JP2793019B2 - 電子写真平版印刷版のトナー画像形成方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版のトナー画像形成方法

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JP2793019B2 JP2156760A JP15676090A JP2793019B2 JP 2793019 B2 JP2793019 B2 JP 2793019B2 JP 2156760 A JP2156760 A JP 2156760A JP 15676090 A JP15676090 A JP 15676090A JP 2793019 B2 JP2793019 B2 JP 2793019B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、導電性支持体上に光導電体層を有し、電子
写真法によりトナー画像を形成後、非画像部の光導電体
層を除去し印刷版とする電子写真平版印刷版の、液体反
転現像方式によるトナー画像形成方法に関する。
(B)従来技術及びその問題点 平版印刷版の作製方法は既に数多く知られている。例
えば、印刷用原版に銀塩フィルムによる原稿を密着し、
該原版の感光層に直接紫外線等で露光し、これによって
原稿の画像部に対応する硬化部分と、非画像部に対応す
る非硬化部分を形成し、非硬化部分をアルカリ又は水で
洗浄除去し、硬化部分をインキ受理性とする製版方法で
ある。この方法による印刷版がいわゆるPS版と称される
ものであり、現在広く用いられている。
その一方に於て、コンピューターの高性能化により、
大容量メモリー、高速処理を必要とする画像処理が容易
に行えるようになり、それに伴い文字、図形、写真等の
画像入力、補正、編集等が全てコンピューター制御で行
える電子編集によるフルページネーションシステムが近
年著しく発達してきている。このシステムは、ケーブル
回線、光ファイバー、衛星等を用いた送信技術と組み合
わせる事により、コンピューター画面上で作成された画
像を瞬時に遠隔地にある末端コンピューターに送信し、
その末端機に接続されたプロッターから銀塩フィルム上
に出力することが可能である。そのため、これまでより
も短時間の内に印刷版を作製することが可能となり、現
在このシステムは新聞印刷等の情報を即座に印刷物にす
る事が要求される印刷分野に於て使用されている。しか
し、新聞印刷等の印刷分野では、印刷版の作製に要する
時間を更に短縮することが重要な課題である。そこで、
出力プロッターの光源から発せられる画像情報変調光
を、銀塩フィルムではなくPS版上に直接書き込むダイレ
クト製版システムが要求されている。ところが、現在使
用されているPS版は感度が低いために、紫外線等の波長
が短く強いエネルギーを有する光源により露光が必要で
あり、出力プロッターの光源(例えば、Arレーザー、He
−Neレーザー、半導体レーザー等の長波長レーザー光
源)では実用的な時間内に印刷版を作製することが出来
ない。そこで、出力プロッターの光源に対してPS版より
も高感度を有する電子写真平版印刷版の開発が行われて
いる。
電子写真平版印刷版は、アルミニウム等の導電性支持
体上に光導電性物質を含有する光導電体層が被着された
電子写真感光体から作製される。この電子写真感光体の
光導電体層を構成する材料としては、特公昭37−17162
号、同38−7758号、同46−39405号、特開昭52−2437
号、同57−161863号、同58−2854号、同58−28760号、
同58−118658号、同59−12452号、同59−49555号、同62
−217256号、同63−226668号、特開平1−261659号公報
等に記載されている様な有機光導電性化合物・結着樹脂
系材料が実用感度、耐刷性等に優れている。
電子写真平版印刷版の製版工程に於ては、上記電子写
真感光体の光導電体層上に、まず所定の帯電工程が施さ
れ、一様な電荷がのせられる。次に露光によって画像に
対応する静電潜像が形成される。続いて電子写真用現像
剤を用いてその現像そして定着処理が行われ、上記静電
潜像に対応したトナー画像が形成される。このトナー画
像以外の非画像部は、アルカリ剤等を含有する溶液によ
り溶解・除去(溶出)され、続いて酸性のリンス液によ
る版面表面の見かけ上のpHの調節、また必要に応じて版
面保護液(保護ガム液)の塗布等の処理が施されて最終
的な刷版が得られる。
ところで、上記トナー画像形成工程に於ては、いわゆ
る反転現像によりトナー画像形成を行うとその現像特性
からカブリ及び線細りのない良好な画像を得ることが出
来る。近年特に高解像度、高品質な画像再現性が要求さ
れており、このため反転現像による電子写真平版印刷版
の製造方法の確立が強く要望されている。反転現像とは
次の様なものである。電子写真感光体は、光導電体層上
に帯電が施された後、反転現像時にトナー粒子が付着す
べき部分、つまり画像部に対して露光が行われ、この画
像部の電位はほぼ0Vに減衰させられる。このとき、露光
が行われない非画像部は初期帯電電位が保持され、静電
潜像が形成される。また、現像工程領域には上記電子写
真感光体の光導電体層上と同じ極性に帯電されているト
ナー粒子から成る現像剤が満たされ、そして現像電極を
介して所定の現像バイアスが印加されているために現像
電界が形成されている。この現像電界中に光導電体層上
に静電潜像が形成された電子写真感光体が搬入される
と、現像剤中のトナー粒子が現像電界により光導電体層
上に移行され、0V部分つまり露光部に付着する。この
時、初期帯電電位が保持されている未露光部はトナー粒
子の反発が生じるためにトナー粒子は付着しない。この
様にして画像部、非画像部が形成される。反転現像方式
は乾式現像では多くの例が見られるが、液体トナーを用
いた湿式現像では良好な解像力の画像が得られるにも拘
らず、電極の汚れ、エッジ効果等の短所を持つために乾
式ほど広く用いられていない。
液体トナーは光絶縁性媒体中に着色剤等を含有する樹
脂粒子が分散されたものである。そのため、この液体ト
ナーを用いてその液体反転現像により光導電体層上に形
成されたトナー画像中には、トナー分散媒が多量に含ま
れている。この状態で定着処理を行っても良いが、定着
処理の前に自然乾燥、もしくはファンによる温風、冷風
による定温乾燥等の手段により該トナー分散媒の乾燥を
行うことが好ましい。しかしながら、トナー画像の乾燥
状態が異なると、次の定着処理の際にトナー画像の定着
性に影響を与え、更にはこのトナー画像の定着性の異な
る電子写真平版印刷版を用いて印刷を行った場合に印刷
結果、耐刷性等に変化が生じてしまうことがある。
この現像は反転現像によりトナー現像を行う場合に特
に顕著に現われる。というのは、正規像に於ては光導電
体層上の電荷の保持されている部分に、光導電体層上の
電荷と反転電荷を有するトナーが付着するためにトナー
粒子と光導電体層の間に静電的な結合力が働くが、反転
現像に於ては、光導電体層上の電荷を有しない部分にト
ナー粒子が付着するために、上記静電的結合力が働かず
その分正現像に比べトナー粒子と光導電体層間の結合力
が劣るためである。例えば、液体反転現像後、トナー画
像中にトナー分散媒が多く含まれた状態で熱定着を行う
と、一旦現像されたトナーが画像の周囲に拡散し、画像
が乱れ解像力が劣る。また、この様な状態で製版された
印刷版を用いて印刷を行うと、得られた印刷物は画像の
シャープネスに欠け、また地汚れが発生することすらあ
る。トナー画像中に更に多くのトナー分散媒が含まれる
場合は定着不良を生じる。但し、定着不良は液体反転現
像に特有の現象ではなく、液体正現像に於ても生じる。
また、現像後トナー画像が完全に乾燥した状態で熱定着
を行うとトナー皮膜が形成されにくくなる場合があり、
やはり良い印刷結果が得られない。そのため、トナー画
像の解像力、定着性に優れた電子写真平版印刷版を得る
ためには、現像後、特に液体反転現像後、トナー画像中
に残存するトナー分散媒量がある一定範囲内にある状態
に乾燥した後に定着処理を行う必要がある。
(C)発明の目的 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するものであ
り、その目的は電子写真平版印刷版のトナー画像形成を
液体反転現像方式により行う場合に於いて、解像度、定
着性に優れたトナー画像形成方法を提供することにあ
る。
(D)発明の構成 本発明は、電子写真平版印刷版のトナー画像形成を液
体反転現像方式により行う場合に於て、トナー現像後の
トナー画像中に残存するトナー分散媒量をトナー粒子の
重量に対し、0.3倍以上1倍以下となる様に乾燥した後
に熱定着を行うことであり、これにより上記目的が達成
される。更に詳しく具体的に説明する。
本発明に関わる電子写真平版印刷版は、導電性支持体
上に少なくとも有機光導電性化合物及び結着樹脂を含有
し、通常の電子写真液体反転現像方式によりトナー画像
を形成し得るものである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラチチックシート、不透過性及び導電性に
した紙、またはアルミニウム、亜鉛、銅−アルミニウ
ム、銅−ステンレス、クロム−銅等のバイメタル、クロ
ム−銅−アルミニウム、クロム−鉛−鉄、クロム−銅−
ステンレス等のトライメタル等の金属板等の親水性処理
を施した表面を有する導電性支持体が挙げらる。それら
の厚みは0.07〜2.0mm、より好ましくは0.10〜0.50mmが
良い。これらの支持体の中でもアルミニウム板が好適に
使用される。このアルミニウム板は、アルミニウムを主
成分とし微量の異元素を含有しても良く、従来公知・公
用の素材を適宜使用することが出来る。また、これらは
公知の方法で砂目立て、陽極酸化して用いることが出来
る。砂目立て処理に先立って、所望により界面活性剤ま
たはアルカリ水溶液による脱脂処理する。砂目立て処理
方法には、機械的粗面化法、電気化学的粗面化法、化学
的表面選択溶解法等がある。機械的粗面化法には、ボー
ル研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法
等の公知の方法を用いることが出来る。また電気化学的
粗面化法には、塩酸或は硝酸電解液中で、交流か直流に
より行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に
開示の如、両者を組合わせた方法等も利用出来る。この
様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアル
カリエッチング処理及び中和処理して用いる。上記処理
を施されたアルミニウム板は、陽極酸化処理される。陽
極酸化処理に用いられる電解質としては、硫酸、リン
酸、しゅう酸等、或はそれらの混酸が用いられ、それら
の電解質やその濃度は電解質の種類によって適宜決定さ
れる。陽極酸化処理条件は、用いる電解質により大幅に
変化するため一概に特定し得ないが、一般的に電解質濃
度は1.0〜80重量%、液温は5.0〜70℃、電流密度は5.0
〜60A/dm2、電圧は1.0〜100V、電解時間は10〜3000秒の
範囲にあれば良い。この様にして得られた陽極酸化皮膜
量は0.10〜10g/m2が良く、更には1.0〜6.0g/m2の範囲が
好適である。更に、特公昭47−5125号公報に記載の如
く、陽極酸化処理後にアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理
したものも好適である。また、米国特許第3658662号明
細書に記載のシリケート電着も有効である。西独公開特
許第1621478号公報記載のポリビニルスルホン酸による
処理も適当である。
導電性支持体と光導電体層との間には、密着性や電子
写真特性等の向上のため、必要に応じ中間層を設けても
良い。
この様にして作製された導電性支持体上に公知の光導
電体層を被着することにより、電子写真感光体が得られ
る。この光導電体層には、公知の有機或は無機化合物が
光導電性材料として使用出来る。
無機光導電性材料としては、硫化カドミウム、酸化亜
鉛等を挙げることが出来る。
また、有機光導電性材料としては、 a)米国特許第3112197号明細書等に記載のトリアゾー
ル誘導体、 b)米国特許第3189447号明細書等に記載のオキサジア
ゾール誘導体、 c)特公昭37−16096号公報等に記載のイミダゾール誘
導体、 d)米国特許第3542544号、同3615402号、同3820989号
明細書、特公昭45−555号、同51−10983号、特開昭51−
93224号、同55−108667号、同55−156953号、同56−366
56号公報等に記載のポリアリールアルカン誘導体、 e)米国特許第3180729号、同4278746号明細書、特開昭
55−88064号、同55−88065号、同49−105537号、同55−
51086号、同56−80051号、同56−88141号、同57−45545
号、同54−112637号、同55−74546号公報等に記載のピ
ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、 f)米国特許第3615404号明細書、特公昭51−10105号、
同46−3712号、同47−28336号、特開昭54−83435号、同
54−110836号、同54−119925号公報等に記載のフェニレ
ンジアミン誘導体、 g)米国特許第3567450号、同3180703号、同3240597
号、同3658520号、同4232103号、同4175961号、同40123
76号明細書、西独国特許(DAS)1110518号、特公昭49−
35702号、同39−27577号、特開昭55−144250号、同56−
119132号、同56−22437号公報等に記載のアリールアミ
ン誘導体、 h)米国特許第3526501号明細書記載のアミノ置換カル
コン誘導体、 i)米国特許第3542546号明細書等に記載のN,N−ビカル
バジル誘導体、 j)米国特許第3257203号明細書等に記載のオキサゾー
ル誘導体、 k)特開昭56−46234号公報等に記載のスチリルアント
ラセン誘導体、 l)特開昭54−110837号公報等に記載のフルオレノン誘
導体、 m)米国特許第3717462号明細書、特開昭54−59143号
(米国特許第4150987号に対応)、同55−52063号、同55
−52064号、同55−46760号、同55−85495号、同57−113
50号、同57−148749号、同57−104144号公報等に記載の
ヒドラゾン誘導体、 n)米国特許第4047948号、同4047949号、同4265990
号、同4273846号、同4299897号、同4306008号明細書等
に記載のベンジジン誘導体、 o)特開昭58−190953号、同59−95540号、同59−97148
号、同59−195658号、同62−36674号公報等に記載のス
チルベン誘導体、 p)特公昭34−10966号公報に記載のポリビニルカルバ
ゾール及びその誘導体、 q)特公昭43−18674号、同43−19192号公報に記載のポ
リビニルビレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−
ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチル
カルバゾール等のビニル重合体、 r)特公昭43−19193号公報に記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレン/スチレン共重合体
等の重合体、 s)特公昭56−13940号公報等に記載のピレン/ホルム
アルデヒド樹脂、エチルカルバゾール/ホルムアルデヒ
ド樹脂等の縮合樹脂、 t)特開昭56−90883号、同56−161550号公報等に記載
の各種トリフェニルメタン重合体、 u)米国特許第3397086号、同4666802号、特開昭51−90
827号、同52−655643号、特開昭64−2061号、同64−438
9号公報等に記載の無金属或は金属(酸化物)フタロシ
アニン及びナフタロシアニン、及びその誘導体等があ
る。
尚、本発明に於て用いられる有機光導電性化合物は、
これまでに公知である有機光導電性化合物を任意に用い
ることが可能であり、a)〜u)に挙げられた化合物に
限定されない。これらの有機光導電性化合物は、2種類
以上を併用することも可能である。また、電子写真感光
体の感度の向上や所望の波長域に感度を持たせるためな
どの目的で、光導電体層に各種の顔料、染料等を併用す
ることも可能である。
顔料の例としては以下の様なものが挙げられる。
1)米国特許第4436800号、同4439506号明細書、特開昭
47−37543号、同58−123541号、同58−192042号、同58
−219263号、同59−78356号、同60−179746号、同61−1
48453号、同61−238063号、特公昭60−5941号、同60−4
5664号公報等に記載のモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ
顔料、 2)米国特許第3397086号、同4666802号明細書等に記載
の金属フタロシアニン或は無金属フタロシアニン等のフ
タロシアニン顔料、 3)米国特許第3371884号明細書等に記載のペリレン系
顔料、 4)英国特許第2237680号明細書等に記載のインジゴ、
チオインジゴ誘導体、 5)英国特許第2237679号明細書等に記載のキナクリド
ン系顔料、 6)英国特許第2237678号明細書、特開昭59−184348
号、同62−28738号公報等に記載の多環キノン系顔料、 7)特開昭47−30331号公報等に記載のビスベンズイミ
ダゾール系顔料、 8)米国特許第4396610号、同4644082号明細書等に記載
のスクアリウム塩系顔料、 9)特開昭59−53850号、同61−212542号公報等に記載
のアズレニウム塩系顔料。
また、染料としては、「電子写真」12 9(1973)、
「有機合成化学」24 No.11 1010(1966)等に記載の公
知の化合物を使用することが出来る。
その例としては、 10)米国特許第3141770号、同4283475号明細書、特公昭
48−25658号、特開昭61−71965号公報等に記載のピリリ
ウム系染料、 11)Applied Optics Supplement 3 50(1969)、特開昭
50−39548号公報等に記載のトリアリールメタン系染
料、 12)米国特許第3597196号明細書等に記載のシアニン系
染料、 13)特開昭59−164588号、同60−163047号、同60−2525
17号公報等に記載のスチリル系染料等が挙げられる。こ
れらの増感色素は1種でも、また2種以上を併用しても
良い。
本発明に係わる光導電体層には感度向上等のため、ト
リニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノエチ
レン等の化合物、特開昭58−65439号、同58−102239
号、同58−129439号、同60−71965号公報等に記載の化
合物を併用することが出来る。
電子写真感光体の光導電体層に於ては、光導電性化合
物自体が皮膜性を有する場合もあるが、光導電性化合物
単独では皮膜性を有さない場合は、結着樹脂が併用され
る。本発明に係わる電子写真平版印刷版は、最終的に非
画像部の光導電体層を除去する必要があるが、この工程
は光導電体層の溶出液に対する溶解性とトナー画像の溶
出液に対するレジスト性との相対的関係によって決定さ
れ、一概に表現出来ないが、少なくとも結着樹脂として
は、前述の溶出液に可溶或は分散可能な高分子化合物が
好ましい。
その具体例としては、スチレン/無水マレイン酸共重
合体、スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メ
タクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン
/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/ア
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル
/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタ
クリル酸エステル共重合体等のスチレン、メタクリル酸
エステル、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸
ビニル等とアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の
カルボン酸含有モノマー或は酸無水物基含有モノマーと
の共重合体やメタクリル酸アミド、ビニルピロリドン、
フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド
基、スルホンイミド基を有するモノマーを含有する共重
合体、フェノール樹脂、部分ケン化酢酸ビニル樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセター
ル樹脂等が挙げられる。酸無水物基或はカルボン酸基を
有するモノマー含有共重合体及びフェノール樹脂は、電
子写真感光体とした場合の電荷保持力が高く、従って有
利に使用することが出来る。
また、高導電体層の柔軟性、塗布面状等の膜物性を改
良する目的で上記結着樹脂に、可塑剤、界面活性剤、そ
の他の添加剤を併用することも可能である。
光導電体層に、光導電性化合物と結着樹脂とを用いる
場合、光導電性化合物の含有量が少ないと低感度となる
ため、結着樹脂100重量部に対して光導電性化合物は5
重量部以上、より好ましくは15重量部以上を混合して使
用することが好適である。また、光導電体層の膜厚は、
薄いとトナー現像に必要な電荷が帯電出来ず、逆に厚い
と溶出液の劣化を促進するばかりか溶出の際にサイドエ
ッチを誘引して良好な画像が得られないため、0.10〜30
μmが、より好ましくは0.50〜10μmが良い。
本発明に係わる電子写真感光体は、常法に従って光導
電体層を導電性支持体上に塗布して得られる。光導電体
層の作製法としては、光導電体層を構成する成分を同一
層中に含有させる方法、或は二層以上の層に分離して含
有させる方法、例えば電荷担体発生物質と電荷担体輸送
物質を異なる層に分離して用いる方法等が知られてお
り、何れの方法を用いても作製することが出来る。塗布
液は、光導電体層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解
して作製するが、この塗布液に顔料等の溶媒に不溶な成
分が含まれている場合は、ボールミル、ペイントシェィ
カー、ダイノミル、アトライター等の分散機により不溶
成分の平均粒径が0.01〜5μmとなるように分散した後
に塗布を行う。光導電体層に使用する結着樹脂、その他
の添加剤は顔料等の分散時或は分散後に添加することが
出来る。この様にして作成した塗布液を回転塗布、ブレ
ード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ディップ
塗布、ロッドバー塗布、スプレー塗布、エクストルージ
ョン塗布の様な公知の方法で前述の導電性支持体上に塗
布乾燥して電子写真感光体を得ることが出来る。
塗布液の溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノ
ール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール
等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、2−メトキシエチルアセテート等のグリコー
ルエーテル類、オキソラン、オキサン、ジオキサン等の
環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル等のエステル類等が挙げられる。
本発明に於て使用される電子写真平版印刷版は、前述
の電子写真感光体を用いて、公知の操作により製版され
る。即ち、暗所で実質的に一様に帯電され、画像露光に
より静電潜像が形成される。露光方法としては、キセノ
ンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源として
反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光や、
レーザー光、発光ダイオード等による走査露光が挙げら
れる。走査露光を行う場合は、He−Neレーザー、He−Cd
レーザー、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオン
レーザー、ルビーレーザー、YAGレーザー、窒素レーザ
ー、色素レーザー、エキサイマーレーザー、GaAs/GaAlA
s、InGaAsPの様な半導体レーザー、アレキサンドライト
レーザー、銅蒸気レーザー等のレーザー光源による走査
露光、或は発光ダイオード、液晶シャッターを利用した
走査露光(発光ダイオードアレイ、液晶シャッターアレ
イ等を用いたラインプリンター型の光源も含む)によっ
て露光することが出来る。
次に、上記静電潜像を電子写真現像剤であるトナーに
より現像する。現像方法としては、粉体トナーによる乾
式現像法と、液体トナーによる湿式現像法があるが、湿
式現像法はトナー粒子が乾式用にのものに比べ微細であ
るために、解像力に優れた画像を形成出来、再現性良い
印刷版を作製するのに好適である。
本発明に於て使用される液体トナーは、高絶縁性媒体
中に、非画像部の光導電体層を除去するための溶出液に
対してレジスト性を有する樹脂粒子成分が分散されたも
のである。この液体トナーには、現像或は定着等に悪影
響を及ぼさない範囲で、着色剤や電荷制御剤が一般的に
含有されている。液体トナーの製造方法としては、例え
ば、カーボンブラック、シアニンブルー、ニグロシン、
オイル染料等の着色剤、顔料又は染料と、溶出液に対し
てレジスト性を有する、ロジン、アルキッド樹脂、アク
リル樹脂、合成ゴム等の樹脂を共に高絶縁性媒体中に加
え、ボールミル、アトライター、ホモジナイザー等で機
械的に分散し、更に金属石鹸、アミン、高級脂肪酸等を
加えて、該分散物の分散粒子に電荷を安定に付与させ、
液体トナーとしたもの。また、特公昭53−54029号、同5
7−12985号公報等に述べられている様に前駆体ポリマー
に高分子反応により重合可能なビニル基をあらかじめ導
入しておき、これの存在下にモノマーを重合せしめグラ
フト共重合体を生成させ、これを染料で着色する事によ
り液体トナーとしたもの。更に特開昭59−83174号、同5
9−177572号、同59−212850号、同59−212851号、同60
−164757号、同60−179751号、同60−185962号、同60−
185963号、同60−252367号、同61−116364号、同61−11
6365号公報等に記載されている高絶縁性媒体に可溶な重
合体存在下で該溶媒に可溶であるが重合体を形成すると
不溶となるモノマーを重合し、得られた樹脂分散物(以
下エマルジョンと呼ぶ)を液体トナーとしたもの等が使
用出来る。更に、特開昭62−231266号、同62−231267
号、同62−232660号、同63−178258号、同63−179368号
公報等に記載された液体トナー等も好適に使用出来る。
高絶縁性媒体としては、ノルマルパラフィン系炭化水
素、イソパラフィン系炭化水素、脂環族炭化水素、ハロ
ゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられるが、安全性、揮発
性等のから実用上好ましくはイソパラフィン系炭化水素
溶媒である、シェルゾル71(シェル石油製)、アイスソ
パーO、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、
アイソパーM、アイソパーG(アイソパーはエクソン社
の商品名)やアイピーソルベント(出光石油化学製)等
が使用出来る。
樹脂成分としては、例えばメタクリル酸、メタクリル
酸エステル等をから成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重
合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、ステレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等と
の共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩
化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソ
フタレート等のポリエステル樹脂、ポリカプラミドやポ
リヘキサメチレンアジポアミド等のポリアミド樹脂、フ
ェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル
変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセル
ロース等のセルロースエステル誘導体、その他ワック
ス、蝋等が挙げられる。
樹脂粒子の着色剤としては、一般に液体トナーの直色
剤として知られているものが任意に使用出来る。例え
ば、オイルブラック、オイルレッド等の油溶性染料、ビ
スマルクブラウン、クリソイジン等の塩基性アゾ染料、
ウールブラック、アミドブラックグリーン、ブルーブラ
ックHF等の酸性アゾ染料、コンゴーレッド等の直接染
料、スーダンバイオレット、アシッドブルー等のアント
ラキノン系染料、オーラミン、マラカイトグリーン、ク
リスタルバイオレット、ビクトリアブルー等のカルボニ
ウム染料、ローダミンBの如くローダミン染料、サフラ
ン、ニグロシン、メチレンブルー、等のキノンイミン染
料等の染料が挙げられる。顔料としては、カーボンブラ
ック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン、ウォシングレッド、ベンジジンイエロー等が挙げら
れる。又表面処理を施した顔料、例えばニグロシンで染
色したカーボンブラック、グラフトカーボン、ローダミ
ンHで染色した酸化珪素微粉末マイクロリスブルー等を
用いることが出来る。
分散粒子への着色方法は、使用する着色剤を溶解可能
な溶剤に予め溶解しておき、この着色剤溶液をエマルシ
ョン中に滴下撹拌する方法が最も簡便である。特にオイ
ル染料をトルエン、キシレン等の芳香族溶媒に溶解し滴
下撹拌すると、うまく着色出来る。使用した溶媒はトナ
ー溶媒と混合するので品質上悪影響がない限り除去する
必要はない。又特開昭57−48738号公報に見られる様な
溶媒系を用いて、後で溶媒除去をしても良い。更に他の
着色法として、得られたエマルションと着色剤をコロイ
ドミル、ボールミル、振動ミル等の分散機に加え機械的
振動を与える事によって着色しても良い。
電荷制御剤としては、例えばオレイン酸銅、ナフテン
酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マンガン、オ
クチル酸コバルト、レシチン、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ステベライトレジンのアルミニウム塩等
が挙げられる。又特公昭49−26594号、同49−26595号、
特開昭60−173558号、同60−175060号、同60−179750
号、同60−182447号、同60−218662号、同61−278867
号、同62−30260号、同62−34170号、同63−124056号公
報等に挙げられた電荷制御剤も使用出来る。
本発明に於て用いられる液体トナーは、エマルショ
ン、着色剤、電荷制御剤の選択により、正電荷、負電荷
の何れを有することも可能である。
光導電体層上に形成されたトナー画像は、公知の定着
法、例えば加熱定着、圧力定着、溶剤定着等により定着
出来るが、本発明に於ては、トナー画像中に残存する分
散媒量が、そのトナー画像中のトナー粒子の重量に対
し、0.3倍以上10倍以下となるように、自然乾燥、冷風
もしくはトナーが融解しない程度の温風等の手段により
乾燥した後に、熱風、赤外線、その他熱源により加熱定
着を行うことにより、解像力、定着性に優れたトナー画
像が形成されるものである。
このトナー画像をレジストとして、非画像部の光導電
体層を溶出液により除去して印刷版が作製出来るが、こ
の溶出液としては、アルカリ剤を含有し緩衝能を有する
ものが望しい。アルカリ剤としては、一般式SiO2/M2O
(M=Na、K)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸
化物、リン酸、炭酸アルカリ金属及びアンモニウム塩等
の無機アルカリ剤、エタノールアミン類、エチレンジア
ミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、
モルホリン等の有機アルカリ剤、及びこれらの混合物が
挙げられるが、特に上記珪酸塩が強い緩衝能を示すた
め、溶出液は少なくともこの珪酸塩を含有するものとす
る。処方上はこれにアルカリ金属水酸化物等のその他の
アルカリ剤を添加したものが望ましい。溶出液には更に
特開昭55−25100号公報記載のイオン性化合物、特開昭5
5−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特
開昭56−142528号公報記載の水溶性両性高分子電解質、
特開昭58−75152号公報記載の中性塩、特開昭58−19095
2号公報記載のキレート剤、特開平1−177541号公報記
載の液粘度調製剤、特開昭63−226657号公報記載の防腐
剤や殺菌剤、及び各種界面活性剤、天然及び合成水溶性
ポリマー等の公知の成分を必要に応じ含有させることが
出来る。溶出液に於ける溶媒としては、水が有利に用い
られるが、溶媒能を向上させたり溶出物の液中での安定
性のため等の目的により有機溶剤を添加含有しても良
い。
以上に述べた方法により作製された、トナー画像の解
像力及び定着性に優れた印刷版による印刷物は、シャー
プネスに優れ、画像の再現性も良く、耐刷性も優れたも
のとなる。
(E)実施例 本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発
明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に限定され
るものではない。
(実施例1) * 光導電体層塗液の調製及び塗布 表面処理面の中心線平均粗さ(Ra)が0.50μmである
陽極酸化されたアルミニウム板上にペイントシェイカー
にて1時間分散させた下記の光導電体層組成物をバーコ
ーターで塗布後、90℃で5分間乾燥して正帯電型電子写
真平版印刷版を作製した。この時、光導電体層の塗布量
は、5.0g/m2であった。
光導電体層塗液組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (メタクリル酸35重量%) 8重量部 χ型無金属フタロシアニン 2重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 30重量部 * トナー現像 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導体レー
ザー(780nm)を用いて画像部を走査露光し、直ちに下
記の方法により製造した正電荷トナーで液体反転現像を
行った。
(エマルションの合成) 公知の溶液重合法により、n−ヘキシルメタクリレー
ト−メタクリル酸共重合体(重量比95:5)の40%キシレ
ン溶液を得た。この溶液20gを1のヘキサン中に加え
ると、共重合体の沈澱物がスラリー状として得られた。
このスラリー部をN2ガス導入管、温度計、撹拌機、冷却
管を備えた1の4ツ口フラスコ中に加え、アイピーソ
ルベント(出光石油化学製)で全量を450gとした。次
に、130gの酢酸ビニル、30gのラウリルメタクリレート
を加えた。80℃でN2ガス置換した画に、重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリルを加えると、重合が開始
し、約40分後に白濁し始め、内温は115℃まで上昇し
た。内温が80℃に低下してからも更に2時間加熱した。
残存している酢酸ビニルモノマーを除去する為に内部を
減圧にし、留去させ、約2gの留出物を得た。得られた白
色のエマルションには全く沈澱物はなく、又モノマー臭
もほとんど感じられなかった。電子顕微鏡で粒子径を測
定した所0.21μmの粒子径で、粒度分布はほとんどなか
った。
(正電荷液体トナーの製造) 上記で得られたエマルション250g中に、40gのキシレ
ンに溶解した5gのオイルブラックHBB(オリエント化学
製)を超音波をかけながら滴下し、エマルション粒子を
着色した。次いで電荷制御剤として1%のステベライト
レジンのアルミニウム塩のキシレン溶液5gを加え、コン
ク(濃縮)トナーを得た。このコンクトナーをアイピー
ソルベントでトータルを10に希釈し、正電荷液体トナ
ーとした。
(液体反転現像) 上記液体トナーを用いて液体反転現像を行いスキージ
ロールで不要のトナーを除去した後、印刷版を3.5m/min
の速度で搬送しながら直ちにファンにより冷風乾燥を行
った。この時、ファンの風量を2.0m3/min−(a)、1.0
m3/min−(b)、0.5m3/min−(c)に変化させ、3枚
の印刷版の乾燥を行った。次に赤外ランプにより熱定着
を行い、光導電体層上にトナー画像を形成した。
* 製版処理 次に、下記に示す様な自動溶出機、溶出液、水洗液、
及びリンス液により製版処理を行った。
(自動溶出機) 溶出槽とそれに続く水洗槽、リンス槽とを有し、トナ
ー現像済みの電子写真平版印刷版を搬送する駆動装置
と、各処理槽の処理液を、貯溜槽→ポンプ→スプレー→
貯溜槽のサイクルで循環させる装置、及び各処理槽への
補充装置を有する自動溶出機を用いた。
(溶出液組成) 珪酸ナトリウム水溶液(SiO2分30重量%、 SiO2/Na2Oモル比2.5) 20重量部 水酸化カリウム 1重量部 純水 79重量部 (水洗液組成) ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム 0.1重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量%水溶液 100重量部 (リンス液組成) こはく酸 0.5重量部 リン酸(85%水溶液) 0.5重量部 デカグリセリルモノラウレート 0.05重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 以上に水酸化ナトリウムを添加して液pHを4.7とした
後、純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて製版した(溶出時間は8秒に設
定)ところ、画像部の溶出遅れ、(顔料残り)等の故障
は観られなかった。この様にして、実施例1−(a)、
1−(b)、1−(c)の印刷版を得た。
(比較例1) 液体反転現像後の乾燥に於て、ファンの風量を4.0m3/
min−(a)、0.1m3/min−(b)、0m3/min−(c)と
した以外は全て実施例1と同様の材料、方法により製版
を行い比較例1−(a)、1−(b)、1−(c)の印
刷版を得た。
(比較例2) 液体トナーの製造に於て、電荷制御剤としてジオクチ
ルスルホサクシネートのナトリウム塩を0.2g加え、負電
荷液体トナーとして、トナー現像をこの負電荷液体トナ
ーを用い正現像で行った事、液体正現像後の乾燥に於
て、ファンの風量を2.0m3/min−(a)、0.1m3/min−
(b)、0m3/min−(c)とした以外は全て実施例1と
同様の材料、方法により製版を行い比較例2−(a)、
2−(b)、2−(c)の印刷版を得た。
(実施例2) * 光導電体層塗液の調製及び塗布 表面処理面の中心線平均粗さ(Ra)が0.50μmである
陽極酸化されたアルミニウム板上に、ペイントシェイカ
ーにて1時間分散させた下記の光導電体層組成物をバー
コーターで塗布後、90℃で5分間乾燥して負帯電型電子
写真平版印刷版を作製した。この時、光導電体層の塗布
量は4.0g/m2であった。
光導電体層塗液組成 * トナー現像 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与え、表
面電位が約−300Vとなる様に帯電させた後、He−Neレー
ザー(633nm)を用いて画像部を走査露光した。直ちに
比較例2と同様の負電荷液体トナーにより液体反転現象
を行いスキージロールで不要のトナーを除去した後、印
刷版を3.5m/minの速度で搬送しながら直ちにファンによ
り冷風乾燥を行った。この時、ファンの風量を2.0m3/mi
n−(a)、1.0m3/min−(b)、0m3/min−(c)に変
化させ3枚の印刷版の乾燥を行った。次に赤外ランプに
より熱定着を行い、光導電体層上にトナー画像を形成し
た。
* 製版処理 実施例1と同様の装置、処理液を用いて製版処理を行
い実施例2−(a)、2−(b)、2−(c)の印刷版
を得た。
(比較例3) 液体反転現像後の乾燥に於て、ファンの風量を4.0m3/
min−(a)、0.1m3/min−(b)、0m3/min−(c)と
した事以外は全て実施例2と同様の材料、方法により製
版を行い比較例3−(a)、3−(b)、3−(c)の
印刷版を得た。
(比較例4) トナー画像形成に於て、トナー現像を実施例1と同様
の正電荷液体トナーを用い正現像で行った事、液体正現
像後の乾燥に於て、ファンの風量を2.0m3/min−
(a)、0.1m3/min−(b)、0m3/min−(c)とした事
以外は全て実施例2と同様の材料、方法により製版を行
い比較例4−(a)、4−(b)、4−(c)の印刷版
を得た。
以上で作製した印刷版のトナー現像直後のトナー画像
中に残存するトナー分散媒量をガスクロマトグラフィー
(島津製GC−7GA)で測定した結果を下記表1に示す。
実施例1−2の印刷版は、熱定着後、光導電体層上に
解像力50本/mmのトナー画像が再現性良く形成され、画
像の鮮鋭度も良好であった。また、これらの印刷版を用
いてオフセット印刷機(ハマダスター600CD)にて印刷
を行ったところ、少なくとも10万枚までは、印刷物に画
線の飛び、汚れの発生等がなく、良好な印刷物が得られ
た。
比較例1−(a)、3−(a)の印刷版は、熱定着
後、光導電体層上に解像力50本/mmのトナー画像が再現
性良く形成され、画像の鮮鋭度も良好であった。しか
し、トナー画像と光導電体層との接着性に劣るために、
溶出に於てトナー画像の剥離が、印刷に於て細線の飛び
が生じるなどの現象が観察され、良好な印刷物は得られ
なかった。
比較例1−(b)、1−(c)、3−(b)、3−
(c)の印刷版は、熱定着前は、光導電体層上にトナー
画像が再現性良く形成されていたが、熱定着により画線
の太り、また、エッジ部がギザギザになりシャープネス
が劣るなどの現象が観られた。この印刷版により印刷を
行ったところ、印刷物にも版面上と同様の画線の太り、
エッジ部の乱れが忠実に再現され、良好な印刷物は得ら
れなかった。
比較例2、4の正現像によりトナー画像が形成された
印刷版は、熱定着後、光導電体層上に解像力50本/mmの
トナー画像が再現性良く形成され、画像の鮮鋭度も良好
であった。また、印刷に於けるトラブルの発生もなく、
良好な印刷物が得られた。
以上により、反転現像によりトナー画像形成を行った
印刷版の方が正現像によりトナー画像形成を行った印刷
版に比べトナー現像後のトナー画像中に残存するトナー
分散媒量の影響が大きく、反転現像によりトナー画像形
成を行った場合にトナー画像の解像力、定着性に優れた
印刷版を得るためには、トナー現像後、トナー画像中に
残存するトナー分散媒量がトナー粒子の重量に対し0.3
倍以上、10倍以下になる様に乾燥した後に熱定着を行う
必要がある事が判明した。
(発明の効果) 本発明により、トナー画像の解像力、定着性に優れた
電子写真平版印刷版が得られ、特に、液体反転現像によ
りトナー画像が形成された場合に於て、解像力不足、定
着不良に起因して生じる画像の再現性、耐刷性に関する
問題が解決される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 13/26 - 13/32 G03G 13/20 G03G 15/20 G03G 15/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真平版印刷版のトナー画像形成を液
    体反転現像により行う場合に於て、該印刷版を液体反転
    現像後、熱定着工程に入れる際に、該印刷版上に形成さ
    れたトナー画像中に残存するトナー分散媒量をそのトナ
    ー画像中のトナー粒子の重量に対し0.3倍以上10倍以下
    とすることを特徴とするトナー画像形成方法。
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