JP2021028123A - インク収容装置 - Google Patents

Abstract

【課題】昇華転写インクの注入における作業性を向上させる。【解決手段】昇華転写インクを収容するボトルから注入口９１１を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体９１と、注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１を有し、キャップ９２１が注入口９１１を閉塞する閉塞位置と、キャップ９２１が注入口９１１を開放する開放位置と、に移動可能な第１カバー９２と、を備え、キャップ９２１は、第１カバー９２が閉塞位置と開放位置との間を移動するとき、注入口９１１に対して、注入口９１１の開口方向に挿抜可能であり、第１カバーは、単一の指によるキャップ９２１の挿抜を可能にする、指かけ部９２３を有する。【選択図】図３

Description

本発明は、インクボトルから注入されるインクを収容するインク収容装置に関する。

従来から、インクボトルから注入されるインクを収容するインク収容装置において、注入口を封止するキャップが知られている。例えば、特許文献１には、インクボトルから注入されるインクを収容するインクタンクと、当該インクタンクの注入口を封止可能なキャップとを備えたインクジェット記録装置が開示されている。

特開２０１８−１８３９６０号公報

ところで、昇華転写インクは皮膚刺激性がある色材を含む。そのため、昇華転写インクを扱う場合に、ユーザーは手袋を装着することが多い。ユーザーが、上記特許文献１に開示されるキャップを注入口から外すとき、ユーザーはキャップを把持する必要がある。手袋を装着したユーザーにとっては、キャップの把持が困難になる場合がある。すなわち、昇華転写インクを、ボトルから収容体へ注入する際の作業性が悪い、という課題があった。

上記課題を解決するインク収容装置は、昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、前記インナーカバーは、単一の指による前記キャップの挿抜を可能にする、指かけ部を有する。

これによれば、ユーザーが、昇華転写インクを収容体へ注入する際に、キャップを把持する必要が無いため、ユーザーによる、昇華転写インクの注入の作業性が向上する。

上記課題を解決するインク収容装置は、昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、前記インナーカバーは、前記インナーカバーが前記閉塞位置に位置する状態において、前記開口方向と交差する方向に延在し、かつ、前記インク収容体のうち前記注入口が設けられる第１面に対して所定の距離を以て対向する面、を含む指かけ部を有する。

これによれば、ユーザーは、第１面と指かけ部に含まれる面との間に指を挿入し、指かけ部に含まれる面を押圧することにより、キャップを開放位置に移動させることができるため、昇華転写インクをインク収容体へ注入する際に、キャップを把持する必要が無い。したがって、ユーザーによる昇華転写インクの注入の作業性が向上する。

一実施形態におけるインク収容装置を示す斜視図。 インク収容装置の電気的構成を示すブロック図。 インク収容部の斜視図。 第１カバーを上方から見た概略図。 第１カバーを側方から見た概略図。

以下、インク収容装置の一実施形態を説明する。

図１に示すように、インク収容装置としてのインクジェットプリンター１００は、本体部２と、本体部２を支持する脚部３と、を備える。本体部２は、高さ、奥行及び幅としてそれぞれ所定の長さを有する。インクジェットプリンター１００は、水平面上に置かれているものとし、幅方向と奥行方向は実質的に水平である。そして、鉛直方向をＺ軸で、奥行方向をＹ軸で、幅方向をＺ軸及びＹ軸と交差するＸ軸で、それぞれ示す。Ｘ軸、Ｚ軸及びＹ軸は、それぞれ幅、高さ及び奥行の長さを示す座標軸となる。

以下の説明では、Ｘ軸に沿う方向を幅方向と示し、Ｘ軸のうち一方の方向を＋Ｘ方向と示し、Ｘ軸のうち他方の方向を−Ｘ方向と示す。Ｙ軸に沿う方向を奥行方向と示し、Ｙ軸のうち一方の方向を＋Ｙ方向と示し、Ｙ軸のうち他方の方向を−Ｙ方向と示す。また、Ｚ軸に沿う１方向を鉛直方向と示し、鉛直下方向を−Ｚ方向と示し、鉛直上方向を＋Ｚ方向と示す。

以下の説明では、説明の便宜のため、上、下、左、右、前、及び後と示す場合がある。これらの方向は、インクジェットプリンター１００の＋Ｙ方向側にユーザーがいると仮定したときに、そのユーザーから見た各方向を示すものとする。

インクジェットプリンター１００は、媒体１に画像を記録する記録部１０と、媒体１を搬送する搬送部２０と、記憶部３０と、制御部４０と、情報を表示する表示部５０と、インクを収容するインク収容体９１を有するインク収容部９を備える。記録部１０、搬送部２０、記憶部３０、及び制御部４０は、本体部２に収容される。表示部５０は、本体部２の上面に設けられ、前方に位置する。インク収容部９が有するインク収容体９１は、本体部２の前方に設けられる。

記録部１０は、記録ヘッド１１と、キャリッジ軸１２と、キャリッジ１３と、プラテン１４と、を備える。記録ヘッド１１は媒体１にインクを吐出する。キャリッジ軸１２はＸ軸に沿う方向に延在する。キャリッジ１３はキャリッジ軸１２に支持され、Ｘ軸に沿う方向に走査する。媒体１はプラテン１４に支持される。記録ヘッド１１が搭載されたキャリッジ１３がＸ軸に沿う方向に走査しながら、プラテン１４に支持される媒体１に対して記録ヘッド１１からインクが吐出されることにより、媒体１に画像が記録される。

インク収容体９１に収容されるインクは、染色物への染色に用いられる中間転写媒体を印刷するための昇華転写インクである。すなわち、記録部１０により画像が記録された媒体１は、染色物への染色に用いられる中間転写媒体であり、このような中間転写媒体への印刷に用いられるインクを昇華転写インクと称する。

本実施形態における昇華転写インクは、例えばイエローインク組成物であり、イエロー染料として、Ｃ．Ｉ．ディスパースイエロー３、４、５、７、９、１３、２３、２４、３０、３３、３４、４２、４４、４９、５０、５１、５４、５６、５８、６０、６３、６４、６６、６８、７１、７４、７６、７９、８２、８３、８５、８６、８８、９０、９１、９３、９８、９９、１００、１０４、１０８、１１４、１１６、１１８、１１９、１２２、１２４、１２６、１３５、１４０、１４１、１４９、１６０、１６２、１６３、１６４、１６５、１７９、１８０、１８２、１８３、１８４、１８６、１９２、１９８、１９９、２０２、２０４、２１０、２１１、２１５、２１６、２１８、２２４、２２７、２３１、２３２の少なくとも一種を含む。このなかでも、Ｃ．Ｉ．ディスパースイエロー５４が好ましい。このようなイエロー染料を用いることにより、染色物の発色性がより向上する傾向にある。イエロー染料の含有量は、イエローインク組成物の総量に対して、好ましくは１．０〜４．０質量％であり、より好ましくは１．５〜３．５質量％であり、さらに好ましくは２．０〜３．０質量％である。イエロー染料の含有量が上記範囲内であることにより、インクの打ち込み量を低減しつつ、十分な染色物の発色性を得られる傾向にある。

本実施形態における昇華転写インクは、例えばマゼンタインク組成物であり、マゼンタ染料として、Ｃ．Ｉ．ディスパースレッド１、４、５、７、１１、１２、１３、１５、１７、２７、４３、４４、５０、５２、５３、５４、５５、５６、５８、５９、６０、６５、７２、７３、７４、７５、７６、７８、８１、８２、８６、８８、９０、９１、９２、９３、９６、１０３、１０５、１０６、１０７、１０８、１１０、１１１、１１３、１１７、１１８、１２１、１２２、１２６、１２７、１２８、１３１、１３２、１３４、１３５、１３７、１４３、１４５、１４６、１５１、１５２、１５３、１５４、１５７、１５９、１６４、１６７、１６９、１７７、１７９、１８１、１８３、１８４、１８５、１８８、１８９、１９０、１９１、１９２、２００、２０１、２０２、２０３、２０５、２０６、２０７、２１０、２２１、２２４、２２５、２２７、２２９、２３９、２４０、２５７、２５８、２６６、２７７、２７８、２７９、２８１、２８８、２９８、３０２、３０３、３１０、３１１、３１２、３２０、３２４、３２８の少なくとも一種を含む。このなかでも、Ｃ．Ｉ．ディスパースレッド６０が好ましい。このようなマゼンタ染料を用いることにより、染色物の発色性がより向上する傾向にある。マゼンタ染料の含有量は、マゼンタインク組成物の総量に対して、好ましくは４．０〜８．０質量％であり、より好ましくは４．５〜７．０質量％であり、さらに好ましくは５．０〜６．０質量％である。マゼンタ染料の含有量が上記範囲内であることにより、インクの打ち込み量を低減しつつ、十分な染色物の発色性を得られる傾向にある。

本実施形態における昇華転写インクは、例えばシアンインク組成物であり、シアン染料として、Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー３、７、９、１４、１６、１９、２０、２６、２７、３５、４３、４４、５４、５５、５６、５８、６０、６２、６４、７１、７２、７３、７５、７９、８１、８２、８３、８７、９１、９３、９４、９５、９６、１０２、１０６、１０８、１１２、１１３、１１５、１１８、１２０、１２２、１２５、１２８、１３０、１３４、１３９、１４１、１４２、１４３、１４６、１４８、１４９、１５３、１５４、１５８、１６５、１６７、１７１、１７３、１７４、１７６、１８１、１８３、１８５、１８６、１８７、１８９、１９７、１９８、２００、２０１、２０５、２０７、２１１、２１４、２２４、２２５、２５７、２５９、２６６、２６７、２６８、２７０、２８４、２８５、２８７、２８８、２９１、２９３、２９５、２９７、３０１、３１５、３３０、３３３、３５９、３６０の少なくとも一種を含む。このなかでも、Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー１４、３５９が好ましく、Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー３５９がより好ましい。このようなシアン染料を用いることにより、染色物の発色性がより向上する傾向にある。シアン染料の含有量は、シアンインク組成物の総量に対して、好ましくは３．０〜７．０質量％であり、より好ましくは４．０〜６．０質量％であり、さらに好ましくは４．５０〜５．０質量％である。シアン染料の含有量が上記範囲内であることにより、インクの打ち込み量を低減しつつ、十分な染色物の発色性を得られる傾向にある。

本実施形態における昇華転写インクはブラックインク組成物であり、上記マゼンタ染料の少なくとも１種と、上記イエロー染料の少なくとも１種と、上記シアン染料の少なくとも１種と、を含む。イエロー染料の含有量は、ブラックインク組成物の総量に対して、好ましくは０．１０〜１．０質量％であり、より好ましくは０．２０〜０．８０質量％であり、さらに好ましくは０．４０〜０．６０質量％である。マゼンタ染料の含有量は、ブラックインク組成物の総量に対して、好ましくは１．５〜２．５質量％であり、より好ましくは１．７〜２．３質量％であり、さらに好ましくは１．９〜２．１質量％である。シアン染料の含有量は、ブラックインク組成物の総量に対して、好ましくは３．７５〜４．７５質量％であり、より好ましくは３．５〜４．５質量％であり、さらに好ましくは３．８〜４．２質量％である。イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料の各染料の含有量が上記範囲内であることにより、黒色階調性がより向上する傾向にある。
なお、本実施形態における昇華転写インクとしてのブラックインク組成物は、Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー３６０を含み、Ｃ．Ｉ．ディスパースオレンジ１、３、５、７、１１、１３、１７、２０、２１、２５、２９、３０、３１、３２、３３、３７、３８、４２、４３、４４、４５、４６、４７、４８、４９、５０、５３、５４、５５、５６、５７、５８、５９、６１、６６、７１、７３、７６、７８、８０、８９、９０、９１、９３、９６、９７、１１９、１２７、１３０、１３９、１４２等のオレンジ染料や、Ｃ．Ｉ．ディスパースブラウン１、２、４、９、１３、１９、２７等のブラウン染料を含んでも良い。Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー３６０の含有量は、第２のブラックインク組成物の総量に対して、好ましくは１．００〜４．００質量％であり、より好ましくは１．５〜３．５質量％であり、さらに好ましくは２．０〜３．０質量％である。Ｃ．Ｉ．ディスパースブルー３６０の含有量が上記範囲内であることにより、インクの打ち込み量を低減しつつ、黒濃度がより向上する傾向にある。

図２に示すように、制御部４０は、インターフェイス部４１と、中央演算処理部４２と、メモリー４３と、駆動制御部４４と、を備える。制御部４０には、検出部６０が電気的に接続される。

図３に示すように、インク収容部９は、インク収容体９１と、インナーカバーとしての第１カバー９２と、第２カバー９３と、を備える。

インク収容部９は、インク収容体９１として、第１インク収容体９１Ａ、第２インク収容体９１Ｂ、第３インク収容体９１Ｃ、及び第４インク収容体９１Ｄを備える。第１インク収容体９１Ａ、第２インク収容体９１Ｂ、第３インク収容体９１Ｃ、及び第４インク収容体９１Ｄは、＋Ｘ方向を整列方向として、この順に並ぶ。第１インク収容体９１Ａは昇華転写インクとしてのシアンインク組成物を収容する。第２インク収容体９１Ｂは昇華転写インクとしてのイエローインク組成物を収容する。第３インク収容体９１Ｃは昇華転写インクとしてのマゼンタインク組成物を収容する。第４インク収容体９１Ｄは昇華転写インクとしてのブラックインク組成物を収容する。なお、各インク収容体９１に収容される昇華転写インクの組み合わせは、本実施形態に限定されない。

インク収容体９１は、第１面としての上面に注入口９１１が設けられる。本実施形態において、注入口９１１の開口面に直交する方向である開口方向は、＋Ｚ方向である。なお、注入口９１１の開口面は、注入口９１１の縁を含む仮想的な平面として定義される。

第１カバー９２は、注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１と、指かけ部９２３と、を有する。第１カバー９２は、第１カバー軸９２４を中心に回動可能に支持される。第１カバー９２は、キャップ９２１が注入口９１１を閉塞する閉塞位置と、キャップ９２１が注入口を開放する開放位置と、に移動する。なお、第１カバー９２の開放位置とは、第１カバー９２が開放位置にあるとき、ユーザーが、インクが収容されたボトルから、注入口９１１を介してインク収容体９１にインクを注入することができるような位置である。

第１カバー９２が、閉塞位置から開放位置に移動するとき、キャップ９２１は注入口９１１に対して、少なくとも＋Ｚ方向を含む方向に移動し、注入口９１１から離間する。すなわち、キャップ９２１に対して＋Ｚ方向の力が作用すれば、注入口９１１からキャップ９２１が離間する。

本実施形態においては、第１カバー９２として、第１カバー９２Ａ、９２Ｂ、９２Ｃ、及び９２Ｄを備え、それぞれ、第１インク収容体９１Ａ、第２インク収容体９１Ｂ、第３インク収容体９１Ｃ、及び第４インク収容体９１Ｄに対応する。より詳細には、第１カバー９２Ａは、第１インク収容体９１Ａに設けられる注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１を有する第１カバー９２である。第１カバー９２Ｂは、第２インク収容体９１Ｂに設けられる注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１を有する第１カバー９２である。第１カバー９２Ｃは、第３インク収容体９１Ｃに設けられる注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１を有する第１カバー９２である。第１カバー９２Ｄは、第４インク収容体９１Ｄに設けられる注入口９１１を閉塞可能なキャップ９２１を有する第１カバー９２である。

指かけ部９２３の下方には、ユーザーが指を進入させることが可能な隙間がある。ユーザーは当該隙間に指を進入させて、指かけ部９２３の下方面を＋Ｚ方向に押圧することにより、第１カバー９２を閉塞位置から開放位置に移動させることができる。なお、この時ユーザーが押圧する指かけ部７２の下方面は、インク収容体９１の上面と対向する。

第１カバー９２が閉塞位置にある状態において、Ｙ軸に沿う方向において、キャップ９２１と第１カバー軸９２４との距離より、キャップ９２１と指かけ部７２３との距離が小さい。換言すれば、キャップ９２１は、第１カバー軸９２４に対して、指かけ部９２３により近い位置に設けられる。

第２カバー９３は、ラベル貼付面９３１と、ラベル貼付面９３１に貼付されるラベル９３２と、を有する。第２カバー９３は、第１カバー９２を覆うカバー位置に移動可能である。キャップ９２１が注入口９１１を閉塞しておらず、かつ、注入口９１１の縁に接触した状態で、第２カバー９３がカバー位置に移動すると、第２カバー９３により第１カバー９２が押圧され、第１カバー９２は閉塞位置に移動される。換言すれば、第２カバー９３がカバー位置に移動することにより、キャップ９２１が注入口９１１に挿入される。

図４に示すように、第１カバー９２Ａ、９２Ｂ、９２Ｃ、及び９２Ｄは、＋Ｘ方向を整列方向として、この順に並ぶ。

第１インク収容体９１Ａに対応する第１カバー９２Ａは、指かけ部９２３として第１指かけ部９２３Ａを有する。第２インク収容体９１Ｂに対応する第１カバー９２Ｂは、指かけ部９２３として第２指かけ部９２３Ｂを有する。第３インク収容体９１Ｃに対応する第１カバー９２Ｃは、指かけ部９２３として第３指かけ部９２３Ｃを有する。第４インク収容体９１Ｄに対応する第１カバー９２Ｄは、指かけ部９２３として第３指かけ部９２３Ｄを有する。第１指かけ部９２３Ａと、第３指かけ部９２３Ｃとの、Ｘ軸に沿う方向における距離Ｌ１は、２５ｍｍより大きい。これによれば、第２指かけ部９２３Ｂを操作するために十分なスペースが確保されるため、ユーザーが第２インク収容体９１Ｂの第１カバー９２Ｂを操作する際に、誤って、第１カバー９２Ａや第１カバー９２Ｃを操作してしまう虞が低減する。

また、第１指かけ部９２３ＡのＸ軸方向における寸法Ｌ２より、第１指かけ部９３２Ａと第２指かけ部９２３ＢとのＸ軸における距離Ｌ３が大きい。指かけ部９２３が、指による操作に最適化された寸法である場合に、指かけ部９２３の周辺のスペースを活用して、第１カバー９２を開放させることができる。なお、距離Ｌ３は、１６ｍｍより大きいことが好ましい。

図５に示すように、閉塞位置にある第１カバー９２の指かけ部９２３の下方には、高さ寸法Ｌ４の隙間が設けられる。寸法Ｌ４は１３ｍｍ以上であることが好ましい。また、指かけ部９２３の下方面のＹ軸方向における寸法Ｌ５は１０ｍｍ以上であることが好ましい。

以下、上記実施形態から把握される技術思想を効果と共に記載する。
インク収容装置は、昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、前記インナーカバーは、単一の指による前記キャップの挿抜を可能にする、指かけ部を有する。

この構成によれば、ユーザーが、昇華転写インクを収容体へ注入する際に、キャップを把持する必要が無い。したがって、ユーザーによる、昇華転写インクの注入作業の作業性が向上する。

また、インク収容装置は、昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、前記インナーカバーは、前記インナーカバーが前記閉塞位置に位置する状態において、前記開口方向と交差する方向に延在し、かつ、前記インク収容体のうち前記注入口が設けられる第１面に対して所定の距離を以て対向する面、を含む指かけ部を有する。

この構成によれば、ユーザーは、第１面と指かけ部に含まれる面との間に指を挿入し、指かけ部に含まれる面を押圧することにより、キャップを開放位置に移動させることができるため、昇華転写インクをインク収容体へ注入する際に、キャップを把持する必要が無い。したがって、ユーザーによる昇華転写インクの注入作業の作業性が向上する。

上記インク収容装置において、前記インナーカバーは軸を中心に回動し、前記軸と前記指かけ部との間に前記キャップが位置してもよい。

この構成によれば、注入口に挿入された状態のキャップを注入口から離間させるために必要な指かけ部の移動量、及び注入口に挿入されていない状態のキャップを注入口に挿入させるために必要な指かけ部の移動量を小さくすることができる。したがって、ユーザーにとって、インナーカバーを移動させるための操作が容易になり、昇華転写インクを注入する際の作業性が向上する。

上記インク収容装置において、前記注入口の前記開口方向と交差する方向を整列方向として、前記インク収容体としての第１インク収容体と、第２インク収容体とが、この順に並び、前記第１インク収容体に設けられる第１インナーカバーの指かけ部と、前記第２インク収容体に設けられる第２インナーカバーの指かけ部と、の前記整列方向における距離は、前記第１インナーカバーの指かけ部の前記整列方向における寸法より大きい、構成であってもよい。

この構成によれば、隣接するインナーカバー間のスペースが確保される。したがって、ユーザーは当該スペースに指を進入させて、インナーカバーを操作することができ、昇華転写インクを注入する際の作業性が向上する。

上記インク収容装置において、前記注入口の前記開口方向と交差する方向を整列方向として、前記インク収容体としての第１インク収容体と、第２インク収容体と、第３インク収容体とが、この順に並び、前記第１インク収容体に設けられる第１インナーカバーの指かけ部と、前記第３インク収容体に設けられる第３インナーカバーの指かけ部と、の前記整列方向における距離が、２５ｍｍより大きい、構成であってもよい。

この構成によれば、２つのインナーカバーに挟まれたインナーカバーの作業スペースが確保され、ユーザーが誤って周囲のインナーカバーを操作してしまう虞が低減する。したがって、ユーザーが昇華転写インクを注入する際の作業性が向上する。

上記インク収容装置において、前記インナーカバーを覆うカバー位置に移動可能な第２カバーを備え、前記第２カバーが前記カバー位置に移動することによって、前記注入口に接触した状態の前記キャップが、前記注入口に挿入される、構成であってもよい。

特に手袋を装着したユーザーにとって、指先の感覚は鈍りやすく、閉塞位置にないインナーカバーに対して、閉塞位置にあると誤認することがある。この構成によれば、位置を誤認されたインナーカバーが、少なくともキャップが注入口に接触した状態であれば、第２カバーの移動により閉塞位置に移動される。したがって、ユーザーが昇華転写インクを注入する際の作業性が向上する。

１…媒体、９…インク収容部、９１…インク収容体、９１Ａ…第１インク収容体、９１Ｂ…第２インク収容体、９１Ｃ…第３インク収容体、９１Ｄ…第４インク収容体、９１１…注入口、９２…インナーカバーとしての第１カバー、９２Ａ…第１インク収容体に対応する第１カバー、９２Ｂ…第２インク収容体に対応する第１カバー、９２Ｃ…第３インク収容体に対応する第１カバー、９２Ｄ…第４インク収容体に対応する第１カバー、９２１…キャップ、９２３…指かけ部、９２３Ａ…第１指かけ部、９２３Ｂ…第２指かけ部、９２３Ｃ…第３指かけ部、９３…第２カバー、１００…液体収容装置としてのインクジェットプリンター。

Claims (6)

1. 昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、
   前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、
   前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、
   前記インナーカバーは、単一の指による前記キャップの挿抜を可能にする、指かけ部を有する、インク収容装置。
2. 昇華転写インクを収容するボトルから注入口を介して注入される前記昇華転写インクを収容可能なインク収容体と、
   前記注入口を閉塞可能なキャップを有し、前記キャップが前記注入口を閉塞する閉塞位置と、前記キャップが前記注入口を開放する開放位置と、に移動可能なインナーカバーと、を備え、
   前記キャップは、前記インナーカバーが前記閉塞位置と前記開放位置との間を移動するとき、前記注入口に対して、前記注入口の開口方向に挿抜可能であり、
   前記インナーカバーは、前記インナーカバーが前記閉塞位置に位置する状態において、前記開口方向と交差する方向に延在し、かつ、前記インク収容体のうち前記注入口が設けられる第１面に対して所定の距離を以て対向する面、を含む指かけ部を有する、インク収容装置。
3. 前記インナーカバーは軸を中心に回動し、
   前記軸と前記指かけ部との間に前記キャップが位置する、請求項１または２に記載のインク収容装置。
4. 前記注入口の前記開口方向と交差する方向を整列方向として、前記インク収容体としての第１インク収容体と、第２インク収容体とが、この順に並び、
   前記第１インク収容体に設けられる第１インナーカバーの指かけ部と、前記第２インク収容体に設けられる第２インナーカバーの指かけ部と、の前記整列方向における距離は、前記第１インナーカバーの指かけ部の前記整列方向における寸法より大きい、請求項１〜３のいずれか一項に記載のインク収容装置。
5. 前記注入口の前記開口方向と交差する方向を整列方向として、前記インク収容体としての第１インク収容体と、第２インク収容体と、第３インク収容体とが、この順に並び、
   前記第１インク収容体に設けられる第１インナーカバーの指かけ部と、前記第３インク収容体に設けられる第３インナーカバーの指かけ部と、の前記整列方向における距離が、２５ｍｍより大きい、請求項１〜４のいずれか一項に記載のインク収容装置。
6. 前記インナーカバーを覆うカバー位置に移動可能な第２カバーを備え、
   前記第２カバーが前記カバー位置に移動することによって、前記注入口に接触した状態の前記キャップが、前記注入口に挿入される、請求項１〜５のいずれか一項に記載のインク収容装置。

Images