JPH07162130A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH07162130A
JPH07162130A JP30507093A JP30507093A JPH07162130A JP H07162130 A JPH07162130 A JP H07162130A JP 30507093 A JP30507093 A JP 30507093A JP 30507093 A JP30507093 A JP 30507093A JP H07162130 A JPH07162130 A JP H07162130A
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JP
Japan
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resist
photoconductive layer
image
conductive substrate
resist image
Prior art date
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Application number
JP30507093A
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English (en)
Inventor
Kenji Hyodo
建二 兵頭
Wakana Inoue
和佳奈 井上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH07162130A publication Critical patent/JPH07162130A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い解像度を有し、欠陥の少ないファインな
回路パターンを有するプリント配線板の製造方法を提供
する。 【構成】 導電性基板上に非回路部に相当するレジスト
画像を設け、このレジスト画像以外の導電性基板上に金
属めっきを施して金属配線パターンを作製し、次いでレ
ジスト画像を除去し、絶縁性材料で導電性基板をコーテ
ィングした後、金属配線パターンを絶縁性材料に転写す
るプリント配線板の製造方法において、レジスト画像を
電子写真法で作製することを特徴とするプリント配線板
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基板上に非回路
部に相当するレジスト画像を設け、レジスト画像部以外
の導電性基板上に金属めっきを施して金属配線パターン
を作製し、次いでレジスト画像を除去した後、この銅配
線パターンを絶縁性材料に転写するプリント配線板の製
造方法に関し、レジスト画像が鮮明であり、高解像度を
有する金属配線パターンを得られるプリント配線板の製
造法に関する。
【0002】
【従来技術】プリント配線板の製造方法はサブトラクテ
ィブ法とアディティブ法の二つに大別される。サブトラ
クティブ法は絶縁性基板に銅等の導電層を設けた積層板
上にレジスト層を形成し、そのレジスト層で被覆されて
いない導電層をエッチングにより取り除く方法である。
現行のプリント配線板製造工程では最も技術的に確立さ
れており、コスト的に大変有利なシステムである。ま
た、導電層と絶縁性基板の密着性が優れている。しかし
一般に積層板として銅張積層板が使用されるが、銅層の
厚みが18〜35μmと厚いために、エッチング時にサイド
エッチングによって配線パターンが細り、特に線幅 100
μm以下の細線画像を有する配線パターンの形成が非常
に難しいという欠点がある。
【0003】アディティブ法は絶縁性基板上の配線パタ
ーン部にのみ導電層を形成する方法である。導電層の形
成は通常無電解銅めっき法で行われるめに、サイドエッ
チングの心配がなく、ファインパターン化が可能であ
る。しかし、この無電解めっき法は複雑で、また絶縁性
基板と銅層の密着性が悪い。
【0004】そこで、より高密度なプリント配線板を製
造する方法として配線転写法が提案されている。この方
法では導電性基板上にめっきレジストでレジスト画像を
設け、このレジスト画像以外の導電性基板上に金属めっ
きを施して金属配線パターンを作製し、次いでレジスト
画像を除去した後、金属配線パターンのみを絶縁性材料
に転写する方法である。この方法では、配線パターンが
絶縁性材料中に埋まった平面構造をとるうえに、アディ
ティブ法と同様に細線パターンを形成することが可能で
ある。また、銅めっきは導電性基板上に行うので、無電
解めっき法より技術的に簡単な電解めっき法で行うこと
もできる。
【0005】配線転写法のめっきレジストとしては、レ
ジストインク、液状レジストおよびドライフィルムフォ
トレジストが使用されている。レジストインクは熱硬化
型、UV硬化型、熱乾燥型の三種類があり、スキージに
よってレジストインクをスクリーン版から押し出し、導
電性基板上に転写するスクリーン印刷法でレジスト画像
を作製する。この方法では画像の精度が導電性基板の表
面粗さやスクリーンのメッシュの影響によりおとり、 2
00μm以下のファインパターン化には不向きである。し
かも表面上の傷等への追随性は非常に悪く、高解像度の
画像を得ることが困難である。
【0006】液状レジストは印刷法より高解像度を得ら
れる写真法に対応した材料としてプリント配線板製造に
用いられてきた。しかし塗布方式、液性状からくる膜厚
のばらつきが大きい等の理由からファインパターン化に
対応するのが困難になった。
【0007】液状レジストの欠点を改善したのがドライ
フィルムフォトレジストである。ドライフィルムフォト
レジストはレジストがキャリアフィルムと保護フィルム
で挟まれた三層構造を成している。導電性基板へのドラ
イフィルムの貼り付けは、キャリアフィルムを剥しなが
ら導電性基板表面に熱圧着させて行う。熱圧着法では金
属の凹凸に対してレジストの追随性が悪く、また密着性
も弱いので、作業中にレジストが剥離したり、ファイン
パターン化に対応できない等の問題があった。また、強
度を持たせるためにフィルムが約50μmと厚いという
こともファインパターン化を進めるにあたっての欠点と
なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】液状レジストおよびド
ライフィルムフォトレジストは感光性樹脂からなり、ネ
ガ型レジストでは露光部が硬化して溶出液に対して不溶
性となる。逆にポジ型レジストでは露光部が溶出液に対
して可溶性となる。露光は一般にフォトツールを介した
UV密着露光法で行われるが、フォトツールの作製に時
間がかかること、フォトツールとレジストの間のゴミ、
ほこり等により画像欠落等が起こる、フォトツールを剥
す際にレジストに欠陥ができるといった問題があった。
このためレーザー光による直接描画法への期待が高まっ
ている。しかし、現行の液体レジストやドライフィルム
フォトレジストでは光学感度がネガ型で数〜数百mJ/
cm2と低く、レーザー直接描画に対応するには困難で
あった。
【0009】本発明は、導電性基板上にレジスト画像を
設け、このレジスト画像以外の導電性基板上に金属めっ
きを施して金属配線パターンを作製し、次いでレジスト
画像を除去した後、金属配線パターンを絶縁性材料に転
写するプリント配線板の製造方法において、レジストを
高感度化することにより、レーザー直接描画を可能に
し、よりファイン化した金属配線パターンを得ることが
できるプリント配線板の製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するために鋭意検討した結果、導電性基板上にレジ
スト画像を設け、このレジスト画像以外の導電性基板上
に金属めっきを施して金属配線パターンを作製し、次い
でレジスト画像を除去した後、金属配線パターンを絶縁
性材料に転写するプリント配線板の製造方法において、
レジスト画像を電子写真法で作製すれば良いことを見い
出した。本発明によりプリント配線板を製造すれば、レ
ジスト膜厚が薄く、また光学感度が高く、レーザー直接
描画に対応できるので、レジスト画像が明瞭で高解像度
を有しており、最終的にファインパターンを有するプリ
ント配線板を得ることができる。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
係わるレジスト画像は電子写真法で作製する。つまり、
導電性基板上に光導電層を設け、光導電層表面を一様に
帯電し、非回路部を露光後トナー現像してトナー画像を
得る。このトナー画像をレジストとして回路部の光導電
層をアルカリ液により溶出除去して回路部の導電性基板
が露出した状態を得ることができる。
【0012】本発明で用いられる光導電層は少なくとも
光導電性化合物と結着樹脂を含有する。本発明で用いら
れる光導電性化合物としては、有機および無機の光導電
性化合物が使用できる。無機光導電性化合物としては、
セレンおよびセレン合金、アモルファスシリコン、硫化
カドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン等を挙げ
ることができる。また、有機光導電性化合物としては、
a)米国特許第3112197号明細書等に記載のトリ
アゾール誘導体、b)米国特許第3189447号明細
書等に記載のオキサジアゾール誘導体、c)特公昭37
−16096号公報等に記載のイミダゾール誘導体、
d)米国特許第3542544号、同3615402
号、同3820989号明細書、特公昭45−555
号、同51−10983号、特開昭51−93224
号、同55−108667号、同55−156953
号、同56−36656号公報等に記載のポリアリール
アルカン誘導体、e)米国特許第3180729号、同
4278746号明細書、特開昭55−88064号、
同55−88065号、同49−105537号、同5
5−51086号、同56−80051号、同56−8
8141号、同57−45545号、同54−1126
37号、同55−74546号公報等に記載のピラゾリ
ン誘導体及びピラゾロン誘導体、f)米国特許第361
5404号明細書、特公昭51−10105号、同46
−3712号、同47−28336号、特開昭54−8
3435号、同54−110836号、同54−119
925号公報等に記載のフェニレンジアミン誘導体、
g)米国特許第3567450号、同3180703
号、同3240597号、同3658520号、同42
32103号、同4175961号、同4012376
号明細書、西独国特許(DAS)1110518号、特
公昭49−35702号、同39−27577号、特開
昭55−144250号、同56−119132号、同
56−22437号公報等に記載のアリールアミン誘導
体、h)米国特許第3526501号明細書記載のアミ
ノ置換カルコン誘導体、i)米国特許第3542546
号明細書等に記載のN、N-ビカルバジル誘導体、j)米
国特許第3257203号明細書等に記載のオキサゾー
ル誘導体、k)特開昭56−46234号公報等に記載
のスチリルアントラセン誘導体、l)特開昭54−11
0837号公報等に記載のフルオレノン誘導体、m)米
国特許第3717462号明細書、特開昭54−591
43号(米国特許第4150987号に対応)、同55
−52063号、同55−52064号、同55−46
760号、同55−85495号、同57−11350
号、同57−148749号、同57−104144号
公報等に記載のヒドラゾン誘導体、n)米国特許第40
47948号、同4047949号、同4265990
号、同4273846号、同4299897号、同43
06008号明細書等に記載のベンジジン誘導体、o)
特開昭58−190953号、同59−95540号、
同59−97148号、同59−195658号、同6
2−36674号公報等に記載のスチルベン誘導体、
p)特公昭34−10966号公報に記載のポリビニル
カルバゾール及びその誘導体、q)特公昭43−186
74号、同43−19192号公報に記載のポリビニル
ビレン、ポリビニルアントラセン、ポリ-2-ビニル-4-
( 4'-ジメチルアミノフェニル)-5-フェニルオキサゾ
ール、ポリ-3-ビニル-N-エチルカルバゾール等のビニ
ル重合体、r)特公昭43−19193号公報に記載の
ポリアセナフチレン、ポリインデン、アセナフチレン/
スチレン共重合体等の重合体、s)特公昭56−139
40号公報等に記載のピレン/ホルムアルデヒド樹脂、
エチルカルバゾール/ホルムアルデヒド樹脂等の縮合樹
脂、t)特開昭56−90883号、同56−1615
50号公報等に記載の各種トリフェニルメタン重合体、
u)米国特許第3397086号、同4666802
号、特開昭51−90827号、同52−655643
号、特開昭64−2061号、同64−4389号等に
記載の無金属或は金属(酸化物)フタロシアニン及びナ
フタロシアニン、及びその誘導体等がある。本発明に係
わる有機光導電性化合物は、a)〜u)に挙げられた化
合物に限定されず、他の有機光導電性化合物を用いるこ
とが出来る。これらの有機光導電性化合物は、所望によ
り2種類以上を併用することが可能である。
【0013】また本発明においては、光導電層の感度の
向上や所望の波長域に感度を持たせるためなどの目的
で、各種の顔料、染料等を併用することが出来る。これ
らの例としては、1)米国特許第4436800号、同
4439506号明細書、特開昭47−37543号、
同58−123541号、同58−192042号、同
58−219263号、同59−78356号、同60
−179746号、同61−148453号、同61−
238063号、特公昭60−5941号、同60−4
5664号公報等に記載のモノアゾ、ビスアゾ、トリス
アゾ顔料、2)米国特許第3371884号明細書等に
記載のペリレン系顔料、3)英国特許第2237680
号明細書等に記載のインジゴ、チオインジゴ誘導体、
4)英国特許第2237679号明細書等に記載のキナ
クリドン系顔料、5)英国特許第2237678号明細
書、特開昭59−184348号、同62−28738
号公報等に記載の多環キノン系顔料、6)特開昭47−
30331号公報等に記載のビスベンズイミダゾール系
顔料、7)米国特許第4396610号、同46440
82号明細書等に記載のスクアリウム塩系顔料、8)特
開昭59−53850号、同61−212542号公報
等に記載のアズレニウム塩系顔料。また、増感染料とし
ては、「電子写真」129 (1973)、「有機合成
化学」24 No.11 1010 (1966)等に記
載の公知の化合物を使用することが出来る。その例とし
ては、9)米国特許第3141770号、同42834
75号明細書、特公昭48−25658号、特開昭61
−71965号公報等に記載のピリリウム系染料、1
0)Applied Optics Supplement 50 (196
9)、特開昭50−39548号公報等に記載のトリア
リールメタン系染料、11)米国特許第3597196
号明細書等に記載のシアニン系染料、12)特開昭59
−164588号、同60−163047号、同60−
252517号公報等に記載のスチリル系染料等であ
る。これらの増感色素は1種でも、また2種以上を併用
しても良い。
【0014】本発明に係わる光導電層には感度向上等の
ため、トリニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシ
アノエチレン等の化合物、特開昭58−65439号、
同58−102239号、同58−129439号、同
60−71965号公報等に記載の化合物等を併用する
ことが出来る。
【0015】本発明に係わる結着樹脂は帯電性等を含む
電子写真特性を満足し、アルカリ液による溶解性を有す
るものでなければならない。配線転写法によってプリン
ト配線板を製造するにあたっては金属配線パターンの作
製を電解めっき法により行う。電解めっき液としては金
属パターンが銅の場合は、一般に硫酸銅めっき液(酸
性)を使用するので、結着樹脂としては耐酸性である必
要がある。したがって結着樹脂としてはアニオン性官能
基を有する樹脂が特に使用される。形成された光導電層
中の結着樹脂におけるアニオン性単量体の構成比が高い
と樹脂皮膜が脆弱になり、さらにイオン電導性が高くな
って暗帯電性等の電子写真特性が悪化するので、本発明
に用いられる結着樹脂はアニオン性単量体に非イオン性
単量体を共重合させて樹脂組成を適宜調整する。
【0016】アニオン性官能基を有する樹脂中、特にカ
ルボン酸基を有する単量体含有共重合体およびフェノー
ル樹脂は、電荷保持性が高く有利に使用できる。カルボ
ン酸基を有する単量体含有共重合体としては、スチレン
とマレイン酸モノエステルとの共重合体、アクリル酸あ
るいはメタクリル酸とそれらのアルキルエステル、アリ
ールエステルまたはアラルキルエステルとの二元以上の
共重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン酸と
の共重合体も良い。フェノール樹脂中特に好ましいもの
は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、あ
るいはp−クレゾールとホルムアルデヒドまたはアセト
アルデヒドとを酸性条件下で縮合させたノボラック樹脂
を挙げることができる。
【0017】本発明に用いられる結着樹脂の具体例は、
スチレン/マレイン酸モノアルキルエステル共重合体、
メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、ア
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル
酸/メタクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合
体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステル共重
合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共
重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル
/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体、安息香
酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体
等のスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等と上記カルボン酸
含有単量体との共重合体や、メタクリル酸アミド、フェ
ノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、ス
ルホンイミド基、ホスホン酸基を有する単量体を含有す
る共重合体、フェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げら
れる。これらの結着樹脂は単独でも、あるいは2種以上
を混合して用いても良い。
【0018】本発明に用いられる結着樹脂の重量平均分
子量は5,000〜200,000が好ましく、より好
ましくは15,000〜100,000である。分子量
が5,000未満であると導電性金属基板上に設けた光
導電層の機械的強度が劣り、また200,000を超え
るとトナー現像後の非画像部光導電層の溶出液への溶出
性が著しく低くなる。
【0019】本発明に用いられる光導電性化合物の結着
樹脂に対する混合比は、光導電層の電子写真特性によっ
て異なるが、概ね樹脂量の1〜100重量%程度の範囲
が好ましく、より好ましくは5〜40重量%が良い。
【0020】本発明に係わる光導電層の導電性基板上へ
の作製は浸漬法、バーコート法、スプレーコート法、カ
ーテンコート法、電着法により行う。塗布液は光導電層
を構成する成分を適当な溶媒に溶解分散して作製する。
光導電性化合物がフタロシアニン等のように溶媒に不溶
な成分を用いる場合は、分散機により平均粒径 0.4μm
以下、より好ましくは 0.2μm以下に分散して用いる。
また、塗布液には必要に応じ、有機光導電性化合物およ
び結着樹脂のほかに光導電層の膜物性、塗布液の粘度、
分散性等を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その
他の添加剤を加えることができる。塗布液の固形分(光
導電性化合物および結着樹脂)濃度および使用する溶媒
は塗布方法および乾燥条件等によって適当なものを選択
する。特に、電着法により光導電層を作製する場合には
溶媒として少なくとも水を含有する。また、結着樹脂を
水溶性にする必要があるので塩基で中和しなければなら
ない。この塩基としては例えばトリエチルアミン、ジエ
チルアミン、モノエタノールアミン等の有機塩基、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、液体アンモニア等の無
機塩基を使用することができる。
【0021】本発明に係わる導電性基板としては、ステ
ンレス板、ニッケル板、銅板といった一般的な基材を使
用することができる。転写時の剥離性を考慮すれば、銅
との接着性が低いステンレス板が好ましい。また、価格
的な面を考慮すれば銅板が好ましい。基材の厚みは数十
μmから数mmのものが作業性等の面で好ましい。
【0022】導電性基板上に設けられた光導電層は、薄
いと電子写真法で必要な電荷が帯電できず、また次工程
の電解金属めっき工程において非回路部にめっき金属が
析出することがある。逆に厚いと回路部の光導電層の除
去においてアルカリ溶出液の劣化を促進するばかりかサ
イドエッチングにより回路画像の線が太り、ファインパ
ターンが得られず、再現性の良好な画像を得ることがで
きない。光導電層は厚さ0.5μm〜10μmが好まし
く、この厚みになるように光導電層作製条件を設定する
のが良い。
【0023】本発明のプリント配線板製造法では導電性
基板上に設けた光導電層に電子写真法によってトナー画
像を形成する。すなわち、暗所にて本発明で用いられる
光導電層を実質的に一様に帯電し、露光により露光部の
電荷を消失させて静電潜像を形成し、その後トナー現像
を行う。露光方法としては、キセノンランプ、タングス
テンランプ、蛍光灯等を光源として反射画像露光、透明
陽画フィルムを通した密着露光や、レーザー光、発光ダ
イオード等による走査露光が挙げられる。走査露光を行
なう場合は、He−Neレーザー、He−Cdレーザ
ー、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザ
ー、ルビーレーザー、YAGレーザー、窒素レーザー、
色素レーザー、エキサイマーレーザー、GaAs/Ga
AlAs、InGaAsPの様な半導体レーザーや、ア
レキサンドライトレーザー、銅蒸気レーザー等のレーザ
ー光源による走査露光、あるいは発光ダイオード、液晶
シャッタを利用した走査露光(発光ダイオードアレイ、
液晶シャッタアレイ等を用いたラインプリンタ型の光源
も含む)によって露光することができる。解像度の点か
ら走査露光が好ましい。
【0024】帯電された光導電層の露光に使用する光源
等は用いる光導電性化合物の種類等により異なる。例え
ばχ型無金属フタロシアニンを用いると半導体レーザー
を使用することができ、ε型銅フタロシアニン、および
500nm前後に分光吸収を持つアンザンスロン化合物
を用いるとアルゴンレーザーを使用することができる。
【0025】次に形成させた静電潜像をトナーによって
現像する。トナー現像方法としては、乾式現像法(カス
ケード現像、磁気ブラシ現像、パウダクラウド現像)
や、トナー粒子を適当な絶縁性液体中に分散させた液体
トナーによる現像法を用いることができる。これらのう
ち、液体現像法は乾式現像法に比してトナー粒子を安定
的に小粒径にでき、そのためより微細なトナー画像を形
成できるので、本発明においては液体現像法を用いるこ
とが好ましい。
【0026】本発明で用いられるトナーは、電子写真印
刷版に使用する湿式トナーを使用することができるが、
後工程である回路部の光導電層の溶出除去に対してレジ
スト性を有したものでなければならない。このために樹
脂成分としては、例えばメタクリル酸、メタクリル酸エ
ステル等から成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸
ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重合体、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラ
ールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、スチ
レンとブタジエン、メタクリル酸エステル等との共重合
物、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその塩化物、
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレ
ート等のポリエステル樹脂、ポリカプラミドやポリヘキ
サメチレンアジポアミド等のポリアミド樹脂、フェノー
ル樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル変性ア
ルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース
等のセルロースエステル誘導体、その他ワックス、蝋等
を含有することが好ましい。また、トナーには現像ある
いは定着等に悪影響を及ぼさない範囲で、色素や電荷制
御剤を含有させることもできる。さらに、その荷電は使
用する光導電性化合物およびコロナ帯電の際の帯電極性
に応じて正、負を使い分ける必要がある。
【0027】現像法としては、静電潜像と反対の極性の
荷電を有するトナーを用いて非露光部を現像する正現像
法、静電潜像と同じ極性を有するトナーを用いて適当な
バイアス電圧の印加の下で露光部を現像する反転現像法
とがある。形成されたトナー画像は、例えば加熱定着、
圧力定着、溶剤定着等の公知の方法により定着できる。
この様に形成したトナー画像をレジストとして、回路部
光導電層を溶出液により除去して、導電性基板上に光導
電層とトナーとからなる非回路部レジスト像が形成され
る。
【0028】トナー現像した上記光導電層のトナー画像
が形成されていない部分を溶出除去するための方法とし
ては、基本的にはアルカリ溶出液を使用した非画像部溶
出型印刷版用の溶出処理器を使用することができる。本
発明で用いられるアルカリ溶出液は塩基性化合物を含有
する。塩基性化合物としては、例えばけい酸アルカリ金
属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカ
リ金属およびアンモニウム塩等の無機塩基性化合物、エ
タノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミ
ン類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩
基性化合物等を用いることができる。上記塩基性化合物
は単独または混合物として使用できる。また、アルカリ
溶出液の溶媒としては水を有利に用いることができる。
【0029】回路部光導電層の溶出除去により露出した
導電性基板上に電解金属めっき法により金属配線パター
ンを作製する。電解めっき法としては一般に使用されて
いる硫酸銅めっき法、ピロリン三銅めっき法等が使用で
きる。但し、光導電層がアルカリ可溶であることからそ
の液性は酸性でなければならない。
【0030】非回路部レジスト画像は電解金属めっき
後、レジストインク、液状レジストおよびドライフィル
ムフォトレジスト等の一般のレジストを利用したプリン
ト配線板製造時と同様に、回路部の溶出除去で使用した
アルカリ溶出液よりもさらにアルカリ性の強い溶液で処
理することにより除去することができる。また、必要に
よってはメチルエチルケトン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等使用した
光導電層結着樹脂を溶解する有機溶剤を使用することも
できる。
【0031】本発明に係わる絶縁性材料としてはプリン
ト基板に用いられるガラスエポキシシート、紙フェノー
ルシート、紙ポリエステルシート等を用いることができ
る。また、基材に柔軟性が必要な場合は、ポリエステル
フィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムを使
用することができる。
【0032】本発明に係わる金属配線パターンの導電性
基板から絶縁性基板への転写法は圧力転写により行うこ
とができる。また必要に応じて熱と圧力を併用すること
もできる。金属配線パターンと絶縁性基材との接着力が
弱い場合は、接着剤等を使用しても良い。
【0033】
【作用】本発明のプリント配線板の製造法では、まず導
電性基板上に電子写真法によりレジスト画像を設け、金
属めっきにより金属配線パターンを作製した後、レジス
ト画像を除去し、導電性基板上に得られた金属配線パタ
ーンを絶縁性材料に転写してプリント配線板を作製す
る。電子写真法によるレジスト画像作製は、光導電層が
レーザー走査露光に対して充分対応できる程度の高い光
学感度を有しており、また光導電層の膜厚が薄いことか
ら従来法では得られなかった細線画像を得ることが出来
る。また、導電性基板と光導電層の密着性に優れている
ので非回路部への銅のかぶり、回路の短絡等の欠陥が従
来法より少ない。
【0034】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。本発明はその目的を逸脱しない限り、下記の実施例
に限定されるものではない。
【0035】実施例1光導電層の導電性基板上への作製 χ型無金属フタロシアニン2重量部とアクリル酸20重
量%/メタクリル酸ベンジルエステル30重量%/アク
リル酸ブチルエステル50重量%共重合体である結着樹
脂10重量部を 1,4−ジオキサンを溶媒としてペイント
シェイカーで分散し、固形分濃度10重量%の塗布液を
得た。導電性基板として35μm厚の銅箔を用い、バー
コート法により導電性基板上に光導電層を作製した。光
導電層の厚さは6μmであった。形成された光導電層は
銅表面への密着が良く、かつ傷などによる銅表面に凹凸
に対してきれいに追従していた。
【0036】光導電層の電子写真特性 上記光導電層の電子写真特性を川口電機(株)製静電場
測定器SP−428で測定したところ、V0 (コロナ帯
電直後の表面電位、初期電位)+300V、DD10(帯
電10秒後の電位保持率)97%であった。また帯電1
0秒後に白色(タングステン)光2luxを当てたとこ
ろ、感度E1/2(表面電位がV0の半分になるまでに必要
な露光量)は2.5lux・sec.となり、良好な帯
電性と光導電性を有していることが確認された。
【0037】トナー画像の作製 光導電層を形成させた導電性基板を暗所にて+300V
に帯電後、波長780nmのレーザープロッターにより
非回路部の静電潜像を光導電層上に作製した。回路の線
幅は40μmであった。この潜像を三菱OPCプリンテ
ィングシステム用トナー「ODP−TW」(三菱製紙
(株)製)を用い、導電性基板の銅部分を接地し、現像
電極にバイアス電圧+100Vを印加して反転現像を行
った。トナー画像を70℃の熱風で1分間乾燥すること
で定着した。
【0038】光導電層の溶出除去 三菱OPCプリンティングシステム用溶出液「ODP−
DFII」(三菱製紙(株)製)を用いてトナーの付着し
ていない部分の光導電層を溶出除去することによりトナ
ー像およびその下の未溶解光導電層を画像部とする非回
路部レジスト画像を形成した。
【0039】銅配線パターンの作製 レジスト画像を設けた導電性基板を硫酸銅(5水和物)
80g、濃硫酸180g、光沢剤「トップルチナ81−
HL」(奥野製薬(株)製)2.5ml、塩化ナトリウ
ム54mgに水を加えて調製した硫酸銅めっき浴1lに
浸漬し、温度25℃、電流密度3A/dm2 の条件下で
電解めっきを行い、厚み約18μmの銅を回路部に析出
させた。この後、3%水酸化ナトリウム溶液で非回路部
の光導電層とトナー層を除去して銅回路パターンを得
た。得られたパターンは線幅40μmで、途中回路の欠
落、非回路部への銅の析出等の不良は確認されなかっ
た。次に銅回路パターンを形成した導電性基板上にエポ
キシ樹脂含浸ガラス基材を積層後、熱圧着した。その
後、導電性基板を剥離し、エポキシ樹脂含浸ガラス基材
層に銅回路パターンが形成されたプリント配線板を得
た。この銅回路パターンには線幅の増加、回路の短絡、
非回路部分への銅のかぶり等は確認されなかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明のプリント
配線板製造法を用いれば、解像度が高く、欠陥の少ない
鮮明な銅配線パターンを有するプリント配線板を製造す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上にレジスト画像を設け、該
    レジスト画像以外の導電性基板上に金属めっきを施して
    金属配線パターンを作製し、次いでレジスト画像を除去
    した後、該金属配線パターンを絶縁性材料に転写するプ
    リント配線板の製造方法において、該レジスト画像を電
    子写真法で作製することを特徴とするプリント配線板の
    製造方法。
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