JP6536458B2 - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、膜電極接合体の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に触媒電極層が設けられた膜電極接合体を備える。触媒電極層は、触媒を担持したカーボン担体と、プロトン伝導性を有するアイオノマーと、を備える。プロトンは、アイオノマーを通って触媒へと到達する。このことから、アイオノマーによる触媒の被覆率を高めて、発電性能を向上させることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2006−127895号公報
しかしながら、特許文献1では、アイオノマーの使用量を調整することで、アイオノマーによる触媒の被覆率を調整している。アイオノマーによる触媒の被覆率を高めるためにアイオノマーの使用量を増大させると、触媒を覆うアイオノマーが厚くなってガス拡散抵抗が増大してしまい、発電性能が低下する場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ガス拡散抵抗の増大を抑制して、発電性能を向上させることを目的とする。
本発明は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法であって、触媒を担持したカーボン担体と、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーからなるアイオノマーと、水とアルコールからなる分散媒であって前記分散媒の質量に対する前記水の質量の割合が57%以上且つ86%以下である前記分散媒と、が混合した混合液を作製する工程と、前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率が62%以上且つ88%以下になるように、前記混合液中の前記カーボン担体及び前記アイオノマーを分散させて触媒インクを作製する工程と、前記触媒インクを用いて電解質膜の表面に触媒電極層を形成する工程と、を備える膜電極接合体の製造方法である。
本発明によれば、発電性能を向上させることができる。
図1(a)は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の断面図、図1(b)は、カソード触媒層の拡大図である。 図2は、膜電極接合体の製造方法を示すフローチャートである。 図3(a)は、サイクリックボルタンメトリー測定によって得られるサイクリックボルタモグラムを示す図、図3(b)は、図3(a)の一点鎖線領域を拡大した図である。 図4は、水比率と被覆率及び活性との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の断面図、図1(b)は、カソード触媒層の拡大図である。なお、アノード触媒層はカソード触媒層と同様の構造をしているため、アノード触媒層の拡大図及び説明は省略する。図1(a)のように、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)10は、電解質膜12と、電解質膜12を挟む一対の触媒電極層であるアノード触媒層14a及びカソード触媒層14cと、を含む。電解質膜12は、フッ素系樹脂材料又は炭化水素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。
図1(b)のように、カソード触媒層14cは、電気化学反応を進行する触媒(例えば白金)20を担持するカーボン担体22と、プロトン伝導性を有するアイオノマー24と、を含む。アイオノマー24としては、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーを用いることができる。カーボン担体22は、多孔質のカーボン粒子である。多孔質のカーボン粒子として、アセチレンブラック系カーボンブラックを用いることができる。
触媒20は、カーボン担体22の外表面や空孔内に担持されている。アイオノマー24は、触媒20を覆うように、カーボン担体22の外表面や空孔内に設けられている。アイオノマー24はプロトン伝導性を有することから、アノード触媒層14aでH→2H+2eの化学反応によって生じたプロトンHは、電解質膜12を介してカソード触媒層14cに伝導した後、アイオノマー24内を移動して触媒20に到達する。したがって、カソード触媒層14c内に十分な水分がない運転条件においては、アイオノマー24で覆われた触媒20は発電に寄与するが、アイオノマー24で覆われていない触媒20は発電に寄与できない。
次に、発明者が行った実験について説明する。初めに、実験に用いたMEA10の製造方法について説明する。図2は、MEA10の製造方法を示すフローチャートである。図2のように、まず、触媒20を担持するカーボン担体22に純水を添加して攪拌した(ステップS10)。触媒20を担持するカーボン担体22として、アセチレンブラック系カーボンブラック担体に50wt%(重量パーセント)の白金を担持させたものを用いた。
次いで、1−プロパノールをさらに添加して攪拌した(ステップS12)。次いで、アイオノマー24の重量Iと触媒20を担持したカーボン担体22の重量Cとの比(I/C)が1.0となるように、アイオノマー24をさらに添加して攪拌し、混合液を作製した(ステップS14)。アイオノマー24として、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーを用いた。表1に、触媒、アイオノマー、純水、及び1−プロパノールそれぞれの調合量と、分散媒(純水+1−プロパノール)の全質量に対する純水の質量の割合である水比率と、を示す。
Figure 0006536458
表1のように、純水と1−プロパノールとの添加量を変えた混合液A〜Fを作製した。また、混合液A〜Fは全て、触媒の量を4.0gとし、アイオノマーの量を8.91gとした。なお、アイオノマーは、固形分:20wt%、水:60wt%、1−プロパノール:20wt%で構成されている。したがった、アイオノマーに含まれる水及び1−プロパノールの量も考慮して水比率を算出している。
次いで、混合液A〜F中のカーボン担体22とアイオノマー24を超音波ホモジナイザーで分散し、触媒インクを作製した(ステップS16)。超音波ホモジナイザーによる分散は、株式会社日本精機製作所製のUS−600ATを用い、出力ON:60秒、出力OFF:60秒のサイクルを20サイクル(合計40分間)行った。なお、混合液A〜Fで作製された触媒インクをそれぞれ触媒インクA〜Fと称す。
次いで、触媒インクA〜Fをそれぞれ、白金の塗布量が0.4mg/cmとなるように、電解質膜12にスプレー塗工によって直接塗布し、電解質膜12の表面にカソード触媒層14c及びアノード触媒層14aを形成した(ステップS18)。なお、触媒インクAを用いて製造したMEA10を試料Aとし、同様に、触媒インクB〜Fを用いて製造したMEA10を試料B〜Fと称す。
発明者は、作製した試料A〜Fに対して、アイオノマー24による触媒20の被覆率を測定した。被覆率とは、触媒20の表面積のうちアイオノマー24で覆われた面積の割合である。発明者が行った被覆率の測定方法を以下に説明する。なお、以下では、カソード触媒層14cにおける被覆率を測定する場合を例に説明するが、アノード触媒層14aに対しても同様の方法で測定することができる。
まず、MEA10の温度を第1温度(例えば45℃)にする。その後、加湿された水素ガスをアノード触媒層14aに供給すると共に、第1温度以上の第2温度(例えば55℃)で露点になるように加湿された窒素ガスをカソード触媒層14cに供給する。これにより、アノード触媒層14aでプロトンHが発生する。プロトンHは電解質膜12を介してカソード触媒層14cに伝導する。
カソード触媒層14cの温度が加湿窒素ガスの露点温度(第2温度)以下の温度(第1温度)に設定されていることから、カソード触媒層14cでは加湿窒素ガスによって水滴が発生する。カソード触媒層14cで水滴が発生することで、アイオノマー24で覆われていない触媒20は水滴で覆われることになる。水はプロトン伝導性を有することから、電解質膜12を介してカソード触媒層14cに伝導したプロトンHは、アイオノマー24内だけでなく水滴内も移動して触媒20に到達する。なお、カソード触媒層14cに水滴が発生する状態を湿潤状態と称す。
次いで、アノード触媒層14aの電位を基準としてカソード触媒層14cに予め設定した範囲の電位を掃引することで、湿潤状態でのCV(サイクリックボルタンメトリー)測定を行う。そして、湿潤状態でのCV測定により得られたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を取得する。
図3(a)は、CV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムを示す図、図3(b)は、図3(a)の一点鎖線領域を拡大した図である。なお、図3(a)及び図3(b)は、開始電位0.05Vから終了電位1.2Vまで正方向に50mV/secの速さで掃引し、その後、開始電位1.2Vから終了電位0.05Vまで負方向に50mV/secの速さで掃引した場合のサイクリックボルタモグラムの一例を示している。また、湿潤状態でのCV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムに加え、後述する乾燥状態でのCV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムも示している。
図3(a)のように、電位を正方向に掃引した場合には、2つのピークA、Bが観測される。ピークAは、触媒20に吸着していたプロトンHが脱離することに伴う電流変化に由来するものである。ピークBは、触媒20に酸化被膜が形成されることに伴う電流変化に由来するものである。また、電位を負方向に掃引した場合には、2つのピークC、Dが観測される。ピークCは、触媒20に形成された酸化被膜が還元されることに伴う電流変化に由来するものである。ピークDは、触媒20にプロトンHが吸着することに伴う電流変化に由来するものである。
正方向の掃引では、プロトンの脱離に伴うピークAと酸化被膜の形成に伴うピークBとの間に、電流値の変化が小さい領域(一点鎖線の円内における領域)が観測される。同様に、負方向の掃引でも、酸化被膜の還元に伴うピークCとプロトンの吸着に伴うピークDとの間に、電流値の変化が小さい領域(一点鎖線の円内における領域)が観測される。この領域が電気二重層領域である。したがって、図3(b)の実線矢印のように、この領域での電流値幅を求めることで、電気二重層容量を測定することができる。なお、湿潤状態ではアイオノマー24で覆われていない触媒20は水滴で覆われていることから、電気二重層は、アイオノマー24又は水滴で覆われたカーボン担体22の表面とアイオノマー24又は水滴で覆われた触媒20の表面とに形成される。
第1の電気二重層容量を取得した後、窒素ガス及び水素ガスの供給を一次停止する。次いで、MEA10の温度を第2温度(例えば55℃)よりも高い第3温度(例えば80℃)にする。その後、加湿された水素ガスをアノード触媒層14aに供給すると共に、第2温度で露点になるように加湿された窒素ガスをカソード触媒層14cに供給する。
カソード触媒層14cの温度が加湿窒素ガスの露点温度(第2温度)よりも高い温度(第3温度)に設定されていることから、カソード触媒層14cでは水滴は発生しない。カソード触媒層14cで水滴が発生しないため、電解質膜12を介してカソード触媒層14cに伝導するプロトンHはアイオノマー24内のみを移動してアイオノマー24で覆われた触媒20のみに到達するようになる。なお、カソード触媒層14cに水滴が発生しない状態を乾燥状態と称す。
次いで、アノード触媒層14aの電位を基準としてカソード触媒層14cに予め設定した範囲の電位を掃引することで、乾燥状態でのCV測定を行う。そして、乾燥状態でのCV測定により得られたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を取得する。
上述したように、湿潤状態では、電気二重層は、アイオノマー24又は水滴で覆われた、カーボン担体22の表面及び触媒20の表面に形成される。これに対し、乾燥状態では、電気二重層は、アイオノマー24で覆われたカーボン担体22の表面及び触媒20の表面にのみ形成される。このため、同じ電圧(例えば0.4V)において、湿潤状態における第1の電気二重層容量と乾燥状態における第2の二重層容量とは、大きさが異なる。第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量との比を算出することで、アイオノマー24によるカーボン担体22の被覆率を算出することができる。触媒20はカーボン担体22の表面に均一に分布していると考えられるため、アイオノマー24によるカーボン担体22の被覆率とアイオノマー24による触媒20の被覆率とは同等であると言える。したがって、第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量との比を算出することで、アイオノマー24による触媒20の被覆率を算出することができる。そこで、第1の電気二重層容量に対する第2の電気二重層容量の百分率((第2の電気二重層容量/第1の電気二重層容量)×100)から、アイオノマー24による触媒20の被覆率を算出する。
表2は、上記の方法を用いてアイオノマー24による触媒20の被覆率を測定した測定結果である。
Figure 0006536458
次に、発明者は、試料A〜Fに対して、電流−電圧測定(IV測定)による活性評価を行った。なお、活性評価は、IV特性の0.01A/cmにおける電圧値を活性として評価した。これは、電流密度が小さい領域における出力電圧の低下量は、活性の低下が支配的であるため、電流密度が小さい領域での出力電圧を活性の良し悪しを判断する指標とすることができるためである。IV測定は、MEA10の温度を80℃、露点温度を55℃にし、カソード触媒層14cに空気(背圧:150kPa)を、アノード触媒層14aに水素(背圧:150kPa)を供給して行った。そして、OCVから0.4Vの範囲で5mV/secにて掃引して、0.4VからOCVに電圧を上げる際の0.01A/cmでの電圧値を求めた。
図4は、水比率と被覆率及び活性との関係を示す図である。図4において、横軸は水比率(触媒インクの作製に用いた分散媒(水+1−プロパノール)の全質量に対する水の質量の割合)を示している。左側縦軸はアイオノマー24による触媒20の被覆率を示し、右側縦軸はMEA10の活性を示している。図4のように、水比率が増大するに連れて被覆率が増大することが分かる。すなわち、水比率を調整することで、被覆率を調整できることが分かる。このように、水比率によって被覆率が変わるのは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、カーボン担体22は疎水性を有するのに対し、アイオノマー24は親水基と疎水基の両方を有する。このため、水比率が高い場合、アイオノマー24が優先的にカーボン担体22に吸着し、その結果、アイオノマー24による触媒20の被覆率が高くなる。一方、アルコール比率が高い場合、アルコールは疎水性も有するためにカーボン担体22との濡れ性が良く、アルコールで被覆されたカーボン担体22の領域(すなわち、アイオノマー24で被覆されていないカーボン担体22の領域)が大きくなり、その結果、アイオノマー24による触媒20の被覆率は小さくなる。また、実施例1におけるアイオノマー24は、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーであり、アイオノマーとして一般的に用いられるナフィオン(登録商標)などと比べて高い剛性を有する。このため、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーからなるアイオノマー24は、ナフィオン(登録商標)などのアイオノマーに比べて、粒子径の小さいカーボン担体22に密着して被覆することが難いと考えられる。ナフィオン(登録商標)などのアイオノマーはカーボン担体22を被覆し易いことから水比率を調整しても被覆率を変更させることは難しいが、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーからなるアイオノマー24はカーボン担体22を被覆し難いことから、水比率を調整することで被覆率を調整することが可能になったものと考えられる。
また、図4のように、アイオノマー24による触媒20の被覆率は、低くても高くても活性が低下する。被覆率が低くなると活性が低下するのは、プロトンを伝導できる触媒が少なくなるためである。被覆率が高くなると活性が低下するのは、アイオノマー24による触媒20の被毒の影響が大きくなるためである。したがって、発電性能向上の点において、最適な被覆率の範囲が存在する。発電性能向上の点において、活性は0.9V以上であることが好ましいことから、被覆率は62%以上且つ88%以下である場合が好ましい。すなわち、水比率は57%以上且つ86%以下とすることが好ましい。
以上のことから、実施例1によれば、以下の製造方法によってMEA10を製造する。触媒20を担持したカーボン担体22と、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーからなるアイオノマー24と、水とアルコールとからなり水比率が57%以上且つ86%以下の分散媒と、が混合した混合液を作製する。アイオノマー24による触媒20の被覆率が62%以上且つ88%以下になるように、混合液中のカーボン担体22及びアイオノマー24を分散させて触媒インクを作製する。そして、作製した触媒インクを用いて電解質膜12の表面にカソード触媒層14c、アノード触媒層14aを形成する。この製造方法によれば、アイオノマー24の使用量を増やさず、水比率を調整することで被覆率を最適範囲に調整できるため、触媒電極層のガス拡散抵抗が増大することを抑制でき、図4のように、発電性能を向上させることができる。
なお、実施例1では、活性が0.9以上となるように、水比率を57%以上且つ86%以下、被覆率を62%以上且つ88%以下にする場合を例に示したがこれに限られない。発電性能向上の点から、活性が0.902以上となるように、水比率を60%以上且つ83%以下、被覆率を64%以上且つ86%以下にする場合が好ましい。活性が0.904以上となるように、水比率を65%以上且つ80%以下、被覆率を68%以上且つ83%以下にする場合がより好ましい。
なお、実施例1では、カーボン担体22として、アセチレンブラック系カーボンブラックを用いた場合を例に示したが、ファーネスブラック系カーボンブラックや、黒鉛、炭素繊維、活性炭などやこれらの粉砕物、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素化合物などを用いてもよい。触媒20として、白金(Pt)を用いた場合を例に示したが、白金コバルト合金などを用いてもよい。
なお、実施例1では、アイオノマーによる触媒の被覆率は、CV測定によるサイクリックボルタモグラムから得られた第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量とを比較することで測定する場合を例に示したが、その他の方法によって測定してもよい。
なお、実施例1では、混合液中のカーボン担体22及びアイオノマー24の分散は、超音波ホモジナイザーを用いて行っているが、ボールミルやビーズミルなどを用いて行ってもよい。
なお、実施例1では、触媒インクを電解質膜12に直接塗布することで、電解質膜12の表面に触媒電極層を形成する場合を例に示したが、触媒インクを用いたその他の方法によって、電解質膜12の表面に触媒電極層を形成してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 膜電極接合体
12 電解質膜
14a アノード触媒層
14c カソード触媒層
20 触媒
22 カーボン担体
24 アイオノマー

Claims (1)

  1. 固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法であって、
    触媒を担持したカーボン担体と、酸性官能基と環状基とを含むパーフルオロスルホン酸ポリマーからなるアイオノマーと、水とアルコールからなる分散媒であって前記分散媒の質量に対する前記水の質量の割合が57%以上且つ86%以下である前記分散媒と、が混合した混合液を作製する工程と、
    前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率が62%以上且つ88%以下になるように、前記混合液中の前記カーボン担体及び前記アイオノマーを分散させて触媒インクを作製する工程と、
    前記触媒インクを用いて電解質膜の表面に触媒電極層を形成する工程と、を備える膜電極接合体の製造方法。
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