JP2001212975A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2001212975A
JP2001212975A JP2000024421A JP2000024421A JP2001212975A JP 2001212975 A JP2001212975 A JP 2001212975A JP 2000024421 A JP2000024421 A JP 2000024421A JP 2000024421 A JP2000024421 A JP 2000024421A JP 2001212975 A JP2001212975 A JP 2001212975A
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JP
Japan
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ink
valve
recording apparatus
tank
air
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JP2000024421A
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English (en)
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Kimitoshi Kimura
仁俊 木村
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Priority to US09/765,348 priority patent/US6733114B2/en
Priority to DE60124329T priority patent/DE60124329T2/de
Priority to EP06019558A priority patent/EP1747888B1/en
Priority to EP01101146A priority patent/EP1120259B1/en
Priority to EP06019575A priority patent/EP1754608B1/en
Priority to AT01101146T priority patent/ATE344732T1/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メインタンクに加圧空気を印加してサブタン
クにインクを送り出す構成を採用したインクジェット式
記録装置において、メインタンクに印加される空気圧を
適正に管理できるように構成すること。 【解決手段】 空気加圧ポンプとメインタンクとの間の
空気流路には、開閉弁ユニット81が接続される。電磁
プランジャー91への通電状態においては、開閉弁ユニ
ットにおける弁部材82は、所定の空気圧以上において
開弁し、メインタンクに加わる空気圧を所定の範囲に維
持させる。また、電磁プランジャー91への非通電状態
においては、引っ張りばね93の作用を受けて弁部材8
2は開弁され、空気加圧ポンプによる加圧状態が強制的
に解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録ヘッドが搭載さ
れたキャリッジ上に、記録ヘッドにインクを供給するた
めのサブタンクが搭載され、このサブタンクに対してイ
ンク補給チューブを介してメインタンクからインクを逐
次補給するように構成したインクジェット式記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多
くの印刷に使用されている。このようなインクジェット
式記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用
紙の幅方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、
記録用紙を記録ヘッドの移動方向に対して直行する方向
に相対的に移動させる紙送り手段が備えられ、印刷デー
タに基づいて記録ヘッドよりインク滴を吐出させること
により記録用紙に対して記録が行われる。
【0003】そしてキャリッジ上に例えばブラック、イ
エロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出可能な記録
ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ば
かりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、
フルカラー印刷を可能としている。
【0004】一方、例えばオフィス向けまたは業務用に
提供されるこの種の記録装置においては、比較的大量の
印刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジ
を配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジ
としてのメインタンクを例えば装置本体の側部に配置さ
れた装着装置(カートリッジホルダ)に装填させる形式
の記録装置が提供されている。
【0005】そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッ
ジ上にはサブタンクが配置され、前記各メインタンクか
ら各サブタンクに対してインク補給チューブを介してそ
れぞれインクを補給し、さらに各サブタンクからそれぞ
れ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今におい
ては大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、キャ
リッジの走査距離の長い大型の記録装置が要求されてい
る。このような記録装置においては、スループットを向
上させるために、記録ヘッドにおいては益々多ノズル化
が図られている。さらに、スループットを向上させるた
めに、印刷を実行しながらメインタンクからキャリッジ
に搭載された各サブタンクに対して逐次インクを補給す
ることを可能とし、各サブタンクからそれぞれ記録ヘッ
ドに対してインクを安定して供給するような記録装置が
求められる。
【0007】このような記録装置においては、メインタ
ンクからサブタンクに対して、それぞれのインクに対応
してインク補給チューブを接続する必要があり、キャリ
ッジの走査距離が大きいために必然的にチューブの引き
回し距離が増大する。しかも前記したとおり、記録ヘッ
ドにおいては多ノズル化が図られているために、インク
の消費量が多く、メインタンクからサブタンクに接続さ
れた各インク補給チューブ内においてインクの動圧が高
まり、サブタンクに対するインクの補給量が不足すると
いう技術的課題を抱えている。
【0008】このような課題を解決するための一つの手
段として、例えばメインタンク側に空気圧を印加し、メ
インタンクからサブタンクに対して空気圧によって強制
的なインク流を発生させて、サブタンクに対して必要十
分なインクを補給する構成が採用し得る。
【0009】このような構成を採用しようとした場合、
メインタンクに対して常に安定した空気圧を印加するこ
とができる圧力調整機能が求められる。そして、記録装
置に動作電源が投入されていない休止状態においては、
前記メインタンクに対する空気圧を解除して、例えばメ
インタンクからインクの漏出を誘発させるなどの問題を
回避できる大気開放機能を持たせる必要がある。
【0010】本発明は、このような技術的な要請に基づ
いてなされたものであり、その目的とするところは、メ
インタンクに加圧空気を印加してサブタンクに対してイ
ンクを送り出す構成を採用したインクジェット式記録装
置において、前記メインタンクに印加される空気圧を一
定の範囲に管理することができる圧力調整機能を提供し
ようとするものである。
【0011】また、本発明の他の目的とするところは、
前記メインタンクに加わる空気圧を強制的に解除できる
大気開放機能およびその合理的な構成を提供しようとす
るものである。
【0012】さらに、本発明の他の目的とするところ
は、前記した圧力調整機能および大気開放機能を兼用
し、この種のインクジェット式記録装置に好適に採用し
得る開閉弁ユニットを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復
移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャリ
ッジに搭載され、メインタンクからインク補給路を介し
てインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッドにイン
クを供給するサブタンクが具備され、前記メインタンク
には空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加さ
れ、前記空気圧の作用によりメインタンクからサブタン
クに対してインクを補給するように構成されたインクジ
ェット式記録装置であって、前記空気加圧ポンプからメ
インタンクに至る空気流路に配置され、一定の空気圧以
上において開弁して空気流路における空気圧を所定の範
囲に維持させる弁部材を備えた開閉弁ユニットと、前記
開閉弁ユニットにおける弁部材を強制的に開弁させて前
記空気加圧ポンプによる加圧状態を解除することができ
る駆動手段とが備えられる。
【0014】この場合、前記メインタンクからサブタン
クに至るインク補給路が、好ましくは可撓性のインク補
給チューブにより構成される。そして、好ましくは前記
メインタンクとサブタンクとの間のインク補給路にイン
ク補給バルブが配置され、前記インク補給バルブがサブ
タンク内のインク量を検出するインク量検出手段により
生成される制御信号によって開閉弁されるように構成さ
れる。
【0015】また、前記メインタンクは、その外郭が気
密状態に形成され、内部にインクを封入した可撓性素材
により形成されたインクパックが収納されると共に、メ
インタンクの外郭構成部とインクパックとで形成される
空間内に前記空気加圧ポンプにより生成される空気圧が
印加されるように構成することが望ましい。
【0016】さらに、前記記録ヘッドより吐出される各
インクをそれぞれ封入する複数のメインタンクが具備さ
れ、1つの空気加圧ポンプにより生成される空気圧が、
前記各メインタンクに対してそれぞれ印加されるように
構成することが望ましい。
【0017】そして、好ましい実施の形態においては、
前記開閉弁ユニットには、前記弁部材を可動させること
ができる駆動軸が配置され、前記駆動軸を前記駆動手段
により駆動させることにより、弁部材を開弁させるよう
に構成される。この場合、前記駆動手段として電磁プラ
ンジャーを好適に採用することができる。
【0018】また、好ましい一つの実施形態において
は、前記駆動手段による駆動力が、支軸を介して回動さ
れる駆動レバーに伝達され、駆動レバーを介して開閉弁
ユニットにおける前記駆動軸に伝達されるように構成さ
れる。
【0019】この場合、前記電磁プランジャーへの通電
状態において発生する電磁プランジャーの駆動力によ
り、開閉弁ユニットにおける弁部材を開弁させて加圧状
態を解除するように構成される。
【0020】さらに、好ましい実施形態においては、前
記電磁プランジャーによる駆動力が、支軸を介して回動
される駆動レバーの一端部に作用するようになされ、且
つ前記支軸を介した駆動レバーの他端部には、前記電磁
プランジャーの駆動状態における駆動レバーの回動方向
とは逆方向に付勢するばね部材が配置され、開閉弁ユニ
ットにおける前記駆動軸が駆動レバーの前記一端部と前
記支軸との間に結合され、前記電磁プランジャーへの非
通電状態において、前記ばね部材の付勢力によって開閉
弁ユニットにおける弁部材を開弁させて加圧状態を解除
するように構成される。
【0021】一方、前記開閉弁ユニットには、大気に連
通する通気孔が形成され、前記弁部材が保有する弾性力
により前記通気孔を閉塞して閉弁状態を保持するように
した構成が採用し得る。
【0022】また、前記開閉弁ユニットには、大気に連
通する通気孔が形成されると共に、前記弁部材を通気孔
側に付勢するばね部材が具備され、前記ばね部材の付勢
力により前記通気孔を閉塞して閉弁状態を保持するよう
にした構成も採用し得る。
【0023】さらに、前記開閉弁ユニットには、大気に
連通する通気孔が形成されると共に、前記弁部材を通気
孔側に付勢するばね部材が具備され、前記弁部材が保有
する弾性力と前記ばね部材の付勢力とにより前記通気孔
を閉塞して閉弁状態を保持するようにした構成も採用す
ることができる。
【0024】この場合、前記弁部材としてダイヤフラム
弁を採用することができる。そして、好ましい実施の形
態においては、前記ダイヤフラム弁の周縁部が、開閉弁
ユニットの外郭を構成する上ケースと下ケースとの接合
部において挟持され、前記上ケースまたは下ケースのい
ずれか一方と、前記ダイヤフラム弁とで空気室が気密状
態に形成され、前記ダイヤフラム弁が空気室に連通する
ように形成された通気孔を開閉弁するように構成され
る。
【0025】前記したインクジェット式記録装置による
と、空気加圧ポンプにより生成される空気圧がメインタ
ンクに印加されるように構成されるため、メインタンク
からサブタンクに対して必要十分なインクを補給するこ
とができる。
【0026】そして、加圧ポンプからメインタンクに至
る空気流路に開閉弁ユニットが配置され、この開閉弁ユ
ニットに搭載された弁部材が、所定の空気圧以上におい
て開弁される圧力調整機能と、駆動手段による駆動力を
受けて強制的に開弁される大気開放機能とを兼用するよ
うに作用する。
【0027】したがって、記録装置の動作中においては
前記圧力調整機能の働きにより、各メインタンクに対し
て常に適正な範囲の空気圧が印加され、これにより各メ
インタンクから各サブタンクに対するインクの補給を安
定的に実行されることが保障される。
【0028】また、例えば記録装置に動作電源が投入さ
れていない休止状態においては、大気開放機能を利用し
てメインタンクに対する空気圧を解除することができ、
これにより、記録装置の休止状態において、メインタン
クからインクの漏出を誘発させるなどの問題を回避させ
ることができる。
【0029】さらに、開閉弁ユニットにおける弁部材が
圧力調整機能および大気開放機能を兼用するように構成
したことにより、それぞれの機能を各別にもたせる構成
に比較して、記録装置内における占有体積を小さくでき
ることは勿論のこと、製品コストの低減に寄与すること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。図1は、本発明が適用され得るインクジェ
ット式記録装置の一例を上面図によって示したものであ
る。図1において符号1はキャリッジであり、このキャ
リッジ1はキャリッジモータ2によって駆動されるタイ
ミングベルト3を介し、走査ガイド部材4に案内されて
紙送り部材5の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向で
ある主走査方向に往復移動されるように構成されてい
る。そして、図1には示されていないが、キャリッジ1
の紙送り部材5に対向する面には、後述するインクジェ
ット式記録ヘッド6が搭載されている。
【0031】また、キャリッジ1には前記記録ヘッドに
インクを供給するためのサブタンク7a〜7dが搭載さ
れている。このサブタンク7a〜7dは、この実施の形
態においては、その内部において各インクを一時的に貯
留するために、それぞれのインクに対応して4個具備さ
れている。
【0032】そして、このサブタンク7a〜7dに対し
て装置の端部に配置されたカートリッジホルダ8に装填
されたインクカートリッジとしてのメインタンク9a〜
9dから、インク供給路を構成する可撓性のインク補給
チューブ10,10,……をそれぞれ介して、ブラッ
ク、イエロー、マゼンタおよびシアンの各インクが供給
されるように構成されている。
【0033】一方、前記キャリッジ1の移動経路上にお
ける非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッドの
ノズル形成面を封止することができるキャッピング手段
11が配置されており、さらにこのキャッピング手段1
1の上面には、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止し
得るゴム等の可撓性素材により形成されたキャップ部材
11aが配置されている。そして、キャリッジ1がホー
ムポジョンに移動したときに、前記キャップ部材11a
によって、記録ヘッドのノズル形成面が封止されるよう
に構成されている。
【0034】このキャップ部材11aは、記録装置の休
止期間中において記録ヘッドのノズル形成面を封止し、
ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。ま
た、このキャップ部材11aには、図には示されていな
いが、吸引ポンプ(チューブポンプ)におけるチューブ
の一端が接続され、吸引ポンプによる負圧を記録ヘッド
に作用させて、記録ヘッドからインクを吸引排出させる
クリーニング動作が実行されるように構成されている。
【0035】そして、キャッピング手段11の印字領域
側には、ゴムなどの弾性素材によるワイピング部材12
が配置されていて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形
成面を払拭して清掃することができるように構成されて
いる。
【0036】次に図2は、図1に示した記録装置に搭載
されたインク供給システムの構成を模式的に示したもの
であり、このインク供給システムについて、同一符号で
示した図1と共に説明する。図1および図2において、
符号21は加圧ユニットを構成する空気加圧ポンプを示
しており、この空気加圧ポンプ21により加圧された空
気は、大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22に供給され、
さらに圧力検出器23を介して前記した各メインタンク
9a〜9d(図2においては代表して符号9として示し
ており、以下において代表して単に符号9として説明す
る場合もある。)にそれぞれ供給されるように構成され
ている。
【0037】前記大気開放弁を兼ねた圧力調整弁22の
具体的な構成は、後で詳細に説明するが、圧力調整弁は
空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が所定以
上に達した時に、圧力を開放して各メインタンク9a〜
9dに加わる空気圧を所定の範囲に維持させる機能を有
している。また、大気開放弁は空気加圧ポンプ21によ
る加圧状態を、指令により解除することができる機能を
有している。
【0038】さらに、前記圧力検出器23は、空気加圧
ポンプ21によって加圧された空気圧を検知し、空気加
圧ポンプ21の駆動を制御するように機能する。すなわ
ち、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が所
定の圧力に達したことを検出した場合には、空気加圧ポ
ンプ21の駆動を停止させると共に、圧力検出器23に
よって空気圧が定められた圧力以下となったことを検出
した場合には、空気加圧ポンプ21の駆動させるように
制御し、この繰り返しによって前記した各メインタンク
9a〜9dに加わる空気圧が所定の範囲に維持されるよ
うに機能する。
【0039】前記メインタンク9は、その概略構成が図
2に示されたように、その外郭が気密状態に形成されて
おり、その内部にはインクを封入した可撓性素材により
形成されたインクパック24が収納されている。そし
て、メインタンク9とインクパック24とで形成される
空間が空気室25を構成しており、この空気室25内
に、圧力検出器23を介した加圧空気が供給されるよう
に構成されている。
【0040】この構成により、各メインタンク9a〜9
dに収納された各インクパック24は、それぞれ加圧空
気による加圧を受け、各メインタンク9a〜9dから各
サブタンク7a〜7dに対して所定の圧力によるインク
流が発生されるように構成されている。
【0041】前記各メインタンク9a〜9dにおいて加
圧されたインクは、それぞれインク補給制御手段を構成
する各インク補給バルブ26,26……および各インク
補給チューブ10,10,……をそれぞれ介して、キャ
リッジ1に搭載された各サブタンク7a〜7d(図2に
おいては代表して符号7として示しており、以下におい
て代表して単に符号7として説明する場合もある。)に
供給されるように構成されている。
【0042】図2に示すサブタンク7の構成についての
詳細な説明は後述するが、その基本構成は、内部にフロ
ート部材31が配置されており、そのフロート部材31
の一部には永久磁石32が取り付けられている。そし
て、ホール素子に代表される磁電変換素子33a,33
bが基板34に装着されて、サブタンク7の側壁に添接
されている。
【0043】この構成により、フロート部材31に配置
された永久磁石32と、フロート部材の浮上位置にした
がった前記永久磁石32による磁力線量に応じて、前記
ホール素子33a,33bにより電気的出力が発生され
るインク量検出手段を構成している。
【0044】したがって、例えばサブタンク7内のイン
ク量が少なくなった場合には、サブタンク内に収納され
たフロート部材31の位置が重力方向に移動し、これに
伴い前記永久磁石32の位置も重力方向に移動する。そ
れ故、永久磁石の移動によるホール素子33a,33b
の電気的出力は、サブタンク7内のインク量として感知
することができ、ホール素子33a,33bにより得ら
れた電気的出力によって、前記インク補給バルブ26が
開弁される。
【0045】これにより、メインタンク9内で加圧され
ているインクは、インク量が低下したそれぞれのサブタ
ンク7内に個別に送出される。そして、当該サブタンク
7内におけるインク量が所定の容量に達した場合には、
前記したホール素子33a,33bの電気的出力に基づ
いて前記インク補給バルブ26が閉弁される。このよう
な繰り返しにより、メインタンクからサブタンクに対し
て断続的にインクが補給されるように作用し、各サブタ
ンクには常にほぼ一定のインクが貯留されるようになさ
れる。
【0046】このように、サブタンク内において空気圧
によって加圧された各インクが、サブタンク内に配置さ
れたそれぞれのフロート部材の位置に基づく電気的な出
力に基づいて、各サブタンクに対してインクが補給され
るように構成されているので、インクの補給レスポンス
を向上させることができ、サブタンク内のインクの貯留
量が適切に管理される。
【0047】そして、各サブタンク7からはバルブ35
およびこれに接続されたチューブ36を介して記録ヘッ
ド6に対してインクが供給されるように構成されてお
り、記録ヘッド6の図示せぬアクチェータに供給される
印刷データに基づいて、記録ヘッド6のノズル形成面に
形成されたノズル開口6aより、インク滴が吐出される
ように作用する。なお、図2において符号11は、前記
したキャッピング手段を示しており、このキャッピング
手段11に接続されたチューブは図示せぬ吸引ポンプ
(チューブポンプ)に接続されている。
【0048】図3乃至図5は、前記したサブタンクの実
施の形態を示したものであり、図3はサブタンクの一部
の構成を割愛し、これを一面方向から視た斜視図で示
し、図4は同方向から視た透視図で示している。さらに
図5はサブタンクを裏面方向から視た背面図で示してい
る。なお、図3乃至図5において、既に説明した各部に
相当する部分は、同一符号で示されている。
【0049】サブタンク7は、ほぼ直方体状に形成さ
れ、且つ全体が偏平状になされている。このサブタンク
7の外郭は、一側壁41aとこれに連なる周側壁41b
とが一体に形成された箱状部材41により構成されてお
り、この箱状部材41の開口周縁には、透明樹脂による
フィルム状部材42(図4参照)が熱溶着手段により密
着状態で取り付けられ、箱状部材41とフィルム状部材
42とにより囲まれた内部に、インク貯留空間43が形
成されている。
【0050】そして、箱状部材41を構成する前記一側
壁41aからインク貯留空間43に向かって突出する支
持軸44が箱状部材41と一体に形成されており、フロ
ート部材31は、この支持軸44を回動中心として、イ
ンク貯留空間43内において重力方向に可動できるよう
に配置されている。
【0051】なお、この実施の形態においては、前記支
持軸44はインク貯留空間43における水平方向の端部
近傍に配置されており、前記フロート部材31は、前記
支持軸44を回動中心として可動される支持腕部材45
の可動自由端側に一体に形成されている。
【0052】そして、図4に示されたように前記支持腕
部材45の自由端側に、前記した永久磁石32が取り付
けられており、この永久磁石32は、支持腕部材45が
ほぼ水平状態となされた時に、インク貯留空間43にお
ける水平方向の他端部近傍に位置するよう、すなわちサ
ブタンク7の側壁に添接された基板34に装着されたホ
ール素子33a,33bに最も接近されるように構成さ
れている。
【0053】一方、前記サブタンク7には、その重力方
向の低部、すなわちこの実施の形態においては周側壁4
1bの底部にインク補給口46が形成されており、この
インク補給口46に接続された前記チューブ10を介し
てメインタンク9よりインク貯留空間43内に、インク
が補給されるように構成されている。
【0054】サブタンク7におけるインク補給口46
が、前記したとおり重力方向の低部に形成されることに
より、メインタンクからのインクは、インク貯留空間4
3の底部から補給され、したがって、インクの補給によ
ってインク貯留空間43内におけるインクの泡立ちが発
生しないように配慮されている。
【0055】さらに、前記サブタンク7内には、フロー
ト部材31および支持腕部材45の移動領域を避けた部
分に、キャリッジの移動に伴いサブタンク内のインクの
波打ちの発生程度を低減させる複数条のリブ部材47が
配置されている。なお、この実施の形態においては、各
リブ部材47はサブタンク7を構成する箱状部材41の
一側壁41aからインク貯留空間43に向かってそれぞ
れ突出するように、一側壁41aをベースとして一体に
形成されているが、これは別体に形成されていてもよ
い。
【0056】このリブ部材47の存在により、前記した
とおりサブタンク内のインクの波打ちの発生程度を低減
させることができ、これにより、ホール素子によるサブ
タンク7内のインクの貯留量の検出精度を向上させるこ
とができる。
【0057】また、サブタンク内7には、図4に示され
たようにインク補給口46に近接してインク導出口48
が形成されている。そして、このインク導出口48を覆
うように、五角形(ホームベース状)を形成する異物ト
ラップ用のフィルタ部材49が配置されており、したが
って、サブタンク7内に貯留されたインクは、このフィ
ルタ部材49を介してインク導出口48に導かれるよう
になされる。しかも、インク導出口48はインク補給口
46に近接して形成されているので、サブタンク7内に
導入される比較的新しいインクが、直ちにこの導出口4
8より記録ヘッドに供給されるように作用する。
【0058】前記インク導出口48より導出されるイン
クは、図5に示されたように側壁41aの裏面に形成さ
れた溝部50に導出され、この溝部を覆うように熱溶着
されたフィルム状部材51により形成されたインク導出
路を介してサブタンク7の下底部に配置された前記バル
ブ35に至るように構成されている。そして、バルブ3
5を介して、同様に側壁41aの裏面に形成された溝部
52に導出され、この溝部を覆うように熱溶着された前
記フィルム状部材51により形成されたインク導出路を
介して記録ヘッド6に接続されるチューブ36の接続口
53に導かれるように構成されている。
【0059】一方、サブタンク7の上半部には、図3お
よび図4に示されたようにインク貯留空間43に導通す
る導通溝61が傾斜状態に形成されており、この導通溝
61の上端部、すなわちサブタンク7の重力方向の高部
には、サブタンク7の側壁41aの裏面に貫通する大気
連通口62が形成されている。この大気連通口62は、
図5に示すようにサブタンク7の裏面に配置され、大気
を通過させると共にインクの通過を阻止するほぼ矩形状
に形成された撥水膜63によって閉塞されている。
【0060】この撥水膜63は、サブタンク7の側壁4
1aにおける裏面に形成された凹所に収納された形で配
置されており、側壁41aの上部裏面を覆うように熱溶
着されたフィルム状部材64によって保持されている。
そして、前記撥水膜63を介して側壁41aの裏面には
蛇行溝65が形成されており、この蛇行溝65の端部
は、サブタンク7の側壁41aに形成された有底孔66
に連通されている。これら蛇行溝65および有底孔66
は、前記したフィルム状部材64によって共に気密状態
に覆われており、したがって、蛇行溝65とフィルム状
部材64とによって、空気流通抵抗路(符号は蛇行溝と
同じ65で示す)が形成されている。
【0061】そして、前記有底孔66を覆うフィルム状
部材64を、例えば鋭利な工具等で破壊することで、前
記大気開放口62は蛇行状に形成された前記空気流通抵
抗路65を介して大気に連通されるようになされる。
【0062】このように、サブタンク7に形成された大
気連通口62が撥水膜63により覆われた構成とされて
いるので、誤って記録装置全体を例えば上下反転させた
場合などにおいて、前記撥水膜63の存在によりサブタ
ンク7内のインクを漏出させるという問題を回避するこ
とができる。
【0063】また、空気流通抵抗路65の端部に形成さ
れた有底孔66を、予めフィルム状部材64によって気
密状態に覆った構成としたことで、サブタンク単体の完
成時において、サブタンクの液漏れ(インク漏れ)をチ
ェックすることができ、このチェックが完了した時点
で、有底孔66を覆うフィルム状部材64を破壊するこ
とで、本来の機能をもたせるようになされる。
【0064】なお、前記サブタンク7の側壁にはホール
素子33a,33bの位置決めを行う凹部41cが形成
され、この位置決めのための凹部41cを形成すること
によって、サブタンク7の側壁部はより薄肉状態とさ
れ、前記フロート部材31に取り付けられた永久磁石3
2の移動軌跡とホール素子33a,33bとの距離が、
より接近できるように構成されている。
【0065】これにより、ホール素子33a,33bに
よる永久磁石32の磁力線の検出感度を向上させると共
に、サブタンク7内のインク量に応じたフロート部材3
1の重力方向への移動によるインク量検出精度も向上さ
せることができる。
【0066】そして、図4および図5に示されたように
ホール素子33a,33bが永久磁石32の移動軌跡に
沿って上下に配置された構成とすることで、各ホール素
子33a,33bにおいて、フロート部材に配置された
永久磁石の移動に伴って、異なった位相の出力信号を発
生させることができる。
【0067】すなわち、サブタンク内にインクを補給す
る動作を例にした場合、インクの補給にしたがうフロー
ト部材の反重力方向への移動(上昇)により、まず第2
のホール素子33bに対して磁力線が大きく作用し、さ
らにインクの補給が継続された場合において第1のホー
ル素子33aに対して磁力線が大きく作用するようにな
される。
【0068】したがって、各ホール素子33a,33b
の出力を所定の閾値電圧で、それぞれ2値の信号に変換
した場合、(00),(01),(11),(10)の
各組み合わせを得ることができ、サブタンク内のインク
量を精度よく認識することが可能となる。これは、たと
えば印字動作によって、サブタンク内のインク量が序々
に低下した場合においても同様に、その低下状態を精度
よく認識することができる。
【0069】そして、前記したホール素子33a,33
bによる電気的な出力を利用して、インク量が減少した
サブタンクに対応する前記インク補給バルブ26が開弁
されることにより、適正量のインクが当該サブタンクに
対して補給されることは前述したとおりである。
【0070】なお、図3乃至図5に示されたように、サ
ブタンク7の一部には貫通穴67が形成されている。し
たがって、各サブタンク7の貫通穴67を貫通する1本
の支持軸(図示せず)を利用することによって、各サブ
タンクを並列状態に配列することができ、これによりサ
ブタンクユニットを構成できるようになされている。
【0071】次に図6は、前記したフロート部材31の
構成を分解斜視図によって示したものである。この実施
の形態によるフロート部材31は、一側壁71aとこれ
に連なる周側壁71bとが一体に形成された箱状部材7
1と、この箱状部材71の開口部を閉塞して内部を中空
状に形成する閉塞部材72とにより構成されている。
【0072】前記閉塞部材72としては、透明樹脂によ
り形成されたフィルム状部材が用いられており、フィル
ム状の閉塞部材72が箱状部材71の開口周縁に対し
て、たとえば熱溶着手段により密着状態に取り付けら
れ、これにより内部が空洞状態に形成されている。
【0073】このように形成されたフロート部材31
は、前記したようにサブタンク7に形成された支持軸4
4を回動中心として可動される支持腕部材45の可動自
由端側に一体に形成されている。そして、支持腕部材4
5の基端部には支持環73が一体に形成されており、こ
の支持環73が前記支持軸44に回動可能に装着される
ことにより、前記支持軸44を回動中心として支持され
るように構成されている。
【0074】そして、前記したように支持腕部材45の
自由端側には、永久磁石32が取り付けられており、こ
の永久磁石32は、その表面に貼着されたフィルム状部
材74により被覆されて、サブタンク7内に貯留される
インクによる化学的な悪影響が避けられるようになされ
ている。
【0075】さらに、前記フロート部材31および支持
腕部材45の一部には、3か所において、その両外側に
水平方向に突出するように位置決めピン75が形成され
ている。これらの位置決めピン75は、フロート部材3
1の両側面から1mm以上突出していることが望まし
く、これによりフロート部材および支持腕部材とサブタ
ンクの内壁との間で少なくとも1mm以上の距離を保持
するように作用する。
【0076】これにより、フロート部材31と、サブタ
ンク7の内壁との間でインクの表面張力が働いて、フロ
ート部材31の移動を阻害するという問題を解決させる
ことができる。
【0077】なお、図に示す実施の形態においては、位
置決めピン75はフロート部材31および支持腕部材4
5の双方に形成されているが、これはフロート部材31
のみ、または支持腕部材45のみに形成されていてもよ
く、要するに、フロート部材とサブタンクの内壁との間
で少なくとも前記した距離が確保されるように構成され
ていればよい。
【0078】図7および図8は、前記した大気開放弁を
兼ねた圧力調整弁22の第1の実施の形態について、そ
の主要部を破断した一部断面図で示したものである。そ
して、図7は圧力調整弁として機能している状態を示
し、また図8は大気開放状態を示している。
【0079】図7および図8における符号81は開閉弁
ユニットを示しており、この開閉弁ユニット81はそれ
ぞれ内部に空間部が形成された上ケース81aおよび下
ケース81bが具備され、これら上ケース81aおよび
下ケース81bによって、上下に分割できるように構成
されている。そして、上ケース81aおよび下ケース8
1bの接合部には、弁部材としてのダイヤフラム弁82
が配置されている。
【0080】このダイヤフラム弁82は、ゴム素材を円
板状に成形して構成され、その周縁部が上ケース81a
と下ケース81bの接合部において挟持され、下ケース
81bの空間部において気密状態の空気室83を形成し
ている。
【0081】また、下ケース81bには空気室83に連
通する一対の接続管84a,84bが形成されており、
これらの接続管84a,84bはそれぞれ前記した空気
加圧ポンプ21および圧力検出器23に接続されてい
る。したがって、空気加圧ポンプ21からの加圧空気
は、図7に示す矢印に沿って印加され、さらに空気室8
3を介して圧力検出器23および各メインタンク9に対
して加圧空気が印加されるようになされる。
【0082】また、下ケース81bの中央部には通気孔
84cが形成されており、この通気孔84cの空気室8
3への開口端において、前記ダイヤフラム弁82のほぼ
中央部が当接するように構成されている。
【0083】一方、上ケース81aには駆動軸85が上
下方向に摺動されるように配置されており、この駆動軸
85の下端部において前記ダイヤフラム弁82の上面部
が支持されている。そして、駆動軸85には円環状のば
ね受け座86が取り付けられており、このばね受け座8
6と上ケース81aの空間上部との間にはコイル状のば
ね部材87が配置され、このばね部材87によってダイ
ヤフラム弁82の中央部が通気孔84cの開口端に当接
するように付勢されている。
【0084】前記駆動軸85の上端部には、係合頭部8
8が備えられている。すなわち、支軸89によって軸支
され、支軸89を中心としてシーソ状に回動される駆動
レバー90の一端部に形成された貫通穴90aを貫通し
た上部に、前記係合頭部88が取り付けられた構成とさ
れている。
【0085】前記駆動レバー90の支軸を介した他端部
には、駆動手段としての電磁プランジャー91の作動ロ
ッド91aの端部が係合されており、したがってこの実
施の形態においては、電磁プランジャー91が作動され
ない非通電状態においては、図7に示すように作動ロッ
ド91aが上部に突出された状態になされる。
【0086】この状態においては、前記駆動レバー90
は支軸89を介して図中右回転(時計針の回転方向)さ
れ、したがって駆動レバー90の前記一端部に係合され
る係合頭部88は、図7に示されたように駆動レバー9
0の一端部から浮いた状態になされる。これにより、前
記ダイヤフラム弁82はばね部材87の付勢力と、ダイ
ヤフラム弁82が保持している弾性力とにより通気孔8
4cを閉塞した閉弁状態とされる。
【0087】この閉弁状態において、前記空気加圧ポン
プ21が駆動され、空気室83内の圧力が所定値を超え
た場合、すなわち、ばね部材87の付勢力とダイヤフラ
ム弁82が保持している弾性力による閉弁圧を超えた場
合には、ダイヤフラム弁82が空気圧によって上部に押
し上げられ、これにより通気孔84cに対するダイヤフ
ラム弁82の当接が解かれる。したがって、空気室83
より通気孔84cを介して加圧空気が導出され圧力が開
放される。
【0088】このようにして、加圧空気の圧力が一定値
まで低下した場合には、前記したばね部材87の付勢力
とダイヤフラム弁82が保持している閉弁圧により再び
閉弁される動作がなされ、この結果、加圧ポンプ21か
らメインタンク9に至る空気流路の圧力が所定の範囲と
なるように制御される。このように、前記電磁プランジ
ャー91が作動されない非通電状態において、所定の空
気圧を超える状態が発生した場合には、前記ダイヤフラ
ム弁82が開閉弁を繰り返す、圧力調整弁として機能す
る。
【0089】前記した圧力調整弁の機能を持たせること
により、例えば加圧空気の制御に支障が発生した場合、
異常な空気圧によってメインタンク内のインクパックを
破損させるなどの問題が回避されるようになされる。
【0090】一方、図8に示した状態は前記したように
大気開放状態を示している。これは、前記電磁プランジ
ャー91に通電することによってなされる。すなわち電
磁プランジャー91への通電により、作動ロッド91a
はプランジャー91の本体側に吸引される。この結果、
前記駆動レバー90は支軸89を介して図中左回転さ
れ、したがって駆動レバー90の前記一端部に係合され
る係合頭部88は、図8に示されたように上部に引き上
げられる。
【0091】これにより、前記ダイヤフラム弁82はば
ね部材87の付勢力とダイヤフラム弁82が保持してい
る弾性力に抗して開弁状態とされ、空気室83より通気
孔84cを介して加圧空気が放出される。
【0092】この図8に示す大気開放状態は、記録装置
の動作電源をオフさせる場合において実行することが好
ましく、これにより記録装置の非使用時においては、前
記メインタンク9に加わる空気圧が開放され、記録装置
の休止中に、残留空気圧により例えばメインタンクから
インクの漏出を誘発させるなどの問題を回避させること
ができる。
【0093】なお、図7および図8に示された実施の形
態においては、記録装置の動作電源がオフされる場合に
おいては、同時に駆動手段としての電磁プランジャー9
1も非通電状態となされ、大気開放がなし得ないという
問題が発生する。したがって、記録装置の電源スイッチ
がオフされた場合には、遅延回路を用いて所定時間にわ
たり記録装置の電源回路を通電状態とし、この期間にお
いて前記プランジャー91に通電して大気開放し、前記
遅延回路のタイムアップ後に、記録装置の動作電源を遮
断させるように制御する構成を併用することが望まし
い。
【0094】また、記録装置の動作電源をオフとした場
合には、同時にインク補給制御手段としての各インク補
給バルブ26を閉弁状態に制御することが望ましく、各
インク補給バルブ26の閉弁によって、各サブタンク7
から各メインタンク9に対してインクが逆流するという
問題を回避させることができる。
【0095】図7および図8に示された実施の形態にお
いては、駆動手段としての電磁プランジャー91の作動
力を、支軸89によって軸支された駆動レバー90を介
して開閉弁ユニット81に伝達させるように構成されて
いるが、例えば図9に示すように、駆動レバー90を排
除することもできる。
【0096】すなわち、図9に示す第2の実施の形態に
おいては、開閉弁ユニット81における駆動軸85の先
端部が、電磁プランジャー91の作動ロッド91aに結
合されている。この図9に示す実施の形態においては、
開閉弁ユニット81における駆動軸85と、電磁プラン
ジャー91の作動ロッド91aとの間に多少の遊びスト
ロークを保有させる必要がある。
【0097】すなわち、両者間に多少の遊びストローク
を保有させることで、開閉弁ユニット81を圧力調整弁
として作用させる場合において、開閉弁ユニット81に
おける駆動軸85の僅かな軸方向への移動が、電磁プラ
ンジャー91の作動ロッド91aによって妨げられるの
が防止でき、これにより正常な圧力調整弁としての機能
を発揮することができる。
【0098】そして、電磁プランジャー91に通電した
場合においては、作動ロッド91aによって開閉弁ユニ
ット81の駆動軸85が引き上げられ、大気開放状態に
なされることは、図7および図8に示した実施の形態と
同様である。
【0099】次に図10および図11は、大気開放弁を
兼ねた圧力調整弁22の第3の実施の形態について、そ
の主要部を破断した一部断面図で示している。そして、
図10は圧力調整弁として機能している状態を示し、ま
た図11は大気開放状態を示している。なお、図10お
よび図11において、既に説明した図7乃至図9に示す
各部に相当する部分は同一符号で示しており、したがっ
て当該部分の詳細な説明は省略する。
【0100】図10および図11に示す実施の形態にお
いては、電磁プランジャー91の作動力が、支軸89に
よって軸支された駆動レバー90の一端部に作用される
ように構成されており、また、駆動レバー90の一端部
と支軸89との中間部において、開閉弁ユニット81の
駆動軸85に取り付けられた係合頭部88が係合するよ
うに構成されている。
【0101】そして、駆動レバー90の支軸89を介し
た他端部にはばね部材、すなわち引っ張りばね93の一
端が取り付けられており、この引っ張りばね93の作用
により、駆動レバー90は支軸89を介して図中左回転
されるように付勢されている。
【0102】この構成によると、図10に示すように電
磁プランジャー91に通電した場合において、引っ張り
ばね93の付勢力に抗して駆動レバー90の前記一端部
が引き下げられた状態になされる。したがって、開閉弁
ユニット81の駆動軸85に取り付けられた係合頭部8
8が駆動レバー90から浮いた状態になされる。これに
より図7に示した場合と同様に、前記ダイヤフラム弁8
2はばね部材87の付勢力と、ダイヤフラム弁82が保
持している弾性力とにより通気孔84cを閉塞した閉弁
状態とされる。
【0103】そして、空気室83内の圧力が所定値を超
えた場合には、図7において説明したと同様に、ダイヤ
フラム弁82が空気室83において上部に押し上げら
れ、これにより通気孔84cに対するダイヤフラム弁8
2の当接が解かれ、圧力調整弁として機能する。
【0104】一方、図11に示すように電磁プランジャ
ー91への通電が断たれた場合には、前記引っ張りばね
93の作用により、駆動レバー90は図において左回転
され、引っ張りばね93の牽引力によって開閉弁ユニッ
ト81の駆動軸85は、開閉弁ユニット81内のばね部
材87の付勢力とダイヤフラム弁82が保持している弾
性力に抗して引き上げられる。したがって空気室83よ
り通気孔84cを介して加圧空気を放出する大気開放状
態になされる。
【0105】この図10および図11に示した実施の形
態によると、電磁プランジャー91への通電が断たれた
場合において大気開放状態とされるため、記録装置の動
作電源がオフされることによる電磁プランジャー91へ
の通電の遮断により、自動的に大気開放状態とされる。
【0106】したがって、この実施の形態によると、前
記したように記録装置の電源スイッチがオフされた場合
に、所定時間にわたり電源回路を通電状態とさせる回路
構成を併用する必要はない。
【0107】次に図12および図13は、大気開放弁を
兼ねた圧力調整弁の第4および第5の形態について、そ
れぞれ示した断面図である。なお、図12および図13
においては、それぞれ開閉弁ユニット81の構成のみを
示し、前記電磁プランジャーによる駆動機構については
図示を省略しているが、電磁プランジャーによる駆動機
構は前記した図7乃至図11に示されたそれぞれの構成
を採用することができる。また、図12および図13に
おいて、既に説明した図7乃至図11に示す各部に相当
する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分
の詳細な説明は省略する。
【0108】図12および図13に示された実施の形態
においては、下ケース81bの中央部に形成された通気
孔84cの下端部に連通して、一対の接続管84a,8
4bがそれぞれ両外側を向くように形成されている。
【0109】ここで、図12に示す形態においては、駆
動軸85の下端部にゴム素材により成形された弁部材8
2が取り付けられている。この弁部材82は、ばね受け
座86と上ケース81aの空間上部との間に配置された
前記ばね部材87によって通気孔84cの開口端に当接
するように付勢されている。
【0110】この構成により、加圧ポンプからメインタ
ンクに至る空気流路の空気圧が所定の値を超えた場合に
は、前記ばね部材87の付勢力に抗して駆動軸85が押
し上げられ、結果として上下のケース81a,81bに
よって形成された空間内に、加圧空気が放出される。な
お、図には示されていないが、上下ケース81a,81
bの一部には大気開放口が形成されていて、ケースの空
間内に放出された加圧空気は直ちに大気に開放される。
【0111】そして、図12に示す開閉弁ユニット81
を用いて、図7乃至図9に示した電磁プランジャーによ
る駆動機構を採用した場合には、電磁プランジャーへの
通電によって弁部材82が引き上げられ、大気開放状態
になされる。
【0112】また、図12に示す開閉弁ユニット81を
用いて、図10および図11に示した電磁プランジャー
による駆動機構を採用した場合には、電磁プランジャー
が非通電状態になされた時に、引っ張りばね93の付勢
力によって弁部材82が引き上げられ、同様に大気開放
状態になされる。
【0113】一方、図13に示す形態においては、通気
孔84cの開口端にゴム素材により成形された弁部材8
2が取り付けられている。そしてばね受け座86と上ケ
ース81aの空間上部との間に配置された前記ばね部材
87の付勢力によって、駆動軸85の下端部が弁部材8
2に当接されるように構成されている。
【0114】この構成により、加圧ポンプからメインタ
ンクに至る空気流路の空気圧が所定の値を超えた場合に
は、空気圧によって駆動軸85が押し上げられ、結果と
して上下のケース81a,81bによって形成された空
間内に、加圧空気が放出される。なお、図13に示す構
成においても図示していないが、上下のケース81a,
81bの一部には大気開放口が形成されていて、ケース
の空間内に放出された加圧空気は直ちに大気に開放され
る。
【0115】そして、図13に示す開閉弁ユニット81
を用いて、図7乃至図9に示した電磁プランジャーによ
る駆動機構を採用した場合には、電磁プランジャーへの
通電によって駆動軸85が引き上げられるため、大気開
放状態になされる。
【0116】また、図13に示す開閉弁ユニット81を
用いて、図10および図11に示した電磁プランジャー
による駆動機構を採用した場合には、電磁プランジャー
が非通電状態になされた時に、引っ張りばね93の付勢
力によって駆動軸85が引き上げられるため、同様に大
気開放状態になされる。
【0117】なお、図7乃至図11に示された形態にお
いては、弁部材82が保有する弾性力とばね部材87の
付勢力とにより通気孔84cを閉塞して閉弁状態とする
ように構成され、また、図12および図13に示された
形態においては、ばね部材87の付勢力のみによって通
気孔84cを閉塞して閉弁状態とするように構成されて
いるが、これは条件に応じて弁部材が保有する弾性力の
みによって前記通気孔を閉塞して閉弁状態とするように
構成することもできる。
【0118】この場合、例えば図7乃至図11に示され
た形態においてばね部材87を取り除き、弁部材として
のダイヤフラム弁82が保有する弾性力によって、通気
孔84cを閉塞させるように構成することで実現でき
る。
【0119】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインクジェット式記録装置は、空気加圧ポンプか
らメインタンクに至る空気流路に配置され、一定の空気
圧以上において開弁して空気流路における空気圧を所定
の範囲に維持させる弁部材を備えた開閉弁ユニットと、
開閉弁ユニットにおける弁部材を強制的に開弁させて空
気加圧ポンプによる加圧状態を解除することができる駆
動手段とを備えたので、記録装置の動作中においては圧
力調整機能の働きにより、各メインタンクに対して常に
適正な範囲の空気圧が印加され、これにより各メインタ
ンクから各サブタンクに対するインクの補給を安定的に
実行される。
【0120】また、大気開放機能を利用してメインタン
クに対する空気圧を強制的に解除することができるの
で、例えば記録装置の動作電源を遮断する場合において
前記機能を働かすことにより、記録装置の休止状態にお
いて、例えばメインタンクからインクの漏出を誘発させ
るなどの問題を回避させることができる。
【0121】さらに、開閉弁ユニットにおける弁部材が
圧力調整機能および大気開放機能を兼用するので、それ
ぞれの機能を各別にもたせる構成に比較して、記録装置
内における占有体積を小さくすることができ、また、製
品コストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
全体構成を示した平面図である。
【図2】メインタンクから記録ヘッドに至るインク供給
システムを示した模式図である。
【図3】サブタンクの一部の構成を割愛し、これを一面
方向から視た状態の斜視図である。
【図4】同じくサブタンクを一面方向から視た状態の透
視図である。
【図5】同じくサブタンクを裏面方向から視た状態の背
面図である。
【図6】サブタンクに収納されたフロート部材の構成を
示した分解斜視図である。
【図7】開閉弁ユニットの第1の実施の形態について、
圧力調整弁として機能している状態を示した一部断面図
である。
【図8】図7に示した開閉弁ユニットにおいて、大気開
放状態を示した一部断面図である。
【図9】開閉弁ユニットの第2の実施の形態を示した一
部断面図である。
【図10】開閉弁ユニットの第3の実施の形態につい
て、圧力調整弁として機能している状態を示した一部断
面図である。
【図11】図10に示した開閉弁ユニットにおいて、大
気開放状態を示した一部断面図である。
【図12】開閉弁ユニットの第4の実施の形態を示した
断面図である。
【図13】開閉弁ユニットの第5の実施の形態を示した
断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 6 記録ヘッド 6a ノズル開口 7(7a,7b,7c,7d) サブタンク 8 カートリッジホルダ 9(9a,9b,9c,9d) メインタンク(インク
カートリッジ) 10 可撓性チューブ(イン
ク補給路) 11 キャッピング手段 12 ワイピング手段 21 空気加圧ポンプ 22 大気開放弁を兼ねた圧
力調整弁 23 圧力検出器 24 インクパック 25 空気室 26 インク補給バルブ 31 フロート部材 32 永久磁石 33(33a,33b) ホール素子 43 インク貯留空間 44 支持軸 45 支持腕部材 81 開閉弁ユニット 81a 上ケース 81b 下ケース 82 弁部材(ダイヤフラム
弁) 84c 通気孔 85 駆動軸 87 ばね部材 89 支軸 90 駆動レバー 91 電磁プランジャー(駆
動手段) 91a 作動ロッド 93 ばね部材(引っ張りば
ね)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復移動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共
    にキャリッジに搭載され、メインタンクからインク補給
    路を介してインクの補給を受けると共に、前記記録ヘッ
    ドにインクを供給するサブタンクが具備され、前記メイ
    ンタンクには空気加圧ポンプにより生成される空気圧が
    印加され、前記空気圧の作用によりメインタンクからサ
    ブタンクに対してインクを補給するように構成されたイ
    ンクジェット式記録装置であって、 前記空気加圧ポンプからメインタンクに至る空気流路に
    配置され、一定の空気圧以上において開弁して空気流路
    における空気圧を所定の範囲に維持させる弁部材を備え
    た開閉弁ユニットと、前記開閉弁ユニットにおける弁部
    材を強制的に開弁させて前記空気加圧ポンプによる加圧
    状態を解除することができる駆動手段とを備えてなるイ
    ンクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記メインタンクからサブタンクに至る
    インク補給路が、可撓性のインク補給チューブにより構
    成されている請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記メインタンクとサブタンクとの間の
    インク補給路にインク補給バルブが配置され、前記イン
    ク補給バルブがサブタンク内のインク量を検出するイン
    ク量検出手段によって生成される制御信号により開閉弁
    されるように構成された請求項1または請求項2に記載
    のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記メインタンクは、その外郭が気密状
    態に形成され、内部にインクを封入した可撓性素材によ
    り形成されたインクパックが収納されると共に、メイン
    タンクの外郭構成部とインクパックとで形成される空間
    内に前記空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加
    されるように構成した請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドより吐出される各インク
    をそれぞれ封入する複数のメインタンクが具備され、1
    つの空気加圧ポンプにより生成される空気圧が、前記各
    メインタンクに対してそれぞれ印加されるように構成し
    た請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記開閉弁ユニットには、前記弁部材を
    可動させることができる駆動軸が配置され、前記駆動軸
    を前記駆動手段により駆動させることにより、弁部材を
    開弁させるように構成された請求項1乃至請求項5のい
    ずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段が、電磁プランジャーによ
    り構成された請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    インクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動手段による駆動力が、支軸を介
    して回動される駆動レバーに伝達され、駆動レバーを介
    して開閉弁ユニットにおける前記駆動軸に伝達されるよ
    うに構成された請求項6または請求項7に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記電磁プランジャーへの通電状態にお
    いて発生する電磁プランジャーの駆動力により、開閉弁
    ユニットにおける弁部材を開弁させて加圧状態を解除す
    るように構成した請求項7または請求項8に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記電磁プランジャーによる駆動力
    が、支軸を介して回動される駆動レバーの一端部に作用
    するようになされ、且つ前記支軸を介した駆動レバーの
    他端部には、前記電磁プランジャーの駆動状態における
    駆動レバーの回動方向とは逆方向に付勢するばね部材が
    配置され、開閉弁ユニットにおける前記駆動軸が駆動レ
    バーの前記一端部と前記支軸との間に結合され、前記電
    磁プランジャーへの非通電状態において、前記ばね部材
    の付勢力によって開閉弁ユニットにおける弁部材を開弁
    させて加圧状態を解除するように構成した請求項8に記
    載のインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 前記開閉弁ユニットには、大気に連通
    する通気孔が形成され、前記弁部材が保有する弾性力に
    より前記通気孔を閉塞して閉弁状態を保持するように構
    成された請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  12. 【請求項12】 前記開閉弁ユニットには、大気に連通
    する通気孔が形成されると共に、前記弁部材を通気孔側
    に付勢するばね部材が具備され、前記ばね部材の付勢力
    により前記通気孔を閉塞して閉弁状態を保持するように
    構成された請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の
    インクジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 前記開閉弁ユニットには、大気に連通
    する通気孔が形成されると共に、前記弁部材を通気孔側
    に付勢するばね部材が具備され、前記弁部材が保有する
    弾性力と前記ばね部材の付勢力とにより前記通気孔を閉
    塞して閉弁状態を保持するように構成された請求項1乃
    至請求項10のいずれかに記載のインクジェット式記録
    装置。
  14. 【請求項14】 前記弁部材が、ダイヤフラム弁である
    請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  15. 【請求項15】 前記ダイヤフラム弁の周縁部が、開閉
    弁ユニットの外郭を構成する上ケースと下ケースとの接
    合部において挟持され、前記上ケースまたは下ケースの
    いずれか一方と、前記ダイヤフラム弁とで空気室が気密
    状態に形成され、前記ダイヤフラム弁が空気室に連通す
    るように形成された通気孔を開閉弁するように構成した
    請求項14に記載のインクジェット式記録装置。
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