JP3427604B2 - 位相シフト露光マスクの製造方法 - Google Patents

位相シフト露光マスクの製造方法

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JP3427604B2
JP3427604B2 JP35187295A JP35187295A JP3427604B2 JP 3427604 B2 JP3427604 B2 JP 3427604B2 JP 35187295 A JP35187295 A JP 35187295A JP 35187295 A JP35187295 A JP 35187295A JP 3427604 B2 JP3427604 B2 JP 3427604B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相シフト露光マ
スクの製造方法に関する。本発明は、例えば、半導体装
置の製造工程に用いるフォトマスクの製造について、利
用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より互いに位相を異ならしめて(理
想的には位相を180°反転させて)光を透過する部分
を設けて解像力の良い露光を行ういわゆる位相シフトマ
スク技術が知られている。
【0003】例えば、光透過部と、半遮光部(ハーフト
ーン部と称される)とを備えた位相シフトマスクが知ら
れている。この種のものは、ハーフトーン型位相シフト
マスクと称されている。この種の位相シフトマスクは、
通常、光透過部(例えばコンタクトホール形成用の開口
部)と、若干の光透過率を持つ半透過部(半遮光部)と
から成り、この2つの部分の透過光には180°の位相
差が与えられている。こうして位相の異なる光の干渉効
果により解像度を向上するとともに、開口部以外の透過
率を例えば数〜数十%におさえることで、この部分の解
像もしくはレジストの膜減りを防いでいる。
【0004】ハーフトーン型位相シフトマスクは通常マ
スクに比較して、解像度、焦点深度などの向上に優れた
特性を発揮する。
【0005】しかし、パターンが密集してくると、ハー
フトーン型位相シフト法において特に顕著である2次ピ
ーク(サイド・ロブなどと称されている)強度が近接効
果により強調され、解像して不要なパターンを形成する
ことになる。このため、特に、密なパターンを含む場合
には、ハーフトーン型位相シフトマスクの性能は著しい
制限を受けることになる。
【0006】例えば、従来のハーフトーン型位相シフト
マスクでは、2つ以上のパターンが接近した場合、回折
光が干渉して光強度が解像限界以上になる部分が出現す
る。即ち、従来の一般的なハーフトーン型位相シフトマ
スクの構造を図12(平面)及び図13(a)(b)
(断面)に示すが、これは、ホールパターン用であれ
ば、透明基板1(石英基板)である石英基板上の全面に
形成されたCr薄膜等から成る半透明な半透過層(ハー
フトーン膜)2が形成された半透過部3と、ハーフトー
ン半透過部もシフターもない光透過部4a,4bである
開口部で構成されており、位相シフトのために掘り込み
が形成される(図13(a))か、あるいは半透過層2
が適正な厚みで形成されて(図13(b))いる。この
構造では、前記したように、光透過部4a,4bである
開口部からの回析光とハーフトーン部(半透過部)の透
過光が干渉して生ずると考えられる強度の高い部分が、
開口部周辺に発生する。これは近接効果により、さらに
強調されるものと考えられる。光強度の分布を示す図1
4を参照すれば、図14に示すとおり、光透過部4a,
4bからの光分布である光ピーク4A,4Bの間に、生
じないことが望ましいピーク(サブピーク4C)が発生
してしまう。透過光の干渉の機構は、図15に示すよう
に、光透過部4a,4bである開口部からの回析光4′
とハーフトーン部(半透過部)3の透過光(半透過層2
の透過光)3′が干渉して、これが2次ピーク4cにな
ると考えられる。これはハーフトーン型位相シフトマス
クの実用化の大きな障害となっている。
【0007】なお図14は、TREPTONによるシミ
ュレーション結果であるが、条件はNA:0.45、
δ:0.5のKrFエキシマレーザ光源(λ=248n
m)を使用するものとした。ハーフトーンマスクのパラ
メータは半透過部3であるハーフトーン部の透過率10
%、光透過部4a,4bをなす開口部のサイズは、被露
光ウェハ上0.37μmで、0.3μmホールパターン
の形成を前提としたものである。ホール間距離は中心間
で1.0μmである(サイズは全てウェハ上のものであ
る)。
【0008】よって、このような2次ピーク(サイド・
ロブ)の問題点(これは近接効果により助長されてしま
う)を解消したハーフトーン型位相シフトマスク技術が
望まれている。
【0009】また、下地反射に基づくハレーションによ
り、不必要な解像が生じるという問題も、ハーフトーン
型位相シフトマスクにおいても生じているので、これを
解決することも望まれている。
【0010】上記のように、ハーフトーン型位相シフト
法は解像度向上に有効であるが、ハーフトーン型ではな
い通常マスクでは完全な遮光体となる部分が半透過部と
なっており、ここが例えば数〜十数%の光透過率を持つ
ため、一部不要なパターンが解像してしまう問題があっ
たものであり、代表的には上記したような、開口部から
の回析光とハーフトーン部(半透過部)の透過光が干渉
して、開口部周辺に強度の高い部分ができる2次ピーク
(サイド・ロブ)の問題であるが、これは特に密集パタ
ーンで近接効果により強調され、実用化の上で大きな障
害となっている(かかる2次ピークが生じた状態につい
ては、別添の参考写真参照)。また第2に、下地からの
ハレーションによる光がハーフトーン部の透過光(半透
過光)と干渉して光強度の高い部分を作り出す問題もあ
ったわけである。さらに、数μmの比較的大きなパター
ンでは上記2次ピーク(サイド・ロブ)の強度が大きく
なり、近接効果の無い場合でも問題となる。
【0011】これら問題点の解決方法として、サイド・
ロブとハレーションに関しては、ハーフトーン部(半透
過部)の一部に完全な遮光部を作成して光強度を下げる
ことにより問題を解決する手段を先に本出願人は提案し
た(特願平7−213612号)。しかしこの技術は、
2度描画が必要でプロセスが複雑になったり、高精度な
重合わせ技術も必要となることがあった。よって、さら
に実用化に適した容易な技術の開発が望まれている。
【0012】また比較的大きなパターンを有するマスク
に関しては、上記先の提案例と同様に、遮光体を用いる
方法が提唱されている(Y.Yamada,et.a
l.,“QUALITY CONTROL OF EM
BEDDED TYPE PHASE SHIFT M
ASK”,SPIE Vol.2512,95年フォト
マスクジャパンProceeding,参照)。
【0013】しかしこの方法も2度描画が必要である。
かつ被描画面積が大面積になるため、EB描画時間がか
かるという問題もある。これは光露光、例えば適宜の露
光光源を用いて1:1露光するような手段を用いれば解
消できるとは考えられるが、上記微細パターンを同時に
作成することができなくなる。これらパターンを同時に
容易に形成可能で、しかも単純なプロセスが望まれてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決して、2次ピークなどに基づく不必要な解像を防
止できるとともに、描画工程等の製造工程が簡明で生産
性が良好である位相シフト露光マスクの製造方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の位相シフト露光
マスクの製造方法は、第1に、光透過部と、該光透過部
に隣接し該光透過部より露光光の透過率が低い半透過部
と、遮光部とを備え、該光透過部と半透過部とは互いに
位相を異ならしめて露光光を透過させる位相シフト露光
マスクの製造方法において、上記遮光部の全てのエッジ
が最も近接する光透過部と等距離になる構成で上記遮光
部を形成するとともに、 上記光透過部は露光光に対して
透明な基板により構成され、上記半透過部は該基板の一
方の面上に位相シフト効果を示す膜厚で形成された半透
過層により構成され、上記遮光部は該半透過層を更に遮
光層によって覆って構成されたものであり、 上記遮光部
の全てのエッジが最も近接する光透過部と等距離になる
構成で上記遮光部を形成する手段が、基板の一方の面に
開口部を有する半透過層を形成する工程と、レジストを
塗布する工程と該レジストを基板の他方の面からの露光
工程において、光源の中心とマスクを結ぶ直線がマスク
と垂直でない方向から露光を行う工程と、これにより半
透過層の開口部の上のみレジストパターンが逆テーパー
状に形成された構造を得る工程と、該構造に遮光層を形
成する工程と、その後レジストを除去することにより、
半透過層の開口縁部と遮光層の端縁部との距離が等しい
構造とする工程を少なくとも含む構成をとるものであ
る。
【0016】本発明の位相シフト露光マスクの製造方法
は、第2に、光透過部と、該光透過部に隣接し該光透過
部より露光光の透過率が低い半透過部と、遮光部とを備
え、該光透過部と半透過部とは互いに位相を異ならしめ
て露光光を透過させる位相シフト露光マスクの製造方法
において、上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光
透過部と等距離になる構成で上記遮光部を形成するとと
もに、上記光透過部は露光光に対して透明な基板により
構成され、上記半透過部は該基板の一方の面上に位相シ
フト効果を示す膜厚で形成された半透過層により構成さ
れ、上記遮光部は該半透過層を更に遮光層によって覆っ
て構成されたものであり、上記遮光部の全てのエッジが
最も近接する光透過部と等距離になる構成で上記遮光部
を形成する手段が、基板の一方の面に半透過層と導電膜
とを形成する工程と、EBレジスト層を形成する工程
と、EB描画によりパターン描画、及び現像を行い、
電膜のエッチング、及び半透過膜のエッチングを行って
EBレジストのパターンが転写された構造とし、EBレ
ジストを除去し、その後導電膜を除去して基板上に開口
部を有する半透過層を備えた構造を形成する工程と、レ
ジストを塗布する工程と該レジストを基板の他方の面か
らの露光工程において、光源の中心とマスクを結ぶ直線
がマスクと垂直でない方向から露光を行う工程と、これ
により半透過層の開口部の上のみレジストパターンが逆
テーパー状に形成された構造を得る工程と、該構造に遮
光層を形成する工程と、その後レジストを除去すること
により、半透過層の開口縁部と遮光層の端縁部との距離
が等しい構造とする工程を少なくとも含む構成をとるも
のである。
【0017】
【0018】本発明では、上述した構成のプロセスを採
用することにより、従来は煩雑であったハーフトーン型
位相シフト露光マスクの製造工程を簡略化し、かつ、容
易に遮光部分を、それが大面積である場合も、微細パタ
ーンである場合も、これらが混在する場合であっても、
同時に自己整合的に形成することが可能となった。
【0019】すなわち本発明では、遮光部の全てのエッ
ジが最も近接する光透過部と等距離になる構成で上記遮
光部を形成するが、これは比較的容易な単純なプロセス
で可能となるものである。サイドエッチングにより遮光
層をサイドエッチングすることにより、光透過部と等距
離になる構成で遮光部を形成できる。また、斜め露光に
よりパターニングしたレジストパターンを用いることに
より、光透過部と等距離になる構成で遮光部を形成でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施の形態
について述べ、更に図面を参照して、本発明の具体的な
実施形態例を説明する。
【0021】本発明の位相シフト露光マスクの製造方法
は、光透過部と、該光透過部に隣接し該光透過部より露
光光の透過率が低い半透過部と、遮光部とを備え、該光
透過部と半透過部とを互いに位相を異ならしめて露光光
を透過させる位相シフト露光マスクの製造方法におい
て、上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光透過部
と等距離になる構成で上記遮光部を形成するものである
が、この場合、上記光透過部は露光光に対して透明な基
板(例えば代表的には、石英基板)により構成され、上
記半透過部は該基板の一方の面上に位相シフト効果を示
す膜厚で形成された半透過層により構成され、上記遮光
部は該半透過層上を更に遮光層によって覆って構成され
たものであり、上記遮光部の全てのエッジが最も近接す
る光透過部と等距離になる構成で上記遮光部を形成する
手段が、基板の他方の面からのレジスト露光と、このレ
ジストをマスクとしたサイドエッチング工程を含む一連
のプロセスを用いて形成する構成とすることができる。
【0022】また、上記本発明の位相シフト露光マスク
の製造方法において、光透過部は露光光に対して透明な
基板(例えば代表的には、石英基板)により構成され、
上記半透過部は該基板の一方の面上に位相シフト効果を
示す膜厚で形成された半透過層により構成され上記遮光
部は該半透過層上を更に遮光層によって覆って構成され
たものであり、上記遮光部の全てのエッジが最も近接す
る光透過部と等距離になる構成で上記遮光部を形成する
手段が、基板の他方の面からの露光工程において、光源
の中心とマスクを結ぶ直線がマスクと垂直でない方向か
ら露光を行う工程、すなわちマスク面に対して斜め方向
からの露光を行う工程を少なくとも含む構成とすること
ができる。
【0023】また、上記基板の他方の面からの露光工程
(斜め方向からの露光)において、マスクあるいは光源
のいずれか、もしくは双方を移動させることで異なる2
以上の角度から露光すること、あるいはそれを連続して
行うことで様々な角度から露光する構成とすることがで
きる。
【0024】本発明の位相シフト露光マスクの製造方法
は、透明基板の一方の面上に半透過層、及び遮光層を順
次積層成膜する工程と、該遮光層上にレジストを成膜
し、パターニングを行い、得られたレジストパターンを
マスクとしてエッチングにより遮光層にパターンを転写
し、残存したレジストを除去する工程と、該遮光層パタ
ーン上にレジストを成膜し、基板の他方の面からの露光
によりパターニングを行い、該レジストパターンをマス
クとしてサイドエッチングにより遮光層をサイドエッチ
ング工程とを有する構成をとる。
【0025】あるいは、透明基板の一方の面上に半透過
層を形成してパターニングする工程と該パターニングさ
れて、半導体層上にレジストを成膜し、基板の他方の面
からの斜め露光によりパターニングを行い、レジストパ
ターンを形成する工程と、得られた構造上に遮光層を成
膜する工程と、レジストパターンを除去する工程とを有
する構成をとる。
【0026】本発明の好ましい実施の態様においては、
開口部と、その開口部周辺に露光光の位相を異ならし
め、かつ前記開口部よりも低い透過率を持つ半透明膜
と、前記半透明膜の上部に少なくとも一部に露光光に対
して不透明な膜とを有する構造のマスクにおいて、不透
明膜が開口パターンの近接効果やハレーションの防止を
目的とする微細パターンとして形成され、かつ大面積の
遮光パターンとしても形成されているハーフトーン位相
シフトマスクの製造において、不透明膜全てのエッジが
マスク全面において、最も近接する開口部から等距離に
配置されているようにすることができる。
【0027】前述したように、ハーフトーン位相シフト
マスクの短所とその解決方法については、一応の解決策
が示されてはいるものの、実用的な見地から見るとまだ
まだ不十分であったのに対して、本発明では、上述した
ような手段により、このプロセスを解略化し、遮光部分
を大面積と微細パターンで同時に自己整合的に形成する
ことができる方法を提供するものである。以下に具体的
な実施例を説明する。
【0028】実施例1この例は、半導体装置露光用マス
ク製造のためのマスクの製造の場合を示すもので、参考
例であるが、本発明の実施例の説明の前提となる例であ
るので、便宜上実施例と称して説明する。ここでは、
1に示すように、微細なホールパターンが開口部として
光透過部4となり、その周囲を半透過部3が囲い、さら
にその外側が遮光部6となっているハーフトーン型位相
シフトマスクについて、その遮光部6の全てのエッジが
最も近接する光透過部4と等距離Dになる構成で遮光部
6を形成するように、マスク形成を行ったものである。
【0029】図2ないし図6を参照して、以下本実施例
におけるハーフトーン型位相シフトマスクの形成のプロ
セスを説明する。
【0030】石英基板1上に、半透過部3を構成するた
めの半透過層2として、Mo−Si膜をスパッタにより
ここでは150nmの厚さに形成する。ここで露光光の
露光波長としてはi線を想定し、透過率は8%を想定し
た。この上に遮光部6を構成するための遮光層5を、や
はりスパッタにより形成する。本実施例においては、こ
の遮光層5はEB描画時のチャージアップ防止を兼ねた
膜として機能させるようにした。具体的にはここでは、
Crを60nm厚で形成して遮光層5とした。
【0031】この上に本実施例ではポジ型EBレジスト
(ここでは具体的には、商品名EBR−9を使用)を
0.5μm厚で塗布し、レジスト層71を形成した。以
上により、図2の構造を得る。
【0032】続いて、通常のマスク形成と同様に、EB
描画により、パターン描画する。該描画後のレジストを
現像し、レジストパターンを得る。以上により、図3の
構造とした。
【0033】得られたレジストパターンをマスクに、下
地遮光層5であるCr膜のエッチッグを行う。ここで
は、CH2 ClにとO2 の混合ガスを反応ガスとして用
いて、遮光層5(Cr膜)のRIEを行った。更に該遮
光層5(Cr膜)のRIE後、続けて、反応ガスとして
CF4 とO2 との混合ガスを用いて、更に下地の半透過
層2であるMo−Si膜のRIEを行う。次にレジスト
71(EBR−9)をアッシングにより除去する。以上
により、遮光層5(Cr膜)及びその下側(基板1側)
の半透過層2(Mo−Si膜)が、ともにレジスト71
のパターンが同様に転写された図4の構造が得られる。
【0034】次に、レジスト71除去後の図4の構造
に、改めてレジスト72を形成する。この実施例では、
ポジ型の光感光レジストを塗布する。具体的には、例え
ばPMMA(ポリメチルメタクリレート)系ポジ型レジ
ストを塗布する。レジスト塗布後、基板1(石英基板)
の遮光層5(Cr膜)及び半透過層2(Mo−Si膜)
のついていない側から(図の下側から)、露光を行う。
裏面(被露光レジストのついていない側の面)からの、
いわゆるバック露光である。このようなバック露光を行
った後、現像液として溶剤を用いて、露光されたレジス
トの現像を行う。ここでは具体的には、MIBK(メチ
ルイソブチルケトン):IPA(イソプロパイル)=
3:1の溶液により現像を行い、図5のようにパターニ
ングされたレジスト72を得る。
【0035】上記レジスト現像によりマスクパターニン
グを行った後、このレジストパターンをマスクとして、
遮光層5(Cr膜)について、等方性のエッチングを行
う。本実施例では硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩
素酸の混合液を用いて、遮光層5(Cr膜)をウェット
エッチングした。このエッチングによって、Cr膜はサ
イドエッチングされる。すなわち、図5に示すように、
レジスト72の開口部に加え、図5に符号Dで示す分
が、エッチングされる。このサイドエッチングされる量
Dは、どの箇所でも一定である。
【0036】レジスト72を除去して得られた構造を図
6に示す。上記したように、レジスト72の開口縁部か
ら更にサイドエッチングされる量Dは、わずかなばらつ
きはあり得るとしても、どの箇所でも一定であるので、
結果的に、半透過層2(Mo−Si膜)の開口縁部と遮
光層5(Cr膜)の端縁部との距離は常に等しい(=
D)ことになり、よって、光透過部4のエッジと遮光部
6との距離は、常に等しい(=D)構成になる。
【0037】本実施例では上記した手段を用いたことに
より、自己整合的に、容易に必要な部分にのみ、遮光層
5(Cr膜)をつけた構造のハーフトーン位相シフトマ
スクを作成することができた。すなわち、本実施例にあ
っては、基板のバック面からのレジスト露光と、このレ
ジスト72をマスクとしたサイドエッチング工程を含む
一連のプロセスを用いて遮光層5(Cr膜)のエッチン
グを行ったので、遮光部6の全てのエッジが最も近接す
る光透過部4と等距離になる構成を容易に得られるよう
になったのである。したがって本従来技術により、ハー
フトーン型位相シフトマスクを、実用的なプロセスで形
成することが可能ならしめられた。
【0038】本実施例で用いた上記サイドエッチングに
よる自己整合プロセスは、A.Nitayama,e
t.al.,“New Phase Shifting
Mask with Self−aligned P
hase Shiftersfor a Quarte
r Micron Photolithograph
y”,IEDM89,IEEEに記載の技術を参考にで
きる。但し、この論文に示された例は、石英基板上に形
成された遮光膜をエッチングしてシフターを形成する場
合であり、サイドエッチングされるシフター部の線幅制
御が重要であり、面内ばらつきを考えると制御性に難点
があると思われる技術であるが、これに対し、本発明を
具体化したこの実施例ではサイドエッチングされる量D
それ自体の大きさは必ずしも厳密さを必要とせず、サイ
ドエッチングのばらつきの範囲で均一であればよいの
で、必要な均一性と言う点で問題はない。
【0039】本実施例では、図1で明らかな通り、上記
のようにサイドエッチングする方法で作成したことによ
り、全ての完全遮光パターン(遮光部6)が開口部(光
透過部4)から等距離Dで形成される。従来提案されて
いるEB描画を2度行って作成されるマスクでは、遮光
体が不要な部分まで描画することはスループットを考え
ればあり得ないので、2度描画で作成する場合とは、構
造上、異なることになる。
【0040】上述のように、本実施例では、マスク製造
のマスターマスク(レチクル)とするハーフトーン型位
相シフトマスクにおいて、不要パターンの解像を阻止す
るための遮光部6を構成する遮光パターンを、2度描画
を必要としない、単純なプロセスで形成することができ
る。
【0041】本実施例の手法は、後に実施例5で示すよ
うに、大面積の遮光パターンと微細な遮光パターンを同
じレチクル上に同時に形成することができる。このた
め、ハーフトーンマスクの持っている不要パターン解像
に関する問題を、全て解決することが可能となる。
【0042】実施例2 本実施例では、2層の膜のついたマスクに開口部に設け
てレジストをアッシングで取るところまでは、実施例1
と同様に行った。すなわち、実施例1と全く同様に、石
英基板1上に、半透過部3を構成するための半透過層2
として、Mo−Si膜をスパッタにより例えば150n
mの厚さに形成し、この上にスパッタによりCrを例え
ば60nm厚で形成し(本実施例ではこのCr膜は一旦
除去するものであり、単にEB描画時のチャージアップ
防止用なので、遮光部6を構成する遮光層5としての役
割は果たすものではない)、この上にポジ型EBレジス
トを塗布してレジスト層71を形成し(図2)、続いて
EB描画によりパターン描画、現像を行い(図3)、C
r膜のエッチッグ、続けて、半透過層2であるMo−S
i膜のRIEを行い、レジスト71をアッシングにより
除去し、以上により、遮光層5(Cr膜)及びその下側
(基板1側)の半透過層2(Mo−Si膜)が、ともに
レジスト71のパターンが同様に転写された図4の構造
を得る。
【0043】その後本実施例では、上層のクロム(Cr
膜5)を一旦ウエットエッチングによる剥離等を用い
て、除去する。この上層クロム(Cr膜5)は本実施例
では実施例1とは異なり、単にEB描画時のチャージア
ップ防止用なので、導電膜であればよい。特にクロムで
ある必要はない。例えば剥離さえ簡単ならば透明導電膜
でもかまわない。
【0044】上記クロム(Cr膜5)の除去の後、レジ
ストを塗布する。この際、本実施例ではポジレジストで
はなくネガレジスト73を使用する。以上により、図7
の構造とした。
【0045】本実施例でも実施例1同じくバック露光を
行うが、但しその際に本実施例では、基板1の他方の面
からの露光工程(図8の下方向からの露光工程)におい
て、その露光を、光源の中心とマスクを結ぶ直線がマス
クと垂直でない方向からの露光、すなわちマスク面に対
して斜め方向からの露光で行うようにした。図8に符号
8で示すように、基板1に対して垂直でない角度で露光
光を入射させるようにしたのである。このように露光光
8を斜め入射としたため、図8に示すようにレジスト7
3のマスク開口部と、その周辺のみレジストが露光す
る。逆テーパ状に露光されたことになる。図8中、レジ
スト73のうち、露光された部分を特に細点を施して示
す。このように逆テーパ状の露光を達成するために露光
光8を斜め入射とするには、マスクあるいは光源のいず
れか、もしくは双方を移動させることで異なる2以上の
角度から露光することによって、このような露光とする
ことができる。あるいはそれを連続して行うことで様々
な角度から露光する構成とすることができる。本実施例
では、石英基板1を図8に符号9で示すように斜めに角
度を持たせて回転しながら露光する、いわゆる斜め回転
露光を行うことにより、上記の斜め露光を実現した。も
ちろん、光源の方を動かして、図8に示すような斜め入
射露光光8とすることもできる。
【0046】露光後のレジスト73について、現像を行
うと、図9に示すように半透過層2(Mo−Si膜)の
開口部の上のみレジストパターンが形成され、かつ、上
記のように斜め露光したため、レジスト形状は逆テーパ
ーになる。
【0047】このようにして逆テーパー状にレジストパ
ターンを形成した構造に、遮光部6を構成するための遮
光層5を、例えばCrをスパッタすることにより形成す
る。以上によって、図9の構造とした。
【0048】その後、レジスト73を除去する。例え
ば、ウエットエッチングでレジスト73を取り除く。こ
の結果、図10に示すように、半透過層2(Mo−Si
膜)の開口縁部と遮光層5(Cr膜)の端縁部との距離
は常に等しい(=D)関係で、遮光層5(Cr膜)が形
成されることになる。斜め回転露光であるがゆえに、レ
ジストパターン73の逆テーパー形状は、半透過層2
(Mo−Si膜)の開口縁部から常に等距離で形成され
るからである。よって、光透過部4のエッジと遮光部6
との距離は、常に等しい(=D)構成になる。
【0049】本実施例では上記した手段を用いたことに
より、自己整合的に必要な部分にのみ、遮光層5(Cr
膜)をつけた構造のハーフトーン位相シフトマスクを作
成することができた。すなわち、本実施例にあっては、
透明基板の一方の面上に半透過層を形成してパターニン
グし、該パターニングされた半透過層上にレジストを成
膜し、基板の他方の面からの斜め露光によりパターニン
グを行ってレジストパターンを形成し、得られた構造上
に遮光層を成膜してレジストパターンを除去するように
したので、必要とされる箇所、すなわちサブピークの出
る位置に選択的に遮光パターンを形成することができ
る。
【0050】本実施例では、あまり波長の長い光を用い
ない方がよい。本実施例で半透過層(ハーフトーン膜)
として用いたMo−Siの透過率は、長波長になるに従
って飛躍的に大きくなるため、ハーフトーン部のレジス
トも感光してしまう恐れが生じるためである。本実施例
の場合、i線の透過率が8%で構成するが、i線もしく
はi線以下の波長の光を用いることが好ましい。この観
点からは、遮光部の透過率が著しく低くなるKrFエキ
シマレーザ光を光源に用いて、レジストに化学増幅ネガ
型のSAL−601を使用するのが好ましい。
【0051】本実施例も、実施例1と同様、自己整合的
に、容易に必要な部分にのみ、遮光層5(Cr膜)をつ
けて遮光部6とした構造のハーフトーン位相シフトマス
クを作成することができた。
【0052】実施例3,4 この実施例では、実施例1,2と同様の手法を用いて、
図11に示すような、遮光部6が大きなパターンである
場合に、本発明を具体化した。この実施例で形成するマ
スクパターンは、図11に平面構造を示すように、光透
過部4の中に島状に比較的大面積の遮光部6が形成さ
れ、その周囲を囲うように半透過部3が設けられた構造
をとる。実施例3では、実施例1と同様のサイドエッチ
ング技術により、図11に示すマスク構造を容易に、実
用的に形成した。実施例4では、実施例2と同様の斜め
露光技術により、図11に示すマスク構造を容易に、実
用的に形成した。
【0053】実施例5,6 この実施例では、図1に示すような微細な遮光部6パタ
ーンと、図11に示すような大きなパターンである遮光
部6が混在する場合に、本発明を具体化した。実施例5
では、実施例1,3と同様のサイドエッチング技術によ
り、このような混在パターンを有するマスク構造を容易
に、実用的に形成した。実施例6では、実施例2,4と
同様の斜め露光技術により、このような混在パターンを
有するマスク構造を容易に、実用的に形成した。
【0054】
【発明の効果】上記詳述したように、本発明の位相シフ
ト露光マスクの製造方法によれば、2次ピークなどに基
づく不必要な解像を防止できるとともに、描画工程等の
製造工程が簡明で生産性が良好である位相シフト露光の
製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のマスク構造(遮光部が微細パター
ンである場合)を示す平面図である。
【図2】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る(1)。
【図3】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る(2)。
【図4】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る(3)。
【図5】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る(4)。
【図6】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る(5)。
【図7】 実施例2の工程を順に断面図で示すものであ
る(1)。
【図8】 実施例2の工程を順に断面図で示すものであ
る(2)。
【図9】 実施例2の工程を順に断面図で示すものであ
る(3)。
【図10】 実施例2の工程を順に断面図で示すもので
ある(4)。
【図11】 実施例3,4のマスク構造(遮光部が大パ
ターンである場合)を示す平面図である。。
【図12】 従来のハーフトーン型位相シフトマスク例
の平面図である。
【図13】 従来のハーフトーン型位相シフトマスク例
の断面図である。
【図14】 従来の問題点を示す図であり、従来のハー
フトーン型位相シフトマスク例の光等高線を示す図であ
る。
【図15】 ハーフトーン型位相シフト技術における2
次ピーク発生の説明図である。
【符号の説明】
1 基板(石英基板) 2 半透過層(ハーフトーン膜) 3 半透過部 4 光透過部(開口部) 5 遮光層 6 遮光部 71,72,73 レジスト 8 斜め露光光 9 回転露光
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過部と、該光透過部に隣接し該光透過
    部より露光光の透過率が低い半透過部と、遮光部とを備
    え、該光透過部と半透過部とは互いに位相を異ならしめ
    て露光光を透過させる位相シフト露光マスクの製造方法
    において、 上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光透過部と等
    距離になる構成で上記遮光部を形成するとともに、 上記光透過部は露光光に対して透明な基板により構成さ
    れ、上記半透過部は該基板の一方の面上に位相シフト効
    果を示す膜厚で形成された半透過層により構成され、上
    記遮光部は該半透過層を更に遮光層によって覆って構成
    されたものであり、 上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光透過部と等
    距離になる構成で上記遮光部を形成する手段が、基板の
    一方の面に開口部を有する半透過層を形成する工程と、
    レジストを塗布する工程と該レジストを基板の他方の面
    からの露光工程において、光源の中心とマスクを結ぶ直
    線がマスクと垂直でない方向から露光を行う工程と、こ
    れにより半透過層の開口部の上のみレジストパターンが
    逆テーパー状に形成された構造を得る工程と、該構造に
    遮光層を形成する工程と、その後レジストを除去するこ
    とにより、半透過層の開口縁部と遮光層の端縁部との距
    離が等しい構造とする工程を少なくとも含むことを特徴
    とする位相シフト露光マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】光透過部と、該光透過部に隣接し該光透過
    部より露光光の透過率が低い半透過部と、遮光部とを備
    え、該光透過部と半透過部とは互いに位相を異ならしめ
    て露光光を透過させる位相シフト露光マスクの製造方法
    において、 上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光透過部と等
    距離になる構成で上記遮光部を形成するとともに、 上記光透過部は露光光に対して透明な基板により構成さ
    れ、上記半透過部は該基板の一方の面上に位相シフト効
    果を示す膜厚で形成された半透過層により構成され、上
    記遮光部は該半透過層を更に遮光層によって覆って構成
    されたものであり、 上記遮光部の全てのエッジが最も近接する光透過部と等
    距離になる構成で上記遮光部を形成する手段が、基板の
    一方の面に半透過層と導電膜とを形成する工程と、EB
    レジスト層を形成する工程と、EB描画によりパターン
    描画、及び現像を行い、導電膜のエッチング、及び半透
    過膜のエッチングを行ってEBレジストのパターンが転
    写された構造とし、EBレジストを除去し、その後導電
    膜を除去して基板上に開口部を有する半透過層を備えた
    構造を形成する工程と、レジストを塗布する工程と該レ
    ジストを基板の他方の面からの露光工程において、光源
    の中心とマスクを結ぶ直線がマスクと垂直でない方向か
    ら露光を行う工程と、これにより半透過層の開口部の上
    のみレジストパターンが逆テーパー状に形成された構造
    を得る工程と、該構造に遮光層を形成する工程と、その
    後レジストを除去することにより、半透過層の開口縁部
    と遮光層の端縁部との距離が等しい構造とする工程を少
    なくとも含むことを特徴とする位相シフト露光マスクの
    製造方法。
  3. 【請求項3】上記基板の他方の面からの露光工程におい
    て、マスクあるいは光源のいずれか、もしくは双方を移
    動させることで異なる2以上の角度から露光すること、
    あるいはそれを連続して行うことで様々な角度から露光
    することを特徴とする請求項1または2に記載の位相シ
    フト露光マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】上記基板の他方の面からの露光工程におい
    て、マスクあるいは光源のいずれか、もしくは双方を移
    動させることで、斜め回転露光を行うことを特徴とする
    請求項1または2に記載の位相シフト露光マスクの製造
    方法。
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