JP2017091739A - 触媒の被覆率の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイオノマーによる触媒の被覆率の測定精度を向上させること。
【解決手段】電極内の相対湿度が100%以上となるように加湿された不活性ガスをカソード触媒層14に供給し、アノード触媒層16に水素ガスを供給し、前記カソード触媒層と前記アノード触媒層との間に所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を測定する工程と、電極内の相対湿度が100%未満となるように加湿された不活性ガスを前記カソード触媒層に供給し、前記アノード触媒層に水素ガスを供給し、前記カソード触媒層と前記アノード触媒層との間に前記所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を測定する工程と、前記第1の電気二重層容量と前記第2の電気二重層容量とに基づいて、アイオノマー74による触媒72の被覆率を算出する工程と、を備える触媒の被覆率の測定方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、触媒の被覆率の測定方法に関する。
例えば固体高分子形燃料電池において、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を構成する電極は、触媒を担持するカーボンと、アイオノマーと、を含む。アイオノマーは、触媒を担持するカーボンを被覆するように設けられ、アノード側で生じたプロトンをカソード側触媒に運搬する役割を担う。したがって、プロトンが触媒に到達できるよう、触媒はアイオノマーで被覆されていることが望ましい。しかしながら、一部の触媒においてアイオノマーで被覆されない場合が起こり得る。この場合、アイオノマーで被覆されていない触媒にはプロトンが到達できず、その結果、発電に寄与する触媒量が減少して十分な出力が得られなくなる場合がある。したがって、触媒がどの程度アイオノマーに被覆されているのかを評価することが望ましい。そこで、アイオノマーによって触媒がどの程度被覆されているか(アイオノマーによる触媒の被覆率)を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−171119号公報
特許文献1では、測定電極をプロトン伝導性の純水とプロトン非伝導性のフッ素溶媒とのそれぞれに浸したときの触媒へのプロトンの吸着に関する電気量を取得し、それぞれの電気量を比較することで、アイオノマーによる触媒の被覆率を測定している。しかしながら、フッ素溶媒は、アイオノマーへの浸透性が高く、またカーボンとの親和性も高いため、アイオノマーで被覆されている部分にも浸透してしまう場合がある。この場合、本来アイオノマーで被覆されているにも関わらず、浸透してきたフッ素溶媒で覆われた触媒が生じてしまい、アイオノマーによる触媒の被覆率を低く測定してしまうことが起こり得る。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、アイオノマーによる触媒の被覆率の測定精度を向上させることを目的とする。
本発明は、触媒を担持するカーボンと、アイオノマーと、を有する電極において、前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率を測定する方法であって、電極内の相対湿度が100%以上となるように加湿された不活性ガスを測定電極に供給すると共に、前記測定電極と電解質膜を隔てて対向する対向電極に水素ガスを供給し、前記測定電極と前記対向電極との間に所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を測定する工程と、電極内の相対湿度が100%未満となるように加湿された不活性ガスを測定電極に供給すると共に、前記対向電極に水素ガスを供給し、前記測定電極と前記対向電極との間に前記所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を測定する工程と、前記第1の電気二重層容量と前記第2の電気二重層容量とに基づいて、前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率を算出する工程と、を備えることを特徴とする触媒の被覆率の測定方法である。
本発明によれば、アイオノマーによる触媒の被覆率の測定精度を向上させることができる。
図1(a)は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の断面図、図1(b)は、カソード触媒層の電解質膜近傍の一部を拡大した図である。 図2は、プロトンの移動について説明する図である。 図3は、実施例1に係る触媒の被覆率の測定方法に用いられる測定系を示す図である。 図4は、実施例1に係る触媒の被覆率の測定方法を示すフローチャートの一例である。 図5(a)は、カソード触媒層で水滴が発生した場合を示す図、図5(b)は、カソード触媒層で水滴が発生しない場合を示す図である。 図6(a)は、CV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムの一例を示す図、図6(b)は、図6(a)の破線領域を拡大した図である。 図7は、活性評価の結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体10の断面図である。図1(a)のように、膜電極接合体10は、電解質膜12と、電解質膜12を挟む一対の触媒電極層であるカソード触媒層14及びアノード触媒層16と、を含む。電解質膜12は、フッ素系樹脂材料又は炭化水素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。カソード触媒層14及びアノード触媒層16は、電気化学反応を進行する触媒金属(例えば白金)を担持したカーボン粒子(触媒担持担体)と、プロトン伝導性を有するアイオノマーと、を含む。
図1(b)は、カソード触媒層14の電解質膜12近傍の一部を拡大した図である。なお、アノード触媒層16はカソード触媒層14と同じ構造であるため、アノード触媒層16の電解質膜12近傍の説明は省略する。図1(b)のように、カソード触媒層14は、カーボン粒子70を含む。カーボン粒子70は、多孔質のカーボン粒子である。多孔質のカーボン粒子としては、カーボンブラックが一般的ではあるが、その他にも黒鉛、炭素繊維、活性炭などやこれらの粉砕物、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素化合物などを用いることができる。
カーボン粒子70の外表面や空孔内に、触媒(例えば白金)72が担持されている。また、カーボン粒子70の外表面や空孔内には、触媒72を覆うようにアイオノマー74が設けられている。アイオノマー74はプロトン伝導性を有することから、電解質膜12側から移動してきたプロトンは、アイオノマー74内を移動することができ、アイオノマー74で覆われている触媒72に到達することができる。このプロトンの移動について、図2を用いて説明する。
図2は、プロトンの移動について説明する図である。図2のように、電解質膜12側から伝導するプロトンは、アイオノマー74内を移動して、アイオノマー74で覆われている触媒72aに到達することができる。しかしながら、プロトンは、アイオノマー74で覆われていない触媒72bには到達することができない。つまり、触媒72aは発電に寄与することができるが、触媒72bは発電に寄与することができない。電気化学反応に関与できる触媒の表面積(電気化学的有効比表面積:ECSA)を評価するには、触媒がどの程度アイオノマーで覆われているかを考慮することが好ましい。そこで、アイオノマー74による触媒72の被覆率の測定方法を以下に説明する。
図3は、実施例1に係る触媒の被覆率の測定方法に用いられる測定系100を示す図である。図3のように、測定系100は、膜電極接合体10、カソード側ガス供給路20、アノード側ガス供給路30、電子負荷装置40、ヒータ50、及び加湿器60a、60bを備える。膜電極接合体10は、上述したように、電解質膜12と、電解質膜12を挟むカソード触媒層14及びアノード触媒層16と、を含む。カソード触媒層14には、カソード側ガス供給路20を介して、加湿器60aで加湿された不活性ガスが供給される。不活性ガスとして、例えば窒素ガスや希ガス(例えばヘリウムガスやアルゴンガス)を用いることができる。不活性ガスを用いるのは、電気化学反応による水の生成を抑制するためである。アノード触媒層16には、アノード側ガス供給路30を介して、加湿器60bで加湿された水素ガスが供給される。電子負荷装置40は、例えばポテンションスタット/ガルバノスタットであり、カソード触媒層14とアノード触媒層16との間の電圧を制御する。ヒータ50は、膜電極接合体10の温度を調整する。
図4は、実施例1に係る触媒の被覆率の測定方法を示すフローチャートの一例である。なお、ここでは、カソード触媒層14でのアイオノマー74による触媒72の被覆率を測定する場合を例に説明する。図4のように、ステップS10において、ヒータ50を用いて、膜電極接合体10の温度を第1温度(例えば45℃)に設定する。
次いで、ステップS12において、第1温度以上の第2温度(例えば55℃)で露点になるように加湿器60aで加湿された不活性ガスを、カソード側ガス供給路20を介してカソード触媒層14に供給する。次いで、ステップS14において、加湿器60bで加湿された水素ガスを、アノード側ガス供給路30を介してアノード触媒層16に供給する。これにより、アノード触媒層16でプロトンが発生する。プロトンは、電解質膜12を介してカソード触媒層14に伝導する。なお、ステップS12とS14は、逆の順序で行ってもよいし、同時に行ってもよい。
ここで、カソード触媒層14の温度が、加湿された不活性ガスの露点温度(第2温度)以下の温度(第1温度)に設定されていることから、カソード触媒層14では加湿された不活性ガスによって水滴が発生する。例えば、露点温度が55℃に設定された加湿不活性ガスが、45℃に設定されたカソード触媒層14に供給された場合の相対湿度が165%RHとなり水滴が発生する。なお、以下において、カソード触媒層14に水滴が発生する状態を湿潤状態と称す場合がある。
図5(a)は、カソード触媒層14で水滴76が発生した場合を示す図である。図5(a)のように、カソード触媒層14で水滴76が発生することで、カーボン粒子70で担持され、アイオノマー74で覆われていない触媒72bは水滴76で覆われることになる。水はプロトン伝導性を有することから、電解質膜12を介してカソード触媒層14に伝導したプロトンは、アイオノマー74内だけでなく、水滴76内も移動して、触媒72a、72bに到達するようになる。
図4に戻り、ステップS16において、電子負荷装置40を用いて、アノード触媒層16の電位を基準としてカソード触媒層14に予め設定した範囲の電位を掃引することで、湿潤状態でのCV(サイクリックボルタンメトリー)測定を行う。次いで、ステップS18において、湿潤状態でのCV測定により得られたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を取得する。
ここで、電気二重層容量の取得について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)は、CV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムの一例を示す図、図6(b)は、図6(a)の破線領域を拡大した図である。なお、図6(a)及び図6(b)は、開始電位0.05Vから終了電位1.2Vまで正方向に50mV/secの速さで掃引し、その後、開始電位1.2Vから終了電位0.05Vまで負方向に50mV/secの速さで掃引した場合のサイクリックボルタモグラムの一例を示している。また、湿潤状態でのCV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムに加え、後述する乾燥状態でのCV測定によって得られるサイクリックボルタモグラムも示している。
図6(a)のように、電位を正方向に掃引した場合には、2つのピークA、Bが観測される。ピークAは、触媒に吸着していたプロトンが脱離することに伴う電流変化に由来するものである。ピークBは、触媒に酸化被膜が形成されることに伴う電流変化に由来するものである。また、電位を負方向に掃引した場合には、2つのピークC、Dが観測される。ピークCは、触媒に形成された酸化被膜が還元されることに伴う電流変化に由来するものである。ピークDは、触媒にプロトンが吸着することに伴う電流変化に由来するものである。
正方向の掃引では、プロトンの脱離に伴うピークAと酸化被膜の形成に伴うピークBとの間に、電流値がブロードとなる領域(破線の円内における領域)が観測される。同様に、負方向の掃引でも、酸化被膜の還元に伴うピークCとプロトンの吸着に伴うピークDとの間に、電流値がブロードとなる領域(破線の円内における領域)が観測される。このブロードな領域が、電気二重層領域である。したがって、図6(b)の実線矢印のように、この領域での電流値幅を求めることで、電気二重層容量を測定することができる。なお、湿潤状態では、図5(a)のように、アイオノマー74で覆われていない触媒72bは水滴76で覆われていることから、電気二重層は、アイオノマー74又は水滴76で覆われたカーボン粒子70の表面及び触媒72a、72bの表面に形成される。
ステップS18で第1の電気二重層容量を取得した後は、例えば不活性ガス及び水素ガスの供給を一時停止する。次いで、ステップS20において、ヒータ50を用いて、膜電極接合体10の温度を第2温度(例えば55℃)よりも高い第3温度(例えば80℃)に設定する。次いで、ステップS22において、第2温度(例えば55℃)で露点になるように加湿器60aで加湿された不活性ガスを、カソード側ガス供給路20を介してカソード触媒層14に供給する。次いで、ステップS24において、加湿器60bで加湿された水素ガスを、アノード側ガス供給路30を介してアノード触媒層16に供給する。なお、ステップS22とS24は、逆の順序で行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、ステップS18の後に、不活性ガス及び水素ガスを停止せずに供給し続けてもよい。
ここで、カソード触媒層14の温度が、加湿された不活性ガスの露点温度(第2温度)よりも高い温度(第3温度)に設定されていることから、カソード触媒層14では水滴76は発生しない。例えば、露点温度が55℃に設定された加湿不活性ガスが、80℃に設定されたカソード触媒層14に供給された場合の相対湿度が30%RHとなり水滴76は発生しない。なお、カソード触媒層14に水滴76が発生しない状態を乾燥状態と称す場合がある。
図5(b)は、カソード触媒層14で水滴76が発生しない場合を示す図である。図5(b)のように、カソード触媒層14に水滴76が発生しないため、カーボン粒子70で担持されている触媒として、アイオノマー74で覆われている触媒72aと、アイオノマー74及び水滴76で覆われずに露出している72bと、が存在する。したがって、電解質膜12を介してカソード触媒層14に伝導するプロトンは、アイオノマー74内のみを移動して、アイオノマー74で覆われた触媒72aにのみ到達するようになる。
図4に戻り、ステップS26において、電子負荷装置40を用いて、アノード触媒層16の電位を基準としてカソード触媒層14に予め設定した範囲の電位を掃引することで、乾燥状態でのCV測定を行う。次いで、ステップS28において、乾燥条件でのCV測定により得られたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を取得する。
ここで、上述したように、湿潤状態では、電気二重層は、アイオノマー74又は水滴76で覆われたカーボン粒子70の表面及び触媒72a、72bの表面に形成される。一方、乾燥状態では、図5(b)のように、カーボン粒子70上に水滴76が形成されないことから、電気二重層は、アイオノマー74で覆われているカーボン粒子70の表面及び触媒72aの表面にのみ形成される。このため、同じ電圧(例えば0.4V)において、湿潤状態における第1の電気二重層容量と、乾燥状態における第2の電気二重層容量と、は大きさが異なる。
触媒72は、カーボン粒子70の表面に均一に分布していると考えられる。このため、アイオノマー74による触媒72の被覆率と、アイオノマー74によるカーボン粒子70の被覆率とは、同等であると考えることができる。したがって、第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量との比を算出することで、アイオノマー74による触媒72の被覆率を算出することができる。
そこで、ステップS30において、第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量を比較し、すなわち第1の電気二重層容量に対する第2の電気二重層容量の百分率((第2の電気二重層容量/第1の電気二重層容量)×100)から、アイオノマー74による触媒72の被覆率を算出する。
次に、発明者が行った実験について説明する。初めに、実験に用いた膜電極接合体10の作製方法について説明する。まず、触媒を担持するカーボン担体に純水を添加して攪拌した。触媒を担持するカーボン担体として、アセチレンブラック系カーボンブラック担体に50wt%白金を担持させたものを用いた。次いで、1−プロパノールをさらに添加して攪拌した。ここで、純水:1−プロパノールの比が、6:4、7:3、8:2、9:1となるように、1−プロパノールを添加した。以下において、純水:1−プロパノールの比が6:4の液体を液体A、7:3の液体を液体Bと、8:2の液体を液体Cと、9:1の液体を液体Dとする。
次いで、アイオノマーの重量Iとカーボンブラック担体の重量Cとの比(I/C)が1.0となるように、液体A〜Dにアイオノマーを添加して攪拌した。次いで、液体A〜Dを超音波ホモジナイザーによって分散した。次いで、分散した液体A〜Dを、スプレー塗工によって、白金の塗布量が0.4mg/cmとなるように、電解質膜に直接塗布した。
以上の工程によって、電解質膜12の一方の面にカソード触媒層14が形成され、他方の面にアノード触媒層16が形成された膜電極接合体10を作製した。なお、以下において、液体Aを用いて作製した膜電極接合体10を試料Aとし、液体Bを用いて作製した膜電極接合体10を試料Bとし、液体Cを用いて作製した膜電極接合体10を試料Cとし、液体Dを用いて作製した膜電極接合体10を試料Dとする。
表1は、試料A〜Dに対し図4のフローチャートで説明した方法を用いて、アイオノマーによる触媒の被覆率を測定した測定結果である。なお、カソード触媒層14に供給する加湿不活性ガスを加湿窒素ガスとし、セル温度、露点温度、CV測定の掃引条件などは図4の説明で記載した条件を用い、0.4Vにおける電気二重層容量を測定した。
Figure 2017091739
次に、発明者は、試料A〜Dに対して、電流−電圧測定(IV測定)による活性評価を行った。なお、活性評価は、IV特性の0.01A/cmにおける電圧値を活性として評価した。これは、電流密度が小さい領域における出力電圧の低下量は、活性の低下が支配的であるため、電流密度が小さい領域での出力電圧を活性の良し悪しを判断する指標とすることができるためである。IV測定は、膜電極接合体10の温度を80℃、露点温度を55℃にし、カソード触媒層14に空気(背圧:150kPa)を、アノード触媒層16に水素(背圧:150kPa)を供給して行った。そして、OCVから0.4Vの範囲で5mV/secにて掃引して、0.4VからOCVに電圧を上げる際の0.01A/cmでの電圧値を求めた。
図7は、活性評価の結果を示す図である。図7の横軸は、アイオノマーによる触媒の被覆率である。縦軸は、活性(0.01A/cmでの電圧値)である。図7のように、被覆率の低い試料Aから被覆率の高い試料Dに向かって活性が高くなる結果となった。これは、被覆率が高まることにより触媒の利用率が高まり、その結果、活性が高くなったものと考えられる。すなわち、上述したアイオノマーによる触媒の被覆率の測定方法は、被覆率が正しく測定されていることが確認できた。
以上説明したように、実施例1によれば、電極内の相対湿度が100%以上となるように加湿された不活性ガスをカソード触媒層14(測定電極)に供給する湿潤状態で求めたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を測定する。電極内の相対湿度が100%未満となるように加湿された不活性ガスをカソード触媒層14に供給する乾燥状態で求めたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を測定する。そして、第1の電気二重層容量と第2の電気二重層容量とに基づいて、アイオノマー74による触媒72の被覆率を算出する。この被覆率測定方法では、フッ素溶媒を用いないことから、アイオノマー74による触媒72の被覆率を精度良く測定することができる。また、電気二重層の電位領域(カーボン粒子70へのプロトン吸着の電位領域)は水素発生電位の電位領域と異なることから、水素発生の影響を受けずに電気二重層容量を測定できるため、この点においても、被覆率を精度良く測定できる。
なお、実施例1において、電気二重層容量の測定は、0.4V付近で行うことが好ましい。例えば0.3V以上且つ0.6V以下の範囲で行うことが好ましく、0.35V以上且つ0.55V以下の範囲で行うことがより好ましく、0.4V以上且つ0.5V以下の範囲で行うことがさらに好ましい。0.3V未満では水素吸脱着波が観測され、0.6Vよりも大きい場合では酸素吸脱着波が観測されるためである。
なお、実施例1では、図6(a)のように、正方向及び負方向の両方向に掃引したが、正方向又は負方向のいずれか一方のみの掃引としてもよい。この場合、図6(b)の破線矢印のように、0.3V以上且つ0.6V以下の領域での電流の絶対値から電気二重層容量を測定すればよい。しかしながら、サイクリックボルタモグラムがリーク電流などによって電流値0に対して正方向又は負方向にシフトする場合があることから、図6(b)の実線矢印のように、正方向及び負方向の両方向に掃引したサイクリックボルタモグラムから電気二重層容量を測定することが好ましい。
なお、実施例1では、1点の電圧(例えば0.4V)での電気二重層容量を測定し、その結果からアイオノマー74による触媒72の被覆率を算出する場合を例に示したが、これに限られない。例えば、複数点の電圧で電気二重層容量を測定し、それぞれの電圧における電気二重層容量から算出した複数の被覆率の平均値を求めてもよい。また、複数点の電圧での電気二重層容量の平均値を求め、この電気二重層容量の平均値を用いて被覆率を求めてもよい。また、0.3V以上且つ0.6V以下の領域での所定電圧範囲の電気二重層容量の積分値を求め、この積分値を用いて被覆率を求めてもよい。
なお、実施例1では、カソード触媒層14(測定電極)に加湿不活性ガスを供給し、アノード触媒層16(対向電極)に加湿水素ガスを供給して、カソード触媒層14におけるアイオノマー74による触媒72の被覆率を測定する場合を例に示した。アノード触媒層16におけるアイオノマー74による触媒72の被覆率を測定したい場合には、アノード触媒層16(測定電極)に加湿不活性ガスを供給し、カソード触媒層14(対向電極)に加湿水素ガスを供給すればよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 膜電極接合体
12 電解質膜
14 カソード触媒層
16 アノード触媒層
20 カソード側ガス供給路
30 アノード側ガス供給路
40 電子負荷装置
50 ヒータ
60a、60b 加湿器
70 カーボン粒子
72、72a、72b 触媒
74 アイオノマー
76 水滴
100 測定系

Claims (1)

  1. 触媒を担持するカーボンと、アイオノマーと、を有する電極において、前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率を測定する方法であって、
    電極内の相対湿度が100%以上となるように加湿された不活性ガスを測定電極に供給すると共に、前記測定電極と電解質膜を隔てて対向する対向電極に水素ガスを供給し、前記測定電極と前記対向電極との間に所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第1の電気二重層容量を測定する工程と、
    電極内の相対湿度が100%未満となるように加湿された不活性ガスを測定電極に供給すると共に、前記対向電極に水素ガスを供給し、前記測定電極と前記対向電極との間に前記所定の印加範囲の電位を掃引して求めたサイクリックボルタモグラムから第2の電気二重層容量を測定する工程と、
    前記第1の電気二重層容量と前記第2の電気二重層容量とに基づいて、前記アイオノマーによる前記触媒の被覆率を算出する工程と、を備えることを特徴とする触媒の被覆率の測定方法。
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