JPH0897539A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH0897539A
JPH0897539A JP22787494A JP22787494A JPH0897539A JP H0897539 A JPH0897539 A JP H0897539A JP 22787494 A JP22787494 A JP 22787494A JP 22787494 A JP22787494 A JP 22787494A JP H0897539 A JPH0897539 A JP H0897539A
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JP
Japan
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photoconductive layer
layer
resist
conductive substrate
photoconductive
Prior art date
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Application number
JP22787494A
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English (en)
Inventor
Wakana Inoue
和佳奈 井上
Kenji Hyodo
建二 兵頭
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0897539A publication Critical patent/JPH0897539A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い解像度を有し、欠陥の少ないファインな
回路パターンを有するプリント配線板の製造方法を提供
する。 【構成】 導電性基板上に光導電層を設けた後、電子写
真法でトナー画像を形成し、トナー画像部位外の光導電
層を溶出除去してレジスト画像を設け、レジスト画像部
以外の導電性基板上に金属めっきを施して金属配線パタ
ーンを作製し、次いでレジスト画像を除去した後、金属
配線パターンを絶縁性材料に転写するプリント配線板の
製造方法であって、導電性基板上に光導電層を設けるに
先立ってアルカリ可溶型下引き層を形成し、かつ下引き
層を光導電層とともに溶出除去して該レジスト画像を作
製することを特徴とするプリント配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基板上に非回路
部に相当するレジスト画像を設け、レジスト画像部以外
の導電性基板上に金属めっきを施して金属配線パターン
を作製し、次いでレジスト画像を除去した後、この金属
配線パターンを絶縁性材料に転写するプリント配線板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造方法としては、サ
ブトラクティブ法、アディティブ法、および配線転写法
が知られている。サブトラクティブ法は絶縁性基板に銅
等の導電層を設けた積層板上にレジスト層を形成し、そ
のレジスト層で被覆されていない導電層をエッチングに
より取り除く方法である。アディティブ法は絶縁性基板
上の非配線パターン部をレジスト層で保護し、配線パタ
ーン部にのみ金属めっき法で導電層を形成する方法であ
る。
【0003】配線転写法は導電性基板上にめっきレジス
トによるレジスト画像を設け、このレジスト画像以外の
導電性基板上に金属めっきを施して金属配線パターンを
作製し、次いでレジスト画像を除去した後、金属配線パ
ターンのみを絶縁性材料に転写する方法である。この方
法では、配線パターンが絶縁性材料中に埋まった平面構
造をとることができる。また、金属めっきは導電性基板
上に行うので、無電解めっき法より技術的に簡単な電解
めっき法で行える利点を有する。
【0004】配線転写法のめっきレジストとしては従
来、レジストインク、液状レジストおよびドライフィル
ムフォトレジストが使用されている。レジストインクは
熱硬化型、UV硬化型、熱乾燥型の三種類があり、スキ
ージによってレジストインクをスクリーン版から押し出
し、導電性基板上に転写するスクリーン印刷法でレジス
ト画像を作製する。この方法では画像の精度が導電性基
板の平滑性やスクリーンのメッシュに大きく影響され
る。
【0005】液状レジストは印刷法より高解像度を得ら
れる写真法に対応した材料としてプリント配線板製造に
用いられている。この方法では感光製樹脂を有機溶剤に
溶解後、導電性基板上に塗布し、露光後不溶部分のレジ
ストを除去する。また、同様の写真法の材料としてドラ
イフィルムフォトレジストがある。ドライフィルムフォ
トレジストはレジストがキャリアフィルムと保護フィル
ムで挟まれた三層構造を成している。導電性基板へのド
ライフィルムの貼り付けは、キャリアフィルムを剥しな
がら導電性基板表面に熱圧着させて行う。
【0006】液状レジストおよびドライフィルムフォト
レジストは共に感光性樹脂からなり、ネガ型レジストで
は露光部が硬化して溶出液に対して不溶性となる。逆に
ポジ型レジストでは露光部が溶出液に対して可溶性とな
る。露光は一般にフォトツールを介したUV密着露光法
で行われるが、フォトツールの作製に時間がかかるこ
と、フォトツールとレジストの間のゴミ、ほこり等によ
り画像欠落等が起こる、フォトツールを剥す際にレジス
トに欠陥ができるといった問題があった。このためレー
ザー光による直接描画法への期待が高まっている。しか
し、現行の液体レジストやドライフィルムフォトレジス
トでは光学感度が数〜数百mJ/ cm2と低く、レーザ
ー直接描画に対応するには困難であった。
【0007】最も一般的に使用されているドライフィル
ムフォトレジストは熱圧着法で導電性基板にドライフィ
ルムを設けるために、導電性基板の凹凸に対してレジス
トの追随性が悪く、また密着性も弱いので、作業中にレ
ジストが剥離する等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電性基板
上にレジスト画像を設け、このレジスト画像以外の導電
性基板上に金属めっきを施して金属配線パターンを作製
し、次いでレジスト画像を除去した後、金属配線パター
ンを絶縁性材料に転写するプリント配線板の製造方法に
おいて、レーザー直接描画に対応できる高い光感度を有
するレジスト材料を用いたプリント配線板の製造方法を
提供することにある。また、導電性基板とレジスト画像
の接着性に優れ、回路の短絡等の欠陥を防止してよりフ
ァインパターンを得ることができるプリント配線板の製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するために鋭意検討した結果、導電性基板上に少な
くとも光導電性化合物と結着樹脂とからなる光導電層を
設けた後、電子写真法でトナー画像を形成し、トナー画
像部位外の光導電層を溶出液により除去してレジスト画
像を設け、レジスト画像部以外の導電性基板上に金属め
っきを施して金属配線パターンを作製し、次いでレジス
ト画像を除去した後、該金属配線パターンを絶縁性材料
に転写するプリント配線板の製造方法であって、該導電
性基板上に光導電層を設けるに先立ってアルカリ可溶型
下引き層を形成し、かつ下引き層を光導電層とともに溶
出除去して該レジスト画像を作製すれば良いことを見い
だした。レーザー直接描画に対応しうる光導電層は既に
知られており、本発明のプリント配線板の製造方法を用
いれば、レーザー直接描画に対応する鮮明で高い解像度
を有するレジスト画像を得ることができる。また、導電
性基板と光導電層の間に下引き層を設けることで、光導
電層の導電性基板への接着性や溶出液への溶解性等を改
善することができる。
【0010】以下、図1を基に本発明を詳細に説明す
る。本発明に係わるレジスト画像は、図1に示されるよ
うに導電性基板1に少なくとも下引き層2と光導電層3
とを積層してなる。本発明のプリント配線板は、暗所に
て光導電層3表面を一様に帯電し、露光後トナー現像し
て非回路部に相当するトナー画像を得、このトナー画像
をレジストとして回路部の下引き層2および光導電層3
を溶出液により溶出除去して回路部の導電性基板1が露
出した状態にする。続いて、露出した導電性基板上に金
属めっきを施して金属配線パターンを作製し、次いでレ
ジスト画像を除去した後、該金属配線パターンを絶縁性
材料に転写して製造される。
【0011】本発明に係わる導電性基板としては、ステ
ンレス板、ニッケル板、銅板といった一般的な導電性基
材を使用することができる。金属めっき層の転写時の剥
離性を考慮すれば、他の金属との接着性が低いステンレ
ス板が好ましい。基材の厚みは数十μmから数mmのも
のが作業性等の面で好ましい。
【0012】本発明のプリント配線板の製造方法では、
金属配線パターンの厚さ、線幅、厚さ/線幅比等の値
は、レジスト画像の画像の形状に大きく影響される。レ
ジスト画像の厚さが小さいと金属めっき工程で金属の厚
みが成長するにつれてレジスト画像上に金属がはみ出
し、線幅の増加、回路の短絡等の欠陥が生じる。したが
って光導電層を厚くする必要があるが、この場合回路の
レジスト溶出除去工程で溶出不良をまねいたり、逆に溶
出不良を防ぐために溶出時間を長くする等の処置をとる
とサイドエッチングが進行して線幅が増大し、高品位の
配線パターンを得ることができない。導電性基板上に下
引き層を設けることでレジスト画像の厚みを適宜制御す
ることができる。また、下引き層が光導電層より後述す
る溶出液へ溶解しやすいことで、下引き層、光導電層お
よびトナー画像からなるレジストの厚さが大きい場合で
も、溶出不良が起こりにくくかつサイドエッチングの進
行を抑制することができる。
【0013】本発明に係わるレジスト画像の形成は、非
回路部にトナー現像を行うが、このとき露光部に残存し
ている電荷が極めて0に近く、非露光部の表面電位との
差が大きいほどトナー現像で解像度の高い画像を得るこ
とができる。下引き層の帯電性が光導電層と同等以上で
あると露光時の電荷の消失が起こりにくく、光導電層の
光感度が落ち、鮮明なトナー画像を得ることができな
い。本発明に係わる下引き層の電気伝導度は10-9S/
cm以上であることが好ましい。
【0014】本発明に係わる下引き層としては、導電性
酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、酸化アンチモン、
酸化インジウム錫、カーボンブラック等の導電性を有す
る微粒子化合物やアルカリ溶解性を備える少なくともア
ニオン性官能基を持つ樹脂が好ましい。これらの化合物
を2種以上混合して用いても良い。また、微粒子化合物
を使用する場合は適当なアルカリ可溶型の分散樹脂を併
用することが望ましい。本発明に係わる下引き層用樹脂
組成にはアニオン性官能基を有する単量体に、更に非イ
オン性単量体を共重合させても良い。下引き層に用いら
れる樹脂に共重合させる非イオン性単量体としては、ア
クリル酸あるいはメタクリル酸とそれらのアルキルエス
テル、アリールエステルまたはアラルキルエステル等を
挙げることができる。非イオン性単量体が水酸基、ポリ
オキシエチレン基等を有する場合、そのイオン電導性に
より下引き層の帯電性が低下するので好ましい。また下
引き層用樹脂中のイオン性単量体含有量が増大するとア
ルカリ可溶性が増大し、帯電性が低下する。したがって
下引き層用樹脂のイオン性単量体含有量は光導電層中の
結着樹脂樹脂の含有量以上であることが好ましい。
【0015】本発明に係わる下引き層に用いられる樹脂
の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリマレイン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル
酸、ポリイタコン酸、およびこれらの高分子電解質のア
ルカリ金属塩および/またはアンモニウム塩、スチレン
/無水マレイン酸、マレイン酸/アクリル酸共重合体、
メタクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、メタクリ
ル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/ア
クリル酸エステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル
酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
/アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸/酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル
酸エステル共重合体、安息香酸ビニル/アクリル酸/メ
タクリル酸エステル共重合体等のアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等
と上記カルボン酸含有単量体との共重合体が挙げられ
る。更に、メタクリル酸アミド、スルホン酸基、スルホ
ンアミド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、フェノ
ール性水酸基を有する単量体を含有する共重合体や、フ
ェノール樹脂、キシレン樹脂等も用いることができる。
これらの樹脂は単独でも、あるいは2種以上を混合して
用いても良い。
【0016】本発明に係わる下引き層に用いる樹脂の重
量平均分子量は5000〜150000が好ましい。分
子量が5000未満であると自己皮膜性が劣り、一方分
子量が150000を超えると下引き層の溶出液への溶
解性が著しく低くなる。
【0017】本発明に係わる下引き層の導電性基板上へ
の作製は、浸漬法、バーコート法、スプレーコート法、
カーテンコート法、電着法等により行う。塗布液は下引
き層に用いる樹脂を適当な溶媒に溶解分散して作製す
る。塗布液には必要に応じ、下引き層の膜物性、塗布液
の粘度、分散性等を改良する目的で、可塑剤、界面活性
剤、その他の添加剤を加えることができる。塗布液の樹
脂濃度および使用する溶媒は塗布方法および乾燥条件等
によって適当なものを選択する。特に、電着法により下
引き層を作製する場合には、溶媒として少なくとも水を
併用する。また、樹脂を水溶性にするため、塩基で中和
して用いても良い。この塩基としては例えばトリエチル
アミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン等の有
機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニ
ア水等の無機塩基を使用することができる。
【0018】本発明に係わる下引き層の膜厚は、薄くて
も特に大きな問題はないがレジスト層として薄いと金属
めっき層の厚みがとれず、厚いと溶出の進行を妨げ、ま
たレジスト層全体としての電子写真特性に悪影響を及ぼ
す。膜圧は金属めっき厚を考慮し、光導電層の厚みと併
せて設定するが、好ましくは0.1〜15μmが、さら
には0.5〜5μmが好適である。下引き層を光導電層
を設けるに先立って設けることで、レジスト層全体とし
ての膜強度および光導電層の接着性が向上される。ま
た、導電性基板に傷等の凹凸があったとしても、光導電
層の膜厚はより均一に保たれる。
【0019】本発明に係わる光導電層は、少なくとも光
導電性化合物と結着樹脂を含有する。本発明で用いられ
る光導電性化合物としては、有機および無機の光導電性
化合物が使用できる。無機光導電性化合物としては、セ
レンおよびセレン合金、アモルファスシリコン、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン等を挙げる
ことができる。また、有機光導電性化合物としては、 a)米国特許第3112197号明細書等に記載のトリ
アゾール誘導体、 b)米国特許第3189447号明細書等に記載のオキ
サジアゾール誘導体、 c)特公昭37−16096号公報等に記載のイミダゾ
ール誘導体、 d)米国特許第3542544号、同3615402
号、同3820989号明細書、特公昭45−555
号、同51−10983号、特開昭51−93224
号、同55−108667号、同55−156953
号、同56−36656号公報等に記載のポリアリール
アルカン誘導体、 e)米国特許第3180729号、同4278746号
明細書、特開昭55−88064号、同55−8806
5号、同49−105537号、同55−51086
号、同56−80051号、同56−88141号、同
57−45545号、同54−112637号、同55
−74546号公報等に記載のピラゾリン誘導体および
ピラゾロン誘導体、 f)米国特許第3615404号明細書、特公昭51−
10105号、同46−3712号、同47−2833
6号、特開昭54−83435号、同54−11083
6号、同54−119925号公報等に記載のフェニレ
ンジアミン誘導体、 g)米国特許第3567450号、同3180703
号、同3240597号、同3658520号、同42
32103号、同4175961号、同4012376
号明細書、西独国特許(DAS)1110518号、特
公昭49−35702号、同39−27577号、特開
昭55−144250号、同56−119132号、同
56−22437号公報等に記載のアリールアミン誘導
体、 h)米国特許第3526501号明細書記載のアミノ置
換カルコン誘導体、 i)米国特許第3542546号明細書等に記載のN,
N-ビカルバジル誘導体 、j)米国特許第3257203号明細書等に記載のオ
キサゾール誘導体、 k)特開昭56−46234号公報等に記載のスチリル
アントラセン誘導体、 l)特開昭54−110837号公報等に記載のフルオ
レノン誘導体、 m)米国特許第3717462号明細書、特開昭54−
59143号(米国特許第4150987号に対応)、
同55−52063号、同55−52064号、同55
−46760号、同55−85495号、同57−11
350号、同57−148749号、同57−1041
44号公報等に記載のヒドラゾン誘導体、 n)米国特許第4047948号、同4047949
号、同4265990号、同4273846号、同42
99897号、同4306008号明細書等に記載のベ
ンジジン誘導体、 o)特開昭58−190953号、同59−95540
号、同59−97148号、同59−195658号、
同62−36674号公報等に記載のスチルベン誘導
体、 p)特公昭34−10966号公報に記載のポリビニル
カルバゾールおよびその誘導体、 q)特公昭43−18674号、同43−19192号
公報に記載のポリビニルビレン、ポリビニルアントラセ
ン、ポリ-2-ビニル-4-(4´-ジメチルアミノフェニ
ル)-5-フェニルオキサゾール、ポリ-3-ビニル-N-エ
チルカルバゾール等のビニル重合体、 r)特公昭43−19193号公報に記載のポリアセナ
フチレン、ポリインデン、アセナフチレン/スチレン共
重合体等の重合体、 s)特公昭56−13940号公報等に記載のピレン/
ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール/ホルムア
ルデヒド樹脂等の縮合樹脂、 t)特開昭56−90883号、同56−161550
号公報等に記載の各種トリフェニルメタン重合体、 u)米国特許第3397086号、同4666802
号、特開昭51−90827号、同52−655643
号、特開昭64−2061号、同64−4389号等に
記載の無金属或は金属(酸化物)フタロシアニンおよび
ナフタロシアニン、およびその誘導体等がある。本発明
に係わる有機光導電性化合物は、a)〜u)に挙げられ
た化合物に限定されず、他の有機光導電性化合物を用い
ることが出来る。これらの有機光導電性化合物は、所望
により2種類以上を併用することが可能である。
【0020】また本発明においては、光導電層の感度の
向上や所望の波長域に感度を持たせるためなどの目的
で、各種の顔料、染料等を併用することが出来る。これ
らの例としては、 1)米国特許第4436800号、同4439506号
明細書、特開昭47−37543号、同58−1235
41号、同58−192042号、同58−21926
3号、同59−78356号、同60−179746
号、同61−148453号、同61−238063
号、特公昭60−5941号、同60−45664号公
報等に記載のモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料、 2)米国特許第3371884号明細書等に記載のペリ
レン系顔料、 3)英国特許第2237680号明細書等に記載のイン
ジゴ、チオインジゴ誘導体、 4)英国特許第2237679号明細書等に記載のキナ
クリドン系顔料、 5)英国特許第2237678号明細書、特開昭59−
184348号、同62−28738号公報等に記載の
多環キノン系顔料、 6)特開昭47−30331号公報等に記載のビスベン
ズイミダゾール系顔料、 7)米国特許第4396610号、同4644082号
明細書等に記載のスクアリウム塩系顔料、 8)特開昭59−53850号、同61−212542
号公報等に記載のアズレニウム塩系顔料。 また、増感染料としては、「電子写真」129 (19
73)、「有機合成化学」24 No.11 1010
(1966)等に記載の公知の化合物を使用することが
出来る。その例としては、 9)米国特許第3141770号、同4283475号
明細書、特公昭48−25658号、特開昭61−71
965号公報等に記載のピリリウム系染料、 10)Applied Optics Supplement 50 (196
9)、特開昭50−39548号公報等に記載のトリア
リールメタン系染料、 11)米国特許第3597196号明細書等に記載のシ
アニン系染料、 12)特開昭59−164588号、同60−1630
47号、同60−252517号公報等に記載のスチリ
ル系染料等である。 これらの増感色素は1種でも、また2種以上を併用して
も良い。
【0021】本発明に係わる光導電層には感度向上等の
ため、更にトリニトロフルオレノン、クロラニル、テト
ラシアノエチレン等の化合物の他、特開昭58−654
39号、同58−102239号、同58−12943
9号、同60−71965号公報等に記載の化合物等を
併用することができる。
【0022】本発明に係わる光導電層に用いられる結着
樹脂は帯電性等を含む電子写真特性を満足し、アルカリ
溶出液による溶解性を有するものでなければならない。
また、下引き層と同様に電解めっき液、特に硫酸銅めっ
き液に対して耐性を有する必要がある。したがって結着
樹脂としてはアニオン性官能基を有する樹脂が特に使用
される。形成された光導電層中の結着樹脂におけるアニ
オン性単量体の構成比が高いと樹脂皮膜が脆弱になり、
さらにイオン電導性が高くなって暗帯電性等の電子写真
特性が悪化するので、本発明に用いられる結着樹脂はア
ニオン性単量体に非イオン性単量体を共重合させて樹脂
組成を適宜調整する。
【0023】アニオン性官能基を有する樹脂中、特にカ
ルボン酸基を有する単量体含有共重合体およびフェノー
ル樹脂は、電荷保持性が高く有利に使用できる。カルボ
ン酸基を有する単量体含有共重合体としては、スチレン
とマレイン酸モノエステルとの共重合体、アクリル酸あ
るいはメタクリル酸とそれらのアルキルエステル、アリ
ールエステルまたはアラルキルエステルとの二元以上の
共重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン酸と
の共重合体も良い。フェノール樹脂中特に好ましいもの
は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、 あ
るいはp-クレゾールとホルムアルデヒドまたはアセト
アルデヒドとを酸性条件下で縮合させたノボラック樹脂
を挙げることができる。
【0024】本発明に係わる光導電層に用いられる結着
樹脂の具体例は、スチレン/マレイン酸モノアルキルエ
ステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル
共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エス
テル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重
合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル/アクリル
酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重
合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル
共重合体、安息香酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸
エステル共重合体等のスチレン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等
と上記カルボン酸含有単量体との共重合体や、メタクリ
ル酸アミド、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スル
ホンアミド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基を有す
る単量体を含有する共重合体、フェノール樹脂、キシレ
ン樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は単独でも、
あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0025】下引き層は光導電層に用いる結着樹脂より
も溶出液溶解性が高いことが望ましいが、該結着樹脂は
光導電層の電子写真特性と溶出性とのバランスから下引
き層に用いる樹脂よりも樹脂設計の自由度が小さく、し
たがって光導電層に用いる結着樹脂を選定した後に下引
き層用樹脂を設計することが望ましい。両樹脂は同系統
であっても、異なる種類のものであっても差し支えない
が、同種の単量体系から両樹脂を設計するのであれば、
単量体構成比を変更するよりも同組性で下引き層用樹脂
の分子量を低めに設定する方が良い。何れにせよ、本発
明に係わる下引き層の溶出液に対する溶解度は光導電層
中の結着樹脂よりも同溶出条件で4/5以下の時間、さ
らに好ましくは1/2以下の時間で溶出されることが好
ましい。
【0026】本発明に係わる光導電層における光導電性
化合物の結着樹脂に対する混合比は、光導電性化合物が
有するの電子写真特性によって異なるが、トナー現像に
必要な帯電性が確保される最低膜厚に結着樹脂を設定
し、しかる後に所望の感度および残留電位が得られるよ
うに光導電性化合物との混合比を決定する。本発明の光
導電層においては、光導電性化合物は概ね樹脂量の1〜
100重量%程度の範囲が好ましく、さらには5〜40
重量%が好適である。
【0027】本発明に係わる光導電層の下引き層上への
作製は、導電性基板上への下引き層の作製法と同様に、
浸漬法、バーコート法、スプレーコート法、カーテンコ
ート法等により行う。塗布液は光導電層を構成する成分
を適当な溶媒に溶解分散して作製する。光導電性化合物
がフタロシアニン等の様に溶媒に不溶な成分を用いる場
合は、分散機により平均粒径0.4μm以下、より好ま
しくは0.2μm以下に分散して用いる。また、塗布液
には必要に応じ、光導電性化合物および結着樹脂のほか
に光導電層の膜物性、塗布液の粘度、分散性等を改良す
る目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加剤を加え
ることができる。塗布液の固形分(光導電性化合物およ
び結着樹脂)濃度および使用する溶媒は塗布方法および
乾燥条件等によって適当なものを選択する。また、溶媒
は下引き層を溶解しないものが好ましい。
【0028】光導電層は、厚いと回路部の光導電層の除
去において溶出液の劣化を促進するばかりかサイドエッ
チングにより回路画像の線が太り、ファインパターンが
得られず、再現性の良好な画像を得ることができず、逆
に薄いと電子写真トナー現像で必要な電荷が帯電できな
い。光導電層は厚さ0.5〜10μmが好ましく、さら
には1〜7μmが好適である。実際には、光導電層およ
び下引き層を合わせたレジスト層全体として、電子写真
特性、溶出性、および次工程の電解金属めっき工程にお
ける回路形成性(レジスト層が薄いと非回路部まで金属
めっき層が形成される可能性がある)等の諸特性が決定
されるため、光導電層および下引き層双方の特性に勘案
して膜厚を決定することが好ましく、レジスト層全体と
しては0.6〜20μmが、より好ましくは1.5〜1
2μmが、さらに好ましくは2〜10μmが好適であ
る。
【0029】本発明のプリント配線板の製造方法におけ
る露光方法としては、キセノンランプ、タングステンラ
ンプ、蛍光灯等を光源として反射画像露光、透明陽画フ
ィルムを通した密着露光や、レーザー光、発光ダイオー
ド等による走査露光が挙げられる。走査露光を行なう場
合は、He−Neレーザー、He−Cdレーザー、アル
ゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ルビ
ーレーザー、YAGレーザー、窒素レーザー、色素レー
ザー、エキサイマーレーザー、GaAs/GaAlA
s、InGaAsPの様な半導体レーザーや、アレキサ
ンドライトレーザー、銅蒸気レーザー等のレーザー光源
による走査露光、あるいは発光ダイオード、液晶シャッ
タを利用した走査露光(発光ダイオードアレイ、液晶シ
ャッタアレイ等を用いたラインプリンタ型の光源も含
む)によって露光することができる。解像度の点から走
査露光が好ましい。
【0030】光導電層の露光に使用する光源等は用いる
光導電性化合物の種類等により異なる。例えばχ型無金
属フタロシアニンを用いると半導体レーザーを使用する
ことができ、ε型銅フタロシアニン、および500nm
前後に分光吸収を持つアンザンスロン化合物を用いると
アルゴンレーザーを使用することができる。
【0031】次に形成させた静電潜像をトナーによって
現像する。トナー現像方法としては、乾式現像法(カス
ケード現像、磁気ブラシ現像、パウダクラウド現像)
や、トナー粒子を適当な絶縁性液体中に分散させた液体
トナーによる現像法を用いることができる。これらのう
ち、液体現像法は乾式現像法に比してトナー粒子を安定
的に小粒径にできるために、より微細なトナー画像を形
成できるので、本発明においては液体現像法を用いるこ
とが好ましい。
【0032】本発明で用いられるトナーは、電子写真印
刷版に使用する湿式トナーを使用することができるが、
後工程である回路部の下引き層および光導電層のアルカ
リ溶出除去に対してレジスト性を有したものでなければ
ならない。このために樹脂成分としては、例えばメタク
リル酸、メタクリル酸エステル等から成るアクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化
ビニル等との共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール
樹脂、ポリスチレン、スチレンとブタジエン、メタクリ
ル酸エステル等との共重合物、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびその塩化物、ポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、
ポリカプラミドやポリヘキサメチレンアジポアミド等の
ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、アル
キッド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カ
ルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導
体、その他ワックス、蝋等を含有することが好ましい。
また、トナーには現像あるいは定着等に悪影響を及ぼさ
ない範囲で、色素や電荷制御剤を含有させることもでき
る。さらに、その荷電は使用する光導電性化合物および
コロナ帯電の際の帯電極性に応じて正、負を使い分ける
必要がある。
【0033】現像法としては、静電潜像と反対の極性の
荷電を有するトナーを用いて非露光部を現像する正現像
法、静電潜像と同じ極性を有するトナーを用いて適当な
バイアス電圧の印加の下で露光部を現像する反転現像法
とがある。形成されたトナー画像は、例えば加熱定着、
圧力定着、溶剤定着等の方法により定着できる。この様
に形成したトナー画像をレジストとして、回路部下引き
層および光導電層を溶出液により除去して、導電性基板
上に下引き層、光導電層とトナーとからなる非回路部レ
ジスト像が形成される。
【0034】トナー現像した上記光導電層のトナー画像
が形成されていない部分を溶出除去するための方法とし
ては、基本的には溶出液を使用した非画像部溶出型印刷
版用の溶出処理器を使用することができる。本発明で用
いられる溶出液は塩基性化合物を含有する。塩基性化合
物としては、例えばけい酸アルカリ金属塩、アルカリ金
属水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属およびアン
モニウム塩等の無機塩基性化合物、エタノールアミン
類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチ
レンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を
用いることができる。上記塩基性化合物は単独または混
合物として使用できる。また、溶出液の溶媒としては水
を有利に用いることができる。
【0035】回路部下引き層および光導電層の溶出除去
により露出した導電性基板上に電解金属めっき法により
金属配線パターンを作製する。電解めっき法としては一
般に使用されている硫酸銅めっき法、ピロリン三銅めっ
き法等が使用できる。但し、下引き層および光導電層が
アルカリ可溶であることからその液性は酸性でなければ
ならない。
【0036】非回路部レジスト画像は電解金属めっき
後、レジストインク、液状レジストおよびドライフィル
ムフォトレジスト等の一般のレジストを利用したプリン
ト配線板製造時と同様に、回路部の溶出除去で使用した
溶出液よりもさらにアルカリ性の強い溶液で処理するこ
とにより除去することができる。また、必要に応じてメ
チルエチルケトン、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等使用した下引き層およ
び光導電層の結着樹脂を溶解する有機溶剤を使用するこ
ともできる。
【0037】本発明に係わる絶縁性材料としてはプリン
ト基板に用いられるガラスエポキシシート、紙フェノー
ルシート、紙ポリエステルシート等を用いることができ
る。また、基材に柔軟性が必要な場合は、ポリエステル
フィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムを使
用することができる。
【0038】本発明に係わる金属配線パターンの導電性
基板から絶縁性基板への転写法は圧力転写により行うこ
とができる。また必要に応じて熱と圧力を併用すること
もできる。金属配線パターンと絶縁性基板との接着力が
弱い場合は、接着剤等を使用しても良い。
【0039】
【作用】本発明のプリント配線板の製造法では、まず導
電性基板上に電子写真法によりレジスト画像を設け、金
属めっきにより金属配線パターンを作製した後、レジス
ト画像を除去し、導電性基板上に得られた金属配線パタ
ーンを絶縁性材料に転写してプリント配線板を作製す
る。電子写真法によるレジスト画像作製は、光導電層が
レーザー走査露光に対して充分対応できる程度の高い光
学感度を有しており、また光導電層の膜厚が薄いことか
ら従来法では得られなかった細線画像を得ることが出来
る。特に、光導電層と導電性基板の間に下引き層を設け
ることでサイドエッチングの小さいファインな配線パタ
ーンを得ることができる。また、導電性基板と光導電層
の密着性に優れているので非回路部への銅のかぶり、回
路の短絡等の欠陥が従来法より少ない。
【0040】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。本発明はその目的を逸脱しない限り、下記の実施例
に限定されるものではない。
【0041】実施例1下引き層の導電性基板上への作製 アクリル酸50重量%/アクリル酸n−ブチルエステル
40重量%/メタクリル酸2- ヒドロキシエチルエステ
ル10重量%共重合体である樹脂をトリエチルアミンで
中和後、樹脂濃度が10重量%になるようにイオン交換
水を添加して塗布液を得た。導電性基板として50μm
のステンレス板(20cmx30cm)を用い、 導電
性基板を陽極として直流電圧50mA/dm2を30秒
印加して、電着法により下引き層を作製した。得られた
下引き層はステンレス板への密着が良好な無色透明の均
一な膜で、厚さ約3μmであった。下引き層の電気伝導
度は2x10-9S/cmであった。
【0042】光導電層の作製 χ型無金属フタロシアニン2重量部とアクリル酸20重
量%/メタクリル酸ベンジルエステル30重量%/アク
リル酸n−ブチルエステル50重量%共重合体である結
着樹脂10重量部をブチルセロソルブを溶媒としてペイ
ントシェイカーで分散し、固形分濃度8重量%の塗布液
を得た。下引き層を設けた導電性基板にバーコート法に
より光導電層を作製した。得られた光導電層の膜厚は約
5μmであった。
【0043】光導電層の電子写真特性 上記光導電層の電子写真特性を川口電機(株)製静電場
測定器SP−428で測定したところ、 V0(コロナ帯
電直後の表面電位、初期電位)+300V、DD10(帯
電10秒後の電位保持率)97%であった。また帯電1
0秒後に白色(タングステン)光2luxを当てたとこ
ろ、感度E1/2(表面電位がV0の半分になるまでに必要
な露光量)は3.2lux・sec.となり、良好な帯
電性と光導電性を有していることが確認された。
【0044】トナー画像の作製 光導電層を形成させた導電性基板を暗所にて+300V
に帯電後、波長780nmのレーザープロッターにより
非回路部の静電潜像を光導電層上に作製した。この潜像
を三菱OPCプリンティングシステム用トナー「ODP
−TW」(三菱製紙(株)製)を用い、導電性基板のス
テンレス部分を接地し、現像電極にバイアス電圧+10
0Vを印加して反転現像を行った。トナー画像を70℃
の熱風で1分間乾燥することで定着した。
【0045】光導電層の溶出除去 三菱OPCプリンティングシステム用溶出液「ODP−
DFII」(三菱製紙(株)製)を用いてトナーの付着し
ていない部分の光導電層を溶出除去することによりトナ
ー画像およびその下の未溶解下引き層および光導電層を
画像部とする非回路部レジスト画像を形成した。得られ
たレジスト画像のサイドエッチングは片側2μ以下と小
さかった。
【0046】銅配線パターンの作製 レジスト画像を設けた導電性基板を硫酸銅(5水和物)
80g、濃硫酸180g、光沢剤「トップルチナ81−
HL」(奥野製薬(株)製)2.5ml、塩化ナトリウ
ム54mgに水を加えて調製した硫酸銅めっき浴1lに
浸漬し、温度25℃、 電流密度3A/dm2の条件下で
電解めっきを行い、厚み約25μmの銅を回路部に析出
させた。この後、3%水酸化ナトリウム溶液で非回路部
の下引き層、光導電層とトナー層を除去して銅回路パタ
ーンを得た。得られたパターンには途中回路の欠落、非
回路部への銅の析出等の不良は確認されなかった。パタ
ーンの線幅は約40〜44μmで、下引き層および光導
電層の溶出時に生じたサイドエッチングの影響で4μm
程度の線幅の増加が確認された。銅回路パターンを形成
した導電性基板上にエポキシ樹脂含浸ガラス基材を積層
後、熱圧着した。その後、導電性基板を剥離し、エポキ
シ樹脂含浸ガラス基材層に銅回路パターンが形成された
プリント配線板を得た。この銅回路パターンには回路の
短絡、非回路部分への銅のかぶり等は確認されなかっ
た。
【0047】比較例1導電性基板上への光導電層の作製とその電子写真特性 導電性基板上に下引き層を作製しない他は全て実施例1
と同様にして、導電性基板上に光導電層を作製した。得
られた光導電層の厚さは実施例1の下引き層と光導電層
の厚さと同等で膜厚約8μmであった。電子写真特性は
実施例1と同様の測定条件では、 V0+400V、DD
1098%であった。また帯電10秒後に白色(タングス
テン)光2luxを当てたところ、 感度E1/2は3.0
lux・sec.となり、良好な帯電性と光導電性を有
していることが確認された。
【0048】銅配線パターンの作製 導電性基板上に設けた光導電層を+300Vに帯電後、
実施例1と同様にトナー画像を形成した。トナー未着部
の光導電層を実施例1の溶出除去と同じ条件で除去した
ところ、溶出不良が生じた。また、溶出時間をこれより
長くしたところ、サイドエッチングが実施例1より大き
くなった。これらの導電性基板上に実施例1に則り、電
解銅めっきを行ったところ、回路の短絡や線幅の増加等
が確認された。
【0049】実施例2下引き層の導電性基板上への作製 白色導電性酸化チタンET−500W(石原産業(株)
製)5重量部とアクリル酸40重量部/アクリル酸n−
ブチルエステル60重量部共重合体95重量部をブチル
セロソルブ200重量部で分散し、導電性基板である1
00μmの銅板(20cmx30cm)にスプレー法で
塗布し、下引き層を作製した。得られた下引き層は銅板
への密着が良好で、厚さ約4μmであった。下引き層の
電気伝導度は6.1x10-8S/cmであった。
【0050】光導電層の作製と電子写真特性 銅板上に実施例1と同様の方法で下引き層を作製し、光
導電層を作製した。得られた光導電層の膜厚は約5μm
であった。光導電層の電子写真特性を川口電機(株)製
静電場測定器SP−428で測定したところ、 V0+3
05V、DD1096%であった。また帯電10秒後に白
色(タングステン)光2luxを当てたところ、感度E
1/2は3.3lux・sec.となり、 良好な帯電性と
光導電性を有していることが確認された。
【0051】トナー画像の作製と光導電層の溶出除去 上記光導電層に実施例1と同様の方法でトナー画像を作
製した。三菱OPCプリンティングシステム用溶出液
「ODP−DFII」(三菱製紙(株)製)を用いてトナ
ーの付着していない部分の下引き層および光導電層を溶
出除去することにより非回路部レジスト画像を形成し
た。得られたレジスト画像のサイドエッチングは片側1
μ以下と小さかった。
【0052】銅配線パターンの作製 レジスト画像を設けた導電性基板に実施例1と同様の方
法で電解銅めっき法で厚み30μmの銅を回路部に析出
させた。この後、3%水酸化ナトリウム溶液で非回路部
の下引き層、光導電層とトナー層を除去して銅回路パタ
ーンを得た。得られたパターンには途中回路の欠落、非
回路部への銅の析出等の不良は確認されなかった。パタ
ーンの線幅は約40〜42μmで、下引き層および光導
電層の溶出時に生じたサイドエッチングの影響で2μm
前後の線幅の増加が確認された。銅回路パターンを形成
した導電性基板上にエポキシ樹脂含浸ガラス基材を積層
後、熱圧着した。その後、導電性基板を剥離し、エポキ
シ樹脂含浸ガラス基材層に銅回路パターンが形成された
プリント配線板を得た。この銅回路パターンには回路の
短絡、非回路部分への銅のかぶり等は確認されなかっ
た。
【0053】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明のプリント
配線板製造法を用いれば、解像度が高く、欠陥の少ない
鮮明な金属配線パターンを有するプリント配線板を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる下引き層および光導電層を設け
た導電性基板の概念的断面図
【符号の説明】
1 導電性基板 2 下引き層 3 光導電層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に少なくとも光導電性化合
    物と結着樹脂とからなる光導電層を設けた後、電子写真
    法でトナー画像を形成し、トナー画像部以外の光導電層
    を溶出液により除去してレジスト画像を設け、レジスト
    画像部以外の導電性基板上に金属めっきを施して金属配
    線パターンを作製し、次いでレジスト画像を除去した
    後、該金属配線パターンを絶縁性材料に転写するプリン
    ト配線板の製造方法であって、該導電性基板上に光導電
    層を設けるに先立ってアルカリ可溶型下引き層を形成
    し、かつ下引き層を光導電層とともに除去して該レジス
    ト画像を作製することを特徴とするプリント配線板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 下引き層が光導電層の結着樹脂よりも溶
    出液に対する溶解性が高い請求項1記載のプリント配線
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 下引き層が10-9S/cm以上の電気伝
    導度を有する請求項1および2記載のプリント配線板の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7670742B2 (en) 2005-03-15 2010-03-02 Ricoh Company, Ltd. Recording material, toner, liquid developer and image forming method using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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