JP4506164B2 - 膜電極接合体及びその使用方法 - Google Patents

膜電極接合体及びその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)及びその使用方法に関する。
従来、図8に示すような膜電極接合体90を用いた燃料電池システムが知られている。この膜電極接合体90は、イオン交換膜からなる電解質層91と、この電解質層91の一面に一体に形成された空気極93と、電解質層91の他面に一体に形成された水素極92とを有している。
空気極93は、電解質層91の一面に接合された空気極反応層93aと、空気極反応層93aの非電解質層側に接合され、空気極反応層93aに空気を拡散する空気拡散層93bとからなる。
また、水素極92は、電解質層91の他面に接合された水素極反応層92aと、水素極反応層92aの非電解質層側に接合され、水素極反応層92aに水素を拡散する水素拡散層92bとからなる。
そして、この膜電極接合体90をセパレータで挟むことにより最小発電単位であるセルが構成され、このセルが多数積層されて燃料電池スタックが構成される。水素極反応層92aには水素供給手段によって水素が供給され、空気極反応層93aには空気供給手段によって空気が供給されるようになっている。こうして燃料電池システムが構成される。
この膜電極接合体90では、水素極反応層92aにおける電気化学的反応により、燃料の水素から水素イオンと電子とが生成される。そして、水素イオンは電解質層91内を空気極反応層93aに向かって水を伴って移動する。また、電子は、燃料電池システムに接続された負荷を通り、空気極反応層93aに流れる。一方、空気極反応層93aにおいては、空気中に含まれる酸素と水素イオンと電子とから水が生成される。このような反応が連続して起こることにより、燃料電池システムは起電力を連続して発生することができる。
しかしながら、従来の膜電極接合体90では、氷点下において燃料電池システムを始動する場合、内部に残留する水や、発電に伴う生成水が凍結してしまい、ガス通路が閉塞されることになり、出力電圧が低下し、起動することができないという問題がある。この場合の時間と燃料電池システムの出力電圧及び温度との関係を図9に示す。図9において、G91が時間と燃料電池システムの出力電圧(1セル当りの電圧)との関係を表すグラフであり、G92が時間と燃料電池システムの温度との関係を表すグラフである。また、t91が燃料電池システムの起動が開始された時刻であり、t92が負荷が接続されて発電が開始された時刻である。
この燃料電池システムでは、時刻t91において始動されると、1セル当り約1Vの出力電圧(開回路電圧)が発生する。そして、時刻t92において負荷が接続されて発電が開始されると、水素イオンと酸素との反応が発熱反応であるため、燃料電池システムの温度はわずかに上昇する。
しかし、発電に伴い生成水が発生し、この生成水が氷点下で凍結する。このため、膜電極接合体90内の水素と空気との供給路が閉塞されることになり、これにより、新たな水素イオンと酸素との反応が阻害され、急激に出力電圧が低下して発電不能になる。また、発熱反応である水素イオンと酸素との反応が維持されないため、燃料電池システムの温度はほとんど上昇することがない。このため、この燃料電池システムでは、連続した反応が遮断され、起動することができなくなる。
これに対して、特許文献1の加熱装置を備えた燃料電池システムが提案されている。この燃料電池システムでは、氷点下において始動する場合、まず加熱装置により膜電極接合体90を加熱した後、始動することとしている。そのため、この燃料電池システムでは、膜電極接合体90内部に残留する水や、発電に伴う生成水が凍結することがなく、所望の出力を得ることができる。
特開平7−94202
しかし、上記特許文献1の燃料電池システムでは、氷点下において始動する場合、通常の膜電極接合体を用いている以上、膜電極接合体内部に残留する水や、発電に伴う生成水の凍結を防止するために多大なエネルギーを必要とする。また、そのような膜電極接合体を用いている以上、暖機するのに時間がかかり、起動時間が長くなってしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることのできる膜電極接合体及びその使用方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の膜電極接合体は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
前記空気極反応層は、導電性粒子、触媒及び電解質溶液からなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
前記水素極反応層は水を吸収する吸水材、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
該水素極反応層は該吸水材によって前記空気極反応層よりも吸水容量が大きく構成されていることを特徴とする。
また、本発明の膜電極接合体は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
前記空気極反応層は、水を吸収する吸水材、導電性粒子、触媒及び電解質溶液からなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
前記水素極反応層は、前記吸水材、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
該水素極反応層は該吸水材を前記空気極反応層よりも多く含有し、
該水素極反応層は該吸水材によって前記空気極反応層よりも吸水容量が大きく構成されていることを特徴とする。
発明の膜電極接合体は、水を吸収する吸水材が空気極反応層よりも水素極反応層に多く含有されている。このため、水素極反応層の吸水容量が空気極反応層の吸水容量よりも大きい。このため、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、発電停止時においては、膜電極接合体内部に残留する水を吸収することができ、発電開始後においては、発電に伴う生成水を吸収することができる。特に、発電停止時において、空気極反応層に残留する余剰水を水素極反応層側に移動させて十分に吸収することができる。このため、低温運転時の空気極反応層のガス通路内の凍結を防止することができ、低温運転時においても、ガス通路の閉塞を長く防止して、長く発電を継続することができ、低温からの自立起動が可能になる。また、燃料電池システムを起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
したがって、発明の膜電極接合体によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
本発明の膜電極接合体は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
前記空気極反応層は、導電性粒子、触媒及び電解質溶液とからなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
前記水素極反応層は、水を吸収する吸水材、前記導電性粒子及びバインダからなる吸水層用ペーストと、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストとが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
該水素極反応層は前記水素拡散層側に該吸水層用ペーストからなる吸水層を一体的に有することを特徴とする。
この膜電極接合体は、水素極反応層が水素拡散層に水を吸収する吸水材を含む吸水層を有するため、本発明の膜電極接合体と同様の作用及び効果を生じる。
発明の膜電極接合体において、吸水材としては、活性炭、親水処理したカーボンブラック、吸水性高分子、カーボンエアロゲル、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも一種を採用することができる。吸水材として、これらの吸水性の高い親水材料を用いることにより、高い吸水効果を得ることができる。吸水性高分子としては、シリカゲル、ポリアクリル酸塩等を採用することができる。また、金属酸化物としては、TiO2、SiO2等を採用することができる。さらに、吸水性繊維としては、綿糸、化学繊維等を採用することができる。
材は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等の導電性及びガス透過性のあるものである。この基材は撥水性を有するものであることが好ましい。撥水性を有するものとするためには、カーボンクロス等の基材に撥水剤を塗布しておくことができる。
本発明の膜電極接合体は次の製造方法によって得られる。この製造方法は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体の製造方法において、
導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して空気極用ペーストを作製し、該空気極用ペーストを導電性のある基材に塗布した後、乾燥させて前記空気極反応層を形成する第1工程と、
水を吸収する吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して水素極用ペーストを作製し、該水素極用ペーストを導電性のある基材に塗布した後、乾燥させて前記水素極反応層を形成する第2工程と、
該空気極反応層と該水素極反応層との間に前記電解質層を挟んでこれらを接合し、前記膜電極接合体を得る第3工程とを有することを特徴とする。
この製造方法では、第1工程において、導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合した空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層を形成する。また、第2工程において、吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合した水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて水素極反応層を形成する。そして、第3工程において、空気極反応層と水素極反応層との間に電解質層を挟んでこれらを接合し、膜電極接合体を得る。そのため、高価な装置や厳重な管理を必要としない。
また、この製造方法では、第2工程において、吸水材を含んだ水素極反応層を形成しているため、得られた膜電極接合体は、水素極反応層が吸水性を有することとなる。これにより、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、発電停止時に空気極反応層に残留する水を水素極反応層側に移動させて吸収することができる。このため、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、発電停止時に膜電極接合体内部に残留する水を減少させることができる。そのため、燃料電池システムを起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
本発明の膜電極接合体は次の製造方法によっても得られる。この製造方法は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体の製造方法において、
水を吸収する吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して空気極用ペーストを作製し、該空気極用ペーストを導電性のある基材に塗布した後、乾燥させて前記空気極反応層を形成する第1工程と、
水を吸収する吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して水素極用ペーストを作製し、水素極用ペーストは吸水材を空気極用ペーストよりも多く含有し、該水素極用ペーストを導電性のある基材に塗布した後、乾燥させて前記水素極反応層を形成する第2工程と、
該空気極反応層と該水素極反応層との間に前記電解質層を挟んでこれらを接合し、前記膜電極接合体を得る第3工程とを有することを特徴とする。
この製造方法では、第1工程において、吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合した空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層を形成する。また、第2工程において、吸水材と導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合した水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて水素極反応層を形成する。そして、第3工程において、空気極反応層と水素極反応層との間に電解質層を挟んでこれらを接合し、膜電極接合体を得る。そのため、高価な装置や厳重な管理を必要としない。
また、この製造方法では、第1、2工程において、吸水材を含んだ空気極反応層及び水素極反応層を形成しているため、得られた膜電極接合体では、空気極反応層と水素極反応層との両方が吸水性を有することとなる。但し、水素極反応層に含有される吸水材は、空気極反応層に含有される吸水材よりも多量である。この製造方法により得られた膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、特に、発電停止時において、空気極反応層の残留する余剰水を水素極反応層側に移動させて十分に吸収することができる。
なお、特開平6−275282号公報には、水素極触媒層(水素極反応層)及び空気極触媒層(空気極反応層)の少なくとも一方に吸水性樹脂を有する燃料電池システムが開示されている。しかし、同公報には、膜電極接合体の製造方法については何ら開示が存在しない。
発明膜電極接合体は次の製造方法によっても得られる。この製造方法は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体の製造方法において、
水を吸収する吸水材と導電性粒子とバインダとを混合して吸水層用ペーストを作製し、該吸水層用ペーストを導電性のある基材の一方に塗布した後、乾燥させて拡散層となる該基材の片面に吸水層を形成する第1工程と、
導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して空気極用ペーストを作製し、該空気極用ペーストを該第1工程で得られた該基材の該吸水層側に塗布した後、乾燥させて前記空気極反応層を形成する第2工程と、
導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合して水素極用ペーストを作製し、該水素極用ペーストを該第1工程で得られた該基材の該吸水層側に塗布した後、乾燥させて該吸水層を含む前記水素極反応層を形成する第3工程と、
該空気極反応層と該水素極反応層との間に前記電解質層を挟むとともに、該水素極反応層前記水素拡散層との間に該吸水層を位置させ、前記膜電極接合体を得る第4工程とを有することを特徴とする。
この発明の製造方法では、第1工程において、吸水材と導電性粒子とバインダとを混合した吸水層用ペーストを基材の片面に塗布した後、乾燥させて拡散層の片面に吸水層を形成する。また、第2、3工程において、導電性粒子と触媒と電解質溶液とを混合した空気極用ペースト及び水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させる。水素極用ペーストは第1工程で得られた基材の吸水層側に塗布した後、乾燥させる。こうして空気極反応層を形成し、かつ吸水層を含む水素極反応層を形成する。そして、第4工程において、空気極反応層と水素極反応層との間に電解質層を挟むとともに、水素極反応層が水素拡散層との間に吸水層を位置させ、膜電極接合体を得る。そのため、高価な装置や厳重な管理を必要としない。
また、こうして得られる膜電極接合体は、厚さ方向の順に空気拡散層、空気極反応層、電解質層、水素極反応層(吸水層含む。)及び水素拡散層となるものである。この膜電極接合体は、空気極反応層から吸水層への水の移動がスムーズに行われるため、膜電極接合体内部に残留する水や発電に伴う生成水を吸収することができる。そのため、これらの膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
なお、特開2003−92112号公報には、酸化剤触媒層(空気極反応層)と酸化剤ガス拡散層(空気拡散層)との間に水蒸発制御用多孔層(吸水層)が形成された燃料電池システムが開示されている。しかし、同公報にも、膜電極接合体の製造方法については何ら開示が存在しない。
本発明の膜電極接合体の使用方法は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体の使用方法において、
前記水素極反応層は水を吸収する吸水材を含有し、
該空気極反応層のガス通路内の水を前記電解質層を通して該水素極反応層の該吸水材に吸収することにより、低温運転時の該空気極反応層のガス通路内の凍結を防止することを特徴とする材によって前記空気極反応層よりも吸水容量が大きく構成されていることを特徴とする。
本発明の使用方法では、空気極反応層のガス通路内の水を電解質層を通して水素極反応層の吸水材に吸収することにより、低温運転時の空気極反応層のガス通路内の凍結を防止している。これにより、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、発電に伴う生成水を吸収することができる。このため、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、低温時の発電に伴う生成水の凍結を防止するためのエネルギーが少なくて済む。また、この膜電極接合体を用いた燃料電池システムでは、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
したがって、発明の膜電極接合体の使用方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
本発明の膜電極接合体及びその使用方法を具体化した参考例及び実施例1〜を図面を参照しつつ説明する。
(参考例)
図1に示すように、参考例の膜電極接合体10は、イオン交換膜からなる電解質層1と、この電解質層1の一面に一体に形成された空気極13と、電解質層1の他面に一体に形成された水素極2とを有している。
空気極13は、電解質層1側に設けられ、吸水性を有する空気極反応層13aと、電解質層1と反対側の空気極反応層13aの表面側に一体に形成され、空気を拡散可能な空気拡散層13bとからなる。
また、水素極2は、電解質層1側に設けられる水素極反応層2aと、電解質層1と反対側の水素極反応層2aの表面側に一体に形成され、水素を拡散可能な水素拡散層2bとからなる。
次に、以上の構成をした膜電極接合体10の製造方法について説明する。まず、導電性粒子としてのカーボンブラックと撥水粒子としてのPTFE粒子との混合物からなる拡散層用ペーストを調製する。
そして、基材としてのカーボンクロスを用意し、拡散層用ペーストを基材の両面に塗布した後、乾燥させる。これにより、基材の両面には水をはじくとともにガスが通り易い空気拡散層13b又は水素拡散層2bが形成される。
第1工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。さらに、これに、吸水材としての高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を全体に対して1〜20質量%になるように添加する。そして、これをよく混合し、空気極用ペーストを作製する。この空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層13aを形成する。
次に、第2工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。そして、これをよく混合し、水素極用ペーストを作製する。この水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて水素極反応層2aを形成する。
そして、第3工程において、空気極反応層13aと水素極反応層2aとの間にナフィオン112(登録商標)からなる電解質層(厚さ約50μm)1を挟み込むように配置する。そして、温度140〜160°C、面圧70〜100kg/cm2の条件下で、ホットプレスによる熱圧着を行う。こうして、高価な装置や厳重な管理を必要とすることなく、膜電極接合体10を得ることができる。
参考例の製造方法では、第1工程において、高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を含んだ空気極反応層13aを形成しているため、この製造方法により得られた膜電極接合体10では、空気極反応層13aが吸水性を有することとなる。これにより、この膜電極接合体10を用いた燃料電池システムでは、発電に伴う生成水を吸収することができる。このため、この膜電極接合体10を用いた燃料電池システムでは、低温時の発電に伴う生成水の凍結を防止するためのエネルギーが少なくて済む。また、この膜電極接合体10を用いた燃料電池システムでは、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
したがって、参考例の製造方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる膜電極接合体10を製造することができる。また、参考例の膜電極接合体の使用方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
(実施例1)
図2に示すように、実施例の膜電極接合体20は、イオン交換膜からなる電解質層1と、この電解質層1の他面に一体に形成された空気極3と、電解質層1の一面に一体に形成された水素極12とを有している。
空気極3は、電解質層1側に設けられる空気極反応層3aと、電解質層1と反対側の空気極反応層3aの表面側に一体に形成され、空気を拡散可能な空気拡散層3bとからなる。
また、水素極12は、電解質層1側に設けられ、吸水性を有する水素極反応層12aと、電解質層1と反対側の水素極反応層12aの表面側に一体に形成され、水素を拡散可能な水素拡散層12bとからなる。
次に、膜電極接合体20の製造方法について説明する。まず、導電性粒子としてのカーボンブラックと撥水粒子としてのPTFE粒子との混合物からなる拡散層用ペーストを調製する。
そして、基材としてのカーボンクロスを用意し、拡散層用ペーストを基材の両面に塗布した後、乾燥させる。これにより、基材の両面には水をはじくとともにガスが通り易い空気拡散層3b又は水素拡散層12bが形成される。
第1工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。そして、これをよく混合し、空気極用ペーストを作製する。この空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層3aを形成する。
次に、第2工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。さらに、これに、吸水材としての高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を全体に対して1〜20質量%になるように添加する。そして、これをよく混合し、水素極用ペーストを作製する。この水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて水素極反応層12aを形成する。
そして、第3工程において、空気極反応層3aと水素極反応層12aとの間にナフィオン112(登録商標)からなる電解質層(厚さ約50μm)1を挟み込むように配置する。そして、温度140〜160°C、面圧70〜100kg/cm2の条件下で、ホットプレスによる熱圧着を行う。こうして、高価な装置や厳重な管理を必要とすることなく、膜電極接合体20を得ることができる。
実施例の製造方法では、第2工程において、高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を含んだ水素極反応層12aを形成している。そのため、この製造方法により得られた膜電極接合体20では、水素極反応層12aが吸水性を有することとなる。これにより、この膜電極接合体20を用いた燃料電池システムでは、発電停止時に空気極反応層3aに残留する水を水素極反応層12a側に移動させて吸収することができる。つまり、この膜電極接合体20を用いた燃料電池システムでは、発電停止時に膜電極接合体20内部に残留する水を減少させることができる。そのため、燃料電池システムを起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
したがって、実施例の製造方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる膜電極接合体20を製造することができる。また、実施例の膜電極接合体の使用方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
(実施例2)
図3に示すように、実施例の膜電極接合体30は、イオン交換膜からなる電解質層1と、この電解質層1の他面に一体に形成された空気極13と、電解質層1の一面に一体に形成された水素極12とを有している。
空気極13は、電解質層1側に設けられ、吸水性を有する空気極反応層13aと、電解質層1と反対側の空気極反応層13aの表面側に一体に形成され、空気を拡散可能な空気拡散層13bとからなる。
また、水素極12は、電解質層1側に設けられ、吸水性を有する水素極反応層12aと、電解質層1と反対側の水素極反応層12aの表面側に一体に形成され、水素を拡散可能な水素拡散層12bとからなる。但し、水素極反応層12aは空気極反応層13aよりも吸水容量が大きくなっている。
次に、膜電極接合体30の製造方法について説明する。まず、導電性粒子としてのカーボンブラックと撥水粒子としてのPTFE粒子との混合物からなる拡散層用ペーストを調製する。
そして、基材としてのカーボンクロスを用意し、拡散層用ペーストを基材の両面に塗布した後、乾燥させる。これにより、基材の両面には水をはじくとともにガスが通り易い空気拡散層13b又は水素拡散層12bが形成される。
第1工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。さらに、これに、吸水材としての高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を全体に対して1〜20質量%になるように添加する。そして、これをよく混合し、空気極用ペーストを作製する。この空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層13aを形成する。
次に、第2工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。さらに、これに、吸水材としての高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)を全体に対して1〜20質量%になるように添加する。そして、これをよく混合し、水素極用ペーストを作製する。この水素極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて水素極反応層12aを形成する。
そして、第3工程において、空気極反応層13aと水素極反応層12aとの間にナフィオン112(登録商標)からなる電解質層(厚さ約50μm)1を挟み込むように配置する。そして、温度140〜160°C、面圧70〜100kg/cm2の条件下で、ホットプレスによる熱圧着を行う。こうして、高価な装置や厳重な管理を必要とすることなく、膜電極接合体30を得ることができる。
実施例の製造方法では、第1、2工程において、吸水材を含んだ空気極反応層13a及び水素極反応層12aを形成している。そのため、この製造方法により得られた膜電極接合体30では、空気極反応層13aと水素極反応層12aとの両方が吸水性を有することとなる。これにより、この膜電極接合体30を用いた燃料電池システムでは、発電停止時においては、膜電極接合体30内部に残留する水を吸収することができる。また、発電開始後においては、発電に伴う生成水を吸収することができる。そのため、燃料電池システムを起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
また、この製造方法では、水素極反応層12aに含有される吸水材を空気極反応層13aに含有される吸水材よりも多量にしている。これにより、膜電極接合体30の水素極反応層12aは空気極反応層13aよりも吸水容量が大きくなっている。そのため、この膜電極接合体30を用いた燃料電池システムでは、特に、発電停止時において、空気極反応層13aの残留する余剰水を水素極反応層12a側に移動させて十分に吸収することができる。
したがって、実施例の製造方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる膜電極接合体30を製造することができる。また、実施例の膜電極接合体及びその使用方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
(実施例3)
図4に示すように、実施例の膜電極接合体40の構成は、イオン交換膜からなる電解質層1と、この電解質層1の他面に一体に形成された空気極3と、電解質層1の一面に一体に形成された水素極22とを有している。
空気極3は、電解質層1側に設けられる空気極反応層3aと、電解質層1と反対側の空気極反応層3aの表面側に一体に形成され、空気を拡散可能な空気拡散層3bとからなる。
また、水素極22は、電解質層1側に設けられる水素極反応層22a電解質層1と反対側に一体に設けられる吸水層22cを含む。)と、吸水層22cの表面側に一体に形成され、水素を拡散可能な水素拡散層22bとからなる。つまり、吸水層22cは、水素極反応層22aにおいて水素拡散層22bとの間に挟まれている。吸水層22cが水素極反応層22a側に設けられていることより、水素極反応層22a側は空気極反応層3a側よりも吸水容量が大きくなっている。
次に、以上の構成をした膜電極接合体40の製造方法について説明する。まず、導電性粒子としてのカーボンブラックと撥水粒子としてのPTFE粒子との混合物からなる拡散層用ペーストを調製する。
そして、基材としてのカーボンクロスを用意し、拡散層用ペーストを基材の両面に塗布した後、乾燥させる。これにより、基材の両面には水をはじくとともにガスが通り易い空気拡散層3b又は水素拡散層22bが形成される。
第1工程において、吸水材としての高吸水性ポリマー(アクアパール(登録商標)、三菱化学製)と、導電性粒子としてのカーボンブラック(デンカブラック(登録商標)、電気化学工業製)と、バインダとしてのポリエチレン粉末とを混合し、吸水層用ペーストを作製する。この吸水層用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて吸水層22cを形成する。
次に、第2工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。そして、これをよく混合し、空気極用ペーストを作製する。この空気極用ペーストを基材に塗布した後、乾燥させて空気極反応層3aを形成する。
さらに、第3工程において、カーボンブラックに予め触媒としてのPtを担持させ、Pt担持カーボン触媒(Pt担持密度30〜60%)を得る。そして、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)との質量比が0.1〜0.5程度になるように、このPt担持カーボン触媒へ電解質溶液としてのナフィオン(登録商標)溶液(5質量%溶液)を添加する。そして、これをよく混合し、水素極用ペーストを作製する。この水素極用ペーストを第1工程で形成した水素拡散層22b、吸水層22cからなる部材の吸水層22c側に塗布した後、乾燥させて水素極反応層22aを形成する。
そして、第4工程において、空気極反応層3aと水素極反応層22aとの間にナフィオン112(登録商標)からなる電解質層(厚さ約50μm)1を挟み込むとともに、水素極反応層22aにおいて水素拡散層22bとの間に吸水層22cを挟み込むように配置する。そして、温度140〜160°C、面圧70〜100kg/cm2の条件下で、ホットプレスによる熱圧着を行う。こうして、高価な装置や厳重な管理を必要とすることなく、膜電極接合体40を得ることができる。
実施例の製造方法では、第4工程において、空気極反応層3aと水素極反応層22aとの間に電解質層1を挟むとともに、水素極反応層22a水素拡散層22bとの間に吸水層22cを挟んでこれらを接合し、膜電極接合体40を得ている。この膜電極接合体40では、吸水層22cが水素極反応層22a側に設けられていることより、水素極反応層22a側は空気極反応層3a側よりも吸水容量が大きくなっている。これにより、空気極反応層3a側から水素極反応層22a側への水の移動がスムーズに行われるため、膜電極接合体40内部に残留する水や発電に伴う生成水を吸収することができる。そのため、この膜電極接合体40を用いた燃料電池システムでは、起動させるに際し、暖機するとしても、その暖機時間が短くなり、起動するまでの時間を短くすることができる。
したがって、実施例の製造方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる膜電極接合体40を製造することができる。また、実施例の膜電極接合体及びその使用方法によれば、低温環境下にあっても燃料電池システムを容易に起動させることができる。
試験)
参考例及び実施例1〜についての効果を確認するための試験を行った。
まず、参考例1及び実施例1〜の膜電極接合体10、20、30の他、比較例として従来の製造方法により製造された膜電極接合体90を用意した。なお、この膜電極接合体90は、参考例と同様の製造方法により製造されたものである。但し、膜電極接合体90の製造方法では、空気極用ペーストに吸水材を添加していない。
これら膜電極接合体10、20、30、90をセパレータで挟んでセルを構成した。そして、セルを−10°Cで冷却しつつ、電流密度0.1A/cm2にて発電を行い、その際の電圧を測定した。その結果を、図5〜7のグラフG1〜3に示す。
図5は、参考例の膜電極接合体10のグラフG1である。図6は、実施例の膜電極接合体20のグラフG2である。また、図7は、実施例の膜電極接合体30のグラフG3である。ただし、図5〜7には、膜電極接合体90のグラフG91も併せて示した。
図5〜7によれば、参考例及び実施例1〜の膜電極接合体10、20、30は、膜電極接合体90に比較して長時間の発電が可能であり、氷点下における発電特性に優れていることがわかる。なお、実施例の膜電極接合体40についても、同様の効果を得ることができると推測される。
本発明は電気自動車等の移動用電源、あるいは据え置き用電源に利用可能である。
参考例に係り、膜電極接合体の模式図である。 実施例に係り、膜電極接合体の模式図である。 実施例に係り、膜電極接合体の模式図である。 実施例に係り、膜電極接合体の模式図である。 参考例に係り、膜電極接合体の時間と電圧との関係を示すグラフである。 実施例に係り、膜電極接合体の時間と電圧との関係を示すグラフである。 実施例に係り、膜電極接合体の時間と電圧との関係を示すグラフである。 従来の膜電極接合体の模式図である。 従来の膜電極接合体の時間と電圧との関係を示すグラフである。
10、20、30、40…膜電極接合体
1…電解質層
3a、13a…空気極反応層
3b、13b…空気拡散層
2a、12a、22a…水素極反応層
2b、12b、22b…水素拡散層
22c…吸水層

Claims (4)

  1. 電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
    前記空気極反応層は、導電性粒子、触媒及び電解質溶液からなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
    前記水素極反応層は、水を吸収する吸水材、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
    該水素極反応層は該吸水材によって前記空気極反応層よりも吸水容量が大きく構成されていることを特徴とする膜電極接合体。
  2. 電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
    前記空気極反応層は、水を吸収する吸水材、導電性粒子、触媒及び電解質溶液からなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
    前記水素極反応層は、前記吸水材、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
    該水素極反応層は該吸水材を前記空気極反応層よりも多く含有し、
    該水素極反応層は該吸水材によって前記空気極反応層よりも吸水容量が大きく構成されていることを特徴とする膜電極接合体。
  3. 電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体において、
    前記空気極反応層は、導電性粒子、触媒及び電解質溶液とからなる空気極用ペーストが導電性のある基材に塗布、乾燥されてなり、
    前記水素極反応層は、水を吸収する吸水材、前記導電性粒子及びバインダからなる吸水層用ペーストと、前記導電性粒子、前記触媒及び前記電解質溶液からなる水素極用ペーストとが前記基材に塗布、乾燥されてなり、
    該水素極反応層は前記水素拡散層側に該吸水層用ペーストからなる吸水層を一体的に有することを特徴とする膜電極接合体。
  4. 電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層と、該電解質層の他面に接合された水素極反応層と、該水素極反応層の非電解質層側に接合され、該水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とを有する膜電極接合体の使用方法において、
    前記水素極反応層は水を吸収する吸水材を含有し、
    該空気極反応層のガス通路内の水を前記電解質層を通して該水素極反応層の該吸水材に吸収することにより、低温運転時の該空気極反応層のガス通路内の凍結を防止することを特徴とする膜電極接合体の使用方法。
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