JP3198245B2 - 脱輪防止ゴムクロ−ラ及びその芯金 - Google Patents

脱輪防止ゴムクロ−ラ及びその芯金

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JP3198245B2 JP33396295A JP33396295A JP3198245B2 JP 3198245 B2 JP3198245 B2 JP 3198245B2 JP 33396295 A JP33396295 A JP 33396295A JP 33396295 A JP33396295 A JP 33396295A JP 3198245 B2 JP3198245 B2 JP 3198245B2
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Bridgestone Corp
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムクロ−ラの構造
及びこれに用いる芯金に関するものであり、主として大
型の建設機械や土木作業機械に好適に用いられるゴムク
ロ−ラに係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建設機械や土木作業機械において
鉄シュ−クロ−ラが走行部として用いられていたが、近
年になりゴムクロ−ラがその走行部として採用されるよ
うになってきた。このゴムクロ−ラはその幅方向に横並
べされた多数の芯金をゴム中に埋設し、これをスチ−ル
コ−ド(抗張体)にて外囲いした構造であって、ゴム製
であるが故に乗員に対して伝わる振動を低減することと
なり、さらには舗装路面を走行しても路面を傷つけるこ
とがないため好んで使用されることとなったのである。
【0003】かかるゴムクロ−ラは鉄シュ−クロ−ラと
比較すると、横方向の剛性がやや劣る場合があるため、
クロ−ラが機械の転輪から外れることがあり、したがっ
てゴム中に埋設される芯金の幅を大きくとって剛性を増
大させるなどの手段をとっている。しかしながら、芯金
の幅を大きくすることはそれだけゴムクロ−ラの重量が
重くなり、ゴムクロ−ラの運搬、機械への装着、保管な
どの作業上の問題が新たに生じてくる。
【0004】一方、ゴムクロ−ラは機体のスプロケット
およびアイドラ−間に巻き掛けされて走行するものであ
り、これらの巻回部にあって芯金の幅を大きくすればす
るほど芯金の非埋設部に応力が集中することとなり、か
かる部分のゴム部が疲労し、亀裂や破損につながり耐久
性を低下させることとなることも事実であった。さら
に、ゴムクロ−ラの接地面には推進用のラグが設けられ
ているが、このラグは一般にその幅方向に一直線状にか
つ芯金に対向して設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの構造が相まっ
て、従来のゴムクロ−ラにあっては、前進や後退の推進
力は有効に伝わるが、場合によってはクロ−ラが横方向
にすべることもあり、特に小石などが散乱している場所
や砂地を走行する際、あるいは湿地などを走行するにあ
っては横すべりを生じやすいという問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したよう
な従来の技術におけるゴムクロ−ラの技術的課題を解決
するものであって、その発明の要旨は次の通りである。
即ち、発明の第1はゴムクロ−ラの構造にかかるもので
あって、帯状のゴム弾性体中に一定ピッチで芯金をその
幅方向に横並べし、当該芯金を外囲いしたスチ−ルコ−
ド列を共に埋設し、帯状のゴム弾性体の幅方向中央にお
いて前記芯金間にスプロケット係合孔を備え、このスプ
ロケット係合孔を挟んで前後に千鳥状に配列された転輪
走行路体を備えてなるゴムクロ−ラにおいて、前記芯金
よりのびる一対の突起を芯金の幅方向の前後にスプロケ
ット係合孔をはさんで形成し、当該一対の突起をゴムク
ロ−ラの長手方向にそろえると共に、突起の両端にあっ
て、平面視で一端を夫々内側を尖端とし、他端を夫々外
側を尖端として矢羽形状となし、かかる一対の突起を順
次嵌り合わせて幅方向においてオ−バ−ラップさせ、か
つ当該オーバーラップ位置をスチールコード列の埋設位
置と略同一平面内としたことを特徴とする脱輪防止ゴム
クロ−ラにかかるものである。
【0007】発明の第2は、脱輪防止ゴムクロ−ラの芯
金の構造にかかるものであって、中央にスプロケット係
合部と、これを挟んで前後に千鳥状に配列された転輪走
行路体を備え、芯金の外周縁よりも外側で芯金の前後よ
りスプロケット係合孔をはさんで一対の突起を備え、か
つその突起の両端にあって、平面視で一端を夫々内側を
尖端とし、他端を夫々外側を尖端として矢羽形状となし
たことを特徴とし、好ましくは、転輪走行路体と突起と
は投影面が重なり合う芯金である。
【0008】
【発明の実施の形態】凹凸路面での走行や急旋回時にあ
っては、機体自体の走行方向とゴムクロ−ラの走行方向
とにずれを生じ、このためゴムクロ−ラの脱輪を生むこ
とになる。このことは、ゴムクロ−ラにおいて主として
スプロケットからの駆動力を伝達する芯金が各個独立し
ており、これらを伸縮性のあるゴム弾性体で連結したた
めの結果であって、ゴムクロ−ラの長手方向には抗張体
としてスチ−ルコ−ドが埋設されてはいるが、ゴムクロ
−ラの幅方向にあっては特にその伸びを阻止するもので
はなく、したがって横剛性は比較的小さく、例えば、ゴ
ム弾性体の伸縮に伴い芯金が横ずれを起こしたり、ゴム
クロ−ラがねじれたりすることが起こる。このゴム弾性
体の伸縮はゴムクロ−ラの幅方向に対する影響だけでは
なく、小石等に乗り上げてゴムクロ−ラが逆に曲がった
り、芯金が長手方向に向かって回転する(オ−バ−ハン
グ)ような現象もみられる。これらの現象はいずれもゴ
ム弾性体中に横ならべされた芯金が夫々独自の挙動をと
ることができるからである。
【0009】本発明は、かかる点にあって隣り合う芯金
より互いに向い合う突起を形成し、これを相互にゴムク
ロ−ラの幅方向においてオ−バ−ラップさせてなるもの
であり、このオ−バ−ラップによって隣り合う芯金間の
相対的な挙動を阻止せんとしたものである。このオ−バ
−ラップ個所は、ゴムクロ−ラの回転の中線となるスチ
−ルコ−ド列(抗張体)と略同一平面とするものであ
り、横ずれ防止は勿論のことであるがゴムクロ−ラのね
じれや逆曲げ等の阻止に役立つものである。
【0010】そして、最も重要な点は突起の嵌り合い構
造であって、芯金の構造で言えば、突起は芯金の外周縁
よりも外側でスプロケット係合孔をはさむ位置に形成さ
れ、一対の突起の両端のオーバーラップ部位は平面視で
各突起の一端を夫々内側を尖端とし、他端を夫々外側を
尖端として矢羽形状としたものであり、このため、隣り
合う芯金の突起の矢羽形状の前後端が順次嵌り合い易く
なり、幅方向のオーバーラップがなされることとなる。
【0011】
【実施例】以下図面に基いて本発明を更に詳しく説明す
る。図1は本発明のゴムクロ−ラに使用される芯金1の
正面図であり、図2はその背面図である。又、図3は図
1のB−B線での断面図を示す。この芯金1は転輪走行
路体2が千鳥状に芯金1の前後の縁部1a、1bより突
出して形成され、更にゴムクロ−ラの長手方向にのびる
突起3、4がスプロケット係合孔をはさみ、転輪の走行
路体2に対してその直下、即ち芯金の外周縁1cの外
側、ゴムクロ−ラとしては接地面側に形成された例であ
る。
【0012】そして、突起3、4の両端のオーバーラッ
プ部位は平面視で各突起の一端を面aにて夫々内側を尖
端とし、他端を面bにて夫々外側を尖端として両突起
3、4をもって矢羽形状としたものであり、突起の嵌め
合わせの際、突起3、4が左右に多少ずれた場合であっ
ても、即ち、芯金が横方向にずれた場合で合っても、こ
れを順次嵌り合わせやすくしたものである。更に特徴的
には、ゴムクローラのスチ−ルコ−ド列11と突起3、
4のオ−バ−ラップ部がほぼ同じ水平位置になってい
る。このため横ずれの防止は勿論のことであるが、ゴム
クロ−ラのねじれ、逆曲げ更にはオ−バ−ハング倒れ等
の防止に効果があることが分かった。
【0013】図4は前記した芯金1を用いたゴムクロー
ラの内周側の平面図であり、図5は図4におけるA−A
線での断面図である。図において、10はゴムクロ−ラ
を構成するゴム弾性体であって、このゴム弾性体1が図
1の上下に対して無端状に連続している。そしてこのゴ
ム弾性体10内に多数の芯金1が一定ピッチをもって横
並べして埋設されており、同時にこの芯金1を外囲いし
てスチ−ルコ−ド列11が埋設され、抗張体の役目をし
ている。そしてこの芯金1、1間にはその中央において
スプロケット係合孔12が形成され、図示しないスプロ
ケットからの駆動力を受けることとなる。転輪はゴムク
ロ−ラの内周側に突出する走行路体2の頂面上を転動走
行する。
【0014】さて、この芯金1にあって、ゴムクロ−ラ
の長手方向前後に向って芯金1よりスプロケット係合孔
12をはさんで一対の突起を3、3及び4、4を形成し
たものである。そして隣り合う芯金1、1間において、
夫々突出する突起同士3、3及び4、4に面a、bにて
構成された矢羽形状を順次嵌め合わせ、ゴムクロ−ラの
幅方向においてオ−バ−ラップさせたものである。
【0015】図例にしめすように、突起3、3及び4、
4は中央に形成されたスプロケット係合孔12に臨んで
形成されている。このためスプロケット係合孔12より
ゴムクロ−ラの幅方向に延長して空域13としたもので
あり、この突起3、3及び4、4の両端(矢羽根形)を
空域13内にてオ−バ−ラップさせたものである。な
お、この空域13は必ずしもスプロケット係合孔12と
連なって形成されるものではなく、これとはと独立して
形成されるものであってもよい。
【0016】また図示はしないが、場合によってはこの
突起3、3及び4、4をゴム弾性体10中に埋入させた
ままであってもよく、前記した空域13を形成しない場
合も考えられる。即ち突起3、3及び4、4をオ−バ−
ラップさせた状態でゴム弾性体10中に埋設することも
できる。更に、かかる場合にあっても突起3、3及び
4、4のオ−バ−ラップ部即ち矢羽形状部位を覆うゴム
弾性体10を肉薄としてもよい。図6はこの場合の図5
と同様の断面図であり、オ−バ−ラップ部(a、b)の
ゴム弾性体10を肉薄10aとしている例を示すもので
ある。更に、図示はしないが、ゴム弾性体10の加硫成
型時に突起3、3及び4、4を囲んで凹溝を付けておく
ことも考えられる。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の通り、ゴム弾性体中に埋
設される芯金にあって、その隣り合う芯金同士を夫々か
らのびた突起を嵌め合うことによって、特にゴムクロ−
ラにおける幅方向の動きを制限し、このため横ずれ防止
はもとよりゴムクロ−ラのねじれ、逆曲げ、更にはオ−
バ−ハング倒れを防止したものである。このような特徴
があるため、かかるゴムクロ−ラは特に大型の走行面の
平坦でない建設機械や土木作業機械に装着して大きな威
力を発揮することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のゴムクロ−ラ用芯金の正面図で
ある。
【図2】図2は図1の背面図である。
【図3】図3は図1のB−B線での断面図である。
【図4】図4は本発明のゴムクロ−ラの内周側の平面図
である。
【図5】図5は図4におけるA−A線での断面図であ
る。
【図6】図6はゴムクロ−ラの第2実施例を示す図5と
同様の断面図である。
【符号の説明】
a、b‥突起先端の傾斜面、 1‥芯金 1a、1b‥芯金前後縁部、 1c‥芯金外周縁部、 2‥転輪走行路体 3、4‥突起 10‥ゴム弾性体 10a‥肉薄部 11‥スチ−ルコ−ド列 12‥スプロケット係合孔 13‥空域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状のゴム弾性体中に一定ピッチで芯金
    をその幅方向に横並べし、当該芯金を外囲いしたスチ−
    ルコ−ド列を共に埋設し、帯状のゴム弾性体の幅方向中
    央において前記芯金間にスプロケット係合孔を備え、こ
    のスプロケット係合孔を挟んで前後に千鳥状に配列され
    た転輪走行路体を備えてなるゴムクロ−ラにおいて、前
    記芯金よりのびる一対の突起を芯金の幅方向の前後にス
    プロケット係合孔をはさんで形成し、当該一対の突起を
    ゴムクロ−ラの長手方向にそろえると共に、突起の両端
    にあって、平面視で一端を夫々内側を尖端とし、他端を
    夫々外側を尖端として矢羽形状となし、かかる一対の突
    起を順次嵌り合わせて幅方向においてオ−バ−ラップさ
    せ、かつ当該オーバーラップ位置をスチールコード列の
    埋設位置と略同一平面内としたことを特徴とする脱輪防
    止ゴムクロ−ラ。
  2. 【請求項2】 中央にスプロケット係合部と、これを挟
    んで前後に千鳥状に配列された転輪走行路体を備え、芯
    金の外周縁よりも外側で芯金の前後よりスプロケット係
    合孔をはさんで一対の突起を備え、かつその突起の両端
    にあって、平面視で一端を夫々内側を尖端とし、他端を
    夫々外側を尖端として矢羽形状となしたことを特徴とし
    たゴムクローラ用芯金。
  3. 【請求項3】 転輪走行路体と突起とは投影面が重なり
    合う請求項2記載のゴムクローラ用芯金。
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