JPH0714901B2 - N,n―ジブチルアミノフェノール類の製造方法 - Google Patents
N,n―ジブチルアミノフェノール類の製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
に関する。N,N−ジブチルアミノフェノール類は,感熱
・感圧紙用染料,キサンテン系染料,蛍光染料等の中間
物として工業的に極めて重要な化合物である。
ては, 二価フェノール類を酸触媒の存在下にジブチルアミ
ンと反応させる方法, アミノフェノール類を臭化ブチル又は沃化ブチルで
ブチル化する方法, などが知られている。
過剰量のジブチルアミンを用いて反応する方法であり,
N,N−ジブチルアミノフェノール類の収率が低く,副生
物が多い。また,過剰のジブチルアミンを回収する必要
があり,さらに材質腐食の問題もあって,工業的には極
めて困難な方法である。
業的にはハロゲンの回収が必要であり,プロセスが煩雑
である。更にこの方法は,N,N−ジブチルアミノフェノー
ル類の四級塩が生成しやすいので,N,N−ジブチルアミノ
フェノール類の精製に困難を伴なう。
はいいがたい。
高収率で,高品位のN,N−ジブチルアミノフェノール類
の製造方法について鋭意検討した結果,アミノフェノー
ル類とブチルアルデヒドを還元アルキル化反応させ,還
元用触媒を分離した後の反応液を,特定の温度条件のも
とで蒸留することにより,工業的に極めて有利に,収率
良く,高品位のN,N−ジブチルアミノフェノール類が得
られることを見い出し,本発明を完成したものである。
即ち,本発明は, 下記(a),(b)及び(c)の工程からなる,N,N−ジ
ブチルアミノフェノール類の製造方法に係るものであ
る。
含む系に対し,水素圧5〜20kg/cm2G,温度10〜60℃に維
持しつつ,該アミノフェノール類の仕込量1モルに対し
て2.1〜2.7モルのブチルアルデヒド,及び該アミノフェ
ノール類の仕込量100重量部に対して0.05〜5重量部の
有機カルボン酸類を連続供給し,還元アルキル化反応に
より生成したN,N−ジブチルアミノフェノール類を含有
する反応液を得る工程 (b)該反応液から還元用触媒を濾過・分離して得た濾
過後の反応液を,塔底温度を160℃以下に維持して蒸留
することにより,未反応のブチルアルデヒド及び有機溶
媒を塔頂より留去せしめ,N,N−ジブチルアミノフェノー
ル類を主成分とする塔底液を得る工程 (c)該塔底液を,塔底温度を230℃以下に維持して蒸
留することにより,N,N−ジブチルアミノフェノール類を
塔頂より回収する工程。
アミノフェノール,メタアミノフェノール,パラアミノ
フェノール等であり,特にメタアミノフェノールが好ま
しい。N,N−ジブチルアミノフェノール類とは,具体的
には,N,N−ジブチルオルソアミノフェノール,N,N−ジブ
チルメタアミノフェノール,N,N−ジブチルパラアミノフ
ェノール等であり,特にN,N−ジブチルメタアミノフェ
ノールが好ましい。
類,有機溶媒及び還元用触媒を仕込んで,水素圧5〜20
kg/cm2G,反応温度10〜60℃に維持して,該アミノフェノ
ール類の仕込量1モルに対して2.1〜2.7モルのブチルア
ルデヒド,及び該アミノフェノール類の仕込量100重量
部に対して0.05〜5重量部の有機カルボン酸類を連続供
給することによって,N,N−ジブチルアミノフェノール類
を得る反応である。
ル,エタノール及びブタノールの一種又は二種以上の溶
媒が用いられる。
ましい。還元用触媒の使用量は,特に制限されないが,
アミノフェノール類の仕込量に対して0.5〜10重量%が
一般的である。
的の反応が遅くなり,重質物が増加するので好ましくな
い。また,20kg/cm2Gを超えると,アルデヒドからアル
コールが生成する副反応が速くなったり,他の副反応が
増加するので好ましくない。
の還元アルキル化反応が遅くなり,一方,重質物が増加
するので好ましくない。また,60℃を超えると,アルデ
ヒドからアルコールが生成する副反応が速くなったり,
他の副反応が増加するので好ましくない。
込量1モルに対して2.1〜2.7モルの範囲である。2.1モ
ル未満では,未反応のまま残存するN−ブチルアミノフ
ェノール類が多くなり,又2.7モルを超えると,次の軽
沸分を除去する工程で,未反応のまま残存するブチルア
ルデヒドが原因で,重質物が多く生成するので好ましく
ない。
デヒドを連続供給している間に,アミノフェノール類の
仕込量100重量部に対して0.05〜5重量部の有機カルボ
ン酸類を連続供給することが重要である。このことによ
り,反応初期におこる重質化反応を抑えることができ
る。有機カルボン酸類の連続供給は,還元アルキル化反
応の全期間又は一部期間において行なわれる。好ましい
方法としては,有機溶媒,還元用触媒及びアミノフェノ
ール類を含む反応系に,先ずアルデヒド類の連続的供給
を開始し,水素吸収により還元アルキル化反応の開始を
確認した以降に有機カルボン酸類の連続供給を開始する
のがよく,特に,アルデヒド類の供給開始10分以降から
添加をはじめて,所定量のアルデヒド類の供給を終了す
るまでの間に,有機カルボン酸類の供給を終えるのが最
も好ましい。
果が大である。
加」には,文字どおり連続的に添加することの他,適宜
間欠的に添加することも含まれる。
モノカルボン酸類,ジカルボン酸類又は,オキシカルボ
ン酸類であり,モノカルボン酸類としては,例えば酢
酸,プロピオン酸,ラク酸,吉草酸,安息香酸等,ジカ
ルボン酸類としては,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,
マレイン酸,イソフタル酸等,オキシカルボン酸類とし
ては,グリコール酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン
酸等が選ばれるが,特に酢酸,ラク酸が好ましい。これ
ら有機カルボン酸類は,1種又は2種以上が混合して使用
される。また,有機カルボン酸類は,添加量が少ないの
で,一般には,反応に使用する有機溶媒で希釈して用い
られる。
仕込量に対して,0.05〜5重量%の範囲で用いられる
が,特に好ましくは,0.2〜2重量%の範囲である。0.05
重量%未満では効果が十分でなく,N−ブチルアミノフェ
ノール類が多く残るので好ましくなく,5重量%を超えて
添加すると,反応は速くなるが,重質化がおこりやすく
なって収率低下をもたらすので好ましくない。
フェノール類を含有する反応液を得ることができる。
用触媒が分離・回収される。分離・回収された還元用触
媒は,有機溶媒スラリーにして,次回の反応に繰返し使
用することができる。
の反応液を,塔底温度を160℃以下に維持して蒸留する
ことにより,未反応のブチルアルデヒド及び有機溶媒を
塔頂より留去せしめ,N,N−ジブチルアミノフェノール類
を主成分とする塔底液を得ることができる。
ミノフェノール類とブチルアルデヒドが反応して重質化
し,N,N−ジブチルアミノフェノール類の収率が低下する
ので好ましくない。
したN,N−ジブチルアミノフェノール類が反応して重質
分を生成するので,触媒濾過後,直ちに蒸留することが
より好ましい。
で,又回分式,連続式いずれも実施可能であるが,操作
の容易さ,未反応のブチルアルデヒド及び有機溶媒の回
収の容易さなどから条件が,決定される。
及び有機溶媒が除去された,N,N−ジブチルアミノフェノ
ール類を主成分とする塔底液を得ることができる。
温度を230℃以下に維持して行なわれる。塔底温度が230
℃を超えると,前記の還元アルキル化反応及び本蒸留に
先立って行なわれる前記の蒸留時に生じた重質物の分解
が起こり,これにより発生した不純物により,目的物で
あるN,N−ジブチルアミノフェノール類の純度が低下す
ることがあるので,好ましくない。
のいずれの方法にても実施される。
フェノール類は,塔頂より回収される。
件によっては,その蒸留の塔底液,すなわち,本蒸留に
付する液中に,若干の軽沸分が残留することがあるの
で,この場合には,本蒸留において目的物であるN,N−
ジブチルアミノフェノール類を回収するに先立ち,蒸留
初期に塔頂から留去する軽沸分を,別途分離・回収する
ことにより,目的物であるN,N−ジブチルアミノフェノ
ールの純度の低下を避けることができる。
本発明はこれに限定されるものではない。
メタアミノフェノールを含むメタノール溶液1091g(メ
タアミノフェノール273g,2.5モル)と,一度反応に使用
して回収した還元用触媒17.7g(白金−炭素触媒,白金
含量5wt%)を含有するメタノールスラリー液745gを仕
込んだ。次に,オートクレーブ内を,窒素,次いで水素
で置換してから,水素圧10kg/cm2Gまで昇圧した。水素
圧一定のもとで,50重量%のブチルアルデヒドを含むメ
タノール溶液901g(ブチルアルデヒド451g,6.25モル)
を60分間で供給終了する様に一定速度で供給開始した。
該供給開始後,水素の吸収を確認した後,上記ブチルア
ルデヒドのメタノール溶液を供給開始して15分後から15
分間で,10重量%の酢酸を含有するメタノール溶液16.4g
(酢酸1.64g,0.027モル)を,一定速度で連続添加し
た。この間,反応温度は除熱しながら最高42℃までに抑
制した。上記ブチルアルデヒド供給終了後,40±2℃で
2.5時間保温して還元アルキル化反応を終了させた。反
応終了後,冷却,脱圧して,使用した還元用触媒を濾過
分離して反応液を取り出した。反応液について,ガスク
ロマトグラフィー(GC),液クロマトグラフィー(LC)
及びGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ー)分析を行った結果,目的物であるN,N−ジブチルメ
タアミノフェノールの収率(仕込みメタアミノフェノー
ル基準,モルベース,以下同じ)は94.1%,N−ブチルメ
タアミノフェノールの収率は1.8%,重質分の収率は2.5
%であった。
した反応液を直ちにオイルバス中に入れたナシ型フラス
コ中に連続的に供給しながら,未反応ブチルアルデヒド
及び溶媒であるメタノール除去のための減圧蒸留を行な
った。反応液は3時間かけて連続供給し供給終了後,実
質的にブチルアルデヒド及びメタノールを除くためにバ
ッチによる濃縮を実施した。この間,操作圧力は300mmH
g一定,塔底液の温度は140℃以下で操作を行なった。塔
底液温度が140℃に到達したので蒸留を停止した。分析
の結果N,N−ジブチルメタアミノフェノールの収率(モ
ル基準)は96.2%であった。
記の塔底液から,N,N−ジブチルメタアミノフェノールを
留出,回収するため,圧力3mmHg一定のもとバッチによ
る減圧蒸留を行なった。
ルを除去するために,塔底液中のN,N−ジブチルメタア
ミノフェノール基準で1重量%量を初留分として除い
て,引続いて,製品に相当する本留分を得た。塔底液の
温度が210℃になったので蒸留操作を停止し,本留分と
して478gを得た。N,N−ジブチルメタアミノフェノール
の純度(重量基準)は98.5%,本蒸留工程での収率(モ
ル基準)は95.3%であった。
し,還元用触媒を濾過分離した反応液を取得し,これを
使用して,ブチルアルデヒド及びメタノール除去を連続
操作にて実施した。反応液を連続的に蒸留塔に供給し,
塔底液は平均滞留時間1時間となる様にして順次抜出し
ながら行なった。この間,操作圧力は230〜250mmHgでほ
ぼ一定,塔底液の温度は120〜140℃であった。GC分析の
結果N,N−ジブチルメタアミノフェノールの収率は,約9
7.1%であった。
れた塔底液から,N,N−ジブチルメタアミノフェノールを
留出,回収させるため,圧力5mmHg一定のもとバッチに
よる減圧蒸留を行なった。若干量の残存軽沸分及びN−
ブチルメタアミノフェノールを除去するために,缶出液
中のN,N−ジブチルメタアミノフェノール基準で2重量
%量を初留分として除き,引続いて製品に相当する本留
分を得た。塔底液の温度が210℃になったので蒸留操作
を停止した。N,N−ジブチルメタアミノフェノールの純
度は97.2%,蒸留工程での収率は92.8%であった。
元用触媒を濾過分離した反応液を得た。この反応液をオ
イルバス中に入れたナシ型フラスコ中に連続的に供給し
ながら,未反応ブチルアルデヒド及びメタノール除去の
ための蒸留を行なった。反応液は,4時間かけて連続供給
し供給終了後,ブチルアルデヒド及びメタノールを除く
ためにバッチによる濃縮を実施した。この間,操作圧は
大気圧下一定,又塔底温度はバッチ濃縮の間,徐々に温
度が上昇したが,本発明の規定温度(160℃)より高い1
70℃に到達するまで蒸留を継続した。塔底液を分析した
結果,N,N−ジブチルメタアミノフェノールの収率は88.4
%と低く,重質分の生成が著るしかった。引続いて,上
記の塔底液を用いて,N,N−ジブチルメタアミノフェノー
ルを留出,回収するため,実施例−1と同様に,圧力3m
mHg一定,1重量%の初留分を除去した後,塔底温度が210
℃になるまで蒸留を行なった。収率は93.5%とまずまず
であったが,N,N−ジブチルメタアミノフェノールの純度
は91.3%と良くなかった。
元用触媒濾過分離及び軽沸分除去を実施して,塔底液を
得,引続いて,圧力5mmHg一定,1重量%の初留分を除去
した後,塔底温度が本発明の規定(230℃)より高い235
℃になるまで蒸留を行なった。収率は94.4%と良好であ
ったが,N,N−ジブチルメタアミノフェノールの純度は9
3.1%と良くなかった。
工業化に伴う問題を解消し,かつ,高品位で高収率なN,
N−ジブチルアミノフェノール類の製造方法を提供する
ことができた。
Claims (4)
- 【請求項1】下記(a),(b)及び(c)の工程から
なる,N,N−ジブチルアミノフェノール類の製造方法。 (a)有機溶媒,還元用触媒及びアミノフェノール類を
含む系に対し,水素圧5〜20kg/cm2G,温度10〜60℃に維
持しつつ,該アミノフェノール類の仕込量1モルに対し
て2.1〜2.7モルのブチルアルデヒド,及び該アミノフェ
ノール類の仕込量100重量部に対して0.05〜5重量部の
有機カルボン酸類を連続供給し,還元アルキル化反応に
より生成したN,N−ジブチルアミノフェノール類を含有
する反応液を得る工程 (b)該反応液から還元用触媒を濾過・分離して得た濾
過後の反応液を,塔底温度を160℃以下に維持して蒸留
することにより,未反応のブチルアルデヒド及び有機溶
媒を塔頂より留去せしめ,N,N−ジブチルアミノフェノー
ル類を主成分とする塔底液を得る工程 (c)該塔底液を,塔底温度を230℃以下に維持して蒸
留することにより,N,N−ジブチルアミノフェノール類を
塔頂より回収する工程 - 【請求項2】還元アルキル化反応により生成したN,N−
ジブチルアミノフェノール類を含有する反応液から濾過
分離して回収した還元用触媒を,有機溶媒スラリー液と
して,次回の還元アルキル化反応に繰返し使用する請求
項(1)記載の方法。 - 【請求項3】還元用触媒が活性炭に担持させた白金触
媒,有機溶媒がメタノール,エタノール及びブタノール
のうちの一種又は二種以上,有機カルボン酸類が酢酸及
び/又はラク酸である請求項(1)又は(2)記載の方
法。 - 【請求項4】アミノフェノール類がメタアミノフェノー
ルである請求項(1),(2)又は(3)記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1201032A JPH0714901B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | N,n―ジブチルアミノフェノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1201032A JPH0714901B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | N,n―ジブチルアミノフェノール類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0363250A JPH0363250A (ja) | 1991-03-19 |
JPH0714901B2 true JPH0714901B2 (ja) | 1995-02-22 |
Family
ID=16434314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1201032A Expired - Fee Related JPH0714901B2 (ja) | 1989-08-01 | 1989-08-01 | N,n―ジブチルアミノフェノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0714901B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109896966B (zh) * | 2019-04-04 | 2021-10-22 | 上海工程技术大学 | 一种n,n-二丁基间氨基苯酚的制备方法 |
-
1989
- 1989-08-01 JP JP1201032A patent/JPH0714901B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0363250A (ja) | 1991-03-19 |
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