JP4951965B2 - 燃料電池用電極 - Google Patents

燃料電池用電極 Download PDF

Info

Publication number
JP4951965B2
JP4951965B2 JP2005379397A JP2005379397A JP4951965B2 JP 4951965 B2 JP4951965 B2 JP 4951965B2 JP 2005379397 A JP2005379397 A JP 2005379397A JP 2005379397 A JP2005379397 A JP 2005379397A JP 4951965 B2 JP4951965 B2 JP 4951965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
electrolyte
fuel cell
repellent
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005379397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007179953A (ja
Inventor
宏樹 塚本
剛一 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2005379397A priority Critical patent/JP4951965B2/ja
Publication of JP2007179953A publication Critical patent/JP2007179953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4951965B2 publication Critical patent/JP4951965B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は燃料電池用電極に関する。
燃料電池スタックは、図10に示すように、複数のセル10が積層されてなる。各セル10は、セパレータ12、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)11及びセパレータ12によって構成されており、隣り合うセル10はセパレータ12を共通にしている。
各膜電極接合体11は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Du-pont社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜11aと、この電解質膜11aの一面に接合されて酸化ガスが供給されるカソード極11bと、電解質膜11aの他面に接合されて燃料が供給されるアノード極11cとを有している。
各セパレータ12は、各膜電極接合体11を間に挟んで積層され、個々が各カソード極11b側に酸化ガス流路12bを形成するとともに、各アノード極11c側に燃料流路12cを形成するようになっている。燃料電池スタックに供給される酸化ガスは各セル10の全ての酸化ガス流路12bを流通するようになっており、燃料電池スタックに供給される燃料は各セル10の全ての燃料流路12cを流通するようになっている。
カソード極11bは、図11に示すように、電解質膜11a側に位置し、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層1と、触媒層1に隣接して酸化ガスを拡散する拡散層2とからなる。低温環境下において、燃料電池システムを容易に起動できるようにしたカソード極11bの触媒層1は、触媒担持カーボン及び電解質の他、水を吸収する吸水材を有する(特許文献1)。
このカソード極11bは、およそ以下のように製造される。
まず、基材及び触媒層用ペーストを用意する。基材は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等の導電性及びガス透過性のある板状のものである。触媒層用ペーストは、導電性粒子としてのカーボン粒子に触媒としての白金を担持してなる触媒担持カーボンと、電解質溶液と、吸水材との分散液である。
そして、基材の一面に触媒層用ペーストを塗布し、触媒層1を形成する。基材の他の部分が拡散層2となる。こうして、カソード極11bが得られる。
得られたカソード極11bは電解質膜11a及びアノード極11cとともに膜電極接合体11とされ、膜電極接合体11はセパレータ12とともに燃料電池スタックとされる。
こうして、得られた燃料電池スタックにおいては、酸化ガス流路12bに供給される酸化ガスと、燃料流路12cに供給される燃料との電気化学反応により、起電力を生じる。この際、カソード極11bの触媒層1では、発電反応に伴う生成水が発生する。生成水は、セル10の温度が高い時は水蒸気として排出されるが、セル10の温度が低下すると凝縮し易くなり、フラッディングによる特性低下を引き起こす。また、氷点下においては、凝縮した水が凍結し、ガス流路を閉塞する。
このカソード極11bでは、触媒層1中において、図12に示すように、触媒担持カーボン5と電解質6とが接触しつつ、電解質6と吸水材7とが接触するため、吸水材7がそのような生成水Wを吸水すると考えられる。残留する水も同様と考えられる。このため、この触媒層1中では、低温環境下であっても、触媒担持カーボン5と電解質6との間に細孔8が確保されるとともに、電解質6と吸水材7との間に細孔9が確保され、これらの細孔8、9が触媒層1中の酸化ガスの通路とされると考えられる。このため、この燃料電池スタックは、低温環境下においても、発電に伴う自己の発熱によって暖機が促進され、長時間にわたって発電を継続することが可能になる。
また、この燃料電池スタックでは、水の凍結を防止するための加熱を抑制できるため、省エネルギー化及び省スペース化により、例えば自動車への搭載性の向上と燃料電池システムの効率の向上とを実現することもできる。
特開2005−174765号公報
しかし、発明者らの試験結果によれば、触媒層1に吸収材を有する従来のカソード極11bを燃料電池スタックに用いた場合、低温環境下での発電継続時間が未だ十分でない。
このため、特開平7−94202号公報に記載されているように、酸化ガスやさらには膜電極接合体を含めたシステム全体を暖機しようとすると、燃料電池システムは、そのための装置及びエネルギーが必要になる他、起動に長時間を要することとなり、実用性が低減してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低温環境下において長時間にわたって発電を継続でき、暖機を最低限にすることのできる実用性の高い燃料電池システムを提供することを解決すべき課題としている。
発明者らは、上記課題解決のために鋭意研究を行った。そして、触媒層1に吸水材7を有する電極、特にカソード極11bにおいて、低温環境下での発電継続時間が未だ十分でない原因は、電解質6と吸水材7との間の細孔9が親水性であることにあると推論した。つまり、図13に示すように、電解質6と吸水材7との間の細孔9は親水性であるため、それらの細孔9には生成水Wが詰まり易く、この生成水が凍結して触媒層1中の酸化ガスの通路が閉塞されやすいと考えられる。この推論の下、触媒層1中の酸化ガスの通路の閉塞を防止する手段を発明し、本発明を完成させるに至った。
本発明の燃料電池用電極は、電解質側に位置する触媒層と、該触媒層に隣接してガスを拡散する拡散層とを備え、該触媒層は、導電性粒子に触媒が担持された触媒担持導電性粒子と、水を吸収する吸水材と、水を撥水する撥水材と、電解質とを有する燃料電池用電極において、
前記撥水材は自身を構成する一次粒子間及び/又は自身を構成する二次粒子内に細孔を確保するものであり、前記吸水材は該撥水材の周囲で該撥水材を覆いつつ接触するように形成され、
記触媒担持導電性粒子及び前記電解質の少なくとも一方は該撥水材と、該吸水材と、該撥水材と該吸水材とが接触しつつ確保する該細孔とからなる混合物と接触していることを特徴とする。
本発明の電極では、触媒層中において、触媒担持導電性粒子と電解質とが接触しつつ、電解質と吸水材とが接触するため、吸水材が生成水を吸水すると考えられる。残留する水も同様と考えられる。このため、この触媒層中では、低温環境下であっても、触媒担持導電性粒子と電解質との間に細孔が確保されるとともに、電解質と吸水材との間に細孔が確保され、これらの細孔が触媒層中の酸化ガスの通路とされると考えられる。
そして、この電極では、触媒層中に自身を構成する一次粒子間及び/又は自身を構成する二次粒子内に細孔を確保する撥水材を有し、吸水材はその撥水材の周囲で撥水材を覆いつつ接触するように形成されているため、細孔壁が電解質及び吸水材のいずれか又は両方で構成される親水性の細孔が閉塞したとしても、少なくとも細孔壁の一部に撥水材表面を有する撥水的な細孔が生成水を排除する。この撥水性の細孔がガスの流路となるため、フラッディングが抑制でき、また氷点下においては生成水の凍結によるガスの流路の閉塞を防止できる。
したがって、本発明の燃料電池用電極、特にカソード極によれば、氷点下における発電可能時間を延長することで燃料電池反応に伴う熱を長時間利用することができるため、暖気が最低限で済む。このため、この電極によれば、最低限の暖気によって燃料電池システムの氷点下起動を達成することが可能となり、高い実用性を発揮することができる。
撥水材としては、カーボンブラック、活性炭等の炭素材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂の粉末等を採用することができる。
吸水材としては、ポリアクリル酸等の高分子吸水樹脂、パーフルオロ系やハイドロカーボン系等の高分子電解質、シリカやチタニア等の金属酸化物、チャンネルブラックや表面酸化修飾により親水化したカーボンブラックや活性炭を採用することができる。
混合物は、吸水材と撥水材とが接触しつつ細孔を確保している。この場合、吸水材と撥水材との間の細孔は、その細孔壁の一部が撥水材によって構成されていることから撥水性であり、生成水を排除する。このため、その撥水性の細孔によってよりガスの流路を確保し易く、フラッディングによる特性低下をより一層生じ難い。
発明者らの試験結果によれば、吸水材がイオン伝導性のある高分子電解質である場合、吸水材は、スルホン酸基等が多い等、触媒担持導電性粒子と共存する電解質よりもイオン交換容量の大きい高分子電解質であることが好ましい。この場合、イオン交換容量の小さい高分子電解質を用いた場合と比較し、吸水材が多くの水を吸水することができるため、低温環境下において、長時間の発電が可能である。イオン交換容量の大きい市販の高分子電解質としては、フッ素樹脂系電解質で1.4meq/gまで、炭化水素系電解質で2meq/gまでのものが知られている(meq=Milli-Equivalent(molの1/1000))。
吸水材は、イオン交換機能がある高分子電解質、他には親水性カーボンブラック等、親水性でかつ導電性を有するものであることが好ましい。この場合、電荷が電極を移動し易く、発電効率が向上する。
吸水材は、金属酸化物、カーボンブラック等、材料自身がもつ細孔に水を吸水するものである場合、可及的に小さな粒子径をもつものであることが好ましい。この場合、触媒の近傍に多数の吸水材と撥水材と細孔との混合物が配置されやすいため、吸水効率が高まり、本発明の効果がある。なお、高分子吸水樹脂、高分子電解質等、自身の形状が変化し、水移動通路のネットワークを構成するような吸水材では、吸水材の内部を水が拡散していくため、吸水材自身の小粒子化をしなくても効果があると思われる。
粒子とは、物理的に粉砕可能な最低サイズである。親水性カーボンブラックのように一次粒子が連なって二次粒子(アグリゲート)を構成するものでは、アグリゲート径を指す。
撥水材は可及的に小さな粒子径をもつものであることが好ましい。この場合、触媒の周りに多数の撥水材と吸水材と細孔との混合物が配置されるため、吸水効率が高まり、本発明の効果がある。
撥水材は、カーボンブラック等、導電性を有するものであることが好ましい。この場合、電荷が電極を移動し易く、発電効率が向上する。
本発明の電極は本発明の燃料電池用電極の製造方法によって製造することが好ましい。
本発明の燃料電池用電極の製造方法は、導電性及びガス透過性のある板状の基材と、導電性粒子に触媒を担持してなる触媒担持導電性粒子と、電解質溶液と、水を吸収する吸水材と、水を撥水し、自身を構成する一次粒子間及び/又は自身を構成する二次粒子内に細孔を確保する撥水材とを用意し、該触媒担持導電性粒子及び該電解質溶液の第1ペーストと、該吸水材の第2ペーストと、該撥水材の第3ペーストとを用意する準備工程と、
該第1ペースト、該第2ペースト及び該第3ペーストを混合して混合ペーストとする混合工程と、
該基材の一面に該混合ペーストを塗布し、燃料電池用電極を得る塗布工程とを備えていることを特徴とする。
この製造方法では、第1ペーストが触媒担持導電性粒子及び電解質溶液からなり、第2ペーストが吸水材からなり、第3ペーストが撥水材からなり、これらを混合してなる混合ペーストは分散溶液混合法が採用されている。この場合、触媒担持導電性粒子、電解質、吸水材及び撥水材が異なる親水性を有していても、各材料の分散性が高まる。例えば、親水性の異なる各材料を同時に水系の溶媒に分散させようとすると、親水性の高いものは分散するが、そうでないものは凝集してしまい、触媒担持導電性粒子、吸水材及び撥水材が偏って触媒層中に構成され、本発明の吸水材による生成水の吸水効果とガスの通路確保とが円滑に行われ難く、燃料電池の特性低下が懸念される。混合ペーストによって得られる電極は、撥水材の細孔が生成水を排除してガスの流路を確保でき、フラッディングによる特性低下を生じ難く、また氷点下においては生成水の凍結によるガス流路の閉塞を防止できる。
基材に混合ペーストを塗布した後、乾燥工程において溶媒が蒸発し、本来材料自身がもっている細孔と、溶媒の乾燥過程における気泡による細孔とが触媒層に生じ得る。気泡による細孔は、溶媒の量を調整することである程度の増減が可能である。
塗布には、スクリーン印刷、スプレー法、インクジェット法等の手段を採用し得る。
なお、膜電極接合体を得るため、PTFE等からなる基盤上に混合ペーストを塗布し、これを乾燥させた後に電解質膜の両面に転写してもよい。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。
まず、図1(A)〜(E)に示すように、基材20としてのカーボンクロスと、カーボン粒子に白金を担持してなるPt担持カーボン21と、電解質溶液(Aldrich製5%濃度Nafion溶液(溶媒の主成分は水及び有機溶媒))22と、撥水材(Cabot製カーボンブラックVulcanXC-72、平均一次粒子径30nm、アグリゲート径0.4μm)23と、水及び有機溶媒からなる溶媒24と、吸水材(市販の5%Nafion溶液)25とを用意した。Pt担持カーボン21は、平均一次粒径30nmのカーボン粒子に白金を30〜80質量%で担持したものである。なお、撥水材23及び吸水材25の平均一次粒径及びアグリゲート径は電顕法により測定した。
そして、図1(A)に示すように、Pt担持カーボン21に電解質溶液22を混合し、第1ペースト31とした。第1ペースト31は、6質量%のPt担持カーボン21と、94質量%の電解質溶液41とからなる。
また、図1(B)に示すように、撥水材23に溶媒24を混合し、第ペースト32とした。第ペースト32は、11質量%の撥水材23と、89質量%の溶媒24とからなる。
さらに、図1(C)に示すように、吸水材25に溶媒24を混合し、第ペースト33とした。第ペースト33は、5質量%の吸水材(市販の5%Nafion溶液)25と、95質量%の溶媒24とからなる。
次いで、図1(D)に示すように、第1ペースト31、第ペースト32及び第ペースト33を重量比3:2:4で混合し、分散溶液混合法による混合ペースト34とした。
そして、図1(E)に示すように、基材20の一面に混合ペースト34を塗布、乾燥し、触媒層35を形成した。こうして、実施例1の燃料電池用カソード極36を得た。
得られたカソード極36は、図11に示す従来のカソード極11bと同様、電解質膜11a側に位置する触媒層35と、触媒層35に隣接する拡散層2とからなる。
このカソード極36は、図10に示すように、従来と同様に電解質膜11a及びアノード極11cとともに膜電極接合体11とされ、膜電極接合体11はセパレータ12とともにセル10とされる。
こうして、得られた実施例1のセル10においては、酸化ガス流路12bに供給される酸化ガスと、燃料流路12cに供給される燃料との電気化学反応により、起電力を生じる。
(評価1)
実施例1のセル10と従来例のセル10とについて、性能の比較を行った。実施例1のセル10では、−20°Cの一定条件下で0.1A/cm2の定電流発電を行った。
従来例としては、撥水材23を用いないでカソード極を製造した。まず、上記第1ペースト31の触媒重量100に対し2質量%の吸水材25を添加し、混合した。吸水材としては、三菱化学製高吸水ポリマー「アクアパール」を用いた。得られたペーストを基材20に塗布し、乾燥した。こうして得られたカソード極を用いたセル10についても、同様に試験を行った。但し、従来例のセル10については、−10°Cの一定条件下で試験を行った。他の条件は実施例1と同様である。発電時間(秒)とセル電圧(V)との関係を図3に示す。
図3より、実施例1のカソード極36によれば、氷点下における発電可能時間を延長することで燃料電池反応に伴う熱を長時間利用できることがわかる。このため、このカソード極36を用いれば、暖気が最低限で済むため、最低限の暖気によって燃料電池システムの氷点下起動を達成することが可能となり、高い実用性を発揮できることがわかる。
この際、このカソード極36では、図2に示すように、触媒層35中において、Pt担持カーボン21と電解質41とが接触しつつ、電解質41と吸水材25とが接触するため、吸水材25が生成水を吸水すると考えられる。残留する水も同様と考えられる。このため、この触媒層35中では、低温環境下であっても、Pt担持カーボン21と電解質41との間に細孔42が確保されるとともに、電解質41と吸水材25との間に細孔46が確保され、これらの細孔42、46が触媒層35中の酸化ガスの通路とされると考えられる。
そして、このカソード極36では、触媒層35中に自身を構成する一次粒子間に細孔44を確保する撥水材23を有し、吸水材25はその撥水材23の周囲で撥水材23を覆いつつ接触するように形成されている。そして、吸水材25と撥水材23とは接触しつつ細孔44を確保している。このため、細孔壁が電解質41及び吸水材25で構成される親水性の細孔46が閉塞したとしても、少なくとも細孔壁の一部に撥水材23表面を有する撥水的な細孔44が生成水を排除する。この撥水性の細孔44がガスの流路となるため、フラッディングが抑制でき、また氷点下においては生成水の凍結によるガスの流路の閉塞を防止できる。
(評価2)
Pt担持カーボン21、電解質溶液22、撥水材23及び吸水材25を一括して混合する一括混合法で混合ペーストを得た場合と、上記実施例1のように、分散溶液混合法で混合ペーストを得た場合とについて、触媒層35の比較を行った。
両者の混合ペーストで得られたカソード極36を用いたセル10のIV性能を図4に示す。また、一括混合法で得られた混合ペーストからなる触媒層35のSEM写真を図5に示し、分散溶液混合法で得られた混合ペーストからなる触媒層35のSEM写真を図6に示す。
図4〜6より、分散溶液混合法を用いた方が触媒層35中の凝集体が少なく、表面が平滑であるため、各材料の分散状態が良く、これに伴いIV特性もやや優れていることがわかる
実施例2では、撥水材23をCabot製カーボンブラックMonarch880、平均一次粒子径16nm、アグリゲート径0.2μmのものとした。他の条件は実施例1と同様とし、実施例2のカソード極36を得た。
(評価3)
実施例2のカソード極36を用いたセル10と、上記従来例のセル10とについて、評価1と同様の比較を行った。図7に示す。
図7より、実施例2のカソード極36においても、実施例1のカソード極36と同様の効果があることがわかる。
この際、このカソード極36では、図8に示すように、Pt担持カーボン21の周りに多数の撥水材23と吸水材25と細孔44との混合物が配置され、水の移動経路が増えるため、吸水効率が高まる。他の作用は実施例1と同様であると考えられる。
実施例3では、イオン交換容量に相違のある高分子電解質を吸水材25として用いた。試験品1では、Aldrich製5%濃度Nafion溶液(IEC(Ion Exchange Capacity)=0.91meq/g)を吸水材25及び電解質溶液22に用い、試験品2では、Du-Pont製5%濃度Nafion溶液(IEC=1.00meq/g)を吸水材25及び電解質溶液22に用いた。他の条件は実施例1と同様とし、試験品1、2のカソード極36を得た。
(評価4)
試験品1、2のカソード極36を用いたセル10について、評価1と同様の比較を行った。図9に示す。
図9より、試験品2のカソード極36は、試験品1のカソード極36と比較し、吸水材25が多くの水を吸水することができるため、低温環境下において、長時間の発電が可能であることがわかる。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は、電気自動車等の移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源等の燃料電池システムに利用可能である。
実施例1〜3のカソード極の製造方法を示す模式図である。 実施例1のカソード極における触媒層の模式拡大断面図である。 評価1に係り、実施例1のカソード極を用いたセルの発電時間とセル電圧との関係を示すグラフである。 評価2に係り、一括混合法で得た混合ペーストと、分散溶液混合法で得た混合ペーストとで得られたセルのIV性能を示すグラフである。 評価2に係り、一括混合法で得られた混合ペーストからなる触媒層の約1000倍のSEM写真である。 評価2に係り、分散溶液混合法で得られた混合ペーストからなる触媒層の約1000倍のSEM写真である。 評価3に係り、実施例2のカソード極を用いたセルの発電時間とセル電圧との関係を示すグラフである。 実施例2のカソード極における触媒層の模式拡大断面図である。 評価4に係り、実施例3の試験品1、2のカソード極を用いたセルの発電時間とセル電圧との関係を示すグラフである。 セルの模式断面図である。 従来のカソード極を電解質膜とともに示す模式の部分拡大断面図である。 従来のカソード極における触媒層の模式拡大断面図である。 従来のカソード極における触媒層の模式拡大断面図である。
符号の説明
11a…電解質膜
35…触媒層
2…拡散層
21…触媒担持導電性粒子(Pt担持カーボン)
25…吸水材
41…電解質
36…燃料電池用カソード極
23…撥水材
42、44、46…細孔
20…基材
31…第1ペースト
32…第ペースト
33…第ペースト
34…混合ペースト

Claims (5)

  1. 電解質側に位置する触媒層と、該触媒層に隣接してガスを拡散する拡散層とを備え、該触媒層は、導電性粒子に触媒が担持された触媒担持導電性粒子と、水を吸収する吸水材と、水を撥水する撥水材と、電解質とを有する燃料電池用電極において、
    前記撥水材は自身を構成する一次粒子間及び/又は自身を構成する二次粒子内に細孔を確保するものであり、前記吸水材は該撥水材の周囲で該撥水材を覆いつつ接触するように形成され、
    記触媒担持導電性粒子及び前記電解質の少なくとも一方は該撥水材と、該吸水材と、該撥水材と該吸水材とが接触しつつ確保する該細孔とからなる混合物と接触していることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 前記吸水材は、前記電解質よりもイオン交換容量の大きい高分子電解質である請求項1記載の燃料電池用電極。
  3. 前記吸水材は、親水性でかつ導電性を有するものである請求項1又は2記載の燃料電池用電極。
  4. 前記電解質と前記吸水材との間には細孔が確保されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  5. 前記撥水材は導電性を有するものである請求項1乃至のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
JP2005379397A 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極 Expired - Fee Related JP4951965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005379397A JP4951965B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005379397A JP4951965B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007179953A JP2007179953A (ja) 2007-07-12
JP4951965B2 true JP4951965B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=38304915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005379397A Expired - Fee Related JP4951965B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 燃料電池用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4951965B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5176442B2 (ja) * 2007-09-04 2013-04-03 トヨタ自動車株式会社 膜電極接合体、燃料電池
JP5356053B2 (ja) * 2009-02-04 2013-12-04 株式会社日立製作所 燃料電池
JP5609475B2 (ja) * 2010-09-17 2014-10-22 凸版印刷株式会社 電極触媒層、電極触媒層の製造方法、この電極触媒層を用いた固体高分子形燃料電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06295729A (ja) * 1993-02-09 1994-10-21 Asahi Chem Ind Co Ltd 高性能な高分子電解質型燃料電池
JP2003173785A (ja) * 2001-12-05 2003-06-20 Mitsubishi Electric Corp 固体高分子型燃料電池用触媒層の形成方法及びその形成装置
JP4506164B2 (ja) * 2003-12-11 2010-07-21 株式会社エクォス・リサーチ 膜電極接合体及びその使用方法
JP2005183263A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Nissan Motor Co Ltd 多孔質構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007179953A (ja) 2007-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9029045B2 (en) Gas diffusion electrode and production method for same; membrane electrode assembly and production method for same
JP4691914B2 (ja) ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池
JP5481820B2 (ja) マイクロポーラス層およびこれを有するガス拡散層
JP5034172B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散層、および、これを用いた燃料電池
JP2008135369A (ja) 固体高分子型燃料電池用撥水性触媒層及びその製造方法
US20150140470A1 (en) Microporous layer with hydrophilic additives
JP2005108837A (ja) 燃料電池用電極拡散層
JP2006294594A (ja) 燃料電池用電極触媒層、および、これを用いた燃料電池
JPWO2003077336A1 (ja) 高分子電解質型燃料電池の製造方法及び、高分子電解質膜型燃料電池
JP4951965B2 (ja) 燃料電池用電極
JP5061452B2 (ja) 燃料電池用触媒の製造方法
JP4951968B2 (ja) 燃料電池用電極
JP2006085984A (ja) 燃料電池用mea、および、これを用いた燃料電池
JP2011175772A (ja) 固体高分子型燃料電池触媒およびその製造方法
JP2008243378A (ja) 燃料電池用膜電極接合体、およびこれを用いた燃料電池
JP2007165188A (ja) 高分子型燃料電池の膜−電極接合体
JP2005243295A (ja) ガス拡散層、およびこれを用いた燃料電池用mea
JP2003282067A (ja) 高分子電解質形燃料電池触媒層の構成ならびに製造方法
JP4872202B2 (ja) 燃料電池及び燃料電池の製造方法
JP2006079917A (ja) 燃料電池用mea、および、これを用いた燃料電池
JP2006179317A (ja) ガス拡散層、および、これを用いた燃料電池
JP7404644B2 (ja) 燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池
JP5045021B2 (ja) 燃料電池用電極およびその製造方法、並びに、この燃料電池用電極を備える燃料電池
JP5378669B2 (ja) 膜電極接合体、燃料電池および燃料電池システム
JP7419780B2 (ja) 燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20091228

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4951965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees