JP7242039B2 - 食品保存剤、食品の保存方法および食品 - Google Patents

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Description

本発明は、不快臭が緩和・抑制された食品保存剤、食品の保存方法および食品に関する。
プロタミンは脊椎動物の精子核中に、デオキシリボ核酸と結合したヌクレオプロタミンとして存在する高アルギニン含量の強塩基性蛋白質であり、主にサケ、マス、ニシン等の魚類由来のプロタミンが市場に供されている。プロタミンは効力持続性インシュリン製剤の成分や抗ヘパリン剤として使用されている。一方、プロタミンの抗菌活性に関する研究も行われており、一般細菌に対し抗菌力を有すること、抗菌力はpHがアルカリ側の方が効果の発現性が高いこと、菌ならびに媒体中の成分により影響されることなどが知られている。
しかしながら、プロタミンを食品中に多量に添加すると、魚臭をはじめとする不快臭により食味に影響が出るため、使用食品が限定されるという問題があった。
一方、従来より臭い成分を低減あるいは除去しようとする、いわゆる「消臭」は、種々の方法が知られ、それぞれの環境に応じた方法が採用されている。消臭方法を分類すると、臭い成分を中和や付加・重合反応等の化学反応で異なる構造の化合物に変換する方法(化学的消臭)、臭い成分を活性炭等の吸着剤に吸着させたり溶剤に吸収させたりする方法(物理的消臭)、微生物の持つ様々な機能を利用して臭い成分の構造変換を行う方法(生物的消臭)、及び他の臭いの強い物質を共存させることによって消臭対象の臭いを分かり難くしようとする方法(感覚的消臭)に大別される。
これら消臭方法の中で、食品の不快臭を低減させる場合には、安全性等を考慮して感覚的消臭が採用されることが多い。感覚的消臭はマスキングとも呼ばれ、例えば、魚臭のマスキング方法として、脂溶性ジンジャーフレーバーを添加する方法(特許文献1)、柑橘系香料とヨーグルト香料を添加する方法(特許文献2)、ショウガオイル又はショウガ調香料を添加する方法(特許文献3)、酵母エキスを添加する方法(特許文献4~5)、柿渋を添加する方法(特許文献6)などが提案されている。
しかし、これらのマスキング方法では、マスキングのために添加する物質自体が、味や臭いを有しているため、不快臭と共に食品本来の味や臭いが失われるという課題があった。また、これらのマスキング方法をプロタミンに適用した場合には、上記課題の他、プロタミンと反応して不溶物が生成されることにより、プロタミンの静菌効果が低下してしまうという課題もあった。
特開平6-189717号公報 特開平8-92587号公報 特開2001-131575号公報 特開2001-025373号公報 特開平10-271975号公報 特開2002-177376号公報
本発明の目的は、飲食物本来の味を損ねることなく、且つ、不快臭がマスキング若しくは緩和・抑制された食品保存剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、プロタミンに特定の化合物を配合することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はプロタミン、香辛料抽出物および糖加熱物を含有する食品保存剤を提供するものである。
本発明はまた、プロタミン、香辛料抽出物および糖加熱物を含有する組成物の食品保存剤としての使用を提供するものである。
本発明はまた、プロタミン、香辛料抽出物および糖加熱物を特定の割合で食品に添加することを含む、食品の保存方法を提供するものである。
本発明はまた、プロタミン、香辛料抽出物および糖加熱物を特定の割合で含有する食品を提供するものである。
本発明の食品保存剤は、プロタミン由来の不快臭がマスキング若しくは緩和・抑制され、且つ、飲食物本来の味を損ねることがない。
本発明の食品保存剤に含有させるプロタミンは、核酸と分離された状態のものであれば特に限定されない。これは、プロタミンが、核酸と結合したヌクレオプロタミンの状態では抗菌力を有しないためである。プロタミンは塩の種類によって水への溶解性が異なるため、食品へ添加する場合は水への溶解性の高い塩のものを用いることが好ましい。水への溶解性の高いプロタミンとしてはプロタミンの鉱酸塩の形のもの、例えばプロタミンの塩酸塩、硫酸塩が挙げられる。
本発明の食品保存剤に含有させるプロタミンは、例えば、サケ、マス、ニシン、サバ、タラ、ニジマス、マグロ、ボラおよびカツオ等の魚類白子由来のプロタミンであり得る。例えば、プロタミンは、魚類白子に水を加えて破砕し、酸を加え、得られたプロタミン抽出液を中和、塩析し、プロタミン塩を沈殿させることにより得られ、さらに、エタノールによる脱脂や乾燥粉末化を行ってもよい。また、市販のプロタミンを使用してもよい。
本発明の食品保存剤におけるプロタミンの割合は特に限定されないが、本発明の食品保存剤が固形の形態である場合、該食品保存剤中のプロタミンの割合は、3~83重量%が好ましく、4~81重量%がより好ましく、5~80重量%がさらに好ましい。本発明の食品保存剤が溶液の形態である場合、該食品保存剤中のプロタミンの割合は、0.85~50重量%が好ましく、1.2~30重量%がより好ましく、1.7~20重量%がさらに好ましい。
本発明の食品保存剤に用いる香辛料抽出物は、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されず、食品添加物として市販されるものであってもよい。香辛料抽出物を植物から抽出する場合、一般的な植物成分抽出方法を用いることができる。かかる抽出方法としては、例えば、溶媒抽出法、蒸留法、超臨界抽出法、圧搾法、油脂吸着法などが挙げられる。溶媒抽出の際に用いる抽出溶媒としては、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル等のエステル類のほか、ヘキサン、石油エーテル等を用いることができ、これらの中から抽出原料とする植物の種類、後に行う加工処理、抽出物の使用目的などを考慮した上で選択すれば良く、一つの態様において、好ましい抽出溶媒は、アルコール、ヘキサン、石油エーテルまたはその混液である。液体を粉末化する方法は噴霧乾燥法、結晶変換法、凍結乾燥法等あるが、加工澱粉類やアラビアガム等と賦形剤と水で調製したガム液に抽出により得られた香辛料抽出物を加えて乳化した後、噴霧乾燥法により粉末化する方法が好ましい。このような香辛料抽出物としては、例えば、ショウガ抽出物、シナモン抽出物、ナツメグ抽出物等を用いることができ、これらの中でも、不快臭低減効果の高さと食味への影響の少なさの点でショウガ抽出物を用いることが好ましい。
本発明の食品保存剤中の香辛料抽出物の割合は、食品保存剤中のプロタミン100重量部に対して0.01~0.045重量部が好ましく、0.015~0.043重量部がより好ましく、0.02~0.04重量部がさらに好ましい。香辛料抽出物の割合がプロタミン100重量部に対して0.045重量部を超える場合、食品の風味に悪影響を与える傾向があり、プロタミン100重量部に対して0.01重量部未満の場合、不快臭のマスキング効果が不十分となる傾向がある。
本発明の食品保存剤に用いる糖加熱物は、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されない。糖加熱物は、種々の糖と糖に対して10~30重量%の水からなる水溶液を140~200℃で10~120分間程度加熱することによって得ることができる。このような糖加熱物としては、例えば、イソマルツロース加熱物、フラクトース加熱物、フラクトオリゴ糖加熱物、グルコース加熱物、マルトース加熱物、スクロース加熱物、キシロース加熱物等を用いることができ、これらの中でも不快臭低減効果に優れるため、イソマルツロース加熱物、フラクトース加熱物、フラクトオリゴ糖加熱物およびキシロース加熱物からなる群から選択される1種以上が好ましく、イソマルツロース加熱物およびフラクトース加熱物からなる群から選択される1種以上がより好ましく、イソマルツロース加熱物が特に好ましい。
本発明の食品保存剤中の糖加熱物の割合は、食品保存剤中のプロタミン100重量部に対して1~10重量部が好ましく、2~9重量部がより好ましく、4~6重量部がさらに好ましい。イソマルツロース加熱物の割合がプロタミン100重量部に対して10重量部を超える場合、食品の風味に悪影響を与える傾向がある。イソマルツロース加熱物の割合がプロタミン100重量部に対して1重量部未満の場合、不快臭のマスキング効果が不十分となる傾向がある。
本発明の食品保存剤には、必要に応じ、該食品保存剤が目的とする静菌効果等を損なわない範囲で、天然抗菌性物質、有機酸またはその塩、リン酸およびリン酸誘導体またはそれらの塩、および食品保存剤に通常配合し得るその他の成分を含有させることができる。
天然抗菌性物質としては、例えばポリリジン、リゾチーム、キトサン、甘草抽出物、植物レシチン等を挙げることができる。
有機酸またはその塩としては、例えばフマル酸、酢酸、アジピン酸、クエン酸、ソルビン酸、DL-リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、プロピオン酸、デヒドロ酢酸またはそれらの塩、例えば、酢酸Na、クエン酸Na、ソルビン酸K、DL-リンゴ酸Na、コハク酸2Na、グルコノデルタラクトン、プロピオン酸Na、プロピオン酸Ca、デヒドロ酢酸Na等を挙げることができる。
リン酸およびリン酸誘導体またはそれらの塩としては、例えばリン酸1Na、第三リン酸Ca、リン酸2Na、ポリリン酸Na、酸性ピロリン酸Na、メタリン酸Na、メタリン酸Ca等を挙げることができる。
食品保存剤に通常配合し得るその他の成分としては、例えば、グリシン、パラオキシ安息香酸エステル(ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン等)、安息香酸またはその塩、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
本発明の食品保存剤は、通常、固形の形態(例えば粉末形態)で提供されるものであるが、溶液の形態で提供されてもよい。本発明の食品保存剤は、特別な操作を必要とせず、単に必要な成分、即ち、プロタミン、香辛料抽出物および糖加熱物を混合することによって製造することができる。また、所望により、必要な成分をマルトース、乳糖やデキストリンなどの賦形剤と混合してもよい。この場合、本発明の食品保存剤における賦形剤の割合は1~10重量%程度が好ましい。
調製後の食品保存剤は、ダブルコーン型ミキサー、ナウター型ミキサー、パドル式攪拌機、ホモミキサー等、当該技術分野において公知の方法ないし装置等を用いて粉末状あるいは液体状の製剤とすることができる。
食品に対する本発明の食品保存剤の添加方法に関しては、該食品保存剤をそのまま食品に添加してもよく、あるいは、固形の形態で提供された食品保存剤を水等の溶媒に溶解させ、得られた溶液を食品に添加してもよい。本発明の食品保存剤を溶液の形態で使用する場合、所望により該溶液のpHを調整してもよい。
食品に対する本発明の食品保存剤またはその個々の成分の添加は、食品の製造におけるどの工程において行ってもよい。例えば、原材料と共に該食品保存剤またはその個々の成分を混合する手段の他、該食品保存剤を水溶液の形態とした後、該水溶液を加工後の食品に対して噴霧あるいは浸漬等の手段により添加してもよい。本発明の食品保存剤の個々の成分を、食品の製造における異なる工程で別々に添加してもよい。
本発明の食品保存剤は、食品全重量に対して0.01~18重量%となるように添加するのが好ましく、0.02~9.5重量%となるように添加するのがより好ましく、0.03~4.5重量%となるように添加するのがさらに好ましい。あるいは、本発明の食品保存剤は、食品全重量に対してプロタミンが0.01~0.15重量%、好ましくは0.02~0.11重量%、より好ましくは0.03~0.07重量%となるように添加し得る。
本発明の食品は、食品全重量に対しプロタミン0.01~0.15重量%含有し、好ましくは食品全重量に対しプロタミン0.02~0.11重量%含有し、より好ましくは食品全重量に対しプロタミン0.03~0.07重量%含有する。
本発明の食品中における香辛料抽出物および糖加熱物の含有量は、プロタミンの含有量に依存し、プロタミン100重量部に対して、香辛料抽出物0.01~0.045重量部、糖加熱物1~10重量部含有し、より好ましくはプロタミン100重量部に対して、香辛料抽出物0.015~0.043重量部、糖加熱物2~9重量部含有し、さらに好ましくはプロタミン100重量部に対して、香辛料抽出物0.02~0.04重量部、糖加熱物4~6重量部含有する。尚、食品中におけるプロタミン、香辛料抽出物、糖加熱物の各成分が上記範囲内となるように、本発明の食品保存剤を添加してもよいし、各成分を個別に食品に添加してもよい。
食品全重量に対して、プロタミンが上記範囲未満である場合、食品の保存効果が不十分となる。また、食品全重量に対して、プロタミンが上記範囲を超える場合、食品の風味に悪影響を及ぼす傾向がある。
本発明の食品保存剤及び食品保存方法の対象食品としては、例えば、穀類、野菜、果実類などを主体原料とする食品のほか、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ハム、魚肉ソーセージなどの水産製品、ハム、ソーセージ、ウインナーソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、ミンチボールなどの畜肉製品、カスタードクリーム、生クリーム、スイートポテト、スポンジケーキ、カスタードプリンなどの洋菓子類、おはぎ、草餅、人形焼き等の和菓子類またはその餡類、豆腐、豆乳などの比較的タンパク質含量の高い食品、缶入りコーヒー等の飲料等が挙げられる。特に、蒸しパンまたは中華麺などの小麦加工品において、本発明の食品保存剤及び食品保存方法を好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
品質保持剤の調製
下記材料を表1および2に示す重量で配合して混合し、製剤A~Hを調製した。
・しらこ分解物:ニシン白子に水を加えて破砕後、鉱酸を加え、得られたプロタミン抽出液を中和、塩析しプロタミン塩として沈殿させ、エタノールによる脱脂操作の後、乾燥粉末化したもの。プロタミン85重量%含有。
・香辛料抽出物:「ドライコートスパイスジンジャーZ」(高田香料(株)製、ショウガからアルコール、ヘキサン、石油エーテルなどの有機溶媒を用いてオレオレジンを得た後、ガム質、賦形剤、水を加えて乳化し、噴霧乾燥により粉末化したもの。ショウガ抽出物10.4重量%、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム11.0重量%、デキストリン78.6重量%含有)
・糖加熱物:「パラチノース加熱物」((株)ロッテ製、イソマルツロースとイソマルツロースに対して10~30重量%の水からなる水溶液を140~200℃で10~120分間煮詰めることにより得られたイソマルツロースにデキストリンを加えることにより粉末化したもの。イソマルツロース加熱物50重量%、デキストリン50重量%含有)
・糖組成物1:「さとうきび抽出物MSX-100(J)」(三井製糖(株)製、さとうきびを圧搾して得られた圧搾汁を原料として、樹脂に通液、吸着した成分を分離、回収して得られたポリフェノール類にデキストリンを加え粉末化したもの。さとうきび抽出物10重量%、デキストリン90重量%含有)
・糖組成物2:「香料製剤糖蜜フレーバーMSX-1MF」(三井製糖(株)製、さとうきびを圧搾して得られた圧搾汁を洗浄・濃縮することにより得られる香気成分を、上記「さとうきび抽出物MSX-100(J)」に混合したもの。さとうきび抽出物0.4重量%、デキストリン99.589重量%、香料(A)0.01重量%、香料(B)0.001重量%含有)
Figure 0007242039000001
Figure 0007242039000002
各製剤中のプロタミン、ショウガ抽出物、イソマルツロース加熱物およびさとうきび抽出物の含有量を、表3に示す。括弧内の数値は、プロタミンを100重量部としたときの各成分の重量部を示す。
Figure 0007242039000003
Figure 0007242039000004
(1)マスキング効果の評価1(蒸しパン)
・実施例1~2、比較例1~6
蒸しパンの製造
規格袋内にて薄力粉74.0g、コーンスターチ10.0g、ベーキングパウダー5.0g、食塩0.4g及び、製剤A~Hを表1および2に示す通りに添加したものを、予めガラスボウルに水85.6g、上白糖25.0gを混合しておいたものに添加し、ハンドミキサーにて混合した。これをアルミカップに15gずつ入れ、スチームオーブンで7分間蒸して蒸しパンを得た。
官能性試験
製造した蒸しパンを用い、10名のパネラーにより、不快臭の強さと異味を評価した。不快臭の評価は、不快臭の強さを-3(不快臭が弱い)~0(対照と同等)~+3(不快臭が強い)、の7段階で評価し、平均値を算出した。異味の評価は、異味を強く感じた人の数を数えた。ここで異味とは、ショウガ抽出物、イソマルツロース加熱物、あるいはさとうきび抽出物由来の味がすること、又はマスキング素材が食品本来の風味を損ねていることを示す。結果を表5に示す。
Figure 0007242039000005
実施例1~2より本発明の製剤A~Bを添加した蒸しパンは比較例1のマスキング素材を添加していない製剤Cに比べ不快臭が低減されていることが確認された。また実施例1~2とマスキング素材を1種のみ添加した比較例2~3の製剤D~Eを比較すると、マスキング素材2種を併用した場合の方が1種のみ添加した場合に比べて不快臭が低減している上に食品の味へ与える影響が無いことが確認された。
また実施例1~2の製剤A~Bと比較例4~5の製剤F~Gを比較すると、ショウガ抽出物と併用する糖加熱物は、不快臭の低減効果及び異味への影響の低さからイソマルツロース加熱物がより好ましいことが確認された。
さらに、マスキング素材を単独で過剰に添加した比較例6に示す製剤Hでは不快臭の低減効果は得られたが、マスキング素材の添加により本来の食品の味とは別の味が引き立っていた。以上より本発明の製剤A~Bが食品本来の味を損ねることなく優れた不快臭低減効果を示すことが確認された。
(2)マスキング効果の評価2(中華麺)
・実施例3~4、比較例7
中華麺の製造
小麦粉(強力粉)250gを1.6mm角麺用キャップを取り付けた家庭用製麺機(ヌードルメーカーH R2365/01、フィリップス社製)に投入した。水90g、食塩3g、かんすい3gと共に、製剤A~Cを表1に示す通りに添加した後、5分間ミキシングを行い、製麺機により押し出された生中華麺を得た。得られた生中華麺を麺の重量に対して10倍量の沸騰した水で2分間茹で、茹で中華麺を得た。
官能性試験
製造した茹で中華麺を用い、5名のパネラーにより、不快臭の強さを評価した。評価は、不快臭の強さを-3(不快臭が弱い)~0(対照と同等)~+3(不快臭が強い)の7段階で評価し、平均値を算出した。結果を表6に示す。
Figure 0007242039000006
実施例3~4より、本発明の製剤A~Bを添加した中華麺は、比較例7のマスキング素材を添加していない製剤Cを添加した中華麺に比べ、不快臭が低減されていることが確認された。
抗菌力試験
ニュートリエントブロス(メルク株式会社製:NB培地)0.8gに脱イオン水100gを加えてオートクレーブ滅菌した後に、製剤A~Cを表1に示す通りに添加した。また、製剤を添加していない滅菌後の同ニュートリエントブロスは参考例1の液体培地とした。次にCOガスセンサー入りの試験管に上記の各液体培地を4mlずつ分注し、下記供試菌の菌液10μl(4.5×10CFU/ml)を接種した。接種後、30℃にて培養し、菌の増殖により発生するCOが検出されるまでの時間を測定した。尚、COガスセンサー入りの試験管はSensiMedia SM000(マイクロバイオ株式会社製)を使用した。結果を表7に示す。
測定機械はSensiMedia Biomatic20(マイクロバイオ株式会社製)を用いた。
供試菌:Bacillus subtilis IAM1069(芽胞)
Figure 0007242039000007
製剤AまたはBを添加した培地(実施例5~6)は、マスキング素材を含まない製剤Cを添加した培地(比較例8)と同様に、試験終了時(培養開始の215.73時間後)までCOが検出されず、供試菌の増殖が抑制されていた。従って、マスキング素材は、プロタミンによる静菌効果を阻害しないことが確認された。

Claims (5)

  1. プロタミン100重量部に対してショウガ抽出物0.01~0.045重量部およびイソマルツロース加熱物1~10重量部を含有する食品保存剤。
  2. プロタミンが魚類白子由来のものである、請求項1に記載の食品保存剤。
  3. 請求項1または2に記載の食品保存剤を、食品全重量に対してプロタミンが0.01~0.15重量%となるように食品に添加することを特徴とする、食品の保存方法。
  4. 食品全重量に対し、プロタミン0.01~0.15重量%含有し、さらにプロタミン100重量部に対して、ショウガ抽出物0.01~0.045重量部、イソマルツロース加熱物1~10重量部含有する食品。
  5. 食品が、蒸しパンまたは中華麺である、請求項に記載の食品。
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