記載の多孔質シリカ
    からなる、吸着式ヒートポンプの吸着材。
JP2001276515A 2001-09-12 2001-09-12 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途 Pending JP2003089515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001276515A JP2003089515A (ja) 2001-09-12 2001-09-12 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001276515A JP2003089515A (ja) 2001-09-12 2001-09-12 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003089515A true JP2003089515A (ja) 2003-03-28

Family

ID=19101197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001276515A Pending JP2003089515A (ja) 2001-09-12 2001-09-12 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003089515A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006013785A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Dynic Corporation 透明性乾燥剤
JP2006068729A (ja) * 2004-08-02 2006-03-16 Dynic Corp 透明性乾燥剤
JP2011056509A (ja) * 2004-02-05 2011-03-24 Taiyo Kagaku Co Ltd 多孔質シリカを含有する吸着能付与剤
JP2015021024A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 株式会社ガイア環境技術研究所 廃プラスチックの熱分解装置および廃プラスチックの熱分解方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011056509A (ja) * 2004-02-05 2011-03-24 Taiyo Kagaku Co Ltd 多孔質シリカを含有する吸着能付与剤
WO2006013785A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Dynic Corporation 透明性乾燥剤
JP2006068729A (ja) * 2004-08-02 2006-03-16 Dynic Corp 透明性乾燥剤
JP4628210B2 (ja) * 2004-08-02 2011-02-09 ダイニック株式会社 透明性乾燥剤
JP2015021024A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 株式会社ガイア環境技術研究所 廃プラスチックの熱分解装置および廃プラスチックの熱分解方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3305726B1 (en) Method for preparing metal oxide-silica composite aerogel
US6852299B2 (en) Water-repellent porous silica, method for preparation thereof and use thereof
JP5889434B2 (ja) 高比表面積のゲッター材を含む真空断熱材
US6607705B2 (en) Process for the preparation of molecular sieve silicas
US6534025B1 (en) Porous materials and methods for forming the same
EP3312185B1 (en) Aerogel precursor and aerogel prepared using the same
JP2003089515A (ja) 多孔質シリカ、その多孔質シリカ形成用の塗布液、多孔質シリカまたは多孔質シリカ膜の製造方法、並びに多孔質シリカの用途
KR101659284B1 (ko) 메조 기공 실리카를 이용한 수분 흡착 조성물과 그 제조방법
JP4574054B2 (ja) 撥水性多孔質シリカ、その製造方法および用途
JP3174829B2 (ja) 多孔性チタノシリケート及びその製造方法
JP5093637B2 (ja) ナノポーラス体及びその製造方法
JP5035819B2 (ja) 多孔質シリカ被膜の形成方法及びそれに用いられる多孔質シリカ形成用塗布液
JP2003183575A (ja) 保存安定性に優れる多孔質シリカフィルム形成用塗布液、該塗布液の製造方法、並びに、均一なメソ孔が規則的に配列された多孔質シリカフィルムの製造方法、該多孔質シリカフィルムおよびその用途
Khalameida et al. Sol-gel synthesis and properties of compositions containing heteropoly compounds in porous silica matrix
CN114392736A (zh) 常温净化甲醛的催化膜及其制备方法与用途
JPH09294931A (ja) 自律的調湿機能を有する多孔質材料
JP2005225689A (ja) 多孔質シリカフィルム形成用塗布液、多孔質シリカフィルムおよびそれらの製造方法ならびに半導体材料および半導体装置
JP2002265216A (ja) Iv族遷移金属含有層状メソ細孔シリカ、その製造方法、用途
JP2004099361A (ja) 耐水性多孔質シリカの製造方法、及びその用途
JP5077689B2 (ja) 有機シリカ系材料および有機シリカ系メソ多孔体
JP5276777B2 (ja) 多孔体の製造方法
TWI386373B (zh) 規則中孔洞二氧化鈦的製造方法
KR102161298B1 (ko) 유무기나노세공체 흡착제 및 이의 제조 방법
JP2003277042A (ja) 表面平滑性に優れる多孔質シリカフィルムの製造方法
JP4900795B2 (ja) 吸着フィルタの製造方法