JP3161565B2 - 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版

Info

Publication number
JP3161565B2
JP3161565B2 JP30029193A JP30029193A JP3161565B2 JP 3161565 B2 JP3161565 B2 JP 3161565B2 JP 30029193 A JP30029193 A JP 30029193A JP 30029193 A JP30029193 A JP 30029193A JP 3161565 B2 JP3161565 B2 JP 3161565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
electrophotographic
hydrogen atom
compound
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30029193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07152192A (ja
Inventor
聡 星
直憲 牧野
克司 北谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP30029193A priority Critical patent/JP3161565B2/ja
Priority to US08/351,119 priority patent/US5521039A/en
Publication of JPH07152192A publication Critical patent/JPH07152192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3161565B2 publication Critical patent/JP3161565B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0675Azo dyes
    • G03G5/0679Disazo dyes
    • G03G5/0683Disazo dyes containing polymethine or anthraquinone groups
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G13/00Electrographic processes using a charge pattern
    • G03G13/26Electrographic processes using a charge pattern for the production of printing plates for non-xerographic printing processes
    • G03G13/28Planographic printing plates
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G13/00Electrographic processes using a charge pattern
    • G03G13/26Electrographic processes using a charge pattern for the production of printing plates for non-xerographic printing processes
    • G03G13/32Relief printing plates

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体および
電子写真式製版用印刷原版に関し、さらに詳しくは新規
な電荷発生物質を含む層または新規な光導電性物質を含
む層を有する電子写真感光体または、新規な電荷発生物
質、電荷輸送物質およびアルカリ可溶結合樹脂を主成分
とする電子写真式製版用印刷原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に用いられる光導
電性組成物としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、アモルファスシリコンなどの無機物質がよく知られ
ている。これらの無機物質は、良好なる電子写真特性即
ち、極めて良好な光導電性と暗所での電荷受容性及び絶
縁性を備えているという長所を持つ。しかしその反面、
様々な欠点がある。例えば、セレン感光体は製造コスト
が高く、可撓性がなく、熱や機械的衝撃に弱いなどの欠
点を持つ。硫化カドミウム感光体は、材料にカドミウム
という有毒物質を用いているため公害性に問題がある。
酸化亜鉛は、長期間繰り返し使用した場合、画像の安定
性に難点がある。さらにアモルファスシリコン感光体
は、製造コストが極めて高く、感光体表面の劣化を防止
するために特殊な表面処理を要する等の欠点を持つ。
【0003】近年、これら無機物質の欠点を排除するた
めにいろいろの有機物質を用いた電子写真感光体が提案
され、実用に供されているものもある。たとえば、ポリ
−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン−9−オンとからなる電子写真感光体(米国
特許第3,484,237号)、ポリ−N−ビニルカル
バゾールをピリリウム塩系色素で増感したもの(特公昭
48−25658号)、染料と樹脂とからなる共晶錯体
を主成分とする電子写真感光体(特開昭47−1073
5号)などである。
【0004】また、ベリレン顔料(米国特許第3,37
1,884号等)、フタロシアニン顔料(米国特許第
3,397,086号、同第4,666,802号
等)、アズレニウム塩系顔料(特開昭59−53850
号、同61−212542号等)、スクアリウム塩系顔
料(米国特許第4,396,610号、同第4,64
4,082号等)、多環キノン系顔料(特開昭59−1
84348号、同62−28738号等)等の有機顔料
や、次に示すようなアゾ顔料を主成分とする電子写真感
光体も最近活発に研究が行われ、数多くの提案がなされ
ている。 (ジスアゾ系顔料)特開昭53−133445号、特開
昭59−78356号、特開昭59−128547号、
特開昭61−57945号、特開昭61−17150
号、特開昭62−251752号、特開昭62−273
545号、特公昭63−18740号、米国特許第4,
504,559号、特開昭64−13555号、特開昭
64−79753号、特公平2−4893号。 (トリスアゾ系顔料)特開昭58−160358号、特
開昭61−251865号、特公昭62−39626
号、特公昭63−10419号。 (テトラキスアゾ系顔料)特開昭61−182051
号、特開昭62−18565号。 一方、平版オフセット印刷版としては、キノンジアジド
化合物とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤や
アクリル系モノマーやプレポリマーを主成分とするネガ
型感光剤を用いるPS版などが実用化されているが、こ
れらはすべて低感度のため、あらかじめ画像記録された
フィルム原版を密着露光して製版を行う必要がある。ま
た、コンピュータ画像処理と大容量データの保存および
データ通信技術の進歩によって、近年では、原稿入力、
補正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピュー
タ操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔地の
末端プロッタに出力できる電子編集システムが実用化し
ている。特に、即時性の要求される新聞印刷分野におい
て電子編集システムの要求度は高い。また、現在オリジ
ナル原稿がフィルムの形で保存され、これをもとに必要
に応じて印刷版が複製されている分野においても、光デ
ィスクなどの大容量記録メディアが発達するのにともな
って、オリジナルがこれらの記録メディアにデジタルデ
ータとして保存されるようになると考えられる。しかし
ながら、末端プロッタの出力から直接印刷版を作成する
直接型印刷版はほとんど実用化されておらず、電子編集
システムの稼働しているところでも出力は銀塩写真フィ
ルムにおこなわれ、これをPS版へ密着露光することに
より印刷版が作成されているのが実状である。これは、
出力プロッタの光源(例えば、He−Neレーザ、半導
体レーザなど)により実用的な時間内に印刷版を作成で
きるだけの高い感度を有する直接型印刷版の開発が困難
であることも1つの原因であった。直接型印刷版を提供
し得る高い光感度を有する感光体として電子写真感光体
が考えられる。従来、電子写真を利用した印刷版材料
(印刷用原版)としては例えば、特公昭47−4761
0号、特公昭48−40002号、特公昭48−183
25号、特公昭51−15766号、特公昭51−25
761号公報等に記載の酸化亜鉛―樹脂分散系オフセッ
ト印刷版材料が知られている。これは、電子写真法によ
りトナー画像形成後その非画像部を不感脂性とするため
不感脂化溶液(例えば、フェロシアン塩またはフェリシ
アン塩を有する酸性水溶液)で湿潤された後使用され
る。この様な処理をされたオフセット印刷版は、耐刷力
が、5千枚から1万枚程度であり、これ以上の印刷には
適さなく、又不感脂化に適した組成にすると静電特性が
劣化し、かつ画像が悪化するなどの欠点がある。また、
不感脂化溶液として、有害なシアン化合物を使用する欠
点を有する。特公昭37−17162号、特公昭38−
7758号、特公昭46−39405号、特公昭52−
2437号公報等に記載される有機光導電体−樹脂系印
刷版材料では、たとえばオキサゾールあるいはオキサジ
アゾール系化合物をスチレン−無水マレイン酸共重合体
で結着した光導電性絶縁層を砂目立したアルミニウム板
上に設けた電子写真感光体が用いられており、この感光
体上に電子写真法によりトナー画像形成後アルカリ性有
機溶剤で非画像部を溶解除去して印刷版が形成される。
また、特開昭57−147656号において、ヒドラゾ
ン化合物およびバルビツール酸あるいはチオバルビツー
ル酸を含有する電子写真感光性印刷版材料が開示されて
いる。その他にも特開昭59−147335号、特開昭
59−152456号、特開昭59−168462号、
特開昭58−145495号等の色素増感された電子写
真式製版用印刷原版が知られている。しかしながら、上
記のような色素増感された電子写真式製版用印刷原版で
は十分な感度が得られず、更に高感度な光導電体の開発
が望まれていた。これを実現する手段として、特開昭5
5−161250号、特開昭56−146145号、特
開昭60−17751号などにフタロシアニン系化合
物、アゾ化合物、縮合多環キノン化合物等を電荷担体発
生化合物として結合樹脂中に分散したものが知られてい
るが、いずれも十分な感度あるいは電荷保持特性などが
得られているとは言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機電子写真感
光体は、前記無機電子写真感光体の機械的特性及び可撓
性もある程度まで改善したものの、感度がまだ不十分で
あり、また多数回の繰り返し使用時に電気的特性が変化
する場合があり、電子写真感光体として要求を必ずしも
十分満足するものではなかった。また、前記の電子写真
式製版用印刷原版は、製版フィルムを介さず直接に印刷
版を作成するには一般に感度が不十分であり、また感度
が高い場合には電荷保持特性が十分でない等の問題があ
るため直接型印刷版としては満足できるものでなかっ
た。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、高感度で高耐久性を有
する新規な電子写真感光体を提供することである。ま
た、発明の他の目的は、繰り返し使用しても光感度の低
下の少ない新規な電子写真感光体を提供することであ
る。本発明の他の目的は、レーザ等により直接印刷版を
作成するのに十分な感度を有する電子写真式製版用印刷
原版を提供することにある。本発明の他の目的は、静電
特性の優れた電子写真式製版用印刷原版を提供すること
にある。本発明の他の目的は、印刷特性に優れた電子写
真式製版用印刷原版を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、導電性支持体上に、電荷発生化合物として
下記の一般式〔1〕で表されるジスアゾ化合物を含有す
る感光層を設けることを特徴とする電子写真感光体によ
り上記目的が達成されることを見出した。また導電性支
持体上に、少なくとも、電荷発生物質、電荷輸送物質お
よび結合樹脂を含有する光導電層を有する電子写真感光
体を、画像露光し現像して、トナー画像を形成した後、
トナー画像部以外の非画像部の光導電層を除去すること
により印刷版とする電子写真式製版用印刷原版であっ
て、該電荷発生物質が下記一般式〔1〕で表されるジス
アゾ化合物である電子写真式製版用印刷原版により上記
目的を達成することができた。
【0008】
【化5】
【0009】一般式〔1〕において、A1、A2、A3
4、A5、A6、A7、A8は各々独立に、水素原子、置
換もしくは無置換アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキ
シ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオ
ロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニル基またはアリールカルボニル基を表し、Xは、
ヒドロキシ基とYとが結合している上記式中のベンゼン
環と縮合した、芳香族環または複素芳香族環を形成する
のに必要な原子団を表し、Yは−CONR12または−
COOR2を表し、R1は水素原子、アルキル基またはア
リール基を表し、R2は化6に示される基を表す。
【0010】
【化6】
【0011】化6において、R3、R4、R5、R6、R7
の少なくとも1つは、−CO28、−CONR910
−SO28、−SO3H、−SO2NR910、−NR9
OR1 1、−NR9SO211から選ばれる基であり、それ
以外は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフル
オロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキルカ
ルボニル基、アリールカルボニル基から選ばれる置換基
を表し、R8はアルキル基、アリール基またはヘテロ芳
香族環基を表し、R9、R10、R11は各々独立に、水素
原子、アルキル基またはアリール基を表す。
【0012】
【発明の詳細な記述】本発明のジスアゾ化合物について
詳細に説明する。A1、A2、A3、A4、A5、A6
7、A8は互いに同一または異なってもよく、水素原
子、炭素数1〜12の置換もしくは無置換の、直鎖状も
しくは分岐したアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、イソアミル基、イソヘキシル基、ネオペンチル基
等)、炭素数1〜12のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基
等)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原
子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、ト
リフルオロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、炭素
数2〜13のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキ
シカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブ
トキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−
ブトキシカルボニル基等)、炭素数7〜15のアリール
オキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニ
ル基、ナフチルオキシカルボニル基、ビフェニルオキシ
カルボニル基、アントラオキシカルボニル基等)、炭素
数2〜13のアルキルカルボニル基(例えば、メチルカ
ルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル
基、ブチルカルボニル基等)または、炭素数7〜15の
アリールカルボニル基(例えば、フェニルカルボニル
基、ナフチルカルボニル基、ビフェニルカルボニル基、
アントラニルカルボニル基等)を表す。さらに好ましく
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基またはハロゲン原子である。置換アル
キル基の場合、置換基としてはヒドロキシ基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1
〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキル
基を2個有するジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、炭
素数6〜15のアリール基等がある。その例として、ヒ
ドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2
−ヒドロキシプロピル基等)、アルコキシアルキル基
(例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、
3−メトキシプロピル基、エトキシメチル基、2−エト
キシエチル基等)、シアノアルキル基(例えば、シアノ
メチル基、2−シアノエチル基等)、アミノアルキル基
(例えば、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−
アミノプロピル基等)、(アルキルアミノ)アルキル基
(例えば、(メチルアミノ)メチル基、2−(メチルア
ミノ)エチル基、(エチルアミノ)メチル基等)、(ジ
アルキルアミノ)アルキル基(例えば、(ジメチルアミ
ノ)メチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基等)、
ハロゲノアルキル基(例えば、フルオロメチル基、トリ
フルオロメチル基、クロロメチル基等)、アラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)をあげること
ができる。
【0013】Xは、ヒドロキシ基とYとが結合している
ベンゼン環と縮合して、ナフタレン環、アントラセン環
などの芳香族環または、インドール環、カルバゾール
環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン環などの複
素芳香族環を形成し得る基である。Xが置換基を有する
芳香族環または複素芳香族環系の場合、置換基としては
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子等)、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基、オ
クタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基等)、ト
リフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、
炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基等)等が挙げられ、置換基の個数及
び置換位置は任意である。
【0014】Yは−CONR12または−COOR2
表す。R1は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、イソアミル基、イソヘキ
シル基、ネオペンチル基等)または炭素数6〜14のア
リール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリ
ル基、ビフェニル基等)を表す。Yは−CONHR2
たは−COOR2であることが特に好ましい。
【0015】R2は、化7に示される基を表す。
【0016】
【化7】
【0017】化7において、R3、R4、R5、R6、R7
は同一であっても異なってもよく、少なくとも1つは、
−CO28、−CONR910、−SO28、−SO
3H、−SO2NR910、−NR9COR11および−NR
9SO211から選ばれる基であり、好ましくは−CO2
8および−CONR910から選ばれる基であり、最も
好ましくは−CO28である。R3〜R7は、上記以外の
基としては、例えば、水素原子、炭素数1〜12のアル
キル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソアミル基、
イソヘキシル基、ネオペンチル基等)、炭素数1〜12
のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、
i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、
シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、トリフルオロメチル基、
アミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜13のアルキル
カルボニル基(例えば、メチルカルボニル基、エチルカ
ルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル
基等)、および炭素数7〜15のアリールカルボニル基
(例えば、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル
基、ビフェニルカルボニル基、アントリルカルボニル基
等)から選ばれる基を表し、好ましくは水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、
ハロゲン原子またはシアノ基である。
【0018】R8は、例えば、炭素数1〜12の置換も
しくは無置換の、直鎖状もしくは分岐したアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基等)、炭素数6〜14の置換もしくは無置換のアリー
ル基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル
基、ビフェニル基等)、または複素芳香族環基(例え
ば、インドール環、カルバゾール環、ベンゾカルバゾー
ル環、ジベンゾフラン環等)を表し、好ましくは炭素数
1〜12の直鎖状または分岐したアルキル基であり、さ
らに好ましくは炭素数3〜10の直鎖状または分岐した
アルキル基である。
【0019】R9、R10、R11は各々独立に、水素原
子、炭素数1〜12のアルキル基(例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基等)または炭素数6
〜14のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ビフェニル基等)を表す。
【0020】つぎに本発明のジスアゾ化合物の具体例を
挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】
【化26】
【0040】
【化27】
【0041】
【化28】
【0042】
【化29】
【0043】
【化30】
【0044】
【化31】
【0045】
【化32】
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】
【化35】
【0049】本発明の新規なジスアゾ化合物は下記の方
法により容易に合成することができる。即ち下記一般式
〔2〕で示されるジアミノ化合物を常法によりテトラア
ゾ化し、アルカリの存在下に対応するカプラーとカップ
リングさせるか、あるいはテトラゾニウム塩をホウフッ
化塩や塩化亜鉛複塩などの形で単離した後、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中
でアルカリの存在下にカプラーとカップリングさせるこ
とにより容易に合成することができる。但し、A1
2、A3、A4、A5、A6、A7、A8は前記一般式
〔1〕のA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8と同
じ意味を表す。
【0050】
【化36】
【0051】例示化合物No.1の合成例 下記化37の構造式で表されるジアミノ化合物2.08
g(0.01mol)を濃塩酸25ml及び水30mlから調製
した希塩酸に加えて60℃の水浴上で約30分間攪拌し
た。次にこの混合物を0℃に冷却し、それに亜硝酸ナト
リウム1.38gを水10mlに溶解した溶液を0℃で約
20分間かけて滴下した。その後同温度で1時間攪拌
し、少量の未反応物を濾別した後、該濾液を、別の容器
に調製した下記化38のカプラー6.42g(0.02
mol)、酢酸ナトリウム3.28g、水10mlとDMF3
00mlからなる溶液に、氷冷下、攪拌しながら滴下し
た。その後室温で2時間攪拌した後、生成した結晶を濾
取し、水洗い、アセトン洗いを繰り返し行い精製した。
その結果、6.5gのジスアゾ化合物(例示化合物No.
1)の黒粉末が得られた。収率74%、分解温度280
℃以上。
【0052】
【化37】
【0053】
【化38】
【0054】元素分析値 C523668として 計算値 C 71.55%、H 4.16%、N 9.
63% 実測値 C 71.52%、H 4.17%、N 9.
61%
【0055】本発明の電子写真感光体は前記一般式
〔1〕で表されるジスアゾ化合物を少なくとも1種含有
する電子写真感光層を有する。従来、各種の形態の電子
写真感光体が知られており、本発明の電子写真感光体は
その何れのタイプの感光体であっても良いが、通常次に
示す(I)、(II)または(III)のタイプの電子写真感
光体構造を持つ。
【0056】(I)導電性支持体上にジスアゾ化合物を
バインダーあるいは電荷担体輸送媒体中に分散させてな
る電子写真感光層を設けたもの。 (II)導電性支持体上にジスアゾ化合物を主成分とする
電荷担体発生層を設け、その上に電荷担体輸送層を設け
たもの。 (III)導電性支持体上に電荷担体輸送層を設け、その上
にジスアゾ化合物を主成分とする電荷担体発生層を設け
たもの。
【0057】本発明のジスアゾ化合物は光を吸収すると
極めて高い効率で電荷担体を発生する作用を持つ。発生
した電荷担体は、電荷担体輸送化合物によって輸送され
る。タイプ(I)の電子写真感光体を作製するにはジス
アゾ化合物の微粒子をバインダー溶液もしくは電荷担体
輸送化合物とバインダー溶液とを溶解した溶液中に分散
せしめ、これを導電性支持体上に塗布した後、乾燥すれ
ば良い。このときの電子写真感光層の厚さは3〜30μ
m、好ましくは5〜20μmが良い。タイプ(II)の感
光体を作製するには、導電性支持体上にジスアゾ化合物
を真空蒸着して電荷担体発生層を形成するか、ジスアゾ
化合物の微粒子をバインダー樹脂を溶解した適当な溶媒
中に分散して得られた分散液を塗布、乾燥して電荷担体
発生層を形成し、更に必要があれば、例えばバフ研磨な
どの方法によって表面仕上げをするか、膜厚を調整した
後、その上に電荷担体輸送物質およびバインダー樹脂を
含む溶液を塗布、乾燥して得られる。この時の電荷担体
発生層の厚みは0.01μm〜4μm、好ましくは0.
1μm〜2μmが良く、電荷担体輸送層の厚みは3μm
〜30μm、好ましくは5μm〜20μmがよい。タイ
プ(III)の電子写真感光体はタイプ(II)の電子写真感
光体の積層順序を逆にすることにより作製できる。
【0058】(I)、(II)及び(III)のタイプの感光
体で用いられるジスアゾ化合物はボールミル、サンドミ
ル、振動ミル等の分散機により粒径0.1μm〜2μ
m、好ましくは0.3μm〜2μmに分散して用いられ
る。
【0059】タイプ(I)の電子写真感光体において使
用されるジスアゾ化合物の量は少なすぎると感度が悪
く、多すぎると帯電性が悪くなったり、電子写真感光層
の膜強度が悪くなったりし、電子写真感光層中のジスア
ゾ化合物の占める割合は、バインダーを用いる場合、バ
インダーに対し0.01〜2重量倍、好ましくは0.0
5〜1重量倍がよく、電荷担体輸送化合物の割合はバイ
ンダーに対し0.1〜2重量倍、好ましくは0.3〜
1.5重量倍の範囲がよい。またそれ自身バインダーと
して利用できる電荷担体輸送化合物の場合には、ジスア
ゾ化合物の添加量は電荷担体輸送化合物に対し0.01
〜0.5重量倍使用するのが好ましい。
【0060】またタイプ(II)及び(III)の電子写真感
光体において電荷担体発生化合物含有層となるジスアゾ
化合物含有層を塗布形成する場合、バインダーに対する
ジスアゾ化合物の使用量は0.1重量倍以上が好まし
く、それ以下だと十分な感度が得られない。またバイン
ダーは無くとも使用できる。電荷担体輸送化合物含有層
中の電荷担体輸送化合物の割合は、バインダーに対し
0.2〜2重量倍、好ましくは0.3〜1.5重量倍が
好ましい。それ自身バインダーとして使用できる高分子
電荷担体輸送化合物を使用する場合は、他のバインダー
はなくとも使用できる。
【0061】本発明の電子写真感光体において使用され
る導電性支持体としては、アルミニウム、銅、亜鉛など
の金属板、ポリエステル等のプラスチックシートまたは
プラスチックフィルムにアルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化スズ、ヨウ化銅等の導電材料を蒸着、もしくは
分散塗布したもの、あるいは塩化ナトリウム、塩化カル
シウム等の無機塩や有機四級アンモニウム塩により導電
処理した紙などが使用される。
【0062】バインダーが用いられる場合のバインダー
としては、疎水性で、かつ誘電率が高く、電気絶縁性の
フィルム形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。こ
の様な高分子重合体としては例えば次のものを挙げるこ
とができるが、勿論これらに限定されるものではない。
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボ
ネート、ポリスルホン、メタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重
合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン
−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール。これらの樹脂バ
インダーは、単独であるいは2種以上の混合物として用
いることができる。
【0063】本発明の感光体において可塑剤を樹脂バイ
ンダーと混合して用いることができる。可塑剤としては
ビフェニル、塩化ビフェニル、o−テルフェニル、p−
テルフェニル、ジブチルフタレート、ジメチルグリコー
ルフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐
酸、塩素化パラフィン、ジラウリルチオジプロピオネー
ト等が挙げられる。
【0064】本発明の電子写真感光体を作製する場合、
感光層中に増感剤などの添加剤を使用しても良い。増感
剤としては、ブリリアントグリーン、ビクトリアブルー
B、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ア
シッドハ6B等のトリアリルメタン染料、ローダミン
B、ローダミン6G、ローダミンGエキストラ、エオシ
ンS、エリトロシン、ローズベンガル、フルオレセイン
等のキサンテン染料、メチレンブルー等のチアジン染
料、C.I.Basic.Violet7(C.I.4
8020)等のアストラゾン染料、シアニン染料、2,
6−ジフェニル−4−(N,N−ジメチルアミノフェニ
ル)チアピリリウムペルクロレート、ベンゾピリリウム
塩(特公昭48−25658号公報記載)等のピリリウ
ム染料を挙げることができる。また、電子写真感光体の
表面性をよくするために、シリコンオイル、フッ素系界
面活性剤等を使用することができる。
【0065】本発明において電荷担体輸送層に用いられ
る電荷担体輸送物質としては、電子を輸送する化合物と
正孔を輸送する化合物の2種類に分類される。本発明の
電子写真感光体には両者とも使用することができる。電
子を輸送する化合物としては電子吸引性基を有する化合
物、例えば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7−
テトラニトロフルオレノン、テトラニトロカルバゾー
ル、クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ
ベンゾキノン、2,4,7−トリニトロ−9,10−フ
ェナントレンキノン、テトラクロロ無水フタール酸、テ
トラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン等を挙
げることができる。
【0066】正孔を輸送する化合物としては、電子供与
性基を有する化合物、例えば高分子の物では、(a)特
公昭34−10966号公報記載のポリビニルカルバゾ
ール及びその誘導体、(b)特公昭43−18674
号、同43−19192号公報記載のポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−ビニル−4−
(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−フェニルオキ
サゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチルカルバゾール
等のビニル重合体、(c)特公昭43−19193号公
報記載のポリアセナフチレン、ポリインデン、アセナフ
チレンとスチレンの共重合体等の重合体、(d)特公昭
56−13940号公報などに記載のピレン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド樹脂、
エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の縮合樹
脂、(e)特開昭56−90883号、同56−161
550号公報に記載された各種のトリフェニルメタンポ
リマー、
【0067】また低分子のものでは、(f)米国特許第
3,112,197号明細書などに記載されているトリ
アゾール誘導体、(g)米国特許第3,189,447
号明細書などに記載されているオキサジアゾール誘導
体、(h)特公昭37−16096号公報などに記載さ
れているイミダゾール誘導体、(i)米国特許第3,6
15,402号、同3,820,989号、同3,54
2,544号、特公昭45−555号、同51−109
83号、特開昭51−93224号、同55−1086
67号、同55−156953号、同56−36656
号明細書、公報などに記載のポリアリールアルカン誘導
体、
【0068】(j)米国特許第3,180,729号、
同4,278,746号、特開昭55−88064号、
同55−88065号、同49−105537号、同5
5−51086号、同56−80051号、同56−8
8141号、同57−45545号、同54−1126
37号、同55−74546号明細書、公報などに記載
されているピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、
(k)米国特許第3,615,404号、特公昭51−
10105号、同46−3712号、同47−2833
6号、特開昭54−83435号、同54−11083
6号、同54−119925号明細書、公報などに記載
されているフェニレンジアミン誘導体、(l)米国特許
第3,567,450号、同3,180,703号、同
3,240,597号、同3,658,520号、同
4,232,103号、同4,175,961号、同
4,012,376号、西独国特許(DAS)1,11
0,518号、特公昭49−35702号、同39−2
7577号、特開昭55−144250号、同56−1
19132号、同56−22437号明細書、公報など
に記載されているアリールアミン誘導体、
【0069】(m)米国特許第3,526,501号明
細書記載のアミノ置換カルコン誘導体、(n)米国特許
第3,542,546号明細書などに記載のN,N−ビ
カルバジル誘導体、(o)米国特許第3,257,20
3号明細書などに記載のオキサゾール誘導体、(p)特
開昭56−46234号公報などに記載のスチリルアン
トラセン誘導体、(q)特開昭54−110837号公
報等に記載されているフルオレノン誘導体、(r)米国
特許第3,717,462号、特開昭54−59143
号(米国特許第4,150,987号に対応)、同55
−52063号、同55−52064号、同55−46
760号、同55−85495号、同57−11350
号、同57−148749号、同57−104144号
明細書、公報などに記載されているヒドラゾン誘導体、
【0070】(s)米国特許第4,047,948号、
同4,047,949号、同4,265,990号、同
4,273,846号、同4,299,897号、同
4,306,008号明細書などに記載のベンジジン誘
導体、(t)特開昭58−190953号、同59−9
5540号、同59−97148号、同59−1956
58号、同62−36674号公報などに記載されてい
るスチルベン誘導体等がある。
【0071】なお本発明において、電荷担体を輸送する
化合物は(a)〜(t)に挙げられる化合物に限定され
ず、これまで公知の全ての電荷担体輸送化合物を用いる
ことができる。
【0072】また、結合樹脂と電荷担体輸送物質との比
は、電荷担体輸送物質が結合樹脂と相溶し、析出しない
範囲内で用いることが出来る。電荷担体輸送物質の含有
量が少ないと感度が低下するので、結合樹脂1重量部に
対応して電荷担体輸送物質は、0.05〜3重量部、好
ましくは0.1〜1.5重量部の範囲である。また、電
荷発生物質の含有量が多すぎると、電荷保持特性が悪く
なり、少なすぎると、感度が低下するため、感光体中の
電荷発生物質の含有量は、結合樹脂1重量部に対して、
0.01〜2重量部、好ましくは、0.05〜1重量部
の範囲である。
【0073】本発明の電子写真感光体を作製する場合、
電荷発生層及び電荷担体輸送層中に増感剤などの添加剤
を使用してもよい。また電荷発生層中に電荷担体輸送化
合物を添加して使用してもよい。増感剤としては、クロ
ラニル、テトラシアノエチレン、メチルバイオレット、
ローダミンB、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリ
リウム染料、チアピリリウム染料などが挙げられる。
【0074】光導電層に使用する結合樹脂、電荷担体輸
送化合物、その他の添加剤は電荷発生物質の分散時、あ
るいは分散後に添加することが出来る。この塗布液を回
転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗
布、ディップ塗布、ロッドバー塗布、スプレー塗布のよ
うな公知の方法で基体上に塗布乾燥して電子写真感光体
を得ることが出来る。塗布液を作成する溶媒としては、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロフォルム等の
ハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジオキサン
等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類等が挙げられる。
【0075】なお、本発明の電子写真感光体には、導電
性支持体と感光層の間に、必要に応じて接着層又はバリ
ヤ層を設けることができる。これらの層に用いられる材
料としては、前記樹脂バインダーに用いられるポリマー
の他に、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、特開
昭59−84247号公報に記載の塩化ビニリデン系ポ
リマーラテックス、特開昭59−114544号公報に
記載のスチレン−ブタジエン系ポリマーラテックスまた
は酸化アルミニウム等があり、これらの層の厚さは1μ
m以下が好ましい。
【0076】以上のようにして得られた感光体には更に
レーザーのような干渉性光を露光に使用した場合に発生
する干渉縞防止策を必要に応じて施すことができる。そ
のような技術としては、特開昭60−186850号記
載の光散乱反射面を有する下引き層の設置、特開昭60
−184258号記載のチタンブラック含有下引き層の
設置、特開昭58−82249号記載の電荷担体発生層
で使用光源の光の大部分を吸収させる方法、特開昭61
−18963号記載の電荷担体輸送層にミクロ相分離構
造をとらせる方法、特開昭60−86550号記載の光
導電層中に干渉性光を吸収または散乱する物質を混入す
る方法、特開昭63−106757号記載の感光体表面
に干渉性光の波長の1/4以上の深さを持つ凹部を設け
る方法、特開昭62−172371号、特開昭62−1
74771号記載の透明支持体の裏面に光散乱層あるい
は光吸収層を設ける方法等を挙げることができる。
【0077】以上、本発明の電子写真感光体について詳
細に説明したが、本発明の電子写真感光体は一般に感度
が高く、繰り返し使用時の電子写真特性の変化が小さい
特徴を有している。また、本発明の電子写真感光体は、
吸収スペクトルにおいて、シャープで高い吸収帯を有し
ているので、レーザー用感光材料に適している。本発明
の電子写真感光体は電子写真複写機の他、レーザー、ブ
ラウン管、LED等を光源とするプリンターの感光体な
どの分野に広く応用することができる。本発明のジスア
ゾ化合物を含む光導電性組成物はとビデオカメラの撮像
管の光導電層として、また信号転送や走査を行う一次元
または二次元配列された半導体回路上の全面に設けた受
光層(光導電層)を有する個体撮像素子の光導電層とし
て用いることができる。また、A. K. Ghosh, Tom Feng,
J. Appl. Phsy., 49(12), 5982 (1978)に記載されてい
るように太陽電池の光導電層としても用いることができ
る。また、本発明のジスアゾ化合物は光電気泳動システ
ムにおける光導電性着色粒子及び乾式または湿式の電子
写真現像剤の着色粒子としても用いることができる。
【0078】次に、導電性支持体上に、少なくとも、電
荷発生物質、電荷輸送物質および結合樹脂を含有する光
導電層を有する電子写真感光体を、画像露光し現像し
て、トナー画像を形成した後、トナー画像部以外の非画
像部の光導電層を除去することにより印刷版とする電子
写真式製版用印刷原版であって、該電荷発生物質の少な
くとも1種が前記一般式〔1〕で表されるジスアゾ化合
物であることを特徴とする本発明の電子写真式製版用印
刷原版について説明する。また同様の方法によりプリン
ト回路を作成することもできる。
【0079】本発明の電子写真式製版用印刷原版に用い
られる導電性支持体としては導電性表面を有するプラス
チックシートまたはとくに溶剤不透過性および導電性に
した紙、アルミニウム板、亜鉛板、又は銅−アルミニウ
ム板、銅−ステンレス板、クロム−銅板等のバイメタル
板、又はクロム−銅−アルミニウム板、クロム−鉛−鉄
板、クロム−銅−ステンレス板等のトライメタル板等の
親水性表面を有する導電性基板が用いられその厚さは
0.1〜3mmが好ましく、特に0.1〜1mmが好まし
い。アルミニウムの表面を有する支持体の場合には、機
械的、化学的または電気的砂目立て処理、珪酸ナトリウ
ム、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液へ
の浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がな
されていることが好ましい。すなわち、通常、PS版に
用いられている処理が本発明においても好ましく用いら
れる。例えば、米国特許第2,714,066号明細書
に記載されている如く、砂目立てしたのちに珪酸ナトリ
ウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板、特公昭4
7−5125号公報に記載されているようにアルミニウ
ム板を陽極酸化処理したのち、アルカリ金属珪酸塩の水
溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。上記陽極
酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の
無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸また
はこれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上
を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として
電流を流すことにより実施される。また米国特許第3,
658,662号明細書に記載されているようなシリケ
ート電着も有効である。西独特許公開第1,621,4
78号に記載のポリビニルスルホン酸による処理も適当
である。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性
とするために施される以外は、その上に設けられる光導
電性絶縁層との有害な反応を防ぐためや、光導電性絶縁
層との密着性の向上の為に施されるものである。上記導
電性支持体上に前記ジスアゾ化合物を含有する光導電性
層を設けることにより、電子写真感光体を作成する。
【0080】なお、本発明の電子写真式製版用印刷原版
においては、光導電性層は、薄すぎると、現像に必要な
電荷がのらず、厚すぎると、エッチングの際にサイドエ
ッチを起こし、良好な画像が得られない。光導電性層の
厚みは、0.1〜30μm、好ましくは、0.5〜10
μmである。
【0081】本発明の電子写真式製版用印刷原版におい
ては光導電性絶縁層上に必要により光導電性絶縁層の静
電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特性を
改良する目的で光導電性絶縁層除去時に溶解し得るオー
バーコート層を設けることができる。このオーバーコー
ト層は、機械的にマット化されたもの、あるいはマット
剤が含有される樹脂層であってもよい。マット剤として
は二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、ガラス粒子、アルミナ、澱粉、重合体粒子(たとえ
ばポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、フェノ
ール樹脂などの粒子)及び米国特許第2,710,24
5号明細書、米国特許第2,992,101号明細書に
記載されているマット剤が含まれる。これらは二種以上
併用することができる。マット剤を含有する樹脂層に使
用される樹脂は使用されるエッチング液との組み合わせ
により、適宜選択される。具体的には例えばアラビアゴ
ム、ニカワ、ゼラチン、カゼイン、セルローズ類(たと
えばビスコース、メチルセルローズ、エチルセルロー
ズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピル
メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ等)、
澱粉類(例えば可溶性澱粉、変性澱粉等)、ポリビニル
アルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、
ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂(特にノボラック型フェノー
ル樹脂が好ましい)、ポリアミド、ポリビニルブチラー
ル等がある。これらは二種以上併用することができる。
【0082】本発明の電子写真式製版用印刷版は一般に
公知のプロセスによって作成することが出来る。即ち、
暗所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静電像を
形成する。露光方法としては、半導体レーザ、He−N
eレーザ等による走査露光あるいはキセノンランプ、タ
ングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画像露
光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げられ
る。次に上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
法としては従来公知の方法、例えば、カスケード現像、
磁気ブラシ現像、パウダークラウド現像、液体現像など
の各種の方法を用いることが出来る。なかでも液体現像
は微細な画像を形成することが可能であり、印刷版を作
成するために好適である。形成されたトナー画像は公知
の定着法、例えば、加熱定着、圧力定着、溶剤定着等に
より定着することが出来る。この様に形成したトナー画
像をレジストとして作用させ、非画像部の光導電性絶縁
層をエッチング液により除去することにより印刷版が作
成できる。
【0083】本発明の印刷原版に用いるエッチング液と
してはアルカリ性水溶液もしくはアルカリ水溶液とアル
カリ水溶液に混和する有機溶剤との混和物を用いること
が出来る。ここで言うアルカリ水溶液とは、pH9以上
の水溶液が好ましく、特にpH10〜13.5の水溶液
が好ましい。具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア、および
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミノアルコール類等の水溶液を示
す。アルカリ水溶液と混和する有機溶剤としては、アル
コール類、ケトン類、エステル類、エーテル類等が挙げ
られる。アルコール類としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、
フェネチルアルコール等の低級アルコールおよび芳香族
アルコールあるいは、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール等のセルソルブ類、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノア
ルコール類等が挙げられる。ケトン類としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が
挙げられる。エステル類としては、エチルアセテート、
イソプロピルアセテート、n−プロピルアセテート、s
ec−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、n−
ブチルアセテート、1−アセトキシ−2−メトキシエタ
ン、エチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
エーテル類としては、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、2−メトキシエタノール、エチレン
グリコールジメチルエーテル等が挙げられる。これら有
機溶剤は前記アルカリ水溶液と任意の範囲で混和して使
用できるが、好ましくは混和した溶液の90重量%以下
の範囲で用いられる。このエッチング液には必要に応じ
て、界面活性剤、消泡剤、着色剤などを添加しても良
い。なお、エッチング後は通常、PS版に用いられてい
る処理、例えばガム引き処理等が好ましく用いられる。
【0084】本発明の印刷原版に使用するトナーは前記
エッチング液に対してレジスト性を有する樹脂成分を含
有していることが好ましい。樹脂成分としては例えば、
メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどを用いたアク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルと、エチレン又
は塩化ビニルなどの共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリビニルブチラールのようなビニルア
セタール樹脂、ポリスチレン、スチレンとブタジエン、
メタクリル酸エステルなどの共重合物、ポリエチレン、
ポリプロピレン及びその塩素化物、ポリエステル樹脂
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソ
フタレート、ビスフェノールAのポリカルボネート)、
ポリアミン樹脂(例、ポリカプラミド、ポリヘキサメチ
レンアジポアミド、ポリヘキサメチレンセバカミド)、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニ
ル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロースエステル誘導体又、ワック
ス、ポレオレフィン、ろうなどがある。
【0085】本発明の印刷原版を利用する場合、トナー
と導電性基板との関係は多くの場合、前者が親油性であ
り後者表面が親水性であり、この場合、親油性と親水性
との程度は相対的なものであって、基板の表面の撥油性
印刷インク性はトナー画像部分と露出した基板表面が隣
接する場合に油性印刷インクが基板表面に付着保持され
てはならないことを意味し、基板表面の親水性はトナー
画像部分と露出した基板表面が隣接する場合に基板表面
の水に対する反撥性が強くて水を保持することが不可能
であってはならないことを意味し、トナーの親油性は油
性印刷インクに対する反撥性が強くて油性印刷インクを
保持することが不可能であってはならないことを意味す
る。導電性基板の表面は撥油性印刷インク性であり、か
つ撥水性(疎水性)であってもさしつかえない。
【0086】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、これにより本発明が実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中「部」とあるのは「重量部」を表
す。
【0087】[実施例1]ジスアゾ化合物(例示化合物
No.1)5部とポリエステル樹脂(商品名バイロン20
0、東洋紡(株)製)5部をテトラヒドロフラン50部
に添加し、ボールミルで12時間分散した後、この分散
液をワイヤーラウンドロッドを用いて導電性支持体(7
5μmのポリエチレンテレフタレート支持体上にアルミ
ニウムの蒸着膜を有する。商品名メタルミー75TS、
東レ(株)製)上に塗布し、乾燥して厚さ約0.5μm
の電荷発生層を得た。
【0088】次に、この電荷発生層上に電荷輸送物質と
して下記化39のヒドラゾン化合物3.6部、ポリカー
ボネート樹脂(パンライトK−1300、帝人(株)
製)4部、ジクロロメタン13.3部と1,2−ジクロ
ロエタン26.6部を混合溶解した溶液をアプリケータ
ーを用いて塗布し、厚さ17μmの電荷輸送層を形成さ
せて2層からなる感光層を有する電子写真感光体を作成
した。
【0089】
【化39】
【0090】これらの感光体を静電複写紙試験装置
((株)川口電機製作所製、SP−428型)を用い
て、次のようにして電子写真特性を評価した(スタチッ
ク方式で測定)。まず感光体を−6KVのコロナ放電によ
り帯電せしめた時の初期表面電位VS、30秒間暗所に
放置した時の表面電位V0を測定した。次いでタングス
テンランプの光を感光体表面における照度を3 luxにな
るようにして露光し、表面電位が初期表面電位VSの半
分に減衰するのに要する露光量E50及び露光30秒後の
表面電位(残留電位VR)をそれぞれ測定した。また同様
の測定を3000回繰り返して行った。結果を第1表に
示す。
【0091】
【表1】
【0092】[比較例1〜3]実施例1において用いた
ジスアゾ化合物の代わりに第2表に示すジアスアゾ化合
物(比較化合物A、B、C)を用いた他は実施例1と同
様にして2層構成の電子写真感光体を作成し、実施例1
と同様にE50、VS、V0、VRを測定した。結果を第2
表に示す。
【0093】
【表2】
【0094】
【化40】
【0095】[実施例2〜19]実施例1において用い
たジスアゾ化合物の代わりに第3表に示すジアスアゾ化
合物を用いた他は実施例1と同様にして2層構成の電子
写真感光体を作成し、実施例1と同様にE50、VS
0、VRを測定した。結果を第3表に示す。
【0096】
【表3】
【0097】[実施例20]表面にアルミニウムの蒸着
膜を設けたポリエチレンテレフタレートフィルムより成
る導電性支持体上に、実施例1に示した化39のヒドラ
ゾン化合物7.5部と、ビスフェノールAのポリカーボ
ネート10部とを、ジクロロメタン50部に溶解した溶
液をワイヤーラウンドロッドを用いて塗布乾燥し、厚さ
12μmの電荷輸送層を設けた。次に、電荷輸送層上に
実施例1にて用いたジスアゾ化合物(例示化合物No.
1)2部とポリエステル樹脂(商品名バイロン200、
東洋紡績(株)製)2部をクロロベンゼン5部に溶かし
た液とを共にペイントシェイカーで1時間分散した後、
ワイヤーラウンドロッドを用いて塗布し、乾燥し、厚さ
1μmの電荷発生層を形成させ、2層から成る電子写真
感光層を有する正帯電用電子写真感光体を作製した。
【0098】この感光体を静電複写紙試験装置((株)
川口電機製作所製、SP−428型)を用いて、次のよ
うにして電子写真特性を評価した(スタチック方式で測
定)。まず、感光体を+6KVのコロナ放電により正に帯
電せしめた時の初期表面電位VS、30秒間暗所に放置
した時の表面電位V0を測定した。次いでタングステン
ランプの光を感光体表面における照度を3 luxになるよ
うにして露光し、表面電位が初期表面電位VSの半分に
減衰するのに要する露光量E50及び露光30秒後の表面
電位(残留電位VR)をそれぞれ測定した。また同様の測
定を3000回繰り返して行った。結果を第4表に示
す。
【0099】
【表4】
【0100】[実施例21]実施例1にて用いたジスア
ゾ化合物(例示化合物No.1)5部と化39のヒドラゾ
ン化合物40部とベンジルメタアクリレートとメタアク
リル酸のコポリマー(〔η〕30℃メチルエチルケトン
=0.12、メタアクリル酸含有量32.9%)100
部とをジクロロメタン660部に添加し、ポールミルで
12時間分散した。この分散液を、ブラシ研磨および電
解研磨しさらに1.5g/m2の陽極酸化およびシリケー
ト処理した厚さ0.25mmのアルミ板上に塗布し、乾燥
して、膜厚6μmの電子写真感光層を有する電子写真印
刷版材料を作製した。この試料を暗所でコロナ放電(+
6KV)することにより、感光層の表面電位を+500V
に帯電させた後、色温度2854°Kのタングステン光
を試料面での照度2.0ルックスで露光したところ、半
減露光量(E50)は1.4 lux・secであった。
【0101】つぎに、この試料を暗所で表面電位を+5
00Vに帯電させた後、ポジ画像の透明原稿と密着させ
て画像露光した。これをIsoperH(エッソスタン
ダード社製、石油系溶剤)1000部中に微粒子状に分
散されたポリメチルメタアクリレート(トナー)5g及
び大豆油レシチン0.01gからなる液体現像剤中に浸
漬し、鮮明なポジのトナー画像を得ることができた。更
に100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着した。
この印刷版材料をメタ珪酸ナトリウム水和物70gをグ
リセリン140部、エチレングリコール550部、およ
びエタノール150部に溶解したエッチング液に1分間
浸漬し、水流で軽くブラッシングしながら洗うことによ
り、トナーの付着していない部分の感光層を除去し印刷
版を得た。このようにして作製した印刷版をハマダスタ
ー600CDオフセット印刷機を用いて印刷したとこ
ろ、地汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷する
ことができた。
【0102】以上の第1表〜第4表に示される結果のよ
うに、本発明のジスアゾ化合物を電荷発生物質として用
いた電子写真感光体は、感度、繰り返し再現性に優れて
いることがわかる。また、実施例21の結果より、印刷
物も良好であり、印刷特性に優れた電子写真式製版用印
刷原版を実現することがわかる。
【0103】
【発明の効果】本発明のジスアゾ化合物を電荷発生物質
として用いることにより、高感度で繰り返し性に優れ、
画像均一性に優れた電子写真感光体および静電特性、印
刷特性に優れた電子写真式製版用印刷原版を実現するこ
とができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−78356(JP,A) 特開 昭59−104658(JP,A) 特開 昭61−238063(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 G03G 13/26 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷輸送化合物及び
    電荷発生化合物を含有した層を設けるか、または電荷輸
    送化合物含有層及び電荷発生化合物含有層を設ける電子
    写真感光体であって、該電荷発生化合物として下記の一
    般式〔1〕で表されるジスアゾ化合物を含有することを
    特徴とする電子写真感光体。 【化1】 一般式〔1〕において、A1、A2、A3、A4、A5
    6、A7、A8は各々独立に、水素原子、置換もしくは
    無置換アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シア
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
    基またはアリールカルボニル基を表し、Xは、ヒドロキ
    シ基とYとが結合している上記式中のベンゼン環と縮合
    した、芳香族環または複素芳香族環を形成するのに必要
    な原子団を表し、Yは−CONR12または−COOR
    2を表し、R1は水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表し、R2は化2に示される基を表す。 【化2】 化2において、R3、R4、R5、R6、R7の少なくとも
    1つは、−CO28、−CONR910、−SO28
    −SO3H、−SO2NR910、−NR9COR1 1、−N
    9SO211から選ばれる基であり、それ以外は、水素
    原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シア
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、アミノ基、カルボキシル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基から選ばれる置換基を表し、
    8はアルキル基、アリール基またはヘテロ芳香族環基
    を表し、R9、R10、R11は各々独立に、水素原子、ア
    ルキル基またはアリール基を表す。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、少なくとも、電荷発
    生物質、電荷輸送物質および結合樹脂を含有する光導電
    層を有する電子写真感光体を、画像露光し現像して、ト
    ナー画像を形成した後、トナー画像部以外の非画像部の
    光導電層を除去することにより印刷版とする電子写真式
    製版用印刷原版であって、該電荷発生物質の少なくとも
    1種が下記一般式〔1〕で表されるジスアゾ化合物であ
    ることを特徴とする電子写真式製版用印刷原版。 【化3】 一般式〔1〕において、A1、A2、A3、A4、A5
    6、A7、A8は各々独立に、水素原子、置換もしくは
    無置換アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シア
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
    基またはアリールカルボニル基を表し、Xは、ヒドロキ
    シ基とYとが結合している上記式中のベンゼン環と縮合
    した、芳香族環または複素芳香族環を形成するのに必要
    な原子団を表し、Yは−CONR12または−COOR
    2を表し、R1は水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表し、R2は化4に示される基を表す。 【化4】 化4において、R3、R4、R5、R6、R7の少なくとも
    1つは、−CO28、−CONR910、−SO28
    −SO3H、−SO2NR910、−NR9COR1 1、−N
    9SO211から選ばれる基であり、それ以外は、水素
    原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シア
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、アミノ基、カルボキシル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基から選ばれる置換基を表し、
    8はアルキル基、アリール基またはヘテロ芳香族環基
    を表し、R9、R10、R11は各々独立に、水素原子、ア
    ルキル基またはアリール基を表す。
JP30029193A 1993-11-30 1993-11-30 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版 Expired - Fee Related JP3161565B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30029193A JP3161565B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版
US08/351,119 US5521039A (en) 1993-11-30 1994-11-30 Electrophotographic photosensitive material and printing plate for electrophotographic process

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30029193A JP3161565B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07152192A JPH07152192A (ja) 1995-06-16
JP3161565B2 true JP3161565B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=17883023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30029193A Expired - Fee Related JP3161565B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5521039A (ja)
JP (1) JP3161565B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5994013A (en) * 1998-04-24 1999-11-30 Lexmark International, Inc. Dual layer photoconductors with charge generation layer containing charge transport compound
JP5374992B2 (ja) * 2007-10-03 2013-12-25 三菱化学株式会社 電子写真感光体、該感光体を用いるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5978356A (ja) * 1982-10-28 1984-05-07 Fuji Photo Film Co Ltd ジスアゾ化合物を含む光導電性組成物及び電子写真感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07152192A (ja) 1995-06-16
US5521039A (en) 1996-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6247301B2 (ja)
JPS60131539A (ja) 光導電性組成物
JPH0441343B2 (ja)
JP2521137B2 (ja) 電子写真感光体
EP0155522B1 (en) Photoconductive composition and electrophotographic light-sensitive material
JP3161565B2 (ja) 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版
JP2678311B2 (ja) 電子写真感光体
JP2515145B2 (ja) 電子写真感光体
US4985323A (en) Electrophotographic printing plate
EP0399403B1 (en) Electrophotographic photoreceptor
US5102760A (en) Electrophotographic photoreceptor and electrophotographic printing plate precursor comprising phthalocyanine pigment and thiobarbituric acid derivative
JPS58178363A (ja) 電子写真感光体
JPH0314336B2 (ja)
US4910109A (en) Electrophotographic printing plate containing thiopyrylium salt compound
JPH07104604B2 (ja) 光導電性組成物及びそれを用いた電子写真感光体
JPH0441339B2 (ja)
JPH0413152A (ja) 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷版
JP2652234B2 (ja) 電子写真感光体
JP2665685B2 (ja) 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版
JP2559258B2 (ja) 電子写真感光体
JP2676630B2 (ja) 電子写真感光体
JP2597911B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0833668B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0341458A (ja) 電子写真感光体
JPH03163459A (ja) 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees