JPH07117295B2 - 強制追だき付給湯風呂釜の排水方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、器具本体から浴槽水の
循環追だき管路を経由して浴槽への湯張りを行ない、か
つ、必要に応じ、浴槽水を循環追だき管路中に強制的に
循環させながら追だきを行なうように構成した給湯風呂
釜の浴槽水排出時の排水方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】前記の如き給湯風呂釜の一例を図３に示
す。この給湯風呂釜は、器具本体１内に給湯用熱交換器
２と追だき用熱交換器３とを具備し、給湯用熱交換器２
の出湯管４から分岐された注湯電磁弁５を有する分岐管
路を浴槽水の強制循環追だき管路６に接続し、その強制
循環追だき管路には循環ポンプ７、水位センサ（例えば
圧力センサ）８、追だき確認スイッチ９などを有し、浴
槽１０への湯張りは、注湯電磁弁５を開くと共にバーナ
１２を燃焼させて循環追だき管路６を介して行なってい
る。

【０００３】すなわち、運転スイッチをオンすると、注
湯電磁弁５を開くと共に給湯用熱交換器のバーナ１２を
燃焼させて循環追だき管路６を介して浴槽１０中に注湯
し、その間水位センサ８により浴槽中の水位を検出し、
浴槽中の水位が設定水位に達したことを検出すると注湯
電磁弁５を閉じて湯張りを停止させ、次いで循環ポンプ
７を駆動すると共に図示を省略した湯温検出センサによ
り浴槽中の湯温を検出し、浴槽中の湯温が設定湯温に達
してないときには追だき確認スイッチ９による流水を確
認した後追だき用バーナ１３を燃焼させて追だき運転を
行ない、浴槽中の湯温が設定温度に達したことを検出す
ると循環ポンプ７およびバーナ１３を停止させるように
構成されている。なお、この種の給湯風呂釜は、図示を
省略したマイコン制御部によって前記の如く自動的に運
転されるのであるが、その湯張り水位の制御は、器具設
置時に図４に示す水位（Ｐ）−水量（Ｑ）グラフを記憶
させておき、そのＰ−Ｑグラフと湯張り中の水位センサ
８によって検出した浴槽水位に対応する圧力Ｐ（実際に
は電圧として検出される）とを比較し、水位センサ８が
設定水位に達した圧力を検出すると自動的に湯張りを停
止させる。

【０００４】なお、前記Ｐ−Ｑグラフは、浴槽の循環口
１０ａまでは検出値が一定で、それより水位が上昇する
と検出値が上昇することを利用し、浴槽の追だき循環口
１０ａの高さを基準点とするものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】浴槽に接続された強制
追だき機能を有する給湯風呂釜は、前記の如く構成され
ていて、入浴後浴槽の排水栓１０ｂを抜けば浴槽中の残
水を排出することができるが、器具内の循環追だき管路
および器具から浴槽に至る配管中には入浴後の汚れた湯
が残ってしまい、その残水には人の汗、脂質、塩、アミ
ノ酸、糖、タンパク質等を栄養源として増殖する細菌が
あって、それが時間がたつにつれて増殖され、ニゴリ，
ヌメリ，ニオイなどの原因となり、次に清潔なお湯を入
れて入浴しようと思っても、前記の如き不潔な残水が浴
槽中に混入されてしまうという問題がある。

【０００６】また、追だき用の循環配管を備えた風呂釜
付給湯器において、水位センサーにより浴槽水位が一定
値以下であることを検出すると循環ポンプを所定時間駆
動させてシスターンから循環配管中に浄水を流すように
し、これにより、循環配管中にゴミやアカなどが付着す
るのを防止するようにしたものが実開昭６３−１５３０
５７号公報により提案されている。この従来技術によれ
ば、浴槽水を排出すると、浴槽水位の低下により循環配
管中に浄水を供給するので、循環配管中のゴミやアカの
付着防止にある程度の効果を発揮することができるが、
浄水供給のタイミングについて十分な考慮がなされてい
ないので、誤動作のおそれがあるばかりでなく、循環配
管中のゴミやアカの付着防止作用も不十分であって、実
用に適さないという問題がある。すなわち、この従来技
術においては、浴槽中に所望水位まで湯張りするための
水位センサーを排水検出センサーとして利用し、かつ、
該水位センサーは、設定水位に達すると電気的スイッチ
がオフしてポンプを停止させ、設定水位以下のとき電気
的スイッチがオンしてポンプを駆動する１点検出水位セ
ンサーを使用しているので、浴槽への人の出入り、ある
いは浴槽内の湯の掻き出しによる湯面の変動などを浴槽
水の排出と誤検出し、入浴中にもかゝわらず循環配管中
のゴミやアカを洗い流して浴槽中に排出するおそれがあ
る。のみならず、この従来技術においては、浴槽水位が
循環口より上にある状態、すなわち、循環配管中に浴槽
水が満されている状態から浄水を流し始めるので、浄水
供給による循環管路内のゴミやアカの洗い流し作用が不
十分であるばかりでなく、折角洗い流した汚水が再び循
環配管中に流入して再汚染されるという問題がある。

【０００７】本発明は、前記の如き従来技術の問題点を
改善し、実用上よくある一時的な湯面の変動は検出せ
ず、浴槽水の排出時のみこれを検出し、循環追だき管路
内の汚れた浴槽水を確実に洗い流して浄水と置換させる
ことができる、強制追だき付給湯風呂釜の排水方法を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の如き目
的を達成するため、器具本体内に給湯用熱交換器と追だ
き用熱交換器とを具備し、その給湯用熱交換器の出湯管
から分岐された注湯電磁弁を有する分岐管路を浴槽水の
循環追だき管路に接続して器具本体から循環追だき管路
を介して浴槽への湯張りを行ない、必要に応じ、浴槽水
を循環追だき管路中に強制的に循環させて前記追だき用
熱交換器による追だきを行なうように構成した給湯風呂
釜において、浴槽中の水位検出手段を具備し、その水位
検出手段が浴槽の循環口以下の水位であることを検出す
ると、その循環口以下の水位が、その後浴槽中に注水し
ても浴槽中の水を循環させることができない水位以下に
なるまでの設定時間連続したかどうかを検出し、設定時
間連続を検出すると注湯電磁弁を一旦開いて循環追だき
管路を介し浴槽中に給水し、その給水を設定時間行なう
かまたは設定量行なった後注湯電磁弁を閉じて強制追だ
き循環管路に残存していた残水を浄水と置換させること
を特徴とする。

【０００９】

【作用】浴槽の排水栓を抜いたときには、検出水位は循
環口以下であってそれが連続する。本発明は、この点を
とらえて、浴槽の排水栓が抜かれたことを循環口以下の
水位がある設定時間連続したことにより検知し、その排
水栓が抜かれている浴槽中に循環追だき管路を介して給
水する。給湯用熱交換器は元々水道管に接続されている
ので、その給水圧により循環追だき管路に残っていた汚
れた水は浴槽中に押し出され、設定時間または設定量の
給水により浄水と置換される。また、本発明において
は、前記の如く、水位検出手段が浴槽の循環口以下であ
ることを検出すると、その循環口以下の水位が、その後
浴槽中に注水しても浴槽中の水を循環させることができ
ない水位以下になるまでの設定時間連続したかどうかを
検出し、その設定時間連続を検出すると注湯電磁弁を開
いて循環追だき管路を介して浴槽中に給水するので、循
環追だき管路内は殆ど水がない状態で給水され、これに
より循環追だき管路内に付着したゴミやアカを確実に洗
い流すことができ、かつ、その給水にもかゝわらず、浴
槽水位が循環口以上となって浴槽中に排出された汚水が
循環追だき管路内に流入して再汚染されるおそれがな
い。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の一実施例を図１について説明
する。

【００１１】本発明を適用する給湯風呂釜は、図３に示
すように、給湯熱交換器２およびそのバーナ１２と、追
だき用熱交換器３およびそのバーナ１３とを具備し、給
湯熱交換器２の出湯管４は注湯電磁弁５を有する分岐管
路により循環追だき管路６に接続されており、その循環
追だき管路６の往管と戻り管の端末は浴槽循環口１０ａ
に接続され、浴槽１０への湯張りは、注湯電磁弁５を開
いて、給湯熱交換器２により加熱された湯を循環追だき
管路６の往管と戻り管とを介して注湯することにより行
なうように構成されている。７は循環ポンプ、８は浴槽
中の水位を検出する圧力センサなどの水位センサ、９は
追だき確認スイッチである。また、１１はフローセンサ
である。なお、図３は本発明を適用する給湯風呂釜の一
例を示すものであるが、本発明は図３に示すものに限定
されるものではない。すなわち、給湯用熱交換器により
加熱した湯を循環追だき管路を介して浴槽中に湯張り
し、かつ、浴槽中の水位を検出してマイコン制御部（図
示を省略した）により制御すべくなした給湯風呂釜であ
れば適用することができる。

【００１２】次に、図１により本発明の一実施例を説明
する。

【００１３】図１に示すように、浴槽中の水位は水位セ
ンサ８により常に検出されている。この状態において、
浴槽の排水栓１０ｂが抜かれると、浴槽水位は次第に下
降し、浴槽水位が循環口１０ａ以下になったことを水位
センサ８が検出する。すると、マイコン制御部はその状
態がある設定時間連続したかどうかを検出し、それが設
定時間連続したとき注湯電磁弁５を開いて循環追だき管
路６を介して浴槽１０中に注水する。前記の循環口１０
ａ以下の水位の連続時間とは、浴槽中に注水しても浴槽
中の水を循環させることができない水位以下になるまで
の時間であって、例えば、浴槽中の水が排水栓１０ｂか
ら完全に抜けるまでの時間を設定する。また、前記循環
追だき管路を経由する浴槽への注水は、バーナ１２を燃
焼させてもよいし、燃焼させなくてもよい。

【００１４】かくして、注湯電磁弁５を開いて循環追だ
き管路を経由する浴槽への注水を開始すると、制御部は
その注水時間をカウントし、それが設定された一定時間
経過すると注湯電磁弁５を閉じる。この注水時間は、給
水圧により循環追だき管路６中に残留していた残水が浴
槽中に向って押し出され、それが完全に浴槽中に排出さ
れるまでの時間であって、例えば、水道水の給水圧が比
較的低い場合を基準として設定する。

【００１５】または、図２に示すように、給水時間のカ
ウントに代えて、フローセンサ１１により給水量をカウ
ントし、設定給水量に達したら注湯電磁弁５を閉じても
よい。

【０００１６】本発明は、前記のように、循環口以下の
水位が設定時間連続したことにより浴槽中の排水栓が抜
かれたと判断して循環追だき管路を介し浴槽中に給水す
るので、浴槽中の一時的な湯面の変動があってもそれに
影響されることなく浴槽水の排出時のみ循環追だき管路
を介して浴槽中に給水し、しかもその給水時には循環追
だき管路内は殆ど水がない状態になっているので、循環
追だき管路内に付着したゴミやアカ並びに残水は給水に
より浴槽中に押し出されて浄水と置換される。従って、
次回の使用に際し、細菌が増殖された不潔な水が浴槽中
に混入することを防止し、しかも、循環追だき管路の中
の残水が浄水と置換されて空になることがないので、次
回の運転を円滑に行なうことができる。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、循
環追だき管路中の細菌が増殖された不潔な水が浴槽中に
混入することを防止し、かつ、次回の運転を円滑に行な
うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すフローチャート。

【図２】本発明の他の実施例を示すフローチャート。

【図３】給湯風呂釜の一例を示す構成図。

【図４】水位−水量グラフの説明図。

【符号の説明】

２…給湯用熱交換器、３…循環追だき用熱交換器、４…
出湯管、５…注湯電磁弁、６…循環追だき管路、７…循
環ポンプ、８…水位センサ、９…追だき確認スイッチ、
１０…浴槽、１０ａ…循環口、１０ｂ…排水栓、１１…
フローセンサ、１２,１３…バーナ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 器具本体内に給湯用熱交換器と追だき用
   熱交換器とを具備し、その給湯用熱交換器の出湯管から
   分岐された注湯電磁弁を有する分岐管路を浴槽水の循環
   追だき管路に接続して器具本体から循環追だき管路を介
   して浴槽への湯張りを行ない、必要に応じ、浴槽水を循
   環追だき管路中に強制的に循環させて前記追だき用熱交
   換器による追だきを行なうように構成した給湯風呂釜に
   おいて、浴槽中の水位検出手段を具備し、その水位検出
   手段が浴槽の循環口以下の水位であることを検出する
   と、その循環口以下の水位が、その後浴槽中に注水して
   も浴槽中の水を循環させることができない水位以下にな
   るまでの設定時間連続したかどうかを検出し、設定時間
   連続を検出すると注湯電磁弁を一旦開いて循環追だき管
   路を介し浴槽中に給水し、その給水を設定時間行なった
   後注湯電磁弁を閉じて強制追だき循環管路に残存してい
   た残水を浄水と置換せしめることを特徴とする強制追だ
   き付給湯風呂釜の排水方法。
2. 【請求項２】 器具本体内に給湯用熱交換器と追だき用
   熱交換器とを具備し、その給湯用熱交換器の出湯管から
   分岐された注湯電磁弁を有する分岐管路を浴槽水の循環
   追だき管路に接続して器具本体から循環追だき管路を介
   して浴槽への湯張りを行ない、必要に応じ、浴槽水を循
   環追だき管路中に強制的に循環させて前記追だき用熱交
   換器による追だきを行なうように構成した給湯風呂釜に
   おいて、浴槽中の水位検出手段を具備し、その水位検出
   手段が浴槽の循環口以下の水位であることを検出する
   と、その循環口以下の水位が、その後浴槽中に注水して
   も浴槽中の水を循環させることができない水位以下にな
   るまでの設定時間連続したかどうかを検出し、設定時間
   連続を検出すると注湯電磁弁を一旦開いて循環追だき管
   路を介して浴槽中に給水し、かつ、その給水量をカウン
   トし、その給水量が設定量に達すると注湯電磁弁を閉じ
   て強制追だき循環管路に残存していた残水を浄水と置換
   せしめることを特徴とする強制追だき付給湯風呂釜の排
   水方法。