JP3669240B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジ上に、記録ヘッドにインクを供給するためのサブタンクが搭載され、空気加圧ポンプにより生成される空気圧の作用によりインクカートリッジから前記サブタンクに対してインクを補給するように構成されたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用紙の幅方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドの移動方向に対して直行する方向に相対的に移動させる紙送り手段が備えられ、印刷データに基づいて記録ヘッドよりインク滴を吐出させることにより記録用紙に対して記録が行われる。
【0003】
そしてキャリッジ上に例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能にしている。
【0004】
一方、例えばオフィス向けまたは業務用に提供されるこの種の記録装置においては、比較的大量の印刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジを配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジを例えば装置本体側に配置された装着装置(カートリッジホルダ)に装填させる形式の記録装置が提供されている。
【0005】
そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッジ上にはサブタンクが配置され、前記各インクカートリッジから各サブタンクに対してインク補給チューブを介してそれぞれインクを補給し、さらに各サブタンクからそれぞれ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昨今においては大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、キャリッジの走査距離の長い大型の記録装置の需要が増大している。このような記録装置においては、スループットを向上させるために、記録ヘッドにおいては益々多ノズル化が図られている。さらに、スループットを向上させるために、印刷を実行しながらインクカートリッジからキャリッジに搭載された各サブタンクに対して逐次インクを補給することを可能とし、各サブタンクからそれぞれ記録ヘッドに対してインクを安定して供給するような記録装置が求められる。
【0007】
このような記録装置においては、インクカートリッジからサブタンクに対して、それぞれのインクに対応してインク補給チューブを接続する必要があり、キャリッジの走査距離が大きいために必然的に各補給チューブの引き回し距離が増大する。しかも前記したとおり、記録ヘッドにおいては多ノズル化が図られているためにインクの消費量が多く、インクカートリッジからサブタンクに接続された各インク補給チューブ内においてインクの動圧が高まり、サブタンクに対するインクの補給量が不足するという技術的課題を抱えている。
【0008】
このような課題を解決するための一つの手段として、例えばインクカートリッジ側に空気圧を印加し、インクカートリッジからサブタンクに対して空気圧によって強制的なインク流を発生させて、サブタンクに対して必要十分なインクを補給する構成が採用し得る。
【0009】
このような構成を採用しようとした場合、インクカートリッジに対して加圧空気が印加されているために、カートリッジホルダに着脱可能に装填されている前記インクカートリッジを無闇に引き抜くと、加圧空気の作用によりインクカートリッジからインクが吹き出して、周囲を汚染されるなどの問題が発生する。
【0010】
また、インクカートリッジを構成する外郭部材が前記加圧空気の作用を受けて、多少ながら膨張状態になされているために、カートリッジホルダからインクカートリッジの引き抜きが困難となったり、これを無理して引き抜いた場合には、インクカートリッジとカートリッジホルダとの双方、特に両者が接続されるインク補給接続栓を変形させる等して、双方にダメージを与えるなどの問題も発生する。
【0011】
本発明は、このような技術的な課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、インクカートリッジに加圧空気を印加してサブタンクに対してインクを送り出す構成を採用したインクジェット式記録装置において、カートリッジホルダよりインクカートリッジを引き抜くに際して、加圧空気の作用による前記したような問題点が発生するのを回避し得るインクジェット式記録装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャリッジに搭載され、インクカートリッジからインク補給路を介してインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクが具備され、前記インクカートリッジには空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加され、前記空気圧の作用によりインクカートリッジからサブタンクに対してインクを補給するように構成されたインクジェット式記録装置であって、前記インクカートリッジを着脱可能に装填するカートリッジホルダには、インクカートリッジを着脱操作する場合に開放されるカバー部材が配備され、前記カバー部材の開放に伴って、前記空気加圧ポンプからインクカートリッジに至る空気流路を大気に開放する大気開放手段が具備された構成とされる。
【0013】
この場合、好ましくは前記インクカートリッジからサブタンクに至るインク補給路が、可撓性のインク補給チューブにより構成される。また好ましくは前記インクカートリッジは、その外郭が気密状態に形成され、内部にインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパックが収納されると共に、インクカートリッジの外郭構成部材とインクパックとで形成される空間内に、前記空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加されるように構成される。
【0014】
さらに、本発明にかかる好ましい実施の形態においては、インクカートリッジとサブタンクとの間のインク補給路にインク補給バルブが配置され、前記インク補給バルブがサブタンク内のインク量を検出するインク量検出手段によって生成される制御信号により開閉弁されるように構成される。
【0015】
また、前記記録ヘッドより吐出される各インクをそれぞれ封入する複数のインクカートリッジが前記カートリッジホルダに着脱可能に装填され、1つの空気加圧ポンプにより生成される空気圧が、前記空気流路を介してカートリッジホルダに装填された状態の各インクカートリッジに対してそれぞれ印加されるように構成することが望ましい。
【0016】
一方、好ましくは前記カートリッジホルダに装着されたカバー部材の開放を検出する電気スイッチが具備され、前記電気スイッチの動作に伴って、前記大気開放手段を構成する開閉弁ユニットを開弁制御させるように構成される。この場合、前記開閉弁ユニットには、ダイヤフラム弁が配置され、前記電気スイッチの動作に伴って駆動される駆動手段により、前記ダイヤフラム弁を開閉弁制御するように構成される。この場合さらに前記駆動手段が、好ましくは電磁プランジャーにより構成される。
【0017】
そして、好ましい実施の形態においては、前記電磁プランジャーによる駆動力が、支軸を介して回動される駆動レバーの一端部に作用するようになされ、且つ前記支軸を介した駆動レバーの他端部には、前記電磁プランジャーの駆動状態における駆動レバーの回動方向とは逆方向に付勢するばね部材が配置され、開閉弁ユニットにおける前記ダイヤフラム弁を支持する駆動軸が駆動レバーの前記一端部と前記支軸との間に結合されて、前記電磁プランジャーへの非通電状態において、前記ばね部材の付勢力によって前記ダイヤフラム弁を開弁させるように構成される。
【0018】
加えて、前記した構成による記録装置においては、前記大気開放手段が、空気加圧ポンプによって加圧された空気圧が所定以上に達した時に圧力を開放して、インクカートリッジに加わる空気圧を所定の範囲に維持させる圧力調整弁を兼ねるように構成することが望ましい。さらに、前記した構成による記録装置においては、カートリッジホルダに装着された前記カバー部材の開放に連動して、空気加圧ポンプの駆動を停止させるように構成することが望ましい。
【0019】
以上の構成によるインクジェット式記録装置によると、空気加圧ポンプにより生成される空気圧がインクカートリッジに印加されるように構成されるため、インクカートリッジからキャリッジに搭載されたサブタンクに対して必要十分なインクを補給することができる。そして、インクカートリッジを着脱する際に開放されるカバー部材の動作に連動して、空気加圧ポンプからインクカートリッジに至る空気流路に配置された大気開放手段が開放される。
【0020】
したがって、カートリッジホルダに装着されて加圧空気が印加された状態のインクカートリッジは、当該カートリッジホルダから引き抜かれる際には、加圧空気の印加が確実に解除される。それ故、インクカートリッジをホルダから引き抜いた場合に、カートリッジ内に残留する加圧空気の作用により、不用意にインクが吹き出すなどの問題を回避することができる。
【0021】
また、カートリッジホルダへの装着状態において加圧空気の作用を受けて多少ながら膨張状態になされているインクカートリッジの外郭部材も、前記カバー部材の開放により原形に戻るため、ホルダからの引き抜きを容易にすることができ、その引き抜き操作においてカートリッジおよびホルダの双方にダメージを与えるなどの問題も回避することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたインクジェット式記録装置の一例を上面図によって示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、走査ガイド部材4に案内されて紙送り部材5の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向である主走査方向に往復移動されるように構成されている。そして、図1には示されていないが、キャリッジ1の紙送り部材5に対向する面には、後述するインクジェット式記録ヘッド6が搭載されている。
【0023】
また、キャリッジ1には前記記録ヘッドにインクを供給するためのサブタンク7a〜7dが搭載されている。このサブタンク7a〜7dは、この実施の形態においては、その内部において各インクを一時的に貯留するために、それぞれのインクに対応して4個具備されている。
【0024】
そして、このサブタンク7a〜7dに対して、装置の端部に配置されたカートリッジホルダ8に装填されたインクカートリッジ(以下、これをメインタンクとも言う)9a〜9dから、インク供給路を構成する可撓性のインク補給チューブ10,10,……をそれぞれ介して、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各インクが供給されるように構成されている。
【0025】
一方、前記キャリッジ1の移動経路上における非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるキャッピング手段11が配置されており、さらにこのキャッピング手段11の上面には、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止し得るゴム等の可撓性素材により形成されたキャップ部材11aが配置されている。そして、キャリッジ1がホームポジョンに移動したときに、前記キャップ部材11aによって、記録ヘッドのノズル形成面が封止されるように構成されている。
【0026】
このキャップ部材11aは、記録装置の休止期間中において記録ヘッドのノズル形成面を封止し、ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。また、このキャップ部材11aには、図には示されていないが、吸引ポンプ(チューブポンプ)におけるチューブの一端が接続され、吸引ポンプによる負圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドからインクを吸引排出させるクリーニング動作が実行されるように構成されている。
【0027】
そして、キャッピング手段11の印字領域側には、ゴムなどの弾性素材によるワイピング部材12が配置されていて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃することができるようにも構成されている。
【0028】
次に図2は、図1に示した記録装置に搭載されたインク供給システムの構成を模式的に示したものであり、このインク供給システムについて、同一符号で示した図1と共に説明する。図1および図2において、符号21は空気加圧ポンプを示しており、この空気加圧ポンプ21により加圧された空気は、大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22に供給され、さらに圧力検出器23を介して前記した各メインタンク9a〜9d(図2においては代表して符号9として示しており、以下において代表して単に符号9として説明する場合もある。)にそれぞれ供給されるように構成されている。
【0029】
この場合、前記圧力検出器23から各メインタンク9に対して空気流路が分岐され、カートリッジホルダ8に装填された状態の各メインタンクに対してそれぞれ加圧空気が印加されるように構成されている。
【0030】
前記大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22の具体的な構成は、後で詳細に説明するが、圧力調整弁は空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が、何らかの障害により過度の状態に達した時に、圧力を開放して各メインタンク9a〜9dに加わる空気圧を所定の範囲に維持させる機能を有している。また、大気開放弁は空気加圧ポンプ21による加圧状態を、例えば後述するカートリッジホルダに装着されたカバー部材を開放した時、あるいは記録装置の駆動電源がオフされた時に解除することができる機能を有している。
【0031】
さらに、前記圧力検出器23は、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧を検知し、空気加圧ポンプ21の駆動を制御するように機能する。すなわち、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が所定の圧力に達したことを検出した場合には、空気加圧ポンプ21の駆動を停止させると共に、圧力検出器23によって空気圧が定められた圧力以下となったことを検出した場合には、空気加圧ポンプ21の駆動させるように制御し、この繰り返しによって前記した各メインタンク9a〜9dに加わる空気圧が所定の範囲に維持されるように機能する。
【0032】
前記メインタンク9は、その概略構成が図2に示されたように、その外郭が気密状態に形成されており、その内部にはインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパック24が収納されている。そして、メインタンク9とインクパック24とで形成される空間が圧力室25を構成しており、この圧力室25内に、圧力検出器23を介した加圧空気が供給されるように構成されている。
【0033】
この構成により、各メインタンク9a〜9dに収納された各インクパック24は、それぞれ加圧空気による加圧を受け、各メインタンク9a〜9dから各サブタンク7a〜7dに対して所定の圧力によるインク流が発生されるように構成されている。
【0034】
前記各メインタンク9a〜9dにおいて加圧されたインクは、それぞれ各インク補給バルブ26,26……および各インク補給チューブ10,10,……をそれぞれ介して、キャリッジ1に搭載された各サブタンク7a〜7d(図2においては代表して符号7として示しており、以下において代表して単に符号7として説明する場合もある。)に供給されるように構成されている。
【0035】
図2に示すサブタンク7の構成についての詳細な説明は後述するが、その基本構成は、内部にフロート部材31が配置されており、そのフロート部材31の一部には永久磁石32が取り付けられている。そして、ホール素子に代表される磁電変換素子33a,33bが基板34に装着されて、サブタンク7の側壁に添接されている。
【0036】
この構成により、フロート部材31に配置された永久磁石32と、フロート部材の浮上位置にしたがった前記永久磁石32による磁力線量に応じて、前記ホール素子33a,33bにより電気的出力が発生されるインク量検出手段を構成している。
【0037】
したがって、例えばサブタンク7内のインク量が少なくなった場合には、サブタンク内に収納されたフロート部材31の位置が重力方向に移動し、これに伴い前記永久磁石32の位置も重力方向に移動する。それ故、永久磁石の移動によるホール素子33a,33bの電気的出力は、サブタンク7内のインク量として感知することができ、ホール素子33a,33bにより得られた電気的出力によって、前記インク補給バルブ26が開弁される。
【0038】
これにより、メインタンク9内で加圧されているインクは、インク量が低下したそれぞれのサブタンク7内に個別に送出される。そして、当該サブタンク7内におけるインク量が所定の容量に達した場合には、前記したホール素子33a,33bの電気的出力に基づいて前記インク補給バルブ26が閉弁される。このような繰り返しにより、メインタンクからサブタンクに対して断続的にインクが補給されるように作用し、各サブタンクには常に一定の範囲のインクが貯留されるようになされる。
【0039】
このように、メインタンク内において空気圧によって加圧された各インクが、サブタンク内に配置されたそれぞれのフロート部材の位置に基づく電気的な出力に基づいて、各サブタンクに対してインクが補給されるように構成されているので、インクの補給レスポンスを向上させることができ、サブタンク内のインクの貯留量が適切に管理される。
【0040】
そして、各サブタンク7からはバルブ35およびこれに接続されたチューブ36を介して記録ヘッド6に対してインクが供給されるように構成されており、記録ヘッド6の図示せぬアクチェータに供給される印刷データに基づいて、記録ヘッド6のノズル形成面に形成されたノズル開口6aより、インク滴が吐出されるように作用する。なお、図2において符号11は、前記したキャッピング手段を示しており、このキャッピング手段11に接続されたチューブは図示せぬ吸引ポンプ(チューブポンプ)に接続されている。
【0041】
図3乃至図5は、前記したサブタンクの実施の形態を示したものであり、図3はサブタンクの一部の構成を割愛し、これを一面方向から視た斜視図で示し、図4は同方向から視た透視図で示している。さらに図5はサブタンクを裏面方向から視た背面図で示している。なお、図3乃至図5において、既に説明した各部に相当する部分は、同一符号で示されている。
【0042】
サブタンク7は、ほぼ直方体状に形成され、且つ全体が偏平状になされている。このサブタンク7の外郭は、一側壁41aとこれに連なる周側壁41bとが一体に形成された箱状部材41により構成されており、この箱状部材41の開口周縁には、透明樹脂によるフィルム状部材42(図4参照)が熱溶着手段により密着状態で取り付けられ、箱状部材41とフィルム状部材42とにより囲まれた内部に、インク貯留空間43が形成されている。
【0043】
そして、箱状部材41を構成する前記一側壁41aからインク貯留空間43に向かって突出する支持軸44が箱状部材41と一体に形成されており、フロート部材31は、この支持軸44を回動中心として、インク貯留空間43内において重力方向に可動できるように配置されている。
【0044】
なお、この実施の形態においては、前記支持軸44はインク貯留空間43における水平方向の端部近傍に配置されており、前記フロート部材31は、前記支持軸44を回動中心として可動される支持腕部材45の可動自由端側に一体に形成されている。
【0045】
そして、図4に示されたように前記支持腕部材45の自由端側に、前記した永久磁石32が取り付けられており、この永久磁石32は、支持腕部材45がほぼ水平状態となされた時に、インク貯留空間43における水平方向の他端部近傍に位置するよう、すなわちサブタンク7の側壁に添接された基板34に装着されたホール素子33a,33bに最も接近されるように構成されている。
【0046】
一方、前記サブタンク7には、その重力方向の低部、すなわちこの実施の形態においては周側壁41bの底部にインク補給口46が形成されており、このインク補給口46に接続された前記チューブ10を介してメインタンク9よりインク貯留空間43内に、インクが補給されるように構成されている。
【0047】
サブタンク7におけるインク補給口46が、前記したとおり重力方向の低部に形成されることにより、メインタンクからのインクは、インク貯留空間43の底部から補給され、したがって、インクの補給によってインク貯留空間43内におけるインクの泡立ちが発生しないように配慮されている。
【0048】
さらに、前記サブタンク7内には、フロート部材31および支持腕部材45の移動領域を避けた部分に、キャリッジの移動に伴いサブタンク内のインクの波打ちの発生程度を低減させる複数条のリブ部材47が配置されている。なお、この実施の形態においては、各リブ部材47はサブタンク7を構成する箱状部材41の一側壁41aからインク貯留空間43に向かってそれぞれ突出するように、一側壁41aをベースとして一体に形成されているが、これは別体に形成されていてもよい。
【0049】
このリブ部材47の存在により、前記したとおりサブタンク内のインクの波打ちの発生程度を低減させることができ、これにより、ホール素子によるサブタンク7内のインクの貯留量の検出精度を向上させることができる。
【0050】
また、サブタンク内7には、図4に示されたようにインク補給口46に近接してインク導出口48が形成されている。そして、このインク導出口48を覆うように、五角形(ホームベース状)を形成する異物トラップ用のフィルタ部材49が配置されており、したがって、サブタンク7内に貯留されたインクは、このフィルタ部材49を介してインク導出口48に導かれるようになされる。しかも、インク導出口48はインク補給口46に近接して形成されているので、サブタンク7内に導入される比較的新しいインクが、直ちにこの導出口48より記録ヘッドに供給されるように作用する。
【0051】
前記インク導出口48より導出されるインクは、図5に示されたように側壁41aの裏面に形成された溝部50に導出され、この溝部を覆うように熱溶着されたフィルム状部材51により形成されたインク導出路を介してサブタンク7の下底部に配置された前記バルブ35に至るように構成されている。そして、バルブ35を介して、同様に側壁41aの裏面に形成された溝部52に導出され、この溝部を覆うように熱溶着された前記フィルム状部材51により形成されたインク導出路を介して記録ヘッド6に接続されるチューブ36の接続口53に導かれるように構成されている。
【0052】
一方、サブタンク7の上半部には、図3および図4に示されたようにインク貯留空間43に導通する導通溝61が傾斜状態に形成されており、この導通溝61の上端部、すなわちサブタンク7の重力方向の高部には、サブタンク7の側壁41aの裏面に貫通する大気連通口62が形成されている。この大気連通口62は、図5に示すようにサブタンク7の裏面に配置され、大気を通過させると共にインクの通過を阻止するほぼ矩形状に形成された撥水膜63によって閉塞されている。
【0053】
この撥水膜63は、サブタンク7の側壁41aにおける裏面に形成された凹所に収納された形で配置されており、側壁41aの上部裏面を覆うように熱溶着されたフィルム状部材64によって保持されている。そして、前記撥水膜63を介して側壁41aの裏面には蛇行溝65が形成されており、この蛇行溝65の端部は、サブタンク7の側壁41aに形成された有底孔66に連通されている。これら蛇行溝65および有底孔66は、前記したフィルム状部材64によって共に気密状態に覆われており、したがって、蛇行溝65とフィルム状部材64とによって、空気流通抵抗路(符号は蛇行溝と同じ65で示す)が形成されている。
【0054】
そして、前記有底孔66を覆うフィルム状部材64を、例えば鋭利な工具等で破壊することで、前記大気開放口62は蛇行状に形成された前記空気流通抵抗路65を介して大気に連通されるようになされる。
【0055】
このように、サブタンク7に形成された大気連通口62が撥水膜63により覆われた構成とされているので、誤って記録装置全体を例えば上下反転させた場合などにおいて、前記撥水膜63の存在によりサブタンク7内のインクを漏出させるという問題を回避することができる。
【0056】
また、空気流通抵抗路65の端部に形成された有底孔66を、予めフィルム状部材64によって気密状態に覆った構成としたことで、サブタンク単体の完成時において、サブタンクの液漏れ(インク漏れ)をチェックすることができ、このチェックが完了した時点で、有底孔66を覆うフィルム状部材64を破壊することで、本来の機能をもたせるようになされる。
【0057】
なお、前記サブタンク7の側壁にはホール素子33a,33bの位置決めを行う凹部41cが形成され、この位置決めのための凹部41cを形成することによって、サブタンク7の側壁部はより薄肉状態とされ、前記フロート部材31に取り付けられた永久磁石32の移動軌跡とホール素子33a,33bとの距離が、より接近できるように構成されている。
【0058】
これにより、ホール素子33a,33bによる永久磁石32の磁力線の検出感度を向上させると共に、サブタンク7内のインク量に応じたフロート部材31の重力方向への移動によるインク量検出精度も向上させることができる。
【0059】
なお、図3乃至図5に示されたように、サブタンク7の一部には貫通穴67が形成されている。したがって、各サブタンク7の貫通穴67を貫通する1本の支持軸(図示せず)を利用することによって、各サブタンクを並列状態に配列することができ、これによりサブタンクユニットを構成できるようになされている。
【0060】
次に図6は、前記したフロート部材31の構成を分解斜視図によって示したものである。この実施の形態によるフロート部材31は、一側壁71aとこれに連なる周側壁71bとが一体に形成された箱状部材71と、この箱状部材71の開口部を閉塞して内部を中空状に形成する閉塞部材72とにより構成されている。
【0061】
前記閉塞部材72としては、透明樹脂により形成されたフィルム状部材が用いられており、フィルム状の閉塞部材72が箱状部材71の開口周縁に対して、たとえば熱溶着手段により密着状態に取り付けられ、これにより内部が空洞状態に形成されている。
【0062】
このように形成されたフロート部材31は、前記したようにサブタンク7に形成された支持軸44を回動中心として可動される支持腕部材45の可動自由端側に一体に形成されている。そして、支持腕部材45の基端部には支持環73が一体に形成されており、この支持環73が前記支持軸44に回動可能に装着されることにより、前記支持軸44を回動中心として支持されるように構成されている。
【0063】
そして、前記したように支持腕部材45の自由端側には、永久磁石32が取り付けられており、この永久磁石32は、その表面に貼着されたフィルム状部材74により被覆されて、サブタンク7内に貯留されるインクによる化学的な悪影響が避けられるようになされている。
【0064】
さらに、前記フロート部材31および支持腕部材45の一部には、3か所において、その両外側に水平方向に突出するように位置決めピン75が形成されている。これらの位置決めピン75は、フロート部材31の両側面から1mm以上突出していることが望ましく、これによりフロート部材および支持腕部材とサブタンクの内壁との間で少なくとも1mm以上の距離を保持するように作用する。
【0065】
これにより、フロート部材31と、サブタンク7の内壁との間でインクの表面張力が働いて、フロート部材31の移動を阻害するという問題を解決させることができる。
【0066】
次に図7および図8は、大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22の実施の形態について、その主要部を破断した一部断面図で示している。そして、図7は圧力調整弁として機能している状態を示し、また図8は大気開放状態を示している。
【0067】
図7および図8における符号81は開閉弁ユニットを示しており、この開閉弁ユニット81はそれぞれ内部に空間部が形成された上ケース81aおよび下ケース81bが具備され、これら上ケース81aおよび下ケース81bによって、上下に分割できるように構成されている。そして、上ケース81aおよび下ケース81bの接合部には、ダイヤフラム弁82が配置されている。
【0068】
このダイヤフラム弁82は、ゴム素材を円板状に成形して構成され、その周縁部が上ケース81aと下ケース81bの接合部において挟持され、下ケース81bの空間部において気密状態の空気室83を形成している。
【0069】
また、下ケース81bには空気室83に連通する一対の接続管84a,84bが形成されており、これらの接続管84a,84bはそれぞれ前記した空気加圧ポンプ21および圧力検出器23に接続されている。したがって、空気加圧ポンプ21からの加圧空気は、図8に示す矢印に沿って印加され、さらに空気室83を介して圧力検出器23および各メインタンク9に対して加圧空気が印加されるようになされる。
【0070】
また、下ケース81bの中央部には通気孔84cが形成されており、この通気孔84cの空気室83への開口端において、前記ダイヤフラム弁82のほぼ中央部が当接するように構成されている。
【0071】
一方、上ケース81aには駆動軸85が上下方向に摺動されるように配置されており、この駆動軸85の下端部において前記ダイヤフラム弁82の上面部が支持されている。そして、駆動軸85には円環状のばね受け座86が取り付けられており、このばね受け座86と上ケース81aの空間上部との間にはコイル状のばね部材87が配置され、このばね部材87によってダイヤフラム弁82の中央部が通気孔84cの開口端に当接するように付勢されている。
【0072】
前記駆動軸85の上端部には、係合頭部88が備えられており、支軸89によって軸支され、支軸89を中心としてシーソ状に回動される駆動レバー90に形成された貫通穴を貫通した上部に、前記係合頭部88が取り付けられた構成とされている。
【0073】
前記駆動レバー90の一端部には駆動手段としての電磁プランジャー91の作動ロッド91aが係合されている。また、駆動レバー90の支軸89を介した他端部にはばね部材、すなわち引っ張りばね93の一端が取り付けられており、この引っ張りばね93の作用により、駆動レバー90は支軸89を介して図中左回転されるように付勢されている。そして、電磁プランジャー91による駆動力を受ける前記駆動レバー90の一端部と、支軸89との中間部において、開閉弁ユニット81における駆動軸85の係合頭部88が係合されている。
【0074】
前記した構成によると、電磁プランジャー91に通電した場合においては図7に示すように、引っ張りばね93の付勢力に抗して駆動レバー90の前記一端部が引き下げられた状態になされる。したがって、開閉弁ユニット81の駆動軸85に取り付けられた係合頭部88が駆動レバー90から浮いた状態になされる。これにより、前記ダイヤフラム弁82はばね部材87の付勢力と、ダイヤフラム弁82が保持している弾性力とにより通気孔84cを閉塞した閉弁状態とされる。
【0075】
そして、空気室83内の圧力が所定値を超えた場合には、ダイヤフラム弁82が空気室83において上部に押し上げられ、これにより通気孔84cに対するダイヤフラム弁82の当接が解かれ、圧力調整弁として機能する。これにより、前記したとおり空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が、何らかの障害により過度の状態に達した圧力を開放し、各メインタンク9a〜9dに加わる空気圧を所定の範囲に維持させるように機能する。
【0076】
一方、電磁プランジャー91への通電が断たれた場合には、図8に示すように前記引っ張りばね93の作用により、駆動レバー90は図において左回転され、引っ張りばね93の牽引力によって開閉弁ユニット81の駆動軸85は、開閉弁ユニット81内のばね部材87の付勢力とダイヤフラム弁82が保持している弾性力に抗して引き上げられる。したがって空気室83より通気孔84cを介して加圧空気を放出する大気開放状態になされる。
【0077】
この図7および図8に示した実施の形態によると、電磁プランジャー91への通電が断たれた場合において大気開放状態とされるため、後述するカートリッジホルダに装着されたカバー部材を開放した時に、この電磁プランジャー91への通電を断つように構成することで、カバー部材の開放に伴って各メインタンク9に加わっている空気圧は瞬時に開放される。
【0078】
また、記録装置の動作電源がオフされることにより、電磁プランジャー91への通電も遮断されるため、記録装置の休止状態においては自動的に圧力が開放される。これにより記録装置の非使用時においては、前記メインタンク9に加わる空気圧が開放され、記録装置の休止中に、残留空気圧により例えばメインタンクからインクの漏出を誘発させるなどの問題を回避させることができる。
【0079】
次に図9および図10は、内部に圧力室を形成してなるメインタンクの一部の構成とカートリッジホルダ側の一部の構成とを断面図で示したものであり、図9はメインタンクが記録装置のカートリッジホルダに装填される直前の状態(またはカートリッジホルダから引き抜かれた状態)を、また図10はメインタンクがカートリッジホルダに装填された状態をそれぞれ示している。なお、図9および図10において、既に説明した各部と同一部分は同一符号で示している。
【0080】
メインタンクの外郭部材を構成するケース100の端部には、インクが封入されたインクパック24のインク導出栓101が取り付けられている。このインク導出栓101には、後述するカートリッジホルダ側の接続栓に当接して軸方向に後退して開弁状態とされる弁部材102が配備されており、この弁部材102は、ばね部材103によって軸方向に進出するように付勢されている。そして、ばね部材103によって軸方向に進出するように付勢された弁部材102は、中央部に貫通孔が形成された環状のパッキング部材104に押し当てられ、この結果、図9に示されたようにインク導出栓101は閉弁状態になされる。
【0081】
また、ケース100には加圧空気導入口が形成されている。この加圧空気導入口は、圧力室25に連通する空気路を形成する筒状体105により構成されており、この筒状体105がメインタンクの前端部側に突出するように一体に形成されている。
【0082】
一方、カートリッジホルダ8側においては、その中央部にインク受給用接続栓111が突出して形成されている。この接続栓111は、メインタンクが装填された状態で、メインタンク側の前記インク導出栓101に当接されて開弁状態となり、カートリッジホルダの非装填状態において閉弁状態が保持されるように構成されている。
【0083】
すなわち、前記接続栓111には、インク導入孔112が形成された中空針113と、この中空針113の外周をとり囲むようにして摺動可能に配置され、カートリッジホルダの非装填状態において、ばね部材114の付勢を受けて前記中空針113に形成されたインク導入孔112を閉塞する位置に移動する環状の摺動部材115が具備されている。
【0084】
したがって、メインタンクが非装填状態にある図9に示す場合においては、環状の摺動部材115は、ばね部材114の付勢を受けて進出し、中空針113に形成されたインク導入孔112を閉塞して閉弁状態とする。また、メインタンクがカートリッジホルダ8に装填状態にある図10に示す場合においては、メインタンク側の前記インク導出栓101が、環状の摺動部材115に当接してこれを後退させるために、中空針113に形成された前記インク導入孔112が露出し、インクが導入できる開弁状態とされる。
【0085】
この時、メインタンク側においては、カートリッジホルダ側における前記中空針113の先端部が、パッキング部材104に形成された貫通孔を通して弁部材102に当接し、弁部材102を軸方向に後退させるためにメインタンク側のインク導出栓101も開弁される。これにより図10に矢印で示したようにメインタンクよりカートリッジホルダ側にインクが供給できるようになされる。
【0086】
これと同時に、カートリッジ側の加圧空気導入口を構成する筒状体105も、カートリッジホルダ側に配置された加圧空気供給栓121における環状のパッキング部材122内に入り込む。これにより、パッキング部材122が筒状体105の外周面に密着して連結され、図10に矢印で示すように加圧空気がカートリッジ側の圧力室25に導入できるようになされる。
【0087】
以上の構成により、カートリッジホルダよりメインタンクを取り外した場合には、図9に示されたようにメインタンク側に配置された前記インク導出栓101は閉弁されるため、重力を受けてインクが漏出するを防止することができる。さらに同時に、カートリッジホルダ側におけるインク受給用接続栓111も閉弁されるため、サブタンク側からのインクの逆流を阻止することができる。
【0088】
図11は、前記したカートリッジホルダ8の一部の構成を示したものである。このカートリッジホルダ8には、メインタンクを着脱操作する場合に開放されるカバー部材131が配備されている。すなわち、このカバー部材131はカートリッジホルダ8の開口前面に配置されて、回動軸131aが図示せぬ記録装置本体側に形成された支持孔によって支持されており、軸131aを回動中心としてカートリッジホルダ8の開口前面が開放(実線で示す状態)または閉塞(鎖線で示す状態)できるように構成されている。
【0089】
前記カバー部材131を閉塞状態とした内側には、カートリッジホルダ8に装填される各メインタンク9に対応させて複数の操作レバー132が配置されている。この操作レバー132の基端部には係止孔132aが形成されていて、各操作レバー132におけるそれぞれの係止孔132aに挿通して支持する図示せぬ支持ロッドによって、回動可能に支持されている。
【0090】
そして、操作レバー132はカバー部材131を開放した状態において、カバー部材131の開放方向と同方向に回動させることによって各メインタンク9の装填または取り出しができるようになされている。すなわち、メインタンク9をカートリッジホルダ8に装填させる場合においては、操作レバー132をカバー部材131の開放方向と同方向に回動させた状態でメインタンク9をカートリッジホルダ8内に挿入し、操作レバー132を起立させることで、操作レバー132に形成された押当部132bがメインタンク9の手前側端部に当接し、テコの原理によりメインタンク9はホルダ8側に装填される。
【0091】
また、ホルダ8側に装填された状態のメインタンク9を引き出す場合においては、操作レバー132を同じくカバー部材131の開放方向と同方向に回動させることによって、図には示されていないが、操作レバー132の一部に係合されたリンクロッドを介してメインタンク9を奥側から押し出すように作用する。したがって、手前方向に押し出されたメインタンク9を容易に引き出すことができる。
【0092】
前記カートリッジホルダ8には、さらに前記カバー部材131の開放を検出する電気スイッチ133が配備されている。このスイッチ133は、図11に示されたようにカバー部材131が閉じられた状態で、カバー部材131の裏面に接してオン状態になされ、カバー部材131が開放された状態で、オフ状態になされる例えばタクトスイッチが用いられている。
【0093】
このスイッチ133は、前記した大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22における電磁プランジャ91への通電を制御するようになされ、スイッチ133のオン状態、すなわちカバー部材131が閉じられている場合に電磁プランジャ91への通電を可能とし、スイッチ133のオフ状態、すなわちカバー部材131が開放されている場合に電磁プランジャ91への通電を遮断するように作用する。
【0094】
したがって、記録装置への動作電源の投入状態において、例えばカートリッジホルダ8よりメインタンク9を引き抜こうとした場合においては、カートリッジホルダ8に装備されたカバー部材131の開放に基づいて、前記電磁プランジャ91への通電が遮断される。これにより、前記した大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22が開弁され、カートリッジホルダに装着されてメインタンクに印加されていた加圧空気は瞬時に開放される。
【0095】
したがって、加圧空気の作用を受けて多少ながら膨張状態になされているインクカートリッジの外郭部材は原形に戻るため、ホルダからの引き抜きを容易にすることができ、その操作においてカートリッジおよびホルダの双方にダメージを与えるなどの問題も回避することができる。
【0096】
なお、前記した実施の形態においては、カートリッジホルダ8からメインタンク9を引き抜くにあたっては、メインタンクに形成された加圧空気導入口を構成する筒状体105がカートリッジホルダ8側に配置された加圧空気供給栓121から離れた瞬間にメインタンクの圧力室25が大気開放されるように考慮されている。したがって、メインタンクをカートリッジホルダから引き抜いた場合には、メインタンクへの加圧は即座に解消され、残留した加圧空気の作用によるインクの吹き出しなどの不都合は解消される。
【0097】
しかしながら、前記したようにカートリッジホルダ8に装備されたカバー部材131の開放に基づいて、加圧空気を開放する手段を併用することが好ましい。すなわち、メインタンクがカートリッジホルダから離れようとする瞬間においては、加圧空気が印加された状態でメインタンク側のインク導出栓101がカートリッジホルダ8側のインク受給用接続栓111より僅かに離れる状況が発生する。この状況においては、インク導出栓101およびインク受給用接続栓111は共に開弁状態である。したがって、カバー部材131の開放に連動して加圧空気を開放する手段を併用しない場合においては、この瞬間にインクが吹き出すことが有り得る。
【0098】
また、前記したようにカートリッジホルダからメインタンクを引き抜いた場合において、メインタンクに形成された加圧空気導入口が開放されるような構成になされていないメインタンクを採用した場合には、カートリッジホルダのカバー部材の開放に基づいて、加圧空気を開放する手段を講ずることはきわめて重要であることは言うまでもない。
【0099】
また、前記カバー部材の開放に基づく前記スイッチ133のオフにより、空気加圧ポンプの駆動を停止させるように構成させることが望ましい。このように構成することで、空気加圧ポンプの意味のない空転を防止させることができる。
【0100】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、インクカートリッジを着脱可能に装填するカートリッジホルダには、インクカートリッジを着脱操作する場合に開放されるカバー部材が配置され、このカバー部材の開放に伴って、空気加圧ポンプからインクカートリッジに至る空気流路を大気に開放する大気開放手段を具備したので、カートリッジホルダからのインクカートリッジを引き抜く操作を容易にすることができると共に、引き抜く操作において、カートリッジおよびホルダの双方にダメージを与えるなどの問題も回避することができる。さらにインクカートリッジから不用意にインクを吹き出させるという問題も回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】メインタンクから記録ヘッドに至るインク供給システムを示した模式図である。
【図3】サブタンクの一部の構成を割愛し、これを一面方向から視た状態の斜視図である。
【図4】同じくサブタンクを一面方向から視た状態の透視図である。
【図5】同じくサブタンクを裏面方向から視た状態の背面図である。
【図6】サブタンクに収納されたフロート部材の構成を示した分解斜視図である。
【図7】開閉弁ユニットが圧力調整弁として機能している状態を示した一部断面図である。
【図8】開閉弁ユニットが大気開放状態になされた状態を示した一部断面図である。
【図9】インクカートリッジとカートリッジホルダの構成の一部を示した断面図である。
【図10】同じくインクカートリッジがカートリッジホルダに装着された状態を示した断面図である。
【図11】カートリッジホルダの構成の一部を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
6 記録ヘッド
7(7a,7b,7c,7d) サブタンク
8 カートリッジホルダ
9(9a,9b,9c,9d) メインタンク(インクカートリッジ)
10 可撓性チューブ(インク補給路)
11 キャッピング手段
12 ワイピング手段
21 空気加圧ポンプ
22 大気開放弁を兼ねた圧力調整弁
23 圧力検出器
24 インクパック
25 圧力室
26 インク補給バルブ
31 フロート部材
32 永久磁石
33(33a,33b) ホール素子
81 開閉弁ユニット
82 ダイヤフラム弁
84c 通気孔
85 駆動軸
89 支軸
90 駆動レバー
91 電磁プランジャー(駆動手段)
91a 作動ロッド
93 ばね部材(引っ張りばね)
100 ケース(外郭部材)
101 インク導出栓
105 加圧空気導入口
111 インク受給用接続栓
121 加圧空気供給栓
131 カバー部材
132 操作レバー
133 電気スイッチ

Claims (11)

  1. キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャリッジに搭載され、インクカートリッジからインク補給路を介してインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクが具備され、前記インクカートリッジには空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加され、前記空気圧の作用によりインクカートリッジからサブタンクに対してインクを補給するように構成されたインクジェット式記録装置であって、
    前記インクカートリッジを着脱可能に装填するカートリッジホルダには、インクカートリッジを着脱操作する場合に開放されるカバー部材が配備され、前記カバー部材の開放に伴って、前記空気加圧ポンプからインクカートリッジに至る空気流路を大気に開放する大気開放手段が具備されてなるインクジェット式記録装置。
  2. 前記インクカートリッジからサブタンクに至るインク補給路が、可撓性のインク補給チューブにより構成されている請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記インクカートリッジは、その外郭が気密状態に形成され、内部にインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパックが収納されると共に、インクカートリッジの外郭構成部材とインクパックとで形成される空間内に、前記空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加されるように構成した請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記インクカートリッジとサブタンクとの間のインク補給路にインク補給バルブが配置され、前記インク補給バルブがサブタンク内のインク量を検出するインク量検出手段によって生成される制御信号により開閉弁されるように構成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記記録ヘッドより吐出される各インクをそれぞれ封入する複数のインクカートリッジが前記カートリッジホルダに着脱可能に装填され、1つの空気加圧ポンプにより生成される空気圧が、前記空気流路を介してカートリッジホルダに装填された状態の各インクカートリッジに対してそれぞれ印加されるように構成した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記カートリッジホルダに装着されたカバー部材の開放を検出する電気スイッチが具備され、前記電気スイッチの動作に伴って、前記大気開放手段を構成する開閉弁ユニットを開弁制御させるように構成した請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記開閉弁ユニットには、ダイヤフラム弁が配置され、前記電気スイッチの動作に伴って駆動される駆動手段により、前記ダイヤフラム弁を開閉弁制御するように構成した請求項6に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記駆動手段が、電磁プランジャーにより構成された請求項7に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記電磁プランジャーによる駆動力が、支軸を介して回動される駆動レバーの一端部に作用するようになされ、且つ前記支軸を介した駆動レバーの他端部には、前記電磁プランジャーの駆動状態における駆動レバーの回動方向とは逆方向に付勢するばね部材が配置され、開閉弁ユニットにおける前記ダイヤフラム弁を支持する駆動軸が駆動レバーの前記一端部と前記支軸との間に結合されて、前記電磁プランジャーへの非通電状態において、前記ばね部材の付勢力によって前記ダイヤフラム弁を開弁させるように構成した請求項8に記載のインクジェット式記録装置。
  10. 前記大気開放手段が、空気加圧ポンプによって加圧された空気圧が所定以上に達した時に圧力を開放して、インクカートリッジに加わる空気圧を所定の範囲に維持させる圧力調整弁を兼ねた請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  11. 前記カバー部材の開放に連動して、前記空気加圧ポンプの駆動を停止させるように構成された請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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