JPH07144667A - 履帯ゴムシュ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本発明は建設機械や土木作業機械等の無限軌
道帯走行装置の履帯ゴムシュ−に係るものである。 【構成】 リンクをピンにて軸支連結して無端状とし、
当該リンク外面に履帯シュ−を取り付けてなる無限軌道
帯走行装置の履帯シュ−において、履帯シュ−が金属履
板４と、その外周表面に加硫接着されたゴムパッド６
と、無限軌道帯走行装置の長手方向に向かって、前記ゴ
ムパッドの一端より無限軌道帯の内周側にゴム製の傾斜
ヘッド部７を形成したことを特徴とする履帯ゴムシュ
−。 【効果】 本発明は履帯シュ−の接地側をゴムパッドに
て構成し、しかもヘッド部も前記ゴムパッドと一体に形
成したものであって、小石等のはさまりを防止し、しか
も内側のリンクが覆われるために見栄がよく、更に履帯
の軽量化が達成できたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建設機械や土木作業機械
等の無限軌道帯走行装置の履帯ゴムシュ−に係るもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】無限軌道帯走行装置を備えた建設機械や
土木作業機械は、従来は主として不整地での走行に供さ
れていたため、これに用いる履帯シュ−は金属製のもの
が殆どであった。

【０００３】しかるに、近年になって都市内での諸工事
にもこれらの機械類が広く使用されるようになり、この
ため、金属製の履帯シュ−を用いた場合、舗装路面を傷
つけるという欠点があった。

【０００４】このため、表面にゴムを加硫接着した履帯
ゴムシュ−が好んで用いられるようになってきた。図８
はこの履帯ゴムシュ−を用いた一例を示す側面図であ
る。即ち従来の履帯ゴムシュ−は、履帯を構成する連結
されたリンク１１にボルト１２及びナット１３にて金属
履板１４が取り付けられ、この金属履板１４の接地面側
にグロ−サ−１５が形成されている。そして、この金属
履板１４の接地面側にゴムパット１６が加硫接着された
ものであって、ここに履帯ゴムシュ−が構成されてい
る。

【０００５】又、図９は別例を示す従来の履帯ゴムシュ
−を示す側面図であって、この例にあっては、金属履板
１４の一方側に突出するヘッド部１７を、他方側に凹み
テ−ル部１８を夫々備えたものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】さて、図８に示した履
帯にあって、これがスプロケットやアイドラ−２０等に
巻き掛けされた状態を図１０に示すが、この図からも分
るように、隣り合うゴムパッド１６、１６の隙間Ｗ₂
は、図８のように水平におかれた状態の隙間Ｗ₁ よりも
大きく広がることとなる。従って、アイドラ−２０に巻
き掛けされている状態でこのゴムパッド１６、１６間に
小石や木片２１がはさまりやすくなり、小石２１等がは
さまれたまま履帯が水平部位にまでくると、ゴムパッド
１６、１６或いは金属履板１４にまで無用な力が加わ
り、ゴムパッド１６が損傷を生じ或いは金属履板１４に
変形をもたらして履帯としての寿命を著しく低下させて
しまう。一方、アイドラ−２０に巻き掛けされた際のゴ
ムパッド１６、１６の間隔Ｗ₂が大きいため、内側のリ
ンク１１が丸見えとなり、極めて見栄えの悪いものとな
ってしまう。

【０００７】これらの欠点を改良せんとしたのが図９に
示す履帯ゴムシュ−であり、金属履板１４の一方側には
突出するヘッド部１７を、他方側に凹みテ−ル部１８を
形成しておき、特にアイドラ−２０等への巻き掛け時
に、突出ヘッド部１７と凹みテ−ル部１８とを噛み合わ
せて上記課題に対処するものであるが、このため、金属
シュ−の重量が増加し、履帯全体としてはかなりの重量
の増加をもたらし、これ又改善を要請されていたもので
ある。

【０００８】本発明はこれらの欠点を解決しようとする
ものであり、履帯ゴムシュ−を特別な構造となし、スプ
ロケットやアイドラ−に巻き掛けした際にも大きな隙間
を形成することなく、しかも見栄えのよい、更には軽量
化にも成功した履帯を提供することを目的とするもので
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、以下の構成を採用したものである。即ち、
本発明の要旨は、リンクをピンにて軸支連結して無端状
とし、当該リンク外面に履帯シュ−を取り付けてなる無
限軌道帯走行装置の履帯シュ−において、前記履帯シュ
−が金属履板と、その外周表面に加硫接着されたゴムパ
ッドと、無限軌道帯走行装置の長手方向に向かって、前
記ゴムパッドの一端より無限軌道帯の内周側にゴム製の
傾斜ヘッド部を形成したことを特徴とする履帯ゴムシュ
−に係るものである。

【００１０】そして、好ましくは、傾斜ヘッド部内にゴ
ムパッドより伸びる補強層を埋設したものであり、通常
はこのリンク外面に取り付けられた履帯ゴムシュ−にお
いて、傾斜ヘッド部が隣り合う履帯ゴムシュ−のテ−ル
部に常に重なり合うように配置され、かつ履帯ゴムシュ
−のテ−ル部を金属履板より側方に膨出させた履帯ゴム
シュ−である。ここで用いられる補強層としては、ポリ
エステルやナイロン等の合成繊維や金属繊維からなるす
だれ状のもの或いは織布等が用いられ、これらは通常は
未加硫ゴムシ−トが両面にコ−トされて用いられる。
又、プラスチックシ−トを補強層として用いることも可
能であり、更には前記ゴムパッドより硬度の高いゴムシ
−トを用いてもよい。

【００１１】

【作用】本発明は履帯シュ−の接地側をゴムパッドにて
構成し、しかも隣り合う履帯シュ−との間で重なり合う
ヘッド部をこれ又前記ゴムパッドと一体に形成したもの
であって、小石等のはさまりを防止し、しかも内側のリ
ンクが覆われるために見栄がよく、更に履帯の軽量化が
図れる履帯シュ−を提供できたものである。

【００１２】

【実施例】以下図面をもって本発明を更に詳細に説明す
る。図１は本発明の履帯ゴムシュ−の第１実施例を示す
平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線での断面図、図３
はこの第１実施例の履帯ゴムシュ−を用いた履帯の側面
図である。図中、１はリンクであって、このリンク１に
ボルト２及びナット３にて金属履板４が取り付けられ、
場合によっては、この金属履板４の外側にグロ−サ−５
が形成される。そして、この金属履板４の接地面側にグ
ロ−サ−５を覆ってゴムパット６が加硫接着されたもの
である。

【００１３】しかるに、本発明にあっては、ゴムパッド
６と一体とされた金属履板４の一方側に突出するヘッド
部７をゴム材にて形成したものである。そして、好まし
くは、他方側にゴムパッド６を膨出し、その部位に凹み
テ−ル部８を備えたものである。このことは、金属履板
４から見ればゴムパッド６の中心がテ−ル部８側に偏っ
て構成されたものである。

【００１４】そして、かかる履帯ゴムシュ−をリンク１
に取り付けた場合には、隣り合う履帯ゴムシュ−のヘッ
ド部７とテ−ル部８が順次重なり合うものであり、この
ため、小石等２１のはさまりが大きく低減され、これに
よるゴムパッド６の破損等が減少し、しかも内部のリン
ク１等が隠れるために見栄えの点でも改良されたもので
ある。そして、ヘッド部７がゴム材でできているために
従来の金属製のものと比較して軽量化が実現したもので
ある。

【００１５】図４は本発明の履帯ゴムシュ−の第２実施
例を示す平面図であり、図５は図４のＢ−Ｂ線での断面
図、図６は図４の側面図である。この履帯ゴムシュ−の
金属履板４は平板であって、これにゴムパッド６が加硫
接着されている。そして、このゴムパッド６の一方側に
その全幅に渡ってヘッド部７がほヾ金属履板４に平行に
突出している。一方、ゴムパッド６の逆側に凹みテ−ル
部８が備えられたものである。そして、かかる履帯ゴム
シュ−をリンク（図示せず）に取り付けた場合には、隣
り合う履帯ゴムシュ−のヘッド部７とテ−ル部８が順次
重なり合い、第１実施例と同様の効果をもたらすもので
ある。

【００１６】尚、ゴムパッド６は金属履板４のリンク側
野周囲に延長されたゴム部６´が形成されており、これ
が段部をもって構成されている。このゴム部６´はゴム
パッド６と金属履板４との剥離防止の効果をもつもので
ある。図中６″はリンクとの連結のためにゴムパッド６
に形成したボルト挿通孔、４″はこれ又ボルト挿通孔を
示す。

【００１７】図７は本発明の履帯ゴムシュ−の第３実施
例を示す前記図２と同様の断面図である。この第２実施
例の履帯ゴムシュ−にあっては、金属履板４は平板であ
って、ゴムパッド６及びヘッド部７内に補強層としてポ
リエステル繊維織布９を埋設したものである。このた
め、ゴムパッド６は当然のこととして、傷が付き易いヘ
ッド部７の補強がなされ、屈曲疲労性の改善が特に認め
られるものである。尚、このポリエステル繊維織布９に
て代表される補強層はヘッド部７内及びこのヘッド部７
とゴムパッド６との連結部に存在させるだけでよく、必
ずしもゴムパッド６の全幅にわたって埋設することもな
い。

【００１８】

【発明の効果】本発明は履帯シュ−の接地側をゴムパッ
ドにて構成し、しかもヘッド部も前記ゴムパッドと一体
に形成したものであって、小石等のはさまりを防止し、
しかも内側のリンクが覆われるために見栄がよく、更に
履帯の軽量化が達成できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の履帯ゴムシュ−の第１実施例を
示す平面図である。

【図２】図２は図１の履帯ゴムシュ−のＡ−Ａ線での断
面図である。

【図３】図３は図１の履帯ゴムシュ−を用いた履帯をア
イドラ−に巻き掛けした状態の側面図である。

【図４】図４は本発明の履帯ゴムシュ−の第２実施例を
示す平面図である。

【図５】図５は図４の履帯ゴムシュ−のＢ−Ｂ線での断
面図である。

【図６】図６は図４の履帯ゴムシュ−の側面図である。

【図７】図７は本発明の履帯ゴムシュ−の第３実施例を
示す前記図２と同様の断面図である。

【図８】図８は従来の履帯ゴムシュ−の側面図である。

【図９】図９は従来の履帯ゴムシュ−の別例を示す側面
図である。

【図１０】図１０は図８に示した履帯をアイドラ−に巻
き掛けした状態の側面図である。

【符号の説明】

１、１１‥‥リンク、 ２、１２‥‥ボルト、 ３、１３‥‥ナット、 ４、１４‥‥金属履板、 ５、１５‥‥グロ−サ−、 ６、６´、１６‥‥ゴムパット、 ７、１７‥‥ヘッド部、 ８、１８‥‥テ−ル部、 ９‥‥補強層、 ２０‥‥アイドラ−、 ２１‥‥小石等。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リンクをピンにて軸支連結して無端状と
   し、当該リンク外面に履帯シュ−を取り付けてなる無限
   軌道帯走行装置の履帯シュ−において、履帯シュ−が金
   属履板と、その外周表面に加硫接着されたゴムパッド
   と、無限軌道帯走行装置の長手方向に向かって、前記ゴ
   ムパッドの一端より無限軌道帯の内周側にゴム製の傾斜
   ヘッド部を形成したことを特徴とする履帯ゴムシュ−。
2. 【請求項２】 傾斜ヘッド部内にゴムパッドより伸びる
   補強層を埋設した請求項第１項記載の履帯ゴムシュ−。
3. 【請求項３】 リンク外面に取り付けられた履帯ゴムシ
   ュ−において、傾斜ヘッド部が隣り合う履帯ゴムシュ−
   のテ−ル部に常に重なり合う請求項第１項記載の履帯ゴ
   ムシュ−。
4. 【請求項４】 リンク外面に取り付けられた履帯ゴムシ
   ュ−において、テ−ル部を金属履板より側方に膨出させ
   た請求項第１項記載の履帯ゴムシュ−。