JPH08301156A

JPH08301156A - 連結リンク式ゴムクローラ及び連結リンク式ゴムクローラ用芯金

Info

Publication number: JPH08301156A
Application number: JP14937195A
Authority: JP
Inventors: Yusaku Kato; 祐作加藤; Tatsuya Norifuji; 達哉乗藤
Original assignee: Fukuyama Gomme Kogyo Kk
Current assignee: Fukuyama Gomme Kogyo Kk
Priority date: 1995-05-12
Filing date: 1995-05-12
Publication date: 1996-11-19

Abstract

(57)【要約】【目的】クローラ周方向の強度が大となって耐久性
に優れ、且つ脱輪防止、走行振動低下の効果を及ぼすほ
か、ラグの耐久性が向上すると共に防石ガード付きの走
行装置にも好適に装着できる連結リンク式ゴムクローラ
及び芯金を提供することを目的とする。【構成】左右翼部と中央部とからなる芯金の長手方
向がゴムクローラ本体の周方向に対して直角となるよう
に一定間隔で埋設し、該ゴムクローラ本体の接地側にラ
グを設け、且つ該芯金の上面中央部には一対のトラック
リンクを取り付けて、前後のトラックリンクを相互に屈
曲可能となる状態に連結して一対の連続したトラックリ
ンクによる軌道を形成した連結リンク式ゴムクローラに
於いて、該ゴムクローラ本体を車体フレームより突出し
た防石ガードの両外側で周方向に連続させると共に隣接
する芯金翼部間を内周側へ湾曲する湾曲部に形成し、且
つ該連続するゴムクローラ本体内に埋設される芯金翼部
の長さ（Ｌ_１）は芯金中央部に形成するトラックリンク
取り付け箇所の両外側箇所の長さ（Ｌ_２）に比べ短く
（Ｌ_１＜Ｌ_２）形成としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動式建設機械や土木
作業機械等の足廻りに装着するゴムクローラ及びゴムク
ローラ用芯金に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】移動式建設機械等には従来専ら鉄クロー
ラが使用されていたが、近年ゴムクローラも好んで使用
されるものとなっている。鉄クローラは、トラックリン
クの上面が連続した転輪軌道となるため走行振動が小さ
く、周方向及び巾方向に伸びや横ズレがないためクロー
ラ外れが少ないのであり、また各リンク間の機械的結合
が大であるため耐久性に優れる等の長所を有するが、そ
の反面、騒音が大でクッション性が乏しく運転者の疲労
が大きいことや、路面を損傷するなどの欠点を有する。
これに対しゴムクローラは、騒音が小でクッション性が
良く路面を損傷しないとか、軽量であって比較的早い速
度で走行させることが出来る等の長所を有するが、欠点
としては機械的強度が劣るため鉄クローラよりも耐久性
が劣ること、異常に大なる外力に対し周方向の伸びや巾
方向の捩れを生じてクローラ外れが生じること、転輪軌
道面が連続していないため走行振動が生じること等があ
る。

【０００３】本発明者が先に出願した特開平４−７１３
８６号（発明の名称：連結リンク式ゴムクローラ）は、
従来のゴムクローラに鉄クローラの構成を取り入れるこ
とにより鉄クローラの長所でもって従来のゴムクローラ
の上記欠点を解決しようとした連結リンク式のゴムクロ
ーラであり、図８Ａ〜Ｃはその実施例を示すものであっ
て、Ａは平面図（接地面側）、Ｂ及びＣはそれぞれＡの
Ｘ−Ｘ線及びＹ−Ｙ線断面図である。図に於いて１５は
ゴムクローラ本体、１５ａは翼部ラグ、１５ｂは中央ラ
グ、１５ｃはゴムクローラ本体１５を湾曲させた湾曲
部、１５ｄは空孔、１６は芯金、１６ａは翼部、１６ｂ
は凹陥状に形成した中央部、１６ｐはボルト穴、１７は
トラックリンク、１７ａは窓、１７ｐはボルト穴、ｆ及
びｆ’はそれぞれボルト及びナット、１８は補強層、１
９はリンクピンである。

【０００４】このものでは、ゴムクローラ本体１５内に
埋設した芯金１６の中央部１６ｂのボルト穴１６ｐ，１
６ｐに、一対のトラックリンク１７，１７のそれぞれの
ボルト穴１７ｐ，１７ｐを対合一致させてボルト止めに
より固定せしめ、且つ隣接するトラックリンク１７の両
端をリンクピン１９により連結して、ゴムクローラ本体
１５の内周側に連結する一対のトラックリンク１７によ
る連続した転輪軌道を構成するのであり、走行振動は小
となり、クローラ外れも殆ど発生しないものとなる。

【０００５】また、芯金間を内周側のリンクピン１９位
置へ突設せしめて湾曲させた湾曲部１５ｃとしているた
め、スプロケットやアイドラーへの捲回部において埋設
芯金間が伸張する際に該湾曲部１５ｃが巻付の中心であ
るリンクピン位置に位置するため該部への伸縮がなくな
り、ゴムクローラ本体１５に伸張歪が生じない事とな
り、疲労蓄積がなく優れた耐久性のものとなった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、建設機械や
土木作業機械は走行路面に凹凸があったり、小石等が散
乱している不整地を走行する場合が多いため、上記連結
リンク式ゴムクローラにおいては空孔１５ｄより小石や
泥、木片等が内周側に入り易く、リンクピン１９を傷つ
けたりスプロケットとリンクピン１９の係合に支障をき
たす等の不具合を生じる。

【０００７】一方、各種作業器械のなかには、アイドラ
ーに近接して外れ防止ガイドや防石ガードを備えている
ものがある。図９は防石ガード２０を備えるクローラ装
置に上記ゴムクローラ本体１５を装着したものを示すＡ
は側面図、ＢはＡのＺ−Ｚ線断面図である。このもので
は防石ガード２０先端が芯金翼部１６ａに接触するた
め、装着及び走行が不可能であり、またゴムクローラの
芯金間１５ｃをリンクピン１９位置まで湾曲させること
が不可能となり、ゴム層への疲労が蓄積することとなっ
て耐久性に問題が出る。なお、２１は走行装置の車体フ
レーム、２２はアイドラー、２３は転輪、２４はスプロ
ケットである。本発明は上記問題点を解決しようとする
ものであって、各種作業機に対し適時対応して取り付け
可能な連結リンク式ゴムクローラを提供しようとするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、左右翼部と中
央部とからなる芯金の長手方向がゴムクローラ本体の周
方向に対して直角となるように一定間隔で埋設し、該ゴ
ムクローラ本体の接地側にラグを設け、且つ該芯金の上
面中央部には一対のトラックリンクを取り付けて、前後
のトラックリンクを相互に屈曲可能となる状態に連結し
て一対の連続したトラックリンクによる軌道を形成した
連結リンク式ゴムクローラに於いて、該ゴムクローラ本
体を車体フレームより突出させた防石ガードの両外側で
周方向に連続させると共に、隣接する芯金翼部間を内周
側へ湾曲する湾曲部に形成し、且つ該連続するゴムクロ
ーラ本体内に埋設される芯金翼部の長さ（Ｌ_１）は芯金
中央部に穿設するトラックリンク取り付け用ボルト穴の
両外側箇所の長さ（Ｌ_２）に比べ短く（Ｌ_１＜Ｌ_２）形
成したことを特徴とする。その際埋設芯金は、平板状の
他、左右翼部に対して中央部を凹陥状に形成したものを
用いても良い。

【０００９】また本発明は連結リンク式ゴムクローラに
埋設する芯金として、左右に伸びる翼部と翼部より凹陥
状に低くした中央部とからなり、該中央部にはトラック
リンクを取り付けるボルト穴などの取付手段を形成する
と共に、該中央部の長さＬ_３を機体の走行装置の車体フ
レームより突出させた防石ガード巾Ｌ_４よりも広く（Ｌ
_３＞Ｌ_４）形成したことを特徴としたものを使用する。

【００１０】また上記芯金中央部間にゴムクローラ本体
を張り出させてリンク保護膜を形成しても良いのであ
り、更に隣接する芯金翼部間のゴムクローラ本体が内周
側へ湾曲する湾曲部に形成される窓空間Ｍに対し、該窓
空間Ｍを縦方向に２分する薄膜ゴムの鰭片を設けしめる
ようにすると良い。

【００１１】

【作用】本発明において、ゴムクローラ本体を防石ガー
ドの両外側で周方向に連続させ、且つ隣接する芯金翼部
間を内周側へ湾曲する湾曲部に形成し、また翼部に比べ
中央部を凹陥状に形成した芯金の中央部の長さ（Ｌ_３）
を機体より突出した防石ガードの巾（Ｌ_４）よりも大き
く（Ｌ_３＞Ｌ_４）形成したことにより、外れ防止ガイド
や防石ガードを備えた構造の機体に装着可能となった。
これら防石ガードは一般的に車体フレームの最も外側に
装着されているため、上記構造とすることにより全ての
建設機械の足廻りに該連結リンク式ゴムクローラを装着
可能となつた。

【００１２】ゴムクローラ本体の両外側を周方向に連続
させ、該ゴムクローラ本体に埋設される芯金翼部長さＬ
_１よりも芯金中央部両端の長さＬ_２を大（Ｌ_１＜Ｌ_２）
としたことにより、該芯金中央部両端のエッヂに係る荷
重を分散してゴム亀裂を防止する他、Ｌ_２を長く形成す
る事で芯金の厚みを薄くしてラグ厚を大きくする事によ
りラグの耐久性を向上させた。

【００１３】翼部に比べ中央部を低い凹陥状とした芯金
のものは、機体重心を低く設定することが可能となり、
走行安定性が高まると共に、十分なラグ高が確保でき、
またスプロケット捲回時などに伸張する芯金間が補強層
の屈曲性が良好で且つ疲労蓄積もしないことから酎久性
が向上した。

【００１４】更に芯金中央部間にリンク保護膜を形成し
たことにより、走行中に小石や泥、木片等がゴムクロー
ラ内周面に入り込むことが防止され、リンクの損傷やリ
ンクピンとスプロケットの係合の不具合を低減できるほ
か、スプロケット等に巻き付いた際に芯金中央部間が大
きく開口する事がなくなって外観的にも優れたものとな
った。また、窓部も同様にゴムクローラ内周面に障害物
が侵入することを防止すると共に、湾曲部に屈曲による
ゴム疲労の集中を緩和させ、該湾曲部の亀裂を抑制す
る。

【００１５】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１Ａ〜Ｃは本発明の連結リンク式ゴムクローラに
埋設される芯金を示すもので、Ａは芯金の平面図、Ｂは
ＡのＡ−Ａ線断面図、ＣはＡのＢ−Ｂ線断面図であり、
芯金１は、左右に伸びる翼部１ａ，１ａと該翼部１ａに
比べ凹陥状に低くした中央部１ｂとからなり、該中央部
１ｂにはトラックリンク５，５を取り付けるためのボル
ト穴１ｐが穿設されている。該中央部１ｂのボルト穴１
ｐから翼部１ａ端までの巾で凡そ１／２以下の範囲を翼
部１ａ長さＬ_１に比べ大きい長さＬ_２に形成した中央端
部１ｃとし、且つ該中央端部１ｃの内周面は凹面に形成
して後述する防石ガードに接触しない形状としている。
尚、図中Ｒはリブである。

【００１６】図２及び図３は上記芯金１を埋設した連結
リンク式ゴムクローラであって、図２Ａ及びＢはそれぞ
れ接地側及び内周側平面図であり、図３Ａ〜Ｃはそれぞ
れ図２ＡのＣ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線、Ｅ−Ｅ線断面図であ
る。上記芯金１をゴムクローラ本体２内に一定間隔で芯
金中央部１ｂの内周面を露出させて埋設すると共に、該
ゴムクローラ本体２の接地側には巾方向両端に翼部ラグ
３ａ，３ａ及び巾方向中央にボルト穴２ｐを穿設した中
央ラグ３ｂが突設してある。該翼部ラグ２ａは芯金翼部
１ａ及び中央端部１ｃをほぼ覆う形状としてあるが、中
央端部１ｃ，１ｃに対応するラグ部分３ｃ，３ｃは、機
体重量がかかり易く、また芯金間のゴムクローラ本体が
周方向に不連続な箇所であり補強層が埋入されていない
ためラグにかかる荷重が集中し、更に翼部に対応するラ
グに比べラグ厚が小さいことから、ラグの耐久性が悪
い。このため、芯金１の中央端部１ｃの長さＬ_２を大き
くして芯金のエッヂに係る荷重を分散してゴム亀裂を防
止する他、Ｌ_２を長く形成し且つ内周面側を凹面とする
事で芯金の厚みを薄くしてラグ厚を大きくする事により
ラグの耐久性を向上させている。また、走行・旋回時に
力を受け易いラグの角に角度θがおよそ３０°〜６０°
の傾斜を設けてテーパー部３ｔとし更にラグの耐久性を
向上させた。

【００１７】またゴムクローラ本体２の巾方向両端部は
周方向に連続させ、且つ埋設芯金１，１・・・・の翼部
１ａ，１ａ・・・・間を内周側に湾曲させて湾曲部２ａ
とすると共に、埋設芯金１，１・・・・の中央部１ｂ，
１ｂ間は不連続としてリンク保護膜４ａを形成してい
る。従来、空孔となっていた箇所にリンク保護膜４ａが
出来たため、走行中に内周側に泥や障害物等が入ること
を防止してトラックリンクの損傷防止に役立つと共に、
該リンク保護膜４ａは内周側に向けて傾斜をつけてある
ため、スプロケット等に捲回した際にリンク保護膜４ａ
がリンクに沿った形状となり該部が大きく開口すること
がなくなり、外観的にも好ましいものとなった。また、
図中４ｂは湾曲部２ａと該リンク保護膜４ａの境界に形
成される窓空間Ｍに該窓空間Ｍを縦方向に２分する薄膜
ゴムの鰭片であり、上記リンク保護膜４ａと同様に小
石、木片、泥等のトラックリンク側への侵入を防止する
と共に、屈曲疲労による亀裂が湾曲部２ａに集中するこ
とを緩和させる。また翼部２ａの下方に周方向に連続し
てスチールコードや合成繊維、天然繊維などのコードや
それらの織物（一例としてナイロンのスダレ織物）を補
強層ｓとして埋入する。

【００１８】図４は本発明の連結リンク式ゴムクローラ
を走行装置に装着したクローラ巾方向の使用状態図であ
って、上記芯金中央部１ｂのボルト穴１ｐ，１ｐに一対
のトラックリンク５，５をボルト止めして、隣接するト
ラックリンク５，５をリンクピン６で相互に屈曲可能と
なる状態に連結して、該トラックリンク５，５上面を転
輪の連続した走行面とする。７，７はトラックリンク
５，５の両外側へ張り出した防石ガードであって、車体
フレームのアイドラー付近に取り付けられており、該防
石ガード７先端はゴムクローラ本体１のほぼ内周面に達
しているため、図に示すように本発明では湾曲部２ａを
該防石ガード７の両外側で、且つほぼリンクピン６の高
さに形成すると共に、芯金中央部１ｂの巾方向長さＬ_３
が防石ガード７の巾Ｌ_４よりも大きい（Ｌ_３＞Ｌ_４）凹
陥状に形成してあるため、防石ガード７の先端がゴムク
ローラ本体２に接触する事なく円滑な捲回を可能として
いる。

【００１９】図５Ａ及びＢは他の連結リンク式ゴムクロ
ーラを示すもので、Ａは芯金の斜視図、Ｂは該芯金を埋
設した連結リンク式ゴムクローラの使用状態図であり、
本実施例の芯金は左右に伸びる翼部８ａ，８ａ及びボル
ト穴８ｐを穿設した中央部とからなる平板状とし、翼部
８ａ長さＬ_１よりも中央部８ｂ両端の長さＬ_２を大に形
成している。図に示すように防石ガード７，７の両外側
に湾曲部２ａをほぼリンクピン６の高さに形成し、また
該湾曲部２ａを含む防石ガード７より両外側のゴムクロ
ーラ本体２を周方向に連続させ、芯金中央部８ｂは不連
続としている。尚、ボルト穴８ｐ，８ｐ間の中央部８ｂ
長さは翼部８ａ長さＬ_１と同様でも良い

【００２０】図６は更に別の芯金を埋設した連結リンク
式ゴムクローラの使用状態図であり、本実施例では左右
に伸びる翼部９ａ，９ａと該翼部９ａ，９ａに比べ前記
防石ガード７、７に接触しない程度に下げた段部９
ｂ’，９ｂ’と、トラックリンク５，５を取り付ける高
さまで更に一段下げた中央部９ｂとからなる芯金９をゴ
ムクローラ本体２内へ一定間隔に埋設したものであり、
段部９ｂ’を中央部９ｂより一段高く形成する事によ
り、該段部９ｂ’に対応するラグ高さを大きくする事が
可能となりラグの耐久性が向上する。この際中央部分の
巾方向長さＬ_３は防石ガードの巾Ｌ_４よりも大としてい
る。

【００２１】図７は図１の芯金を埋設した分割型ゴムク
ローラを示すもので、Ａは斜視図、Ｂは分割型ゴムクロ
ーラを連結した状態の一部破断側面図である。分割型ゴ
ムクローラは１リンク分に相当する周方向長さを有し、
互いが分離しているため、スプロケットなどに巻き付い
た際に連結部１０が開口し、該連結部１０に異物を噛み
込んで不具合を生じることがあるため、周方向前後端１
１ａ，１１ｂをリンクピン６位置に近い形状にして連結
部１０の開口を防いでいる。前記防石ガード７の巾Ｌ_４
よりも芯金中央部１ｂの巾方向長さＬ_３を大とした凹陥
状の上記芯金１を分割型ゴムクローラ本体１１内に埋設
し、更に外周側にはラグを突設すると共に、芯金１の中
央部１ｂに形成してあるトラックリンク５を取り付ける
ためのボルト穴に対応して該ラグにボルト穴１１ｐを穿
設する。図７Ｂに示すように、分割型ゴムクローラ１１
の内周側に一対のトラックリンク５，５をボルト止め
し、隣接する分割型ゴムクローラ１１，１１・・・・の
トラックリンク５，５・・・・をリンクピン６，６・・
・・にて連結して無端帯のゴムクローラを形成する。Ｓ
は分割型ゴムクローラ本体１１を補強するために埋入さ
れた補強層である。本実施例では、分割型ゴムクローラ
の周方向長さを１リンク単位としたが２リンク以上とし
ても良いのであり、又ベルト状のゴムクローラの端部に
１個又は複数個配置して接続用としても良い。

【００２２】ところで本発明の芯金及び連結リンク式ゴ
ムクローラは上記実施例に限定されるものではなく、芯
金とトラックリンクとの結合手段は溶接などのボルト止
め以外の手段でも良いのであり、また芯金翼部の上方叉
は下方の一方もしくは両方に天然繊維や合成繊維などの
繊維コードや織物などの補強層を全周に亘って埋設して
も良い。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、内周側に取り付けたト
ラックリンクを連結して連続した転輪軌道とした連結リ
ンク式ゴムクローラをゴムクローラ本体を防石ガードの
両外側で周方向に連続させると共に、埋設芯金の翼部間
のゴムクローラ本体を湾曲部に形成し、且つ該連続する
ゴムクローラ本体内に埋設される芯金翼部の長さ
（Ｌ_１）は芯金中央部両端の長さ（Ｌ_２）に比べ短く
（Ｌ_１＜Ｌ_２）形成したたことにより、クローラ周方向
の強度が大となって耐久性に優れ、且つ脱輪防止、走行
振動低下の効果を及ぼすほか、ラグの耐久性が向上する
と共に、防石ガード付きの走行装置にも好適に装着でき
る連結リンク式ゴムクローラとなった。

【００２４】また連結リンク式ゴムクローラの埋設芯金
を左右翼部に対して中央部を凹陥状とし、且つ中央部の
巾を防石ガードなどの巾より大きく設定し、中央部両端
の長さを翼部の長さより大きくしたことにより、機体の
重心を低くして走行安定性を良好にすると共に、従来の
一般的な機種だけでなく、防石ガードなどが形成されて
いるような走行装置に対しても適時装着が可能となった
他、ラグの耐久性も向上させ、経済的にも優れた汎用性
に富んだ連結リンク式ゴムクローラとなった。

【００２５】更に、隣接する芯金中央部間にゴムクロー
ラ本体を張り出させたリンク保護膜を形成し、また該リ
ンク保護膜と湾曲部の境界に窓状のゴムを形成したこと
により、ゴムクローラ内周側への障害物の侵入を防止
し、クローラの耐久性を向上させ、また外観的にも良好
な連結リンク式ゴムクローラとした。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の連結リンク式ゴムクローラに埋設され
る芯金を示すものであって、Ａは平面図、ＢはＡのＡ−
Ａ線断面図、ＣはＡのＢ−Ｂ線断面図である。

【図２】本発明の連結リンク式ゴムクローラを示すもの
であって、Ａは接地側平面図、Ｂは内周側平面図であ
る。

【図３】図２の断面図を示すものであって、ＡはＣ−Ｃ
線断面図、ＢはＤ−Ｄ線断面図、ＣはＥ−Ｅ線断面図で
ある。

【図４】本発明の連結リンク式ゴムクローラの使用状態
図である。

【図５】本発明の他の連結リンク式ゴムクローラを示す
もので、Ａは芯金の斜視図、Ｂは該芯金を埋設した連結
リンク式ゴムクローラの使用状態図である。

【図６】更に別の芯金を埋設した連結リンク式ゴムクロ
ーラの使用状態図である。

【図７】本発明のゴムクローラシューを示すもので、Ａ
は斜視図、Ｂは連結状態を示す一部破断の側面図であ
る。

【図８】本発明者が先に出願した特開平４−７１３８６
号の１実施例を示すものであって、Ａは平面図（接地面
側）、Ｂ及びＣはそれぞれＡのＸ−Ｘ線及びＹ−Ｙ線断
面図である。

【図９】従来の連結リンク式ゴムクローラを装着した走
行装置を示したもので、Ａは側面図、ＢはＡのＺ−Ｚ線
断面図である。

【符号の説明】

１，８，９芯金２ゴムクローラ本体２ａ湾曲部３ａ翼部ラグ３ｂ中央ラグ４ａリンク保護膜４ｂ鰭片５，１７トラックリンク６，１９リンクピン７，２０防石ガード

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成７年７月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】本出願人が先に出願した特開平４−７１３
８６号（発明の名称：連結リンク式ゴムクローラ）は、
従来のゴムクローラに鉄クローラの構成を取り入れるこ
とにより鉄クローラの長所でもって従来のゴムクローラ
の上記欠点を解決しようとした連結リンク式のゴムクロ
ーラであり、図１１Ａ〜Ｃはその実施例を示すものであ
って、Ａは平面図（接地面側）、Ｂ及びＣはそれぞれＡ
のＸ−Ｘ線及びＹ−Ｙ線断面図である。図に於いて１５
はゴムクローラ本体、１５ａは翼部ラグ、１５ｂは中央
ラグ、１５ｃはゴムクローラ本体１５を湾曲させた湾曲
部、１５ｄは空孔、１６は芯金、１６ａは翼部、１６ｂ
は凹陥状に形成した中央部、１６ｐはボルト穴、１７は
トラックリンク、１７ａは窓、１７ｐはボルト穴、ｆ及
びｆ’はそれぞれボルト及びナット、１８は補強層、１
９はリンクピンである。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００７】一方、各種作業機械のなかには、アイドラ
ーに近接して外れ防止ガイドや防石ガードを備えている
ものがある。図１２は防石ガード２０を備えるクローラ
装置に上記ゴムクローラ本体１５を装着したものを示す
Ａは側面図、ＢはＡのＺ−Ｚ線断面図である。このもの
では防石ガード２０先端が芯金翼部１６ａに接触するた
め、装着及び走行が不可能であり、またゴムクローラの
芯金間１５ｃをリンクピン１９位置まで湾曲させること
が不可能となり、ゴム層への疲労が蓄積することとなっ
て耐久性に問題がある。なお、２１は走行装置の車体フ
レーム、２２はアイドラー、２３は転輪、２４はスプロ
ケットである。また、分割されたセミエンドレスクロー
ラを接続して無端体とした連結リンク式ゴムクローラも
ある。図１３Ａ及びＢはその１例を示す特願平６−９４
０４３号の連結リンク式ゴムクローラで、Ａは斜視図、
Ｂは接続部分の周方向断面図である。図に示すように、
芯金埋設位置で上下に分割されたセミエンドレスクロー
ラの上測端部には芯金１６を、下側端部にはボルトｆを
突出させた押さえ板２５を埋設し、該上下端部を重合し
て、芯金翼部１６ａのボルト穴１６ｈに押さえ板２５の
ボルトｆを挿入して接続する。この方法によるとボルト
ｆ及びナットｆ’等で連結するため接続作業が容易では
なく、またボルトが破損すると修理を要するなどの不具
合があった。本発明は上記問題点を解決しようとするも
のであって、各種作業機械に対し適時対応して取り付け
可能な連結リンク式ゴムクローラを提供しようとするも
のである。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２２】図８及び図９はセミエンドレスクローラの
接続方法を説明するもので、図８は接続部分の周方向断
面図、図９は接続金具の斜視図である。図に示すよう
に、略Ｌ字状の接続金具１２、１２’をセミエンドレス
クローラ１３、１３’両端部の芯金翼部１ａの外周側へ
重合部１２ｔ，１２’ｔをゴムクローラ本体から突出さ
せて埋設する。該セミエンドレスクローラ１３，１３’
をトラックリンク５に連結すると左右セミエンドレスク
ローラ１３、１３’端部で接続金具１２、１２’が重合
して接続される。この際、該接続金具１２、１２’の重
合部１２ｔ，１２’ｔはリンクピン６位置としてあるた
め、スプロケット捲回時や逆ぞり時に於いても接続部分
が離間することがなく、該部分からの異物の噛み込みも
なくなった。また、芯金翼部１ａと接続金具１２によっ
て、補強層Ｓを挟み込み接着一体化しているため、ゴム
クローラ端部での補強層Ｓの抜けを防止することが出来
た。該接続金具１２、１２’は鉄板製としているが、Ｆ
ＲＰ強化プラスティックでも使用可能である。図１０は
他の実施例を示す接続金具１４，１４’係合状態の側面
図である。このようにボルトなどを使用せず単純な構造
で接続するため、接続作業は容易で、ボルトの緩み、破
損などの不具合も生せず、安価で経済的な接続方法とな
った。ところで本発明の芯金及び連結リンク式ゴムクロ
ーラは上記実施例に限定されるものではなく、芯金とト
ラックリンクとの結合手段は溶接などのボルト止め以外
の手段でも良いのであり、また芯金翼部の上方又は下方
の一方もしくは両方に天然繊維や合成繊維などの繊維コ
ードや織物などの補強層を全周に亘って埋設しても良
い。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図８】本発明の連結リンク式ゴムクローラの接続部分
を示す周方向断面図である。

【図９】接続金具の斜視図である。

【図１０】接続金具の他の実施例を示す係合状態の側面
図である。

【図１１】本出願人が先に出願した特開平４−７１３８
６号の１実施例を示すものであって、Ａは平面図（接地
面側）、Ｂ及びＣはそれぞれＡのＸ−Ｘ線及びＹ−Ｙ線
断面図である。

【図１２】従来の連結リンク式ゴムクローラを装着した
走行装置を示したもので、Ａは側面図、ＢはＡのＺ−Ｚ
線断面図である。

【図１３】特願平６−９４０４３号のセミエンドレスク
ローラを示すものであって、Ａは斜視図、Ｂは接続部分
の周方向断面図である。

【符号の説明】１，８，９芯金２ゴムクローラ本体２ａ湾曲部３ａ翼部ラグ３ｂ中央ラグ４ａリンク保護膜４ｂ鰭片５，１７トラックリンク６，１９リンクピン７，２０防石ガード

【手続補正５】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図８

【補正方法】変更

【補正内容】

【図８】

【手続補正６】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図９

【補正方法】変更

【補正内容】

【図９】

【手続補正７】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１０

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１０】

【手続補正８】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１１

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１１】

【手続補正９】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１２

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１２】

【手続補正１０】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１３

【補正方法】追加

【補正内容】

【図１３】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右翼部と中央部とからなる芯金の長手
方向がゴムクローラ本体の周方向に対して直角となるよ
うに一定間隔で埋設し、該ゴムクローラ本体の接地側に
ラグを設け、且つ該芯金の上面中央部には一対のトラッ
クリンクを取り付けて、前後のトラックリンクを相互に
屈曲可能となる状態に連結して一対の連続したトラック
リンクによる軌道を形成した連結リンク式ゴムクローラ
に於いて、該ゴムクローラ本体を車体フレームより突出
した防石ガードの両外側で周方向に連続させると共に隣
接する芯金翼部間を内周側へ湾曲する湾曲部に形成し、
且つ該連続するゴムクローラ本体内に埋設される芯金翼
部の長さ（Ｌ_１）は芯金中央部に形成するトラックリン
ク取り付け箇所の両外側箇所の長さ（Ｌ_２）に比べ短く
（Ｌ_１＜Ｌ_２）形成したことを特徴とする連結リンク式
ゴムクローラ。
【請求項２】接地側にはラグを突設し、内周側中央に
は一対のトラックリンクを取り付けて前後のトラックリ
ンクを相互に屈曲可能となる状態に連結して一対の連続
したトラックリンクによる軌道を形成した連結リンク式
ゴムクローラに埋設される芯金に於いて、左右に伸びる
翼部と翼部より凹陥状に低くした中央部とよりなり、該
中央部にはトラックリンクを取り付けるボルト穴などの
取付手段を形成すると共に、該中央部の巾方向長さ（Ｌ
_３）を走行装置の車体フレームより突出した防石ガード
巾（Ｌ_４）よりも広く（Ｌ_３＞Ｌ_４）形成したことを特
徴とする連結リンク式ゴムクローラ用芯金。
【請求項３】左右翼部と中央部とからなる芯金の長手
方向がゴムクローラ本体の周方向に対して直角となるよ
うに一定間隔で埋設し、該ゴムクローラ本体の接地側に
ラグを設け、且つ該芯金の上面中央部には一対のトラッ
クリンクを取り付けて、前後のトラックリンクを相互に
屈曲可能となる状態に連結して一対の連続したトラック
リンクによる軌道を形成した連結リンク式ゴムクローラ
に於いて、隣接する芯金間のゴムクローラ本体を翼部間
では内周側へ湾曲する湾曲部に、中央部間では張り出さ
せてリンク保護膜に形成したことを特徴とする連結リン
ク式ゴムクローラ。
【請求項４】隣接する芯金翼部間のゴムクローラ本体
が内周側へ湾曲する際に形成される窓空間Ｍに対し、該
窓空間Ｍを縦方向に２分する薄膜ゴムの鰭片を設けしめ
たことを特徴とする請求項１叉は３記載の連結リンク式
ゴムクローラ。