JPH07112403B2 - 離型油及びその製造法 - Google Patents
離型油及びその製造法Info
- Publication number
- JPH07112403B2 JPH07112403B2 JP3216458A JP21645891A JPH07112403B2 JP H07112403 B2 JPH07112403 B2 JP H07112403B2 JP 3216458 A JP3216458 A JP 3216458A JP 21645891 A JP21645891 A JP 21645891A JP H07112403 B2 JPH07112403 B2 JP H07112403B2
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- Japan
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- oil
- release oil
- examples
- starch
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菓子類、パン類等の製
造時に天板、焼型等に塗布して製品を離型しやすくする
ための離型油に関するものである。
造時に天板、焼型等に塗布して製品を離型しやすくする
ための離型油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂中にでんぷん類、ガム質等の粉体を
多く分散させた離型油(天板油)は、繰り返し使用する
と粉体が型に残り炭化によって汚す欠点があるとされ
て、粉体を用いない(例えば特開昭62−138130
号公報)、粉体をなるべく少なくする(例えば特開昭6
4−37249号公報)ことが試みられている。また、
でんぷん類等の粉体を含有する離型油は、離型性が非常
によいのが特徴であるが、保管中に粉体が沈降、分離し
たり、粘度が高くなり作業性の悪くなるなどの欠点があ
った。
多く分散させた離型油(天板油)は、繰り返し使用する
と粉体が型に残り炭化によって汚す欠点があるとされ
て、粉体を用いない(例えば特開昭62−138130
号公報)、粉体をなるべく少なくする(例えば特開昭6
4−37249号公報)ことが試みられている。また、
でんぷん類等の粉体を含有する離型油は、離型性が非常
によいのが特徴であるが、保管中に粉体が沈降、分離し
たり、粘度が高くなり作業性の悪くなるなどの欠点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、でんぷん類
の離型性の良さを生かし、かつ従来の欠点を改善するこ
とを課題とし、鋭意研究の結果、解決することができ、
完成に至ったものである。
の離型性の良さを生かし、かつ従来の欠点を改善するこ
とを課題とし、鋭意研究の結果、解決することができ、
完成に至ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の離型油は、食用
油脂、でんぷん類、親油性のショ糖脂肪酸エステル、レ
シチンを必須成分とするものであり、でんぷん類は全量
中の15〜35重量%(以下重量%を単に%と記載す
る)、ショ糖脂肪酸エステルは0.7〜10%、レシチ
ンは1〜7%使用する。
油脂、でんぷん類、親油性のショ糖脂肪酸エステル、レ
シチンを必須成分とするものであり、でんぷん類は全量
中の15〜35重量%(以下重量%を単に%と記載す
る)、ショ糖脂肪酸エステルは0.7〜10%、レシチ
ンは1〜7%使用する。
【0005】本発明で使用する食用油脂は、常温で液状
の油脂で例えば大豆油、なたね油、綿実油、コーン油、
サフラワー油、こめ油、落花生油、ひまわり油等があ
る。このほか分別油、エステル交換油も使用可能であ
り、以上の油脂を2種以上混合して用いてもよい。使用
時に液状である範囲で固形脂を添加することも可能であ
るが粘度が高くなると作業性が悪くなる。
の油脂で例えば大豆油、なたね油、綿実油、コーン油、
サフラワー油、こめ油、落花生油、ひまわり油等があ
る。このほか分別油、エステル交換油も使用可能であ
り、以上の油脂を2種以上混合して用いてもよい。使用
時に液状である範囲で固形脂を添加することも可能であ
るが粘度が高くなると作業性が悪くなる。
【0006】でんぷん類としては、コーンスターチ、ワ
キシーコーンスターチ、馬鈴薯でんぷん等のでんぷん、
化工でんぷん(例えば馬鈴薯でんぷんの化工でんぷんで
あるパセリSA−2、松谷化学扱い、コーンスターチの
化工でんぷんであるコル・フロ67、王子ナショナル扱
い)等を例示することができる。
キシーコーンスターチ、馬鈴薯でんぷん等のでんぷん、
化工でんぷん(例えば馬鈴薯でんぷんの化工でんぷんで
あるパセリSA−2、松谷化学扱い、コーンスターチの
化工でんぷんであるコル・フロ67、王子ナショナル扱
い)等を例示することができる。
【0007】ショ糖脂肪酸エステルは、油脂中に一様に
混合溶解するもの(親油性、HLB1〜7)が用いら
れ、レシチンは、一般の大豆レシチンが用いられる。本
発明の使用量のショ糖脂肪酸エステルを併用することに
よりでんぷん類と油脂との親和性がより強くなって、粉
体(でんぷん類)が多くてもケーキ生地の方に付着する
率が高くなり(型に残る粉体の率が低くなり)粉体の炭
化による弊害は減少している。
混合溶解するもの(親油性、HLB1〜7)が用いら
れ、レシチンは、一般の大豆レシチンが用いられる。本
発明の使用量のショ糖脂肪酸エステルを併用することに
よりでんぷん類と油脂との親和性がより強くなって、粉
体(でんぷん類)が多くてもケーキ生地の方に付着する
率が高くなり(型に残る粉体の率が低くなり)粉体の炭
化による弊害は減少している。
【0008】以上の原料のほかに、微粒の二酸化ケイ素
(純度の高いシリカで、富士デヴィソン化学扱いのサイ
ロページがある)を添加すると、更によい結果が得ら
れ、またシリコーン樹脂の添加も効果がある。
(純度の高いシリカで、富士デヴィソン化学扱いのサイ
ロページがある)を添加すると、更によい結果が得ら
れ、またシリコーン樹脂の添加も効果がある。
【0009】本発明の離型油を製造するには、油脂にシ
ョ糖脂肪酸エステル、レシチンを加え60℃以上で混合
溶解し、でんぷん類を加え充分攪拌し分散させて後、1
5〜30℃に急冷する。このような操作をしないと、本
発明の効果は得られない。
ョ糖脂肪酸エステル、レシチンを加え60℃以上で混合
溶解し、でんぷん類を加え充分攪拌し分散させて後、1
5〜30℃に急冷する。このような操作をしないと、本
発明の効果は得られない。
【0010】
【実施例】実施例1 なたね油62部(以下を含めいずれも重量部である)を
80℃まで加熱し、ショ糖脂肪酸エステル1部(第一工
業製薬製、DKエステル F−10、表1〜3ではこれ
をSEと略記)、大豆レシチン7部(日清製油製、日清
レシチン DX)を加え混合溶解し、化工でんぷんパセ
リSA−2(表1〜2ではパセリと略記)30部を加え
分散させた。テストボテーターを用いて25℃まで急冷
した。このようにして得た離型油をブッセの型にはけ塗
りし、型内にスポンジケーキ生地を流し入れ、焼成し、
ケーキの離型性を観察、評価した。均質性については室
温(10〜20℃)に3か月保管後の粒子の沈降の有無
を観察した。作業性についてはB型粘度計(ビスメトロ
ン VS−A1 芝浦システム製)で測定し、約1万C
Pを有効上限粘度とした。実施例1の評価は3種とも良
好であった。表1には、実施例1〜8の配合と得られた
離型油の評価とを記載した。
80℃まで加熱し、ショ糖脂肪酸エステル1部(第一工
業製薬製、DKエステル F−10、表1〜3ではこれ
をSEと略記)、大豆レシチン7部(日清製油製、日清
レシチン DX)を加え混合溶解し、化工でんぷんパセ
リSA−2(表1〜2ではパセリと略記)30部を加え
分散させた。テストボテーターを用いて25℃まで急冷
した。このようにして得た離型油をブッセの型にはけ塗
りし、型内にスポンジケーキ生地を流し入れ、焼成し、
ケーキの離型性を観察、評価した。均質性については室
温(10〜20℃)に3か月保管後の粒子の沈降の有無
を観察した。作業性についてはB型粘度計(ビスメトロ
ン VS−A1 芝浦システム製)で測定し、約1万C
Pを有効上限粘度とした。実施例1の評価は3種とも良
好であった。表1には、実施例1〜8の配合と得られた
離型油の評価とを記載した。
【0011】
【表1】
【0012】実施例2〜8 表1に記載した配合により実施例1と同様に離型油を作
製し、試験した。実施例7〜8は二酸化ケイ素(サイロ
ページ#760、表1ではサイロと略記)を添加した例
である。実施例8は更にシリコーン樹脂(信越化学製
KS−66、表1ではシリコンと略記)を添加した例で
ある。実施例2〜6も良好な結果を得たが、実施例7〜
8はより好ましい結果を得た。
製し、試験した。実施例7〜8は二酸化ケイ素(サイロ
ページ#760、表1ではサイロと略記)を添加した例
である。実施例8は更にシリコーン樹脂(信越化学製
KS−66、表1ではシリコンと略記)を添加した例で
ある。実施例2〜6も良好な結果を得たが、実施例7〜
8はより好ましい結果を得た。
【0013】比較例1〜9 表2にその配合と得られた離型油の評価とを記載した。
製造法は実施例1と同じである。比較例1〜4は、でん
ぷん類が15%を下回る例であり、比較例5は35%を
上回る例である。比較例6はショ糖脂肪酸エステルが
0.7%を下回る例、比較例7はレシチンが1%を下回
る例である。比較例8はショ糖脂肪酸エステルを添加し
ない例、比較例9はレシチンを添加しない例である。以
上の例は実施例1〜8と比べ不良であった。
製造法は実施例1と同じである。比較例1〜4は、でん
ぷん類が15%を下回る例であり、比較例5は35%を
上回る例である。比較例6はショ糖脂肪酸エステルが
0.7%を下回る例、比較例7はレシチンが1%を下回
る例である。比較例8はショ糖脂肪酸エステルを添加し
ない例、比較例9はレシチンを添加しない例である。以
上の例は実施例1〜8と比べ不良であった。
【0014】
【表2】
【0015】実施例9〜16 実施例9〜10は、コーンスターチ(加藤化学製、表3
ではコーンと略記)を使用した例、実施例11〜14
は、ワキシーコーンスターチ(ホーネン扱い、ユタカ
ワキシーコーンスターチ、表3ではワキシーと略記)を
使用した例、実施例15〜16は、馬鈴薯でんぷん(ホ
クレン扱い、片栗粉、表3では馬鈴薯と略記)を使用し
た例である。製造法は実施例1と同じである。いずれも
良好な結果を得た。表3には、実施例9〜19の配合と
得られた離型油の評価とを記載した。
ではコーンと略記)を使用した例、実施例11〜14
は、ワキシーコーンスターチ(ホーネン扱い、ユタカ
ワキシーコーンスターチ、表3ではワキシーと略記)を
使用した例、実施例15〜16は、馬鈴薯でんぷん(ホ
クレン扱い、片栗粉、表3では馬鈴薯と略記)を使用し
た例である。製造法は実施例1と同じである。いずれも
良好な結果を得た。表3には、実施例9〜19の配合と
得られた離型油の評価とを記載した。
【0016】
【表3】
【0017】実施例17〜19 いずれも化工でんぷんのコル・フロ67(表3ではコル
フロと略記)を使用した例で、良好な結果が得られた。
フロと略記)を使用した例で、良好な結果が得られた。
【0018】
【発明の効果】本発明は、でんぷん類を全量中の15〜
35%という、離型油としては比較的多量のでんぷん類
を使用し、親油性のショ糖脂肪酸エステル、レシチンを
併用して、良いバランスを見出すことができたものであ
る。はけ塗り作業の場合でも低粘度で流動性があるので
作業性が良く、離型性も良く、長期に保管しても粉体の
沈降が抑止され均質を保つ離型油が得られた。
35%という、離型油としては比較的多量のでんぷん類
を使用し、親油性のショ糖脂肪酸エステル、レシチンを
併用して、良いバランスを見出すことができたものであ
る。はけ塗り作業の場合でも低粘度で流動性があるので
作業性が良く、離型性も良く、長期に保管しても粉体の
沈降が抑止され均質を保つ離型油が得られた。
Claims (3)
- 【請求項1】 食用油脂、でんぷん類、親油性のショ糖
脂肪酸エステル、レシチンを必須成分とする離型油にお
いて、でんぷん類を全量中の15〜35重量%、ショ糖
脂肪酸エステルを0.7〜10重量%、レシチンを1〜
7重量%含有する離型油。 - 【請求項2】 離型油中に更に微粒の二酸化ケイ素を含
有する請求項1記載の離型油。 - 【請求項3】 食用油脂及びその他の原料を60℃以上
で混合、分散させた後、15〜30℃に急冷する請求項
1又は2記載の離型油の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216458A JPH07112403B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 離型油及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3216458A JPH07112403B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 離型油及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0530905A JPH0530905A (ja) | 1993-02-09 |
JPH07112403B2 true JPH07112403B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=16688813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3216458A Expired - Fee Related JPH07112403B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 離型油及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07112403B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3781878B2 (ja) * | 1996-10-04 | 2006-05-31 | 同和鉱業株式会社 | Ito焼結体およびitoスパッタリングターゲット |
JP5174293B1 (ja) * | 2011-08-29 | 2013-04-03 | 株式会社J−オイルミルズ | 炒め用油脂組成物及びその製造方法 |
CN102792986B (zh) * | 2012-08-17 | 2013-07-31 | 芝兰雅烘焙原料(无锡)有限公司 | 一种面包脱模油 |
JP6478710B2 (ja) * | 2015-03-02 | 2019-03-06 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 固型調理油 |
CN104719363B (zh) * | 2015-03-30 | 2017-11-14 | 广州天惠食品股份有限公司 | 一种食品脱模剂及其制备方法 |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP3216458A patent/JPH07112403B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0530905A (ja) | 1993-02-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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