JP2001001536A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2001001536A
JP2001001536A JP11171259A JP17125999A JP2001001536A JP 2001001536 A JP2001001536 A JP 2001001536A JP 11171259 A JP11171259 A JP 11171259A JP 17125999 A JP17125999 A JP 17125999A JP 2001001536 A JP2001001536 A JP 2001001536A
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tank
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air inlet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジ、サブタンクにおけるイ
ンクの粘性の増大を防止すると共に、インク貯留部の圧
力変化によるインク貯留部の破損、記録ヘッドのノズル
からの空気の流入、インクのたれ等を防止したインクジ
ェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 前記空気導入口6が空気導入口バルブ1
5によって閉じられ、かつインク供給路Aがインク供給
バルブ14によって閉じられた状態において、前記イン
ク貯留部1の圧力が所定圧以上、あるいは所定圧力以下
になった場合、前記空気導入口バルブ15が前記インク
供給バルブ14より先に開放されるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット式記
録装置に関し、インク貯留部の圧力変化によるインク貯
留部の破損、記録ヘッドのノズルからの空気の流入、イ
ンクのたれ等を防止したインクジェット式記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多
くの印刷に使用されている。このようなインクジェット
式記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用
紙の幅方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、
記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送
り手段が備えられ、キャリッジ上で記録用紙の幅方向に
記録ヘッドを移動させながら記録用紙に対してインク滴
を吐出させることで記録が行われる。
【0003】そして共通のキャリッジ上に、例えばブラ
ックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロ
ー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー
用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト
印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることに
より、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】これらインクはインクカートリッジ内に収
容され、前記記録ヘッドと共にキャリッジ上に載置され
る。このインクカートリッジの天蓋部材には、インクカ
ートリッジ内を大気圧になすための、屈曲した空気導入
口が形成されている。
【0005】一方、例えばオフィス向けまたは業務用に
提供されるこの種の記録装置においては、比較的大量の
印刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジ
を配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジ
としてのメインタンクを例えば装置本体の側部に配置し
た装着装置(カートリッジホルダ)に装填させる形式の
記録装置が提供されている。そして、記録ヘッドが搭載
されたキャリッジ上にサブタンクを配置して、前記メイ
ンタンクから各サブタンクに対してインク供給チューブ
を介してインクを供給し、さらに各サブタンクからそれ
ぞれ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成さ
れている。
【0006】前記したような記録装置においては、各メ
インタンクから各サブタンクにインクを供給するため
に、それぞれのインクに対応させてインク供給チューブ
が接続されており、特に昨今において要求されている大
型の紙面に対して印刷を行うような走査距離の長い記録
装置においては、このインク供給チューブがキャリッジ
の移動に抵抗を与えるという問題を抱えている。
【0007】そこで、前記したインク供給チューブを排
除し、サブタンク内のインク残量が少なくなった時に、
キャリッジがインク供給ステージに移動し、サブタンク
内を減圧させると共に、当該箇所に配置された接続機構
を介して各メインタンクから各サブタンクに対してイン
クを供給する形式の記録装置が本件出願人において提案
されている。
【0008】このような構成を備えるインクジェット式
記録装置におけるサブタンクにも、インクカートリッジ
と同様、空気導入口が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したよ
うにインクカートリッジの天蓋部材には、空気導入口が
形成されているため、徐々に空気導入口を通してインク
の溶媒が蒸発し、インクカートリッジ内部のインクの粘
性が増大するという問題があった。また、同様にサブタ
ンクに形成された空気導入口からインクの溶媒が蒸発
し、サブタンク内部のインクの粘性が増大するという問
題があった。
【0010】このように、インクの粘性が増大すると、
インクの良好な吐出を行うことができず、印刷不良を起
こす虞れがあった。
【0011】特に、サブタンクあるいはインクカートリ
ッジから記録ヘッドに至るインク供給路におけるインク
の粘性、及び記録ヘッド内のインクの粘性が増大する
と、インクカートリッジ、サブタンクにおけるインクの
粘性が増大した場合以上に、インクの良好な吐出を行う
ことができず、印刷不良を起こす虞れがあった。
【0012】また、特に、電源OFF時間(非使用状
態)が長い場合、インクの粘性が増大するため、電源O
FF時間(非使用状態)が長い場合におけるインクの溶
媒の蒸発防止の対策が望まれていた。
【0013】このように問題を解決する一つの手段とし
て、インクカートリッジあるいはサブタンクから記録ヘ
ッドに至るインク供給路の開閉を行うバルブを設けると
共に空気導入口の開閉を行うバルブを設け、非使用状態
においてそれらバルブを閉じ、インクカートリッジ、サ
ブタンクにおけるインクの粘性の増大を防止することが
考えられる。
【0014】しかしながら、前記したようにインクカー
トリッジあるいはサブタンクを密閉状態にすると、温度
変化によるインクカートリッジあるいはサブタンク(イ
ンク貯留部)の内部圧力変化によって、インク貯留部が
破損し、あるいは記録ヘッドからインクのたれが発生
し、あるいは記録ヘッドノズルから空気が流入すること
があり、これら課題についてもその対策が望まれてい
た。
【0015】本発明は、前記技術的課題に着目してなさ
れたものであり、インクカートリッジ、サブタンクにお
けるインクの粘性の増大を防止すると共に、インク貯留
部の圧力変化によるインク貯留部の破損、記録ヘッドの
ノズルからの空気の流入、インクのたれ等を防止したイ
ンクジェット式記録装置を提供することを目的とするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復
駆動される記録ヘッドと、キャリッジに搭載されて前記
記録ヘッドにインクを供給するインク貯留部と、前記イ
ンク貯留部を大気と連通させる空気導入口と、前記空気
導入口の開閉を行う空気導入口バルブと、前記インク貯
留部から記録ヘッドに至るインク供給路と、前記インク
供給路の開閉を行うインク供給バルブとを備えたインク
ジェット式記録装置であって、前記空気導入口が空気導
入口バルブによって閉じられ、かつインク供給路がイン
ク供給バルブによって閉じられた状態において、前記イ
ンク貯留部の圧力が所定圧以上、あるいは所定圧力以下
になった場合、前記空気導入口バルブが前記インク供給
バルブより先に開放されるように構成されていることを
特徴としている。
【0017】このように、前記空気導入口が空気導入口
バルブによって閉じられ、かつインク供給路がインク供
給バルブによって閉じられるため、インク貯留部内部は
密閉され、インクの溶媒の蒸発が防止され、インクの粘
性の増大を抑制することができる。
【0018】しかも、前記インク貯留部の圧力が所定圧
以上、あるいは所定圧力以下になった場合、インク供給
バルブよりも先に前記空気導入口バルブが開放されるた
め、外気温度が高くなりインク、空気の膨張によってサ
ブタンク内部の圧力が高くなっても、あるいはまた外気
温度低くなりサブタンクの内圧が低くなっても、インク
貯留部の破損を防止することができる。また、記録ヘッ
ドからのインクのたれ、あるいは記録ヘッドからの空気
の流入を防止することができる。
【0019】ここで、前記空気導入口が空気導入口バル
ブによって閉じられ、かつインク供給路がインク供給バ
ルブによって閉じられた状態において、前記インク貯留
部の圧力が所定圧以上、あるいは所定圧力以下になり、
前記空気導入口バルブがインク供給バルブより先に開放
された場合であっても、前記インク供給バルブは閉じた
状態が維持されるように構成されていることが望まし
い。
【0020】このように、前記空気導入口バルブがイン
ク供給バルブより先に開放された場合であっても、前記
インク供給バルブは閉じた状態が維持されるため、記録
ヘッドのノズルからのインクのたれ等を防止できる。
【0021】また、前記した目的を達成するためになさ
れた本発明にかかるインクジェット式記録装置において
は、空気導入口バルブの空気導入口を閉じる力を、イン
ク供給バルブのインク供給路を閉じる力より弱く設定
し、温度上昇によるインク貯留部内の圧力変化で前記空
気導入口からインク貯留部内の空気が外部に排出される
ように構成することができる。このように構成すること
により、空気導入口バルブをインク供給バルブより先に
開放し、インク貯留部内の高くなった圧力を下げること
ができる。
【0022】また、前記した目的を達成するためになさ
れた本発明にかかるインクジェット式記録装置において
は、前記空気導入口バルブの空気導入口を閉じる力を、
インク供給バルブのインク供給路を閉じる力より弱く設
定し、温度低下によるインク貯留部内の圧力変化で前記
空気導入口からインク貯留部内に外部の空気に流入され
るように構成することができる。このように構成するこ
とにより、空気導入口バルブをインク供給バルブより先
に開放し、インク貯留部内の圧力を上げることができ
る。
【0023】なお、前記したインク貯留部とは、インク
カートリッジであり、またメインタンクからインク供給
を受けるサブタンクである。また、前記空気導入口バル
ブとしては、逆止弁を用いることができる。
【0024】また、前記した目的を達成するためになさ
れた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、サブ
タンク内部の圧力が所定圧以上に達した、あるいは所定
圧以下になった場合には、前記ポンプ接続機構のサブタ
ンク側に設けられたバルブがインク供給バルブよりも先
に開放されるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0025】このように、前記インク貯留部の圧力が所
定圧以上、あるいは所定圧力以下になった場合、インク
供給バルブよりも先にポンプ接続機構のサブタンク側に
設けられたバルブが開放されるため、外気温度が高くな
りインク、空気の膨張によってサブタンク内部の圧力が
高くなっても、あるいはまた外気温度低くなりサブタン
クの内圧が低くなっても、インク貯留部の破損を防止す
ることができる。また、記録ヘッドからのインクのた
れ、あるいは記録ヘッドからの空気の流入を防止するこ
とができる。
【0026】ここで、サブタンク内部の圧力が所定圧以
上に達した、あるいは所定圧以下になり、前記ポンプ接
続機構のサブタンク側に設けられたバルブが開放される
場合においても、前記インク供給バルブは閉じた状態が
維持されるように構成されていることが望ましい。この
ように、ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバ
ルブがインク供給バルブより先に開放された場合であっ
ても、前記インク供給バルブは閉じた状態が維持される
ため、記録ヘッドのノズルからのインクのたれ等を防止
できる。
【0027】また、サブタンク内部の圧力が所定圧以上
に達した場合には、前記空気導入口バルブがインク供給
バルブよりも先に開放され、サブタンク内部の圧力が所
定圧以下になった場合には、前記ポンプ接続機構のサブ
タンク側に設けられたバルブがインク供給バルブよりも
先に開放されるように構成することができる。また、サ
ブタンク内部の圧力が所定圧以上に達し、前記空気導入
口が空気導入口バルブによって開放された場合、また、
サブタンク内部の圧力が所定圧以下になり、前記ポンプ
接続機構のサブタンク側に設けられたバルブが開放され
た場合においても、前記インク供給バルブは閉じた状態
が維持されるように構成されていることが望ましい。
【0028】なお、前記メインタンクからサブタンクに
至るインク供給路において接離可能に配置されたメイン
タンク接続機構の少なくともサブタンク側にバルブを具
備していることが望ましい。
【0029】更にまた、前記した目的を達成するために
なされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、
サブタンク内部の圧力が所定圧以上に達した場合には、
前記空気導入口バルブがインク供給バルブよりも先に開
放され、サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場
合には、前記メインタンク接続機構のサブタンク側に設
けられたバルブがインク供給バルブよりも先に開放され
るように構成されていることを特徴としている。
【0030】このように構成されているため、インク貯
留部の破損を防止することができ、記録ヘッドからのイ
ンクのたれ、あるいは記録ヘッドからの空気の流入を防
止することができる。
【0031】ここで、サブタンク内部の圧力が所定圧以
上に達し、前記空気導入口が空気導入口バルブによって
開放された場合、また、サブタンク内部の圧力が所定圧
以下になり、前記メインタンク接続機構のサブタンク側
に設けられたバルブが開放された場合においても、前記
インク供給バルブは閉じた状態が維持されるように構成
されていることが望ましい。また、前記減圧ポンプから
サブタンクに至る吸引路において接離可能に配置された
ポンプ接続機構の少なくともサブタンク側にバルブを具
備していることが望ましい。
【0032】また、前記空気導入口を閉塞する空気導入
口バルブが、サブタンク内部の圧力が所定圧以上になっ
た場合に、サブタンク内部とサブタンク外部の圧力差に
よって開くように構成されていることが望ましく、また
前記ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブ
が、サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場合
に、サブタンク内部とサブタンク外部の圧力差によって
開くように構成されていることが望ましい。
【0033】更に、前記メインタンク接続機構のサブタ
ンク側に設けられたバルブが、サブタンク内部の圧力が
所定圧以下になった場合に、サブタンク内部とサブタン
ク外部の圧力差によって開くように構成されていること
が望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる第1の実施
形態について、サブタンクを備えたインクジェット式記
録装置を例にとって、図に基づいて説明する。
【0035】図1は、本発明が適用されたインクジェッ
ト式記録装置におけるサブタンクと、サブタンク側の接
続機構の構成を断面図によって示したものである。サブ
タンク1とその上部に取り付けられた接続機構2は、後
述する記録ヘッドと共にキャリッジに搭載されており、
記録用紙(図示せず)の幅方向に往復駆動されるように
構成されている。そして、前記接続機構2を介してメイ
ンタンクからインクの供給を受けると共に記録ヘッドに
インクを供給することができるように構成されている。
【0036】図1の下半部に示すサブタンク1は、上部
が開口されたケース1aと、その上部を閉塞する蓋体1
bとにより構成されており、これにより内部が密閉され
たインク貯留室1cを形成している。そして、このサブ
タンク1内には、サブタンク内に貯留されたインクによ
って浮上するフロート部材3が配置されている。このフ
ロート部材3は、このフロート部材に一体に形成された
支持軸4を回動中心として重力方向に上下に可動できる
ように構成されている。
【0037】また、サブタンク1の上部には、シール部
材5が配置されており、このシール部材5は、サブタン
ク1内へ充填されたインクによって浮上して、サブタン
ク1の上部に配置されたエアーバルブを構成するバルブ
部材6に当接することにより、後述する負圧発生手段と
しての減圧ポンプに通ずる吸引路を閉塞できるように構
成されている。
【0038】また、フロート部材3には、上半部に示す
接続機構2を介して後述するメインタンクからインクの
供給を受けるインク補給口7が配置されており、サブタ
ンク1には、接続機構2を介して後述する記録ヘッドに
対してインクを供給するインク供給口8も配備されてい
る。さらにサブタンク1の上部には、空気導入口9が配
置されており、印字に伴うインクの消費に対応してこの
空気導入口9から空気が導入できるように構成されてい
る。
【0039】なお、図1においては1つのサブタンクに
ついての構成が示されているが、これは扱われる各イン
クに対応して紙面上垂直方向に複数(この実施の形態に
おいては6個)の同一構成のサブタンクが併設された状
態になされている。
【0040】一方、接続機構2にはバルブ部材6に連通
する吸引空間(以下吸引口とも言う)10を介して減圧
ポンプ側に接続される共通のバルブユニット11が配置
されている。前記吸引空間10は紙面上垂直方向に、各
サブタンクにそれぞれ対応して横断的に連通して形成さ
れており、したがって吸引空間10は共通のバルブユニ
ット11を介して、インク供給ステージに配置された後
述する他の接続機構に接続できるように構成されてい
る。なお、前記バルブユニット11はインク供給ステー
ジに配置された他の接続機構と接続される場合におい
て、開弁されるように構成されている。
【0041】また、前記接続機構2内にはインク補給口
7にインクを送り込む補給空間12が、それぞれのサブ
タンク1に対応させて個別に形成されており、各補給空
間12に配置されたバルブユニット13を介して、イン
ク供給ステージに配置された後述する他の接続機構に接
続できるように構成されている。なお、前記各バルブユ
ニット13においても、インク供給ステージに配置され
た他の接続機構と接続される場合において開弁されるよ
うに構成されている。
【0042】接続機構2内にはインク供給口8から記録
ヘッドに至るインク供給路において、開閉制御されるイ
ンク供給バルブ14がそれぞれのサブタンクに対応させ
て個別に配置されている。
【0043】前記インク供給バルブ14は、サブタンク
1にインクが補給される場合、電源がOFFされた場合
には閉じられ、これら以外の場合、例えば印字中にはイ
ンク供給バルブ14は開き、記録ヘッドに対してインク
が供給されるように構成されている。即ち、サブタンク
1にインクが補給される場合、電源がOFFされた場合
にはインク供給バルブ14の弁体14aが下降し、イン
ク供給路Aを遮断し、記録ヘッド内部及び記録ヘッド側
のインク供給路Aにあるインクを密閉する。これら以外
の場合には、弁体14aは上昇した位置にあり、インク
供給路Aは開放された状態にあるため、記録ヘッドに対
してインクが供給される。
【0044】さらに、接続機構2内には前記した空気導
入口9に対向して開閉される空気導入口バルブ15が、
それぞれのサブタンク1に対応させて個別に配置されて
いる。この空気導入口バルブ15も、サブタンク1にイ
ンクが補給される場合、電源がOFFされた場合には閉
じられ、これら以外の場合、例えば印字中は空気導入口
バルブ15は開き、サブタンク1内を大気圧になし、記
録ヘッドに対してインクが供給されるように構成されて
いる。即ち、サブタンク1にインクが補給される場合、
電源がOFFされた場合には、弁体15aが下降し、空
気導入口9を遮蔽し、ザブタンク内を密閉する。これら
以外の場合には、弁体15aは上昇した位置にあり、サ
ブタンク1は大気と連通している。なお、前記空気導入
口バルブ15には図示しないコイルバネが設けられてお
り、サブタンク1内の圧力が高くなると、バネの付勢力
に抗してバルブ15が開放されるように構成されてい
る。
【0045】また、空気導入口バルブ15を介した空気
導入空間16は、横断的に連通して形成されており、図
1には示されていないが、空気導入空間16の一部は大
気に開放されている。
【0046】前記サブタンク1と接続機構2との間にお
いては、例えばインク供給口8部分の構成で示すように
サブタンク1側から一体に延出する接続管17が、接続
機構2側に形成された凹陥部18に配置された円環状の
可撓性シール部材19に圧入するようにして接続されて
いる。この構成は前記したインク補給口7部分、バルブ
部材6部分、および空気導入口9部分においても同様に
構成されている。
【0047】そして、図1に示す実施の形態において
は、サブタンク1の一方の側壁に突設された突起20
が、接続機構2に形成された係合孔21に入り込み、一
方、サブタンク1の他方の側壁に形成された突起22
に、接続機構2に形成された係合爪23が乗り越えるよ
うにして両者が一体に結合されている。
【0048】図2は、メインタンクとしてのインクカー
トリッジから、前記したサブタンクを介して記録ヘッド
にインクを供給する1つのインク供給系統の基本構成を
模式図によって示したものである。なお図2において
は、図1に示すサブタンク側の接続機構2と、この接続
機構に接続される後述するインク供給ステージにおける
接続機構は省略して示している。
【0049】図2における符号31はメインタンクを示
しており、このメインタンク31は、記録装置の例えば
両外側に配置されたカートリッジホルダに装填される。
そしてインク供給路32を介してキャリッジに搭載され
たサブタンク1にインクを供給するように構成されてい
る。
【0050】また、図1にも示したとおり、サブタンク
1からはインク供給バルブ14を介して記録ヘッド33
にインクを供給するように構成されており、さらにまた
サブタンク1は、内部に配置されたバルブ部材6に連通
する共通の吸引路34を介して負圧発生手段としての減
圧ポンプ35に接続されている。
【0051】次に図3は、メインタンク31とサブタン
ク1との間に介在する接続機構の構成を示したものであ
る。この図3には6個のサブタンク1とそれぞれに配置
されたサブタンク側の接続機構2と、インク供給ステー
ジに配置されたインク供給側の接続機構41が描かれて
いる。すなわち、この図3は図1に対して直交する方向
から視た状態を示している。
【0052】インク供給側の接続機構41は、ガイドケ
ース42に内向きに配置された4本のガイド突起43に
よって上下方向に移動できるように構成されており、こ
の接続機構41は後述する接続機構駆動モータによって
上下に所定の範囲で移動される。接続機構41の上端部
には、接続開口部44が形成されており、この接続開口
部44には6色の各インクが貯留されたそれぞれのメイ
ンタンク33に一端が接続されたインク供給路32の他
端が接続される。そして接続機構41の各下端部には、
図4において説明するバルブユニット51が配置されて
いる。
【0053】一方、各サブタンク1側においても図1に
おいて説明したように接続機構2がそれぞれ配置されて
おり、これらの接続機構2における上端部においても図
4において説明するバルブユニット13が配置されてい
る。また、図には示していないが、減圧ポンプ35に至
る吸引路34と吸引口10との間を接続または解除する
吸引路接続機構が搭載されており、この接続機構におい
ても、駆動モータによって接続または解除できるように
構成されている。
【0054】図4は、前記したインク供給ステージに配
置された接続機構41におけるバルブユニットと、サブ
タンク1側に配置されたバルブユニットの形態を断面図
で示したものである。なお、図4はバルブユニットの両
者が分離されている状態を示している。
【0055】まず、インク供給ステージ側のバルブユニ
ット51は、その外郭を第1と第2のシリンダ状ケース
52,53を軸方向に接合することで形成しており、両
者の間にはOリング54が配置され、その接合部を気密
状態としている。そして図中上端部に形成された開口5
5が前記接続機構41を介してメインタンク31に連通
するようになされている。
【0056】前記シリンダ状ケース52,53の軸心部
には接続端面側に凸部56aを形成した突当棒56が軸
方向に摺動可能に配置されており、突当棒56に形成さ
れた鍔部と第2ケース53との間に配置されたコイルバ
ネ57によって、突当棒56の凸部56aが接続端面側
(図中下方向)に突出するように付勢されている。
【0057】前記突当棒56の一部にはテーパー部56
bが形成されており、この突当棒56の突出状態におい
て、シール部材58に対してテーパー部56bの斜面が
当接されるように構成されている。したがって、図4に
示す状態においては突当棒56のテーパー部56bが、
その斜面においてシール部材58に対して当接し、充分
な機密性を確保することができる。
【0058】また、前記シール部材58の一部は、端面
側に一体に延出されており、バルブユニットの両者の接
続状態において端面側の延出部58aによって、それぞ
れのバルブユニットの端面がシールされるように構成さ
れている。このような共用した構成によってシール部材
58の部品点数を1つとすることができる。
【0059】一方、サブタンク側のバルブユニット13
においても、その外郭を第1と第2のシリンダ状ケース
61,62を軸方向に接合することで形成しており、両
者の間にはOリング63が配置され、その接合部を気密
状態としている。そして図中下端部に形成された開口6
4がサブタンク側に連通されている。
【0060】前記シリンダ状ケース61,62の軸心部
には接続端面側に凸部65aを形成した突当棒65が軸
方向に摺動可能に配置されており、突当棒65に形成さ
れた鍔部と第2ケース62との間に配置されたコイルバ
ネ66によって、突当棒65の凸部65aが接続端面側
(図中上方向)に突出するように付勢されている。
【0061】前記突当棒65に形成された鍔部には環状
に形成され平板状のシール部材67が取り付けられてお
り、前記コイルバネ66の付勢力によってシール部材6
7がシリンダ状ケース61の内壁面に当接して機密性を
確保するように構成されている。また突当棒65の突出
状態においては、その接続端面において突当棒65と前
記シリンダ状ケース61との間において軸方向の接合面
が互いに密着状態になされ、両者間における隙間が発生
しないように構成されている。このように構成すること
により、接合面においてインクが残留するのを有効に阻
止することができる。なお、コイルバネ57および66
のバネ力がほぼ均衡していることが望ましい。両者のバ
ネ力がほぼ均衡していることによって、各突当棒56,
65は、ほぼ同時にかつ同程度の移動量をもって移動
し、互いの間にインクの流路が形成される。
【0062】以上説明した構成において、印刷動作の継
続により図1に示すサブタンク1内のインク量が減少し
てインクエンド状態となると、前記フロート部材3は軸
4を介して沈下した状態となされる。そこでキャリッジ
はインク供給ステージに移動して、図3に示すようにサ
ブタンク側の接続機構2と、インク供給ステージに配置
されたインク供給側の接続機構41とが接続される。
【0063】また、図には示されていないが、同様の接
続機構を介してバルブ部材6の吸引口が減圧ポンプ35
に通ずる吸引路34に接続される。また、この状態にお
いては、サブタンク1から記録ヘッド33に至るインク
供給バルブ14は閉弁状態となされ、また前記した空気
導入口バルブ15も閉弁状態とされる。
【0064】これにより、図4に示した各バルブユニッ
ト51,13の凹部56a、65aが当たり、突当棒5
6,65が移動することによって、インクの流通が可能
な状態となる。一方、フロート部材3に配置されたシー
ル部材5はバルブ部材6から離れた状態となっているた
め、減圧ポンプ35の動作によりサブタンク1内は減圧
状態とされる。したがって、インクタンク31より前記
バルブユニット51,13を介してサブタンク7内にイ
ンクが補給される。
【0065】このようにして、インクタンク31よりサ
ブタンク1内にインクが補給され、サブタンク1内のイ
ンクがほぼ満タンとなった場合には、前記フロート部材
3がインクによって浮上し、これに伴って前記シール部
材5はバルブ部材6に当接してエアーバルブを閉弁状態
とする。この時、シール部材5は減圧ポンプ35に吸引
されてバルブ部材6に密着した状態となり、サブタンク
1内の減圧は停止される。したがってインクタンク31
からサブタンク1内へのインクの補給も停止される。
【0066】そして、全てのサブタンクにおいてインク
が充填された時点で、インク供給ステージに配置された
接続機構41とサブタンクに配置された接続機構2との
結合が解かれる。これにより、インク供給ステージに配
置された接続機構41とサブタンクに配置された接続機
構2にそれぞれ配置されたバルブユニット51,13は
分離される。したがって、前記したように各バルブユニ
ット51,13に配置された各突当棒56,65は各コ
イルバネ57,66の付勢力によって元の状態に戻さ
れ、各バルブユニット51,13におけるインク供給路
は閉塞される。
【0067】これにより、バルブユニット51,13に
おける接続端部よりインクが漏出する現象を阻止するこ
とができる。
【0068】そして、この状態で弁体14aは上昇し、
サブタンク1から記録ヘッド33に至るインク供給バル
ブ14は開弁状態となされ、また弁体15aも上昇し、
前記した空気導入口バルブ15も開弁状態とされ、記録
ヘッド33による印字が開始される。
【0069】このようにして、記録ヘッド33による印
字動作が実行され、これによりサブタンク1におけるイ
ンクが減少した場合には、インク供給ステージにおいて
前記と同様な作用によってインクの補給がなされ、再び
記録ヘッド33による印字動作が実行される。
【0070】次に図5は、前記したインク供給バルブ1
4、空気導入口バルブ15、減圧ポンプ35、インク供
給路接続機構41等の動作を時間の経過にしたがって制
御する制御回路の基本構成をブロック図によって示した
ものである。この制御回路にはタイミング制御装置71
が具備されており、このタイミング制御装置71より空
気導入口バルブ制御装置72、減圧ポンプ制御装置7
3、吸引路制御装置74、インク供給路制御装置75、
インク供給バルブ制御装置76に対してそれぞれ指令信
号が供給されるように構成されている。
【0071】空気導入口バルブ制御装置72は、指令を
受けて空気導入口バルブ15を開弁または閉弁するよう
に制御し、減圧ポンプ制御装置73は、指令を受けて減
圧ポンプ35の駆動または停止を制御するように構成さ
れている。また吸引路制御装置74は、減圧ポンプ35
と吸引口10との間を接続または解除する吸引路接続機
構78を接続状態または分離状態に制御するものであ
り、また、インク供給路制御装置75は、インク供給路
接続機構14をサブタンク側に対して接続状態または分
離状態に制御する。そして、インク供給バルブ制御装置
76は、インク供給バルブ14を開弁または閉弁するよ
うに制御する。
【0072】まず、サブタンクがインクエンド状態とな
り、サブタンクにインクを充填する工程においては、タ
イミング制御装置71よりインク供給バルブ制御装置7
6に閉弁指令を送出し、所定時間経過後に減圧ポンプ制
御装置73に駆動指令信号を送出するするように制御す
る。これにより、インク供給バルブ14が閉弁された後
に、減圧ポンプ35の駆動が開始される。この様な制御
をなすことで、減圧ポンプ35の駆動によりサブタンク
1内が減圧状態にされる前に、すでにインク供給バルブ
14は閉弁されており、したがって記録ヘッドのノズル
開口から空気を吸入しノズル開口に形成されたメニスカ
スを破壊するという問題を防止させることができる。な
お、所定時間経過後に吸引路制御装置74に接続指令を
送出することによっても、同様にサブタンク1内が減圧
状態とされるが、この場合においてもインク供給バルブ
14はすでに閉弁制御されており、したがって記録ヘッ
ドのノズル開口から空気を吸入するという問題を防止さ
せることができる。
【0073】さらに、サブタンクへのインクの充填が完
了した場合においては、タイミング制御装置71より空
気導入口バルブ制御装置72に開弁指令を送出し、所定
時間経過後にインク供給バルブ制御装置76に開弁指令
を送出するように制御する。これにより、先に空気導入
口バルブ15が開弁され、サブタンク内に残る減圧が解
消されて大気圧となる。そしてインク供給バルブ14が
開弁されることとなるため、同様に記録ヘッドのノズル
開口から空気を吸入するという問題を防止させることが
できる。なお、空気導入口バルブ制御装置72に開弁指
令を送出することなく、先に減圧ポンプ制御装置73に
駆動停止信号を送出することによっても、減圧ポンプ3
5が停止され、所定時間を経過する間に減圧ポンプ35
を介してサブタンク内に残る減圧が解消されて大気圧と
なる。そして、その後においてインク供給バルブ14が
開弁されることとなるため、同様に記録ヘッドのノズル
開口から空気を吸入するという問題を防止させることが
できる。
【0074】また、印字中のインク供給バルブ14、バ
ルブユニット13、バルブユニット11、空気導入口バ
ルブ15のバルブ開閉状態は以下の状態になされてい
る。すなわち、インク供給バルブ14は記録ヘッド33
にインクを供給するため、開状態が維持され、バルブユ
ニット11、13は閉状態に、また空気導入口バルブ1
5はサブタンク1内に大気圧になすため、開状態に維持
される。
【0075】そして印字が終了し、非印字状態(例えば
電源がOFF状態)にされた場合には、図5に示したタ
イミング制御装置71よりインク供給バルブ制御装置7
6に閉弁指令が送出され、閉弁指令を受けた前記インク
供給バルブ制御装置76によって、インク供給バルブ1
4の弁体14aは下降し、インク供給路Aを遮断し、記
録ヘッド33内及び記録ヘッド33側のインク供給路A
内のインクを密閉する。その結果、密閉されたインクか
らの溶媒の蒸発は防止され、インクの粘性増加は抑制さ
れる。
【0076】また、タイミング制御装置71より空気導
入口バルブ制御装置72に閉弁指令が送出され、指令を
受けた空気導入口バルブ制御装置72によって空気導入
口バルブ15の弁体15aは下降し、空気導入口9を閉
じ、サブタンク1内を密閉する。その結果、密閉された
サブタンク1内のインクからの溶媒の蒸発は防止され、
インクの粘性増加は抑制される。なお、電源がOFFさ
れた場合においても、前記バルブユニット11、13は
印字中と同様に、閉状態に維持されている。
【0077】その後、電源がONされた場合には、サブ
タンクにインクを供給する場合と同様に、タイミング制
御装置71より空気導入口バルブ制御装置72に開弁指
令が送出され、所定時間経過後にインク供給バルブ制御
装置76に開弁指令を送出するように制御する。これに
より、先に空気導入口バルブ15が開弁され、サブタン
ク内に残る減圧が解消されて大気圧となる。そしてイン
ク供給バルブ14が開弁されることとなるため、同様に
記録ヘッドのノズル開口から空気を吸入するという問題
を防止させることができる。
【0078】また、サブタンク1に内部の圧力を検出す
る手段(図示せず)を設け、電源OFF状態にあってサ
ブタンク1内部の圧力が所定圧力以上になった、あるい
は所定圧以下になった場合には、空気導入口バルブ15
をインク供給バルブ14より先に開放するように構成さ
れている。また、前記空気導入口バルブ15が開放され
る場合においても、前記インク供給バルブ14は閉じた
状態が維持されるように構成されていることが望まし
い。
【0079】このように空気導入口9が開放されるた
め、外気温度が高くなりインク、空気の膨張によってサ
ブタンク内部の圧力が高くなっても、あるいはまた外気
温度低くなりサブタンク1の内圧が低くなっても、サブ
タンク1の破損を防止することができる。また、記録ヘ
ッドからのインクのたれ、あるいは記録ヘッドからの空
気の流入を防止することができる。
【0080】また、サブタンク内部の圧力が所定圧以上
に達した、あるいは所定圧以下になった場合には、前記
ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブユニ
ット11がインク供給バルブ14よりも先に開放される
ように構成してもよい。
【0081】このように、インク供給バルブ14よりも
先にポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブ
11が開放されるため、前記した空気導入口9の開放と
同様に、サブタンクの破損を防止することができる。ま
た、記録ヘッドからのインクのたれ、あるいは記録ヘッ
ドからの空気の流入を防止することができる。また、前
記ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブ1
1が開放される場合においても、前記インク供給バルブ
14は閉じた状態が維持されるように構成されているこ
とが望ましい。
【0082】同様に、サブタンク1内部の圧力が所定圧
以上に達し、あるいは所定圧以下になった場合には、前
記メインタンク接続機構のサブタンク側に設けられたバ
ルブユニット13がインク供給バルブ14よりも先に開
放されるように構成してもよい。また、前記サブタンク
側バルブユニット13のコイルバネ66の付勢力をサブ
タンク内部の圧力が所定圧以下になった場合に前記サブ
タンク側バルブユニット13が開放するように設定し、
また前記空気導入口バルブ15を閉じる力(図示しない
コイルバネの付勢力)をサブタンク内部の圧力が所定圧
以上に達した場合に前記空気導入口バルブ15が開放す
るように設定しておけば、サブタンク1に内部の圧力を
検出する手段を設けなくても、サブタンク1内の異常な
圧力上昇、圧力低下を防止でき、サブタンク1の破損を
防止することができる。なお、この場合においても、前
記インク供給バルブ14は閉じた状態が維持されるよう
に構成されていることが望ましい。
【0083】このように、前記空気導入口9を閉塞する
空気導入口バルブ15が、サブタンク内部の圧力が所定
圧以上になった場合に、サブタンク内部とサブタンク外
部の圧力差によって開くように構成され、また前記ポン
プ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブ13が、
サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場合に、サ
ブタンク内部とサブタンク外部の圧力差によって開くよ
うに構成されているため、サブタンク1に内部の圧力を
検出する手段を設ける必要がなく、簡単な構成により、
サブタンクの破損を防止することができる。
【0084】更に、前記メインタンク側バルブユニット
11のコイルバネの付勢力を、前記コイルバネ66と同
様に、サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場合
に前記サブタンク側バルブユニット11が開放するよう
に設定し、また前記空気導入口バルブ15を閉じる力を
サブタンク内部の圧力が所定圧以上に達した場合に前記
空気導入口バルブが開放するように設定しておけば、前
記したサブタンク側バルブユニット13の場合と同様
に、サブタンク内の異常な圧力上昇、圧力低下を防止で
き、サブタンクの破損を防止することができる。なお、
この場合においても、前記インク供給バルブ14は閉じ
た状態が維持されるように構成されていることが望まし
い。
【0085】このように、前記空気導入口9を閉塞する
空気導入口バルブ15が、サブタンク内部の圧力が所定
圧以上になった場合に、サブタンク内部とサブタンク外
部の圧力差によって開くように構成され、前記メインタ
ンク接続機構のサブタンク側に設けられたバルブ13
が、サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場合
に、サブタンク内部とサブタンク外部の圧力差によって
開くように構成されているため、前記したように、簡単
な構成によりサブタンクの破損を防止することができ
る。
【0086】次に本発明にかかる第2の実施形態をイン
クカートリッジを用いるインクジェット式記録装置を例
にとって、図6に基づいて説明する。
【0087】図6において、符号80は、記録ヘッド3
3と共にキャリッジ(図示せず)に搭載されるインクカ
ートリッジであって、このインクカートリッジ80の上
面にはインク供給路Aの開閉を行う弁体82と、空気導
入口84が設けられている。
【0088】また、前記弁体82の上方には、上下動可
能に構成されたロッド81が設けられ、前記ロッドが下
方に移動することによって、弁体82は押し下げられ、
インク供給路Aを遮断するように構成されている。また
ロッド81にはスプリング81aが設けられ一定の力で
弁体82を押圧する。なお、弁体82の下面には、図示
しないコイルスプリングが設けられ、前記ロッド81が
上方に移動した場合には、弁体82は押し上げられ、イ
ンク供給路Aを開放するように構成されている。
【0089】更に、空気導入口84の上方には、上下動
可能に構成された遮蔽ロッド83が設けられ、前記遮蔽
ロッド83が空気導入口84を覆うことにより、インク
カートリッジ80の内部を大気と遮断するように構成さ
れている。また遮蔽ロッド83にも、ロッド81と同様
に、スプリング83aが設けられ一定の力で空気導入口
84を遮蔽する。そして、前記押圧力以上の内圧がサブ
タンク内に発生した場合には、空気導入口84は開放さ
れるようになされている。
【0090】なお、スプリング83aは、スプリング8
1aのバネ定数よりも小さいバネ定数を有するものが用
いられ、所定圧力に達した場合、先に空気導入口84が
開放されるように構成されている。このように空気導入
口84がインク供給路Aよりも先に開放されるため、記
録ヘッドのノズルからのインクのたれ等を防止すること
ができる。
【0091】そして、前記ロッド81及び遮蔽ロッド8
3は、制御装置85によって動作制御がなされる。すな
わち、印字が終了し、記録ヘッド33がホームポジショ
ンに戻り、電源がOFFされたことが検出されると、前
記制御装置85によってロッド81及び遮蔽ロッド83
は下方に移動し、インク供給路Aを遮断し、空気導入口
84を遮蔽する。
【0092】前記インク供給路Aが遮断されることによ
って、記録ヘッド33内及び記録ヘッド33側のインク
供給路A内のインクは密閉される。その結果、密閉され
たインクからの溶媒の蒸発は防止され、インクの粘性増
加は抑制される。また、空気導入口9が遮蔽されること
によって、インクカートリッジ内は密閉され、その結
果、密閉されたインクカートリッジ内のインクからの溶
媒の蒸発は防止され、インクの粘性増加は抑制される。
そして、インクカートリッジ内の内圧が高くなると、ス
プリング83aの付勢力に抗して遮蔽ロッド83は上昇
し、空気導入口84は大気開放される。その結果、イン
クカ−トリッジの圧力変化によるインクカ−トリッジの
破損、記録ヘッドのノズルからの空気の流入、インクの
たれ等を防止することができる。
【0093】その後、電源がONされた場合には、第1
の実施形態で説明したように、空気導入口9を開放した
後、インク供給路Aを開放するのが良い。
【0094】また図7に示すような逆止弁90をインク
カートリッジ80に更に設け、第2の空気導入口86の
開閉を行うように構成するのが良い。このようにコイル
バネ91により、常時、逆止弁90により第2の空気導
入口86を閉塞し、インクカートリッジ80内部の圧力
が所定圧以下になった際、第2の空気導入口86を開放
し、インクカートリッジ80の破損を防止するようにし
ても良い。
【0095】なお、第1の実施形態にあっては、インク
供給バルブ、空気導入口バルブとしていわゆる電磁バル
ブを用いることができるが、インク供給路の開閉、空気
導入口の開閉が行なえれば良く、例えば機械的に動作す
る逆止弁等であってもよく、特にこれらのものに限定さ
れるものではない。また、上記実施形態にあっては、電
源OFFの状態でサブタンク、インクカートリッジを密
閉する場合を例にとって説明したが、電源ON状態で印
字休止状態が一定時間を越えた場合にもサブタンク、イ
ンクカートリッジを密閉することが好ましく、この場合
にも本発明を適用することができる。
【0096】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインクジェット式記録装置にあっては、インク溶
媒の蒸発を防止するためインクカ−トリッジ、サブタン
クが密閉されていても、インクカ−トリッジ、サブタン
クの圧力変化によるインクカ−トリッジ、サブタンクの
破損、記録ヘッドのノズルからの空気の流入、インクの
たれ等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
構成を示した断面図である。
【図2】メインタンクから記録ヘッドに至るインク供給
系統の構成を示した模式図である。
【図3】インク供給ステージに配置された接続機構の構
成を示した側面図である。
【図4】接続機構に配置されるバルブユニットの形態を
示した断面図である。
【図5】空気導入口バルブ、インク供給バルブ等の制御
を実行させる制御回路の基本構成を示したブロック図で
ある。
【図6】本発明を適用した他の実施形態の構成を示した
断面図である。
【図7】本発明にかかるバルブの変形例を示した断面図
である。
【符号の説明】
1 サブタンク 2 接続機構 3 フロート部材 5 シール部材 6 バルブ部材(エアーバルブ) 7 インク補給口 8 インク供給口 9 空気導入口 10 吸引空間(吸引口) 13 バルブユニット 14 インク供給バルブ 15 空気導入口バルブ 31 メインタンク 32 インク供給路 33 記録ヘッド 34 吸引路 35 減圧ポンプ(負圧発生手段) 41 接続機構 51 バルブユニット 72 空気導入口バルブ制御装置 75 インク供給バルブ制御装置 80 インクカ−トリッジ 81 ロッド 81a スプリング 82 弁体 83 遮断ロッド 83a スプリング 84 空気導入口 85 制御装置 86 第2の空気導入口 90 逆止弁 91 コイルバネ A インク供給路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、キャリッジに搭載さ
    れて前記記録ヘッドにインクを供給するインク貯留部
    と、前記インク貯留部を大気と連通させる空気導入口
    と、前記空気導入口の開閉を行う空気導入口バルブと、
    前記インク貯留部から記録ヘッドに至るインク供給路
    と、前記インク供給路の開閉を行うインク供給バルブと
    を備えたインクジェット式記録装置であって、 前記空気導入口が空気導入口バルブによって閉じられ、
    かつインク供給路がインク供給バルブによって閉じられ
    た状態において、前記インク貯留部の圧力が所定圧以
    上、あるいは所定圧力以下になった場合、前記空気導入
    口バルブが前記インク供給バルブより先に開放されるよ
    うに構成されていることを特徴とするインクジェット式
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記空気導入口が空気導入口バルブによ
    って閉じられ、かつインク供給路がインク供給バルブに
    よって閉じられた状態において、前記インク貯留部の圧
    力が所定圧以上、あるいは所定圧力以下になり、前記空
    気導入口バルブがインク供給バルブより先に開放された
    場合であっても、前記インク供給バルブは閉じた状態が
    維持されるように構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、キャリッジに搭載さ
    れて前記記録ヘッドにインクを供給するインク貯留部
    と、前記インク貯留部を大気と連通させる空気導入口
    と、前記空気導入口の開閉を行う空気導入口バルブと、
    前記インク貯留部から記録ヘッドに至るインク供給路
    と、前記インク供給路の開閉を行うインク供給バルブと
    を備えたインクジェット式記録装置であって、 前記空気導入口バルブの空気導入口を閉じる力は、イン
    ク供給バルブのインク供給路を閉じる力より弱く設定さ
    れ、温度上昇によるインク貯留部内の圧力変化で前記空
    気導入口からインク貯留部内の空気が外部に排出される
    ように構成されていることを特徴とするインクジェット
    式記録装置。
  4. 【請求項4】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、キャリッジに搭載さ
    れて前記記録ヘッドにインクを供給するインク貯留部
    と、前記インク貯留部を大気と連通させる空気導入口
    と、前記空気導入口の開閉を行う空気導入口バルブと、
    前記インク貯留部から記録ヘッドに至るインク供給路
    と、前記インク供給路の開閉を行うインク供給バルブと
    を備えたインクジェット式記録装置であって、 前記空気導入口バルブの空気導入口を閉じる力は、イン
    ク供給バルブのインク供給路を閉じる力より弱く設定さ
    れ、温度低下によるインク貯留部内の圧力変化で前記空
    気導入口からインク貯留部内に外部の空気に流入される
    ように構成されていることを特徴とする請求項3に記載
    のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インク貯留部がインクカートリッジ
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    かに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インク貯留部がメインタンクからイ
    ンク供給を受けるサブタンクであることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット
    式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記空気導入口バルブは逆止弁であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、メインタンクからイ
    ンクの供給を受けると共に前記記録ヘッドにインクを供
    給するサブタンクと、前記メインタンクからサブタンク
    内にインクを供給するために、前記サブタンク内を減圧
    状態とする減圧ポンプから前記サブタンクに至る吸引路
    において接離可能に配置されたポンプ接続機構と、前記
    ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられたバルブと、
    前記メインタンクからサブタンクに至るインク供給路
    と、前記メインタンクからサブタンクに至るインク供給
    路において接離可能に配置されたメインタンク接続機構
    と、印字中は開放されサブタンク内を大気と連通させ、
    インク供給時には閉塞される空気導入口と、前記サブタ
    ンクから記録へッドに至るインク供給路を閉じるインク
    供給バルブと、前記空気導入口を閉塞する空気導入口バ
    ルブを備えたインクジェット式記録装置であって、 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に達した、あるいは
    所定圧以下になった場合には、前記ポンプ接続機構のサ
    ブタンク側に設けられたバルブがインク供給バルブより
    も先に開放されるように構成されていることを特徴とす
    るインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に達
    した、あるいは所定圧以下になり、前記ポンプ接続機構
    のサブタンク側に設けられたバルブが開放される場合に
    おいても、前記インク供給バルブは閉じた状態が維持さ
    れるように構成されていることを特徴とする請求項8に
    記載されたインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に
    達した場合には、前記空気導入口バルブがインク供給バ
    ルブよりも先に開放され、サブタンク内部の圧力が所定
    圧以下になった場合には、前記ポンプ接続機構のサブタ
    ンク側に設けられたバルブがインク供給バルブよりも先
    に開放されるように構成されていることを特徴とする請
    求項8に記載されたインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に
    達し、前記空気導入口が空気導入口バルブによって開放
    された場合、また、サブタンク内部の圧力が所定圧以下
    になり、前記ポンプ接続機構のサブタンク側に設けられ
    たバルブが開放された場合においても、前記インク供給
    バルブは閉じた状態が維持されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載されたインクジェッ
    ト式記録装置。
  12. 【請求項12】 前記メインタンクからサブタンクに至
    るインク供給路において接離可能に配置されたメインタ
    ンク接続機構の少なくともサブタンク側にバルブを具備
    したことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれ
    かに記載されたインクジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅
    方向に往復駆動される記録ヘッドと、メインタンクから
    インクの供給を受けると共に前記記録ヘッドにインクを
    供給するサブタンクと、前記メインタンクからサブタン
    ク内にインクを供給するために、前記サブタンク内を減
    圧状態とする減圧ポンプから前記サブタンクに至る吸引
    路において接離可能に配置されたポンプ接続機構と、前
    記メインタンクからサブタンクに至るインク供給路と、
    前記メインタンクからサブタンクに至るインク供給路に
    おいて接離可能に配置されたメインタンク接続機構と、
    前記メインタンク接続機構の少なくともサブタンク側に
    設けられたバルブと、印字中は開放されサブタンク内を
    大気と連通させ、インク供給時には閉塞される空気導入
    口と、前記サブタンクから記録へッドに至るインク供給
    路を閉じるインク供給バルブと、前記空気導入口を閉塞
    する空気導入口バルブを備えたインクジェット式記録装
    置であって、 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に達した場合には、
    前記空気導入口バルブがインク供給バルブよりも先に開
    放され、サブタンク内部の圧力が所定圧以下になった場
    合には、前記メインタンク接続機構のサブタンク側に設
    けられたバルブがインク供給バルブよりも先に開放され
    るように構成されていることを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
  14. 【請求項14】 サブタンク内部の圧力が所定圧以上に
    達し、前記空気導入口が空気導入口バルブによって開放
    された場合、また、サブタンク内部の圧力が所定圧以下
    になり、前記メインタンク接続機構のサブタンク側に設
    けられたバルブが開放された場合においても、前記イン
    ク供給バルブは閉じた状態が維持されるように構成され
    ていることを特徴とする請求項13に記載されたインク
    ジェット式記録装置。
  15. 【請求項15】 前記減圧ポンプからサブタンクに至る
    吸引路において接離可能に配置されたポンプ接続機構の
    少なくともサブタンク側にバルブを具備したことを特徴
    とする請求項13または請求項14に記載されたインク
    ジェット式記録装置。
  16. 【請求項16】 前記空気導入口を閉塞する空気導入口
    バルブが、サブタンク内部の圧力が所定圧以上になった
    場合に、サブタンク内部とサブタンク外部の圧力差によ
    って開くことを特徴とする請求項8乃至請求項15のい
    ずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
  17. 【請求項17】 前記ポンプ接続機構のサブタンク側に
    設けられたバルブが、サブタンク内部の圧力が所定圧以
    下になった場合に、サブタンク内部とサブタンク外部の
    圧力差によって開くことを特徴とする請求項8、9、1
    0、11、12、15に記載されたインクジェット式記
    録装置。
  18. 【請求項18】 前記メインタンク接続機構のサブタン
    ク側に設けられたバルブが、サブタンク内部の圧力が所
    定圧以下になった場合に、サブタンク内部とサブタンク
    外部の圧力差によって開くことを特徴とする請求項12
    乃至請求項15のいずれかに記載されたインクジェット
    式記録装置。
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