JPH07113182B2 - 織機における緯入ミス糸の除去方法 - Google Patents

織機における緯入ミス糸の除去方法

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JPH07113182B2
JPH07113182B2 JP15144686A JP15144686A JPH07113182B2 JP H07113182 B2 JPH07113182 B2 JP H07113182B2 JP 15144686 A JP15144686 A JP 15144686A JP 15144686 A JP15144686 A JP 15144686A JP H07113182 B2 JPH07113182 B2 JP H07113182B2
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正幸 郡山
真二 若井
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主に空気噴射式織機における緯入ミス糸の除
去方法に係り、詳しくは緯糸を緯入れするに際し緯入ミ
スが生じたとき、この緯入ミスに係るミス糸を筬打した
のち織機を停台させ、次に織機の逆転行程を経て当該ミ
ス糸を織前に露出させ、その後、この露出したミス糸を
除去するようにした方法に関する。
〔従来の技術〕
従来この種の緯糸除去方法として、例えば、特開昭58−
197339号公報に開示されたものがある。これを、例え
ば、クローズドタイプの空気噴射式織機に適用した場合
について説明する。第7図はこの織機の概要を示す。
同図において、1は筬、2はこの筬1を保持しているス
レー、3はこのスレー2の緯入側にあって該スレー2に
固定した流体噴射ノズル、4は筬1の織前CF側にあって
スレー2にくし歯状に配列固定した空気案内子である。
この空気案内子4は、第8図に示すように、案内孔4aと
この案内孔4aの上部に開設したスリット状の緯糸脱出路
4bとを有し、案内孔4aの列によって空気誘導路を構成し
ている。また6は緯糸の給糸装置であって、給糸源から
測長及び貯留装置を経て流体噴射ノズル3に緯糸Wを供
給するものである。
尚、空気案内子4の巾は約2.5〜3mm、案内子間の間隙は
約1.5〜2mmである。
そして、今この織機はスパン糸例えば綿糸を製織するも
のとする。綿糸においては、筬打前に経糸Yの上糸と下
糸との関係を僅かに反転させ緯入れされた緯糸Wをこの
反転した上,下糸で押えながら筬打ちを行ない、製織密
度を上げるようにしている。第8図は、織機の主軸の基
準位相角を筬打時を0°(=360°)とし、経糸Yの開
口状態を示したものであり、図に示されるように、筬打
(360°)に先立って経糸Yの上,下糸が反転し始める
(300°)。
以上の構成において、筬1が後退して経糸開口角が大き
くなる(第8図(a)実線)と、給糸装置6に貯留され
た緯糸Wが流体噴射ノズル3から射出されて反緯入側ま
で飛走する。ここで緯入れが終了し、緯糸フィーラ7が
この反緯入側において緯糸Wの有無を検知し、緯糸W有
りを検知すると筬1の前進運動に伴なわれて(第8図
(b)(c))この緯入れされた緯糸Wが織前CFに打込
まれる。その後、筬1が後退するとともに前記位相角30
0°から次の経糸開口が形成されてゆく(第8図(d)
(e))。
いま前記の緯入途上にあって射出された緯糸Wが不時に
切断され、あるいは経糸Y列に引掛るなどして緯入ミス
が生じると、緯糸フィーラ7が緯糸不在を検知して緯入
ミス信号を発し、織機の製御部はこの信号にもとづいて
作動指令を発信し次の処理を行なわせる。
まず、製御部は停止指令を発して(330°)織機を所定
の位相のもとに停台させる。この停台位相は一般に経糸
Yの最大開口付近に設定され、織機の慣性を考慮して停
台までに1サイクル程度の慣性作動を行なわせる。従っ
て、第8図(e)(e1)に示すように、緯入ミスとなっ
た緯糸(以下「ミス糸M」という)が筬打された状態の
例えば560°(織機の主軸角度200°に相当する)で停止
させる。同時に給糸装置6からの緯糸Wの供給を停止す
るとともにカッタ8の切断運動を拘束し、ミス糸Mが流
体噴射ノズル3に連なった状態にする。その後、吸引装
置9を流体噴射ノズル3の先端部に進出させて上記連ね
られたミス糸Mを吸引し、図示外の別のカッタによりミ
ス糸Mを吸引装置9と流体噴射ノズル3との間で切断す
る。次に、ミス糸Mを取除き易いように、ミス糸Mの筬
打直前における経糸Yの最大開口位相角(180°)の付
近に主軸の停止位置を設定し、上記の停台位置(560
°)から主軸をほぼ1回逆転させることによりミス糸M
を織前CFに露出させる(第8図(a)(a1)。すると、
吸引装置9の吸引力によりミス糸Mが織前CFから引剥が
され、該装置9内に吸引除去される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、このような従来の除去方法において、例えば
上述したような綿糸などのスパン糸を製織するものにあ
っては、経糸開口が十分に開口せずにミス糸を織前CFか
ら引剥しにくい、あるいは実質的に引剥できないという
問題があった。
その理由を以下に説明する。
織機の停台位置において空気案内子4は経糸開口にあり
(第8図(e))、逆転行程において一度閉口途上にあ
る経糸開口から抜出し(第8図(d))、その後経糸開
口に突入する(第8図(c)(b))。この突入するタ
イミングでは経糸Yが略閉じた状態になっており(正転
時の筬打直前)、従って、空気案内子4は、この略閉じ
た経糸Yの密集しているところへ経糸Yをかき分けつつ
突入することになる。突入した状態では、第8図(b1
に示すように、多数の経糸Yの上糸と下糸ととが一緒に
なって案内子4の間の前記狭い間隙に密集せしめられ
る。そのため、綿糸などのスパン糸では、細い毛がけば
立っているので、その毛羽が互いにからみ合ってくっつ
き合ってしまう。その後、筬1の後退に先立って(300
°)、上下の経糸Yが反転し経糸開口が開いてゆくが、
案内子4間に挟まれながら開くことになるので、上記の
からみ合いが完全にほどけない部分があり、所謂経糸の
さばきが悪くなって、第8図(a)二点鎖線で示すよう
に、局所的に開口形成がなされないのである。開口が形
成されない部位があると、ミス糸Mが織前CFに露出しな
いので、ミス糸M除去に支障をきたしてしまうものであ
る。
尚、製織行程(主転正転)においては、上記の問題は生
じることがない。即ち、経糸Yが案内子4間にあって密
集している上記の段階では、すでに緯入れが終了し案内
子4が経糸Yから抜け出てゆくだけであり(第8図
(c))、更にその後、経糸Y間を筬羽が通過するの
で、問題は生じない。更にまた、案内子4が突入すると
きは、第8図(d)に示すように、すでに経糸Wの開口
角が大きなものになっており、案内子4は下糸のみに突
入することになるので、上糸と下糸同士がからみ合う事
態が生じることはなく、上述の逆転時における開口不良
を生じることはない。
また、逆転時における問題は上述のクローズドタイプの
ものに限らず、オープンタイプの織機においても生じ、
この場合は、上述した綿糸などのスパン糸に限らずフィ
ラメント糸にあっても生じる現象である。オープンタイ
プの織機は、第9図に示すように、筬羽の前面に凹所10
を形成してこの凹所10の列により空気誘導路11を形成
し、この空気誘導路11に補助ノズル12のエア噴射による
補助を得ながら緯糸Wを緯入れし、空気誘導路11に緯糸
を保持させながら緯前CFに持来たし筬打を行なうように
したものである。
このタイプにあって、織機の停台位置において凹所10は
経糸開口に臨み(第9図(c))、逆転行程において下
あご部10aが一度経糸開口から抜け出し(第9図
(d))、その後経糸開口に突入してゆく(第9図
(b))。この突入してゆくタイミングでは、経糸Yの
上,下糸が略閉じた状態になって密集し、下あご部10a
の内側面と経糸Yとが略平行な状態になるので、例え
ば、第9図(b1)に示すように、僅かな織縮みや補助ノ
ズル12のかき分けによって経糸Yが凹所10を横ぎると、
下あご部10aが経糸Yの下糸を引掛けてしまい、第9図
(a)二点鎖線で示すように、経糸Yが引掛けられたま
まになり、局所的に上糸と下糸との開口角が狭いものに
なって充分な開口が形成されないのである。
尚、製織行程(主軸正転)においては、上記の問題は生
じることがない。即ち、経糸Yの密集状態では下あご部
10aは経糸開口から抜け出るので(第9図(b)
(c))問題がない。また、下あご部10aが突入すると
きは、第9図(d)に示すように、経糸開口角が大きな
ものになっており、下あご部10aの内側面と経糸Yとの
なす角度が大きいので、引掛かろうとしてもすべって外
れてしまい問題は生じない。
そこで、本発明の技術的課題は経糸の最大開口位相角の
付近に主軸を停止させてミス糸を除去するときには上述
した経糸の開口不良が生じていないようにする点にあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
このような課題を解決するための本発明の技術的手段
は、緯入ミスが生じたとき織機をミス糸の筬打後に停台
させ、次に経糸の最大開口位相角の付近を通過したとこ
ろまで主軸を逆転させ、その後、正転させて上記経糸の
最大開口位相角の付近で停止させるようにしたものであ
る。
〔作用〕
この手段によれば、例えばクローズドタイプの織機で
は、逆転行程において経糸同士がからみ合って開口不良
を生じても、経糸の最大開口位相角の付近を通過したと
ころまで逆転させ、その後経糸の最大開口位相角の付近
まで正転させると経糸開口が広いところから挟ばまり、
その後また拡大するので、これに伴って経糸張力が大き
いところから小さくなり、その後また大きくなるので、
この経糸の張力変動によりからみがほぐされて経糸が分
離する。そのため、正転により経糸の最大開口位相角の
付近に停止させたときは開口不良が修正されて確実にミ
ス糸が除去される。
また、例えば、オープンタイプの織機では、経糸の最大
開口位相角を通過させて逆転する行程において、経糸開
口角が小さくなっていくので凹所に引掛って屈曲してい
る経糸の当該屈曲がゆるめられるとともに、経糸が引掛
っている凹所の内側面と経糸のなす角度が大きいものに
なってゆく。この状態から正転させると、再び経糸開口
角が大きくなっていくが、経糸が凹所を横ぎっていたと
しても凹所の内側面と経糸との角度が大きいことから経
糸がこの内側面をすべってしまい再び引掛るという事態
がなくなり、開口不良が修正されて確実にミス糸が除去
される。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例に用いる装置の説明図で、図
中21,22,23および24はそれぞれ前記と同様の筬,スレ
ー,空気案内子および空気誘導路、また3はスレー22の
緯入側に固定した前記流体噴射ノズル、5および6はそ
れぞれ織機の側枠および緯糸Wの給糸装置である。更に
15は圧力空気供給源、16は操作盤、16a,16bおよび16cは
それぞれこの操作盤の始動準備スイッチ、始動スイッチ
および停止スイッチ、17は織機の製御部である。
40は織機の駆動系統である。この駆動系統において、41
は織機駆動用のメインモータ、42はこのメインモータか
らベルト伝動手段43を介して駆動される主軸、44はこの
主軸に連結した電磁ブレーキで、主軸42は経糸系、筬21
等の緯糸系を駆動するほか、中間軸等を介して織機の主
要運動要素をそれぞれのタイミングスケジュールにもと
づいて駆動する。45はアングルセンサで主軸42の回転位
相角(クランク角)を例えば1°毎に検出して角度信号
を発信させる。このクランク角は通常筬21の最前進位置
(筬打位置)を0°(=360°)として起算し、したが
って該筬の最後退位置(経糸の略最大開口位置)はほぼ
180°となる。46は主軸42からベルト伝動手段47を介し
て駆動される被動軸、48はこの被動軸から常結のワンポ
ジションクラッチ50を介して駆動される従動軸、49はこ
の従動軸からベルト伝動される中間軸であって、これら
各軸46,48および49と主軸42との回転速度比は1:1であ
る。ワンポジションクラッチ50において、51は従動軸48
に固定したクラッチヘッド、52は被動軸46側にあってク
ラッチヘッド51へ向けて附勢したスライドヘッドで、こ
のスライドヘッドが上記の附勢力により摺動駆動される
と、該織機の始動位置、例えば前記クランク角が300°
のところでクラッチヘッド51と係合して当該クラッチ50
を「結」にする。53はエアーアクチュエータで常閉のソ
レノイドバルブ54を介して圧力空気供給源15へ接続さ
れ、該バルブを開くとスライドヘッド52をクラッチヘッ
ド51の反対側へ駆動して当該クラッチ50を「断」にす
る。55はクラッチヘッド51について前記クランク角300
°の位相を検出するポジションセンサ、56はクラッチ
「断」センサ、57はクラッチ「結」センサである。
前記流体噴射ノズル3の系統において、31は噴射制御弁
でソレノイドバルブ32、エアタンク33および調圧弁34を
介して圧力空気供給源15へ接続され、また中間軸49から
カム手段を介して開閉駆動される。
前記給糸装置6において、61は緯糸Wのパッケージ、62
は緯糸テンサ、63はテンサパイプ、64はテンサバルブ
で、このテンサバルブをソレノイドバルブ65およびチェ
ックバルブ66を介して圧力空気供給源15へ接続してあ
る。また給糸装置6において70は緯糸貯留装置で、この
例では、例えば特公昭59−32577号公報に開示されてい
るようなドラム型のものを用いている。すなわち71は織
機の左右方向(前述したように左が緯入側)に配した中
空のスピンドルで、このスピンドルはベアリング72に支
承されてベルト伝動手段73および74を介し従動軸48から
例えば増速比1:4の回転速度で駆動される。75はこのス
ピンドルの右端部にベアリングを介して支承したドラム
で、このドラムには磁力を作用させるなどしてスピンド
ル71とのつれ回りを阻止している。76はスピンドル71に
固定した管体からなる巻付アームで、緯糸テンサ62から
の緯糸Wをスピンドル71の内孔から巻付アーム76にひき
通してドラム75の左端部外方へ導いている。77および78
はそれぞれ従動軸48から後述するタイミング往復駆動さ
れる右係止ピンおよび左係止ピンで、各々往動してドラ
ム75へ係入し、復動して該ドラムから離脱する。79はド
ラム75と同心に配した糸ガイドである。
80は緯糸貯留装置70を別途駆動するための補助モータ
で、ギヤリング81および電磁クラッチ82を介して従動軸
48に連繋させてあり、電磁クラッチ82を附勢すると従動
軸48に接続される。
90は前記側枠5に固定した糸ブレーキで、公知の2段把
持型緯糸把持器91とこの把持器の左右に配した糸ガイド
92,93とを備え、把持器91は前記中間軸49と同期して後
述する緯糸の把持、制動作用を営む。
105は光電式の緯糸検知器で、最反緯入側の空気案内子2
3aの前記緯糸脱出路から前述のようにして緯糸が脱出す
ると緯糸「在り」の信号を発する。
110は上記空気案内子23aの更に反緯入側にあってスレー
22に固定した緯糸牽引装置で、緯糸導出孔とこれに対向
する空気噴射孔とを備え、空気噴射孔をソレノイドバル
ブ115およびチェックバルブ116を介して圧力空気供給源
15へ接続し、緯糸導出孔を管路117を介して糸屑補集籠1
18に連通させている。
以上の構成によって緯入系統が完結し、前述したように
して緯糸貯留装置70の巻付アーム76からドラム75の外方
へ導かれた緯糸Wを該ドラムに所定回数巻付けて糸ガイ
ド79、同92、把持器91を順次経由して流体噴射ノズル3
にひき通す。
該緯入系統の動作を説明すると始めに操作盤16の始動準
備スイッチ16aを閉結すると、(A)緯糸テンサ62系の
ソレノイドバルブ65が「開」となる。これによってテン
サバルブ64からテンサパイプ63内へ空気が噴射されて緯
糸貯留装置70への緯糸に適度に張力を附与する。
(B)流体噴射ノズル3系のソレノイドバルブ32が
「開」となって噴射制御弁31まで圧力空気が送給され
る。
(C)緯糸牽引装置110系のソレノイドバルブ115が
「開」となって空気噴射孔から空気噴射がおこなわれ、
その噴流が緯糸導出孔から管路117を経て糸屑補集籠118
へ導かれる。
上記(A),(B)の状態は停止スイッチ16cを操作す
るまで継続する。またワンポジションクラッチ50は
「結」、補助モータ80系の電磁クラッチ82は「離」であ
って、かかる態様で始動スイッチ16bを操作すると電磁
ブレーキ44が開放され、同時にメインモータ41が起動す
る。
筬打時点(前記0°)を基準にして緯入動作を説明すれ
ば、筬21の後退行程(0°〜約180°)において緯入始
期が近づくと噴射制御弁31が「開」となって流体噴射ノ
ズル3から空気噴射が開始され、その直後に右係止ピン
77がドラム75から離脱する。次いで緯入始期が到来する
と把持器91がその把持を解いて緯糸を開放するので、該
緯糸が空気誘導路24へ噴出されて飛走してゆく。緯糸W
の先端部が緯糸牽引装置110へ導入されるとここで緯入
が終了する。すなわちこの緯入終期において把持器91が
緯糸を強把持して制動し、これと同時に上記導入された
緯糸先端部が緯糸牽引装置110に繋留される。その直後
に右係止ピン77がドラム75に係入する。そして右係止ピ
ンの上記係入によりドラム75上に緯糸が係止され、その
後左係止ピン78がドラム75から離脱する。これによって
該ピン78の背後に巻かれていた、および巻かれつつある
緯糸が右係止ピン77側へ移行し、それらの巻回長が前記
1ピック相当分に達すると左係止ピン78が再びドラムに
係入する。一方把持器91は上述したように緯糸を一旦強
把持して制動したのち筬打終了直後までこれを弱把持す
る。よってこの緯糸は適度の張力が附与されつつ筬21の
前進とともに糸ブレーキ90から引出され、これによって
切断が防止される。
140は緯糸カッタであり、筬打された緯糸Wを鋏切りし
て流体噴射ノズル3から切離すものである。また、160
は電磁アクチュエータによりカッタ140の切断運動を阻
止する切断阻止手段である。
170は流体噴射ノズル3の後段に配設した緯糸吸引装置
で、ソレノイドバルブ177とチェックバルブ178とを介し
て圧力空気供給源15に接続した空気送給路174と、これ
に対向して開口させた空気排出路176とを備え、この空
気排出路176を管路179により前記糸屑補集籠118に導い
ている。
180はミス系カッタで、ソレノイドバルブ195とチェック
バルブ196とを介して圧力空気供給源15に接続されるエ
アアクチュエータ182によって進出せしめられ、流体噴
射ノズル3と緯糸吸引装置170との間の緯糸Wを切断す
るものである。
200は再始動用緯糸カッタで、前記緯糸カッタ140に隣接
して設けられる。201は該カッタの鋏切運動を司どる電
磁アクチュエータである。
以上の装置を用いての緯糸除去方法を第2図,第3図を
用いて説明する。尚前述した各ソレノイドバルブ、電磁
アクチュエータ、織機駆動系等の作動は制御部17のシー
ケンス制御器から発せられる指令にもとづいて実行され
る。尚また上記実行に際してはアングルセンサ45、ポジ
ションセンサ55、クラッチ「断」および「結」センサ56
および57等からの信号を要素とする各種の確認動作を伴
うが、煩雑を避けるためこれらの説明は省略する。
(1)いま前記の緯入過程において緯入ミスが発生する
と、緯糸検知器105から緯糸「不在」の緯入ミス信号が
発せられ、制御部17はこの信号を入力して停止指令を出
力する。
(2−1)制御部17の停止制御装置は上記停止指令にも
とづき、第4図(e)に示すように、当該緯入ミスが生
じた次の製織サイクルの主軸角度200°(第4図(e)
に示す位置560°)に停止角度を設定し、 (2−2)メインモータ41の回路を「OFF」、電磁ブレ
ーキ44を附勢して (2−3)メインモータ41を当該角度を停止させる。前
述したようにこの停止位置で経糸開口角がほぼ最大とな
る。
(3−1)一方制御部17は前記緯入ミス信号にもとづき
作動信号を発して次の諸動作をおこなわせる。
(3−2)流体噴射ノズル3系および緯糸牽引装置110
系のソレノイドバルブ32および115を「閉」とする。
緯糸カッタ140系の電磁アクチュエータ165を「附勢」し
て緯糸の切断を阻止させる。
第3図のAは上記(1),(2−1〜3),(3−1、
2)の諸動作が完了した状態を示し、ミス糸Mは織前CF
に織込まれたまま切断および係止されることなく流体噴
射ノズル3に連ねられる。そしてこの停止位置にあって
は噴射制御弁31が開、また右係止ピン77が「脱」である
から、該弁31とソレノイドバルブ32間に滞留されていた
圧力空気が流体噴射ノズル3から一時的に噴射され、そ
の噴流によってドラム75に貯留された緯糸の一部が空気
誘導路24内へU字状を呈して射出される。
(4)ワンポジションクラッチ50系のソレノイドバルブ
54を「開」とする。これによってエアアクチュエータ53
が作動して該クラッチ50が「断」となる。
(5)緯糸吸引装置170系のソレノイドバルブ177を所定
時間「開」とする。この開動作によって前記U字状に射
出された余分の緯糸が空気排出路170へ吸引されて空気
誘導路24内から除去される(第3図のB)。
(6)電磁ブレーキ44を「消勢」し、メインモータ41の
逆転回路を「ON」として主軸42を逆転方向に530°(約
主軸1回転半分)回転させる。530°逆転すれば主軸42
は経糸の最大開口位相角の付近を通過して緯入ミスの生
じたサイクルの主軸角度30°となり、この位置を検出す
ると、メインモータ41への給電を停止するとともに電磁
ブレーキ44を附勢して主軸42を停止する。
次に、電磁ブレーキ44を消勢し、メインモータ41の正転
回路を「ON」として主軸42を正転方向に150°回転させ
る。これにより、主軸42は緯入ミスの生じたサイクルの
180°、即ち、当該ミス糸Mの筬打直前における経糸の
最大開口位相角の付近にあって緯入れ可能な角度位置に
停止する(第3図のC)。
この場合、第4図及び第5図に示すように作用をする。
この逆転の行程において、上述したように、空気案内子
23は略閉じた経糸Y開口に突入する(第4図(c)
(b))。その後、筬の後退に伴って経糸Yが反転して
いくが、このとき、経糸Yがからみ合い、経糸Yの略最
大開口付近(180°)では、第4図(f)及び第5図
(A)に示すように局所的に開口が形成されない。更
に、逆転が進行し、主軸の30°では、第4図(g)及び
第5図(B)に示すように、案内子23が経糸開口からい
ったん抜け出るとともに経糸開口角が小さくなってその
張力が弛む。このとき、経糸Yは案内子23による拘束が
なくなって経糸Yのからみがほどけてゆく。
ここで主軸の角度30°は経糸の最大開口位相角の付近を
通過するまで逆転すれば何度でもよいのであるが、前述
のように、案内子23が経糸開口からいったん抜け出る角
度30°付近まで逆転させれば経糸Yは案内子23から完全
に離れるので、いっそう経糸Yのからみがほどけること
になり、好ましい角度にある。
この状態から正転すると、経糸開口が開いて経糸Yの張
力が次第に増してゆくが、案内子23による拘束がなく経
糸Yが単独でつっ張ろうとするので、上記のからみはな
い。そして、主軸の角度40°〜50°において、再び、案
内子23が経糸Yに突入するが、経糸開口がある程度形成
されているので下糸のみ突入することになり、下糸が上
糸と接触しないことから上記のからみが生じない。そし
て、主軸が180°に至るころまでには、張力が大きくな
って、第4図(h)及び第5図(c)に示すように、略
完全に上糸と下糸とが引き剥がされ、所謂さばかれて、
経糸開口が正規のものに形成される。
尚、上記の逆転は案内子23が経糸開口から抜出る主軸の
30°まで行なっているが糸種によっては例えば、案内子
23の抜出る手前まででも差支えない。また、逆転正転を
繰返して行なうようにすれば、更に確実にさばくことが
できる。
また、ここで、上述の作用をオープンタイプの場合につ
いて説明すると、第6図に示すように、逆転により主軸
の180°では経糸Yが筬の凹所10の下あご部10aに引掛
り、大きく屈曲するものもでてくるが(第6図
(f))、更に、逆転が進行するにつれて、経糸開口角
が小さくなり屈曲が小さくなって主軸の30°では下あご
部10aが開口から抜け出て経糸Yが完全に下あご部10aの
内側面から離間する(第6図(g))。この状態から正
転が行なわれると再び経糸開口が開いてゆくが、たとえ
凹所10を経糸Yが横ぎっていたとしても、下あご部10a
の内側面と経糸Yとのなす角度が逆転時(第6図
(b))に比べて大きいので、下糸は下あご部10aの内
側面上をすべってしまい、再び引掛ることがなく、第6
図(h)に示すように確実に開口が形成される。
(7)給糸装置6系の電磁クラッチ82を「接」とし、補
助モータ80の回路を「ON」として該モータ80を所定回数
回転させる。
よって緯糸貯留装置70のみが駆動されてドラム75上に緯
糸が巻回される。この巻回長がほぼ緯入2ピック分に相
応し、かつ、右係止ピン77が「脱」のところで補助モー
タ80を停止させる(第3図のD)。
(8)流体噴射ノズル3系および緯糸牽引装置110系の
ソレノイドバルブ32および115をそれぞれ所定時間
「開」とする。
これにより、上記巻回された2ピック分の緯糸が空気誘
導路24内へ射出され、これが反緯入側で反転して1往復
する。そして緯糸牽引装置110が上記の反転部を吸引す
る(第3図のE)。この場合、経糸開口不良がないの
で、確実に牽引装置110まで緯糸Wを飛走させることが
できる。
(9)メインモータ41の逆転回路を「ON」として主軸42
を例えば300°まで逆転させる。この過程で上記U字状
に挿入された緯糸が緯糸脱出路23bから経糸開口内へ脱
出する(第3図のF)。
(10)メインモータ41を正転させて主軸42を当初の停止
角180°まで復帰させる。ここでミス糸Mが再び露出す
る。
(11)緯糸牽引装置110系のソレノイドバルブ115を
「開」とする。これにより、上記脱出した緯糸がU字状
を呈したまま反緯入側から牽引されるので、上記再度露
出したミス糸Mが織布からひき剥がされて除去される
(第3図のG)。この場合、経糸開口不良がないので、
ミス糸Mが経糸Yに引掛る等の支障を生じることなくひ
き剥がされる。
(12)ミス糸カッタ180系のソレノイドバルブ195を
「開」とする。よって流体噴射ノズル3から緯糸を切離
す(第3図のH)。そしてこの切離された緯糸はミス糸
Mとともに管路117を経て糸屑補集籠118に補集される。
(13)メインモータ41の逆転回路を「ON」として主軸42
を緯入ミスが生じた前の製織サイクル300°位置まで逆
転駆動し、ここで停止させる。この300°は前述したよ
うに織機の始動角である(第3図のI)。
(14)補助モータ80の回路を「ON」、また緯糸吸引装置
170系のソレノイドバルブ177を「開」とする。これによ
ってドラム75に緯糸が巻回され、また右係止ピン77が
「脱」となる毎にこの巻回された緯糸が緯糸吸引装置17
0に吸引される。そしてまたこの過程でポジションセン
サ55から前記300°の角度信号が発せられる。
(15)制御部17は上記角度信号(300°)が発せられそ
して消失したとき、ワンポジションクラッチ50系のソレ
ノイドバルブ54を「閉」としてエアーアクチュエータ53
への空気送給路を遮断する。よって該クラッチ50のスラ
イドヘッド52が前記の附勢力によりクラッチヘッド51に
押接される。この状態で該ヘッド51が約1回転して300
°の位相となった時、ワンポジションクラッチ50が結合
し、同時にクラッチ「結」センサ57から信号が発せられ
る。
(16)上記クラッチ「結」信号にもとづき補助モータ80
の回路を「OFF」とし、また同モータの電磁クラッチ82
を「離」とする。すなわち、ここで給糸装置6も再始動
態勢が整えられる。そして、緯糸は緯糸吸引装置170に
吸引されて該装置と流体噴射ノズル3との間で緊張する
(第3図のJ)。
(17)次の作動指令を発して織機の再始動準備をする。
(17−1)ソレノイドバルブ195を「閉」としてミス糸
カッタ180を退避させる。
(17−2)ソレノイドバルブ32を開として噴射制御弁31
まで圧力空気を送給する。
(17−3)電磁アクチュエータ165を消勢して緯糸カッ
タ140の拘束を解除する。
(17−4)ソレノイドバルブ115を「開」として緯糸牽
引装置110を作動させる。
(18)メインモータ41を再始動する。この際は緯入れが
なされていないので筬21は織前を空打ちする。
(19)上記空打ち時点にアングルセンサ45から発せられ
る角度信号(0°)にもとづき再始動用緯糸カッタ200
の電磁アクチュエータ201を一時附勢する。これによっ
て緯糸吸引装置170に吸引されて緊張していた前記緯糸
が該カッタ200により切断され、これが管路179を経て糸
屑補集籠118に捕捉される。
(20)ソレノイドバルブ177を「閉」として緯糸吸引装
置170の作動を停止させる。
実施例は以上のごとくである。尚この実施例においては
メインモータ41を駆動制御して前記各種の動作をおこな
わせるようにしてあるが、主軸42に低速ギヤードモータ
などの別モータを連繋させて上記の駆動制御をするよう
にしてもよい。尚また前記の緯糸除去装置を構成する各
手段は本発明を実施しうる範囲において例示のものとは
別の態様を採用しうる。
〔発明の効果〕
以上、説明したように、本発明に係る緯入ミス糸の除去
方法によれば、経糸の最大開口位相角付近を通過したと
ころまで主軸を逆転させ、その後、正転させて経糸の最
大開口位相角付近に停止させるようにしたので、逆転途
上において、例えば、クローズドタイプにあっては経糸
同士がからんでくっつき合ったり、オープンタイプにあ
っては筬の凹所に経糸が引掛ったとしても、上記の経糸
の最大開口位相角付近を通過し更に正転する間に経糸の
張力変動等によってこれらの不良が修正され、設定した
停止位置において経糸の開口不良を生じないようにする
ことができる。そのため、ミス糸を織前に確実に露出さ
せることができ、、スパン糸、フィラメント糸等の糸種
を問わずミス糸が確実に除去できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に用いる装置の全体説明図、
第2図は第1図に制御部の動作フローチャート、第3図
は第2図のフローチャートに基づく織機の動作説明図、
第4図及び第5図(A)(B)(C)は織機の動作を経
糸開口との関係で示す説明図及び要部斜視図、第6図は
本発明を他の装置に適用した場合の織機の動作を経糸開
口との関係で示す説明図、第7図は従来の除去方法が適
用される織機の一例を示す図、第8図及び第9図は従来
の除去方法の不具合を経糸開口との関係で示した説明図
である。 1,21…筬、3…流体噴射ノズル 4,23…空気案内子、6…給糸装置 10…凹所 11,24…空気誘導路 12…補助ノズル、15…圧力空気供給源 17…制御部、31…噴射制御弁 41…メインモータ、42…主軸 50…ワンポジションクラッチ 70…緯糸貯留装置、80…補助モータ 90…糸ブレーキ、105…緯糸検知器 110…緯糸牽引装置、140…緯糸カッタ 170…緯糸吸引装置、180…ミス糸カッタ 200…再始動用緯糸カッタ Y…経糸、W…緯糸 M…ミス糸、CF…織前
フロントページの続き (72)発明者 静 恵三 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−97944(JP,A) 特開 昭58−197339(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入ミスが生じたとき、織機を当該ミス糸
    の筬打後に停台させ、次に、経糸の最大開口位相角の付
    近を通過したところまで主軸を逆転させ、その後正転さ
    せて上記経糸の最大開口位相角の付近で停止させ、ここ
    でミス糸を引剥して除去するようにした織機における緯
    入ミス糸の除去方法。
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