JP2004158387A - 固体高分子型燃料電池用の電極構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体高分子膜1と、前記固体高分子膜1を挟んで設けられた一対の電極触媒層2a、2bと、前記電極触媒層2c、2dの上に設けられた一対のガス拡散層4a、4bとから構成された固体高分子型燃料電池用の電極構造体MEAにおいて、電極触媒層2a、2bは、水の排出性を高めるための造孔材PMを含んで構成され、かつ、前記電極触媒層2a、2bと前記ガス拡散層4a、4bとの間には、水の保持性を高める保水層3が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池用の電極構造体に関し、更に詳しくは、固体高分子型燃料電池へ供給する反応ガスの供給の遅延に由来する劣化を防止した固体高分子型燃料電池用の電極構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車の動力源として固体高分子型の燃料電池が注目されている。
固体高分子型の燃料電池は、常温でも発電することが可能であり、様々な用途に実用化されつつある。
【0003】
この燃料電池は、水素を含有する燃料ガスを燃料電池のアノード極(燃料ガス極)に供給すると共に、酸素を含有する酸化剤ガスを燃料電池のカソード極(酸化剤ガス極)に供給して発電を行う。例えば前記酸化剤ガスとして空気を供給した場合は、以下の反応式で表される化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出して外部の負荷に供給する。
アノード極;2H2→4H++4e−
カソード極;O2+4H++4e−→2H2O
全体;2H2+O2→2H2O (1)
このとき、アノード極の反応で生成したプロトンは、固体高分子膜(電解質膜)中を通ってカソード極側に水と一緒に運ばれる。また、生成した電子は外部回路を通ってカソード極に運ばれる。カソード極に運ばれたプロトン及び電子は空気中の酸素と反応して水を生成する。
また、固体高分子膜型の燃料電池は、常に固体高分子膜(電解質膜)のプロトン導電性を維持するためには水が必要となるため、燃料電池へ供給される反応ガスは加湿されて供給される。
【0004】
一般に、固体高分子型燃料電池(PEFC)の単セル100は、図6に示すように、固体高分子膜101の両側に、電極触媒層102a,102bと、ガス拡散層103a,103bとを設けて電極構造体(MEA)を形成し、この電極構造体(MEA)の両側に、燃料電池の反応ガスである燃料ガスや酸化剤ガスの供給路を兼ねているセパレータ104a,104bとを順番に設け、2つのセパレータ104a,104bの間にこれらの層を介在させてセパレータ104a,104bの両側から固体高分子膜101を挟持することで構成される。
【0005】
ここで、前記式(1)の反応が進行している状況において、燃料が不足すると、式(2)で表されるカーボン腐食反応が進行すると言われている。
2H2O + C →4H+ +CO2↑ (2)
このような反応が進行すると、触媒担体であるカーボンブラックを消耗し、その結果、電極構造体、ひいては燃料電池そのものが劣化してしまう。
そのため、前記式(1)で表される反応に着目して、電極触媒層に水保持機能を持たせることにより(特願2001−368964号)あるいは水の電気分解を促進する触媒を電解触媒層に添加するとにより(特許文献1)、式(2)で表されるカーボン腐食反応の進行を防止していた。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第01/15254号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の電極触媒層に水保持機能を持たせる方法や水の電気分解を促進する触媒を添加する方法では、一時的な燃料不足に対しては有効であると思われるが、実際の運転状況において想定されるような繰返し生じる燃料不足(例えば急加速時等)や定格運転条件下では、電極触媒層の高められた水保持機能のために、フラッディングを生じる恐れがある。フラッディングとは、電極触媒層中の細孔等のガス拡散流路に水が溜まりガスの拡散を阻害する現象である。このようなフラッディングが生じると、電極構造体の性能が低下するばかりでなく、燃料不足が繰返し生じるような燃料電池の運転状況においては、フラッディングにより燃料ガスの供給が阻害され、アノード極中の燃料不足領域が拡大し、そのためカーボンの腐食が進行して電極構造体の性能低下を生じる可能性があった。
従って、本発明の課題は、燃料不足に由来するカーボン腐食反応の進行を防止し、かつ、フラッディングを防止することが可能な電極構造体、特に車両に搭載することを目的とする燃料電池用の電極構造体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた請求項1に記載された固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、固体高分子膜と、前記固体高分子膜を挟んで設けられた一対の電極触媒層と、前記電極触媒層の上に設けられた一対のガス拡散層とから構成された固体高分子型燃料電池用の電極構造体であって、
前記電極触媒層は、水の排出性を高めるための造孔材を含んで構成され、かつ、前記電極触媒層と前記ガス拡散層との間には、水の保持性を高める保水層が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1に記載された発明によると、電極触媒層に水の排出性を高めるための造孔材を添加したことにより、フラッディングを防止することができる。一方、電極触媒層とガス拡散層との間に水の保持性を高める保水層を設けたので、固体高分子膜のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保することができるため、燃料不足時におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
従って、高性能を維持しかつ耐久性のある固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。
【0010】
請求項2に記載された固体高分子型燃料電池用の電極は、前記ガス拡散層は、{(飽和水蒸気圧下におけるガス拡散層の質量)−(ガス拡散層の乾燥質量)}/(ガス拡散層の乾燥質量)×100[%]で計算される含水率が50〜90%となるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体である。
【0011】
請求項2に記載された発明によると、吸水率を所定範囲にすることにより、燃料不足による電極構造体の劣化を防止する固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。すなわち、前記含水率が大きくなり過ぎることによるフラッディングを防止することができ、かつ、前記含水率が小さくなり過ぎることによる電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
【0012】
請求項3に記載された固体高分子型燃料電池用の電極は、前記ガス拡散層は、所定流量の気体を通流させたときのガス拡散層前後の差圧が60mmH2O〜120mmH2Oとなるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用の電極である。
【0013】
請求項3に記載された発明によると、ガス拡散層の含水率を一定とした場合、ガス拡散層前後の差圧が変動した際の所定範囲にすることにより、燃料不足による電極構造体の劣化を防止する固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。すなわち、ガス拡散層前後の差圧が大きくなり過ぎることによるフラッディングを防止することができ、かつ前記差圧が小さくなり過ぎることによる電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
【0014】
請求項4に記載された固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、サイクリックボルタンメトリ法により測定した前記電極触媒層中に存在する全触媒物質の電荷量に対する前記固体高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量の割合が15%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体である。
【0015】
サイクリックボルタンメトリ法により測定した前記電極触媒層中に存在する全触媒物質の電荷量に対する前記固体高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量とは、後述する通り高分子膜と電極触媒層との密着率の指標であり、請求項4に規定した通り、この割合が15%以上であると、すなわち充分な密着性を有する場合には、密着率の低下に由来するカソード極側で生成した生成水の逆拡散量の低下して、電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することが可能となる。
【0016】
請求項5に記載された固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、前記電極触媒層が触媒と、前記触媒と担持するカーボン粒子と、イオン導電性ポリマと、結晶性炭素繊維とを含み、前記ガス拡散層は、前記電極触媒層側から順にイオン導電性ポリマとカーボン粒子と結晶性炭素繊維を含む撥水層と、布状カーボンから構成された層を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体である。
【0017】
前記保水層と前記ガス拡散層との間に、水の排出性を高める撥水層を設けたことにより、セパレータから供給される加湿された反応ガスが、多孔質の支持層であるガス拡散層で分散される。このとき孔の中で水蒸気が凝縮するが、撥水層を設けたことにより、凝縮した水の抜けが良くなりガス拡散層の後段に設けられた保水層に短時間で水が供給できる。従って、固体高分子膜のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保することができるため、燃料不足による電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(全体構成:第一実施形態)
最初に、本発明に係る第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)を備えた固体高分子型燃料電池の単セル全体の構造について図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体を備えた第一実施形態の単セル全体の構成を示す図である。
本発明に係る一実施形態の固体高分子型燃料電池の単セルは、図1に示すように、固体高分子膜1の両側に、電極触媒層2a,2bと、保水層3a,3bと、ガス拡散層4a,4bとから構成された電極構造体(MEA)と、電極構造体(MEA)上に形成された燃料電池の反応ガスである燃料ガス(又は酸化剤ガス)の供給路を兼ねているセパレータ5a,5bとを順番に設け、セパレータ5a,5bの間にこれらの層を介在させてセパレータ5a,5bの両側から固体高分子膜1を挟持することで主要部が構成される。
【0019】
固体高分子膜1は、イオン導電性のある電解質膜であり、特にパーフルオロ型のスルホン酸膜、例えば製品名としてナフィオン(登録商標名)、フレミオン(登録商標名)、アシプレックス(登録商標名)等の膜が使用される。本実施形態では、デュポン社製のナフィオン膜を使用している。
固体高分子膜1が充分なプロトン導電性を確保するためには、膜中に十分に保水することが不可欠である。しかしながら、プロトンは膜中で水和しており、いわゆる電気浸透によりアノード極側からカソード極側へ水を持ち去るため、特にアノード極の電極、電解質が乾燥し易くなる。そのためセパレータ5a,5bから供給される反応ガスは、固体高分子膜1が乾燥しないように、加湿して供給される。
【0020】
電極触媒層2a,2bは、燃料ガス用の電極として使用する場合と、酸化剤ガス用の電極として使用する場合では触媒の金属成分が異なる。通常、白金担持触媒が用いられているが、ガス中に一酸化炭素が含まれる場合は白金が被毒されるので、白金に被毒防止用の金属がさらに加えられる。
本実施形態では、酸化剤ガス用の電極としては、カーボンブラックに白金を坦持させた白金坦持触媒が、燃料極用の電極としてはカーボンブラックに白金及びルテニウムを坦持させた触媒が使用される。しかしながら、本発明は電極の構成に限定されるものではない。
【0021】
保水層3a,3bは、イオン導電性ポリマに造孔材PMを添加して形成された層であり、水分を保持する能力の高い層である。一般に、イオン導電性ポリマとしては、ポリテトラフルオロエチレンの共重合体、ポリピロール、ポリアニリン等を分散媒中でコロイド粒子にしたものが、また、造孔材PMとしては、カーボン、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポロビニルアルコール、セルロース、多糖類等の有機系の造孔材PMが使用されている。
本実施形態では、保水層の造孔材として、カーボンブラック粉末に結晶性炭素繊維を混合したものを使用している。しかしながら、本発明はこのような保水層の構成に限定されるものではない。
【0022】
ガス拡散層4a,4bは、集電材料の多孔質の支持層、例えばカーボンペーパ(気孔率約80%)が使用される。
本実施形態では、テフロン(R)ディスパージョンにカーボンブラック粉末をカーボンペーパに塗布したものをガス拡散層4a,4bとして使用している。
【0023】
セパレータ5a,5bは、溝を有しており、この部分が反応ガスの供給通路として利用される。セパレータ5a,5bの材質は炭素系及び金属系が用いられ、用途によって適宜合わせて材質を選定している。
【0024】
このように構成される第一実施形態の固体高分子型燃料電池の単セルで使用される第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、
(1)電極触媒層2a,2bに水の排出性を高めるための造孔材PMを添加したことにより、フラッディングを防止することが可能となる。
(2)一方、反応ガス中の相対湿度が低い条件下では、電極触媒層2a,2bとガス拡散層4a,4bとの間に水の保持性を高める保水層3a,3bを設けたので、ガス拡散層4a、4bは、固体高分子膜1のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保することができるため、燃料不足時でも、電極構造体MEAを構成する電極触媒層2a、2bにおけるカーボン腐食の進行を防止することが可能となる。
【0025】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)について図2を参照して説明する。
図2は、ガス拡散層の含水率に対する耐久試験前後の単セルの端子電圧差(Δ端子電圧)の関係を示すグラフである。
尚、図2において、横軸は、ガス拡散層の乾量基準の含水率を、縦軸は、耐久試験前後の単セルの端子電圧差(Δ端子電圧)を示す。また、含水率は、下記式により計算したものである。
【0026】
含水率={(飽和水蒸気圧下におけるガス拡散層の質量)−(ガス拡散層の乾燥質量)}/(ガス拡散層の乾燥質量)×100[%]。
【0027】
(耐久試験)
また、耐久試験は、以下の通り実施した。
まず、図1に示す本発明の電極構造体MEA及び図6に示す比較用電極構造体MEAを組み込んだ燃料電池の電流・電圧性能を確認後、以下の通りに水素不足過渡耐久試験(負荷試験)を行った。水素不足過渡耐久試験は、印加電流を0A/cm2から1A/cm2の間を一定に増減させることを、繰返し200時間行った。増減の間隔は0〜1A/cm2の増加および1〜0A/cm2の減少とも20秒とした。アノード極およびカソード極ガス導入量は、平均利用率が各々200%および50%となるようにした。このような200時間の耐久試験前後の端子電圧差を本発明ではΔ端子電圧として使用する。このΔ端子電圧の値が大きくなるに従って、電極構造体の性能が劣化していることを示す。本発明では、実用的なΔ端子電圧を30mV以下と規定した。
【0028】
(含水率測定)
また、ガス拡散層の含水率の測定方法は以下のようにして測定した。
(1)所定の大きさ・質量のガス拡散層を含水率測定装置へ導入する。
(2)水蒸気圧を変化させて、ガス拡散層の質量の変化がなくなるまで放置する。(3)水蒸気圧下で質量が一定になったら、ガス拡散層の質量を電子天秤にて秤量し、上式から各水蒸気圧毎の含水率を求める。
(4)次に、実際の運転条件に設定された恒温恒湿槽に所定の大きさ・質量のガス拡散層のサンプルを導入して1時間放置し、サンプルを取り出して表面の水分を拭き取った後、電子天秤にてサンプルを秤量し、上式から含水率を求めた。
【0029】
図2に示す通り、含水率が50%までの領域では、含水率が低くなるのに従ってΔ端子電圧が徐々に上昇する。これは、含水率が少なくなるのに従って、水排出性が高まり水の電気分解だけでは水素イオンを供給することができず、電極触媒層におけるカーボン腐食反応が進行することを意味する。
また、含水率が90%を超えた領域では、含水率が上昇するのに従って、Δ端子電圧が徐々に上昇していく。すなわち、含水率が90%を超えて高くなるに従って、フラッディングによるガス供給能が低下し、そのため燃料不足領域が拡大するためである。
これらに対して、含水率50%から90%までの領域では、Δ端子電圧が安定して低い状態を保っていることが判る。
【0030】
以上の理由から、第二実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)は、第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)においてガス拡散層の含水率を50%〜90%の範囲となるように特定した。
【0031】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体について図3を参照して説明する。第三実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、第二実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体のようにガス拡散層の含水率を調整するのでは無く、所定流量のガスをガス拡散層に通流させたときのガス拡散層前後の差圧が60mmH2O〜120mmH2Oとなるように差圧を調整している。
【0032】
図3(a)は、第二の実施の形態と同様にして200時間連続負荷を行った前後の端子電圧の差(Δ端子電圧)とガス拡散層前後の差圧との関係を示すグラフであり、図3(b)は、ガス拡散層の差圧を測定するときの測定方法を説明するための図である。
尚、ガス拡散層の差圧の測定方法は、図3(b)に示すように、ガス拡散層をガス流路の途中に挟持して保持し、反応ガスを所定流量、例えば500L/cm2/min流したときのガス拡散層前後の差圧ΔPから求められる。
【0033】
図3(a)から、差圧が60mmH2Oまでの範囲では、差圧が小さくなるのに従って、Δ端子電圧の値が大きくなることが判る。この領域では、水排出性が高まり水の電気分解だけでは水素イオンを供給することができず、電極触媒層におけるカーボン腐食反応が進行する。一方、差圧が120mmH2Oを超えた範囲では、差圧が高くなるに従って、フラッディングによるガス供給能が低下し、そのため燃料不足領域が拡大する。
これに対して、差圧が60mmH2O〜120mmH2Oの範囲では、Δ端子電圧が安定して低い状態を保っていることが判る。
【0034】
尚、Δ端子電圧の値が大きいことは、前記の通り耐久試験前後の端子電圧差が大きいことであり、従って固体高分子型燃料電池の出力低下を示すものである。
以上の理由から、第三実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)は、第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体(MEA)において所定流量のガスをガス拡散層に通流させたときのガス拡散層前後の差圧が60mmH2O〜120mmH2Oとなるように差圧を特定した。
【0035】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、第二の実施の形態と同様にして200時間連続負荷を行った前後の端子電圧の差(Δ端子電圧)と固体高分子膜と電極触媒層との密着率の関係を示すグラフであり、そして図5(a)および図5(b)は、サイクリックボルタンメトリ法により電極触媒層中に存在する電気化学的表面を測定する方法を説明する図である。
第四実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体は、第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体において、固体高分子膜1と電極触媒層2a、2bとの密着率を規定したものである。
サイクリックボルタンメトリ法により測定した前記電極触媒層中に存在する全触媒物質の電荷量に対する前記固体高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量の割合を15%以上に規定した。
尚、本実施態様で密着率の尺度としてサイクリックボルタンメトリ法により測定した電荷量を使用した。以下、サイクリックボルタンメトリ法により密着率について、図5(a)および図5(b)に基づいて説明する。
【0036】
図5(a)に示す通り、本発明においては、まず通常のサイクリックボルタンメトリ法によりアノード極A及びカソード極Cの両極に加湿ガスを供給して、単セル全体に水分を行き渡らせて、全触媒粒子の電気化学表面の電荷量、すなわち全触媒物資の電荷量を測定する。
次いで、図5(b)に示す通り、片方の極であるアノード極Aだけに加湿ガスを供給して、触媒粒子の電気化学表面を測定する。アノード極A側だけを加湿すると、アノード極A側から供給された水分は、カソード極A側の固体高分子膜1の導伝経路だけに分散することとなる。このため、導伝経路中に存在し、高分子膜と電極触媒層界面に存在する触媒の電気化学表面、すなわち電荷量を測定することが可能である。
【0037】
本発明において、密着率は下記式で計算される。
密着率=(高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量)/(全触媒物質の電荷量)×100(%)と定義した。
この導伝経路中に存在し、高分子膜と電極触媒層界面に存在する触媒の量が多いほど、すなわち、密着率が高いほど触媒を有効活用することが可能である。
【0038】
図4に示す通り、密着率が15%までの領域では密着率が上昇するのに従ってΔ端子電圧が急激に減少し、その後(密着率15%を以上の領域)では徐々にΔ端子電圧が減少する。
すなわち、密着率15%未満の領域では、カソード極側で生成した生成水の逆拡散量が低下するので、水の電気分解だけでは充分な水素イオンを供給することができず、そのため、電極触媒層におけるカーボン腐食反応が進行する。一方。密着率15%以上であると、このような現象は起きず充分な耐久性を維持することが可能となる。
【0039】
【実施例】
次に、上述した第一実施形態〜第四実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体から得られた知見をさらに確認するために行った実施例を説明する。
最初に、本実施例で調製した固体高分子型燃料電池の単セルを構成する部材・層の製法について説明する。
【0040】
(1)電極触媒層
1−a)カソード極(酸化剤ガス極)の製法
イオン導電性ポリマ(Nafion(登録商標名) SE20192;デュポン株式会社製)35gと、カーボンブラックと白金との質量比を50:50とした白金担持カーボン粒子(TEC10E50E;田中貴金属工業株式会社製)10gに結晶性炭素繊維(VGCF;昭和電工株式会社製)2.5gを混合しカソード極用の触媒ペーストとした。この触媒ペーストをFEP(弗化エチレンプロピレンテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)シート上に白金量が0.3mg/cm2となるように塗布・乾燥し、最終的に電極触媒層のシートCAとした。
【0041】
1−b)アノード極(燃料ガス極)の製法
イオン導電性ポリマ(Nafion(登録商標名) SE20192;デュポン株式会社製)36.8gと、カーボンブラックと触媒の質量比を46:54とした白金−ルテニウム担持カーボン粒子(白金:ルテニウム=1:1;TEC61E54、田中貴金属工業社製)10gを混合し、アノード極用の触媒ペーストとした。この触媒ペーストをFEP(弗化エチレンプロピレンテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)シート上に白金量が0.15mg/cm2となるように塗布・乾燥し、最終的に電極触媒層のシートANとした。
尚、電極触媒層のシートCA及び電極触媒層のシートANをデカール法(ホットプレス法)により固体高分子膜(電解質膜)に転写し、本発明の電極構造体MEAを形成した。
【0042】
[実施例1]
保水層は、イオン導電性ポリマ(Nafion(登録商標名) SE20192;デュポン株式会社製)25gと、カーボンブラック粉末(ケッチェンブラック;Cabot株式会社製)5gに結晶性炭素繊維(VGCF;昭和電工株式会社製)2.5gを混合した保水層用のペーストを使用して形成した。
撥水層は、テフロン(R)ディスパージョン(L170J;旭硝子株式会社製)12gにカーボンブラック粉末(バルカンXC75;Cabot株式会社製)18gを混合し撥水層用のペーストを使用して形成した。
次に、予め撥水処理したカーボンペーパ(TGPO60;東レ株式会社製)上に前記撥水層用のペーストを2.3mg/cm2塗布した後、さらに前記保水層用のペースト0.3mg/cm2を塗布してガス拡散層を形成した。
最終的には、この拡散層2枚で上述したMEAを挟み込むことで実施例1の単セルを構成した。
【0043】
[実施例2]
撥水処理したカーボンペーパ(TGPO60;東レ株式会社製)上への保水層用のペーストの塗布量を0.4mg/cm2(実施例1より多量に塗布)とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
[実施例3]
撥水処理したカーボンペーパ(TGPO60;東レ株式会社製)上への保水層用のペーストの塗布量を0.2mg/cm2(実施例1より少量に塗布)とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
【0044】
[比較例1]
実施例1における保水層中に添加する結晶性炭素繊維の量を3.5g(実施例1より多量に添加)とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
[比較例2]
実施例1における保水層中に添加する結晶性炭素繊維の量を0(無添加)とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
【0045】
[比較例3]
実施例1における保水層用のペーストを塗布せずに、撥水層用のペーストのみを塗布した以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
[比較例4]
実施例1における保水層用のペーストを塗布せずに、かつ撥水層用のペーストも塗布しなかった以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
[比較例5]
実施例1におけるデカール法による電極シートを高分子膜に転写する際の転写圧を10kg/cm3とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
[比較例6]
実施例1におけるデカール法による電極シートを高分子膜に転写する際の転写圧を30kg/cm3とした以外は実施例1と同様な方法で単セルを作成した。
【0046】
(結果および考察)
上記した実施例1〜3、及び比較例1〜6の単セルを使用した測定結果を表1に示す。
尚、運転条件は、以下の条件で確認実験を行った。
▲1▼加湿条件は燃料ガス及び酸化剤ガスどちらも同じ相対湿度。
▲2▼運転温度は、75℃。
▲3▼燃料ガス極及び酸化剤ガス極に供給するガス圧力はどちらもゲージ圧で200kPa。
▲4▼端子電圧は、燃料電池の電極の電流密度が1mA/cm2のときの値。
▲5▼Δ端子電圧は、実施の形態で記載の方法により200時間耐久試験を行った前後の端子電圧の差。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例1〜実施例3は、全て良好なΔ端子電圧値を示し、200時間の耐久試験前後で性能の劣化は見られなかった。
これに対して、差圧が本発明の範囲外である比較例1〜4では、本発明のΔ端子電圧よりも高い値を示し、単セルの性能劣化が著しい。
また、密着率が本発明の範囲外である比較例5及び6では、本発明のΔ端子電圧よりも高い値を示し、200時間耐久試験後に単セルの性能劣化していることが判る。
【0049】
以上、第一実施形態〜第四実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極について説明したが、本発明に係る固体高分子型燃料電池用の電極構造体はこれに限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の構成と作用からなる本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載された発明によると、電極触媒層に水の排出性を高めるための造孔材を添加したことにより、フラッディングを防止することができる。一方、電極触媒層とガス拡散層との間に水の保持性を高める保水層を設けたので、固体高分子膜のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保することができるため、燃料不足時におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
従って、高性能を維持しかつ耐久性のある固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。
【0051】
請求項2に記載された発明によると、吸水率を所定範囲にすることにより、燃料不足による電極構造体の劣化を防止する固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。すなわち、前記含水率が大きくなり過ぎることによるフラッディングを防止することができ、かつ、前記含水率が小さくなり過ぎることによる電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
【0052】
請求項3に記載された発明によると、ガス拡散層の含水率を一定とした場合、ガス拡散層前後の差圧が変動した際の所定範囲にすることにより、燃料不足による電極構造体の劣化を防止する固体高分子型燃料電池用の電極構造体を提供できる。すなわち、ガス拡散層前後の差圧が大きくなり過ぎることによるフラッディングを防止することができ、かつ前記差圧が小さくなり過ぎることによる電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することができる。
【0053】
サイクリックボルタンメトリ法により測定した前記電極触媒層中に存在する全触媒物質の電荷量に対する前記固体高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量とは、後述する通り高分子膜と電極触媒層との密着率の指標であり、請求項4に規定した通り、この割合が15%以上であると、すなわち充分な密着性を有する場合には、密着率の低下に由来するカソード極側で生成した生成水の逆拡散量の低下して、電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することが可能となる。
【0054】
前記保水層と前記ガス拡散層との間に、水の排出性を高める撥水層を設けたことにより、セパレータから供給される加湿された反応ガスが、多孔質の支持層であるガス拡散層で分散される。このとき孔の中で水蒸気が凝縮するが、撥水層を設けたことにより、凝縮した水の抜けが良くなりガス拡散層の後段に設けられた保水層に短時間で水が供給できる。従って、固体高分子膜のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保することができるため、燃料不足による電極構造体におけるカーボン腐食反応の進行を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一実施形態の固体高分子型燃料電池用の電極構造体を備えた第一実施形態の単セル全体の構成を示す図である。
【図2】ガス拡散層の含水率と耐久試験前後の単セルの端子電圧差(Δ端子電圧)との関係を示すグラフある。
【図3】(a)ガス拡散層前後の差圧と耐久試験前後の単セルの端子電圧差(Δ端子電圧)との関係を示すグラフである。
(b)ガス拡散層の差圧を測定するときの測定方法を説明するための図である。
【図4】未着率と耐久試験前後の単セルの端子電圧差(Δ端子電圧)との関係を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、サイクリックボルタンメトリ法により電極触媒層中に存在する電気化学的表面を測定する方法を説明する図である。
【図6】従来の固体高分子型燃料電池用の電極構造体を備えた第一実施形態の単セル全体の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 固体高分子膜
2a,2b 電極触媒層
3a,3b 保水層
4a,4b ガス拡散層
5a,5b セパレータ
10 固体高分子型燃料電池の単セル
MEA 電極構造体
PM 造孔材
Claims (5)
- 固体高分子膜と、前記固体高分子膜を挟んで設けられた一対の電極触媒層と、前記電極触媒層の上に設けられた一対のガス拡散層とから構成された固体高分子型燃料電池用の電極構造体であって、
前記電極触媒層は、水の排出性を高めるための造孔材を含んで構成され、かつ、前記電極触媒層と前記ガス拡散層との間には、水の保持性を高める保水層が設けられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用の電極構造体。 - 前記ガス拡散層は、{(飽和水蒸気圧下におけるガス拡散層の質量)−(ガス拡散層の乾燥質量)}/(ガス拡散層の乾燥質量)×100[%]で計算される含水率が50〜90%となるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体。
- 前記ガス拡散層は、所定流量の気体を通流させたときのガス拡散層前後の差圧が60mmH2O〜120mmH2Oとなるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体。
- サイクリックボルタンメトリ法により測定した前記電極触媒層中に存在する全触媒物質の電荷量に対する前記固体高分子膜と電極触媒層との界面に存在する触媒物質の電荷量の割合が15%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体。
- 前記電極触媒層が触媒と、前記触媒と担持するカーボン粒子と、イオン導電性ポリマと、結晶性炭素繊維とを含み、
前記ガス拡散層は、前記電極触媒層側から順にイオン導電性ポリマとカーボン粒子と結晶性炭素繊維を含む撥水層と、布状カーボンから構成された層を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用の電極構造体。
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