JP2003220711A - インク供給ポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents

インク供給ポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置

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JP2003220711A
JP2003220711A JP2002020422A JP2002020422A JP2003220711A JP 2003220711 A JP2003220711 A JP 2003220711A JP 2002020422 A JP2002020422 A JP 2002020422A JP 2002020422 A JP2002020422 A JP 2002020422A JP 2003220711 A JP2003220711 A JP 2003220711A
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JP
Japan
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ink
ink supply
supply pump
carriage
valve
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Taku Ishizawa
卓 石澤
Yoshiharu Ariga
義晴 有賀
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクを加圧供給するための駆動モータ等の
動力源を備える必要性をなくすことができる記録装置を
提供すること。 【解決手段】 記録装置のキャリッジには、本体側に配
置されたインクカートリッジからのインクをインク供給
チューブを介して受けるインク供給ポンプ20が備えら
れる。このインク供給ポンプ20は、筒状部材21と、
この筒状部材21内に摺動可能に収容された移動部材2
6が備えられており、移動部材26には一方向弁25が
具備されている。前記キャリッジが往復移動する際の加
減速によって、前記移動部材26は、慣性によって筒状
部材21内を相対移動する。これにより、インク導入口
22からインク送出口24に向かってインクが送り出さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、往復移動するキ
ャリッジの加減速を利用してインクを供給するように構
成したインク供給ポンプおよびこれを用いたインクジェ
ット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、シリアルプリンティング方式の
インクジェット式記録装置は、キャリッジに搭載されて
主走査方向に往復移動するインクジェット式記録ヘッド
と、前記主走査方向に直交する副走査方向に記録用紙を
搬送させる紙送り手段が具備され、印刷データに基づい
て記録ヘッドよりインク滴を吐出させることにより、記
録用紙に対して印刷が行われる。そして、主にホームユ
ーズとして使用されるこの種の記録装置の多くは、記録
ヘッドにインクを供給するための各インクカートリッジ
が、前記記録ヘッドを搭載したキャリッジ上に着脱可能
に装着できるように構成されている。
【0003】ところで、前記したようにインクカートリ
ッジがキャリッジ上に搭載されるオンキャリッジタイプ
の記録装置においては、大容量のインクカートリッジを
利用することは困難であり、したがって、比較的大量の
印刷を実行しようとする場合においては、インクカート
リッジの頻繁な交換を余儀なくされる。このために、カ
ートリッジの交換作業に人手を要するだけでなく、結果
としてランニングコストも上昇することは免れない。
【0004】したがって、例えば業務用として用いられ
るこの種の記録装置においては、大容量のインクカート
リッジを記録装置の本体側に配置し、前記インクカート
リッジから可撓性のインク供給チューブを介して、キャ
リッジに搭載された記録ヘッドに対してそれぞれインク
を供給するような構成(オフキャリッジタイプ)が採用
される。
【0005】このようなオフキャリッジタイプの記録装
置においては、プリンタサイズ(用紙サイズ)が大きく
なるほど、インク供給チューブの引き回し距離が大きく
なり、インクカートリッジからキャリッジに至る前記イ
ンク供給チューブにおける動圧(圧力損失)が大きくな
る。このために、各インク供給チューブの内径が大きな
ものを採用する必要が生じ、それに応じて発生する各チ
ューブの曲げ抵抗の増加を克服するために、キャリッジ
の駆動力を一層高める必要が生ずる。この結果、記録装
置のさらなる大型化を招くことになる。
【0006】そこで、前記したインク供給チューブにお
ける動圧の影響を無くすために、インクカートリッジ側
に配置されたインク供給ポンプによりインクを強制的に
送り出すような構成が提案されている。また、可撓性の
素材により形成されたインクパック内にインクを封入
し、このインクパックを空気で加圧することで、記録ヘ
ッド側にインクを送り出す構成等も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したよ
うにインクカートリッジ側からインクを加圧して送り出
す構成の記録装置においては、インクを加圧して送り出
すための格別な動力、例えばポンプ駆動用のモータを備
える必要が発生する。また、インクカートリッジ側から
インクを加圧して送り出す構成によると、インクカート
リッジ側からキャリッジ側に至るインク供給チューブの
接続両端部等において、何らかの要因により加圧インク
が漏れ出すという問題を抱えることになる。
【0008】この様な問題が発生した場合においては、
インクカートリッジに残留しているほとんどのインクが
短時間のうちに記録装置内に漏出し、記録装置の修復に
多大の費用が発生するだけでなく、記録装置の設置場所
もインクの汚染を受けるという問題に発展する。
【0009】そこで、前記した構成の記録装置において
は、インクカートリッジ側からキャリッジ側に至るイン
ク供給チューブの接続両端部を含むインク供給路の各部
においては、それぞれの箇所においてインクの漏出が発
生しないような厳重な対策を講ずる必要があり、これが
コストアップの要因となる。
【0010】この発明は、前記した点に着目してなされ
たものであり、インクを加圧して送り出すための格別な
動力を備える必要性を排除することができるインク供給
ポンプを提供することを第1の目的とするものである。
【0011】また、この発明は前記インク供給ポンプを
利用することで、前記したインク供給チューブにおける
圧力損失を克服すると共に、インク供給路からインクが
漏出する懸念を払拭することができるインクジェット式
記録装置を提供することを第2の目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した第1の目的を達
成するためになされたこの発明にかかるインク供給ポン
プは、往復移動するキャリッジ上に搭載され、前記キャ
リッジの加速時および減速時においてキャリッジに対し
て相対移動する移動部材が具備され、前記キャリッジに
対する移動部材の相対移動によって、インクを加圧供給
するように構成した点に特徴を有する。
【0013】この場合、好ましくは前記移動部材が、キ
ャリッジの移動方向に軸芯をほぼ一致させて配置された
筒状部材内に摺動可能に配置されると共に、前記移動部
材には一方向弁が配置されて、前記筒状部材の一端部に
形成されたインク導入口から他端部に形成されたインク
送出口に向かって、インクが加圧供給されるように構成
される。
【0014】そして、前記移動部材の外側面には、前記
筒状部材の内側面と僅かな間隔をもって対峙すること
で、移動部材が一定の姿勢を保ちつつ筒状部材内を摺動
することができるガイド面が形成されていることが望ま
しい。加えて、前記移動部材は、好ましくはステンレス
鋼により形成される。
【0015】また、この発明にかかるインク供給ポンプ
の好ましい他の形態においては、前記筒状部材内には、
前記移動部材を中央に挟むようにしてそれぞれバネ部材
がさらに配置された構成とされる。
【0016】一方、前記した第2の目的を達成するため
になされたこの発明にかかるインクジェット式記録装置
は、前記した構成のインク供給ポンプを利用するもので
あって、前記インク供給ポンプは、記録装置の本体側に
配置されたインクカートリッジからのインクを、可撓性
のインク供給チューブを介して受けると共に、当該イン
ク供給ポンプによって加圧したインクを、同じくキャリ
ッジに搭載された記録ヘッド側に供給するように構成し
た点に特徴を有する。
【0017】この場合、前記インクカートリッジから、
前記インク供給ポンプに至るいずれかの箇所に、インク
カートリッジからインク供給ポンプに向かう一方向弁が
具備されていることが望ましい。また、前記インク供給
ポンプから前記記録ヘッドに至るいずれかの箇所に、前
記インク供給ポンプから記録ヘッド側に向かって一方向
弁が具備されている構成も好適に利用することができ
る。
【0018】そして、前記インク供給ポンプから前記記
録ヘッドに至るいずれかの箇所に、インク供給ポンプか
ら記録ヘッド側に向かって一方向弁が具備された後者の
構成を採用する場合においては、前記一方向弁と記録ヘ
ッドとの間には、自己封止弁が配置されることが望まし
い。そして、前記自己封止弁には、好ましくはインク供
給ポンプから送られるインクを圧力室に供給する開閉弁
と、前記記録ヘッド側で消費される圧力室内のインクの
減少に伴う負圧を感知して前記開閉弁を開弁させる開閉
弁作動部材とが具備された構成とされる。
【0019】この場合、前記開閉弁作動部材は、好まし
くは前記圧力室の一部を構成する可撓性のフィルム部材
であり、当該フィルム部材が前記圧力室内のインクの減
少に伴う負圧を受けて変位し、前記開閉弁を開弁させる
ように構成される。
【0020】一方、前記一方向弁と自己封止弁との間に
は、インクを一時的に貯留してその貯留量を可変するこ
とができるダンパユニットがさらに具備されていること
が望ましい。この場合、好ましくは前記ダンパユニット
には可撓性のフィルム部材が具備され、前記フィルム部
材の変位によって、インク貯留量を可変することができ
るように構成される。
【0021】そして、前記した記録装置においては、好
ましくは動作電源の投入に伴い、前記キャリッジを往復
移動させるシーケンスが実行されるように構成される。
また、好ましくは前記記録ヘッドからインクを強制的に
吸引排出させるクリーニング動作の実行後においても、
前記キャリッジを往復移動させるシーケンスが実行され
るように構成される。
【0022】前記した構成のインク供給ポンプによる
と、キャリッジの加速時および減速時において、キャリ
ッジ上に搭載された移動部材は、その慣性によりキャリ
ッジに対して相対移動することになる。そして、キャリ
ッジに対する移動部材の相対移動を利用してインクを加
圧供給するようになされるので、格別にインクを加圧供
給するための駆動モータ等の動力源を備える必要性をな
くすことができる。
【0023】また、前記したインク供給ポンプを利用し
た記録装置によると、キャリッジに搭載されたインク供
給ポンプの駆動により、インク供給チューブ内に負圧が
与えられ、この負圧に基づいて装置本体側に配置された
インクカートリッジからインクを受けるようになされ
る。したがって、キャリッジに搭載された記録ヘッド側
には必要十分なインク量を供給することができる。ま
た、インク供給チューブを含むインク供給路内は負圧状
態が保たれるので、不用意なインク漏出等のトラブルの
発生を効果的に防止させることができる。
【0024】さらに、インク供給ポンプから供給される
インクを自己封止弁によって受ける構成とした場合に
は、自己封止弁は圧力室においてインクを一時的に貯留
し、記録ヘッドに対してインクを供給するようになされ
る。前記圧力室は好ましくは可撓性のフィルム部材で覆
った構成とされており、したがって記録ヘッドにおいて
印刷動作等に伴いインクを消費した場合において、圧力
室のインクの減少に伴う負圧を受けて前記フィルム部材
が変位(収縮)する。このフィルム部材の変位作用を利
用して開閉弁が開弁され、前記インク供給ポンプから供
給されるインクは逐次圧力室内に供給される。
【0025】したがって、前記した自己封止弁をインク
供給ポンプと記録ヘッドとの間に配置することにより、
インク供給ポンプから供給されるインクの圧力に関係な
く、記録ヘッドにおいて消費したインク量に対応した量
のインクが、圧力室に随時補給されることになる。これ
により、記録ヘッドより安定したインク滴の吐出作用を
保証することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるインク供
給ポンプを利用したインクジェット式記録装置につい
て、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1はこ
の発明が適用された記録装置本体の全体構成を示したも
のである。図中符号1はキャリッジであり、このキャリ
ッジ1はキャリッジモータ2によって駆動されるタイミ
ングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されて紙送り
部材5の長手方向に沿って往復駆動されるように構成さ
れている。
【0027】前記キャリッジ1の紙送り部材5と対向す
る面、すなわち、この実施の形態においては、キャリッ
ジ1の下側面に記録ヘッド6が搭載されている。また、
キャリッジ1には後述するインク供給ポンプ20および
自己封止弁40等が収納される収納室7が形成されてお
り、これらインク供給ポンプ20および自己封止弁40
等を介して、前記記録ヘッド6に対してインクを供給す
ることができるように構成されている。
【0028】そして、記録装置の側端部(図1における
右端部)には、カートリッジホルダ8が備えられてお
り、このカートリッジホルダ8には、それぞれブラック
インクを供給するブラックインクカートリッジ9B、シ
アン、マゼンタおよびイエローインクを供給する各カラ
ーインクカートリッジ9C,9M,9Yがそれぞれ着脱
可能に装着されている。
【0029】これら各インクカートリッジが装着された
カートリッジホルダ8より、キャリッジ1に搭載された
インク供給ホンプ20に対して、可撓性素材により構成
されたインク供給チューブ10がそれぞれ接続されてお
り、後述するようにキャリッジ1の駆動に伴って作動す
るインク供給ポンプ20の働きにより、各カートリッジ
からのインクがキャリッジ側に送り出されるように構成
されている。そして、インク供給ポンプ20によって加
圧されたインクは、後述する自己封止弁40を介して記
録ヘッド6に対して供給される。これにより、印刷指令
を受けた前記記録ヘッド6より、紙送り部材上を搬送さ
れる図示せぬ記録用紙に対してインク滴が吐出され、安
定した印刷動作が実行されるようになされる。
【0030】一方、記録装置の非印字領域(図中、右
側)には、キャリッジ1が当該箇所に移動した時に上昇
して記録ヘッド6のノズル形成面を封止することができ
るキャッピング手段11が配置されている。このキャッ
ピング手段11は、装置の休止期間中において記録ヘッ
ド6のノズル形成面を封止することで、記録ヘッド6の
ノズル開口からのインク溶媒の揮散を防止させる蓋体と
して機能する。また、前記キャッピング手段11は、図
示せぬ吸引ポンプからの負圧を受けて、記録ヘッド6か
らインクを強制的に排出させることで記録ヘッドのメン
テナンスを行うクリーニング動作の機能も果たすように
構成されている。
【0031】また、キャッピング手段11に隣接する印
刷領域側には、ゴムなどの弾性素材を短冊状に成形した
ワイピング部材12が配置されている。このワイピング
部材12は、例えば前記したクリーニング動作の実行後
に、記録ヘッドの移動経路に進出し、記録ヘッドの印刷
領域側への移動に伴い、記録ヘッドのノズル形成面から
インクを除去するワイピング動作がなされるように構成
されている。
【0032】図2は、前記した構成の記録装置における
主にインクの供給系を示した模式図である。なお図2に
おいては、すでに説明した構成要素は同一符号で示して
いる。また、図2においては、インクカートリッジとし
て代表して符号9で示しており、このインクカートリッ
ジ9内には、インクを封入した可撓性の袋よりなるイン
クパック9aが収納されている。そして、インクカート
リッジ9を図1に示すカートリッジホルダ8に装着した
場合においては、カートリッジホルダ8側に配置された
図示せぬ中空状のインク導出針を介して、インクカート
リッジ9よりインクが導出できるように構成されてい
る。
【0033】そして、この実施の形態においては、キャ
リッジ1に搭載されたインク供給ポンプ20における後
述するインク導入口は、カートリッジホルダ8に装着さ
れたインクカートリッジのインク導出部よりも鉛直方向
において上部に位置するように構成されており、これに
よる水頭差で後述するインク供給ポンプ20のインク導
入口は負圧状態が維持されるように構成されている。
【0034】図2に示すように、キャリッジ1にはイン
ク供給ポンプ20が搭載されており、このインク供給ポ
ンプ20は、インク供給チューブ10を介してインクカ
ートリッジ9からのインクを受ける。そして、この実施
の形態においては、インク供給ポンプ20により加圧さ
れたインクは、一方向弁33を介してダンパユニット3
5に送られる。そして、ダンパユニット35を介したイ
ンクは、自己封止弁40に供給され、自己封止弁40を
介したインクが記録ヘッド6に供給されるように構成さ
れている。
【0035】以下、キャリッジ1に搭載されるインク供
給ポンプ20等について、順に説明する。図3および図
4はキャリッジ1に搭載されるインク供給ポンプ20の
第1の形態を示したものであり、図3はこれを分解した
状態の斜視図で示し、また図4は中央断面図で示してい
る。このインク供給ポンプ20は、円筒状に形成され
て、その端部の中央部にインク導入口22が形成された
筒状部材21を備えており、この筒状部材21の他端部
の開口を閉塞する閉塞部材23には、その中央部にイン
ク送出口24が形成されている。そして、前記筒状部材
21内には、一方向弁25を備えた移動部材26が摺動
可能に収容されている。
【0036】前記移動部材26の外側面には、筒状部材
21の内側面と僅かな間隔をもって対峙することで、移
動部材26が一定の姿勢を保ちつつ、筒状部材21内を
摺動することができるガイド面26aが形成されてい
る。すなわち、この実施の形態においては、前記ガイド
面26aは円筒体を構成している。この構成により筒状
部材21の内側面と移動部材26のガイド面26aとの
間におけるインクの漏れを最小限にとどめるようになさ
れている。
【0037】一方、前記一方向弁25は、移動部材26
のほぼ中央部を貫通して形成されたインク流通孔26b
の一方の面を閉塞または解放することができるように、
ヒンジ25aを介して移動部材26に取り付けられてい
る。すなわち、この一方向弁25は、筒状部材21内に
配置された状態の移動部材26において、インク送出口
24側に位置するように配置されている。また、この一
方向弁25を備える移動部材26は、好ましくは耐薬品
性が高く、密度が高い素材であるステンレス鋼(例え
ば、SUS316WPB)を用いることが望ましい。そ
して、前記した構成のインク供給ポンプ20は、筒状部
材21の軸芯がキャリッジ1の移動方向にほぼ一致させ
て配置されている。
【0038】前記したインク供給ポンプ20によると、
キャリッジ1の加速時および減速時において、前記移動
部材26はその慣性によって筒状部材21内を相対移動
することになる。図4(A)は、矢印X1として示すよ
うに、キャリッジ1が右方向から左方向に加速された場
合の状態を示すものであり、この場合においては、移動
部材26はその慣性によって、筒状部材21内を矢印X
2として示す方向に相対移動する。これによって、移動
部材26に配置された一方向弁25は、開弁状態になさ
れる。
【0039】また、図4(B)は、矢印X3として示す
ように、キャリッジ1が左方向から右方向に加速された
場合の状態を示すものであり、この場合においては、移
動部材26はその慣性によって、筒状部材21内を矢印
X4として示す方向に相対移動する。これによって、移
動部材26に配置された一方向弁25は、閉弁状態にな
される。
【0040】前記移動部材26は、キャリッジ1の加速
時だけでなく減速時においても、同様の作用を受ける。
すなわち、右方向から左方向に移動中のキャリッジ1が
減速された場合においては、移動部材26は、図4
(B)に示すように筒状部材21内を矢印X4に示す方
向に相対移動し、左方向から右方向に移動中のキャリッ
ジ1が減速された場合においては、移動部材26は、図
4(A)に示すように筒状部材21内を矢印X2に示す
方向に相対移動する。
【0041】前記した動作を反復繰り返すことによっ
て、インク供給ポンプ20におけるインク導入口22側
は負圧状態となり、これによりインク供給チューブ10
を介してポンプ20に対してインクが供給される。そし
て、ポンプ20において加圧されたインクがポンプ20
のインク送出口24から送り出されるように作用する。
【0042】図5はキャリッジ1に搭載されるインク供
給ポンプ20の第2の好ましい形態を中央断面図で示し
たものである。なお、図5においては、すでに説明した
図3および図4に示す構成に相当する部材は同一符号で
示しており、したがって、その説明は省略する。この図
5に示す形態においては、筒状部材21内に収容された
前記移動部材26を中央に挟むようにして、コイル状の
バネ部材28a,28bがそれぞれ配置されている。
【0043】そして、図5(A)はキャリッジ1の加減
速に伴い、移動部材26が筒状部材21内を左方向から
右方向に移動する状態を示しており、また、図5(B)
は同様に移動部材26が筒状部材21内を右方向から左
方向に移動する状態を示している。この構成によると、
キャリッジ1の加減速に伴う移動部材26の移動を、そ
れぞれのバネ部材28a,28bにより受け止めるダン
パとしての機能を果たす。したがって、キャリッジが加
減速を行っていないときでも、バネ部材28a,28b
による残留振動によって移動部材26が揺動し、インク
を供給することができる。さらにキャリッジ1の加減速
に伴い、移動部材26が筒状部材21の端部に衝突して
騒音が生ずるのを阻止することができる。
【0044】図6はキャリッジ1に搭載されるインク供
給ポンプ20の第3の好ましい形態を中央断面図で示し
たものである。なお、図6においては、すでに説明した
各構成に相当する部材は同一符号で示しており、したが
って、その説明は省略する。この図6に示す形態におい
ては、インク供給ポンプ20におけるインク導入口にイ
ンクカートリッジからインク供給ポンプに向かう一方向
弁が具備されている。
【0045】すなわち、ポンプ20におけるインク導入
口22には、さらに円筒状の弁保持部材29が取り付け
られており、この弁保持部材29に形成された開口29
aを開閉する一方向弁30がヒンジ30aによって取り
付けられている。そして、図6(A)はキャリッジ1の
加減速に伴い、移動部材26が筒状部材21内を左方向
から右方向に移動する状態を示しており、また、図6
(B)は同様に移動部材26が筒状部材21内を右方向
から左方向に移動する状態を示している。
【0046】この構成によると、図6(A)に示すよう
に移動部材26が筒状部材21内を左方向から右方向に
移動する場合においては、一方向弁30が閉弁状態にな
される。また、図6(B)に示すように移動部材26が
筒状部材21内を右方向から左方向に移動する場合にお
いては、一方向弁30が開弁状態になされる。したがっ
て、図6に示す構成によると、ポンプ20からインクカ
ートリッジ側にインクが戻るのを効果的に阻止すること
ができ、インク供給ポンプ20のポンプ効率を向上させ
ることができる。さらに、移動部材26が筒状部材21
内を左方向から右方向に移動する場合において、インク
送出口24が負圧状態となることを効果的に阻止するこ
とができる。
【0047】なお、前記した一方向弁30は、特にイン
ク供給ポンプ20におけるインク導入口22に配置する
必要はなく、インクカートリッジからインク供給ポンプ
のインク導入口に至るいずれかの箇所に配置されていて
もよい。したがって、図2に示す例えばインクカートリ
ッジ9のインク出口部分に、この一方向弁30が配置さ
れていても同様の作用効果を得ることができる。
【0048】図7はキャリッジ1に搭載されるインク供
給ポンプ20の第4の好ましい形態を中央断面図で示し
たものである。なお、図7においては、すでに説明した
各構成に相当する部材は同一符号で示しており、したが
って、その説明は省略する。この図7に示す形態におい
ては、インク供給ポンプ20から記録ヘッド側に向かっ
て一方向弁が具備されている。
【0049】すなわち、図7に示す構成においては、前
記した図3および図4に示した構成と比較した場合、筒
状部材21と閉塞部材23との間に、さらに円筒状の弁
保持部材32が取り付けられており、この弁保持部材3
2に形成された開口32aを開閉する一方向弁33がヒ
ンジ33aによって取り付けられている。そして、図7
(A)はキャリッジ1の加減速に伴い、移動部材26が
筒状部材21内を左方向から右方向に移動する状態を示
しており、また、図7(B)は同様に移動部材26が筒
状部材21内を右方向から左方向に移動する状態を示し
ている。
【0050】この構成によると、図7(A)に示すよう
に移動部材26が筒状部材21内を左方向から右方向に
移動する場合においては、一方向弁33が閉弁状態にな
される。また、図7(B)に示すように移動部材26が
筒状部材21内を右方向から左方向に移動する場合にお
いては、一方向弁33が開弁状態になされる。したがっ
て、図7に示す構成によると、ポンプ20からインクカ
ートリッジ側にインクが戻るのを効果的に阻止すること
ができ、インク供給ポンプ20のポンプ効率を向上させ
ることができる。さらに、移動部材26が筒状部材21
内を左方向から右方向に移動する場合において、インク
送出口24が負圧状態となることを効果的に阻止するこ
とができる。
【0051】図8はキャリッジ1に搭載されるインク供
給ポンプ20の第5の好ましい形態を中央断面図で示し
たものである。なお、図8においては、すでに説明した
各構成に相当する部材は同一符号で示しており、したが
って、その説明は省略する。この図8に示す形態におい
ては、インク供給ポンプ20から記録ヘッド側に向かっ
て一方向弁が具備されると共に、インクを一時的に貯留
してその貯留量を可変することができるダンパユニット
がさらに具備されている。
【0052】すなわち、この図8に示す実施の形態にお
いては、筒状部材21のインク送り出し側にダンパユニ
ット35が取り付けられている。このダンパユニット3
5は、筒状部材21に結合された筐体部36と、この筐
体部36の一側面に気密状態に取り付けられた可撓性の
フィルム部材37とにより構成されている。そして、こ
の筐体部36の筒状部材21に対向する部分には、開口
36aが形成されており、この開口36aを開閉する一
方向弁33がヒンジ33aによって、筐体部36内に取
り付けられている。
【0053】この構成によると、図8(A)に示すよう
に移動部材26が筒状部材21内を左方向から右方向に
移動する場合においては、一方向弁33が閉弁状態にな
される。また、図8(B)に示すように移動部材26が
筒状部材21内を右方向から左方向に移動する場合にお
いては、一方向弁33が開弁状態になされる。したがっ
て、図8に示す構成によると、ポンプ20からインクカ
ートリッジ側にインクが戻るのを効果的に阻止すること
ができ、インク供給ポンプ20のポンプ効率を向上させ
ることができる。さらに、移動部材26が筒状部材21
内を左方向から右方向に移動する場合において、インク
送出口24が負圧状態となることを効果的に阻止するこ
とができる。
【0054】加えて、図8に示す構成によると、前記イ
ンク供給ポンプ20の作用によって、筐体部36内にイ
ンクが供給された場合においては、図8(B)に示すよ
うに可撓性のフィルム部材37が外側に変形して実質的
な容積を拡大し、ポンプ20から送られるインクを受け
るようになされる。また、前記フィルム部材37は、筐
体部36内のインク量が減少した場合には図8(A)に
示すように、筐体部36の内側に変形するようになされ
る。
【0055】したがって、このフィルム部材37は、イ
ンク供給ポンプ20による反復したインクの供給作用、
およびキャリッジ1の移動によりインク供給チューブ1
0内において受ける加速度によるインクの流れの影響を
緩衝するダンパ機能を果たす。なお、前記した図2に示
す状態は、この図8に示すインク供給ポンプ20、一方
向弁33、およびダンパユニット35を備えた状態を示
している。
【0056】前記した各構成のインク供給ポンプ20を
用いた場合には、各インクは圧力が加わった状態で記録
ヘッド側に供給されるため、記録ヘッドのノズル開口よ
りインクが溢れ出るという問題が生ずる。そこで、イン
ク供給ポンプ20と記録ヘッド6との間に、図9ないし
図12に示すような自己封止弁40を備えることが望ま
しい。
【0057】まず、図9および図10は、自己封止弁4
0の外観構成を示したものであり、それぞれ前記自己封
止弁40を一側面および他側面から見た状態で示してい
る。自己封止弁40の外郭は、偏平状に形成された合成
樹脂製のユニットケース41により構成されており、そ
の一部には前記したダンパユニット35におけるインク
送出口24に一端が接続された図示せぬインク輸送チュ
ーブの他端部が接続される接続部42が形成されてい
る。
【0058】そして、前記したインク供給ポンプ20か
ら供給されるインクが、この接続部42を介して自己封
止弁40内に導入されるように構成されている。この前
記自己封止弁40には、図9に示されたように、その一
側面に開閉弁作動部材を構成する可撓性のフィルム部材
43が熱溶着により貼着されて、後述する圧力室の一部
を構成している。
【0059】なお、このフィルム部材43としては、負
圧状態を効率的に感知することができるように軟質であ
ると共に、インク性状に化学的な影響を及ぼさないこ
と、さらに水分透過度や、酸素や窒素透過度の低い素材
であることが重要である。そこで、フィルム部材43に
は、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレ
ンフィルムに塩化ビニリデン(サラン)をコーティング
したナイロンフィルムを接着ラミネートした構成である
ことが望ましい。
【0060】また、圧力室の一部を構成する前記フィル
ム部材43の中央部には、フィルム部材43に比較して
硬質材料により形成された受圧板44が取り付けられて
いる。この受圧板44は、印刷動作等によりキャリッジ
が往復移動した際に、受圧板自体の自重とキャリッジの
加速度によりフィルム部材43を動かして、圧力室内の
圧力が変化しないように軽量であることが必要である。
そこで、受圧板44はポリエチレンやポリプロピレンと
いったプラスチック材料で形成することが望ましい。
【0061】この受圧板44は前記フィルム部材43に
対して熱溶着により、あらかじめ取り付けるようにして
もよく、また接着剤、あるいは両面接着テープ等により
取り付けるようにしてもよい。この受圧板44は、図に
示す実施の形態においては、円板状に形成されている
が、特に円板状のものに限られることはない。しかしな
がら、自己封止弁40内に形成される圧力室が、後述す
るようにごく薄い円筒状の空間を形成する場合において
は、前記受圧板44として円板状のものを用い、受圧板
44を圧力室に対して同心円状に配置することが望まし
い。
【0062】前記自己封止弁40には、その下底部にお
いてインク導出部46が形成されており、このインク導
出部46を介して記録ヘッド6に対して、それぞれイン
クが供給されるように構成されている。
【0063】前記ユニットケース41には、図10に示
されたようにその一面に溝状のインク導入路48が形成
されており、前記したインク供給ポンプ20から供給さ
れるインクは、インク導入路48を介してケース41の
ほぼ中央部に形成されたインク供給室49に供給される
ように構成されている。なお、ここで、図11は図9に
おける自己封止弁をC−C線より矢印方向に見た状態の
断面図で示している。
【0064】前記インク供給室49は、図11に示され
たように小容積の円筒状空間により構成されており、バ
ネ受け座50がケース41の側面において嵌め込まれて
いる。そして、バネ受け座50を嵌め込んだ状態でイン
ク供給室49およびインク導入路48を覆うように、フ
ィルム部材52をケース41に対して熱溶着することで
密閉されている。
【0065】また、インク供給室49と圧力室53とを
区画するようにその中央に隔壁54が形成されており、
この隔壁54には、後述する開閉弁を構成する可動バル
ブを摺動可能に支持する支持孔55が形成されている。
前記開閉弁を構成する可動バルブ57は、板状部材57
aと、この板状部材の中央部に一体に成形されて前記支
持孔55内を摺動移動するロッド部材57bより構成さ
れている。
【0066】さらに、前記板状部材57aとバネ受け座
50との間には、コイル状のシールバネ58が配置され
ており、このシールバネ58の作用により、板状部材5
7aは前記隔壁54側に、僅かな押圧力をもって付勢さ
れるように構成されている。一方、前記隔壁54には、
前記支持孔55を囲むようにして円環状に形成されたゴ
ム製のシール部材60が取り付けられている。
【0067】したがって、可動バルブ57における前記
板状部材57aは、シールバネ58の付勢力によりシー
ル部材60に当接するようになされている。なお、前記
シール部材60はOリング等でもよいが、好ましくは図
に示すようにエラストマー樹脂等をケース41と2色成
形により一体に形成される。
【0068】前記隔壁54に形成された支持孔55に
は、図12に拡大して示したように支持孔55の周囲に
沿って間欠的に切欠き孔62aを形成することで、前記
インク供給室49から圧力室53に至るインク供給孔6
2を構成している。なお、図12に示す実施の形態にお
いては、支持孔55の周囲に沿って4つの切欠き孔62
aが形成されており、これにより4つに別れたインク供
給孔62が構成されている。そして、前記した円環状に
形成されたゴム製のシール部材60は、4つに別れた各
インク供給孔62の外側を囲むようにして、前記隔壁5
4に設けられている。
【0069】一方、ユニットケース41の前記隔壁54
を介した圧力室53は、ユニットケースを円筒状にくり
ぬいた凹部64により構成されている。そして、ユニッ
トケースの前記凹部64が形成された面には、前記した
フィルム部材43が熱溶着手段により密閉状態に取り付
けられている。すなわち、圧力室53はユニットケース
41に形成された前記凹部64と、これを覆うフィルム
部材43とにより構成されている。
【0070】前記した圧力室53から記録ヘッド6に至
る圧力室の出口65は、図9に示されたように重力方向
の最上部に形成されている。そして、圧力室の出口65
に連通してインク導出管66が、圧力室53を形成する
前記凹部64に沿って円弧状に形成されている。なお、
前記圧力室の出口65とこれに連通するインク導出管6
6は、ユニットケース41に溝状に形成されており、ユ
ニットケース41に熱溶着された前記フィルム部材43
によって、その端面が覆われることで、管状の出口65
およびこれに連なるインク導出管66を構成している。
【0071】そして、インク導出管66はインク導出部
46の近傍においてユニットケース41の内部に導入さ
れ、インク導出部46において鉛直方向にインクが導出
され、前記したとおり記録ヘッド6に対してインクが供
給されるように構成されている。
【0072】以上の構成において、前記した自己封止弁
40には、前記したインク供給ポンプ20より加圧され
たインクが供給される。この場合のインクの供給流速
は、記録ヘッド6が印刷動作において消費するインク量
を賄える以上の流速が確保できる程度になされていれば
よい。また、前記したクリーニング動作の実行時には、
キャッピング手段11を利用して記録ヘッド6のノズル
形成面が負圧に吸引されるため、インクは前記インク供
給ポンプ20および自己封止弁40等をそのまま通過し
て記録ヘッド6より排出される。
【0073】ここで、前記記録ヘッド6が非印刷状態、
すなわちインクを消費しない状態においては、自己封止
弁40における前記シールバネ58によるバネ荷重W1
が、可動バルブ57における前記板状部材57aに加わ
っており、また、前記板状部材57aには、インク供給
室49に供給される前記インク供給ポンプ20からのイ
ンクの加圧力P1 も加わる。これにより、前記板状部材
57aは図11(A)に示されたように、ゴム製のシー
ル部材60に当接して閉弁状態になされる。すなわち、
自己封止弁40は自己封止の状態になされる。
【0074】一方、前記記録ヘッド6が例えば印刷状態
となり、これによりインクを消費した場合においては、
圧力室53のインクの減少に伴い前記フィルム部材43
がケース41に形成された凹部64側に変位し、フィル
ム部材43の中央部が可動バルブ57を構成するロッド
部材57bの端部に当接する。なお、この時のフィルム
部材43の変位に要する変位反力をWd とする。
【0075】そして、記録ヘッド6においてさらにイン
クが消費されることにより、圧力室53内には負圧P2
が発生する。この時、P2 >W1 +P1 +Wd の関係と
なった場合に、フィルム部材43がロッド部材57bを
押圧し、これにより、板状部材57aによるシール部材
60の当接が解かれ、図11(B)に示されたように開
弁状態になされる。
【0076】したがって、インク供給室49内における
インクは、インク供給室49から圧力室53に至るイン
ク供給孔62を介して圧力室53内に供給され、圧力室
53内へのインクの流入により圧力室53の負圧は解消
される。これに伴い、可動バルブ57がシールバネ58
の作用により移動して図11(A)に示されたように再
び閉弁状態になされ、インク供給室49から圧力室53
へのインクの供給は停止される。
【0077】なお、前記した可動バルブ57の開閉弁の
動作は、図11(A)および図11(B)に示す状態
が、反復繰り返されるような極端な動作は必ずしもなさ
れない。現実には印刷動作中においては、フィルム部材
43は可動バルブ57を構成する前記ロッド部材57b
の端部に当接してぼぼ均衡状態を保ち、インクの消費に
したがって僅かに開弁しつつ、圧力室53に対してイン
クを逐次補給するように作用する。
【0078】なお、前記受圧板44は、前記フィルム部
材43の変位作用を受圧板44の全面積において受ける
ことができる。したがって、フィルム部材43の変位作
用を確実に可動バルブ57に伝達させることができ、可
動バルブ57による開閉弁作用の信頼性を向上させるこ
とができる。また、前記した実施の形態においては、圧
力室34から記録ヘッドに至る圧力室の出口65が、重
力方向の最上部に形成されているので、例えば記録装置
に初めてインクを導入する初期充填時において、圧力室
53内に空気(気泡)を残さずにインクを充填させるこ
とができる。
【0079】以上のように構成された記録装置において
は、記録装置の動作電源の投入に伴い、前記キャリッジ
1を往復移動させるシーケンスが自動的に実行されるよ
うに構成される。これにより、キャリッジ1に搭載され
たインク供給ポンプ20が動作して、各インクを記録ヘ
ッド6側に送り出し、印刷動作を実行し得る態勢になさ
れる。
【0080】また、前記記録ヘッド6からインクを強制
的に吸引排出させるクリーニング動作の実行後において
も、前記キャリッジを往復移動させるシーケンスが自動
的に実行されるように構成される。これにより、同様に
インク供給ポンプ20が動作して、各インクを記録ヘッ
ド6側に送り出し、印刷動作を実行し得る態勢になされ
る。
【0081】なお、以上説明した実施の形態において
は、インク供給ポンプを構成する筒状部材21と、その
内面を摺動する移動部材26との内外面が、それぞれ円
筒状および円柱状になされているが、これらの内外面は
それぞれ多角形状になされていても同様の作用効果を得
るこことができる。
【0082】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
にかかるインク供給ポンプによると、キャリッジの加減
速時においてキャリッジに対して相対移動する移動部材
が具備され、キャリッジに対する移動部材の相対移動に
よって、インクを加圧供給するように構成したので、格
別にインクを加圧供給するための駆動モータ等の動力源
を備える必要性をなくすことができる。
【0083】また、前記したインク供給ポンプを利用し
た記録装置によると、キャリッジに搭載したインク供給
ポンプによって、記録装置の本体側に配置されたインク
カートリッジよりインク供給チューブを介してインクを
吸引し、記録ヘッド側にインクを送出するように構成し
たので、インク供給チューブにおける圧力損失を克服す
ることができると共に、不用意なインク漏出等のトラブ
ルの発生を効果的に防止させることができる。
【0084】また、前記したインク供給ポンプと記録ヘ
ッドとの間に、自己封止弁をさらに具備させることによ
り、インク供給ポンプから供給されるインクの圧力に関
係なく、記録ヘッドより安定したインク滴の吐出作用を
保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる記録装置の全体構成を示した
平面図である。
【図2】図1に示す記録装置における主にインクの供給
系を示した模式図である。
【図3】図1および図2に示す記録装置のキャリッジに
搭載されるインク供給ポンプの第1の形態を分解した状
態で示した斜視図である。
【図4】同じくインク供給ポンプの中央断面図である。
【図5】インク供給ポンプの第2の形態を示した中央断
面図である。
【図6】インク供給ポンプの第3の形態を示した中央断
面図である。
【図7】インク供給ポンプの第4の形態を示した中央断
面図である。
【図8】インク供給ポンプの第5の形態を示した中央断
面図である。
【図9】自己封止弁を一面方向から見た状態の正面図で
ある。
【図10】同じく他面から見た状態の裏面図である。
【図11】図9における自己封止弁をC−C線より矢印
方向に見た状態の断面図である。
【図12】自己封止弁の隔壁に形成された支持孔の構成
を示した透視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 4 ガイド部材 5 紙送り部材 6 記録ヘッド 8 カートリッジホルダ 9B〜9Y インクカートリッジ 10 インク供給チューブ 11 キャッピング手段 12 ワイピング部材 20 インク供給ポンプ 21 筒状部材 22 インク導入口 24 インク送出口 25 一方向弁 26 移動部材 26a ガイド面 28a,28b バネ部材 30 一方向弁 32 弁保持部材 33 一方向弁 35 ダンパユニット 37 フィルム部材 40 自己封止弁 43 フィルム部材(開閉弁作動部材) 49 インク供給室 53 圧力室 57 可動バルブ(開閉弁)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復移動するキャリッジ上に搭載され、
    前記キャリッジの加速時および減速時においてキャリッ
    ジに対して相対移動する移動部材が具備され、前記キャ
    リッジに対する移動部材の相対移動によって、インクを
    加圧供給するように構成したことを特徴とするインク供
    給ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記移動部材が、キャリッジの移動方向
    に軸芯をほぼ一致させて配置された筒状部材内に摺動可
    能に配置されると共に、前記移動部材には一方向弁が配
    置されて、前記筒状部材の一端部に形成されたインク導
    入口から他端部に形成されたインク送出口に向かって、
    インクが加圧供給されるように構成した請求項1に記載
    のインク供給ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記移動部材の外側面には、前記筒状部
    材の内側面と僅かな間隔をもって対峙することで、移動
    部材が一定の姿勢を保ちつつ筒状部材内を摺動すること
    ができるガイド面が形成されてなる請求項2に記載のイ
    ンク供給ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記移動部材は、ステンレス鋼により形
    成されてなる請求項2または請求項3に記載のインク供
    給ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記筒状部材内には、前記移動部材を中
    央に挟むようにしてそれぞれバネ部材がさらに配置され
    てなる請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のイン
    ク供給ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のインク供給ポンプを利用したインクジェット式記録
    装置であって、 前記インク供給ポンプは、記録装置の本体側に配置され
    たインクカートリッジからのインクを、可撓性のインク
    供給チューブを介して受けると共に、当該インク供給ポ
    ンプによって加圧したインクを、キャリッジに搭載され
    た記録ヘッド側に供給するように構成したことを特徴と
    するインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記インクカートリッジから、前記イン
    ク供給ポンプに至るいずれかの箇所に、インクカートリ
    ッジからインク供給ポンプに向かう一方向弁が具備され
    てなる請求項6に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インク供給ポンプから前記記録ヘッ
    ドに至るいずれかの箇所に、前記インク供給ポンプから
    記録ヘッド側に向かって一方向弁が具備されてなる請求
    項6に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記一方向弁と記録ヘッドとの間には、
    自己封止弁が配置され、前記自己封止弁には、インク供
    給ポンプから送られるインクを圧力室に供給する開閉弁
    と、前記記録ヘッド側で消費される圧力室内のインクの
    減少に伴う負圧を感知して前記開閉弁を開弁させる開閉
    弁作動部材とが具備されてなる請求項8に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記開閉弁作動部材は、前記圧力室の
    一部を構成する可撓性のフィルム部材であり、当該フィ
    ルム部材が前記圧力室内のインクの減少に伴う負圧を受
    けて変位し、前記開閉弁を開弁させるように構成した請
    求項9に記載のインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 前記一方向弁と自己封止弁との間に
    は、インクを一時的に貯留してその貯留量を可変するこ
    とができるダンパユニットがさらに具備されてなる請求
    項9または請求項10に記載のインクジェット式記録装
    置。
  12. 【請求項12】 前記ダンパユニットには可撓性のフィ
    ルム部材が具備され、前記フィルム部材の変位によっ
    て、インク貯留量を可変することができるように構成さ
    れた請求項11に記載のインクジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録装置の動作電源の投入に伴
    い、前記キャリッジを往復移動させるシーケンスが実行
    されるように構成された請求項6ないし請求項12に記
    載のインクジェット式記録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドからインクを強制的に
    吸引排出させるクリーニング動作の実行後に、前記キャ
    リッジを往復移動させるシーケンスが実行されるように
    構成された請求項6ないし請求項12に記載のインクジ
    ェット式記録装置。
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