JPH0714924B2 - 血糖低下性及び血液コレステロール低下性オキサゾリジンジオン化合物 - Google Patents

血糖低下性及び血液コレステロール低下性オキサゾリジンジオン化合物

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JPH0714924B2
JPH0714924B2 JP3517780A JP51778091A JPH0714924B2 JP H0714924 B2 JPH0714924 B2 JP H0714924B2 JP 3517780 A JP3517780 A JP 3517780A JP 51778091 A JP51778091 A JP 51778091A JP H0714924 B2 JPH0714924 B2 JP H0714924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は血糖低下剤として有効な後記式(I)の特定の
化合物、それらの使用方法及びそれらを含有する医薬組
成物に関する。
初期のインスリンの発見及び引続いての糖尿病の治療に
おける使用の普及、並びに、その後のスルホニル尿素
(たとえばクロルプロパミド、トリブタミド、アセトヘ
キサミド、トラザミド)とビグアニド(たとえばフェン
ホルミン)の発見及び経口血糖低下剤としての使用にも
かかわらず、糖尿病の治療は余り満足でない状態のまま
である。合成血糖低下剤が無効な約10%の糖尿病患者
(I型糖尿病、インスリン依存型糖尿病)におけるイン
スリンの使用には、通常自己注射により1日数回の投与
を要する。インスリンの適当な薬量の決定には尿中又は
血中の糖の頻繁な定量を必要とする。インスリンの投与
量が多すぎると低血糖症を起こして、血糖の軽い異常か
ら昏睡、死亡にも及ぶ作用をもたらす。インスリン非依
存型糖尿病(II型糖尿病)の治療は、食事、運動、経口
薬、たとえばスルホニル尿素、及び更に重症ではインス
リンの併用から成るのが普通である。しかしながら、臨
床的に使用されている血糖低下剤は不幸なことに他の毒
性を伴い、ためにそれらの使用が限定される。これらの
薬剤の1つが個別の症例で効果をあげ得ない場合でも、
別の薬剤が効を奏することがあり得る。毒性が余りない
とか他剤無効の際に使用し得るような、血糖低下剤を引
続き必要としていることは明確である。
前記の血糖低下剤のほかに、多様な他の化合物がこの型
の活性を有することが報告されていることを、Blank[B
urger′s Medicinal Chemistry,第4版,第II部,John W
iley and Sons,ニューヨーク(1979年),1057〜1080ペ
ージ]が総説にした。Schnur,米国特許第4,367,234号
は、式 (式中、フェニル環はオルト/メタ位に一置換又は多置
換しているのが一般的である)の血糖低下性オキサゾリ
ジンジオンを開示している。4−フルオロフェニル類似
体を除いて、パラ置換誘導体は不活性か、又は程度の低
い血糖低下活性を有するに過ぎぬとされている。Schnu
r、米国特許第4,332,952号及び第4,342,771号は、種々
の同様なオキサゾリジンジオン血糖低下剤を開示してい
て、それらは代って5−位が複素環基で置換されてい
る。これらには特定のフラン、チオフェン、ピロール及
びピリジンの誘導体が含まれる。
発明の概要 本発明は、式 の化合物又はその薬学的に許容し得る塩基塩(式中、R
は1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭
素原子を有するシクロアルキル、フリル、チエニル、フ
ェニル又は置換されたフェニル(その置換基は1〜3個
の炭素原子のアルキル、メトキシ、トリフルオロメチ
ル、クロロ又はフルオロである)であり、Xは水素、メ
チル、メトキシ、クロロ又はフルオロであって、YはO
である)に関する。
好ましい化合物は、式 (式中、Xは水素である)のものである。
このグループ中特に好ましいものは、Rがフェニル、2
−チエニル、2−フリル又は−プロピルである化合物
である。
本発明は、それぞれ血糖低下、血液コレステロール低下
量の式I及びIIの化合物を適当な担体と共に含む、高血
糖症及び高コレステロール血症の哺乳動物に使用する医
薬組成物をも包含する。
同様に高血糖症及び高コレステロール血症の哺乳動物の
血糖又は血液コレステロールをそれぞれ低下する方法に
も関連し、それらは前記哺乳動物にそれぞれ血糖低下、
又は血液コレステロール低下量の式I又はIIの化合物を
投与することから成る。
「薬学的に許容し得る塩」という表現は、アルカリ金属
(たとえばナトリウムとカリウム)塩、アルカリ土類金
属(たとえばカルシウムとマグネシウム)塩、アルミニ
ウム塩、アンモニウム塩、並びに有機アミン、たとえば
ベンザチン(N,N′−ジベンジルエチレンジアミン)、
コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグ
ルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベ
ンジルフェネチルアミン)、ジエチルアミン、ピペラジ
ン、トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル
−1,3−プロパンジオール)及びプロカインとの塩のよ
うな塩基塩を定義することを意図するが、これらに限定
するものではない。
発明の詳細な説明 式Iの化合物は2種の操作により製造される。
第1の操作又は方法は、次に示すオキサゾリジンジオン
の3−位からトリフェニルメチル部分を除去することか
ら成る。
トリフェニルメチル基の除去は、出発物を、反応が完了
するまでトリフルオロ酢酸を用いて室温で処理すること
により達成される。反応時間は一般に30〜60分である。
所望の生成物は反応混合物を水中で反応を止め、次いで
生成物を酢酸エチルのような水に混和しない溶媒を用い
て抽出して得られる。生成物は再結晶又はクロマトグラ
フィーのような慣用の手段により精製することができ
る。
I′を得る出発試薬は本書記載の方法により製造するこ
とができ、下記のようにハロゲン化ベンジルを用いてフ
ェノールをアルキル化することから成る。
式Iの主題化合物を得る第2の方法は、式I″の化合物
の還元から成る。
オレフィン系出発物は、式(I)の対応する還元された
化合物の製造の中間体として役立つ。これらのオレフィ
ンの還元は炭素−炭素二重結合の還元用に知られている
多くの還元剤を使用することにより行い得るが、好まし
い方法としては、貴金属触媒存在下の水素、メタノール
中のナトリウムアマルガム、又は酢酸中の亜鉛を使用す
る。
還元ステップを貴金属触媒の存在下に水素を使用して行
う場合、この変換を行うため便利な方法は、耐硫黄性の
貴金属水素化触媒の存在で、水素又は窒素のような不活
性希釈剤を混合した水素の雰囲気下に、反応不活性溶媒
中の式(I″)のオレフィン系化合物の溶液を撹拌又は
振とうすることである。この反応のための適当な溶媒
は、出発化合物を実質上溶解するが、それ自体は水素化
又は水素化分解を受けない溶媒である。このような溶媒
の例には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン及び1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド及びN−メチルピロリドンのような低分子量アミド、
並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸及びイソ酪酸のような
低級アルキルカルボン酸が挙げられる。特に好ましいこ
のような溶媒はテトラヒドロフランと酢酸である。
反応媒質への水素ガスの導入は、オレフィン系化合物、
溶媒、触媒及び水素を入れた密閉容器中で反応を行うこ
とにより実施するのが普通である。反応器内部の圧力は
約1〜約100kg/cm2で変えることができる。反応器内の
雰囲気がほとんど純粋な水素である場合、好ましい圧力
範囲は、約2〜約5kg/cm2である。水素化は一般には約
0℃〜約60℃の温度で行われ、好ましくは約25℃〜約50
℃で行われる。好ましい温度と圧力の値を利用すると、
水素化は一般に数時間、たとえば約2時間〜約20時間で
起る。この水素化反応に使用される好ましい貴金属触媒
は、この種の変換について当業界で公知の試薬、たとえ
ばパラジウム、白金及びロジウムである。耐硫黄性のパ
ラジウム触媒が好ましく、それはこのような触媒は硫黄
により容易に被毒を受けないためである。触媒は、オレ
フィン系化合物を基準に、通常約0.01〜約25重量%、好
ましくは約0.1〜10重量%存在する。不活性担体上に触
媒を担持することがしばしば便利であって、特に便利な
触媒は炭素のような不活性担体上に担持されたパラジウ
ムである。
メチレン二重結合の水素化が実質的に完了したら、次い
で式(I)の所望の生成物を標準的方法で単離する。た
とえば、触媒を濾過により回収し、溶媒を蒸発して、所
望により、晶出又はクロマトグラフィーのようなよく知
られた方法により生成物を精製する。
式I″の中間体は、本書に記載したように、塩基の存在
下に適当なアルデヒドを2,4−ジオンと縮合させて製造
するのが便利である。
本書に記載した方法に対する出発試薬は、当業者に公知
の反応により製造されるか、又は本書中に後記する。
本発明化合物の薬学的に許容し得る陽イオン塩は、酸形
のものを共溶媒(cosolvent)中で適当な塩基、通常は
1当量と反応させることにより容易に製造される。典型
的な塩基は、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、カリウ
ムメトキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、ベンザチン、コリン、ジエタノールアミン、ピペラ
ジン及びトロメタミンである。塩は濃縮乾固によるか又
は非溶媒の添加により単離される。多くの場合に、塩は
好ましくは酸の溶液を当該陽イオンの別の塩(エチルヘ
キサン酸ナトリウム又はカリウム、オレイン酸マグネシ
ウム)の溶液と溶媒(たとえば酢酸エチル)を用いて混
合することにより製造し、その溶媒から所望の陽イオン
塩が沈殿するか、でなければ濃縮及び/又は非溶媒の添
加により単離することができる。
式(I)の本発明化合物は、血糖低下剤又は血液コレス
テロール低下剤としての臨床的使用に容易に適応でき
る。前者の臨床的使用に必要な活性は、以下の手順によ
りob/obマウスの血糖低下作用に対する試験により定義
される。
5〜8週令のC57 BL/6J−ob/obマウス(Jackson Labor
atory,Bar Harbor,メイン州から入手した)を標準的な
動物管理方法の下におりごとに5匹収容した。1週間の
環境順化期間の後、動物の重量を測って、処置に先立ち
25μlの血液を眼血管から採血した。血液試料を弗化ナ
トリウム2.5mg/mlとヘパリンナトリウム2%を含有する
食塩水を用いて直ちに1:5に希釈して、代謝産物分析の
ため氷上に保存した。次いで薬物(5〜50mg/kg)、シ
グリタゾン(ciglitazone)(米国特許第4,467,902号;S
ohdaら、Chem.Pharm.Bull,.32巻,4460〜4465ページ,198
4年)の正の対照(50mg/kg)又は賦形剤を5日間毎日動
物に投与した。薬物はすべて0.05% w/vメチルセルロー
スから成る賦形剤に入れて投与した。第5日に再び動物
の重量を測定し、血液代謝産物水準を調べるため(目の
経路を介して)採血した。新たに採取した試料を室温で
10,000×gで2分間遠心分離した。上清は、たとえば2
0,60及び100mg/dlの標準を使用するA−gent(商標)グ
ルコースUV試薬系(ヘキソキナーゼ法)を用いてABA
200 Bichromatic Analyzer(商標)によりグルコースに
ついて分析した。次いで血漿グルコースを式 血漿グルコース(mg/dl)=試料値×5×1.67 =8.35×試料値 により計算した。式中、5は希釈因子であって、1.67は
血漿ヘマトクリット補正(ヘマットクリット値を40%と
限定する)である。商標AはAbbott Loboratories,Diag
nostics Division,820 Mission Street,So.Pasadena,CA
91030の登録商標である。
*はRichterich及びDauwalder,Schweizerische Medizin
ische Wochenschrift,101,860(1971)の方法の変形で
ある。
賦形剤を投与した動物は高血糖性グルコース量状態が実
質的に不変(たとえば250mg/dl)のままであるが、正の
対照動物ではグルコース量が降下した(たとえば130mg/
dl)。試験化合物はこのグルコースを基準にして%で報
告する。たとえば、正の対照と同じグルコース量を100
%と報告する。
下記のような試験により式(I)の化合物は哺乳動物の
血清コレステロール量を低下する作用をすることが実証
された。
Jackson Laboratories,Bar Harbor、メイン州から入手
した雌マウス(C57Br/cd J)を摂取せしめた後、8〜12
週令で使用した。2〜4週の順化期間中、水と標準的実
験用食餌を自由に動物を6〜7頭の3つのグループに無
作為に分離する。3つのグループ全部に、コレステロー
ル0.75%、サクロース31%、デンプン15.5%、カゼイン
20%、セルロース17%、トウモロコシ油4.5%、やし油
5%、コール酸0.25%、塩4%及びビタミン2%を含有
する餌を与え、18日間自由に就餌させる。最後の5日間
は毎日午前9〜11時に経口飼養により対照グループには
5ml/kgの賦形剤(0.1%水性メチルセルロース)を、試
験グループには被験化合物を賦形剤中0.1〜20mg/kg/日
の用量範囲で投与する。投与の4日目の後、午後5時か
ら開始して終夜動物に絶食させる。次の朝、化合物の5
回目で最後の用量を試験グループに投与し、3時間後
に、動物を断頭屠殺する。体幹からの血液を集めて凝固
させ、HDLコレステロール、LDL及びVLDLコレステロール
並びに総コレステロールについて、Abbott VP自動分析
機を使用して血清を酵素的に検定する。LDL+VLDLコレ
ステロール量、総コレステロール量を基準にしても、LD
L+VLDL/HDLの比を基準にしても、本発明化合物は一般
にコレステロール量の降下に有利な結果を示す。
式(I)の本発明化合物は、経口又は非経口のいずれか
の経路を介して、ヒトを含む哺乳動物に臨床的に投与さ
れる。経口的経路による投与が好ましく、より便利であ
って注射にありがちな苦痛と刺激を避けられる。しかし
ながら、患者が薬剤をえん下できないとか、経口投与に
伴う吸収が、たとえば疾病又は他の異常により障害を受
ける情況では、薬物を非経口的に投与するのが不可欠で
ある。いずれかの経路でも、薬量は1日につき患者の体
重kg当り約0.10〜約50mgの範囲であり、好ましくは1日
につき約0.10〜約10mg/体重kgが1回又は分割して投与
される。しかしながら、治療を受ける個々の患者に対す
る適量は治療責任者により決定され、一般には少い薬量
から始めて、その後増加して最適の薬量を決定する。こ
れは使用される個別の化合物に応じて、治療を受ける患
者について変化する。
本化合物は、薬学的に許容し得る担体又は希釈剤と一緒
に、本化合物又はその薬学的に許容し得る酸塩を含有す
る医薬調剤物に使用することができる。適当な薬学的に
許容し得る担体には、不活性な固体の増量剤又は希釈剤
及び無菌の水溶液又は有機溶液が挙げられる。活性化合
物は、前記範囲の所望の投薬量を提供するのに充分な量
でこのような医薬組成物中に存在する。このようにし
て、経口投与には本化合物を適当な固体又は液体の担体
又は希釈剤と一緒にしてカプセル剤、錠剤、散剤、シロ
ップ剤、溶液剤、懸濁剤等を形成することができる。こ
の医薬組成物は、所望により風味剤、甘味剤、賦形剤等
のような追加成分を含有し得る。非経口投与には本化合
物を無菌の水性又は有機性の媒質と一緒にして注射用の
溶液又は懸濁液を形成することができる。たとえば、ゴ
マ油又は落花生油、水性プロピレングリコール等への溶
液、さらに本化合物の水溶性の薬学的に許容し得る塩の
水溶液を使用することができる。このようにして調製さ
れる注射可能な溶液は静脈内、腹腔内、皮下、又は筋肉
内に投与することができるが、筋肉内投与が人間では好
ましい非経口経路である。
本発明について以下の実施例により説明するが、本発明
をこれらの実施例の特定的の細部に限定することを意味
するものではない。
実施例1 5−(4−[2−イソプロピルベンゾオキサゾール−5
−イルメトキシ]ベンジル)−オキサゾリジン−2,4−
ジオン (R=i−C3H7;X=H;及びY=O) 製造Fの生成物(4.73g,7.63mmol)をトリフルオロ酢酸
(20ml)に添加して、得られた溶液を室温で30分間撹拌
した。次いでそれを水(200ml)に注入し、固体炭酸ナ
トリウムを用いて中和し、酢酸エチル(3×100ml)を
用いて抽出した。まとめた有機層を硫酸マグネシウムを
用いて脱水し、濾過して濃縮し固体を得た。メタノール
から2度再結晶して標題化合物(1.02g,35%)を白色針
状物として得た。融点167〜169℃。
C21H20N2O5に対する分析計算値:C,66.3;H,5.3;N,7.4。
実測値:C,66.4;H,5.3;N,7.4。
実施例2 必要な試薬を用いて出発し、実施例1の操作を使用して
以下の化合物を製造した。
製造A 3−トリフェニルメチル−1,3−オキサゾリジン−2,4−
ジオン 1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(60.7g,0.600mol)
及びトリエチルアミン(60.7g,0.600mol)の塩化メチレ
ン(500ml)溶液にフェニルメチルクロリド(167.3g,0.
600mol)を添加した。30分後、真空濾過により粘稠白色
固体を収集し、水(2)を用いて洗浄し、真空デシケ
ータ中で乾燥して標題化合物(201.4g,96%)を得た。
1部をクロロホルムから再結晶して白色板状物を得た。
融点216〜218℃。
製造B 1−ヒドロキシ−4−[(3−トリフェニルメチル−1,
3−オキサゾリン−2,4−ジオン−5−イル)メチル]ベ
ンゼン 製造Aの生成物(150g,0.437mol)とジメチルホルムア
ミド(300ml)の懸濁液に炭酸メチルマグネシウム(437
ml,ジメチルホルムアミド中2M,0.874mol)を添加し、次
いで1.5時間で90℃に加熱した。冷却後、前記の赤い反
応混合物を、4−クロロメチルフェニルアセテート(5
3.8g,0.291mol)とジメチルホルムアミド(50ml)の溶
液に10分間かけて添加した。反応物を1時間で90℃まで
加熱し、室温に冷却し、それから1N塩酸(1)中で反
応を止めた。次いで酢酸エチル(3×500ml)を用いて
抽出し、まとめた有機層を水(2×500ml)を用いて洗
浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過して濃縮
し赤いゴム状物を得た。ヘキサンから30%酢酸エチル/
ヘキサンまでの勾配溶離を利用してシリカゲル上のクロ
マトグラフ精製により標題化合物(61.8g,47%)を得
た。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶により白色プリズ
ム晶を得た。融点158〜161℃。
C29H23NO4に対する分析計算値:C,77.5;H,5.2;N,3.1。実
測値:C,77.1;H,5.2;N,3.0。
製造C メチル2−イソプロピル−5−ベンゾオキサゾールカル
ボキシレート 3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(5.00g,2
9.9mmol),塩化イソブチル(3.51g,32.9mmol)、トリ
エチルアミン(3.33g,32.9mmol)、ピリジニウムp−ト
ルエンスルホネート(2.5g,10mmol)及びキシレン(100
ml)の溶液を加熱して終夜還流させ、次いで室温に冷却
した。反応物を酢酸エチル(100ml)を用いて希釈し、
水(2×50ml)を用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを用
いて脱水し、濾過濃縮により標題化合物(6.82g,定量的
収率)を褐色油状物として得た。この方法により同様に
製造されたものは以下の通りである。
製造D 2−イソプロピル−5−ベンゾオキサゾールメタノール 製造Cの生成物(6.79g,29.9mmol)及びテトラヒドロフ
ラン(100ml)の溶液に水素化アルミニウムリチウム(8
81mg,23.2mmol)を1度に添加して、反応物を1.5時間撹
拌した。水(0.9ml),15%水酸化ナトリウム溶液(0.9m
l)及び水(2.5ml)の逐次添加により反応を止めて、塩
化メチレン(100ml)を用いて希釈した。1時間後、シ
リカゲルの薄層を通して懸濁液を濾過し、硫酸マグネシ
ウムを用いて脱水し、濾過、濃縮により標題化合物(5.
05g,88%)を油状物として得た。
この方法により更に製造された化合物は以下の通りであ
る。
製造E 2−イソプロピル−5−ベンゾオキサゾールメチルブロ
ミド 製造Dの生成物(2.50g,13.1mmol)、トリフェニルホス
フィン(5.18g,19.7mmol)及びジメチルホルムアミド
(50ml)の溶液に四臭化炭素(6.54g,19.7mmol)を添加
した。反応物を終夜撹拌し、次いで水(250ml)に注入
して酢酸エチル(3×100ml)を用いて抽出した。まと
めた有機層を硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し
て濃縮した。ヘキサンから10%酢酸エチル/ヘキサンま
での勾配溶離を用いてシリカゲル上のクロマトグラフ精
製により標題化合物(2.44g,73%)を白色固体として得
た。融点62〜64℃。
この方法により更に製造した化合物は以下の通りであ
る。
製造F 3−トリフェニルメチル−5−(4−[2−i−プロピ
ルベンゾオキサゾール−5−イルメトキシ]ベンジル)
オキサゾリジン−2,4−ジオン 水素化ナトリウム(416mg,油中60%,10.4mmol)のジメ
チルホルムアミド(50ml)中の懸濁液に製造Bの生成物
(4.24g,9.44mmol)を添加した。水素の発生が止んだ
後、製造Eの生成物(2.40g,9.44mmol)を1度に添加し
て、反応物を室温で終夜撹拌した。次いで水(250ml)
に注入し、酢酸エチル(3×100ml)を用いて抽出し
た。まとめた有機層を硫酸マグネシウムを用いて脱水
し、濾過して濃縮し油状物を得た。ヘキサンからヘキサ
ン中25%酢酸エチルまでの勾配溶離を利用してシリカゲ
ル上で精製し、標題化合物(4.85g,83%)を白色粉末と
して得た。融点123〜125℃。
この方法により更に製造されたものは以下の通りであ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: [式中、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、フリル、チ
    エニル、フェニル又は置換されたフェニル(その置換基
    は1〜3個の炭素原子を有するアルキル、メトキシ、ト
    リフルオロメチル、クロロ、又はフルオロである)であ
    り、Xは水素、メチル、メトキシ、クロロ又はフルオロ
    であって、YはOである] の化合物又はその薬学的に許容し得る塩基塩。
  2. 【請求項2】式: [式中、Xは水素である] の請求の範囲第1項の化合物。
  3. 【請求項3】Rがフェニルである、請求の範囲第2項の
    化合物。
  4. 【請求項4】Rが2−チエニルである、請求の範囲第2
    項の化合物。
  5. 【請求項5】Rが2−フリルである、請求の範囲第2項
    の化合物。
  6. 【請求項6】Rが−プロピルである、請求の範囲第2
    項の化合物。
  7. 【請求項7】(1)式: [式中、R,X及びYは後記定義と同じ] の化合物を、反応が実質的に完了するまでトリフルオロ
    酢酸と反応させるか、又は(2)式: [式中、R,X及びYは後記定義と同じ] の化合物を還元することから成る、式: [式中、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3
    〜6個の炭素原子のシクロアルキル、フリル、チエニ
    ル、フェニル又は置換されたフェニル(その置換基は1
    〜3個の炭素原子を有するアルキル、メトキシ、トリフ
    ルオロメチル、クロロ又はフルオロである)であり、X
    は水素、メチル、メトキシ、クロロ又はフルオロであっ
    て、YはOである] の化合物又はその薬学的に許容し得る塩基塩の製造方
    法。
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