JP2023152806A - 4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023152806A
JP2023152806A JP2023038713A JP2023038713A JP2023152806A JP 2023152806 A JP2023152806 A JP 2023152806A JP 2023038713 A JP2023038713 A JP 2023038713A JP 2023038713 A JP2023038713 A JP 2023038713A JP 2023152806 A JP2023152806 A JP 2023152806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
dihydroxybiphenyl
bpdc
reaction
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023038713A
Other languages
English (en)
Inventor
一休 芝
Ikkyu Shiba
良太 本岡
Ryota Motooka
尚悟 清水
Shogo Shimizu
久美子 田中
Kumiko Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Original Assignee
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ueno Fine Chemicals Industry Ltd filed Critical Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Publication of JP2023152806A publication Critical patent/JP2023152806A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/15Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction of organic compounds with carbon dioxide, e.g. Kolbe-Schmitt synthesis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/47Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by solid-liquid treatment; by chemisorption
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C65/00Compounds having carboxyl groups bound to carbon atoms of six—membered aromatic rings and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups
    • C07C65/01Compounds having carboxyl groups bound to carbon atoms of six—membered aromatic rings and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups containing hydroxy or O-metal groups
    • C07C65/105Compounds having carboxyl groups bound to carbon atoms of six—membered aromatic rings and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups containing hydroxy or O-metal groups polycyclic

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸が高収率で得られる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、2-エチルヘキサノール中で、式(1)TIFF2023152806000009.tif1672[式中、Mはナトリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させる工程を含む、式(2)TIFF2023152806000010.tif2671で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法に関する。
カルボキシル化ビフェノール化合物は、熱的特性、機械的特性等に優れた芳香族ポリエステルの製造原料として有用な化合物である。また、近年、ガス貯蔵や固体触媒等に使用される金属有機構造体(MOF)の有機配位子としての用途が期待されている。MOFは金属と有機配位子を組み合わせた多孔質材料の1つであり、特許文献1および2には、有機配位子として4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸(BPDC)を用いることが提案されている。
BPDCを含有するMOFは二酸化炭素の吸着性が高いことから注目されており、MOFの需要が高まるにつれて、BPDCの需要も高まっている。
BPDCの製造方法としては、いわゆるコルベシュミット反応が知られており、特許文献3には、ベンジルアルコール中で、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩と二酸化炭素を反応させてBPDCを製造する方法が記載されている。
特表2020-527455号公報 特表2020-531248号公報 特開平11-140015号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法は収率が低く、工業的なスケールでの生産には適さない方法であった。したがって、高収率でBPDCを製造する方法が求められていた。
本発明の目的は、BPDCが高収率で得られる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、2-エチルヘキサノール中、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させることにより、BPDCが高生成率で得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕2-エチルヘキサノール中で、式(1)
Figure 2023152806000001
[式中、Mはナトリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]
で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させる工程を含む、式(2)
Figure 2023152806000002
で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法。
〔2〕Mはナトリウムである、〔1〕に記載の方法。
〔3〕4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応を、二酸化炭素圧力0.1~10MPaの条件下で行う、〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記反応工程は、温度100~300℃の条件下で行う、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕前記反応工程は、有機酸および/または有機酸塩の存在下で行う、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕有機酸および/または有機酸塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸およびクエン酸、およびこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上である、〔5〕に記載の方法。
〔7〕有機酸塩は、酢酸ナトリウムである、〔6〕に記載の方法。
〔8〕前記反応工程によって得られた反応液に水を添加した後、有機層と水層に分液し、得られた水層を酸析することにより、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸を含む粗組成物を得る工程を含む、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔9〕前記粗組成物をさらに精製する工程を含む、〔8〕に記載の方法。
〔10〕前記精製工程は懸濁洗浄、再結晶、および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含む、〔9〕に記載の方法。
〔11〕前記精製工程は懸濁洗浄工程を含む、〔9〕または〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記精製工程で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上である、〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕カリウムの含有量が100ppm未満である、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
本発明によれば、BPDCを高生成率で得ることができる。
本発明の式(2)で表されるBPDCの製造方法においては、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩を二酸化炭素と反応させる、いわゆるコルベシュミット反応が用いられる。本発明において、反応は通常撹拌下で行われる。
Figure 2023152806000003
[式中、Mはナトリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す。]
Figure 2023152806000004
本発明において使用される反応装置としては、通常のコルベシュミット反応において使用される反応装置であればよく、例えば、撹拌機を備え、高圧反応に対応可能なオートクレーブが好適に使用できる。さらに、温度制御機能を有し、炭酸ガスや不活性ガスの導入管、温度計支持管、圧力計および排気管などを有するものがより好ましい。
本発明において使用される式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩としては、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジリチウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジルビジウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジセシウム塩が挙げられる。入手の容易さ、コストおよび反応性の点から、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩が好ましい。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを、アルカリ金属水酸化物や、アルカリ金属tert-ブトキシド、アルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エトキシド、アルカリ金属iso-プロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシドを用いて、ジアルカリ金属塩とすることにより得ることができる。特に、経済性を考慮すると、4,4’-ジヒドロキシビフェニルとアルカリ金属水酸化物を用いてジアルカリ金属塩とするのが好ましい。
より具体的には、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを、水酸化ナトリウムや、tert-ブトキシナトリウム、メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、iso-プロポキシナトリウムなどのナトリウムアルコキシドを用いて、ジナトリウム塩とすることにより得ることができる。特に、経済性を考慮すると、4,4’-ジヒドロキシビフェニルと水酸化ナトリウムを用いてジナトリウム塩とするのが好ましい。
反応に供する4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩は、十分脱水されていることが好ましく、脱水が不完全であると反応収率が低下することがある。脱水は、例えば、エバポレーターなどの装置を用い、真空状態で加熱することにより行われる。反応に供する4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩は、その水分量が3質量%以下、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることが好ましい。
本発明では、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、有機酸および/または有機酸塩の存在下で行ってもよい。
有機酸および/または有機酸塩としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸およびクエン酸、およびこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上が挙げられる。特に、入手の容易さ、価格、反応性を考慮すると、ギ酸ナトリウムならびに酢酸ナトリウムが好ましく、さらに安全性を考慮すると酢酸ナトリウムが最も好ましい。
有機酸および/または有機酸塩を添加する場合は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩1モル当たり、通常0.1~10モル、好ましくは0.3~5モル、より好ましくは0.5~4.5モル、さらに好ましくは1~3モル存在させるのがよい。
本発明の方法では、溶媒として2-エチルヘキサノール(EHA)が用いられる。溶媒として2-エチルヘキサノールを用いることによってBPDCの生成率が大幅に向上する。
本発明に使用される2-エチルヘキサノールの使用量は、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩100質量部に対して100~3000質量部(4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩に対して1~30質量倍)が好ましく、150~2000質量部がより好ましく、200~1500質量部がさらに好ましく、300~1000質量部が特に好ましい。2-エチルヘキサノールの使用量が上記範囲内にあると、効率よくBPDCの生成率を向上させることができる。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、通常100~300℃で行われ、好ましくは150~280℃、より好ましくは170~250℃の温度下で行うことができる。100℃より低温では、反応が進行し難い傾向があり、300℃より高温では、反応が頭打ちとなりエネルギーが損失するとともに、分解などの副反応が生じるおそれがある。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、通常10MPa以下、好ましくは0.1~5MPa、より好ましくは0.2~1MPaの圧力下、好適には二酸化炭素による圧力下で行なわれる。反応時の圧力が10MPaを超えると高圧に耐える装置が必要となるなど、工業的に有利ではない場合がある。
反応時間は、通常30分~24時間、好ましくは1時間~20時間、より好ましくは2時間~16時間、特に好ましくは3~12時間の間で適宜選択することができる。
かかる反応により得られたBPDCのジアルカリ金属塩は、酸析などの当業者に既知の手段によって酸に変換することにより、目的のBPDCを得ることができる。
酸析の前に、必要により、BPDCのジアルカリ金属塩を水溶性溶媒に溶解させた状態で、有機溶媒による洗浄や、不溶性の異物を除去するためのろ過処理、着色性物質、金属などを除去するための活性炭などによる吸着剤処理を行ってもよい。
2-エチルヘキサノール中、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させる工程によって、BPDCジアルカリ金属塩を含む反応液が得られる。
BPDCジアルカリ金属塩を含む反応液に水を添加し(添加後の液を反応液と称することもある)、分液することによって得られた水層を酸で酸析することにより、BPDCを含む粗組成物が得られる。
酸析の前に、水層に対してさらに別途、水溶性媒体を添加してもよい。添加可能な水溶性媒体としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランおよびジオキサンからなる群から選択される一種以上が挙げられ、酸析後の固液分離の際の濾過性を向上させることが可能になる点で、メタノールを添加するのが好ましい。また、例えばメタノールを添加する場合、酸析に供される水層は、好ましくはメタノール20~80質量%水溶液、より好ましくはメタノール35~65質量%水溶液、さらに好ましくはメタノール45~55質量%水溶液に調製するのがよい。
酸析される溶液の媒体の量は、BPDCの質量に対し好ましくは1~20質量倍、より好ましくは2~15質量倍、さらに好ましくは3~10質量倍である。
酸析中の温度は20~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましく、40~85℃がさらに好ましい。酸析中の温度が上記範囲内にあると、副反応を起こし難く、また酸析後の固液分離の際の濾過性が向上する。
本発明において酸析に使用される酸は特に限定されないが、鉱酸が好適に用いられる。鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸のような二元酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸のようなオキソ酸が挙げられる。また、酢酸、プロピオン酸などの有機酸などを用いることもできる。
これらの酸析に使用される酸は、反応温度等を制御し易い点から水溶液の形態であることが好ましく、例えば62質量%硫酸水溶液が好適に使用される。
BPDCを含む粗組成物とは、目的物であるBPDC以外に、反応原料や触媒および反応副生物などの不純物を含む組成物を意味する。不純物の含有量は反応方法によっても異なるが、通常は粗組成物中1~40質量%であり、別の場合には3~30質量%である。尚、本明細書において、BPDCを含む粗組成物のことを単に「粗BPDC」とも称する。
得られたBPDCを含む粗組成物は、さらに精製工程に供することによって、より高純度のものとすることが可能である。
前記精製工程は、懸濁洗浄、再結晶および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含むのが好ましく、懸濁洗浄工程を含むのがより好ましい。
精製工程で使用する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上が挙げられる。
懸濁洗浄工程は、BPDCを含む粗組成物に懸濁洗浄溶媒を加えて、懸濁状態で撹拌することによって行われる。
懸濁洗浄における溶媒の量は、溶媒の種類によっても異なるが、BPDCを含む粗組成物と上記溶媒1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
懸濁洗浄する際の温度は、用いる溶媒の種類および混合比率によっても異なるため特に限定されないが、好ましくは15℃~200℃、より好ましくは20℃~150℃、さらに好ましくは30℃~100℃である。
再結晶工程は、BPDCを含む粗組成物を再結晶溶媒で溶解させた後、晶析させることによって行われる。
再結晶工程における溶媒の量は、溶媒の種類によっても異なるが、BPDCを含む粗組成物と上記溶媒1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
再結晶において、BPDCを含む粗組成物を溶媒に溶解する際の温度は、用いる溶媒の種類および混合比率によって異なるため特に限定されないが、好ましくは20~200℃、より好ましくは40~150℃、さらに好ましくは60~130℃である。
再結晶工程における晶析は、好ましくは0~80℃、より好ましくは、5~60℃、さらに好ましくは10~40℃の温度下で攪拌しながら行われる。尚、晶析の前に不溶物をろ過して除去するのが好ましい。
再沈殿工程は、BPDCを含む粗組成物を良溶媒で溶解させた溶液中に貧溶媒を添加し、BPDCの固体を析出させることによって行われる。
再沈殿工程で用いられる良溶媒および貧溶媒は、上記精製工程で使用する溶媒の中からそれぞれ適宜選択することができる。
上記精製工程後、濾過等の常套手段により固液分離し、目的物であるBPDCを回収する。固液分離に際し、適宜有機溶媒または水を注いで結晶を洗浄するのが好ましい。固液分離における洗浄に用いる溶媒は、粗BPDCに対して、1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
固液分離によって回収された結晶は、常圧下において通風乾燥するか、あるいは減圧下で乾燥し、溶媒を留去することによって、高純度のBPDCを得ることができる。
本発明の方法により得られた高純度のBPDCは、アルカリ金属の含有量が少なく、1,000ppm未満であり、好ましくは500ppm未満であり、より好ましくは300ppm未満であり、さらに好ましくは250ppm未満である。このようなアルカリ金属は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などとして存在し得る。アルカリ金属としては、ナトリウムおよび/またはカリウムが挙げられる。
このように、本発明は、アルカリ金属の含有量が1,000ppm未満であり、好ましくは500ppm未満であり、より好ましくは300ppm未満であり、さらに好ましくは250ppm未満であるBPDCを提供する。アルカリ金属としては、ナトリウムおよび/またはカリウムが挙げられる。本発明の一実施形態では、アルカリ金属の含有量は通常5ppm以上である。
本発明の方法により得られた高純度のBPDCは、アルカリ金属の中でも特にカリウムの含有量が低く、カリウムの含有量が100ppm未満であり、好ましくは75ppm未満であり、より好ましくは50ppm未満であるBPDCを提供する。本発明の一実施形態では、カリウムの含有量は通常1ppm以上である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
各化合物は、以下の方法によって分析した。
<超高速液体クロマトグラフ(UPLC)>
装置:Waters UPLC H-Class システム
カラム型番:ACQUITY UPLC HSS C18 1.8μm 2.1×50mm
液量:0.5mL/分
溶媒比:HO(pH2.3)/メタノール=55/45(2.5分)→0.5分→38/62(1.5分)→0.5分→20/80(2分)→0.5分→5/95(2.5分)、グラジエント分析
波長:254nm
カラム温度:40℃
120mLのオートクレーブ中に、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩(BP-Na2)13.3g(0.06モル)および2-エチルヘキサノール(EHA)66.6gを加えて密閉し、撹拌しながら200℃まで昇温した。200℃到達後、二酸化炭素圧力0.6MPa条件下にて、7時間反応した。反応終了後80℃まで冷却し、水254.2gを加え、撹拌・静置し、反応液を得た。
得られた反応液をUPLCにてBPDCおよび中間体であるBPMC(4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸)への転化率、ならびにBP(4,4’-ジヒドロキシビフェニル)の残存率について定量分析を実施した。結果を表1に示す。
二酸化炭素圧力を0.9MPaに変更した以外は実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
酢酸ナトリウム9.5g(0.1モル、2.0当量/BP-Na2)を添加する以外は実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
EHAをベンジルアルコール(BnOH)に変更した以外は実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例2
EHAをベンジルアルコール(BnOH)に変更した以外は実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例3
EHAをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に変更した以外は実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例4
EHAをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に変更した以外は実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例5
EHAをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に変更した以外は実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例6
EHAをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に変更した以外は実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
<粗BPDCの取得>
実施例1で得られた反応液を、分液し、水層のみ取り出した。取り出した水層を攪拌機および温度調節器を備えた500mLの底抜き四つ口フラスコへ移し90℃まで撹拌しながら昇温した。昇温後、72質量%硫酸をpH8.0になるまで添加した後、2-エチルヘキサノール(EHA)65.9gで2回洗浄を行った。得られた水層に72質量%硫酸をpHが2.0まで添加し、粗BPDCを析出させた。析出した粗BPDCを濾別した後、水115.5gで洗浄した。得られた粗BPDCを80℃で通風乾燥し、粗BPDC13.9g(歩留94.1モル%)を得た。得られた粗BPDCをUPLCおよび結晶誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析にて定量分析を行った。組成を表2に示す。
<懸濁洗浄工程>
実施例4で得られた粗BPDCを、攪拌機および温度調節器を備えた500mL四つ口フラスコに移し、50%MeOH水溶液を351.3g添加し、窒素気流下、70℃1時間懸濁洗浄を実施した。懸濁液を固液分離し、水130.0gで洗浄し、回収した結晶を80℃で通風乾燥することにより、BPDC9.7g得た(歩留90.5モル%)。得られたBPDCの組成を表2に示す。
Figure 2023152806000005
Figure 2023152806000006
表1より、2-エチルヘキサノール溶媒の本発明の実施例1~3は、2-エチルヘキサノール以外の溶媒を使用して実施した比較例と比較して、BPDCの生成率が大幅に向上していることが分かる。実施例3より、酢酸ナトリウムを添加することにて、中間体を大幅に抑制していることが分かる。また、表2に示す通り、さらに精製工程を実施することにより不純物を有意に除去可能であることが分かる。

Claims (13)

  1. 2-エチルヘキサノール中で、式(1)
    Figure 2023152806000007
    [式中、Mはナトリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]
    で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させる工程を含む、式(2)
    Figure 2023152806000008
    で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法。
  2. Mはナトリウムである、請求項1に記載の方法。
  3. 4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応を、二酸化炭素圧力0.1~10MPaの条件下で行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記反応工程は、温度100~300℃の条件下で行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記反応工程は、有機酸および/または有機酸塩の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
  6. 有機酸および/または有機酸塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸およびクエン酸、およびこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上である、請求項5に記載の方法。
  7. 有機酸塩は、酢酸ナトリウムである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記反応工程によって得られた反応液に水を添加した後、有機層と水層に分液し、得られた水層を酸析することにより、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸を含む粗組成物を得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記粗組成物をさらに精製する工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記精製工程は懸濁洗浄、再結晶、および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記精製工程は懸濁洗浄工程を含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記精製工程で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上である、請求項9に記載の方法。
  13. カリウムの含有量が100ppm未満である、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
JP2023038713A 2022-03-30 2023-03-13 4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法 Pending JP2023152806A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022057066 2022-03-30
JP2022057066 2022-03-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023152806A true JP2023152806A (ja) 2023-10-17

Family

ID=88200929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023038713A Pending JP2023152806A (ja) 2022-03-30 2023-03-13 4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023152806A (ja)
TW (1) TW202346251A (ja)
WO (1) WO2023189498A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61122246A (ja) * 1984-11-16 1986-06-10 Nippon Ester Co Ltd ビスフエノ−ル類化合物の製造方法
JPS61122245A (ja) * 1984-11-16 1986-06-10 Nippon Ester Co Ltd ビスフエノ−ル類化合物の製造方法
JPH11140015A (ja) * 1997-11-04 1999-05-25 Honshu Chem Ind Co Ltd カルボキシル化ビフェノール化合物の製造方法
JP5762327B2 (ja) * 2011-05-30 2015-08-12 上野製薬株式会社 2,5−ジヒドロキシテレフタル酸の製造方法
KR102276691B1 (ko) * 2018-04-30 2021-07-13 고려대학교 산학협력단 4,4′-디하이드록시-[1,1′-바이페닐-3,3′-디카르복실산]의 제조방법
JP7141303B2 (ja) * 2018-10-15 2022-09-22 上野製薬株式会社 5,5’-メチレンジサリチル酸の製造方法
CN113999105A (zh) * 2021-12-01 2022-02-01 黑龙江省科学院石油化学研究院 一种羟基酸性有机配体的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW202346251A (zh) 2023-12-01
WO2023189498A1 (ja) 2023-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4256777B2 (ja) 2,2,2−トリフルオロエタノールの製造方法
JP7141303B2 (ja) 5,5’-メチレンジサリチル酸の製造方法
JP2004123592A (ja) ヒドロキシ安息香酸類の製造方法
CN109721490B (zh) 2,6-萘二甲酸的制备方法
WO2023189498A1 (ja) 4,4'-ジヒドロキシビフェニル-3,3'-ジカルボン酸の製造方法
JP3858666B2 (ja) 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の精製方法
WO2023189499A1 (ja) 4,4'-ジヒドロキシビフェニル-3,3'-ジカルボン酸の製造方法
JP5092289B2 (ja) 光学活性N−tert−ブチルカルバモイル−L−tert−ロイシンの製造方法
JP6503227B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
JP5318596B2 (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JP3991715B2 (ja) アルキリデンビスフェノール類の製造方法
JP2024027404A (ja) 2,5-フランジカルボン酸の製造方法
JP5189001B2 (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JP2590206B2 (ja) 8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸の製造方法
JP5613256B2 (ja) 6−ブロモ−2−ナフタレンカルボン酸精製品の製造方法
JP2022182138A (ja) 2,5-ジヒドロキシテレフタル酸の製造方法
JP2022182135A (ja) 2,5-ジヒドロキシテレフタル酸の製造方法
JP5236275B2 (ja) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の回収方法
JP2004256466A (ja) 2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造方法
CN118084838A (zh) 一种5-(2,5-二氧代四氢呋喃基)-3-甲基-3-环己烯-1,2-二羧酸酐的制备方法
EP1789375B1 (en) Process for the production of [2-(4-fluoro-benzyl)-phenyl]-acetic acid
JP4463622B2 (ja) 1,3−アダマンタンジオール類の製造方法
CN110698506A (zh) 一种吡唑-4-硼酸频哪醇酯的合成方法
JPH09249649A (ja) カルボキシル基を有するベンゾピリジンの製造方法
JPH08119891A (ja) 1,2−インダンジオールの製造方法