JPH0716434Y2

JPH0716434Y2 - インクジェットプリンタのインクリザーバー

Info

Publication number: JPH0716434Y2
Application number: JP1988055516U
Authority: JP
Inventors: 義雄金山; 博和幸田
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1988-04-25
Filing date: 1988-04-25
Publication date: 1995-04-19
Anticipated expiration: 2003-04-25
Also published as: US4914453A; JPH01158132U; DE3913456A1; DE3913456C2

Description

【考案の詳細な説明】〈技術分野〉本考案は、インクジェットプリンタのインクリザーバー
に係り、詳しくは、インクタンクのインク送り出し用ゲ
ート機構を、メンテナンスステーションから延出された
作動アームによって開閉操作するように構成したインク
リザーバーの通気機構部分に関する。

〈従来技術〉従来のインクリザーバーは、インクタンクの上部に形成
した空気孔を、通常の運転時には開放しておき、プリン
タの搬送時や設置場所の変更時などにおいて前記空気孔
をキャップで閉塞して、インクの漏出を防ぐようになっ
ている。

しかしながら、前記キャップは、人為的に着脱するもの
であるため、空気孔を閉塞するのを忘れて運搬移動し、
空気孔からインクが漏出飛散して周囲を汚染したり、他
の機構の作動に支障を来すことがある。

また、逆に、運搬移動時に空気孔を閉塞したキャップの
取り外しを忘れたまま、移動後にプリント動作させてし
まい、インク供給が円滑に行われなくなるトラブルが発
生するおそれがあった。

〈考案の目的〉ところで、従来のインクリザーバーは、パワーオフ時、
メンテナンスステーションにおいて該ステーションから
延出された作動アームの作用を受けて、インク送り出し
のゲートが閉じられるようになっている。また、従来の
インクリザーバーでは、インクタンクの上部にインク供
給口が開口され、該インク供給口にインクカートリッジ
を接続装填することで、インクタンクにインクを供給す
るようにしたものがある。

本考案は、従来のインクジェットプリンタに設けられて
いる作動アームやインクタンクのインク供給口に着目
し、作動アームの作動を利用するとともに、インク供給
口を通気孔に兼用することにより、インク供給に支障を
来すことなく、パワーオフ時に通気孔を自動的に閉塞す
るようにして、従来空気孔の開閉忘れに起因するトラブ
ルの発生を防止することを目的とする。

〈考案の構成〉本考案は、上記の目的を達成するために、インクタンク
に備えたインク送り出し用ゲート機構を、メンテナンス
ステーションから延出された作動アームによって開閉操
作するように構成したインクジェットプリンタのインク
リザーバーにおいて、前記インクタンクに開口するイン
ク供給口を上方から覆う開閉自在な供給口カバーと、こ
の供給口カバーに備えられ前記インク供給口を開閉する
弁体と、供給口カバーの閉じ状態において前記作動アー
ムと弁体とを連係して作動アームのゲート開放作動で弁
体を開き、作動アームのゲート閉塞作動で弁体を閉じる
連係機構とを備えた構成とした。

〈実施例〉以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

図面はいずれも本考案の一実施例に係り、第１図は本考
案の一実施例に係るインクジェットプリンタのインクリ
ザーバーのパワーオン状態での縦断側面図、第２図は第
１図のa-a線での断面図、第３図はパワーオフ状態での
縦断側面図である。

これらの図において、符号１はキャリッジであり、図示
省略したプラテンの前面に平行に配置された一対のスラ
イドシャフト2,2にスライド移動可能に取り付けられて
いる。このキャリッジ１上に、インクタンク３とノズル
機構４とが一体に設けられている。

インクタンク３の前部（第１図において左部）には該タ
ンク３内のインクをノズル機構４に送り出すゲート機構
５が備えられている。ゲート機構５は、タンク３底部に
形成したゲート６と、このゲート６を開閉するゴム製の
開閉蓋７と、開閉蓋７から上方に延出されてタンク３上
方に突出する操作ロッド８と、操作ロッド８の周囲を覆
う蛇腹状の伸縮スリーブ９と、操作ロッド８の上端に装
着された圧縮コイルバネ10と、このコイルバネ10を受け
るバネ受け部材11とから構成されている。

そして、バネ受け部材11の上方には、図外のメンテナン
スステーションから延出された作動アーム12の先端が対
設されていて、この作動アーム12の支点13周りの上下揺
動に伴ってゲート機構５が開閉されるようになってい
る。メンテナンスステーションは、キャリッジ１の移動
ストロークの一端に設定されていて、パワーオフ時、該
位置に復帰したキャリッジ１に対して作動アーム12を下
降させる。

つまり、プリンタがパワーオンされていると、第１図に
示すように、作動アーム12が上方へ退避しており、ゲー
ト機構５はコイルバネ10によって引き上げ付勢され、ゲ
ート６が開かれる。パワーオフ時には、第３図に示すよ
うに、作動アーム12が下降し、ゲート機構５がコイルバ
ネ10に抗して押し下げられてゲート６が閉じられる。

なお、インクタンク３からのインクは、ノズル機構４内
の細管14に至り、毛細管現象によりピエゾ圧電素子が隣
接される噴出部15に送られるようになっている。また、
図示しないが、前記作動アーム12の動作に連動してノズ
ル機構４の前部に配備されたノズル保護機構が駆動さ
れ、パワーオフ時の噴出部15におけるインクの乾燥固化
による目詰まりを防止するとともに、噴出部15への気泡
の混入を防止するようになっている。

インクタンク３の後方上部には、インク供給口16が開口
されるとともに、この供給口16を上方から覆う供給口カ
バー17が、前方の支点18を中心に開閉可能に枢着されて
いる。

そして、供給口カバー17の内部には、インク供給口16に
対向するキャップ19が備えられ、カバー17の閉じ状態で
キャップ19がインク供給口16を閉塞し、カバー17の開き
状態でキャップ19がインク供給口16を開放するよう構成
されている。

前記キャップ19の上面には、通気孔20が形成されるとと
もに、この通気孔20を開閉する弁体21が、カバー17内に
片持ち支持された板バネ22を介して設けられ、常態では
板バネ22の弾性復元力で弁体21が通気孔20を閉塞するよ
うに構成されている。

また、供給口カバー17の内部には、前記板バネ22の遊端
に係合して回転する切欠付きの操作軸23が設けられてい
る。一方、供給口カバー17の前端近くには、ゲート機構
５のバネ受け部材11に形成したフランジ部11aに下方よ
り当接係合するベルクランク24が、支点25を中心に揺動
自在に取り付けられ、このベルクランク24と前記操作軸
23とが押し引きリンク26で連動連結されている。また、
この押し引きリンク26とベルクランク24の支点25との間
に引っ張りバネ27を架設して、操作軸23に常時反時計方
向の回転力が付勢されている。そして、この付勢回転力
は、板バネ22の弾性復元力よりも大きく設定されてい
る。

本考案のインクリザーバーは以上のように構成したもの
であり、次にその動作を説明する。

インク補給時以外の状態では、供給口カバー17は閉じら
れて、係合ロック部28を介して固定されている。

プリンタがパワーオンされると、第１図に示すように、
作動アーム12が上方に退避しており、操作ロッド８が上
昇してゲート６が開かれるとともに、バネ受け部材11の
上昇に追従してベルクランク24の時計方向の回転が許さ
れる。これに伴って、操作軸23も反時計方向に回転し
て、係合する板バネ22の遊端を突き上げ変位させて弁体
21を通気孔20から離間させる。つまり、インクタンク３
内が通気孔20を通じて外部と連通され、インクの供給が
円滑に行われる。

プリンタがパワーオフ状態に切り換えられると、作動ア
ーム12が図外の駆動手段によって下降させられ、第３図
に示すように、操作ロッド８が強制的に押し下げられて
ゲート６が閉じられるとともに、バネ受け部材11の下降
に伴ってベルクランク24が引っ張りバネ27に抗して反時
計方向に強制回転される。これに伴って、操作軸23は時
計方向に回転し、板バネ22が自由状態になって弁体21が
通気孔20を閉塞する。つまり、パワーオフ時には、イン
クタンク３は完全密閉され、運搬移動してもインクの漏
出は発生しない。

インク補給時には、第３図に仮想線で示すように、供給
口カバー17を上方に開く。これで、インクタンク３の上
面部が現れ、インク供給口16が開放されるので、インク
タンク３の上面部にインクカートリッジを装填して該カ
ートリッジからインクタンク３内にインクを供給するこ
とができる。

なお、図示の実施例では、作動アーム12と弁体21とを連
動させるのに、ベルクランク24、押し引きリンク26、操
作軸23、および板バネ22を用いたが、両者は他のリンク
機構やワイヤ等で連動させてもよく、連動手段は実施例
のものに限定されない。

また、上記実施例では、インク供給口16に当接するキャ
ップ19を設け、このキャップ19に通気孔20を形成し、こ
の通気孔20を弁体21で閉塞するようにしたが、弁体21で
直接インク供給口16を閉塞するようにしてもよい。

〈考案の効果〉以上のように、本考案によれば、パワーオフによってメ
ンテナンスステーションの作動アームが下降してインク
送り出しのゲートを閉じると、空気孔となっているイン
ク供給口も弁体により閉じられ、逆にパワーオンによっ
てゲートが開かれると、インク供給口も開かれて空気の
流通が可能になるので、パワーオフ状態での運搬移動時
にインクタンクからのインクの漏出が完全に防止される
一方、パワーオン時のインクタンクの外気連通が確実に
行われることになり、従来発生していたキャップの着脱
忘れに起因するトラブルを確実に防止することができ
る。

しかも、インタンクに開口するインク供給口を通気孔に
利用しているから、インタンクに専用の通気孔を形成し
てこれを開閉する場合に比較して、インタンク自体の構
造が簡単になり、製作に有利である。

さらに、供給口カバーを開くことでインクの供給が可能
となるから、インク供給口を通気孔として利用するもの
でありながら、インクの供給に支障が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のパワーオン時の状態を示す
縦断側面図、第２図は第１図のa-a線での断面図、第３
図はパワーオフ時の状態を示す縦断側面図である。３……インタンク、５……ゲート機構、12……作動アー
ム、16……インク供給口、17……供給口カバー、20……
通気孔、21……弁体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】インクタンクに備えたインク送り出し用ゲ
ート機構を、メンテナンスステーションから延出された
作動アームによって開閉操作するように構成したインク
ジェットプリンタのインクリザーバーにおいて、前記インクタンクに開口するインク供給口を上方から覆
う開閉自在な供給口カバーと、この供給口カバーに備え
られ前記インク供給口を開閉する弁体と、供給口カバー
の閉じ状態において前記作動アームと弁体とを連係して
作動アームのゲート開放作動で弁体を開き、作動アーム
のゲート閉塞作動で弁体を閉じる連係機構とを備えたこ
とを特徴とするインクジェットプリンタのインクリザー
バー。