JPH07153546A - サージアブソーバ用封止電極 - Google Patents

サージアブソーバ用封止電極

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JPH07153546A
JPH07153546A JP30157993A JP30157993A JPH07153546A JP H07153546 A JPH07153546 A JP H07153546A JP 30157993 A JP30157993 A JP 30157993A JP 30157993 A JP30157993 A JP 30157993A JP H07153546 A JPH07153546 A JP H07153546A
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surge absorber
surge
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electrode
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Yoshiyuki Tanaka
芳幸 田中
Katsusaki Matsuzawa
功先 松沢
Masatoshi Abe
政利 阿部
Mikio Harada
三喜男 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サージアブソーバのサージ耐量を増加させ
る。 【構成】 サージアブソーバの封止電極に、変形しやす
くするための低強度部12を部分的に設ける。 【効果】 封止電極の低強度部が変形することにより、
サージ電圧印加中の短時間でのガスの膨張による内圧の
増加を吸収することができる。サージ電圧が大きくなっ
ても、サージアブソーバの内圧がサージアブソーバを構
成する材料の破壊強度を超え難くなり、サージアブソー
バのサージ耐量が増加する。従来の大きさのままでもサ
ージ耐量を大幅に向上させることができ、サージアブソ
ーバの小型化を図ると共に、サージアブソーバとしての
信頼性を格段に向上させることができる。その製造にお
いて、部品数や製造工程の増加をひき起こすこともな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサージアブソーバ用封止
電極に係り、特に、サージアブソーバのサージ耐量の向
上を可能とする封止電極に関する。
【0002】
【従来の技術】電話機等の通信線を有する電子機器で
は、雷等から誘導される異常電圧が通信線及び電源線を
経て機器内部に侵入することがある。このため、この異
常電圧に対して何も対策を講じていない場合には、異常
電圧の侵入で、当該電子機器は絶縁破壊等を起こし、動
作不能となることがある。
【0003】サージアブソーバは、このような通信線を
有する電子機器において、通信線間及び通信線−接地間
或いは電源線間及び電源線−接地間に取り付けられ、異
常電圧が電子機器内に侵入することを防ぐために使用さ
れる。
【0004】図3,4に従来のサージアブソーバの構成
を示す。なお、図3,4において、各々、(a)図は斜
視図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図であ
る。
【0005】図3に示すサージアブソーバは、円柱形碍
子1の表面に導電性薄膜2を全面的に形成した後、長さ
方向の中心部分を周方向に沿って削り取ることによりマ
イクロギャップ3を形成したサージアブソーバ素子4を
内蔵するものである。このサージアブソーバ素子4は、
その両端部を封止電極5の内面側の凹部5Aに嵌合させ
た状態で、絶縁管6内に挿入されている。なお、この絶
縁管6内には不活性ガス7が封入されている。
【0006】一方、図4に示すサージアブソーバは、内
面側に放電開始用の凸部8Aが形成された封止電極8
を、絶縁管9の両開放端部に接合し、内部に不活性ガス
7を封入するようにしたものである。なお、10はリー
ド線である。
【0007】従来、このようなサージアブソーバについ
て、サージ耐量を増大させるための改善が試みられ、 第三電極を装着する。 サージアブソーバの内容量を大きくする。 等の改良がなされている。
【0008】このうち、のサージアブソーバの内容量
を大きくする方法は、サージ電圧が大きくなった場合
に、サージアブソーバ内部に封入されたガスの膨張で内
圧が増加し、サージアブソーバがこの内圧に耐えられず
に破壊するのを防止するものである。
【0009】即ち、サージ電圧が印加されることにより
発生するサージアブソーバ内部の放電による熱で、サー
ジアブソーバ内に封入されたガスが膨張してサージアブ
ソーバ内圧が増加する。印加されるサージ電圧が大きい
と、このサージ内圧の増加も大きく、このため、内圧が
サージアブソーバの絶縁管(通常、ガラス等で構成され
る。)の破壊強度を上回り、絶縁管が破壊する。
【0010】上記の方法では、サージアブソーバの内
容量を大きくし、封入ガスによる内圧増加の影響を小さ
くして、サージ耐量を大きくする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法におい
て、第三電極を用いてサージ耐量を増大させる場合に
は、第三電極を挿入するために製造工程が増加する、部
品点数が増加する等の問題がある。また、サージアブソ
ーバ自体の内容量を増加させてサージ耐量を増大させる
場合には、サージアブソーバ自体が大きくなり、小型化
が不可能であるという欠点がある。
【0012】本発明は上記従来の問題点を解決し、製造
工程を増加させることなく、また、サージアブソーバを
大型化することなく、サージアブソーバのサージ耐量を
増加させることができるサージアブソーバ用封止電極を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のサージアブソー
バ用封止電極は、サージアブソーバに使用する封止電極
において、変形しやすくするための低強度部を部分的に
設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】前述の如く、サージアブソーバ内部に封入され
たガスは、サージ電圧が印加されている間に生じる放電
の熱によって膨張するが、本発明のサージアブソーバ用
封止電極では、封止電極の低強度部が変形することによ
り、サージ電圧印加中の短時間でのガスの膨張による内
圧の増加を吸収することができる。このため、サージ電
圧が大きくなっても、サージアブソーバの内圧がサージ
アブソーバを構成する材料の破壊強度を超え難くなり、
その結果、サージアブソーバのサージ耐量が増加する。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0016】図1,2は本発明の一実施例に係るサージ
アブソーバ用封止電極を設けたサージアブソーバを示す
図であって、各々、(a)図は斜視図、(b)図は
(a)図のB−B線に沿う断面図である。この図1,2
において、図3,4に示す部材と同一機能を奏する部材
には同一符号を付してある。
【0017】図1(a),(b)に示す封止電極11
は、サージアブソーバ素子4を嵌入するための内面側の
凹部11A(外面側からは凸部11B)の外周に、低強
度部(易変形部)12として、薄肉の環状溝11Cを2
本形成したものである。
【0018】このような薄肉の環状溝11Cを形成する
ことにより、この溝による蛇腹状の部分が、サージアブ
ソーバ内圧の増加に良好に対応して容易に変形するた
め、封入ガスの膨張による体積増加を封止電極11が十
分に吸収するようになる。
【0019】これにより、大きなサージ電圧が印加され
た場合の内圧増加によるサージアブソーバの破壊は防止
される。
【0020】図1に示す封止電極11において、環状溝
の大きさや形成本数には特に制限はなく、必要とされる
サージ耐量や封止電極の大きさ等によって適宜決定され
るが、通常の場合、直径R=4〜6mm程度の封止電極
であれば、深さd=0.5〜1.0mm,幅w=0.5
〜1.0mm程度の環状溝を1〜3本程度設けるのが良
い。
【0021】また、薄肉の環状溝の肉厚は、他の部分の
肉厚に対して1/2〜2/3程度とするのが好ましい。
【0022】図2(a),(b)に示す封止電極13
は、放電開始部としての凸部13Aを内面側の中央部に
形成すると共に、低強度部(易変形部)として、薄肉の
半球状凹部13Bを4個均等配置にて形成したものであ
る。
【0023】このような薄肉の半球状凹部13Bを形成
することにより、この半球状凹部が、サージアブソーバ
内圧の増加に良好に対応して容易に変形するため、封入
ガスの膨張による体積増加を封止電極13が十分に吸収
するようになる。
【0024】これにより、大きなサージ電圧が印加され
た場合の内圧増加によるサージアブソーバの破壊は防止
される。
【0025】図2に示す封止電極13において、半球状
凹部の大きさや形成個数には特に制限はなく、必要とさ
れるサージ耐量や封止電極の大きさ等によって適宜決定
されるが、通常の場合、直径R=4〜6mm程度の封止
電極であれば、直径r=0.5〜1.0mm程度の半球
状溝を4〜6個程度設けるのが良い。
【0026】また、薄肉の半球状凹部の肉厚は、他の部
分の肉厚に対して1/2〜2/3程度とするのが好まし
い。
【0027】本発明において、封止電極の材質は、これ
を装着する絶縁管の材質に応じて適宜決定される。例え
ば、絶縁管の材質がセラミックス或いは硬質ガラスの場
合には、封止電極の材質としては、コバール(Fe−N
i−Co合金)や42合金(Fe−Ni合金)等が、絶
縁管の材質が軟質ガラスの場合には、封止電極の材質と
しては、426合金(Fe−Ni−Cr合金)やクラッ
ド材(Cu/42合金又はCu/42合金/Cu)等が
使用される。
【0028】このような本発明の封止電極であれば、部
品数を増やすことなく従来の封止電極を用いるサージア
ブソーバの作製手順と全く同様にしてサージアブソーバ
を作製することができる。
【0029】なお、図1,2に示す封止電極は、本発明
の一実施例であって、本発明はその要旨を超えない限
り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0030】低強度部の構成としても、特に図示に示す
ものに限定されるものではないが、一般には、封止電極
の外面側から凹嵌する薄肉の凹部又は凹溝を形成するの
が好適である。
【0031】以下に具体的な実施例及び比較例を挙げ
て、本発明をより詳細に説明する。
【0032】実施例1 図1(a),(b)に示すサージアブソーバを製造し
た。まず、円柱形碍子ス1の表面に導電性薄膜2を着膜
した後、その長さ方向の中心部分の導電性薄膜を、円周
方向に沿ってレーザーカットし、マイクロギャップ3を
形成してサージアブソーバ素子4を作製した。封止電極
11としては、このサージアブソーバ素子4が圧入され
る凹部11A(封止電極11の外面側からは凸部11
B)を内面側に形成すると共に、その凸部11Bの外周
部に、肉薄の環状溝11C(封止電極11の外面側から
みて)を2本設け、蛇腹様の低強度部(易変形部)12
を形成したものを用いた。なお、封止電極11の材質は
クラッド材とし、肉薄の環状溝の部分の肉厚は0.1m
m、その他の部分の肉厚は0.2mmとした。また、封
止電極11の直径R=6mmに対して、溝11Cの深さ
dは0.5mm、幅wは0.5mmとした。
【0033】このような封止電極11の凹部11Aをサ
ージアブソーバ素子4の両端に嵌合させて圧入し、これ
を軟質ガラス(鉛ガラス)製絶縁管6に挿入し、不活性
ガス(Arガス)中で加熱して絶縁管6と封止電極11
を濡らして封止した(封入ガス圧:800Torr)。
【0034】得られたサージアブソーバについて、放電
開始電圧及びサージ耐量を調べ、結果を表1に示した。
なお、放電開始電圧は100V/secの割合で昇圧す
る電圧を印加したときに放電を開始する電圧を示し、サ
ージ耐量は波形(8×20)μsecの電流サージを3
0秒間隔で5回印加しても破壊しない電流値を示す。
【0035】比較例1 図3(a),(b)に示す如く、低強度部のない封止電
極を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてサージ
アブソーバを作製し、その放電開始電圧及びサージ耐量
を調べ、結果を表1に示した。
【0036】実施例2 図2(a),(b)に示すサージアブソーバを製造し
た。封止電極13としては、その内面側の中央部に放電
開始部としての凸部13Aを形成すると共に、外面側に
低強度部(易変形部)としての薄肉の半球状凹部13B
を4個均等配置にて形成したものを用いた。この封止電
極13の材質はクラッド材とし、薄肉の半球状凹部13
Bの肉厚は0.1mm、その他の部分の肉厚は0.2m
mとした。なお、封止電極13の直径R=6mmに対し
て、半球状凹部13Bの半径rは1.5mmとした。
【0037】このような封止電極13を軟質ガラス(鉛
ガラス)製絶縁管9に、内部に不活性ガス(Arガス)
を満たした状態で接合し、リード線を溶接してサージア
ブソーバを作製した(封入ガス圧800Torr)。
【0038】得られたサージアブソーバについて、放電
開始電圧及びサージ耐量を調べ、結果を表1に示した。
【0039】比較例2 図4(a),(b)に示す如く、低強度部のない封止電
極を用いたこと以外は実施例2と全く同様にしてサージ
アブソーバを作製し、その放電開始電圧及びサージ耐量
を調べ、結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のサージアブ
ソーバ用封止電極によれば、サージ電圧の吸収に伴う放
電による急激なサージアブソーバ内部のガスの膨張を吸
収する低強度部を設けたことにより、サージアブソーバ
内部の急激かつ瞬間的な圧力上昇がなくなる。その結
果、従来の大きさのままでもサージ耐量を大幅に向上さ
せることができ、サージアブソーバの小型化を図ると共
に、サージアブソーバとしての信頼性を格段に向上させ
ることができる。また、その製造において、部品数や製
造工程の増加をひき起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサージアブソーバ用封
止電極を装着したサージアブソーバを示す図であって、
図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のB−B
線に沿う断面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係るサージアブソーバ用
封止電極を装着したサージアブソーバを示す図であっ
て、図2(a)は斜視図、図2(b)は図2(a)のB
−B線に沿う断面図である。
【図3】従来のサージアブソーバを示す図であって、図
3(a)は斜視図、図3(b)は図3(a)のB−B線
に沿う断面図である。
【図4】従来のサージアブソーバを示す図であって、図
4(a)は斜視図、図4(b)は図4(a)のB−B線
に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 碍子 2 導電性薄膜 3 マイクロギャップ 4 サージアブソーバ素子 6,9 絶縁管 7 不活性ガス 10 リード線 11,13 封止電極 11A 凹部 11B 凸部 11C 溝 12 低強度部(易変形部) 13A 凸部 13B 凹部
フロントページの続き (72)発明者 阿部 政利 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内 (72)発明者 原田 三喜男 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サージアブソーバに使用する封止電極に
    おいて、変形しやすくするための低強度部を部分的に設
    けたことを特徴とするサージアブソーバ用封止電極。
JP30157993A 1993-12-01 1993-12-01 サージアブソーバ Expired - Lifetime JP3430591B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105225905A (zh) * 2015-09-10 2016-01-06 安徽华夏显示技术股份有限公司 一种放电频率可控型放电管及其制造方法
CN112071534A (zh) * 2020-09-03 2020-12-11 合肥众甫工业技术有限公司 一种基于波纹管缓冲组件的过电压保护器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105225905A (zh) * 2015-09-10 2016-01-06 安徽华夏显示技术股份有限公司 一种放电频率可控型放电管及其制造方法
CN112071534A (zh) * 2020-09-03 2020-12-11 合肥众甫工业技术有限公司 一种基于波纹管缓冲组件的过电压保护器

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