JP3939169B2 - シュープレート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、稲刈り機等の足回りに使用されるシュープレートに関するもので、特に圃場用として好適なシュープレートに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、稲刈り機等の足回りは一対の履帯を備え、この履帯は、エンドレス状に連結された複数のリンクと、このリンクに取付けられるシュープレート等を有する。そして、シュープレートとしては、図11に示すように、走行方向に直交する方向(幅方向)に長いいわゆる単純な箱型形状とされ、例えば、板金にて形成した基材を溶接にて接合して製造していた。この場合、地面に接触する接地部51は、中央の平坦面52と、端部側の傾斜面53とからなる。また、傾斜面53は、幅方向外方へ向かって順次裏側へ傾斜するものである。この場合、シュープレートは、ボルト・ナット結合にてリンク56(図12参照)に取付けられるが、ボルト54の頭部が平坦面52から露出(突出)していた。
【0003】
ところで、図12に示すように、隣り合うリンク56、56は、ブッシュ57と、このブッシュ57に挿通されるピン58等を使用して、連結されるものである。すなわち、履帯を構成する場合、相対面するリンク56、56をそれぞれ長手方向にピン58及びブッシュ57を介して連結し、一対のエンドレス体59、59を形成する。また、外部から異物の侵入等を防ぐ機能をもつシール構造体(図示省略)をブッシュ57の両端面側に設け、ピン58とブッシュ57との間、ピン58の中空部に潤滑オイルを封入することによって、ピン58とブッシュ57の早期摩耗を防止し、寿命の延長を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記した図11で示すようなシュープレートを使用すれば、幅方向端部は角張っており、このシュープレートを使用した稲刈り機を旋回させる場合、その旋回抵抗が大きくなって、旋回性に劣ることになっていた。また、全体が単純な箱型形状とされ、地面に対してすべり易いものとなって、いわゆるシューすべりが発生し易いものとなっていた。このため、広大な土地(田)を走行させる場合等に、稲刈り機の走行速度を上げることができず、作業能率の低下を招いていた。
【0005】
さらに、リンク56・・に取付けることによって、複数枚のシュープレートを並設するものであり、隣り合うシュープレート間には隙間が生じていた。しかもこの隙間にリンク屈曲部(リンク連結部60)が対応していた。ここで、リンク連結部60とは、図12に示すように、ピン58とブッシュ57とを有する部位である。このため、この隙間を介して、リンク連結部60に土砂等の異物が侵入して、リンク連結部60に設けられた上記シール機構を損傷させる場合があった。このような場合にはピン58とブッシュ57との摩耗が早まって、履帯の寿命が短くなっていた。
【0006】
また、全体が単純な箱型形状であるため、走行の際、土を巻き上げ、土場を荒らすこともあった。しかも、板金製であり、重量が大となって、いわゆるパワーロスが大であった。さらに、ボルト54の頭部55が外部に露出しているので、走行の際、この頭部55が地面と接触して、螺着状態が緩んだり、ボルト54が折損したりする場合があった。そのため、シュープレートがリンク56からはずれたり、リンク56に対してずれたりして、走行できなくなる場合もあった。
【0007】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、高速走行が可能であり、しかも、旋回性に優れ車体振動が小さく乗り心地のよい稲刈り機等の足回りとなるシュープレートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで請求項1のシュープレートは、エンドレス状に連結される複数のリンクに取付けられて履帯を構成すると共に、その走行方向と直交する幅方向の寸法が走行方向寸法よりも大であるシュープレートであって、その表側の接地面と、この接地面の長辺部からそれぞれ裏側へ延びると共に裏側に向かって外方側に拡開する傾斜壁面とを有し、上記傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成したことを特徴としている。
【0009】
上記請求項1のシュープレートでは、接地面の長辺側の両端部に、裏側へ延びる傾斜壁面を設けているので、全体形状として、剛性が大である箱型となり、いわゆるシュー曲がりを防止することができ、長期の安定した走行が可能となる。また、傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成しているので、旋回時の旋回抵抗を小さくすることができ、優れた旋回性能を発揮することができる。
【0010】
請求項2のシュープレートは、エンドレス状に連結される複数のリンクに取付けられて履帯を構成すると共に、その走行方向と直交する幅方向の寸法が走行方向寸法よりも大であるシュープレートであって、その表側のほぼ平坦な接地面と、この接地面の長辺部からそれぞれ裏側へ延びると共に裏側に向かって外方側に拡開する傾斜壁面とを有し、上記接地面は、平坦部と、接地面幅方向両端部が幅方向外方に向かって順次裏側へ傾斜する傾斜部とを有し、さらに、これらの傾斜部の走行方向寸法を幅方向外方に向かって順次小さくし、さらに上記傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成したことを特徴としている。
【0011】
上記請求項2のシュープレートでは、この接地面の幅方向両端部を幅方向外方に向かって順次裏側へ傾斜する傾斜部とし、さらに、これらの傾斜部の走行方向寸法を、幅方向外方に向かって順次小さくしたことにより、旋回時の旋回抵抗を小さくすることができ、旋回性能が向上して、安定した旋回が可能となって、運転操作性に優れるものとなる。また、その表側に、ほぼ平坦な接地面を形成したことにより、このシュープレートが使用された稲刈り機等は、その車体振動を少なくすることができ、乗り心地性に優れ、作業性に優れる。また、接地面の長辺側の両端部に、裏側へ延びる傾斜壁面を設けることになり、これによって、全体形状として、剛性が大である箱型となり、いわゆるシュー曲がりを防止することができ、長期の安定した走行が可能となる。また、傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成しているので、旋回時の旋回抵抗を一層小さくすることができ、優れた旋回性能を発揮することができる。
【0012】
請求項3のシュープレートは、上記接地面の長辺側に表側へ突出する幅方向突隆部をそれぞれ設けたことを特徴としている。
【0013】
上記請求項3のシュープレートでは、接地面の長辺側に表側へ突出する幅方向突隆部(グローサ)を設けたことにより、走行中のすべりを防止して、牽引力の向上を図ることができる。これにより、走行速度を上げることができ、広大な農地等を走行する稲刈り機等に好適なプレートとなる。また、軟弱地走破性に優れ、作業能率の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4のシュープレートは、上記傾斜壁面の幅方向中央部に、上記リンクを覆うラップ部を突設したことを特徴としている。
【0015】
上記請求項4のシュープレートでは、リンクを覆うラップ部を突設したことによって、土砂等の異物のリンク側への侵入を防止することができる。すなわち、リンクとリンクとを連結するリンク連結部への土砂等の異物の侵入を防止して、この連結部のピンとブッシュとの早期摩耗を回避することができる。これにより、履帯としての寿命が長くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のシュープレートの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1にこの発明の圃場用として構成したシュープレート1を示す。圃場用シュープレート(以下、単にプレートと呼ぶ場合がある)1は、図8〜図10に示すように、エンドレス状に連結される複数のリンク2・・に取付けられて履帯3を構成する。この場合、相対面するリンク2、2をそれぞれ長手方向にピン5及びブッシュ6を介して連結し、一対のエンドレス体7、7を形成している。
【0017】
また、各リンク2は、本体部8と、この本体部8に連設される端部9、10とを備える。この場合、一方の端部9は後述する幅方向の内側に配置され、他方の端部10は幅方向の外側に配置され、一方の端部9にはブッシュ6の端部が嵌入(圧入)される孔9aが設けられ、他方の端部10にはピン5の端部が嵌入される孔10aが設けられている。すなわち、隣り合うリンク2の端部9、10を重ね合わせて、相対面するリンク2、2の一方の端部9、9の孔9a、9aにブッシュ6の端部を圧入すると共に、ピン5をブッシュ6に回転自在として挿入した状態とする。この際、ピン5の端部をリンク2、2の他方の端部10の孔10a、10aに圧入する。このため、ピン5が圧入されたリンク2、2に対して、ブッシュ6が圧入されたリンク2、2がピン5の軸心廻りに揺動することになる。
【0018】
この場合、外部から異物の侵入等を防ぐ機能をもつシール構造体(図示省略)をブッシュ6の両端面側に設け、ピン5とブッシュ6との間、及びピン5の中空部に潤滑オイルを封入することによって、ピン5とブッシュ6の早期摩耗を防止し、寿命の延長を図っている。
【0019】
そして、リンク2の本体部8にはボルト挿通壁部11が設けられ、このボルト挿通壁部11に、このリンク2に圃場用シュープレート1を取付けるためのボルト挿通孔(図示省略)が設けられている。すなわち、このボルト挿通孔に挿通されるボルト12に、ナット13を螺着することによって、プレート1はリンク2に取付けられる。
【0020】
次に、圃場用シュープレート1は、鋳造品にて構成され、図1〜図6に示すように、その走行方向と直交する幅方向の寸法Wが走行方向寸法Lよりも大であり、シュープレート本体15と、このシュープレート本体15の長辺部からそれぞれ裏側へ延びる壁部16、17を備えた箱型形状とされる。また、シュープレート本体15は、その表側に、ほぼ平坦な接地面Aが形成されると共に、この接地面Aの幅方向両端部には、幅方向外方に向かって順次裏側へ傾斜する傾斜部19、19が形成されている。すなわち、接地面Aは、平坦部18と傾斜部19、19を備える。
【0021】
また、これらの傾斜部19、19の走行方向寸法L1(図2参照)を、幅方向外方に向かって順次小さくしている。このため、傾斜部19は略三角形状とされる。すなわち、壁部16、17の外面を、裏側に向かって外方側に拡開する傾斜壁面16a、17a(凸円弧面)とすると共に、これらの傾斜壁面16a、17aの幅方向端部20、21の傾斜角度θ(図7参照)を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるようにしている。具体的には、図7で示される図2におけるa−a線断面図、b−b線断面図、c−c線断面図等からわかるように、傾斜角度θを幅方向外方に向かって順次小さくしている。また各壁部16、17の幅方向端部20、21が、図2等からわかるように、幅方向外端に向かって順次わずかに接近し、プレート1全体として、幅方向端部の走行方向寸法が幅方向外端に向かって順次小さくなっている。従って、上記壁部16、17は、中央の本体部22、23と、その外面が上記幅方向端部20、21となる端部傾斜部24、25とから構成される。また、壁部16の本体部22の幅方向長さを壁部17の本体部23の幅方向長さよりも長く設定している。つまり、走行方向前方側の本体部22を、走行方向後方側の本体部23よりもその幅方向寸法を長くしている。そして、プレート1の幅方向外端には、略三角形状の端部壁26、26が設けられ、プレート本体15と、壁部16、17と、端部壁26、26とで裏側に開口した箱型形状を構成している。
【0022】
また、上記平坦部18の長辺側に表側へ突出する幅方向突隆部(グローサ)27、28をそれぞれ設けている。幅方向突隆部27、28は、壁部16、17の本体部22、23にそれぞれ対応する本体部27a、28aと、この本体27a、28aの端部から連設される傾斜部27b、28bとからなる。この場合、本体部27a、28aの高さ寸法は略同一とされる。
【0023】
さらに、平坦部18には、一対の凹窪部30、31が設けられ、この凹窪部30、31に、裏面に貫通される一対の孔部32、32がそれぞれ設けられている。なお、一対の凹窪部30、31は、壁部16に向かってその間隔が大とされている。そして、この凹窪部30、31の深さ寸法D(図1参照)を、上記ボルト12の頭部12a(図8参照)の厚さと同一乃至僅に大きく設定している。
【0024】
また、壁部16、17の本体部22、23には、それぞれ、上記リンク2を覆うラップ部33、34を突設している。この場合、ラップ部33、34の高さ位置を相違させると共に、その突出量を相違させて、プレート1・・を連設した際に、隣り合うプレート1、1のラップ部33、34が相互に干渉しないように設定している。すなわち、ラップ部33をリンク2に接近させた位置に設け、ラップ部34をプレート1の厚さ(高さ)方向中央部に設けることによって、高さ位置を相違させ、さらに、図10に示すように、ラップ部34の下部(リンク2側)に、ラップ部33とラップ部34とがラップした際(重なり合った際)に、ラップ部33が遊嵌状に嵌合する凹部36(図5参照)が設けられている。
【0025】
そして、上記のように構成されたプレート1の一対のエンドレス体7、7への取付けは、エンドレス体7、7にプレート1・・を重ね合わせ、この状態で、ボルト12・・をプレート1の孔部32・・及びこの孔部32に対応するリンク2のボルト挿通孔に挿入すると共に、ボルト挿通孔から突出したボルト12・・のねじ部にナット13・・を螺着すればよい。この場合、一方の凹窪部30側のボルト・ナット結合にて、この一方の凹窪部30に対応する一方のエンドレス体7のリンク2にプレート1が連結され、他方の凹窪部31側のボルト・ナット結合にて、この他方の凹窪部31に対応する他方のエンドレス体7のリンク2にプレート1が連結される。また、凹窪部30、31の深さ寸法Dが、上記ボルト12の頭部12aの厚さと同一乃至僅に大きく設定されているので、取付け状態では、ボルト12・・の頭部12a・・が、各凹窪部30、31に埋設状となって、平坦部18より突出しない。
【0026】
ところで、プレート1をエンドレス体7、7に取付けた際には、エンドレス体7、7が、プレート1の幅方向中央部に対応し、かつ、ピン5とブッシュ6等で構成されるリンク連結部35(図9参照)に、隣り合うプレート1、1間の隙間Sの幅方向中央部が対応することになる。そのため、上記ラップ部33、34は、このリンク連結部35を覆うものであって、幅方向長さとしては、リンク連結部35の幅方向長さ(ピン5の軸方向長さ)と同一乃至これよりも長く設定される。また、ラップ部33、34の突出長さとしては、隣り合うプレート1、1間の隙間Sの幅方向中央部を覆うことができる長さとする。この場合、ラップ部34の突出量をラップ部33の突出量よりも小さくして、ラップ部34が隣の対向する壁部16に接触しないように設定している。
【0027】
また、エンドレス体7、7にプレート1が取付けられた状態では、図10に示すように、この履帯3がスプロケットやアイドラ廻りに回転する際のエンドレス体7、7の揺動中心Oが壁部16、17の本体部22、23の外面の凸円弧面37、37の曲率半径Rの中心となる。すなわち、この本体部22、23の外面は揺動中心Oを中心として半径Rの円弧にて形成される。
【0028】
従って、上記のように構成されたシュープレート1では、その表側に、ほぼ平坦な接地面Aを形成したことにより、このシュープレート1が使用された履帯3を用いた稲刈り機等は、その車体振動を少なくすることができ、乗り心地性に優れ、作業性に優れる。また、幅方向外方に向かって順次裏側へ傾斜する傾斜部19、19を平坦部18から連続状に形成し、さらに、これらの傾斜部19、19の走行方向寸法を、幅方向外方に向かって順次小さくしたことにより、旋回時の旋回抵抗を小さくすることができ、旋回性能が向上して、安定した旋回が可能となって、運転操作性に優れるものとなる。
【0029】
さらに、シュープレート本体15の長辺側の両端部に、裏側へ延びる壁部16、17を設けることになり、これによって、全体形状として、剛性が大である箱型となり、いわゆるシュー曲がりを防止することができ、長期の安定した走行が可能となる。また、傾斜壁面16a、17bの幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成しているので、旋回時の旋回抵抗を一層小さくすることができ、優れた旋回性能を発揮することができる。
【0030】
接地面Aの平坦部18の長辺側に表側へ突出する幅方向突隆部(グローサ)27、28を設けたことにより、走行中のすべりを防止して、牽引力の向上を図ることができる。これにより、走行速度を上げることができ、広大な農地等を走行する稲刈り機等に好適なプレート1となる。また、軟弱地走破性に優れ、作業能率の向上を図ることができる。
【0031】
リンク2を覆うラップ部33、34を突設したことによって、土砂等の異物のリンク側への侵入を防止することができる。すなわち、リンク2とリンク2との連結部35への土砂等の異物の侵入を防止して、この連結部35におけるピン5とブッシュ6との早期摩耗を回避することができる。特に、この履帯3においては、外部から異物の侵入等を防ぐ機能をもつシール構造体(図示省略)をブッシュ6の両端面側に設けているので、このシール構造体へ土砂等の異物の侵入を防止することによって、シール構造体の寿命の向上を図ることができる。このため、ピン5とブッシュ6との摩耗が少なくなって、履帯3として寿命が長いものとなる。
【0032】
さらに、壁部16、17の本体部22、23の外面は凸円弧面37、37となっているので、土落ち性に優れ、土を巻き上げるのを防止することができ、土場(農地)を荒らさない。また、リンク2に取付けるためのボルト12の頭部12aが凹窪部30、31に埋設状となっているので、ボルト12の頭部12aが地面に接触することによって、ボルト12が緩んだり、ボルト12の頭部12aが損傷したりすることを防止することができる。これによって、プレート1がリンク2からずれたり、外れたりせず、安定した走行が可能となる。これに対して、図11に示すように、ボルト54の頭部55が外部に露出(突出)していれば、走行の際、この頭部55が地面と接触して、螺着状態が緩んだり、ボルト54が折損したりする場合があった。そのため、シュープレートがリンクからはずれたり、リンクに対してずれたりして、走行できなくなる場合があった。
【0033】
また、上記の実施の形態のような形状のシュープレート1は、鋳造品にて構成することができるので、軽量化を図ることができ、しかも、全体として箱型形状であるので、剛性が大となって、パワーロスが小さいものとなる。
【0034】
以上にこの発明の圃場用シュープレートの具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、傾斜部19の傾斜角度や、傾斜壁面16a、17aの幅方向端部20、21の傾斜角度等は、旋回抵抗の減少量を考慮して変更することができる。また、傾斜部19として、実施の形態では三角形状とされているが、幅方向外方に向かってその走行方向寸法が順次小となる台形形状であってもよい。さらに、幅方向突隆部(グローサ)27、28の長さ寸法や突出量としても、任意に設定することができるが、走行中のすべりを防止できる範囲で最小とするのが好ましい。また、ラップ部33、34の幅方向長さや突出量としても、任意に設定することができるが、隣り合うプレート1、1間に形成される隙間Sから地面側に露出状となるリンク2、特にリンク連結部35を覆うことができ、かつプレート1を相互に干渉しなければよい。このため、ラップ部33、34としては、どちらか一方のみであってもよいが、実施の形態のように、ラップ部33、34を設ければ、隣り合うシュープレート1、1のその対向するラップ部33、34がラップすることによって、土砂等の異物のリンク2側への侵入防止の信頼性が向上して好ましい。なお、ラップ部33、34として、このシュープレート1の幅方向全長にわたって設けてもよい。全長にわたって設ければ、土砂等の異物のリンク2側への侵入防止の信頼性がより向上するが、全体の重量が大となる欠点がある。また、このシュープレート1が使用される履帯3としては、稲刈り機に限るものではなく、早い走行速度、優れた旋回性等を必要とする農業機械、さらには、圃場用以外のブルドーザ等の各種の建設機械等にも使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシュープレートの実施形態を示す斜視図である。
【図2】上記シュープレートの平面図である。
【図3】上記シュープレートの正面図である。
【図4】上記シュープレートの背面図である。
【図5】上記シュープレートの底面図である。
【図6】上記シュープレートの拡大側面図である。
【図7】上記シュープレートを示し、(a)は図2のa−a線断面図であり、(b)はb−b線断面図であり、(c)はc−c線断面図である。
【図8】上記シュープレートの連結状態を示す平面図である。
【図9】上記シュープレートの連結状態を示す拡大底面図である。
【図10】上記シュープレートの連結状態を示す拡大側面図である。
【図11】従来のシュープレートの斜視図である。
【図12】リンク連結部の簡略断面図である。
【符号の説明】
2 リンク
3 履帯
15 シュープレート本体
16 壁部
16a 傾斜壁面
17 壁部
17a 傾斜壁面
18 平坦部
19 傾斜部
20 幅方向端部
21 幅方向端部
27 幅方向突隆部
28 幅方向突隆部
33 ラップ部
34 ラップ部
A 接地面
L 走行方向寸法
L1 走行方向寸法
W 幅方向の寸法
θ 傾斜角度
Claims (4)
- エンドレス状に連結される複数のリンクに取付けられて履帯を構成すると共に、その走行方向と直交する幅方向の寸法が走行方向寸法よりも大であるシュープレートであって、その表側の接地面と、この接地面の長辺部からそれぞれ裏側へ延びると共に裏側に向かって外方側に拡開する傾斜壁面とを有し、上記傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成したことを特徴とするシュープレート。
- エンドレス状に連結される複数のリンクに取付けられて履帯を構成すると共に、その走行方向と直交する幅方向の寸法が走行方向寸法よりも大であるシュープレートであって、その表側のほぼ平坦な接地面と、この接地面の長辺部からそれぞれ裏側へ延びると共に裏側に向かって外方側に拡開する傾斜壁面とを有し、上記接地面は、平坦部と、接地面幅方向両端部が幅方向外方に向かって順次裏側へ傾斜する傾斜部とを有し、さらに、これらの傾斜部の走行方向寸法を幅方向外方に向かって順次小さくし、さらに上記傾斜壁面の幅方向端部の傾斜角度を、幅方向外方に向かって順次緩やかとなるように構成したことを特徴とするシュープレート。
- 上記接地面の長辺側に表側へ突出する幅方向突隆部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2のシュープレート。
- 上記傾斜壁面の幅方向中央部に、上記リンクを覆うラップ部を突設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかのシュープレート。
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