JPH07113003A - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂の製造方法

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JPH07113003A
JPH07113003A JP26048393A JP26048393A JPH07113003A JP H07113003 A JPH07113003 A JP H07113003A JP 26048393 A JP26048393 A JP 26048393A JP 26048393 A JP26048393 A JP 26048393A JP H07113003 A JPH07113003 A JP H07113003A
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靖 有田
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具美 柳田
Masayuki Inagaki
昌幸 稲垣
Katsumi Ogawa
勝美 小川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール樹脂の製造において、ガラスライ
ニング製反応設備とステンレス製反応設備を併用して製
造するフェノール樹脂の製造方法。 【効果】 得られたフェノール樹脂の金属不純物は極め
て低く、より細密化を要求される電子材料用フェノール
樹脂として好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂中の金
属不純物を低減することを可能とするフェノール樹脂の
製造方法に関するものであり、本発明で得られたフェノ
ール樹脂は、より細密化を要求される電子材料用フェノ
ール樹脂として有用である。
【0002】
【従来の技術】電子材料用として使用されるフェノール
樹脂は、ナトリウム,カルシウム,鉄,銅,カリウム,
錫,マグネシウム,珪素,マンガン,アルミニウム,ニ
ッケル,クロム,亜鉛等の金属不純物含有量を低減する
ことが要求されている。従来工業用フェノール樹脂の製
造において反応設備材料としては、ステンレス製が使用
されている。ステンレス材は、一般に鉄・クロム・ニッ
ケルでできており、水共存下における反応中にフェノー
ル樹脂の触媒で一般に使用されている酸により金属(主
に鉄)が溶出し、結果として製造されるフェノール樹脂
中に数ppmの金属不純物が含有する場合があり問題と
なっている。
【0003】フェノール樹脂に含有する金属不純物を低
減する為、ガラスライニング材,テフロンライニング材
およびニッケル系合金などが検討されてきたが、ガラス
ライニング材は、200℃以上の高温では亀裂破損する
可能性が高いという欠点がある。テフロンライニング材
は、200℃以上の高温では変形を発生する。ニッケル
系合金(ハステロイなど)は、フェノール樹脂の合成反
応中にニッケルが溶出し、製品中に多量のニッケル分が
残留する。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的とする
ところは、フェノール樹脂中の金属不純物を低減するこ
とが可能となる電子材料用フェノール樹脂の製造方法を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール樹
脂の製造において、ガラスライニング製反応設備とステ
ンレス製反応設備を併用して製造する事を特徴とするフ
ェノール樹脂の製造方法である。
【0006】本発明では、電子材料用に、ナトリウム,
カルシウム,鉄,銅,カリウム,錫,マグネシウム,珪
素,マンガン,アルミニウム,ニッケル,クロム,亜鉛
等の金属不純物含有量を低減するためにその原因調査を
行った結果、水共存下における反応中にフェノール樹脂
の触媒で一般に使用されている酸により反応設備材料と
して使用されている金属材料(ステンレスなど)から金
属が溶出し、非水系では200℃以上の高温でも金属溶
出しないことをつきとめた。また、ガラスライニング製
反応設備では、水共存下における金属溶出は少ないもの
の、200℃以上の高温では亀裂破損する可能性が高い
という欠点がある。そこで、反応設備について鋭意検討
した結果、水共存系ではガラスライニング製反応設備を
使用し、水が十分に除去された200℃以上の高温では
ステンレス製反応設備使用する併用方式が、金属不純物
を低減するのに有用であることを見出した。
【0007】本発明で製造されるフェノール樹脂は、一
般的方法として、ガラスライニング製反応設備にフェノ
ール類,アルデヒド類,触媒,必要によって溶媒を仕込
み、還流温度で反応の後、減圧下で蒸留し、水を除去し
た後、製造されたフェノール樹脂をステンレス製反応設
備に移動し、さらに減圧下で蒸留し、遊離モノマ−を除
去する事により目的とするフェノール樹脂を得ることが
できる。還流時間は、反応効率および分子量コントロー
ルの面から3〜10時間程度が適当であるが特に限定さ
れるものではなく、製造されるフェノール樹脂の特性の
バランスにより適宜選択する事が出来る。
【0008】使用されるフェノール類としては、フェノ
ール,クレゾール,ジメチルフェノール,トリメチルフ
ェノール,エチルフェノール,ブチルフェノール,オク
チルフェノール,ノニルフェノール,レゾルシノール,
カテコール,ハイドロキノンなどを使用する事が出来る
が、特に限定される事はなく、製造されるフェノール樹
脂の特性により、1種または2種以上を選択・混合して
使用する事が出来る。アルデヒド類としては、ホルムア
ルデヒド,アセトアルデヒド,ベンズアルデヒド,グリ
オキザール,パラホルムアルデヒド,サリチルアルデヒ
ド,ブチルアルデヒドなどを使用する事が出来るが、特
に限定される事はなく、製造されるフェノール樹脂の特
性により、1種または2種以上を選択・混合して使用す
る事が出来る。
【0009】触媒としては、一般的にフェノール樹脂合
成に用いられているものが使用可能であるが、有機酸で
は、蓚酸,酢酸,パラトルエンスルホン酸,キシレンス
ルホン酸,フェノールスルホン酸などが上げられ、無機
酸では、塩酸,硫酸,3フッ化ホウ素錯体などが上げら
れるが、特に限定される事はなく、製造されるフェノー
ル樹脂の特性により、1種または2種以上を選択・混合
して使用する事が出来る。また、溶媒は、トルエン,キ
シレン,メシチレン,アセトン,メチルエチルケトン,
メチルイソブチルケトン,メタノール,エタノール,塩
化メチレンなどを使用する事が出来るが、とっくに限定
される事はなく、フェノール樹脂の特性および製造安定
性の面から使用してもしなくてもよい。
【0010】フェノール樹脂のガラスライニング製反応
設備からステンレス製反応設備に移動する温度は、水が
十分に除去されていれば特に限定されないが、樹脂の粘
度およびガラスライニング製反応設備の耐久性を勘案し
て適宜選択できる。一般的に130〜190℃程度の温
度が好ましい。減圧下での最終内温は、特に限定されな
いが、希望する遊離モノマ−の残存量により適宜選択で
きる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明する。実
施例中の「部」及び「%」は、すべて「重量部」及び
「重量%」を示すものである。また、本発明は実施例に
限定されるものではない。 《実施例1》ガラスライニング製3L反応フラスコ中
に、メタクレゾール500部、パラクレゾール500
部、37%ホルムアルデヒド525部、蓚酸10部を仕
込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧下で内温
130℃まで蒸留して水を除去し、さらにステンレス3
16製3L反応フラスコに移し、減圧下で内温200℃
まで蒸留して遊離モノマ−を除去して目的とするフェノ
ール樹脂を980部得た。得られたフェノール樹脂の融
点は100℃であった。
【0012】《実施例2》ガラスライニング製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾー
ル400部、フェノール200部、37%ホルムアルデ
ヒド450部、蓚酸10部を仕込み、還流温度で8時間
反応させ、その後減圧下で内温160℃まで蒸留して水
を除去し、さらにステンレス316製3Lフラスコに移
し、減圧下で内温220℃まで蒸留して遊離モノマ−を
除去して目的とするフェノール樹脂を990部得た。得
られたフェノール樹脂の融点は103℃であった。
【0013】《実施例3》ガラスライニング製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾー
ル400部、3,5−キシレノール200部、37%ホ
ルムアルデヒド450部、酢酸10部を仕込み、還流温
度で8時間反応させ、その後減圧下で内温160℃まで
蒸留して水を除去し、さらにステンレス316製3Lフ
ラスコに移し、減圧下で内温220℃まで蒸留して遊離
モノマ−を除去して目的とするフェノール樹脂を980
部得た。得られたフェノール樹脂の融点は105℃であ
った。
【0014】《実施例4》ガラスライニング製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾー
ル400部、4−t−ブチルフェノール200部、37
%ホルムアルデヒド500部、パラトルエンスルホン酸
10部を仕込み、還流温度で8時間反応させ、その後減
圧下で内温160℃まで蒸留して水を除去し、さらに3
16ステンレス製3Lフラスコに移し、減圧下で内温2
50℃まで蒸留して遊離モノマ−を除去して目的とする
フェノール樹脂を975部得た。得られたフェノール樹
脂の融点は99℃であった。
【0015】《実施例5》ガラスライニング製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾー
ル400部、レゾルシノール100部、37%ホルムア
ルデヒド480部、塩酸10部を仕込み、還流温度で8
時間反応させ、その後減圧下で内温160℃まで蒸留し
て水を除去し、さらにステンレス316製3Lフラスコ
に移し、減圧下で内温230℃まで蒸留して遊離モノマ
−を除去して目的とするフェノール樹脂を990部得
た。得られたフェノール樹脂の融点は110℃であっ
た。
【0016】《比較例1》ステンレス316製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾー
ル500部、37%ホルムアルデヒド450部、蓚酸1
0部を仕込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧
下で内温220℃まで蒸留し、水および遊離モノマ−を
除去してフェノール樹脂を980部得た。得られたフェ
ノール樹脂の融点は105℃であった。
【0017】《比較例2》ステンレス316製3L反応
フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾー
ル500部、37%ホルムアルデヒド450部、蓚酸1
0部を仕込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧
下で内温250℃まで蒸留し、水および遊離モノマ−を
除去してフェノール樹脂を900部得た。得られたフェ
ノール樹脂の融点は111℃であった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】表1からも明らかなように、本発明のガ
ラスライニング製反応設備とステンレス製反応設備を併
用使用した製造方法によるフェノール樹脂の金属不純物
は極めて低く、より細密化を要求される電子材料用フェ
ノール樹脂としての使用が可能となり、超小型化が推進
されている電子材料の発展に寄与してゆくものと期待さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 勝美 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 住 友デュレズ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂の製造において、ガラス
    ライニング製反応設備とステンレス製反応設備を併用し
    て製造する事を特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
JP26048393A 1993-10-19 1993-10-19 フェノール樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP2771434B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014199398A (ja) * 2012-07-26 2014-10-23 富士フイルム株式会社 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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