JP2000236859A - 食品用保存剤及び食品の保存方法 - Google Patents
食品用保存剤及び食品の保存方法Info
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Abstract
高く、しかも食品の品質を損なうことのない食品用保存
剤及び保存方法を提供すること 【解決手段】 30〜90容量%のエタノール、メタノ
ール又はアセトン水溶液で抽出したヒマワリ種子抽出物
と、有機酸およびその塩類、アミノ酸類、抗菌性を有す
るペプチドもしくはタンパク質類、糖、糖酸およびアミ
ノ糖よりなる多糖類並びにその部分分解物、香辛料もし
くは植物成分、アルコ−ル類並びにバクテリオシン類か
らなる化合物群より選ばれた1種または2種以上とを含
有することを特徴とする食品用保存剤及びそれらを食品
に添加する保存方法。
Description
び食品の保存方法に関する。
る貯蔵・保存は、人間の歴史とともに常に解決を求めら
れる課題としてあり、そのための対策として、あらゆる
物理的あるいは化学的方法が考案されてきた。例えば、
冷凍、冷蔵、乾燥、塩蔵、糖蔵、加熱減菌、加熱殺菌
(壜、缶詰)、包装加熱、包装内部の気相置換、などの
ほかに酢漬け、乳酸醗酵、さらには安息香酸やソルビン
酸などの化学的保存料の使用などがそれらの対応策とし
て採られてきた。
続けられたものとはいえ、食品自体に対する要求は、時
代の流れに伴い変化する。安全性はいつの時代において
も第一に要求されるが、近年特に、健康と食物に対する
関心が深まり、それと共に、天然または自然に近い食品
に対する関心が高まってきている。
品の保存方法にも著しい影響を与えている。安全性指向
からは食品にできるだけ合成保存料の添加を減らし、天
然指向からは冷凍や冷蔵、乾燥や塩蔵などもあまり好ま
れず、グルメ指向からはできるだけ新鮮なものが求めら
れ、健康指向からはできるだけ食塩濃度を減らしたいと
いう様々な要求に対して、種々の方法の開発が行われて
きている。
の国境が無くなってきていることであり、世界中のあら
ゆる所から食品素材あるいは食品そのものが輸入されて
来ていることである。このことは食品とともに、食品に
付着ないし汚染している各種の微生物が広く食品市場に
入ってきていることを意味し、多くの新しい食中毒菌例
えば、E. coli O-157:H7や、幾つかのサルモネラ菌、従
来あまり日本では検出されなかったボツリヌスAあるい
はB型菌などによる食中毒の危険性が指摘されるに到っ
ている。
増加で、例えば、サラダ類、サンドイッチ類、玉子焼
き、カスタードクリーム、チキンナゲット、チキンバス
ケット、フライ類など、さらにそれらを組み合わせた、
いわゆるおかずの類が、それなりに一定期間の微生物に
対する安定性の保証を求められながら市販されるに至っ
ていることである。
性食品において食塩濃度を低下させることが行われてお
り、たとえば、イカの塩辛の食塩濃度は10数%あった
ものが、4〜5%に低下され、漬物では12〜3%のも
のが4〜6%に、肉製品では2.5〜3%のものが1〜
2%に、味噌では13%程度のものが4〜8%に、魚介
類の干物では2〜3%のものが0.6〜1%に低下して
きている。このことは食品類の微生物に対する安定性が
著しく低下することになり、単に腐敗し易いのみなら
ず、各種の食中毒菌に対する安全性も低下することにな
ってきている。
先ず第一に食品類を製造する環境を清潔にし、生産と食
品の包装工程において微生物の汚染をできるだけ少なく
する、微生物の汚染度の出来るだけ少ない食品材料を使
用する、製造工程から包装工程を出来るだけ低温に管理
する、製品は低温に保存するなどの基本的な対策を行う
のが通例である。しかしながら、食品原材料中の微生物
の数を、完全にゼロにすることは極めて困難であり、通
常生の肉や魚介類であれば、最低でも、103/g程度の微
生物が存在するし、また製造工程中に60〜80℃程度
の加熱殺菌工程があっても、耐熱性の細菌芽胞が残留す
ることは避けられない。
類のなかには低温でよく発育するものがある。食中毒細
菌のなかにも低温で発育するものがあり、Yersinia ent
erocolitica , Listeria monocytogenes, Clostridium
botulinum E 型菌などは、5℃位の低温に保存しても次
第に発育し、食中毒を起こすに足る菌量や毒素の産生を
行うに到る。もちろん通常の低温細菌は、時間の経過と
ともに発育し食品を腐敗させる。食品の保存と微生物的
な安全性の確保は、単に食品の製造者や流通業者の問題
だけではなく、消費者の手元に移った後も温度と時間の
経過によって左右される。
生産、流通過程において微生物的な管理を十分実施する
としても、なお食品それ自体に微生物に対する安定性な
いしは抵抗性を持たせることが必要である。そのために
所謂化学的保存料の利用がある。しかし合成保存料の安
息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、パラベン類などの
使用は、安全性に対する疑問を持つ消費者もあるため、
天然に存在する酢酸や乳酸などの有機酸またはその塩類
の利用、グリシンなどのアミノ酸の利用、魚の白子のタ
ンパク質であるプロタミンの利用などが図られている。
しかし、これらの天然系の物質は、安全性の利点はある
ものの、食品保存の効果上からは,例えば抗菌スペクト
ルが狭い、大量に使用しなければならない、色や特有の
匂いがつくなどの問題点があった。
と微生物に対する安全性の向上を図ることのできる物質
の探索が、鋭意実施されてきており、例えば、乳酸菌の
生産するペプチドまたはタンパク質で、抗菌性を有しな
がら、しかも人間の消化酵素で分解消化されるバクテリ
オシンの利用が検討されている(例えば、Food Technol
ogy 164〜167, Jan. 1989) 。しかし、バクテリオシン
は、一般的に抗菌スペクトルの範囲が狭く、それ単独で
広い範囲の食品を保存することは困難であった。
性を高めることができ、天然物に由来し、安全性の高
い、しかも食品の品質を損うことのない食品用保存剤及
びそれを用いる食品の保存方法を提供することを目的と
する。
マワリの種子の抽出物を抗菌成分とすることを特徴と
し、これと有機酸およびその塩類、アミノ酸類、抗菌性
を有するペプチドもしくはタンパク質類、糖、糖酸およ
びアミノ糖よりなる多糖類並びにその部分分解物、香辛
料もしくは植物成分、アルコール類並びにバクテリオシ
ン類からなる化合物群より選ばれた1種または2種以上
とを含有することを特徴とする食品用保存剤であり、ま
たそれを食品に添加する食品の保存方法である。
L.) は、北アメリカ中・西部地方を原産とする1年草
で、鑑賞用もしくは油糧作物として旧ソ連、インド、中
国、トルコ、スペイン、メキシコなどで大規模な栽培が
行われている。本発明において、ヒマワリ種子抽出物と
しては、このヒマワリの種子から水性溶剤で抽出された
画分を用いることができ、好ましくはエタノール、メタ
ノール又はアセトン、さらに好ましくは30〜90%容
量のエタノール、メタノール又はアセトン水溶液を溶媒
とし、全粒のままの種子、あるいは搾油した後の種子残
渣から抽出して得られる抽出物を挙げることができる。
該抽出物としては粗抽出物のまま、好ましくは粗抽出物
を濾過後、濾液を濃縮、乾固して得られた固形物を用い
ることができ、さらに濾液中の溶媒を溜去した後、吸着
樹脂などに吸着させ、エタノール、又はメタノール、ま
たはアセトンで溶離させた画分を用いることができる。
乳酸菌等のグラム陽性細菌を主体として抗菌スペクトル
を示し、一部の酵母、カビに対しても抗菌作用を示し、
食品用保存剤として有効である。
は、添加される食品重量に対し、通常0.01〜2%、
好ましくは0.03〜1%添加するとよい。0.01%
未満では食品の保存効果が十分でなく、2%を超えると
ヒマワリ種子抽出物特有の臭気が食品本来の味や香りを
損ない、好ましくない。
マワリ種子抽出物とともに、有機酸およびその塩類、ア
ミノ酸類、抗菌性を有するペプチドもしくはタンパク質
類、糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類並びにその
部分分解物、香辛料もしくは植物成分、アルコール類並
びにバクテリオシンからなる化合物群より選ばれた1種
または2種以上を併用すると、ヒマワリ種子抽出物の抗
菌スペクトルがさらに広くなり、その保存効果をさらに
向上させることができる。
さらにその保存効果を向上させることのできる有機酸お
よびその塩類としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、吉
草酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマール
酸、修酸、コハク酸、アジピン酸、ピルビン酸、グルタ
ール酸、ソルビン酸、それらのナトリウム塩、カリウム
塩、ビタミンB1 ラウリル硫酸塩、などを挙げることが
できる。なかでも、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、
クエン酸、アジピン酸、ソルビン酸、ビタミンB 1 ラウ
リル硫酸塩が好ましい。
により、本発明のヒマワリ種子抽出物の抗菌作用の強く
ないグラム陰性の細菌類や、真菌類に対して抗菌効果を
補うばかりでなく、ヒマワリ種子抽出物自体の作用を強
め、同じ微生物に対するヒマワリ種子抽出物の抗菌作用
を数倍に高めることができる。また、ヒマワリ種子抽出
物の作用が明瞭でなかったグラム陽性細菌の一部の株に
対して、その作用が明瞭に現れるようになる。この理由
は明らかでないが、特に乳酸、クエン酸、リンゴ酸のよ
うな有機酸類はタンパク質類の安定性を高める作用が強
いので、食品中でヒマワリ種子抽出物の分解や不活性化
を防ぐのであろう。有機酸類はヒマワリ種子抽出物1に
対し、0.1〜100の割合(重量比)で配合すること
が好ましい。
ニン、シスチン、スレオニン、ヴァリン、リジンおよび
アルギニンを挙げることができるが、殊にグリシンおよ
びアラニンが望ましい。これらのアミノ酸類は、細菌類
の細胞壁の合成阻害を起こすので、ヒマワリ種子抽出物
の細菌菌体内部への浸透が促進され、その抗菌作用が大
幅に増強されるものと推定される。アミノ酸はヒマワリ
種子抽出物1に対し0.1〜100の割合(重量比)で
含有させると効果的である。
パク質としては、プロタミンおよびその分解物、リゾチ
ームおよびポリリジンを挙げることができる。プロタミ
ンは細菌細胞の細胞膜と結合して細胞内容物を漏出さ
せ、リゾチームはグラム陽性細菌の細胞壁成分の分解酵
素で、作用の結果細菌細胞の溶解を起こす。ポリリジン
は、やはり細菌の細胞壁構造体に損傷を与えるので著し
いタンパク質の合成阻害が起こるとされており、いずれ
の場合もヒマワリ種子抽出物の細菌細胞内部への侵入を
高めるものと推定される。これらのペプチドまたはタン
パク質はヒマワリ種子抽出物1に対し、0.01〜20
の割合(重量比)で含有させることが好ましい。
多糖類およびその部分分解物としては、ペクチン、ペク
チン分解物、オリゴガラクチュロン酸、ガラクチュロン
酸、キトサン、キトサン分解物を挙げることができる。
これらの物質を併用することによる微生物に対する阻害
作用の理由についてはまだ明確でない部分が多いが、実
際の食品中においては、明らかに相乗的な作用の現れる
ことが多く、従って有用に組み合わせて使用することが
できる。糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類および
その部分分解物はヒマワリ種子抽出物1に対し、0.1
〜100の割合(重量比)で含有させることが好まし
い。
抗菌性を有する香辛料、例えば、シンナモン、ローズマ
リー、メースなどを併用することができる。また、植物
成分としては、香辛料のアルコールなどの有機溶媒抽出
物、例えば唐辛子抽出物、甘草抽出物、ワサビ抽出物、
ホップ抽出物、孟宗竹抽出物;茶タンニン、茶カテキン
類、桂皮酸、フェルラ酸、コーヒー酸、ヒノキチオール
および精油などを挙げることができる。これらの物質の
作用は、フェノール性の成分による微生物の細胞膜に対
する損傷が多く、従ってヒマワリ種子抽出物の微生物細
胞への侵入を助けるものと推定される。これらの香辛料
または植物成分はヒマワリ種子抽出物1に対し、0.1
〜100の割合(重量比)で含有させることが好まし
い。
ングリコールとエタノールを挙げることができる。これ
らのアルコール類が、微生物細胞の膜組織の損傷によっ
て微生物を阻害または、死滅させるのはよく知られたと
ころであるが、本発明のヒマワリ種子抽出物と組み合わ
せて使用するとき、顕著な保存効果を奏する。これはや
はり、微生物菌体内部へのヒマワリ種子抽出物の侵入を
助けることがその理由であろうと推定される。特にエタ
ノールと併用すると、エタノール耐性の高いとされてい
る黄色ブドウ球菌などに対しても強い殺菌効果を期待で
きる。アルコール類はヒマワリ種子抽出物1に対し、
0.1〜100の割合(重量比)で含有させることが効
果的である。
用して保存効果を向上できる化合物としてバクテリオシ
ン類がある。バクテリオシン類は、細菌の産生する抗菌
性を有する蛋白質またはペプチドである。バクテリオシ
ン類は、いずれも人間の消化酵素のペプシン、トリプシ
ン、キモトリプシンなどによって、完全に分解消化され
る。これらは、熱に対する安定性が高く、いずれも10
0℃で20分以上の加熱によっても活性を失わない。さ
らに、基本的にはグラム陽性細菌類、特に乳酸菌に対し
て抗菌作用を示すと共に、ブドウ球菌、枯草菌、クロス
トリジウム菌、リステリア菌に対しても抗菌性を示す。
えばLactococcus lactis subsp. lactisによって生産さ
れた、ナイシン(Nisin) 、ラクテイシン (Lacticin) 48
1 およびラクトストレプシン(Lactostrepcins)、Lactoc
occus lactis subsp. cremorisによって生産されたデイ
プロコシン(Diplococcin)、Lactococcus lactis subs
p. diacetilactis によって生産されたバクテリオシン
(Bacteriocin)S50などの乳酸菌ラクトコッカス・ラ
クテイス(Lactococcus lactis) によって生産されたも
の;ペデイオシン(Pediocin) と称される乳酸菌ペデイ
オコッカス(Pediococcus)属により生産されるもの;La
ctobacillus helveticus LP27 によって生産されたラク
トシン27(Lactocin 27)、Lactobacillus reuteri によ
って生産されるロイテリン(Reuterin)などの乳酸菌ラク
トバチルス(Lactobacillus)属によって生産されるも
の; Leuconostoc paramesenteroides によって生産され
るロイコノシンS(Leuconocin S)等の乳酸菌ロイコノ
ストック(Leuconostoc)属の生産するもの;Propioniba
cterium jensenii P126 によって生産されるジェンセニ
ンG(Jenseniin G )などの乳酸菌プロピオニバクテリ
ウム(Propionibacterium )属によって生産させるも
の、を挙げることができる。
抽出物と併用する場合、バクテリオシンの種類によって
一該にその量を規定しにくいが、ヒマワリ種子抽出物1
に対し、0.1〜20の割合(重量比)とすることが好
ましい。
その保存効果を向上させることのできる各物質について
は、必ずしも一つだけではなく、幾つかのものを組み合
わせて使用してもよい。対象となる食品の種類、組成、
予想される汚染ないし変敗原因微生物、pH、水分活
性、要求される保存温度、保存期間などに応じて、適宜
二つないし三つの、時にはそれ以上の物質を組み合わせ
て使用することができる。例えば、本発明のヒマワリ種
子抽出物とプロタミンを組み合わせ使用するときには、
この他に酢酸もしくは乳酸、さらにはグリシンを配合す
ると、多くの肉製品、例えばソーセージ、ハムまたは蒲
鉾類の保存期間を延長することができるととに、微生物
的な安定性を向上させることができる。
するに当たっては、食品中の食塩濃度と効果の関係に注
意することが必要であり、食塩濃度が比較的高いと効果
が大きい。このような場合、特に乳酸ナトリウムやリン
ゴ酸ナトリウムとの併用、ならびに数%以下(食品中)
のアルコール類を組み合わせると、絶大な保存効果を得
ることができる。このような時に、さらにリゾチームも
しくはポリリジンの併用によりさらに効果を高めること
ができる。
リー中では加熱に対して不安定であるが、一般に熱に対
して極めて安定であり、120℃、10分の加熱に耐え
る。従って、食品を加熱することによって生存している
菌数を減らし、さらに本発明のヒマワリ種子抽出物を含
有する保存剤を使用することによって、効果的に保存性
を高めることが出来る。このような保存剤としては、ク
エン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、重合リン酸塩類、
糖などを併用することが好ましい。
物と有機酸およびその塩類等の化合物群より選ばれる1
種又は2種以上を混合することにより製造できる。ま
た、本発明の食品の保存方法はそのようにして製造され
た食品用保存剤を食品に添加して達成されるが、ヒマワ
リ種子抽出物と他の前記化合物群より選ばれる1種又は
2種以上をそれぞれ食品に添加してもよい。
具体的に説明する。実施例中、%は特に断らないかぎ
り、重量%である。
出物の製法は以下のとおりである。すなわち、粉砕機で
粉砕したヒマワリ種子600gをn−ヘキサン2500
mlに浸漬し、室温で4時間攪拌後、吸引濾過した。得
られた残渣を約1000mlのn−ヘキサンに再度浸漬
後、攪拌濾過して洗浄し、風乾して乾燥物390gを得
た。乾燥物40gを50容量%エタノール水溶液200
mlに浸漬し、室温で2日間静置した後、吸引濾過し
た。濾液をエバポレーター、40℃で濃縮後、真空ポン
プで吸引して乾固し、2.3gの固形物を得た。この固
形物を下記実施例においてヒマワリ種子抽出物として用
いた。
より、プロタミン、ペクチン分解物および唐辛子抽出物
はいずれもアサマ化成(株)より、リゾチームはエーザ
イ(株)より、ポリリジンはチッソ(株)より販売され
ているものを用いた。
菌力を調べた。即ち、トリプトソイ寒天培地(pH6.
0)を用い、30℃、3日間培養後の下記被検菌の生育
状況を調べた。結果を表1に示す。表中、+:生育、
±:微生育、−:非生育を示す。なお、被検菌は次のも
のである。
g、水50gを配合したハンバーグの基本組成に対し、
表2左欄に示す各種の保存剤成分を表2に示す割合にな
るように添加し、塩酸またはカ性ソーダでpHを5.8
に調整した後、30gづつ成型して、25分間蒸し上げ
し、冷却した。これを一試験区あたり5個づつ用意し、
25℃に保存して、外観と臭いのチェックによる保存試
験を行った。試験結果を表2右欄に保存日数として5個
の平均値で示す。
試験前、色、味、臭い、形態等については対照区と差が
認められず、添加による品質上の悪影響は認められなか
った。
下で脱塩し、表3の処方の調味液に3日間冷蔵庫中で調
味漬けした。次に、表3の調味液に、表4左欄の保存剤
を4倍の濃度で添加し、このもの100mlに対して調
味漬けしたタクアン300gを加えて袋詰めした。同様
の方法で各種の試験群を調整し、20℃に保存して、タ
クアン液部の濁り、袋の膨れなどの観察により保存日数
を調べた。その結果を表4右欄に示す。
g、みりん50g、グルタミン酸ソーダ25g、砂糖2
5g、馬鈴薯澱粉175g、および氷水1kgを配合し
た基本組成に、表5左欄に組成を示す保存剤を、基本組
成に対する添加剤の各成分の割合が、表5に示す割合
(重量%)となるように、各種添加剤を添加し、30分
擂潰後、塩化ビニリデンフィルム(折径50mm)に約
100gづつ充填し、90℃の熱水中で30分加熱して
得た蒲鉾を、同様にして得た保存剤無添加の蒲鉾ととも
に保存試験標本とした。保存試験は、ケーシング蒲鉾を
一試験区当たり5本づつ15℃の恒温器で保存し、保存
性を肉眼で観察し、防腐効果を判定した。結果を表5右
欄に示す。
安全性の高い、しかも食品の品質を損うことのない食品
用保存剤およびそのような食品の保存方法を提供するこ
とができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ヒマワリ種子抽出物と、有機酸およびそ
の塩類、アミノ酸類、抗菌性を有するペプチドもしくは
タンパク質類、糖、糖酸およびアミノ糖よりなる多糖類
並びにその部分分解物、香辛料もしくは植物成分、アル
コール類並びにバクテリオシン類からなる化合物群より
選ばれた1種または2種以上とを含有することを特徴と
する食品用保存剤。 - 【請求項2】 ヒマワリ種子抽出物および有機酸および
/またはその塩類を含有することを特徴とする食品用保
存剤。 - 【請求項3】 ヒマワリ種子抽出物およびアミノ酸類を
含有することを特徴とする食品用保存剤。 - 【請求項4】 ヒマワリ種子抽出物および抗菌性を有す
るペプチドもしくはタンパク質類を含有することを特徴
とする食品用保存剤。 - 【請求項5】 ヒマワリ種子抽出物およびアルコール類
を含有することを特徴とする食品用保存剤。 - 【請求項6】 ヒマワリ種子抽出物およびバクテリオシ
ン類を含有することを特徴とする食品用保存剤。 - 【請求項7】 ヒマワリ種子抽出物がヒマワリ種子を3
0〜90容量%のエタノール、又はメタノール、又はア
セトン水溶液で抽出された画分である請求項1〜6のい
ずれか1項記載の食品用保存剤。 - 【請求項8】 請求項1記載の食品用保存剤を食品に添
加することを特徴とする食品の保存方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11038850A JP2000236859A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 食品用保存剤及び食品の保存方法 |
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1999
- 1999-02-17 JP JP11038850A patent/JP2000236859A/ja active Pending
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