JP2019106266A - 燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質担体に触媒を担持させる際に性能を最大化が可能な燃料電池用電極の製造方法の提供。【解決手段】導電性の担体に触媒を担持させた触媒担体と、所定環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂とを溶媒に分散させた第1触媒インクを調製する工程と、前記第1触媒インクに、2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させた第2触媒インクを調製する工程と、前記第2触媒インクを電極用基材に塗布し乾燥させる工程と、備え、前記触媒担体における前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の被覆割合に相当するアイオノマー被覆率(%)を取得し、式(1)により得られる値が2〜20(%)になるように、前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の量を調節する燃料電池用電極の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用電極の製造方法に関する。
固体高分子形の燃料電池用電極の作製においては、導電性の担体に白金等の触媒を担持させた触媒担体と電解質樹脂とを含む触媒インクが用いられる。白金は高価であるため使用量を少なくすることが望まれるが、白金の使用量を少なくすると燃料電池の発電性能が低下するという問題がある。そこで、発電性能の低下を抑制するために、高い酸素透過性を有する電解質樹脂を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、このような高い酸素透過性を有する電解質樹脂を含む触媒インクを用いて電極を作製すると、触媒インクを電極用基材(例えば、電解質膜やテトラフルオロエチレンシート等)に塗布して乾燥させた際に、電極にひび割れ(クラック)が発生する場合がある。電極におけるひび割れの発生は、クロスリークの原因ともなり、燃料電池の発電性能が低下する原因となり得る。
これに対し、特許文献2には、少なくとも触媒を担持させた導電性の担体である触媒担体と、第1電解質樹脂とを、溶媒に分散させた第1触媒インクを調製する工程と、前記第1触媒インクに、第2電解質樹脂を分散させた第2触媒インクを調製する工程と、前記第2触媒インクを、電極用基材に塗布して、前記第2触媒インクに含まれる溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程と、を備え、前記第1電解質樹脂は、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有し、前記第2電解質樹脂は、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する、燃料電池用電極の製造方法が開示されている。この製造方法では、第1電解質樹脂の質量の割合が、第1電解質樹脂と第2電解質樹脂を合わせた質量に対して2%以上20%以下になるよう調整することにより、高い酸素透過性を有する電解質樹脂を含む触媒インクを用いて電極を作製する際に、ひび割れの発生を抑制できるとされている。
特開2003−36856号公報 特開2013−37940号公報
上記特許文献2の技術では、担体上の触媒が酸素透過性の低い樹脂成分によって被覆され、又は被覆厚みが厚くなることによって、酸素供給が阻害される可能性が懸念されるが、その一方で、より多孔質なカーボン担体を用いた場合には、触媒の多くが担体内部に担持されるため、電解質樹脂との接触頻度が下がり、第1電解質樹脂を増加させることによる性能への悪影響が緩和され得るものと考えられた。すなわち、特許文献2における第1電解質樹脂と第2電解質樹脂の混合比率の範囲は、触媒を担持させる担体の特性が考慮されていないため、最適な混合比率にはならない場合があり、なお改良の余地があった。
そこで本発明は、多孔質担体に触媒を担持させる際にも適用し得るような、新たな第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の混合比率の定義とその最適範囲を規定し、燃料電池としての性能を最大化することができる、燃料電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の混合比率を決定する際に、触媒担体における第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の被覆割合を反映するアイオノマー被覆率を考慮することにより、より最適な樹脂の混合比率が求められることを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)燃料電池用電極の製造方法であって、
導電性の担体に触媒を担持させた触媒担体と、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂とを溶媒に分散させた第1触媒インクを調製する工程と、
前記第1触媒インクに、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させた第2触媒インクを調製する工程と、
前記第2触媒インクを電極用基材に塗布し乾燥させる工程と、
を備え、
前記触媒担体における前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の被覆割合に相当するアイオノマー被覆率(%)を取得し、下記式(1)により得られる値が2〜20(%)になるように、前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の量を調節する、燃料電池用電極の製造方法。
Figure 2019106266
(2)式(1)により得られる値が10〜20(%)になるように、第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の量を調節する、上記(1)に記載の燃料電池用電極の製造方法。
本発明によれば、担体構造によらず、最適な樹脂の混合比率を規定することができる。したがって、よりひび割れしにくい電極の作製が可能となり、燃料電池の性能を最大化することができる。
3種類の担体を用いた燃料電池について、式(1)の値と発電性能の関係を示すグラフである。
以下、実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。
本実施形態の燃料電池用電極の製造方法は、導電性の担体に触媒を担持させた触媒担体と、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂とを溶媒に分散させた第1触媒インクを調製する工程と、その第1触媒インクに、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させた第2触媒インクを調製する工程と、得られた第2触媒インクを電極用基材に塗布し乾燥させる工程と、を備える。
触媒としては、白金が好ましく用いられるが、これに限定されるものではなく、触媒として、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム等の貴金属や、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、クロム、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、ゲルマニウム、スズ等の卑金属、これら貴金属と卑金属との合金、あるいは金属酸化物、金属錯体等の化合物を採用することもできる。
触媒を担持される導電性の担体は、アセチレンブラックの他、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル製)や、バルカン(日本キャボット社製)等のカーボン担体が適用可能である。また、カーボンに限られず、導電性を有する種々の担体を使用しても良い。担体に触媒を担持させた触媒担体における触媒の割合は、触媒の種類等によって異なるが、重量百分率にして5〜70%担持させることが好ましい。
温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂は、後述の高酸素透過性の第2電解質樹脂と比較して、基本骨格に含まれる環状構造を有する環式化合物が少ないか、もしくは含まれていない電解質樹脂であり、このような樹脂として、デュポン社のナフィオン(Nafion:登録商標)が好ましく用いられ、その他、旭化成のアシプレックス(Aciplex:登録商標)、旭硝子のフレミオン(Flemion:登録商標)等のパーフルオロスルホン酸樹脂材料等、燃料電池用電極に一般的に使用されている電解質樹脂が適用可能である。
なお、温度及び相対湿度を、それぞれ80℃及び50%としたのは、以下の理由による。一般的に、固体高分子燃料電池は、現状の固体高分子膜の特性から、起動時や負荷変動時等の一次的な状況を除いて、例えば60〜100℃の範囲で運転制御される。また、ある程度の水分がないと高いプロトン伝導性を発現できないこと、及び電極反応により水が生成することから、固体高分子燃料電池は、ある程度の湿度環境下で使用される。したがって、ここでは、一般的な運転条件である温度80℃、相対湿度50%における酸素透過性を規定した。
第1触媒インクを調製する工程では、上記の触媒担体と、低酸素透過性の第1電解質樹脂とを溶媒に分散させる。溶媒としては、水やエタノール等を用いることができる。触媒担体及び低酸素透過性の第1電解質樹脂を溶媒に加え、例えば超音波ホモジナイザー等により分散させることで、第1触媒インクを得ることができる。超音波ホモジナイザーに替えて、あるいは、超音波ホモジナイザーとともに、ボールミル、ジェットミル、振動ボールミル、マイクロカッター等の機器を使用しても良い。
続いて、得られた第1触媒インクに、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させ、第2触媒インクを調製する。
温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂は、例えば、特開2003−36856号公報に記載されるような、基本骨格として環状構造を有する環式化合物が適用可能である。このような高酸素透過性の第2電解質樹脂は、分子が剛直であり、カーボン等の担体への吸着性が悪く、担体同士が凝集し易い。さらに、高酸素透過性の第2電解質樹脂の構造上、高分子鎖が動き難く、高分子鎖同士が絡みにくく、破断強度が小さいと考えられる。そのような高酸素透過性の電解質樹脂のみを含む触媒インクを塗布・乾燥させると、溶媒の蒸発に伴い担体の凝集が進行して高分子鎖の絡み合い部分が破断し、ひび割れが生じることがある。これに対し、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂は、高酸素透過性の第2電解質樹脂と比較して、担体への吸着性が良く、担体同士の凝集を抑制する。さらに、低酸素透過性の第1電解質樹脂は、高酸素透過性の第2電解質樹脂と比較して、構造上破断強度が高い。したがって、低酸素透過性の第1電解質樹脂を添加することにより、高酸素透過性の第2電解質樹脂のみを含む触媒インクと比較して触媒インクの分散性が向上し、分子鎖同士が絡み合い、破断強度が増加する。その結果、ひび割れが生じにくくなると推察される。
高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させる際は、第1触媒インクを調製する場合と同様に、ボールミル、ジェットミル、振動ボールミル、超音波ホモジナイザー、マイクロカッター等の機器を適宜用いて行うことができる。
なお、第1及び第2電解質樹脂の酸素透過性は、例えば、電解質樹脂を厚さ0.2mm程度の薄い膜状にキャスト成型し、マイクロPt電極を用いたポテンシャルステップ法(ECS Transaction, 16(2), 881-889 (2008)参照)を用いて測定することができる。このような方法で酸素透過性を予め測定し、低酸素透過性の第1電解質樹脂及び高酸素透過性の第2電解質樹脂として適した酸素透過性を有する電解質樹脂を選択することができる。
本実施形態においては、第1電解質樹脂と第2電解質樹脂との混合割合に関し、触媒担体におけるアイオノマー被覆率(%)を取得し、下記式(1)により得られる値が2〜20(%)になるように、第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の量を調節する。好ましくは、下記式(1)の値が10〜20(%)になるように調節する。
Figure 2019106266
アイオノマー被覆率は、触媒担体における第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の被覆割合に相当するものであり、より多孔質な担体を用いる場合には、細孔内が電解質樹脂により被覆されない状態となるため、アイオノマー被覆率は減少する。このアイオノマー被覆率は、固体高分子膜と電極(燃料極及び空気極)とを一体化した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)を作製し、このMEAについて電気化学測定を行うことで求めることができる。具体的には、下記の式に基づき算出することができる。
二重層容量(Dry)/二重層容量(Wet)×100
(Wet測定条件)
参照極側:水素雰囲気(湿度80%RH以上)
対極側(測定対象の電極側):不活性ガス雰囲気N等(湿度80%RH以上)
(Dry測定条件)
参照極側:水素雰囲気(湿度50%RH以下)
対極側(測定対象の電極側):不活性ガス雰囲気N等(湿度50%RH以下)
又は、
参照極側:水素雰囲気(湿度30%RH以上)
対極側(測定対象の電極側):フッ素系不活性液体充填(3M製フロリナート等)
(電気化学測定条件)
CV:電圧を掃引して電流を計測
下限電圧:0.4V、上限電圧:0.6V以上、この範囲で繰返し電位を掃引
0.4〜0.5Vの範囲でアノーディック掃引時の電流最小値をIa、カソーディック掃引時の電流最大値をIcとした時に、
(Ia−Ic)/2=二重層容量×掃引速度
の式から二重層容量を算出する。
アイオノマー被覆率を考慮することにより、例えば多孔質担体を用いた場合(アイオノマー被覆率が小さい)には、触媒が担体内部に担持されることで、電解質樹脂と接触する触媒の比率が減少し、また電解質樹脂により被覆されていない担体の細孔を経由して外部から触媒に直接酸素が供給されるから、上記式(1)に基づき従来よりも高い第1電解質樹脂の比率が許容されることとなる。したがって、第1電解質樹脂の比率増加によるひび割れ抑制効果をより享受することができ、膜のクロスリークに起因する性能低下を低減することができる。すなわち、多孔質担体を用いることによる効果を「アイオノマー被覆率」という形で指標に組み込むことによって、担体の構造によらず最適な第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の比率を規定することができる。
第1電解質樹脂と第2電解質樹脂の比率は、第1触媒インクを調製する際に用いる第1電解質樹脂の量を予め定めておき、第2触媒インクを調製する工程において第2電解質樹脂の量を増減させることで、上記式(1)の値が2〜20(%)になるように調整することができる。あるいは、第2触媒インクを調製する工程における第2電解質樹脂の量を予め定めておき、上記式(1)の値が2〜20(%)になるように、第1触媒インクを調製する工程における第1電解質樹脂の量を調整しても良い。
得られた第2触媒インクを、電極用基材としての電解質膜の両面又は片面に、例えばバーコータにより塗布し、60℃以上、好ましくは80℃〜120℃で温風により乾燥させ溶媒を除去することによって、カソード側又はアノード側の燃料電池用電極を製造することができる。第2触媒インクの塗布方法としては、バーコータの他、例えば、ドクターブレード法により行うことができる。また、電極用基材上に第2触媒インクのスクリーン印刷を行っても良い。あるいは、スプレー印刷法や、インクジェット法により行うこともできる。また、第2触媒インクを電極用基材の片面に塗布する場合、電極用基材の他方の面には第2触媒インクとは異なる組成の触媒インクを塗布しても良い。
カソード側電極及びアノード側電極が形成された電解質膜は、カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層で両面から挟み、例えばホットプレスにより接合することで、膜電極接合体が形成される。さらに、形成された膜電極接合体にカソード側セパレータ及びアノード側セパレータを接合し、酸化剤ガス流路及び燃料ガス流路を形成することで、燃料電池が作製される。なお、上述のように電極用基材としての電解質膜に第2触媒インクを塗布しても良いが、カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層を電極用基材として用いても良い。また、電解質膜とカソード側ガス拡散層、アノード側ガス拡散層との双方に第2触媒インクを塗布しても良い。
作製した燃料電池用電極における第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の割合は、例えば、第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の組成が既知である場合には、膜電極接合体から触媒インク成分を溶媒により溶出し、溶出した溶液をGC−MS(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)等を用いて定量する方法等を用いて分析することができるが、分析方法はこれに限定されるものではなく、他の方法により適宜分析することができる。
以下、実験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(燃料電池用電極の製造)
3種類の担体として、BET比表面積が250m/gのVulcan(担体A)、BET比表面積が800m/gのKetjen(担体B)及びBET比表面積が1000m/gの多孔質カーボン(非市販品)(担体C)を用いた。それぞれの担体に触媒として白金を担持させ、触媒担体を調製した。触媒担体における白金の量は50重量%である。これら3種類の触媒担体のそれぞれを、第1電解質樹脂とともに超音波ホモジナイザーにより溶媒(水及びエタノール)に分散させ、第1触媒インクを調製した。続いて、第1触媒インクに、第2電解質樹脂をボールミルを用いて分散させ、第2触媒インクを調製した。得られた第2触媒インクを、電極用基材としての電解質膜の両面にバーコータにより塗布し、温風により乾燥させて溶媒を除去し、目的の燃料電池用電極(カソード側電極及びアノード側電極)を製造した。
なお、それぞれの第2触媒インクにおける担体の濃度は全て4.5重量%とした。これにより、それぞれの第2触媒インクを同じ量だけ使用して電極を作製することで、電極における白金の目付量(単位面積当たりに存在する白金の質量)が等しくなるように調整し、燃料電池の発電性能に及ぼす、第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の比率の影響を調べた。
(燃料電池の製造)
その後、カソード側電極及びアノード側電極が形成された電解質膜を、カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層で両面から挟み、ホットプレスにより接合することで、膜電極接合体を形成した。さらに、形成された膜電極接合体にカソード側セパレータ及びアノード側セパレータを接合し、酸化剤ガス流路及び燃料ガス流路を形成し、燃料電池を作製した。
(発電性能の測定)
作製した燃料電池について、電流密度−電圧特性を調べた。電流密度−電圧特性は、アノードガスとして水素ガスを0.5L/min、カソードガスとして1%酸素と99%窒素の混合ガスを1.0L/minで供給して燃料電池を発電させ、電流密度を変えて電圧を測定することにより取得した。なお、ガス圧は0.05MPaであり、アノードガス及びカソードガスは、いずれもバブラー方式により77℃に加湿した。セル温度は80℃、電極面積は1cmとした。
図1は、0.2A/cmの電流密度における式(1)の値と発電性能(セル電圧)との関係を示すグラフである。図1に示すように、担体A〜Cを用いた燃料電池はいずれも、式(1)の値が20%を超えると発電性能(セル電圧)が低下し始めることが分かった。担体Cについて、式(1)の値が20%になるように調整した燃料電池は、20%以外である場合に比べて最も発電性能が高かった。この燃料電池は、アイオノマー被覆率を考慮に入れない、(第1電解質樹脂重量)/(第1電解質樹脂重量+第2電解質樹脂重量)の値では24%となり、従来指標での最適範囲である2〜20%を外れていた。担体Cは、より多孔質であり、触媒である白金が担体内部に担持され、電解質樹脂と接触する触媒比率が減少し、また電解質樹脂未被覆の担体細孔を経由して外部から触媒に直接酸素が供給されたため、より高い第1電解質樹脂の比率が許容され、第1電解質樹脂の比率増加によるひび割れ抑制効果を享受できた結果と考えられる。すなわち、アイオノマー被覆率を考慮した本発明の製造方法により、従来指標では不可能であった第1電解質樹脂及び第2電解質樹脂の最適比率を見い出すことができた。

Claims (2)

  1. 燃料電池用電極の製造方法であって、
    導電性の担体に触媒を担持させた触媒担体と、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)未満の酸素透過性を有する低酸素透過性の第1電解質樹脂とを溶媒に分散させた第1触媒インクを調製する工程と、
    前記第1触媒インクに、温度80℃及び相対湿度50%の環境下において2.2×10−14mol/(m・s・Pa)以上の酸素透過性を有する高酸素透過性の第2電解質樹脂を分散させた第2触媒インクを調製する工程と、
    前記第2触媒インクを電極用基材に塗布し乾燥させる工程と、
    を備え、
    前記触媒担体における前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の被覆割合に相当するアイオノマー被覆率(%)を取得し、下記式(1)により得られる値が2〜20(%)になるように、前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の量を調節する、燃料電池用電極の製造方法。
    Figure 2019106266
  2. 式(1)により得られる値が10〜20(%)になるように、前記第1電解質樹脂及び前記第2電解質樹脂の量を調節する、請求項1に記載の燃料電池用電極の製造方法。
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