JPH07134995A - 燃料電池 - Google Patents
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- JPH07134995A JPH07134995A JP5279961A JP27996193A JPH07134995A JP H07134995 A JPH07134995 A JP H07134995A JP 5279961 A JP5279961 A JP 5279961A JP 27996193 A JP27996193 A JP 27996193A JP H07134995 A JPH07134995 A JP H07134995A
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Abstract
子の表面構造特性を修飾することで、電極内の吸/脱水
特性を調節して安定性の向上した高分子電解質型燃料電
池とすること。 【構成】 固体高分子よりなる電解質膜と該電解質膜の
両側に配置した燃料極と空気極とよりなり、該燃料極お
よび空気極は、該電解質膜面に面接して配置された触媒
層を持つ燃料電池であって、空気極の触媒層の炭素粒子
は触媒を担持させて後、その表面を親水性が低下する処
理を施され、燃料極の触媒層の炭素粒子は予め親水性官
能基を付与した後に触媒を担持させた触媒層で構成され
ている燃料電池。高電流密度領域でも出力電圧の低下の
少ない高性能の電池である。
Description
化に対しても安定して出力できる高分子電解質型燃料電
池に関する。
湿した固体高分子よりなる電解質膜とこの電解質膜を挟
んで設けられた燃料極と空気極とで構成されている。こ
の燃料極および空気極は、燃料ガスおよび空気等の酸素
を含有するガスをそれぞれ電極反応をおこなわせる触媒
層と燃料ガスおよび空気酸素を含有するガスの触媒層へ
の供給路ならびに集電体として機能の役割をするガス拡
散層の2層構造となっている。燃料ガスがガス拡散層か
ら触媒層に供給されて電極反応が開始されると生成され
る電荷担体(H+ )が水分子と一緒に電解質内を浸透す
るので、電池の燃料極側の含水率が低下する。このため
電極側よりの水の供給が不十分であると電荷担体
(H+ )の移動が困難となり電池の性能が低下すること
になる。したがって、電池内各部の含水率は適正に保持
することが必要である。一方空気極側では移動してきた
電荷担体(H+ )が触媒層で電極反応により水を生成す
る。この生成した水の排出が不十分であると触媒の表面
が水膜で覆われてフラッディング状態になり供給ガス不
足などにより電極反応の進行が抑制されて電池性能が低
下する。
従来電極(炭素)成型に使用されていたフッ素樹脂など
の疎水性バインダー粒子を触媒から排除し、触媒担持炭
素と電解質からなる薄い触媒層を電解質膜に接合して電
池とする方法が提案されている。(J.Electri
ochem.Soc,Lett.L28(1992),
J.Appl.Electrochem.22,1(1
992)。これにより触媒利用率の高い高性能電池の作
成が可能になったが、この電池では、フラッディング対
策が安全性確保に不可欠であり、その方法として、触媒
層を150℃を越える温度で熱処理することにより触媒
層内の電解質の表面を意図的に部分疎水化させている。
しかし、この方法は電解質「以下、単に「電解質」と
は、電解質膜と触媒層中の電解質との双方を言い、「電
解質膜」、「触媒層中の電解質」とは区別する。)の肝
心の物質輸送特性を悪化させる場合が多く、かえないよ
うに処理条件を厳格に制御しなければならないという問
題点がある。
鑑みてなされたもので、電解質と触媒担持炭素のみから
なる触媒層を有する高分子電解質型燃料電池において、
触媒担体である炭素の表面構造特性を変性することによ
り触媒層内での吸/脱水特性を調節して電池の性能およ
び安定性を向上した燃料電池とすることを目的とする。
は、固体高分子よりなる電解質膜と該電解質膜の両側に
配置した燃料極と空気極とで構成され、該燃料極および
該空気極は該電解質膜面に面接して配置された触媒層を
もち、上記空気極の触媒層は、表面が疎水性となった炭
素粒子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成されてい
ることを特徴とする。
りなる電解質膜と該電解質膜の両側に配置した燃料極と
空気極とで構成され、該燃料極および該空気極は該電解
質膜面に面接して配置された触媒層とをもち、上記燃料
極の触媒層は、表面が親水性となつた、炭素粒子と該炭
素粒子に担持された触媒とで構成されていることを特徴
とする。
りなる電解質膜と該電解質膜の両側に配置した燃料極と
空気極とで構成され、該燃料極および該空気極は該電解
質膜面に面接して配置された触媒層をもち、上記空気極
の触媒層は、表面が疎水性となった、炭素粒子と該炭素
粒子に担持された触媒とで構成され、上記燃料極の触媒
層は、表面が親水性となつた、炭素粒子と該炭素粒子に
担持された触媒とで構成されていることを特徴とする燃
料電池。
電解質膜とこの電解質膜の両側に配置した燃料極と空気
極とで構成され、これら燃料極および空気極はそれぞれ
電解質膜に面接して配置された触媒層をもつものであ
る。電解質膜は電荷担体(H+ )を透過させる電解質特
性を示す高分子膜が使用できる。
素粒子とこの炭素粒子上に担持された触媒金属とで構成
されている。また、触媒層には触媒金属を担持した炭素
粒子とともに通常電解質が配合される。燃料極および空
気極には電解質膜とは反対画の触媒層面にガス拡散層を
配置してもよい。該ガス拡散層は、高いガス透過性およ
び高電子伝導性を有する多孔質体で形成され、燃料ガ
ス、空気などの酸素を含有するガスを触媒層に均一に供
給する。ガス拡散層は通常炭素粒子と疎水性粒子との混
合物を成形して作られる。
子はその表面が適度に疎水性となっている。逆に、本発
明の燃料極の触媒層を構成する炭素粒子はその表面が親
水性となっている。空気極の触媒層に使用する炭素粒子
は、反応生成水によるフラッィング現象を抑制するため
に、親水性の低下した炭素粒子すなわち疎水性の炭素粒
子であることが望ましく、炭素粒子を疎水性とするに
は、真空、不活性ガスまたは水素ガス中で600℃以上
(できれば900℃以上)の熱処理をする方法が採用で
きる。他の方法としては、炭素粒子の表面にフッ素基を
導入するか、炭素粒子表面上に存在する親水性含酸素官
能基を、高圧アルコール水熱処理(100℃以上)によ
り、アルコキシド基に変換させるものである。ただし、
アルコキシド基の場合は電池運転時の官能基の安定性に
問題があるものもある。
持が困難になる場合が多い。このため炭素粒子に疎水化
処理を実施する前に、炭素粒子表面に触媒金属を担持す
るのが好ましい。この触媒金属を担持した炭素粒子に疎
水性処理を施すことにより、触媒金属を均一に担持した
親水性の低下した疎水性の炭素粒子とすることができ
る。
持ち、そのうちミクロ孔は触媒金属の高分散担持に大き
く寄与する。しかしこのミクロ孔内に触媒層を形成する
際に添加される高分子電解質を導入することは困難り、
ミクロ孔内に担持された触媒金属の大部分は電極反応に
寄与しない。たとえ、電極反応に関与できる状態でも電
極反応時に生成する水がミクロ孔隙内で凝縮してフラッ
ディングを起こすためすぐに失活する。したがって、フ
ラッディグが問題になる空気極の触媒に使用する炭素粒
子は無孔性またはマクロ孔に富む(実表面積がほぼ等し
い)もののほうが望ましい。
め触媒層内の水が不足する。このため燃料極の触媒層に
使用する炭素粒子は親水性のものであることが望まし
い。炭素粒子を親水性とするには、炭素粒子の表面に親
水性官能基を導入する方法を採用できる。この親水性官
能基の付与は、炭素粒子を硝酸などによる湿式酸化(2
5〜100℃)や水蒸気などによる部分熱酸化(300
〜700℃)をおこなうことで達成でき、炭素粒子表面
には水酸基およびカルボキシル基などの含酸素基が導入
される。なお、炭素粒子の表面がより親水性となること
により、炭素粒子表面への触媒金属はより容易に均一に
付着担持し易い状態となる。このため燃料極の触媒層に
用いる炭素粒子は、予め親水性官能基を付与した後に触
媒を担持させるのが好ましい。炭素粒子表面の親水性含
酸素基は水分子の蒸気からの吸着を促進する活性サイト
として作用するとともに、吸着水分子間の水素結合を媒
介として水の凝縮を促進することができる。
白金またはその合金(多元素を含む)が望ましく、白金
と組み合わせる成分(鉄、コバルトなど)は反応および
被毒成分の違いにより燃料極と空気極とで一般に異な
る。触媒金属の担持量は20〜40重量%であればよ
く、触媒金属の分散を高め、活性化分極を低下させるに
は低担持量のものほど有利であるが、触媒層を薄くし濃
度分極低下および触媒利用率向上を実現するために高担
持量のものが望ましい。
解質触媒層中の電解質とを混合して構成する。通常集電
体のカーボン布の上に触媒担持炭素粒子を所定の厚さに
形成し、高分子電解質を溶解した溶液を塗布することで
で形成される。この触媒担持炭素粒子と電解質膜間には
特別な強い相互作用はなく、電解質の表面構造は電解質
の含水率により容易に変化すると考えられている。例え
ば、含水状態の電解質は親水性スルフォン基を炭素上の
触媒に向けているが、乾燥時には疎水性の樹脂骨格を炭
素上の触媒に向けることが示唆されている。また、触媒
/電解質界面の空隙に過剰の液体水が滞留すると触媒と
電解質とが剥離し電気抵抗増大ひいては電極破壊が起き
ることになる。
は水分子の吸着および凝縮を促進し、炭素の水への濡れ
性に強く影響する。このため、空気極に使用する炭素表
面が高度に親水性である場合には、電流が高くなり水生
成が速くなると炭素/電解質界面に液体水膜が形成され
やすくなり、軽度のフラッディング現象が比較的低い電
流域でも観察されるようになり安定性が低下する。一
方、反応に水が関係せず電解質が乾燥し易い燃料極側で
は、電解質により被覆された炭素表面の性状は空気極ほ
ど重要ではなが、燃料極は高湿度下におかれるのが一般
的であるため、親水性炭素/電解質界面の空隙は微量の
余分な液体水が通電の有無に関係なく存在し、これらに
よりセル発熱および電解質内水電気浸透現象による通電
時の急激な電解質乾燥をある程度防止できる。
媒金属の分散度、純抵抗(イオン/電子伝導界面の大き
さ)、成形のし易さのいずれの点でもできるだけ小さい
ことが望ましいが、ガス拡散経路となる粒子間隙(大部
分に電解質が存在する)が小さすぎるとガス透過が制限
され触媒表面のガス濃度が低下し易くなることがあるた
め、約25〜50μm程度の径の範囲のものが望まし
い。
成すると、電解質に被覆されていない炭素表面に高密度
で存在する含酸素官能基が水分子の蒸気からの吸着およ
び凝縮を促進し、液体水への濡れを向上させる。このた
め電解質側の高度な加湿を速やかに達成できるようにな
り、電解質の物質輸送特性が向上し電池性能が向上す
る。また、電解質側を加湿状態に保持するため、セル発
熱および水の電解質内電気浸透現象によって燃料極側電
解質の含水率が低下してガスおよびプロトンの輸送特性
が悪化する現象を最小限に抑えることができ、電流増加
に伴う電池性能低下を抑制できる。
を形成すると、触媒反応により生成した水が凝集し炭素
上に濡れ広がって電解質/炭素界面の空隙に蓄積滞留す
るのが防止できる。その結果生成する水は触媒層中に存
在する電解質相を通して速やかに外部へ排出できる。こ
のため、触媒層のフラッディングや電解質/触媒剥離に
よる電池性能の低下が起こりにくく、水の生成速度が大
きい高電流域でも高い性能を安定して得られる。
炭素粒子に各種の酸化表面処理を施した後、表面酸性基
量の滴定および水蒸気吸着等温線の測定をおこなった。
結果をそれぞれ表1および図1に示す。これにより炭素
粒子表面の親水性の変化の度合いを判定した。
酸性度が10未満であるのに対し、硝酸酸化により18
に増加した。一方Vulcan XC-72R は処理前の表面全酸性
度が18であり、空気酸化により22、26に増加し
た。また硝酸酸化により表面全酸性度は34、48に増
加した。さらに硝酸酸化後、不活性ガス中で加熱すると
表面全酸性度は25、16、10未満と未処理のものよ
り少なくなった。
蒸気吸着量をとり、Vulcan XC-72Rの未処理、硝酸10
0℃で3時間処理、硝酸処理後水素ガス下で900℃2
時間処理したものの水蒸気吸着を調べたグラフを示す。
硝酸酸化により炭素粒子の水蒸気吸着量は未処理のもの
よりかなり多くなっている。一方水素ガス下で処理する
と、著しく水蒸気吸着量が低下している。
表面含酸素官能基量が増大し表面全酸性度が未処理のも
のより増加して親水性が向上している。また、酸化処理
後に不活性および還元雰囲気中での高温熱処理すること
で硝酸酸化物より表面全酸性度が低下し親水性が低下し
たことが明らかである。
した三種類の電池を作製した。No1は燃料極側は親水
性、空気極側は疎水性である。No2は燃料極側は親水
性、空気極側は未処理でありやや親水性である。No3
は比較例でどちらの極も未処理の炭素粒子を使用したも
のである。
水性粒子との混合物を塗布した成形したガス拡散層の上
に上記の各極用の触媒を担持炭素粒子を、電解質の溶解
液を混合塗布した一対の電極を高分子電解質膜を挟んで
重ねてホットプレスで一体化させてることでおこなっ
た。
おける電流密度と電池出力電圧との関係を図2に示す。
この電池I−V特性では電流密度の増加にともない、出
力電圧親水性、非親水性処理を施してないNo.3では
急激に低下する。燃料極を処理した触媒層のNo2は出
力電圧の低下は緩やかであり、No.1の両極とも処理
することによりさらに出力電圧の低下が少なくなってい
る。
定電流モード(常圧(H2 /Air)40℃、1A/c
m2 )における出力電圧変化を調べた。No.1が燃料
極のみを処理したNo.2より電圧の低下がより少な
い。No.2の親水性炭素粒子で燃料極触媒層を構成す
ることにより、高電流域における電解質乾燥および純抵
抗増大を防止でき、性能が向上し限界電流が増大した。
さらに、No.1の様に燃料極触媒層を親水性炭素粒子
で空気極触媒層を疎水性炭素で構成することにより、液
体水発生による拡散抵抗増大および触媒失活を抑制出
来、電池性能が向上するとともに、安定性が向上し長時
間の運転でも電圧の低下が抑制できた。
処理により部分疎水化させた高分子電解質を用いて触媒
層の疎水性を制御した従来品とNo.1とを70℃で常
圧(H2 /Air)で試験電流密度と電池出力電圧との
関係を比較した。図4より本実施例の方が広い電流領域
で電圧低下が少なく高性能であった。
性処理などをおこなうとにより触媒層での給/排水性を
容易に制御することができる。すなわち、最近開発され
たフッ素樹脂粒子を含まない、触媒担持炭素と電解質の
みからなる極薄の電極触媒層は高性能であるが、疎水性
の制御が困難であり安定性に乏しい欠点があったが、本
発明により給/排水性が容易に制御できる性能および安
定性を向上できる。
の水蒸気吸着の度合いを示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
流密度と電池出力電圧との関係を比較したグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 固体高分子よりなる電解質膜と該電解質
膜の両側に配置した燃料極と空気極とで構成され、該燃
料極および該空気極は該電解質膜面に面接して配置され
た触媒層を持つ燃料電池において、 上記空気極の触媒層は、表面が疎水性となった、炭素粒
子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成されているこ
とを特徴とする燃料電池。 - 【請求項2】 固体高分子よりなる電解質膜と該電解質
膜の両側に配置した燃料極と空気極とで構成され、該燃
料極および該空気極は該電解質膜面に面接して配置され
た触媒層を持つ燃料電池において、 上記燃料極の触媒層は、表面が親水性となつた、炭素粒
子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成されているこ
とを特徴とする燃料電池。 - 【請求項3】 固体高分子よりなる電解質膜と該電解質
膜の両側に配置した燃料極と空気極とで構成され、該燃
料極および該空気極は該電解質膜面に面接して配置され
た触媒層を持つ燃料電池において、 上記空気極の触媒層は、表面が疎水性となった、炭素粒
子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成され、上記燃
料極の触媒層は、表面が親水性となつた、炭素粒子と該
炭素粒子に担持された触媒とで構成されていることを特
徴とする燃料電池。
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