JPH07134396A - 露光用マスク及びその製造方法 - Google Patents

露光用マスク及びその製造方法

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JPH07134396A
JPH07134396A JP27865993A JP27865993A JPH07134396A JP H07134396 A JPH07134396 A JP H07134396A JP 27865993 A JP27865993 A JP 27865993A JP 27865993 A JP27865993 A JP 27865993A JP H07134396 A JPH07134396 A JP H07134396A
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JP
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light
film
tantalum oxide
oxide film
mask
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JP27865993A
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Yoshitaka Kitamura
芳隆 北村
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】位相シフタと半透光性膜とを組み合わせた露光
用マスク及びその製造方法に関し、容易に作成すること
ができ、また、チップ領域の境界で生じていた多重露光
による欠陥を抑止することが可能なハーフトーンマスク
を提供する。 【構成】透明基板11上の遮光領域に位相シフタを兼ね
た半透光性膜としてのタンタル酸化膜14が形成された
ことを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造などに
用いられる露光用マスク及びその製造方法に関し、より
詳しくは、位相シフタと半透光性膜とを組み合わせた露
光用マスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パターンの微細化に伴い、フォト
リソグラフィにおける解像度を向上させる一方法とし
て、位相シフタと半透光性膜とを組み合わせたハーフト
ーンマスクと呼ばれる露光用マスクが用いられている。
図5に従来例に係るハーフトーンマスクの断面図を示
す。
【0003】ハーフトーンマスクは、同図に示すよう
に、石英などからなる透明基板1上の遮光領域に、透過
光の位相を反転させる位相シフト膜2及び透過光の光量
を減少させる半透光性膜3の2層膜が形成されてなる露
光用マスクである。半透光性膜3として100Å程度の
薄い膜厚のCr膜が用いられる。上記のハーフトーンマ
スクを用いてレジストパターンを形成する場合、ハーフ
トーンマスクに露光光を照射すると、遮光領域に入射さ
れた光は、半透光性膜3によって光強度が20%程度に
減衰され、かつ位相シフト膜2によってその位相が反転
されて透過する。従って、透光領域と遮光領域との境界
では位相が180°異なった露光光が重なるため、露光
光は互いにキャンセルされて境界でのコントラストが向
上する。また、遮光領域にも、露光光が透過するが、半
透光性膜3のため透過光の光強度が20%程度に減衰し
ているため、レジストの膜厚程度を十分に露光するに至
らず、従って遮光領域のレジスト膜は残る。これによ
り、レジストパターンが形成される。
【0004】このように、ハーフトーンマスクでは、遮
光領域に遮光膜を形成しなくても、解像度の良いパター
ニングが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例に係るハーフトーンマスクによれば、半透光性膜の
材料として金属であるCrを用いているので、所望の透過
率(約20%)を得るには、100Å程度の薄いCr膜を
蒸着する必要があり、所望の透過率を得るような膜厚の
Cr膜を形成することが難しい。
【0006】また、位相シフト膜と半透光性膜との2層
構造にすることが必要であり、製造に手間がかかる。こ
れを改善すべく、1つの膜で位相シフト膜と半透光性膜
とを兼ねるような膜を用いたハーフトーンマスクが提案
されている。そのような膜の材料として酸化クロム(C
2 3 )とSiO2との混合物が用いられているが、この
膜の製造にあたって、所望の位相シフト量及び透過率を
得るために、酸化クロムとSiO2との混合比や、膜厚を調
整することが必要である。しかし、酸化クロムとSiO2
の混合膜は別々のターゲットを用いたスパッタにより作
成されるため、その混合比を調整することはかなり難し
い。
【0007】更に、ステッパーを用いて露光する際、図
6に示すように、隣接するチップ領域の境界で遮光領域
の重なり部分を設けているが、ハーフトーンマスクの遮
光領域には露光光が20%程度透過するため、その重な
り部分で2回〜4回程度多重露光されるところが存在す
る。このため、透過した光が累積されて光強度が増し、
欠陥などの原因になる。即ち、図6に示すように、隣接
する第1,第2,第3及び第4のチップ領域5,6,
7,8の境界ではすべて遮光領域が重なる。このうち、
境界領域9A、9Bでは2回露光光が照射され、その境
界領域9A、9Bが交わる境界領域9Cでは4回露光光
が照射される。このような複数の露光光の照射が生じた
場合、ハーフトーンマスクは遮光領域といえども露光光
が20%程度透過するので、4回露光光が照射される境
界領域9Cでは遮光領域であってもほとんど露光された
のと同様の状態になってしまい、本来除去されるべき例
えば配線層などが残存し、パーティクル等の原因になる
などの問題が生じていた。
【0008】本発明はかかる従来例の問題点に鑑みて創
作されたものであり、容易に作成することができ、ま
た、チップ領域の境界で生じていた多重露光による欠陥
を抑止することが可能なハーフトーンマスクの提供を目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、透
明基板上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜と
してのタンタル酸化膜が形成された露光用マスクにより
達成され、第2に、透明基板上の遮光領域に位相シフタ
を兼ねた半透光性膜としてのタンタル酸化膜が形成さ
れ、かつ前記遮光領域であってマスクの周辺部領域に非
透光性の遮光膜が形成された露光用マスクにより達成さ
れ、第3に、酸素ガスを含むキャリアガスを用いたスパ
ッタ法により、前記酸素ガスの分圧比を調整することに
より露光光の透過率が調整されたタンタル酸化膜を透明
基板上に形成する工程と、前記タンタル酸化膜をパター
ニングして、前記透明基板上の遮光領域に位相シフタを
兼ねた半透光性膜を形成する工程を有する露光用マスク
の製造方法により達成され、第4に、酸素ガスを含むキ
ャリアガスを用いたスパッタ法により、前記酸素ガスの
分圧比を調整することにより露光光の透過率が調整され
たタンタル酸化膜を透明基板上に形成する工程と、前記
タンタル酸化膜をパターニングして、前記透明基板上の
遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜を形成する工
程と、レジストマスクを用いたリフトオフ法により前記
遮光領域であってマスクの周辺部領域に非透光性の遮光
膜を形成する工程とを有する露光用マスクの製造方法に
より達成され、第5に、透明基板上の遮光領域であって
マスクの周辺部領域に非透光性の遮光膜を形成する工程
と、酸素ガスを含むキャリアガスを用いたスパッタ法に
より、前記酸素ガスの分圧比を調整することにより露光
光の透過率が調整されたタンタル酸化膜を前記遮光膜を
被覆して形成する工程と、前記タンタル酸化膜をパター
ニングして、前記透明基板上の遮光領域に位相シフタを
兼ねた半透光性膜を形成する工程とを有する露光用マス
クの製造方法によって達成される。
【0010】
【作 用】本発明に係る第1の露光用マスクによれば、
透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜
としてのタンタル酸化膜が形成されている。ところで、
タンタル酸化膜をスパッタ法により形成する場合、酸素
を含むキャリアガスを用い、かつ酸素分圧を調整するこ
とにより、i線やKrF エキシマレーザ等の露光光に対す
るタンタル酸化膜の透過率をかなりの程度自由に調整す
ることができる。しかも、露光光の位相を反転させるの
に十分な膜厚を確保することができる。
【0011】よって、タンタル酸化膜のみで位相シフタ
を兼ねた半透光性膜を作成することができる。また、こ
れによって半透光性膜と位相シフト膜の2層構造をとっ
ていた従来のハーフトーンマスクに比して製造工程の簡
略化が図れる。また、本発明に係る第2の露光用マスク
によれば、透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼ねた
半透光性膜としてのタンタル酸化膜が形成され、かつ遮
光領域であってマスクの周辺部領域に非透光性の遮光膜
が形成されている。
【0012】従って、チップ領域の周辺部領域の重なり
部分でハーフトーンマスクを介して露光光が複数回照射
されても、マスクの周辺部領域の非透光性の遮光膜によ
り重なり部分での露光光の透過を防止することができ
る。これにより、多重露光による露光を防止し、これに
よって生じる欠陥等を抑止することが可能になる。さら
に本発明に係る露光用マスクの製造方法によれば、酸素
ガスを含むキャリアガスを用いたスパッタ法でタンタル
酸化膜を形成する際に、酸素ガスの分圧比を調整するこ
とによりタンタル酸化膜の透過率を調整しているので、
膜厚でのみ透過率を調整していた従来に比して、よりき
め細かな透過率の調整が可能になる。
【0013】これにより、露光光の透過率と位相シフト
量を独立に調整することが可能となり、従って、タンタ
ル酸化膜のみで位相シフタを兼ねた半透光性膜を容易に
作成することができる。
【0014】
【実施例】
(1)第1の実施例 図1(c)に、本発明の第1の実施例に係る露光用マス
クの構造を示す。第1の実施例に係る露光用マスクは、
i線用のハーフトーンマスクの一種であって、図1
(c)に示すように、例えば石英からなる透明基板11
上の遮光領域に膜厚1500Åのタンタル酸化膜(転写パタ
ーン)14が形成されてなる。
【0015】以下に、上記タンタル酸化膜14が位相シ
フタを兼ねた半透光性膜としての機能を有することにつ
いて図2(a),(b)を参照しながら説明する。図2
(a)は酸素とアルゴンの混合ガスを用いたスパッタ法
により形成されたタンタル酸化膜の膜厚とその透過率の
関係を示し、アルゴンガス40SCCM,酸素ガス12.5SCC
M,ガス圧5×10-3Torrで一定としている。また、図
2(b)は酸素とアルゴンの混合ガスを用いたスパッタ
法により形成されたタンタル酸化膜において酸素ガスの
分圧と露光光の透過率との関係を示し、タンタル酸化膜
の膜厚1500Å,アルゴンガス40SCCM,ガス圧5×10
-3Torrで一定としている。
【0016】露光光がタンタル酸化膜を透過するとき、
露光光の位相が反転する膜厚dは、下の光学的関係式に
よって求められる。 d=λ/{2(n2 −n1 )} 但し、n2 :Ta酸化膜の屈折率 n1 :空気の屈折率 λ :露光光の波長 よって、i線で露光する場合には、n2≒2.2 、n1
1で、i線の波長λ=365nm なので、求める膜厚dは d=365nm /{2×(2.2−1)}≒1520Å となる。
【0017】このとき、図2(b)に示すように、約15
00Åの膜厚に対して、タンタル酸化膜12をスパッタす
る際に流す酸素ガスの分圧を調整することにより、コン
トラストが最適になる範囲内にあるi線の透過率約20
%程度とすることができる。このように、タンタル酸化
膜12の膜厚を1500Å程度に形成することで、位相シフ
タを兼ねた半透光性膜を有するハーフトーンマスクが作
成可能であることが確認された。
【0018】本発明の第1の実施例の露光用マスクによ
れば、透明基板11上に膜厚1500Åのタンタル酸化膜1
2が形成されているので、タンタル酸化膜12が露光光
の透過率を低下させるための半透光性膜と、露光光の位
相を反転させる位相シフタの機能を兼ね備えることがで
きる。このように、一層のみで位相シフタを兼ねた半透
光性膜の作成が可能なので、従来の2層構造のハーフト
ーンマスクに比してマスクの作成が容易になる。
【0019】次に、本発明の第1の実施例に係る露光用
マスクの製造方法について説明する。まず、図1(a)
に示すように、透明基板11上に膜厚1500Åのタンタル
酸化膜12をスパッタ法で形成する。このとき、ターゲ
ットとしてTaを用い、流量40sccmのArガスと、流
量12.5sccmのO2ガスとの混合ガスをキャリアガス
として用いて、O2 ガスの分圧を約4.5×10-4Torr
程度にしてスパッタしている。
【0020】次に、フォトレジストを1μm程度塗布し
た後、露光し、現像して、図1(b)に示すように、レ
ジスト膜13を遮光領域に選択的に形成する。次いで、
図1(c)に示すように、レジスト膜13をマスクにし
てドライエッチングによってタンタル酸化膜12をエッ
チングし、除去して、遮光領域にタンタル酸化膜からな
る転写パターン14を選択的に形成する。続いて、アッ
シングによりレジスト膜13を除去すると、ハーフトー
ンマスクが形成される。
【0021】以上説明したように、第1の実施例に係る
露光用マスクの製造方法によれば、膜厚1500Å程度のタ
ンタル酸化膜12のみを遮光領域に形成することにより
ハーフトーンマスクの作成が可能なので、半透光性膜と
位相シフト膜とを別個に形成していた従来のハーフトー
ンマスクに比して、その製造が簡単になる。さらに、上
記の通り、タンタル酸化膜12を形成する際には、Ta
のターゲットを用いて、キャリアガスとしてArとO2
の混合ガスを用いて形成するが、図2(b)に示すよう
に、O2ガスの分圧を変化させることによって、タンタ
ル酸化膜12でのi線の透過率をかなり自由に変化させ
ることができる。よって、タンタル酸化膜12の膜厚に
よって露光光の透過率を調整するほかに、O2 ガスの分
圧を調整することによって露光光の透過率を微調整する
ことが可能になる。
【0022】これにより、露光光の透過率と位相シフト
量を独立に調整することが可能となり、従って、タンタ
ル酸化膜12のみで位相シフタを兼ねた半透光性膜を容
易に作成することができる。 (2)第2の実施例 図3(c)に、本発明の第2の実施例に係る露光用マス
クの構造を示す。第2の実施例に係る露光用マスクは、
i線用のハーフトーンマスクの一種であって、図3
(c)に示すように、例えば石英からなる透明基板21
上の遮光領域の一部、例えばマスクの周辺部領域に膜厚
1000Åのクロムからなる非透光性を有する遮光膜22が
形成され、遮光膜22を含む遮光領域上にタンタル酸化
膜からなる転写パターン25が形成されてなる。
【0023】第1の実施例と同様に、タンタル酸化膜か
らなる転写パターン25は透過率低下用の半透光性膜
と、位相シフタとを兼ね備えているので、半透光性膜と
位相シフト膜とを別個に形成していた従来のハーフトー
ンマスクに比して、その製造が容易になる。また、遮光
領域の一部であるマスクの周辺部領域に非透光性の遮光
膜22が形成されているので、この領域では光がまった
く透過しない。これにより、露光対象であるウエハ上で
隣接するチップ領域の境界領域で露光光が複数回照射さ
れても、境界領域での多重露光によるレジスト膜の露光
を防止することができる。従って、従来のハーフトーン
マスクにおいて生じていた欠陥を抑止することができ
る。
【0024】次に、本発明の第2の実施例に係る露光用
マスクの製造方法について図3を参照しながら以下に説
明する。図3は、本発明の第2の実施例に係る露光用マ
スクの製造方法について説明する断面図である。まず、
図3(a)に示すように、透明基板21上に膜厚1000Å
のCr膜を蒸着して形成したのちに、不図示のレジスト膜
をその上に選択的に形成する。続いて、このレジスト膜
をマスクにしてCr膜を選択的にエッチングし、除去し
て、遮光領域の一部であってマスクの周辺部領域に遮光
膜22を形成する。なお、マスクの周辺部領域以外の領
域に残っている遮光膜22は位置合わせ用のパターンと
して用いられる。
【0025】次に、図3(b)に示すように、膜厚1500
Åのタンタル酸化膜32をスパッタ法により形成する。
このとき、ターゲットとしてTaを用い、流量40sccm
のArガスと流量12.5sccmのO2 ガスとの混合ガス
をキャリアガスとして用い、かつO2ガスの分圧を約
4.5×10-4Torr程度にしてスパッタしている。その
後、フォトレジストを1μm程度塗布した後、露光し、
現像して所望の領域にレジスト膜24を形成する。
【0026】次いで、図3(c)に示すように、レジス
ト膜24をマスクにしてタンタル酸化膜32をエッチン
グし、除去して、遮光領域に転写パターン25を形成す
ると、ハーフトーンマスクが作成される。以上説明した
ように、第2の実施例に係る露光用マスクの製造方法に
よれば、タンタル酸化膜をスパッタ法により形成する際
に、キャリアガスに酸素ガスを含め、かつ酸素ガスの分
圧を調整している。ところで、第1の実施例と同様に、
タンタル酸化膜のi線の透過率は、図2(b)に示すよ
うに、酸素ガスの分圧を変化させることによってかなり
自由に変化するため、タンタル酸化膜の膜厚も比較的自
由に選ぶことができる。
【0027】これにより、i線の透過率と位相シフト量
を独立に調整することができるので、タンタル酸化膜か
らなる転写パターン25のみで位相シフタを兼ねた半透
光性膜を容易に作成することができる。従って、半透光
性膜と位相シフト膜とを別個に形成していた従来のハー
フトーンマスクに比して、その製造が簡単になる。 (3)第3の実施例 図4(d)に、本発明の第3の実施例に係る露光用マス
クの構造を示す。この露光用マスクは、i線用のハーフ
トーンマスクの一種であって、図4(d)に示すよう
に、例えば石英からなる透明基板31上にタンタル酸化
膜からなる転写パターン33が形成され、遮光領域の一
部領域、例えばマスクの周辺部領域のタンタル酸化膜か
らなる転写パターン33上に、クロムからなる遮光膜3
5が形成されてなる。
【0028】第1及び第2の実施例と同様に、タンタル
酸化膜からなる転写パターン33は透過率低下用の半透
光性膜と、位相シフタとを兼ね備えているので、半透光
性膜と位相シフト膜とを別個に形成していた従来のハー
フトーンマスクに比して、その製造が容易になる。ま
た、遮光領域の一部であるマスクの周辺部領域に非透光
性の遮光膜35が形成されているので、この領域では光
がまったく透過しない。これにより、露光対象であるウ
エハ上で隣接するチップ領域の境界領域で露光光が複数
回照射されても、境界領域での多重露光によるレジスト
膜の露光を防止することができる。従って、従来のハー
フトーンマスクにおいて生じていた欠陥を抑止すること
ができる。
【0029】次に、本発明の第3の実施例に係る露光用
マスクの製造方法について図4を参照しながら以下に説
明する。図4は、本発明の第3の実施例に係る露光用マ
スクの製造方法について説明する断面図である。まず、
図4(a)に示すように、透明基板31上に膜厚1500Å
のタンタル酸化膜32をスパッタ法により形成する。こ
のとき、ターゲットとしてTaを用い、流量40sccmの
Arガスと、流量12.5sccmのO2 ガスとの混合ガス
をキャリアガスとして用い、かつ、O2 ガスのArガス
に対する分圧を約4.5×10-4Torr程度にしてスパッ
タしている。
【0030】次に、図4(b)に示すように、不図示の
フォトレジストを約1μm塗布した後、露光し、現像し
て、所望の領域に不図示のレジスト膜を形成する。続い
て、そのレジスト膜をマスクにしてタンタル酸化膜32
を選択的にエッチングし、除去して、タンタル酸化膜か
らなる転写パターン33を遮光領域に形成する。次い
で、図4(c)に示すように、不図示のフォトレジスト
を約1μm塗布し、露光し、現像して、露光領域の一部
にレジスト膜34を形成する。
【0031】その後、図4(d)に示すように、レジス
ト膜の膜厚よりも薄い膜厚である膜厚1000ÅのCr膜をレ
ジスト膜34を被覆して蒸着により形成する。続いて、
レジスト膜34を有機溶剤によって剥離し、所謂リフト
オフによって、レジスト膜34と同時にレジスト膜34
上のCr膜を除去する。これにより、遮光領域の一部であ
ってマスク周辺部領域にCr膜からなる遮光膜35が残
る。これにより、ハーフトーンマスクの作成が完了す
る。なお、マスクの周辺部領域以外の領域に残っている
遮光膜35は位置合わせ用のパターンとして用いられ
る。
【0032】以上説明したように、第2の実施例に係る
露光用マスクの製造方法によれば、タンタル酸化膜をス
パッタ法により形成する際に、キャリアガスに酸素ガス
を含め、かつ酸素ガスの分圧を調整している。ところ
で、第1及び第2の実施例と同様に、タンタル酸化膜の
i線の透過率は、図2(b)に示すように、酸素ガスの
分圧を変化させることによってかなり自由に変化するた
め、タンタル酸化膜の膜厚も比較的自由に選ぶことがで
きる。
【0033】これにより、i線の透過率と位相シフト量
を独立に調整することができるので、タンタル酸化膜か
らなる転写パターン33のみで位相シフタを兼ねた半透
光性膜を容易に作成することができる。従って、半透光
性膜と位相シフト膜とを別個に形成していた従来のハー
フトーンマスクに比して、その製造が簡単になる。な
お、以上第1〜第3の実施例で説明したのは露光光がi
線の場合であるが、KrFエキシマレーザを露光光とし
て用いた場合は、位相反転する膜厚dは前述の光学的関
係式から求められ、約950Åとなる。そのときの透過
率が図2(a)に示すように数パーセント程度であるの
で、位相シフタを兼ねた半透光性膜として使用可能であ
り、露光光にi線を用いたときとほぼ同様の効果を奏す
る。
【0034】また、上記第2、第3の実施例では遮光膜
としてCr膜を用いているが、本発明はこれに限らず、遮
光性の膜であればどのような膜でも同様の効果を奏す
る。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る第1の露光用マスクによれ
ば、透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光
性膜としてのタンタル酸化膜が形成されているので、半
透光性膜と位相シフト膜の2層構造をとっていた従来の
ハーフトーンマスクに比して製造工程の簡略化が図れ
る。
【0036】また、本発明に係る第2の露光用マスクに
よれば、透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半
透光性膜としてのタンタル酸化膜が形成され、かつ遮光
領域であってマスクの周辺部領域に非透光性の遮光膜が
形成されているので、チップ領域の周辺部領域の重なり
部分での多重露光による露光を防止し、これによって生
じる欠陥等を抑止することが可能になる。
【0037】更に、本発明に係る露光用マスクの製造方
法によれば、酸素ガスを含むキャリアガスを用いたスパ
ッタ法でタンタル酸化膜を形成する際に、酸素ガスの分
圧比を調整することによりタンタル酸化膜の透過率を調
整しているので、露光光の透過率と位相シフト量を独立
に調整することが可能となり、従って、タンタル酸化膜
のみで位相シフタを兼ねた半透光性膜を容易に作成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る露光用マスクの製
造方法を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る露光用マスクのタンタル
酸化膜の透過率の膜厚依存性及び酸素分圧依存性につい
て説明するグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例に係る露光用マスクの製
造方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る露光用マスクの製
造方法を説明する断面図である。
【図5】従来例に係る露光用マスクについて説明する断
面図である。
【図6】従来例に係る露光用マスクの問題点について説
明する平面図である。
【符号の説明】
11,21,31 透明基板、 12,23,32 タンタル(Ta)酸化膜、 13,24,34 レジスト膜、 14,25,33 転写パターン、 22,35 遮光膜。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼
    ねた半透光性膜としてのタンタル酸化膜が形成された露
    光用マスク。
  2. 【請求項2】 透明基板上の遮光領域に位相シフタを兼
    ねた半透光性膜としてのタンタル酸化膜が形成され、か
    つ前記遮光領域であってマスクの周辺部領域に非透光性
    の遮光膜が形成された露光用マスク。
  3. 【請求項3】 酸素ガスを含むキャリアガスを用いたス
    パッタ法により、前記酸素ガスの分圧比を調整すること
    により露光光の透過率が調整されたタンタル酸化膜を透
    明基板上に形成する工程と、 前記タンタル酸化膜をパターニングして、前記透明基板
    上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜を形成す
    る工程を有する露光用マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸素ガスを含むキャリアガスを用いたス
    パッタ法により、前記酸素ガスの分圧比を調整すること
    により露光光の透過率が調整されたタンタル酸化膜を透
    明基板上に形成する工程と、 前記タンタル酸化膜をパターニングして、前記透明基板
    上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜を形成す
    る工程と、 レジストマスクを用いたリフトオフ法により前記遮光領
    域であってマスクの周辺部領域に非透光性の遮光膜を形
    成する工程とを有する露光用マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 透明基板上の遮光領域であってマスクの
    周辺部領域に非透光性の遮光膜を形成する工程と、 酸素ガスを含むキャリアガスを用いたスパッタ法によ
    り、前記酸素ガスの分圧を調整することにより露光光の
    透過率が調整されたタンタル酸化膜を前記遮光を被覆し
    て形成する工程と、 前記タンタル酸化膜をパターニングして、前記透明基板
    上の遮光領域に位相シフタを兼ねた半透光性膜を形成す
    る工程とを有する露光用マスクの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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