JPH07115950A - 食品用保存剤 - Google Patents
食品用保存剤Info
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- JPH07115950A JPH07115950A JP28974993A JP28974993A JPH07115950A JP H07115950 A JPH07115950 A JP H07115950A JP 28974993 A JP28974993 A JP 28974993A JP 28974993 A JP28974993 A JP 28974993A JP H07115950 A JPH07115950 A JP H07115950A
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Abstract
質に影響しない食品保存剤を提供すること 【構成】 乳酸菌プロピオニバクテリウム属菌によって
生産されたバクテリオシン、例えばP.ジェンセニイP
126の生産するジェンセニンG等と、有機酸(塩)
類;多価アルコール類の脂肪酸エステル類;アミノ酸;
抗菌性を有するペプチド、蛋白質類;糖、糖酸、アミノ
糖よりなる多糖類、その部分分解物;香辛料、その精
油、植物成分;アルコール類からなる群から選ばれる少
なくとも1種を併用する。
Description
ものである。
る貯蔵・保存は、人間の歴史とともに常に解決を求めら
れる課題としてあり、そのための対策として、あらゆる
物理的あるいは化学的方法が考案されてきた。例えば、
冷凍、冷蔵、乾燥、塩蔵、糖蔵、加熱減菌、加熱殺菌
(壜、缶詰)、包装加熱、包装内部の気相置換、などの
ほかに酢漬け、乳酸醗酵、さらには安息香酸やソルビン
酸などの化学的保存料の使用などがそれらの対応策とし
て採られてきた。
続けられたものとはいえ、食品自体に対する要求は、時
代の流れに伴い変化する。安全性はいつの時代において
も第一に要求されるが、近年特に、健康と食物に対する
関心が深まり、それと共に、天然または自然に近い食品
に対する関心が高まってきている。
品の保存方法にも著しい影響を与えている。安全性指向
からは食品にできるだけ合成保存料の添加を減らし、天
然指向からは冷凍や冷蔵、乾燥や塩蔵などもあまり好ま
れず、グルメ指向からはできるだけ新鮮なものが求めら
れ、健康指向からはできるだけ食塩濃度を減らしたいと
いう様々な要求に対して、種々の方法の開発が行われて
きている。
の国境が無くなってきていることであり、世界中のあら
ゆる所から食品素材あるいは食品そのものが輸入されて
来ていることである。このことは食品とともに、食品に
付着ないし汚染している各種の微生物が広く食品市場に
入ってきていることを意味し、多くの新しい食中毒菌例
えば、Listeria monocytogenesや、幾つかのサルモネラ
菌、従来あまり日本では検出されなかったボツリヌスA
あるいはB型菌などによる食中毒の危険性が指摘される
に到っている。
増加で、例えば、サラダ類、サンドイッチ類、玉子焼
き、カスタ−ドクリ−ム、チキンナゲット、チキンバス
ケット、フライ類など、さらにそれらを組み合わせた、
いわゆるおかずの類が、それなりに一定期間の微生物に
対する安定性の保証を求められながら市販されるに至っ
ていることである。
性食品において食塩濃度を低下させることが行われてお
り、たとえば、イカの塩辛の食塩濃度は10数%あった
ものが、4〜5%に低下され、漬物では12〜3%のも
のが4〜6%に、肉製品では2.5〜3%のものが1〜
2%に、味噌では13%程度のものが4〜8%に、魚介
類の干物では2〜3%のものが0.6〜1%に低下して
きている。このことは食品類の微生物に対する安定性が
著しく低下することになり、単に腐敗し易いのみなら
ず、各種の食中毒菌に対する安全性も低下することにな
ってきている。
先ず第一に食品類を製造する環境を清潔にし、生産と食
品の包装工程において微生物の汚染をできるだけ少なく
する、微生物の汚染度の出来るだけ少ない食品材料を使
用する、製造工程から包装工程を出来るだけ低温に管理
する、製品は低温に保存するなどの基本的な対策を行う
のが通例である。しかしながら、食品原材料中の微生物
の数を、完全にゼロにすることは極めて困難であり、通
常生の肉や魚介類であれば、最低でも、103/g程度の微
生物が存在するし、また製造工程中に60〜80℃程度
の加熱殺菌工程があっても、耐熱性の細菌芽胞が残留す
ることは避けられない。
類のなかには低温でよく発育するものがある。食中毒細
菌のなかにも低温で発育するものがあり、Yersinia ent
erocolitica 、Listeria monocytogenes、Clostridium
botulinum E 型菌などは、5℃位の低温に保存しても次
第に発育し、食中毒を起こすに足る菌量や毒素の産生を
行うに到る。もちろん通常の低温細菌は、時間の経過と
ともに発育し食品を腐敗させる。食品の保存と微生物的
な安全性の確保は、単に食品の製造者や流通業者の問題
だけではなく、消費者の手元に移った後も温度と時間の
経過によって左右される。
生産、流通過程において微生物的な管理を十分実施する
としても、なお食品それ自体に微生物に対する安定性ま
たは抵抗性を持たせることが必要である。そのために所
謂化学的保存料の利用がある。しかし合成保存料の安息
香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、パラベン類などの使
用は安全性に対する疑問を持つ消費者もあるため、天然
に存在する酢酸や乳酸などの有機酸またはその塩類の利
用、グリシンなどのアミノ酸の利用、魚の白子のタンパ
ク質であるプロタミンの利用などが図られている。しか
し、これらの天然系の物質は安全性の利点はあるもの
の、食品保存の効果上からは、例えば抗菌スペクトルが
狭い、大量に使用しなければならない、色や特有の匂い
がつくなどの問題点があった。
と微生物に対する安全性の向上を図ることのできる物質
の探索が鋭意実施されてきており、例えば、乳酸菌の生
産するペプチドまたはタンパク質で、抗菌性を有しなが
ら、しかも人間の消化酵素で分解消化されるバクテリオ
シンの利用が検討されている(例えば、Food Technolog
y 164〜167, Jan. 1989) 。しかし、バクテリオシン
は、一般的に抗菌スペクトルの範囲が狭く、それ単独で
広い範囲の食品を保存することは困難であった。
的に作用する物質を併用することにより、広範な食品の
保存性を高めることができ、さらに安全性の高い、しか
も食品の品質を損うことのない食品用保存剤を提供する
ことを目的とする。
オニバクテリウム(Propionibacterium)属によって生産
されたバクテリオシンと、有機酸およびその塩類;多価
アルコール類の脂肪族エステル類;アミノ酸類;抗菌性
を有するペプチドもしくはタンパク質類;糖、糖酸およ
びアミノ糖よりなる多糖類およびその部分分解物;香辛
料およびその精油または植物成分;およびアルコール類
からなる化合物群より選ばれた少なくとも1種を含有す
る食品用保存剤を提供するものである。
リウム(Propionibacterium)属によって生産されたバク
テリオシン(以下、本発明のバクテリオシンということ
がある)としては、Propionibacterium jensenii P126
によって生産されたジェンセニンG(Jenseniin G)、 P
ropionibacterium thoenii P127 によって生産されたプ
ロピオニシンPLG−1(Propionicin PLG-1) 、Propio
nibacterium freudenreichii subsp shermaniiによって
生産されたミクロガード(Microgard)などを挙げること
ができる。
性を有するタンパク質またはペプチドであり、多くの醗
酵乳製品、肉製品等のなかから高い比率で分離され、普
通の乳製品、肉製品の中には常在しているものと推定さ
れるとともに、人間の消化管からも生産菌が分離されて
いる。また、バクテリオシンは、いずれも人間の消化酵
素のペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどによっ
て、完全に分解消化される。また、基本的にはグラム陽
性細菌類、特に乳酸菌に対して抗菌作用を示すと共に、
リステリア菌に対しても抗菌性を示す。本発明のバクテ
リオシンとしては、ロイコノストック属の生産する有効
な抗菌活性を有するものであればよく、また他の成分を
含有していてもよい。
有機酸およびその塩類としては、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、吉草酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フ
マール酸、修酸、コハク酸、アジピン酸、ピルビン酸、
グルタール酸、ソルビン酸、それらのナトリウム塩もし
くはカリウム塩、ラウリル硫酸およびそのビタミンB1
塩などを挙げることができる。なかでも、酢酸、プロピ
オン酸、乳酸、クエン酸、アジピン酸、ソルビン酸、そ
れらのナトリウム塩もしくはカリウム塩、ラウリル硫酸
およびそのビタミンB1 塩が好ましい。
ことにより、本発明のバクテリオシンの抗菌作用の強く
ないグラム陰性の細菌類や、真菌類に対して抗菌効果を
補うばかりでなく、バクテリオシン自体の作用を強め、
同じ微生物に対するバクテリオシンの抗菌作用を数倍に
高めることができる。また、バクテリオシンの作用が明
瞭でなかったグラム陽性細菌の一部の株に対して、その
作用が明瞭に現れるようになる。この理由は明らかでな
いが、特に乳酸、クエン酸、リンゴ酸のような有機酸類
はタンパク質類の安定性を高める作用が強いので、食品
中でバクテリオシンの分解や不活性化を防ぐのであろ
う。有機酸類はバクテリオシンに対し、0.1〜500
の割合(重量比)で配合することが好ましい。
使用する多価アルコール類の脂肪酸エステル類は、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステルおよび脂肪酸ポリグリセリ
ンエステルからなる群より選択される。これらのエステ
ル類を構成する脂肪酸としては、例えばカプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸およびオレイン酸を挙げることができる。
ては、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸のモノ
エステルが好ましく、蔗糖脂肪酸エステルとしては、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリ
ン酸のモノエステルが好ましい。また、脂肪酸ポリグリ
セリンエステルとしては、デカグリセロールのカプリル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸およびラウリル酸エステ
ルが好ましい。
ル類は、本発明のバクテリオシンと併用すると、バクテ
リオシンの微生物菌体への浸透性が高められると推定さ
れ、その結果、最小発育阻止濃度が低くてすむことにな
るものと思われる。本発明において、多価アルコール類
の脂肪酸エステル類は、バクテリオシンに対し、0.0
5〜250の割合で含有させることが好ましい。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、シスチン、ス
レオニン、ヴァリン、リジンおよびアルギニンを挙げる
ことができるが、殊にグリシンおよびアラニンが望まし
い。これらのアミノ酸類は、細菌類の細胞壁の合成阻害
を起こすので、バクテリオシンの細菌菌体内部への浸透
が促進され、その抗菌作用が大幅に増強されるものと推
定される。アミノ酸はバクテリオシンに対し0.1〜5
00の割合(重量比)で含有させることが効果的であ
る。
用する抗菌性を有するペプチドまたはタンパク質として
は、プロタミンおよびその分解物、リゾチームおよびポ
リリジンを挙げることができる。プロタミンは細菌細胞
の細胞膜と結合して細胞内容物を漏出させ、リゾチーム
はグラム陽性細菌の細胞壁成分の分解酵素で、作用の結
果細菌細胞の溶解を起こす。ポリリジンは、やはり細菌
の細胞壁構造体に損傷を与えるので著しいタンパク質の
合成阻害が起こるとされており、いずれの場合もバクテ
リオシンの細菌細胞内部への侵入を高めるものと推定さ
れる。これらのペプチドまたはタンパク質はバクテリオ
シンに対し0.05〜100の割合(重量比)で含有さ
せることが好ましい。
糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類およびその部分
分解物としては、ペクチン、ペクチン分解物、オリゴガ
ラクチュロン酸、ガラクチュロン酸、キトサン、キトサ
ン分解物、アルギン酸分解物を挙げることができる。こ
れらの物質を併用することによる微生物に対する阻害作
用の理由についてはまだ明確でない部分が多いが、実際
の食品中においては、明らかに相乗的な作用の現れるこ
とが多く、従って有用に組み合わせて使用することがで
きる。糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類およびそ
の部分分解物はバクテリオシンに対し0.1〜500の
割合(重量比)で含有させることが好ましい。
抗菌性を有する香辛料、例えば、シンナモン、ローズマ
リー、メースなどを挙げることができる。それらの抽出
物や精油も用いることができる。また、植物成分として
は、それらのアルコールなどの有機溶媒抽出物、例えば
唐辛子抽出物、甘草抽出物、ワサビ抽出物、ホップ抽出
物、孟宗竹抽出物;茶ポリフェノール類、例えば茶タン
ニン、茶カテキン類;桂皮酸、フェルラ酸、コーヒー酸
およびヒノキチオールなどを挙げることができる。これ
らの物質の作用は、フェノ−ル性の成分による微生物の
細胞膜に対する損傷が多く、従ってバクテリオシンの微
生物細胞への侵入を助けるものと推定される。これらの
香辛料およびその精油または植物成分はバクテリオシン
に対し0.05〜500の割合(重量比)で含有させる
ことが好ましい。
ングリコールとエチルアルコールを挙げることができ
る。これらのアルコール類が、微生物細胞の膜組織の損
傷によって微生物を阻害または、死滅させるのはよく知
られたところであるが、本発明のバクテリオシンと組み
合わせ使用するとき、著しい作用の増大を招く。これは
やはり、微生物菌体内部へのバクテリオシンの侵入を助
けることがその理由であろうと推定される。アルコール
類はバクテリオシンに対し0.05〜500の割合(重
量比)で含有させることが効果的である。
物質については、必ずしも一つだけではなく、幾つかの
ものを組み合わせて使用してもよい。対象となる食品の
種類、組成、予想される汚染ないし変敗原因微生物、p
H、水分活性、要求される保存温度、保存期間などに応
じて、適宜二つないし三つの、時にはそれ以上の物質を
組み合わせて使用することができる。
/またはその塩類とアミノ酸類を併用するとよいことが
多い。酢酸ナトリウムや乳酸ナトリウムとグリシンとの
併用などはそれらの代表的な例である。前記ペプチドま
たはタンパク質をさらに併用してもよい。漬物類に対し
ては、有機酸および/またはその塩類と、香辛料および
その精油または植物成分の併用がよい。香辛料およびそ
の精油または植物成分を併用すると、食品の酸化防止、
変色防止効果を発現するという利点もある。
ンとプロタミンを組み合わせ使用するときには、前記食
肉製品の項で代表的な例として記した化合物類をともに
配合すると、多くの肉製品、例えばソーセージ、ハムま
たは蒲鉾類の保存期間を延長することができるととも
に、微生物的な安定性を向上させることができる。
に当たっては、食品中の食塩濃度と効果の関係に注意す
ることが必要であり、食塩濃度が比較的高いと効果が大
きい。このような場合、特に乳酸ナトリウムやリンゴ酸
ナトリウムとの併用、ならびに数%以下(食品中)のア
ルコール類を組み合わせると、絶大な保存効果を得るこ
とができる。このような時に、リゾチームもしくはポリ
リジンの併用によりさらに効果を高めることができる。
中では加熱に対して不安定であるが、一般に熱に対して
極めて安定なタンパク質であり、120℃、20分の加
熱に耐える。従って、食品を加熱することによって生存
している菌数を減らし、さらに本発明のバクテリオシン
を含有する保存剤を使用することによって、効果的に保
存性を高めることができる。
る。なお、下記実施例に用いたバクテリオシンの製法は
以下のとおりである。すなわち、1リットルの三角フラ
スコを3個用意し、それぞれに、下記組成のMRS培地
500mlを入れ、98℃、30分間加熱殺菌し、P.je
nsenii P126とP.thoenii P127の2種のプロピオニバク
テリウム属乳酸菌を1種ずつ、それぞれ接種して、37
℃、約20時間培養した。この培養液を、80℃、10
分間加熱した後、濃縮、凍結乾燥して、ジェンセニン
G、プロピオニシンPLG−1の2種のバクテリオシン
それぞれ34g、32gを得た。これらの培養乾燥物を
それぞれのバクテリオシンとして用いた。ミクロガード
としては、Wesman Foods,Inc.(USA) 製を使用した。
10;酵母エキス(オリエンタル酵母) 5;グルコー
ス 20;Tween-80 1;K2 HPO4 2;無水酢酸
ナトリウム 5;クエン酸アンモン 2;MgSO4 ・
7H2 O 0.1;MnSO4 ・4−6H2 O 0.0
5
のうち、唐辛子抽出物、ワサビ抽出物、ホップ抽出物お
よびペクチン分解物は、アサマ化成(株)製である。ま
た、うグリセリン脂肪族エステルとしては理研ビタミン
(株)製、M-100 を、蔗糖脂肪族エステルとしては三菱
化成食品(株)製、S-1570を用いた。
g、水50gを配合したハンバ−グの基本組成に対し、
表1左欄に示す各種の保存剤成分を表1に示す割合にな
るように添加し、塩酸またはカ性ソ−ダでpHを5.8
に調整した後、30gづつ成型して、25分間蒸し上げ
し、冷却した。これを一試験区あたり5個づつ用意し、
25℃に保存して、外観と臭いのチェックによる保存試
験を行った。試験結果を表1右欄に保存日数として5個
の平均値で示す。
試験前、色、味、臭い、形態等については対照区と全く
差が認められず、添加による品質上の悪影響は認められ
なかった。
下で脱塩し、表2の処方の調味液に3日間冷蔵庫中で調
味漬けした。次に、表2の調味液に、表3左欄の保存剤
を4倍の濃度で添加し、このもの100mlに対して調
味漬けしたタクアン300gを加えて袋詰めした(保存
剤の濃度は表3記載の濃度となる)。同様の方法で各種
の試験群を調整し、20℃に保存して、タクアン液部の
濁り、袋の膨れなどの観察により保存日数を調べた。そ
の結果を表3右欄に示す。
g、みりん50g、グルタミン酸ソ−ダ25g、砂糖2
5g、馬鈴薯澱粉175g、および氷水1kgを配合し
た基本組成に、表4左欄に組成を示す保存剤を、基本組
成に対する添加剤の各成分の割合が、表4に示す割合
(重量%)となるように、各種添加剤を添加し、30分
らいかい後、塩化ビニリデンフィルム(折径50mm)
に約100gづつ充填し、90℃の熱水中で30分加熱
して得た蒲鉾を、同様にして得た保存剤無添加の蒲鉾と
ともに保存試験標本とした。保存試験は、ケ−シング蒲
鉾を一試験区当たり5本づつ15℃の恒温器で保存し、
保存性を肉眼で観察し、防腐効果を判定した。結果を表
4右欄に示す。
安全性の高い、しかも食品の品質を損うことのない食品
用保存剤を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 乳酸菌プロピオニバクテリウム(Propio
nibacterium)属によって生産されたバクテリオシンと、
有機酸およびその塩類;多価アルコール類の脂肪酸エス
テル類;アミノ酸類;抗菌性を有するペプチドもしくは
タンパク質類;糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類
およびその部分分解物;香辛料およびその精油または植
物成分;およびアルコール類からなる化合物群より選ば
れた少なくとも1種を含有する食品用保存剤。 - 【請求項2】 有機酸およびその塩類が、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、吉草酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸、フマール酸、修酸、コハク酸、アジピン酸、ピル
ビン酸、グルタール酸、ソルビン酸、ラウリル硫酸およ
びそれらの塩類からなる群より選ばれた少なくとも1種
である請求項1記載の食品用保存剤。 - 【請求項3】 多価アルコール類の脂肪酸エステル類
が、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルおよび脂肪酸ポリ
グリセリンエステルからなる群より選ばれた少なくとも
1種である請求項1記載の食品用保存剤。 - 【請求項4】 アミノ酸が、グリシン、アラニン、シス
チン、スレオニン、ヴァリン、リジンおよびアルギニン
からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1
記載の食品用保存剤。 - 【請求項5】 抗菌性を有するペプチドもしくはタンパ
ク質が、プロタミンおよびその分解物、リゾチームおよ
びポリリジンからなる群より選ばれた少なくとも1種で
ある請求項1記載の食品用保存剤。 - 【請求項6】 糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類
ならびにその部分分解物が、ペクチン、ペクチン分解
物、オリゴガラクチュロン酸、ガラクチュロン酸、キト
サン、キトサン分解物からなる群より選ばれた少なくと
も1種である請求項1記載の食品用保存剤。 - 【請求項7】 香辛料およびその精油または植物成分
が、抗菌性を有する香辛料およびその精油もしくは抽出
物、桂皮酸、フェルラ酸、コーヒー酸、ヒノキチオー
ル、孟宗竹抽出物、茶ポリフェノール類からなる群より
選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の食品用保
存剤。 - 【請求項8】 アルコール類が、プロピレングリコール
および/またはエチルアルコールである請求項1記載の
食品用保存剤。
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