JPH07119027A - 薄起毛調布帛の製造法 - Google Patents
薄起毛調布帛の製造法Info
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- JPH07119027A JPH07119027A JP26391493A JP26391493A JPH07119027A JP H07119027 A JPH07119027 A JP H07119027A JP 26391493 A JP26391493 A JP 26391493A JP 26391493 A JP26391493 A JP 26391493A JP H07119027 A JPH07119027 A JP H07119027A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】均一性、再現性、外観および風合いに優れた薄
起毛調布帛を連続処理により安価に製造することができ
る薄起毛調布帛の製造法を提供する。 【構成】フィブリル化繊維を一部または全部に用いて構
成された布帛同士を、拡布状で摩擦することを特徴とす
る薄起毛調布帛の製造法。 【効果】フィブリル化繊維布帛に薄起毛調の処理を施す
に際し、布帛の強度低下を生じさせることなく、布帛の
片面または両面に均一性および再現性に優れたフィブリ
ルを発現させることができる。またサンディングロール
や特定の摩擦布等の摩擦用材料を必要とせず、かつ連続
処理できるため、経済性および生産性が向上する。
起毛調布帛を連続処理により安価に製造することができ
る薄起毛調布帛の製造法を提供する。 【構成】フィブリル化繊維を一部または全部に用いて構
成された布帛同士を、拡布状で摩擦することを特徴とす
る薄起毛調布帛の製造法。 【効果】フィブリル化繊維布帛に薄起毛調の処理を施す
に際し、布帛の強度低下を生じさせることなく、布帛の
片面または両面に均一性および再現性に優れたフィブリ
ルを発現させることができる。またサンディングロール
や特定の摩擦布等の摩擦用材料を必要とせず、かつ連続
処理できるため、経済性および生産性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄起毛調布帛の製造法に
関し、さらに詳しくは優れた風合いを有する薄起毛調布
帛を安価に得ることができる薄起毛調布帛の製造法に関
するものである。
関し、さらに詳しくは優れた風合いを有する薄起毛調布
帛を安価に得ることができる薄起毛調布帛の製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から布帛の表面を加工して風合いを
変化させる代表的な方法として、針布起毛が知られてい
るが、より繊細な表面風合いが必要な場合にはエメリー
起毛が採用されている。エメリー起毛は、布帛を構成す
る繊維の表面をサンドペーパーで研磨、切断し、短毛で
密度の高い均一な毛羽を出して薄起毛調を表現するもの
である。またフィブリル化繊維布帛では、布帛単独また
は布帛と粗面硬質物質とをロータリーワッシャーや液流
染色機等のバッチ式設備を用いて液中で攪拌し、布帛表
面を摩擦して繊維表面にフィブリルを生じさせるストー
ンウォツシュ方式により薄起毛調が表現されている。
変化させる代表的な方法として、針布起毛が知られてい
るが、より繊細な表面風合いが必要な場合にはエメリー
起毛が採用されている。エメリー起毛は、布帛を構成す
る繊維の表面をサンドペーパーで研磨、切断し、短毛で
密度の高い均一な毛羽を出して薄起毛調を表現するもの
である。またフィブリル化繊維布帛では、布帛単独また
は布帛と粗面硬質物質とをロータリーワッシャーや液流
染色機等のバッチ式設備を用いて液中で攪拌し、布帛表
面を摩擦して繊維表面にフィブリルを生じさせるストー
ンウォツシュ方式により薄起毛調が表現されている。
【0003】しかしながら、エメリー起毛では、硬度差
の大きい物質による摩擦や研磨によって毛羽を出すた
め、繊維の切断による強度低下、摩擦斑、摩擦による繊
維層の付着や飛散等の問題があり、高度で繊細な設備と
技術が必要とされる。またストーンウォツシュ方式にお
いては、ロータリーワッシャーの中では布帛の自由度が
ないため、また液流や気流染色機の中ではロープ状のた
め、いずれの場合も布帛表面全体に均一な摩擦力が作用
せず、均質な加工効果が得られないという欠点があっ
た。特に布帛が折れた状態の部分では強い摩擦力が加わ
り、しわの山部分は加工の重大欠陥となり、またバッチ
式であるため、生産性と再現性に問題があった。
の大きい物質による摩擦や研磨によって毛羽を出すた
め、繊維の切断による強度低下、摩擦斑、摩擦による繊
維層の付着や飛散等の問題があり、高度で繊細な設備と
技術が必要とされる。またストーンウォツシュ方式にお
いては、ロータリーワッシャーの中では布帛の自由度が
ないため、また液流や気流染色機の中ではロープ状のた
め、いずれの場合も布帛表面全体に均一な摩擦力が作用
せず、均質な加工効果が得られないという欠点があっ
た。特に布帛が折れた状態の部分では強い摩擦力が加わ
り、しわの山部分は加工の重大欠陥となり、またバッチ
式であるため、生産性と再現性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題を解決し、均一性、再現性、外観およ
び風合いに優れた薄起毛調布帛を連続処理により安価に
製造することができる薄起毛調布帛の製造法を提供する
ことにある。
の従来技術の問題を解決し、均一性、再現性、外観およ
び風合いに優れた薄起毛調布帛を連続処理により安価に
製造することができる薄起毛調布帛の製造法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は以下の通りである。 (1)フィブリル化繊維を一部または全部に用いて構成
された布帛同士を、拡布状で摩擦することを特徴とする
薄起毛調布帛の製造法。
明は以下の通りである。 (1)フィブリル化繊維を一部または全部に用いて構成
された布帛同士を、拡布状で摩擦することを特徴とする
薄起毛調布帛の製造法。
【0006】本発明に用いられる布帛は、フィブリル化
繊維を一部または全部に用いた織物、編物、不織布等の
繊維状物より構成される(以下、フィブリル化繊維布帛
と称することがある)。フィブリル化繊維は単独で用い
ても、また例えば混紡、混繊、交撚、カバリング等の加
工段階で混用してもよい。また布帛形成時に交織、交編
等により混用してもよい。布帛の表面を構成するフィブ
リル化繊維の比率は30%(重量基準)以上であるのが
好ましい。フィブリル化繊維の比率が30%未満では単
なる羽毛立て効果しか得られず、本発明の目的とする外
観および風合いに優れた薄起毛調布帛を得ることができ
ない場合がある。
繊維を一部または全部に用いた織物、編物、不織布等の
繊維状物より構成される(以下、フィブリル化繊維布帛
と称することがある)。フィブリル化繊維は単独で用い
ても、また例えば混紡、混繊、交撚、カバリング等の加
工段階で混用してもよい。また布帛形成時に交織、交編
等により混用してもよい。布帛の表面を構成するフィブ
リル化繊維の比率は30%(重量基準)以上であるのが
好ましい。フィブリル化繊維の比率が30%未満では単
なる羽毛立て効果しか得られず、本発明の目的とする外
観および風合いに優れた薄起毛調布帛を得ることができ
ない場合がある。
【0007】ここで、フィブリル化繊維とは、加工処理
によって単繊維の側面および/または末端部が割れて超
極細繊維になるものであって、フィブリル化された場合
にはその部分の少なくとも一端は単繊維に接続された状
態となるものをいう。このような繊維としては、キュプ
ラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再
生セルロース繊維、テンセル(精製セルロース繊維)、
アクリル系合成繊維、絹などが挙げられる。
によって単繊維の側面および/または末端部が割れて超
極細繊維になるものであって、フィブリル化された場合
にはその部分の少なくとも一端は単繊維に接続された状
態となるものをいう。このような繊維としては、キュプ
ラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再
生セルロース繊維、テンセル(精製セルロース繊維)、
アクリル系合成繊維、絹などが挙げられる。
【0008】本発明において、布帛の表面処理はフィブ
リル化繊維布帛同士を拡布状で連続的に摩擦することに
より行う。布帛を拡布状で処理することにより布帛の幅
方向の全面的に均一摩擦力を与えることができる。また
フィブリル化繊維布帛同士を摩擦させることにより布帛
の長さ方向の均一性と生産性の向上が図れる。拡布状態
で走行するフィブリル化繊維布帛が、同一平面上を逆方
向を含む任意の角度で交錯走行する拡布状態の同じ布帛
表面または別のフィブリル化繊維布帛表面と接触する
と、両布帛表面が瞬間的に激しい摩擦作用を受け、各々
の布帛表面繊維上にフィブリルを発現する。
リル化繊維布帛同士を拡布状で連続的に摩擦することに
より行う。布帛を拡布状で処理することにより布帛の幅
方向の全面的に均一摩擦力を与えることができる。また
フィブリル化繊維布帛同士を摩擦させることにより布帛
の長さ方向の均一性と生産性の向上が図れる。拡布状態
で走行するフィブリル化繊維布帛が、同一平面上を逆方
向を含む任意の角度で交錯走行する拡布状態の同じ布帛
表面または別のフィブリル化繊維布帛表面と接触する
と、両布帛表面が瞬間的に激しい摩擦作用を受け、各々
の布帛表面繊維上にフィブリルを発現する。
【0009】フィブリルの発現は、フィブリル化繊維布
帛の種類、表面状態、膨潤の有無、摩擦条件(交錯方
向、接触角、接触長、接触圧等)によって異なるが、前
記の接触による摩擦作用を複数回繰返すことによって任
意の薄起毛調を表現することができる。このような方法
によれば、布帛の走行経路を任意に採用することによっ
て布帛の片面または表裏両面を単一工程内で同時に接
触、摩擦することができるため、均一性、再現性および
生産性のいずれにおいても従来法に比して優れたものと
なる。
帛の種類、表面状態、膨潤の有無、摩擦条件(交錯方
向、接触角、接触長、接触圧等)によって異なるが、前
記の接触による摩擦作用を複数回繰返すことによって任
意の薄起毛調を表現することができる。このような方法
によれば、布帛の走行経路を任意に採用することによっ
て布帛の片面または表裏両面を単一工程内で同時に接
触、摩擦することができるため、均一性、再現性および
生産性のいずれにおいても従来法に比して優れたものと
なる。
【0010】他方の布帛としてフィブリル化繊維布帛で
ない摩擦用布帛、例えば綿モスリンなどの布帛を用いて
実施した場合には、摩擦用布帛との剛軟性、表面状態、
膨潤性等の差異からフィブリルの発現が不均一となると
ともに、固定的な摩擦用布帛は経時的に表面の繊維が摩
耗、磨滅して摩擦効果が変化するため、フィブリル化繊
維布帛の長さ方向においてフィブリルの発現状態が減少
し、均一性が得られない。
ない摩擦用布帛、例えば綿モスリンなどの布帛を用いて
実施した場合には、摩擦用布帛との剛軟性、表面状態、
膨潤性等の差異からフィブリルの発現が不均一となると
ともに、固定的な摩擦用布帛は経時的に表面の繊維が摩
耗、磨滅して摩擦効果が変化するため、フィブリル化繊
維布帛の長さ方向においてフィブリルの発現状態が減少
し、均一性が得られない。
【0011】本発明において、布帛の表面処理は通常乾
燥状態で処理されるが、布帛が水または溶液に膨潤する
性質を持っている場合には、湿潤状態で処理を行っても
よい。布帛を構成する繊維状物が水または化学薬剤を含
む溶液で容易に湿潤する性質を持つ場合には、膨潤によ
る表面構造の変化、湿潤状態における摩擦抵抗の増加と
強度低下等がフィブリルの発生を助長するため、湿潤状
態で布帛を処理するのが好ましい。
燥状態で処理されるが、布帛が水または溶液に膨潤する
性質を持っている場合には、湿潤状態で処理を行っても
よい。布帛を構成する繊維状物が水または化学薬剤を含
む溶液で容易に湿潤する性質を持つ場合には、膨潤によ
る表面構造の変化、湿潤状態における摩擦抵抗の増加と
強度低下等がフィブリルの発生を助長するため、湿潤状
態で布帛を処理するのが好ましい。
【0012】以下、本発明の薄起毛調布帛の製造法を図
面により説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。図1は、本発明の一例を示す片面処理の布帛
走行経路の説明図である。図1において、布帛Aは、拡
布状態で回転ロール1から接圧ロール5上を経て回転ロ
ール2によって反転され、次いで前記接圧ロール5上の
布帛Aの表面と逆方向に走行しつつ接触して回転ロール
3に導かれる。この接触により布帛Aの同一表面が接圧
ロール5上において相互に接触し、摩擦される。接圧ロ
ール5は装置の前後または上下に移動可能に設置され、
また接圧ロール5の直径も任意である。布帛同士の接触
角、接触長、接触圧等の調整により接触摩擦の程度を自
由に変更することができる。
面により説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。図1は、本発明の一例を示す片面処理の布帛
走行経路の説明図である。図1において、布帛Aは、拡
布状態で回転ロール1から接圧ロール5上を経て回転ロ
ール2によって反転され、次いで前記接圧ロール5上の
布帛Aの表面と逆方向に走行しつつ接触して回転ロール
3に導かれる。この接触により布帛Aの同一表面が接圧
ロール5上において相互に接触し、摩擦される。接圧ロ
ール5は装置の前後または上下に移動可能に設置され、
また接圧ロール5の直径も任意である。布帛同士の接触
角、接触長、接触圧等の調整により接触摩擦の程度を自
由に変更することができる。
【0013】図2は、本発明の他の例を示す片面処理の
布帛走行経路の説明図である。図2において図1と異な
る点は、接圧ロールでの布帛への接圧付与を2本の接圧
ロール5、6により行っていることである。この場合に
は図1に比して強い接圧付与が可能である。図3は、本
発明のさらに他の一例を示す両面処理の布帛走行経路の
説明図である。図3において、布帛Aは、拡布状態で回
転ロール1から接圧ロール5上を経て回転ロール2に導
かれて反転し、次いで前記接圧ロール5上の布帛Aの表
面と、逆方向に走行しつつ接触し、回転ロール3に導か
れて再び反転され、前記接圧ロール7上の布帛Aの表面
と、逆方向に走行しつつ接触して回転ロール4に導かれ
る。このような走行により、布帛Aの表面は接圧ロール
5上で、また布帛Aの裏面は接圧ロール7上で相互に逆
行する同一布帛の同一面と接触し、摩擦作用を受けるこ
とになる。
布帛走行経路の説明図である。図2において図1と異な
る点は、接圧ロールでの布帛への接圧付与を2本の接圧
ロール5、6により行っていることである。この場合に
は図1に比して強い接圧付与が可能である。図3は、本
発明のさらに他の一例を示す両面処理の布帛走行経路の
説明図である。図3において、布帛Aは、拡布状態で回
転ロール1から接圧ロール5上を経て回転ロール2に導
かれて反転し、次いで前記接圧ロール5上の布帛Aの表
面と、逆方向に走行しつつ接触し、回転ロール3に導か
れて再び反転され、前記接圧ロール7上の布帛Aの表面
と、逆方向に走行しつつ接触して回転ロール4に導かれ
る。このような走行により、布帛Aの表面は接圧ロール
5上で、また布帛Aの裏面は接圧ロール7上で相互に逆
行する同一布帛の同一面と接触し、摩擦作用を受けるこ
とになる。
【0014】図4は、本発明のさらに他の一例を示す片
面処理の布帛走行経路の平面説明図である。図4におい
て、布帛Aは、拡布状態で送出しロール10から巻取り
ロール11に連続的に走行し、一方、布帛Bは、拡布状
態で送出しロール20から巻取りロール21に連続的に
走行し、走行時には布帛Aと布帛Bの表面は直角に交錯
し、交錯面は接圧調整用固定棒8によって接触摩擦され
る。この場合、布帛は方向転換方式を用いて同一布帛と
してもよい。
面処理の布帛走行経路の平面説明図である。図4におい
て、布帛Aは、拡布状態で送出しロール10から巻取り
ロール11に連続的に走行し、一方、布帛Bは、拡布状
態で送出しロール20から巻取りロール21に連続的に
走行し、走行時には布帛Aと布帛Bの表面は直角に交錯
し、交錯面は接圧調整用固定棒8によって接触摩擦され
る。この場合、布帛は方向転換方式を用いて同一布帛と
してもよい。
【0015】上記の図1、図2、図3および図4の走行
経路を単独種または多数種を複数組合わせることによ
り、布帛の片面または両面に任意の強さの摩擦作用を与
えることができ、また表裏に異なる摩擦作用を与えるこ
とも可能である。上記走行経路に使用する回転ロールに
は、通常の布帛加工機に用いられる金属性ガイドロール
類等が使用できる。また接圧ロールの材質としては金属
性でも何ら差し支えないが、布帛を構成する繊維材質、
布帛の厚み、表面の凹凸、接触圧の均一性等の点から表
面の硬度が80〜95°の範囲にある合成ゴムまたは合
成樹脂製が好ましい。
経路を単独種または多数種を複数組合わせることによ
り、布帛の片面または両面に任意の強さの摩擦作用を与
えることができ、また表裏に異なる摩擦作用を与えるこ
とも可能である。上記走行経路に使用する回転ロールに
は、通常の布帛加工機に用いられる金属性ガイドロール
類等が使用できる。また接圧ロールの材質としては金属
性でも何ら差し支えないが、布帛を構成する繊維材質、
布帛の厚み、表面の凹凸、接触圧の均一性等の点から表
面の硬度が80〜95°の範囲にある合成ゴムまたは合
成樹脂製が好ましい。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例1 キュプラ・フィラメント糸よりなるタフタ(経糸75d
/45f、緯糸100d/60f、幅128cm)を通常
の連続精練機を用いて糊抜、精練、乾燥した。この精練
布を、直径100mmの金属製回転ロールおよび直径70
mmで硬度85°の合成ゴム製接圧ロールを用いた図1に
示す片面処理走行経路を10セット組み込んだ装置で、
処理速度40m/min、接触角10°、接圧30kg/
全幅の条件で連続処理を行った。この処理によって布帛
の片面は計10回の接触摩擦を連続的に受けた。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例1 キュプラ・フィラメント糸よりなるタフタ(経糸75d
/45f、緯糸100d/60f、幅128cm)を通常
の連続精練機を用いて糊抜、精練、乾燥した。この精練
布を、直径100mmの金属製回転ロールおよび直径70
mmで硬度85°の合成ゴム製接圧ロールを用いた図1に
示す片面処理走行経路を10セット組み込んだ装置で、
処理速度40m/min、接触角10°、接圧30kg/
全幅の条件で連続処理を行った。この処理によって布帛
の片面は計10回の接触摩擦を連続的に受けた。
【0017】次に処理布をコールド・パッド・バッチ法
により濃紺色に染色し、繊維素反応型樹脂による樹脂加
工仕上げを定法どおり実施した。得られた染色布の片面
には、表面全体に均一な主として経糸のフィブリル発生
が認められ、ビロード状の色調と外観があり、かつ薄起
毛調の風会いがあった。また染色布の裏面は通常加工と
同一の加工結果でフィブリルの発生はなく、染色布の表
裏が別の風合いを持つ特徴のある加工布帛を得ることが
できた。
により濃紺色に染色し、繊維素反応型樹脂による樹脂加
工仕上げを定法どおり実施した。得られた染色布の片面
には、表面全体に均一な主として経糸のフィブリル発生
が認められ、ビロード状の色調と外観があり、かつ薄起
毛調の風会いがあった。また染色布の裏面は通常加工と
同一の加工結果でフィブリルの発生はなく、染色布の表
裏が別の風合いを持つ特徴のある加工布帛を得ることが
できた。
【0018】実施例2 実施例1において、精練布を30℃の水酸化ナトリウム
50g/l水溶液に含浸し、絞液処理して用いた以外は
実施例1と同様の条件で布帛の摩擦処理を実施し、同様
にして拡布状で湯洗、酢酸中和、湯洗、水洗と染色、仕
上げを実施した。 得られた染色布の片面には表面全体
に実施例1より強くて均一な主として経糸のフィブリル
発生が認められた。フィブリルの発生により布帛全体の
風合いは非常に嵩高性に富み、かつ布帛表面は微細な繊
維フィブリルによって薄起毛調の風合いと、独特の方向
性を持った色調と光沢を示した。
50g/l水溶液に含浸し、絞液処理して用いた以外は
実施例1と同様の条件で布帛の摩擦処理を実施し、同様
にして拡布状で湯洗、酢酸中和、湯洗、水洗と染色、仕
上げを実施した。 得られた染色布の片面には表面全体
に実施例1より強くて均一な主として経糸のフィブリル
発生が認められた。フィブリルの発生により布帛全体の
風合いは非常に嵩高性に富み、かつ布帛表面は微細な繊
維フィブリルによって薄起毛調の風合いと、独特の方向
性を持った色調と光沢を示した。
【0019】実施例3 実施例2において、図3に示す布帛走行経路を12組を
組み込んだ装置で両面処理を実施した以外は、実施例2
と同様に摩擦処理を行い、さらに同様にして拡布状で湯
洗、酢酸中和、湯洗、水洗と染色、仕上げを実施した。
得られた染色布には、布帛の両面に均一で強度なフィブ
リルの発生が認められた。布帛は嵩高性に富み、その表
面は微細な繊維フィブリルによって薄起毛調の風合い
と、独特の方向性を持った色調と光沢を示した。
組み込んだ装置で両面処理を実施した以外は、実施例2
と同様に摩擦処理を行い、さらに同様にして拡布状で湯
洗、酢酸中和、湯洗、水洗と染色、仕上げを実施した。
得られた染色布には、布帛の両面に均一で強度なフィブ
リルの発生が認められた。布帛は嵩高性に富み、その表
面は微細な繊維フィブリルによって薄起毛調の風合い
と、独特の方向性を持った色調と光沢を示した。
【0020】比較例1 図4に示す走行経路により、実施例1で用いた精練布3
000m(布帛A)と、面ブロード5mをエンドレスに
継反した10組の摩擦用布帛Bとを角度90°で接圧3
0kg/全幅で交錯させた。処理速度は、布帛Aが50m
/分、布帛Bが100m/分であった。得られた摩擦処
理布の染色、仕上げを実施例1と同一の条件で実施し
た。
000m(布帛A)と、面ブロード5mをエンドレスに
継反した10組の摩擦用布帛Bとを角度90°で接圧3
0kg/全幅で交錯させた。処理速度は、布帛Aが50m
/分、布帛Bが100m/分であった。得られた摩擦処
理布の染色、仕上げを実施例1と同一の条件で実施し
た。
【0021】得られた染色布には約1000m付近まで
は均一なフィブリルの発生が認められたが、その後は徐
々にフィブリルの発生が軽度となり、約2500m付近
ではほとんどフィブリルの発生が認めれず、加工布の長
さ方向に均質な製品を得ることができなかった。また3
000mを処理した後の10組の摩擦用布帛Bは、いず
れも表面が研磨されて平滑となり、フィブリルの発生を
目的とする摩擦布としては不適当な状態となっていた。
は均一なフィブリルの発生が認められたが、その後は徐
々にフィブリルの発生が軽度となり、約2500m付近
ではほとんどフィブリルの発生が認めれず、加工布の長
さ方向に均質な製品を得ることができなかった。また3
000mを処理した後の10組の摩擦用布帛Bは、いず
れも表面が研磨されて平滑となり、フィブリルの発生を
目的とする摩擦布としては不適当な状態となっていた。
【0022】比較例2 実施例1における精練布500mをロープ状として液流
染色機に入れ、浴比1:25、布速度200m/分で6
0℃で3時間の処理を行った。その後拡布状で乾燥した
後、染色、仕上げを実施例1と同一の条件で実施した。
得られた染色布には、布帛の表面全体に経方向の皺跡が
強弱交えて無数認められ、その皺の凸部に強度のフィブ
リルの発生があるのに対し、皺でない部分には軽度のフ
ィブリルしか発現せず、全体的に斑状の外観を呈した。
染色機に入れ、浴比1:25、布速度200m/分で6
0℃で3時間の処理を行った。その後拡布状で乾燥した
後、染色、仕上げを実施例1と同一の条件で実施した。
得られた染色布には、布帛の表面全体に経方向の皺跡が
強弱交えて無数認められ、その皺の凸部に強度のフィブ
リルの発生があるのに対し、皺でない部分には軽度のフ
ィブリルしか発現せず、全体的に斑状の外観を呈した。
【0023】
【発明の効果】本発明の薄起毛調布帛の製造法によれ
ば、フィブリル化繊維布帛に薄起毛調の処理を施すに際
し、布帛の強度低下を生じさせることなく、布帛の片面
または両面に均一性および再現性に優れたフィブリルを
発現させることができる。またサンディングロールや特
定の摩擦布等の摩擦用材料を必要とせず、かつ連続処理
できるため、経済性および生産性が向上する。
ば、フィブリル化繊維布帛に薄起毛調の処理を施すに際
し、布帛の強度低下を生じさせることなく、布帛の片面
または両面に均一性および再現性に優れたフィブリルを
発現させることができる。またサンディングロールや特
定の摩擦布等の摩擦用材料を必要とせず、かつ連続処理
できるため、経済性および生産性が向上する。
【図1】本発明の一例を示す片面処理の布帛走行経路の
説明図。
説明図。
【図2】本発明の他の例を示す片面処理の布帛走行経路
の説明図。
の説明図。
【図3】本発明のさらに他の例を示す両面処理の布帛走
行経路の平面説明図。
行経路の平面説明図。
【図4】本発明のさらに他の例を示す片面処理の布帛走
行経路の説明図。
行経路の説明図。
A、B…拡布状布帛、1、2、3、4…回転ロール、
5、6、7…接圧ロール、8…接圧調整用固定棒、1
0、20…送出しロール、11、21…巻取りロール。
5、6、7…接圧ロール、8…接圧調整用固定棒、1
0、20…送出しロール、11、21…巻取りロール。
Claims (1)
- 【請求項1】 フィブリル化繊維を一部または全部に用
いて構成された布帛同士を、拡布状で摩擦することを特
徴とする薄起毛調布帛の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26391493A JPH07119027A (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 薄起毛調布帛の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26391493A JPH07119027A (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 薄起毛調布帛の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119027A true JPH07119027A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17396023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26391493A Withdrawn JPH07119027A (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 薄起毛調布帛の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07119027A (ja) |
-
1993
- 1993-10-21 JP JP26391493A patent/JPH07119027A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001226 |