JP2771435B2 - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂の製造方法Info
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Description
属不純物を低減することを可能とするフェノール樹脂の
製造方法に関するものであり、本発明で得られたフェノ
ール樹脂は、より細密化を要求される電子材料用フェノ
ール樹脂として有用である。
樹脂は、ナトリウム,カルシウム,鉄,銅,カリウム,
錫,マグネシウム,珪素,マンガン,アルミニウム,ニ
ッケル,クロム,亜鉛等の金属不純物含有量を低減する
ことが要求されている。従来工業用フェノール樹脂の製
造において反応設備材料としては、ステンレス製が使用
されている。ステンレス材は、一般に鉄・クロム・ニッ
ケルでできており、水共存下における反応中にフェノー
ル樹脂の触媒で一般に使用されている酸により金属(主
に鉄)が溶出し、結果として製造されるフェノール樹脂
中に数ppmの金属不純物が含有する場合があり問題と
なっている。
減する為、ガラスライニング材,テフロンライニング材
およびニッケル系合金などが検討されてきたが、ガラス
ライニング材は、200℃以上の高温では亀裂破損する
可能性が高いという欠点もある。テフロンライニング材
は、200℃以上の高温では変形を発生する。ニッケル
系合金(ハステロイなど)は、フェノール樹脂の合成反
応中にニッケルが溶出し、製品中に多量のニッケル分が
残留する。
ところは、フェノール樹脂中の金属不純物を低減するこ
とが可能となる電子材料用フェノール樹脂の製造方法を
提供するにある。
脂の製造において、反応系に水が共存する段階ではテフ
ロンライニング製反応設備を使用し、水が十分に除去さ
れた段階で、ステンレス製反応設備に移送して使用する
ことを特徴とするフェノ−ル樹脂の製造方法である。水
が十分にを除去された状態において、一般的には、樹脂
温度が130℃〜190℃の範囲ではいずれの反応設備
をも使用することができる。
カルシウム,鉄,銅,カリウム,錫,マグネシウム,珪
素,マンガン,アルミニウム,ニッケル,クロム,亜鉛
等の金属不純物含有量を低減するためにその原因調査を
行った結果、水共存下における反応中にフェノール樹脂
の触媒で一般に使用されている酸により反応設備材料と
して使用されている金属材料(ステンレスなど)から金
属が溶出し、非水系では200℃以上の高温でも金属溶
出しないことをつきとめた。また、テフロンライニング
製反応設備では、水共存下での金属溶出は少ないもの
の、200℃以上の高温では変形するという欠点があ
る。そこで、反応設備について鋭意検討した結果、水共
存系ではテフロンライニング製反応設備を使用し、水が
十分に除去された高温ではステンレス製反応設備使用す
る併用方式が、金属不純物を低減するのに有用であるこ
とを見出した。
般的方法として、テフロンライニング製反応設備にフェ
ノール類,アルデヒド類,触媒,必要によって溶媒を仕
込み、還流温度で反応の後、減圧下で蒸留し、水を除去
した後、製造されたフェノール樹脂をステンレス製反応
設備に移動し、さらに減圧下で蒸留し、遊離モノマ−を
除去する事により目的とするフェノール樹脂を得ること
ができる。還流時間は、反応効率および分子量コントロ
ールの面から3〜10時間程度が適当であるが特に限定
されるものではなく、製造されるフェノール樹脂の特性
のバランスにより適宜選択する事が出来る。
ール,クレゾール,ジメチルフェノール,トリメチルフ
ェノール,エチルフェノール,ブチルフェノール,オク
チルフェノール,ノニルフェノール,レゾルシノール,
カテコール,ハイドロキノンなどを使用する事が出来る
が、特に限定される事はなく、製造されるフェノール樹
脂の特性により、1種または2種以上を選択,混合して
使用する事が出来る。アルデヒド類としては、ホルムア
ルデヒド,アセトアルデヒド,ベンズアルデヒド,グリ
オキザール,パラホルムアルデヒド,サリチルアルデヒ
ド,ブチルアルデヒドなどを使用する事が出来るが、特
に限定される事はなく、製造されるフェノール樹脂の特
性により、1種または2種以上を選択,混合して使用す
る事が出来る。
成に用いられているものが使用可能であるが、有機酸で
は、蓚酸,酢酸,パラトルエンスルホン酸,キシレンス
ルホン酸,フェノールスルホン酸などが上げられ、無機
酸では、塩酸,硫酸,3フッ化ホウ素錯体などが上げら
れるが、特に限定される事はなく、製造されるフェノー
ル樹脂の特性により、1種または2種以上を選択,混合
して使用する事が出来る。また、溶媒は、トルエン,キ
シレン,メシチレン,アセトン,メチルエチルケトン,
メチルイソブチルケトン,メタノール,エタノール,塩
化メチレンなどを使用する事が出来るが、とっくに限定
される事はなく、フェノール樹脂の特性および製造安定
性の面から使用してもしなくてもよい。
応設備からステンレス製反応設備に移送する温度は、水
が十分に除去されていれば特に限定されず、樹脂の粘度
及びテフロンライニング製反応設備の耐久性を勘案して
適宜選択されるが、一般的には130℃〜190℃の樹
脂温度が好ましい。減圧下での最終温度は、特に限定さ
れず、希望する遊離モノマーの残存量により適宜選択さ
れる。
施例中の「部」及び「%」は、すべて「重量部」及び
「重量%」を示すものである。また、本発明は実施例に
限定されるものではない。 《実施例1》テフロンライニング製3L反応フラスコ中
に、メタクレゾール500部、パラクレゾール500
部、37%ホルムアルデヒド525部、蓚酸10部を仕
込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧下で内温
130℃まで蒸留して水を除去し、さらにステンレス3
16製3L反応フラスコに移し、減圧下で内温200℃
まで蒸留して遊離モノマ−を除去して目的とするフェノ
ール樹脂を980部得た。得られたフェノール樹脂の融
点は100℃であった。
応フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾ
ール400部、フェノール200部、37%ホルムアル
デヒド450部、蓚酸10部を仕込み、還流温度で8時
間反応させ、その後減圧下で内温160℃まで蒸留して
水を除去し、さらにステンレス316製3Lフラスコに
移し、減圧下で内温220℃まで蒸留して遊離モノマ−
を除去して目的とするフェノール樹脂を990部得た。
得られたフェノール樹脂の融点は103℃であった。
応フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾ
ール400部、3,5−キシレノール200部、37%
ホルムアルデヒド450部、酢酸10部を仕込み、還流
温度で8時間反応させ、その後減圧下で内温160℃ま
で蒸留して水を除去し、さらにステンレス316製3L
フラスコに移し、減圧下で内温220℃まで蒸留して遊
離モノマ−を除去して目的とするフェノール樹脂を98
0部得た。得られたフェノール樹脂の融点は105℃で
あった。
応フラスコ中に、メタクレゾール400部、パラクレゾ
ール400部、4−t−ブチルフェノール200部、3
7%ホルムアルデヒド500部、パラトルエンスルホン
酸10部を仕込み、還流温度で8時間反応させ、その後
減圧下で内温160℃まで蒸留して水を除去し、さらに
316ステンレス製3Lフラスコに移し、減圧下で内温
250℃まで蒸留して遊離モノマ−を除去して目的とす
るフェノール樹脂を975部得た。得られたフェノール
樹脂の融点は99℃であった。
応フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾ
ール400部、レゾルシノール100部、37%ホルム
アルデヒド480部、塩酸10部を仕込み、還流温度で
8時間反応させ、その後減圧下で内温160℃まで蒸留
して水を除去し、さらにステンレス316製3Lフラス
コに移し、減圧下で内温230℃まで蒸留して遊離モノ
マ−を除去して目的とするフェノール樹脂を990部得
た。得られたフェノール樹脂の融点は110℃であっ
た。
フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾー
ル500部、37%ホルムアルデヒド450部、蓚酸1
0部を仕込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧
下で内温220℃まで蒸留し、水および遊離モノマ−を
除去してフェノール樹脂を980部得た。得られたフェ
ノール樹脂の融点は105℃であった。
フラスコ中に、メタクレゾール500部、パラクレゾー
ル500部、37%ホルムアルデヒド450部、蓚酸1
0部を仕込み、還流温度で6時間反応させ、その後減圧
下で内温250℃まで蒸留し、水および遊離モノマ−を
除去してフェノール樹脂を900部得た。得られたフェ
ノール樹脂の融点は111℃であった。
ェノール樹脂の製造方法は、テフロンライニング製反応
設備とステンレス製反応設備を併用し、かつ反応系に水
が共存する場合テフロンライニング製反応設備を使用
し、反応系から水が十分に除去された状態ではステンレ
ス製反応設備を使用することにより、フェノ−ル樹脂の
金属不純物を極めて低くすることができる。かかるフェ
ノール樹脂は、より細密化を要求される電子材料用フェ
ノール樹脂として好適に使用される。従って、超小型化
が推進されている電子材料の発展に寄与してゆくものと
期待される。
Claims (1)
- 【請求項1】 フェノ−ル樹脂の製造において、反応系
に水が共存する段階ではテフロンライニング製反応設備
を使用し、水が十分に除去された段階で、ステンレス製
反応設備に移送して使用することを特徴とするフェノ−
ル樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26048493A JP2771435B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26048493A JP2771435B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07149851A JPH07149851A (ja) | 1995-06-13 |
JP2771435B2 true JP2771435B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=17348607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26048493A Expired - Fee Related JP2771435B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2771435B2 (ja) |
-
1993
- 1993-10-19 JP JP26048493A patent/JP2771435B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07149851A (ja) | 1995-06-13 |
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